JP4704578B2 - 製造可能指数表示方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットを用いた提案型の新製品依頼システムにおいて、製造可能性を把握容易に表示する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの急速な普及によって、インタラクティブにコンシュマーが希望する製品の開発・販売をメーカー側に伝えるためのインフラが整ってきた。
【0003】
実際のインターネットのサイト上ではサイト運営者あるいはそこにアクセスするユーザーが希望する仕様・デザインの新製品を提案し、その提案に対して他の賛同者を募り、これが一定数に達するとメーカー側に打診するようなシステムが運営されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなサイトではユーザー、すなわち購入希望者は、前記サイトを訪れて当該サイトのホームページに掲載されている提案製品が実際に製造されたら購入したいとの意思表明を、画面インターフェースとして用意された「購入希望」を示すクリックボタン等を操作し、自身の氏名やメールアドレス等をサーバの購入希望データベースに登録する。
【0005】
サイトサーバは、前記購入希望データベースより購入希望者数を算出し、この購入希望者数をメーカーに電子メール等で通知して、メーカーの企画・製造への着手を促すというような手順が一般的であった。
【0006】
このような処理の間、前記サイト運営者側では、アクセスしてきたユーザーに対して、そのアクセス時点での前記購入希望者数を数値あるいはグラフで表示して、当該製品の実現に向けた盛り上がりを演出しているものが多い。
【0007】
ところが、このような購入希望者数の表示は、単に市場が当該製品を欲していることを示しているだけで、製品化が実現する可能性があるか否かの判断はユーザーにとっては難しかった。
【0008】
要するに、従来のこの種の提案型の製品実現サイトでは、単にユーザー側の希望状況を表示するのみで、メーカー側の可能性を全く表示しておらず、そのために本当にその製品が実現するのかという的確な製品化可能性を把握することができない問題点があった。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、単にユーザー側の製品化希望状況だけでなく、メーカー側の製品化可能性も考慮した総合的な製品化への実現可能性を容易に把握できる技術を提供することを技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、サーバに提示された提案製品に対してユーザーの購入希望を受け付けて、この購入希望数を、前記提案製品毎に設定された最小ロット数で除算してユーザー指数として算出し、次に、提案製品を製造すると仮定した場合の製造工程を細分化し、工程の難易度に応じた重み付けを総工程数で除算してメーカー指数を算出し、さらに、ユーザー指数とメーカー指数とを2次元座標化して、製造可能指数として表示することにより、ユーザーに対して製造可能性がどの程度なのかを明確に表示することを特徴としたシステムである。
【0011】
このように、当該製品を製造すると仮定した場合のメーカー側の難易度も考慮したメーカー指数も加味して製造可能指数として算出することによって購入希望者側の都合だけでなくメーカーの都合も考慮した製造可能性を算出することができるため、ユーザーに対してより確実な製造の可能性を示唆することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
【0013】
【実施例】
図2は、本発明の全体のシステム構成を示している。
【0014】
同図に示すように、インターネット等の公衆ネットワーク(NW)を中心に、これに提案サーバ、ユーザー端末(USER1〜n)およびメーカーサーバが接続されている。
【0015】
提案サーバは、バス(BUS)を中心に構成されており、中央処理装置(CPU)、メインメモリ(MM)、入力手段としてのキーボード(KBD)および出力手段としての表示装置(CRT)が接続されている。また、このバス(BUS)にはデータベース(DB)を構成するハードディスク装置が接続されており、このハードディスク装置内には、中央処理装置(CPU)により実行されて提案サーバを機能させるプログラム、各指数および各データが格納されるようになっている。
【0016】
本実施例の提案システムは、前記データベース内のプログラムを中央処理装置(CPU)が一旦メインメモリに読み込んで順次実行することにより実現される。また、ハードディスク装置にはOS(オペレーティングシステム)が組み込まれており、このOS上で前記プログラムが実行されるようになっている。
【0017】
なお、ユーザー端末(USER1〜n)は、汎用のパーソナルコンピュータであり、場合によっては携帯電話等の簡易端末、通信機能を備えたPDA(Personal Data Assitant)等であってもよい。
【0018】
提案サーバは、WWWサーバ(ウェブサイト)として機能しており、提案製品の画像情報とこの提案製品に対する入力受付インターフェースをHTMLファイルによって各ユーザー端末(USER1〜n)に対して表示するようになっている。この提案製品と投票の受付画面を示したものが図12である。この図ではMD(Mini Disc)プレイヤを収納するためのケースを提案製品として表示している。同図に示す画像はユーザーがユーザー端末(たとえばUSER1)をネットワーク(NW)に接続し、所定の提案サーバのアドレス(URL:Uniform Resource Locator)を指定することによりユーザー端末のCRT等の表示装置に表示されるようになっている。
【0019】
同図には、当該提案製品の試作品写真画像(CG画像でも可)の他にその時点で製品実現価格(ここでは10000円)および製造可能となるまでの人数(ここでは94人)を表示するようになっている。
【0020】
ユーザーがユーザー端末を介して当該提案製品に対して「投票する」という画像ボタン上にマウスカーソル(図示せず)を配置し、マウス(補助入力デバイス)の入力指示ボタン(クリックボタン)を押すと、製品購入希望情報が入力されたものとして、提案サーバのデータベースに該情報が蓄積される。
【0021】
また、同図下部には、当該提案製品が製品化された際のユーザーの手許に届くまでのステップを図式化して表示されている。
【0022】
図5乃至図11は、データベースに登録される各種テーブルの構成について説明した図である。
【0023】
この中で図5はテーブルインデックスであり、データベースに登録されるテーブル名が登録されている。本実施例では、商品価格履歴テーブル、商品投票テーブル、製品化基本ステップテーブル、製品化詳細ステップテーブル、商品製品化ステップテーブル、cuusooシステム設定値テーブル(提案サーバ設定値テーブル)が設けられている。
【0024】
これらの各テーブルのメーカー関連の項目(たとえば製品化基本テーブル(図8)、製品化詳細テーブル(図9)、商品製品化テーブル(図10)等についてはメーカーサーバからネットワーク(NW)を介して入力を受け付けるようにしてもよい。
【0025】
図3は、本実施例による製品可能指数(プロダクト指数)の算出方法の概略を示したブロック図である。
【0026】
同図に示すように、まずユーザーの投票情報(製品購入希望情報)が入力されると、これがデータベースに蓄積され、このユーザーの入力情報に基づいてユーザー指数が算出される。このユーザー指数については後で詳しく説明する。
【0027】
次に、ネットワーク(NW)に接続されているメーカーサーバよりこの製品を製造すると仮定した場合のメーカー側の都合情報が入力されこれも前記データベースに蓄積される。このメーカー側の都合情報に基づいてメーカー指数が算出される。このメーカー指数についても後で詳しく説明する。
【0028】
そして、これらのメーカー指数とユーザー指数とによって製造可能指数(プロダクト指数)が算出され、表示される。この製造可能指数の表示形式についても後で詳しく説明する。
【0029】
次に、提案サーバにおける中央処理装置(CPU)の処理手順を説明する。
【0030】
まず、中央処理装置(CPU)は、提案製品に対して仮定的な現在価格を算出する。この現在価格はメーカーサーバに対して製造見積を依頼する前に、提案サーバ内で単独で想定した価格で構わない。
【0031】
次に、中央処理装置(CPU)は、その時点での製造可能までに必要とされるユーザーの人数を投票数から算出する。この算出は以下の式によって処理可能である。
製造可能までの人数=(最小ロット数)−(投票数)
ここで最小ロット数についても提案サーバ内で算出した数値を用いる。
【0032】
次に、当該提案製品が製品化されるものと仮定し、当該製品がユーザーの手許に届くまでの工程を基本工程として以下の6つの工程に分類し、これに細分類化した詳細工程を設定しデータベース内に格納しておく。
【0033】
ここで、基本工程として採用したのは、「提案受付工程」、「デザイン・CG作成工程」、「メーカー関連工程」、「販売会社・契約関連工程」、「発注生産工程」、「配送工程」である。
【0034】
なお、詳細工程としては、「提案受付工程」について、「製品化候補選定工程」等が考えられる。
【0035】
前記提案製品が製品化されると仮定した際の前記メーカー関連工程の詳細工程を設定し、これらの詳細工程毎の実現難易度を設定し、これらの難易度に応じた重み付け(ステップウェイト)を行う。そして全工程と現時点までのステップウェイトの合計からメーカー指数を算出する。具体的にはメーカー指数は以下の計算式により算出される。
メーカー指数
Σ=(ステップウェイト×総ステップ/100)/総ステップ×100
ここで、最終計算値の小数点以下第1桁目は四捨五入する。また、総ステップは提案製品毎に可変としてもよい。このメーカー指数算出に必要な項目はデータベースの各テーブルより取得する。すなわち「総ステップ」は製品化詳細テーブル(図9)のエンティティに存在する該当商品の全てのインスタンス値より取得でき、「ステップウェイト」は商品製品化テーブル(図10)のエンティティに存在する該当商品の最新のステップ開始日インスタンスより求めることができる。
次に中央処理装置(CPU)は、以下の式によりユーザー指数を算出する。
ユーザー指数=(投票数/最小ロット数)×100
これはいわば、提案製品が実際に製品化されるまでに必要なユーザーの欲求度合いを最小ロット数と投票数とによって指数化したものである。
【0036】
ここで最小ロット数は、商品価格履歴テーブル(図6)の最小ロット数より取得する。この最小ロット数は提案サーバが提案製品毎に独自に設定した値である。
【0037】
また投票数は商品投票テーブル(図7)の投票実施回数より取得する。これは前述のユーザーがユーザー端末(USER)より「投票」した数値である。
【0038】
次に、中央処理装置(CPU)は、前記で得られたメーカー指数とユーザー指数とをXY座標軸のそれぞれに配置し、当該ポイントを表示する。
【0039】
このとき、前記XY座標軸はX軸およびY軸のそれぞれについて1〜50,51〜100に区分され、したがって図1に示すように4つの領域に分割されている。分割領域を同図に示すようにそれぞれZ1(メーカー指数=0〜50,ユーザー指数=0〜50)、Z2(メーカー指数=51〜100,ユーザー指数=0〜50)、Z3(メーカー指数=0〜50,ユーザー指数=51〜100)、Z4(メーカー指数=51〜100,ユーザー指数=51〜100)とする。
【0040】
この各領域は以下のような意味があることになる。
【0041】
Z1の領域は、商品化を希望すユーザーも不十分であり、メーカーも製造を希望していない状態を意味している(夢の空想商品)。
【0042】
Z2の領域は、メーカーは製造可能な状態だが、商品化を希望するユーザーが不十分な状態を意味している(欲しい人集まれ)。
【0043】
Z3の領域は、商品化を希望するユーザーは十分にいるがメーカーが製造を希望しない、あるいは製造できない状態を意味している(メーカー募集中)。
【0044】
Z4の領域は、商品化を希望するユーザーが十分におり、かつ製造を希望するメーカーもある場合を意味している(めざせ商品化)。
【0045】
中央処理装置(CPU)は、提案商品がその時点においてどの領域に所属しているかを表示する。この表示形態としては、所属している領域のみを他の領域と色を変更して表示する場合や、所属している領域にキャラクタ等を配置する場合等が考えられる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、提案製品を製造すると仮定した場合のメーカー側の難易度も考慮したメーカー指数も加味した製造可能指数を提示することにより、製品提案型のサーバにおいて、本来の意味の製造可能性を示唆することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製品可能指数の表示方法を説明する領域図
【図2】 実施例のシステム構成図
【図3】 製品可能指数算出の概略を示す処理ブロック図
【図4】 製品可能指数の各領域の意味を示す説明図
【図5】 実施例のデータベースでのテーブルインデックス
【図6】 商品価格履歴テーブルの構成を示す説明図
【図7】 商品投票テーブルの構成を示す説明図
【図8】 製品化基本テーブル(1)および(2)
【図9】 製品化詳細テーブルの構成を示す説明図
【図10】 商品製品化テーブルの構成を示す説明図
【図11】 提案サーバシステム設定値テーブルの構成を示す説明図
【図12】 提案サーバの表示画面例(1)
【図13】 提案サーバの表示画面例(2)
Claims (6)
- サーバに提示された提案製品に対して、前記サーバとネットワークを介して接続したユーザー端末から購入希望情報を受信してデータベースの商品投票テーブルに蓄積するステップと、
前記データベースの前記商品投票テーブルから前記購入希望情報に基づく製品毎の購入希望数を取得し、前記提案製品毎に設定された最小ロット数を前記データベースの商品価格履歴テーブルから取得し、当該購入希望数を最小ロット数で除算してユーザー指数を算出するステップと、
提案製品を製造すると仮定した場合の製造工程毎の難易度に応じた重み付けを前記データベースの商品製品化テーブルから取得し、前記データベースの製品化詳細テーブルから前記提案製品の総工程数を取得し、当該製造工程毎の重み付けの合計を当該総工程数で除算してメーカー指数を算出するステップと、
表示装置の画面上で2次元座標の各座標軸にユーザー指数とメーカー指数とを設定し、前記座標軸で画定される表示領域を当該ユーザー指数とメーカー指数に応じた領域に区分し、当該2次元座標上に前記ユーザー指数とメーカー指数とに応じたポイントを前記表示装置の前記表示領域に表示し、当該ポイントの属する領域によって製造可能指数を示すステップと、
を前記サーバが実行する製造可能指数表示方法。 - 前記ポイントが所属する領域の表示を他の領域と異なる形態で表示する請求項1記載の製造可能指数表示方法。
- 前記領域は、少なくともメーカーもユーザーも製品化を希望しないことを意味する領域と、メーカーは製造可能であるがユーザーが製造を希望していないことを意味する領域と、製造化を希望するユーザーはいてもメーカーが製造を希望していないことを意味する領域と、製品化を希望するユーザーが十分にいてかつ製造を希望するメーカーもいることを意味する領域とからなる請求項2記載の製造可能指数表示方法。
- サーバに提示された提案製品に対して、前記サーバとネットワークを介して接続したユーザー端末から購入希望情報を受信してデータベースの商品投票テーブルに蓄積するステップと、
前記データベースの前記商品投票テーブルから前記購入希望情報に基づく製品毎の購入希望数を取得し、前記提案製品毎に設定された最小ロット数を前記データベースの商品価格履歴テーブルから取得し、当該購入希望数を最小ロット数で除算してユーザー指数を算出するステップと、
提案製品を製造すると仮定した場合の製造工程毎の難易度に応じた重み付けを前記データベースの商品製品化テーブルから取得し、前記データベースの製品化詳細テーブルから前記提案製品の総工程数を取得し、当該製造工程毎の重み付けの合計を当該総工程数で除算してメーカー指数を算出するステップと、
表示装置の画面上で2次元座標の各座標軸にユーザー指数とメーカー指数とを設定し、前記座標軸で画定される表示領域を当該ユーザー指数とメーカー指数に応じた領域に区分し、当該2次元座標上に前記ユーザー指数とメーカー指数とに応じたポイントを前記表示装置の前記表示領域に表示し、当該ポイントの属する領域によって製造可能指数を示すステップと、
を前記サーバに実行させるためのプログラム。 - サーバに提示された提案製品に対して、前記サーバとネットワークを介して接続したユーザー端末から購入希望情報を受信してデータベースの商品投票テーブルに蓄積するステップと、
前記データベースの前記商品投票テーブルから前記購入希望情報に基づく製品毎の購入希望数を取得し、前記提案製品毎に設定された最小ロット数を前記データベースの商品価格履歴テーブルから取得し、当該購入希望数を最小ロット数で除算してユーザー指数を算出するステップと、
提案製品を製造すると仮定した場合の製造工程毎の難易度に応じた重み付けを前記データベースの商品製品化テーブルから取得し、前記データベースの製品化詳細テーブルから前記提案製品の総工程数を取得し、当該製造工程毎の重み付けの合計を当該総工程数で除算してメーカー指数を算出するステップと、
表示装置の画面上で2次元座標の各座標軸にユーザー指数とメーカー指数とを設定し、前記座標軸で画定される表示領域を当該ユーザー指数とメーカー指数に応じた領域に区分し、当該2次元座標上に前記ユーザー指数とメーカー指数とに応じたポイントを前記表示装置の前記表示領域に表示し、当該ポイントの属する領域によって製造可能指数を示すステップと、
を前記サーバに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。 - サーバにおいて提案製品を提示する手段と、
ネットワークを介して接続したユーザー端末から購入希望情報を受信してデータベースの商品投票テーブルに蓄積する入力手段と、
前記データベースの前記商品投票テーブルから前記購入希望情報に基づく製品毎の購入希望数を取得し、前記提案製品毎に設定された最小ロット数を前記データベースの商品価格履歴テーブルから取得し、当該購入希望数を最小ロット数で除算してユーザー指数を算出する手段と、
提案製品を製造すると仮定した場合の製造工程毎の難易度に応じた重み付けを前記データベースの商品製品化テーブルから取得し、前記データベースの製品化詳細テーブルから総工程数を取得し、当該製造工程毎の重み付けの合計を当該総工程数で除算してメーカー指数を算出する手段と、
表示装置の画面上で2次元座標の各座標軸にユーザー指数とメーカー指数とを設定し、前記座標軸で画定される表示領域を当該ユーザー指数とメーカー指数に応じた領域に区分し、当該2次元座標上に前記ユーザー指数とメーカー指数とに応じたポイントを前記表示装置の前記表示領域に表示し、当該ポイントの属する領域によって製造可能指数を示す手段とからなる製造可能指数表示装置。
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