JP4704382B2 - 増粘剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ジシラン化合物を縮合して得られる重合体、この重合体からなる増粘剤、及びこの重合体を含有する化粧料に関する。
化粧品、トイレタリー製品、外用医薬品、水溶性塗料等の重要な構成成分の一つとして増粘剤がある。化粧品及びトイレタリー製品に用いられる理想的な増粘剤としては、増粘性効果に優れること、金属塩、界面活性剤、油剤、或いはその他の添加物による粘度変化が少なく、経日粘度変化が少ないこと、べたつき等が少なく使用感に優れることなどが挙げられる。
従来、増粘剤、ゲル化剤、賦形剤、エマルジョン安定剤、凝集剤として広く使用されているものとしてセルロースエーテル類が挙げられる。セルロースエーテル類としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性非イオン性セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース等のイオン性セルロースエーテルなどが市販され、用いられている。
これらセルロースエーテル類は、カーボポール等のポリアクリル酸系の増粘剤に比べて無機金属塩類、有機金属塩類共存下での水溶液粘度の安定性には比較的優れている。
しかし、セルロースエーテル類は、ポリアクリル酸系の増粘剤に比べて同一濃度における水溶液での増粘性が低く、特に化粧品やトイレタリー製品等の増粘剤或いはエマルジョン安定剤として利用する場合、セルロースエーテル類の性質を十分に活かす為に使用量を多くする必要があった。すると、べたつき或いは皮膜感などの感触面での問題が生じ、しかも、温度変化に伴う粘度変化が大きく、安定な製品形態を維持し難いという欠点があった。
本発明の課題は、高い増粘性を発揮し、界面活性剤、無機金属塩、有機金属塩或いはpHなどの影響を受けにくく、しかも、化粧料やトイレタリー製品に使用した場合、良好な使用感を有し、増粘、乳化安定性に優れた効果を示す、化合物を提供することにある。
本発明は、一般式(1)で表される構造(以下構造(1)という)を有するモノ又はポリアミノ酸のC末端に、1級及び/又は2級アミノ基を有する1価の炭化水素基、並びにX3Si−(Xはアルコキシ基を示す)なる基を有するシラン化合物が反応し、上記モノ又はポリアミノ酸のN末端に、分子中に、エポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ハロゲン及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有し、エーテル基を含んでいてもよい1価の炭化水素基、並びにZ3Si−(Zはアルコキシ基を示す)なる基を有するシラン化合物が反応してなる、一般式(2)で表されるジシラン化合物(以下、本発明のジシラン化合物という)を、アルコキシシラン存在下又は不存在下、加水分解後、縮合して得られる重合体(以下、本発明の重合体という)、この重合体からなる増粘剤、並びにこの重合体を含有する化粧料を提供する。
Figure 0004704382
[式中、R1、R2及びR3は同一又は異なって、水素原子、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数3〜22のシクロアルキル基、炭素数7〜22のアラルキル基又は炭素数6〜22のアリール基を示す。またR1又はR2とR3とは一緒になって環を形成していてもよい。nは1〜10000の数を示し、n個のR1、R2、R3は同一であっても、異なっていても良い。]
3Si−Y−SiZ3 (2)
[式中、X及びZは前記の意味を示す。Yは一般式(3)で表される基を示す。
Figure 0004704382
(式中、R1、R2、R3及びnは前記の意味を示す。Aはアミノ基を有する2価の炭化水素基であって、その窒素原子を介してアミノ酸のC末端と結合する基を示す。Bはヒドロキシ基を有し、エーテル基を含んでいてもよい2価の炭化水素基、エステル基を有し、エーテル基を含んでいてもよい2価の炭化水素基、アミド基を有し、エーテル基を含んでいてもよい2価の炭化水素基であって、そのカルボニル基を介してアミノ酸のN末端と結合する基、あるいは2価の炭化水素基を示す。)]
本発明の重合体は、水溶液中、増粘性を示し、界面活性剤、無機金属塩、有機金属塩類或いはpHなどによる粘度変化が少ない。本発明の重合体を、化粧料やトイレタリー製品に配合した場合、良好な使用感を有し、増粘、乳化安定性に優れた効果を示す。
[ジシラン化合物]
本発明のジシラン化合物は、上記一般式(2)で表される化合物である。
一般式(2)において、X、Zは同一又は異なって、炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が更に好ましい。
一般式(3)において、連結基A,Bとして、以下のものが好ましい。
連結基A
アミノ基を有する2価の炭化水素基として、アミノ基を1個以上有する炭素数1〜22のアルキレン基、炭素数6〜22のアリーレン基又は炭素数7〜22のアルキルアリーレン基もしくはアリールアルキレン基が好ましく、式(4)〜(6)で表される基が更に好ましい。
Figure 0004704382
連結基B
ヒドロキシ基を有し、エーテル基を含んでいてもよい2価の炭化水素基として、ヒドロキシ基を1個以上有する炭素数1〜22のアルキレン基、炭素数6〜22のアリーレン基又は炭素数7〜22のアルキルアリーレン基もしくはアリールアルキレン基、あるいはこれらがエーテル結合を有する基が好ましく、式(7)〜(9)で表される基が更に好ましい。
Figure 0004704382
エステル基を有し、エーテル基を含んでいてもよい2価の炭化水素基として、エステル基を1個以上有する炭素数1〜22のアルキレン基、炭素数6〜22のアリーレン基又は炭素数7〜22のアルキルアリーレン基もしくはアリールアルキレン基が好ましく、式(10)又は(11)で表される基が更に好ましい。
Figure 0004704382
アミド基を有し、エーテル基を含んでいてもよい2価の炭化水素基として、アミド基を1個以上有する炭素数1〜22のアルキレン基、炭素数6〜22のアリーレン基又は炭素数7〜22のアルキルアリーレン基もしくはアリールアルキレン基が好ましく、式(12)で表される基が更に好ましい。
Figure 0004704382
2価の炭化水素基として、炭素数1〜22のアルキレン基、炭素数6〜22のアリーレン基又は炭素数7〜22のアルキルアリーレン基もしくはアリールアルキレン基が好ましく、式(13)で表される基が更に好ましい。
−(CH2)3− (13)
構造(1)を有するモノ又はポリアミノ酸において、R1及びR2として、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基が好ましく、R3として、水素原子、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基が好ましい。n個のR1、R2、R3は同一であっても、異なっていても良い。好ましいアルキル基として、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。ヘテロ原子を含む置換基としては、水酸基、メルカプト基、ジチオエーテル基、アミノ基、グアニジノ基、エステル基、エーテル基、アミド基、カルボキシル基等が挙げられる。nは、好ましくは2〜5000、更に好ましくは5〜1000、特に好ましくは5〜500の数である。
構造(1)を有するモノ又はポリアミノ酸として、例えば、グリシン、アラニン、N−メチルグリシン、プロリン等の中性アミノ酸又はその重合体;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸又はその重合体;ε−リジン、σ−オルニチン等の塩基性アミノ酸又はその重合体;セリン、システイン、アルギニン、ヒスチジン等の水酸基、メルカプト基等を有するアミノ酸又はその重合体等が挙げられ、ポリアミノ酸が好ましい。これらの中でも、得られるジシラン化合物の増粘性、塩類やpHに対する粘度の安定性が高い点から、ポリN−メチルグリシンが特に好ましい。また、ポリアミノ酸は、2種類以上のアミノ酸からなる共重合体であってもよい。
本発明のジシラン化合物の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)のポリエチレン換算分子量で200〜10万が好ましく、1000〜5万が更に好ましい。
[ジシラン化合物の製法]
本発明のジシラン化合物は、例えば下記工程1及び工程2により、得ることができる。
工程1:1級及び/又は2級アミノ基を有する1価の炭化水素基、並びにアルコキシ基を有するシラン化合物(以下、アミノアルコキシシランという)と、一般式(14)で表されるα−アミノ酸−N−カルボン酸無水物(以下、α−アミノ酸NCAという)とを、α−アミノ酸NCAを溶解し、かつ両成分に対して不活性の溶媒中で反応させ、ポリアミノ酸の片末端にアルコキシシリル基を有するシラン化合物(以下、単にシラン化合物という)を得る工程。
Figure 0004704382
[式中、R1、R2、R3は前記の意味を示す。]
工程2:得られたシラン化合物と、分子中に、エポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ハロゲン及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有し、エーテル基を含んでいてもよい1価の炭化水素基、並びにアルコキシ基を有するシラン化合物(以下、結合性官能基を有するアルコキシシランという)とを反応させることにより、本発明のジシラン化合物を得る工程。
工程1において、アミノアルコキシシランとしては、1級及び/又は2級のアミノ基を1個以上有する炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜22のアリール基又は炭素数7〜22のアルキルアリール基もしくはアリールアルキル基を有するアミノアルコキシシランが好ましく、例えば、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
α−アミノ酸NCAは、例えば、特公昭59−5132号公報の第4頁第8欄20行〜44行に記載されているものが挙げられる。これらの中で、好ましいα−アミノ酸NCAは、N−メチルグリシンNCAである。
α−アミノ酸NCAは、光学活性体、ラセミ体の何れもが使用可能である。これらのα−アミノ酸NCAは2種以上併用してもよく、2種以上のα−アミノ酸NCAを同時に添加するとランダムに2種以上のα−アミノ酸が配列したセグメントが生じる。一方のα−アミノ酸NCAの重合終了後に第2のα−アミノ酸NCAを添加すると、2種のα−アミノ酸がブロック状に配列したセグメントが得られる。
反応溶媒としては、使用するα−アミノ酸NCAを溶解し、かつ、α−アミノ酸NCA及び使用するアミノアルコキシシランに対して不活性な、即ち活性水素を有さない有機溶媒が適当である。このような反応溶媒としては、α−アミノ酸NCAの種類により異なり、選択を要するが一般的にはハロゲン化炭化水素、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン、ジクロロベンゼン等;脂肪酸エステル、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル等;環状エーテル、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン等;その他にN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。反応溶媒は混合系であっても良い。
前記の反応溶媒中に、所定量のアミノアルコキシシランとα−アミノ酸NCAとを添加混合することにより、炭酸ガスの発生が認められ、反応は直ちに開始する。アミノアルコキシシランの1級及び/又は2級アミノ基に対するα−アミノ酸NCAの当量比により定められるポリ−α−アミノ酸セグメント長を有するポリアミノ酸が高収率で得られる。アミノアルコキシシランの1級及び/又は2級アミノ基に対するα−アミノ酸NCAの当量比(以下、NCA/AMIと略記する)は、100〜10000が好ましい(α−アミノ酸NCA1モルは、反応性から1当量とする)。
反応両成分の添加・混合方法は、同時添加、順次添加、全量添加、部分逐次添加など何れの方法によっても良いが、ポリアミノ酸セグメント長の調節、ポリアミノ酸の組成変化などを容易に、かつ、確実に実施するためには、反応溶媒中にあらかじめアミノアルコキシシランを均一に溶解乃至分散させた後、α−アミノ酸NCAを全量添加或いは反応速度に合わせて逐次添加する方法が適しており望ましい方法である。
反応温度は、生成するポリアミノ酸の性状、α−アミノ酸NCAの対応するアミノアルコキシシランに対する反応性、反応溶媒の沸点などを考慮して決定されるが、一般的には−5℃〜200℃の温度範囲で行うことが望ましい。
工程2において、結合性官能基を有するアルコキシシランが、エポキシ基を有する1価の炭化水素基を有する場合、エポキシ基を1個以上有し、エーテル基を含んでいてもよい炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜22のアリール基又は炭素数7〜22のアルキルアリール基もしくはアリールアルキル基を有するものが好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が好ましく例示され、連結基は、ヒドロキシ基を有し、エーテル基を含んでいてもよい2価の炭化水素基となる。
結合性官能基を有するアルコキシシランが、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する1価の炭化水素基を有する場合、アクリロイル基又はメタクリロイル基を1個以上有する炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜22のアリール基又は炭素数7〜22のアルキルアリール基もしくはアリールアルキル基を有するものが好ましく、γ−(アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等が好ましく例示され、連結基は、エステル基を有する2価の炭化水素基となる。
結合性官能基を有するアルコキシシランが、ハロゲン基を有する1価の炭化水素基を有する場合、ハロゲン基を1個以上有する炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜22のアリール基又は炭素数7〜22のアルキルアリール基もしくはアリールアルキル基を有するものが好ましく、γ−クロロプロピルトリメトキシシランが好ましく例示され、連結基は、2価の炭化水素基となる。
結合性官能基を有するアルコキシシランが、イソシアネート基を有する1価の炭化水素基を有する場合、イソシアネート基を有する炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜22のアリール基又は炭素数7〜22のアルキルアリール基もしくはアリールアルキル基を有するものが好ましく、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシランが好ましく例示され、連結基は、アミド基を有する2価の炭化水素基となる。
工程1で得られたシラン化合物と、結合性官能基を有するアルコキシシランの反応は、反応溶媒としては、シラン化合物及び結合性官能基を有するアルコキシシランを溶解し、且つ両成分に対して不活性な有機溶媒中で行うことが好ましい。そのような溶媒としては、工程1で例示した溶媒が挙げられる。反応溶媒は単独であっても又混合系であっても良い。
前記の反応溶媒中に,所定量の結合性官能基を有するアルコキシシランと工程1で得られたシラン化合物を混合することにより、反応は直ちに開始する。上記結合性官能基を有するアルコキシシランと、工程1で得られたシラン化合物は、シラン化合物1当量に対し、アルコキシシランを1〜10当量比で混合することが好ましい。
反応温度は、シラン化合物に対する結合性官能基を有するアルコキシシランの反応性、反応溶媒の沸点などを考慮して決定されるが、一般的には−20℃〜100℃の温度範囲で行なうことが望ましい。
[重合体]
本発明の重合体は、アルコキシシラン存在下又は不存在下、本発明のジシラン化合物の両末端のアルコキシシリル基を加水分解後、縮合することにより得られ、重合体は直鎖状、分岐状であっても、または架橋していても良い。
アルコキシシリル基を利用した高分子量化反応及び/又は架橋反応は、例えば、ゾル−ゲル法によって行なうことができる。ゾル−ゲル法とは、例えば、式(15)に示すように、アルコキシシランの加水分解とそれに続くシラノール基の縮合反応という素反応からなっており、結果として、ケイ素−酸素結合を繰り返し単位とする結合を形成する反応である。
Figure 0004704382
ゾル−ゲル法によって、本発明のジシラン化合物の両末端に結合しているアルコキシシリル基がケイ素−酸素結合を介して結合し、高分子量化反応及び/又は架橋反応が進行する。
本発明の両末端にアルコキシシリル基を有するジシラン化合物を溶媒に溶解し、そこへ加水分解用の水と触媒を加えて反応させることにより、直鎖状、分岐状、又は、架橋した重合体が得られる。
反応溶媒としては、両末端にアルコキシシリル基を有するジシラン化合物、加水分解用の水及び触媒を溶解する有機溶媒が適当である。そのような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、その他、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶媒は、本発明のジシラン化合物100質量部に対して、10〜10000質量部用いることが好ましい。
また、触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸等の酸が挙げられる。酸は、本発明のジシラン化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部用いることが好ましい。
さらに、反応系中に、アルコキシシリル基と反応することができる、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のアルコキシシランを添加しても良い。このようなアルコキシシランは、本発明のジシラン化合物100質量部に対して、0.1〜1000質量部用いることが好ましい。
反応温度は、アルコキシシランの反応性、反応溶媒の沸点などを考慮して決定されるが、一般的には−20℃〜200℃の温度範囲で行なうことが望ましい。また、必要に応じて、水や溶媒を溜去しながら反応しても良い。
本発明の重合体の分子量は、10000〜500万が好ましく、5万〜200万がさらに好ましい。尚、分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって、ポリエチレンオキサイド換算で求めることができる。
[増粘剤]
本発明の重合体は、水の増粘剤として有用である。増粘剤の配合量は、水溶液中、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜3質量%が更に好ましい。
[化粧料]
本発明の重合体は、増粘剤や感触向上剤として化粧料に好ましく用いることができ、化粧料としては、皮膚化粧料、毛髪化粧料等が挙げられる。本発明の化粧料中の本発明の重合体の配合量は特に限定されないが、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜3質量%が更に好ましい。
本発明の重合体を皮膚化粧料に使用する場合は、皮膚化粧料成分として一般に使用されている界面活性剤、油分、保湿剤、皮膜形成剤、油ゲル化剤、金属酸化物、有機紫外線吸収剤、無機金属塩類、有機金属塩類、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、他の増粘剤、薬効成分、色素、香料等の成分と任意に組み合わせて配合することにより、種々の形態、例えば、油/水、水/油型乳化化粧料、クリーム、化粧乳液、化粧水、油性化粧水、口紅、ファンデーション、皮膚洗浄剤等とすることができる。
本発明の重合体を毛髪化粧料に使用する場合は、毛髪化粧料成分として一般に使用されている界面活性剤、他の増粘剤、油ゲル化剤、金属酸化物、有機紫外線吸収剤、無機金属塩類、パール化剤、酸化防止剤、防腐剤、薬効成分、色素、香料等の成分と任意に組み合わせて配合することができる。また、毛髪の感触を向上させるために、カチオン化セルロース等のカチオン化ポリマーや、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン誘導体を配合することもできる。毛髪化粧料の剤型は特に限定されず、用途に応じて、エマルジョン、サスペンジョン、ゲル、透明溶液、エアゾール等の各種剤型の毛髪化粧料一般、すなわちプレシャンプー剤、シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、コンディショニングブロー剤等とすることができる。
本発明の化粧料は、優れた使用感及び粘度安定性を示すものであるが、界面活性剤、無機金属塩類、有機金属塩類等と併用した場合、特に良好な使用感及び粘度安定性を得ることができる。
例中の「部」、「%」は特記しない限り、「質量部」、「質量%」である。
実施例1(両末端にアルコキシシリル基を有するジシラン化合物の合成)
塩化メチレン100部、繃−アミノプロピルトリメトキシシラン0.5部を仕込み、窒素ガス置換後、N−メチルグリシン−N−カルボン酸無水物125部の塩化メチレン(1000部)溶液を室温下、約2時間かけて滴下した。炭酸ガスが発生し、N−メチルグリシン−N−カルボン酸無水物の開環重合が進行した(NCA/AMI=500)。一晩室温で攪拌した後、繃−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン2.8部を添加した。室温で5時間攪拌した後、反応混合物をシクロヘキサン5000部に投入し、生じた沈殿を減圧乾燥することにより、下記式で表される両末端にアルコキシシリル基を有するポリ−N−メチルグリシン(分子量36000)が得られた。
Figure 0004704382
1H核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6中)の測定結果を以下に示す。
1.12ppm(t,9H,トリエトキシシリル基の(CH3CH2O)3Si)、
2.6〜3.1ppm(m,1499H,ポリN−メチルグリシン鎖のN-CH3)、
3.43ppm(s,9H,トリメトキシシリル基の(CH3O)3Si)、
3.71ppm(q,6H,トリエトキシシリル基の(CH3CH2O)3Si)、
3.75〜4.5ppm(m,998H,ポリN−メチルグリシン鎖のN-CH2-C=O)。
実施例2(重合体1の合成)
実施例1で得られた両末端にアルコキシシリル基を有するポリ−N−メチルグリシン10部をメタノール50部に溶解し、0.01N塩酸50部を添加した。100℃に加熱し、5時間かけて常圧下で濃縮した。そこにイオン交換水100部を添加して溶解させた後、窒素気流下、100℃で一晩減圧乾燥し、高分子量化したポリ−N−メチルグリシン(分子量1,500,000、以下重合体1という)が得られた。
1H核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6中)の測定結果を以下に示す。
2.65〜3.05ppm(m,ポリN−メチルグリシン鎖のN-CH3)、
3.7〜4.55ppm(m,ポリN−メチルグリシン鎖のN-CH2-C=O)。
実施例3(重合体2の合成)
実施例1で得られた両末端にアルコキシシリル基を有するポリ−N−メチルグリシン10部及びテトラメトキシシラン0.1部をメタノール50部に溶解し、0.01N塩酸50部を添加した。100℃に加熱し、5時間かけて常圧で濃縮した。そこにイオン交換水100部を添加して膨潤させた後、窒素気流下、100℃で一晩減圧乾燥し、架橋したポリ−N−メチルグリシン(以下重合体2という)が得られた。
試験例1(増粘性試験)
実施例2で得られた重合体1 1.0gを200mlのイオン交換水に溶解し、室温で一晩放置後の水溶液の粘度を測定した。また、重合体1 1.0gを200mlの1.0%塩化カルシウム水溶液、200mlの10%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、及び200mlのフタル酸塩pH標準液(pH=4.01;和光純薬工業(株)製)に攪拌溶解し、室温で一晩放置後のそれぞれの水溶液の粘度を測定した。なお、粘度は、B型粘度計(12rpm、25℃)を用いて測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004704382
試験例2(乳化安定性試験)
実施例2及び3で得られた重合体1及び2を用い、下記の組成の乳化液を調製し、乳化直後及び50℃で1週間保存した場合の乳化安定性を目視により判定したところ、何れも均一に乳化していた。
<乳化液組成>
ワセリン 50.0%
ラノリン 8.0%
ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル 0.5%
重合体1又は2 0.2%
精製水 バランス
処方例1(化粧水)
以下の処方で化粧水を調製した。この化粧水は50℃で1ヶ月間安定で、肌に塗布後の感触は、しっとりかつすべすべし、使用感も良好なものであった。
エタノール 5.0%
グリセリン 3.0%
ポリエチレングリコール1500 4.0%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 0.3%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(30EO) 0.2%
重合体1 0.15%
p−フェノールスルホン酸亜鉛 0.2%
精製水 バランス
処方例2(乳液)
以下の処方で乳液を調製した。この乳液は安定性に優れ、肌に塗布後の感触は、しっとりかつすべすべするが、べたつかず、使用感は良好なものであった。
スクアラン 5.0%
オリーブ油 8.0%
ホホバ油 1.0%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(10EO) 1.0%
モノステアリン酸ソルビタン 1.0%
重合体2 0.5%
ブチルパラペン 0.1%
メチルパラペン 0.1%
エタノール 5.0%
グリセリン 3.0%
香料 0.05%
精製水 バランス

Claims (3)

  1. 一般式(1)で表される構造を有するモノ又はポリアミノ酸のC末端に、1級及び/又は2級アミノ基を有する1価の炭化水素基、並びにX3Si−(Xはアルコキシ基を示す)なる基を有するシラン化合物が反応し、上記モノ又はポリアミノ酸のN末端に、分子中に、エポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ハロゲン及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有し、エーテル基を含んでいてもよい1価の炭化水素基、並びにZ3Si−(Zはアルコキシ基を示す)なる基を有するシラン化合物が反応してなる、一般式(2)で表されるジシラン化合物を、アルコキシシラン存在下又は不存在下、加水分解後、縮合して得られる重合体。
    Figure 0004704382
    [式中、R1、R2及びR3は同一又は異なって、水素原子、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数3〜22のシクロアルキル基、炭素数7〜22のアラルキル基又は炭素数6〜22のアリール基を示す。またR1又はR2とR3とは一緒になって環を形成していてもよい。nは1〜10000の数を示し、n個のR1、R2、R3は同一であっても、異なっていても良い。]
    3Si−Y−SiZ3 (2)
    [式中、X及びZは前記の意味を示す。Yは一般式(3)で表される基を示す。
    Figure 0004704382
    (式中、R1、R2、R3及びnは前記の意味を示す。Aはアミノ基を有する2価の炭化水素基であって、その窒素原子を介してアミノ酸のC末端と結合する基を示す。Bはヒドロキシ基を有し、エーテル基を含んでいてもよい2価の炭化水素基、エステル基を有し、エーテル基を含んでいてもよい2価の炭化水素基、アミド基を有し、エーテル基を含んでいてもよい2価の炭化水素基であって、そのカルボニル基を介してアミノ酸のN末端と結合する基、あるいは2価の炭化水素基を示す。)]
  2. 請求項1記載の重合体からなる増粘剤。
  3. 請求項1記載の重合体を含有する化粧料。
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