以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
[1.単島(遊技台及び遊技機本体)の外観構成例]
図1において、遊技機10は、遊技用価値処理部に相当するメダル貸出機12aが備えられた筐体である遊技台11と、この遊技台11に取り付けられたパチンコ遊技機(以下、遊技機本体と呼ぶ)12とが着脱可能に一体化されたものであり、これにより単島を構成している。
遊技台11は、遊技実行部に相当する遊技機本体12の遊技盤13の遊技領域13aが遊技者の目の高さに位置するように遊技機本体12を支持している。そして、このような遊技台11における遊技機本体12の真下位置には、遊技台11の前方へ延出した載置台14が設けられ、遊技機本体12の真上位置には、遊技者に対して所定の情報を報知する表示パネル15が設けられている。
遊技機本体12には所定数の遊技球が封入されて貯留されており、この封入された遊技球を循環させて遊技を行うようになっている。
この遊技機本体12には、前述した遊技盤13が装着された枠体がヒンジを介して遊技台11に回動可能に取り付けられている。遊技盤13の前面には、この遊技盤13を視認可能に被うガラス扉16が開閉可能に設けられ、ガラス扉16の下側には、皿ユニット17が同じく開閉可能に取り付けられている。
遊技盤13においてレール18で区画され、打ち込まれた遊技球が流下する領域である
遊技領域13a上には、多数の遊技くぎや風車などの障害物(図示せず)、始動入賞口19a、一般入賞口19b、開閉可能な扉、遊技球を受け入れる口(継続入賞口(図示せず)や普通入賞1コ(図示せず)など)および揺動可能なシーソ(図示せず)を有する大入賞口19cなどの入賞口19や通過ゲート(図示せず)が適宜配置され、さらに、遊技領域13aの下部には、これらの入賞口19に入賞しなかった遊技球が流入するアウト口20が配置されている。そして、入賞口19およびアウト口20で、遊技領域13aを流下する遊技球を回収する遊技球回収口が構成される。
ここで、一般入賞口19bや大入賞口19c等に入賞すると、賞球データ(後述)に所定数(例えば、一般入賞口19bへの入賞であれば「7」、大入賞口19cへの入賞であれば「14」など)が加算される。なお、賞球データの初期値は「0」である。
また、遊技領域13aには、可変表示手段に相当する液晶表示装置(以下、LCD)54(図2)の一部を構成する特別図柄表示部21が設けられている。この特別図柄表示部21は、複数(例えば、3つ)の識別情報画像である図柄の表示態様が変化するもので、始動入賞口19aに遊技球が入賞したのを契機として図柄の始動および停止が行われる。そして、停止時における図柄の組み合わせが予め設定された特定の図柄の組み合わせとなった場合に、大入賞口19cが所定のパターンに従った開放状態となる遊技者に有利な特定遊技状態に移行する。
さらに、遊技盤13には、普通図柄の変動表示を行う普通図柄表示部(図示せず)が設けられている。
遊技盤13の下方には、前述のように皿ユニット17が配置されている。皿ユニット17には、遊技領域13aに打ち込まれる遊技球が一時的に貯留される貯留皿22が設けられている。なお、貯留皿22の下方には下皿23が設けられているが、封入式遊技機である本実施の形態において、この下皿23には遊技球は貯留されないが、遊技者の払出要求に応じてメダルを払い出すためのメダル払出口36aが設けられ、払い出されたメダルが下皿23に溜められるようになっている。
皿ユニット17の右側には、レール18を通って遊技盤13の遊技領域13aへ遊技球を打ち込む際に操作されるハンドル24が設けられている。このハンドル24を回動することにより発射装置90(図2)が動作し、発射位置に送り込まれた遊技球が弾発的に発射される。なお、発射装置90は、発射ソレノイド(図示せず)の制御により槌を所定速度で揺動させ、発射位置(貯留皿22から発射装置90へ通じる球通路の終端)にある遊技球を槌の先端で打って遊技盤13上へ打ち出すものである。
遊技機本体12の一方端(図示する場合においては、向かって右側)には、遊技者が投入した金額などに相当する数量の遊技球を貸し出すメダル貸出機12aが設けられている。
このメダル貸出機12aは、その正面に、クレジット数表示部31,クレジット精算ボタン32,クレジット転送ボタン33,メダル数表示部34,及び赤外線送受信部35などが設けられている。また、メダル貸出機12a内部には、メダルセレクタ61、コインセレクタ62などが設けられている(図1において図略、図2参照)。
ここで、クレジット数表示部31は、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、遊技機本体12に現在の遊技クレジットの数量、すなわち遊技球の発射可能数を表示する。また、メダル数表示部34も、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、遊技機本体12に現在クレジットされているメダル数(メダルのクレジットデータが示す数。なお、メダルのクレジットデータの初期値は「0」である。)を表示する。
クレジット転送ボタン33は、クレジットされているメダルのクレジットデータを後述の遊技クレジットに換算するボタンであり、このボタンを押下することによってその換算が行われる。なお、その換算は以下のように行われる。
クレジット転送ボタン33が押下されると、メダル貸出機12aの台基板30は、投入済みのメダル数を所定の換算率を用いて遊技クレジットに変換する。所定の換算率は、例えば、メダル1枚に付き遊技クレジットを7だけ増加させる、などである。この換算により算出された遊技クレジットは、台側RAM30cに記憶されている遊技クレジットに加算される。その結果、遊技者はメダル分に応じた遊技クレジット、すなわち発射可能遊技球数を増加させることができる。
一方、遊技者がコインをメダル貸出機12aに投入した場合は、台基板30(台側CPU30a)は直ちにそのコインの価値に応じた遊技クレジットを算出し、台側RAM30cに記憶されている遊技クレジット値に加算する。その結果、遊技者は投入したコイン分の遊技クレジット、すなわち発射可能な遊技球数を増加させることができる。
なお、本実施の形態では、クレジット転送ボタン33を1回押下するにつき、メダル1枚分のクレジットデータが遊技クレジットに換算されるが、これに限らず、1回の押下で全てのクレジットデータを遊技クレジットに換算するようにしてもよい。
ここで、遊技クレジットは、ハンドル24の操作により遊技盤13内に発射可能な遊技球数を示すデータである。例えば、遊技クレジットが「120」であれば、120個の遊技球を遊技領域13aへ発射可能である。
クレジット清算ボタン32は、クレジットされているメダルの払出、又は遊技クレジットをメダルに換算して払出を行うボタンであり、このボタンを押下することによって、台基板30(台側CPU30a)からの要求に応じて、主制御回路200がクレジット精算処理を行うため、メダル払出口36aよりメダルの払出が行われる。
遊技者がメダルの精算を選択した場合は、メダルは、クレジットされている枚数分そのままがメダル払出口36aより払い出される。例えば、クレジットされているメダルが6枚である場合、クレジット精算ボタン32を押下することによって、6枚のメダルがメダル払出口36aより払い出される。
一方、遊技者が遊技クレジットの精算を選択した場合は、遊技クレジットはメダルに換算されて払い出される。例えば、遊技クレジットが70である場合には、10枚のメダルが払い出される。
このような払出が終了すると、クレジット数表示部31およびメダル数表示部34にはクレジットの残高が0である旨が表示される。
また、メダル数表示部34の下方には、遊技者が遊技媒体であるメダルを投入するためのメダル投入口37、メダル投入口37に投入したメダルを返却するために遊技者が操作するメダル返却レバー37a、規定外のメダルが投入された場合や遊技者がメダル返却レバー37aを操作した場合にメダルを返却するメダル返却口37bが設けられている。
また、メダル返却口37bの下方には、100円玉などのコインを投入するためのコイン投入口38、コイン投入口38に投入したコインを返却するために遊技者が操作するコイン返却レバー38a、規定外のコインが投入された場合や遊技者がコイン返却レバー38aを操作した場合にコインを返却するコイン返却口38bが設けられている。
なお、本実施の形態では、100円玉を規定のコインとしており、100円玉以外のコインがコイン投入口38に投入された場合は規定外とみなしているが、これに限らず他のコインを規定のコインとみなすように設定してもよい。
メダル数表示部34とメダル投入口37との間には、赤外線送受信部35が設けられている。
この赤外線送受信部35では遊技終了後の遊技データ(獲得メダル数)が送信可能になっており、例えば携帯端末(以下、「携帯電話」という)39で遊技データを受信して所定のサイトにアクセスすると、当該サイトに遊技者の獲得メダル数が登録される。そして、多数の遊技者が同様の登録を行うことによって、所定期間(例えば、1日、1週間など)における獲得メダル数の全国順位がランキング表示され、これによって遊技の興趣が一層高められる配慮がなされている。
また、コイン投入口38に投入されたコインは、後述するコインセレクタ62によって検知される。
このコインセレクタ62によって投入されたコインが検知されると、コイン投入検知信号がコインセレクタ62より台基板30に送信される。コイン投入検知信号を受信した台基板30は、コインを遊技クレジットに換算し、換算により得た値を台側RAM30cに記憶されている遊技クレジットの値に加算する。
また、メダル投入口37に投入されたメダルは、後述するメダルセレクタ61によって検知される。
このメダルセレクタ61によって投入されたメダルが検知されると、メダル投入検知信号がメダルセレクタ61から台基板30に送信される。次にメダル投入検知信号を受信した台基板30は、メダルのクレジットデータに「1」を加算し、そのデータをメダルクレジットデータとして台側RAM30cに記憶させる。これにより、投入されたメダルがメダル貸出機12aにクレジットされたこととなる。
次に、図1の2点破線が示すホッパー40aおよびコイン貯留箱41の説明を行う。
遊技機本体12の裏側には、メダルの貯蓄、払出しを行うホッパー40aが備えられている。
このホッパー40aは、メダル投入口37に投入されたメダルを貯蓄することが可能な収納容器(以下、「バケット」という、図略)を有している。例えば、メダル投入口37に投入されたメダルは、メダルセレクタ61によって検出された後、ホッパー誘導通路(図示せず)を通過して、このホッパー40aのバケットに貯蓄される。
さらに、遊技台11裏側の下方にはコインを貯留するコイン貯留箱41が備えられている。コイン投入口38に投入されたコインは、コインセレクタ62によって検出された後、貯留通路(図示せず)を通過して、このコイン貯留箱41に貯留される。
[2.遊技機本体及びメダル貸出機の回路構成例]
図2は図1に示した遊技機の制御系の回路構成例を示したブロック図である。
遊技機10の遊技機本体12の制御系は、主制御回路200と、この主制御回路200に接続される副制御回路300、発射制御回路70、ホッパー制御回路80を有している。
この制御系は主制御回路200を主な構成要素とし、遊技機本体12の内部に搭載されている。遊技機本体12の主制御回路200には、メダル貸出機12aの制御系である台基板30がI/Oポート(図略)を介して接続されている。
また、遊技機本体12のメインCPU201には、I/Oポートを介してホッパー制御回路80に接続されている。ホッパー制御回路80は、ホッパー制御部81、ホッパー駆動回路41a、および払出完了信号回路43を含んでいる。ホッパー制御部80は、遊技機本体12に設けられているホッパー40aを駆動制御するよう接続されているとともに、メダル検出部40Sa,40Sbからのメダル検出信号を受け取るように接続されている。
[2.1.主制御回路]
主制御回路200には、予め設定されたプログラムに従って遊技機10の遊技動作を行うメインCPU(超小型演算処理装置)201、異常時に各種設定を初期値に戻す初期リセット回路(図略)、メインCPU201が動作する上で必要な各種データを記憶するメインRAM203、メインCPU201が遊技機10の遊技動作を処理制御するためのプログラム、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブル、演出を抽選する際に参照される各種確率テーブル、初期値データ、パラメータ設定テーブルなどを格納しているメインROM202が実装されている。
図3は、遊技機本体12の主制御回路200、より詳しくはメインROM202又はメインRAM203に格納される、複数種類のパラメータ設定テーブルのデータ構成例を示す図である。
図3(A)は、パラメータ設定テーブルの一つである大当り確率設定テーブルの一例であり、このテーブルは設定番号1、2,3のそれぞれについて、大当り判定用乱数最大値、図に示す数の大当り判定値を格納している。なお、設定番号2は、本遊技機本体12の通常大当り確率の初期値である設定値「5」に対応しており、設定番号1及び3は、設定値「4」及び「6」に対応している(後述の図4参照)。
図3(B)はパラメータ設定テーブルの一つである通常時用確変判定用テーブルの一例であり、このテーブルは設定番号1,2,3のそれぞれについて、図に示す数の確変判定値を格納している。なお、設定番号2は、本遊技機本体12の確変突入率の初期値である設定値「5」に対応しており、設定番号1及び3は、設定値「4」及び「6」に対応している(後述の図4参照)。
図3(C)はパラメータ設定テーブルの一つである確変時用確変判定用テーブルの一例であり、このテーブルは設定番号1、2、3のそれぞれについて、図に示す数の確変判定値を格納している。なお、設定番号2は、本遊技機本体12の確変時用確変突入率の初期値である設定値「5」に対応しており、設定番号1及び3は、設定値「4」及び「6」に対応している(後述の図4参照)。
図3(D)はパラメータ設定テーブルの一つである通常大当りラウンド数設定テーブルの一例であり、このテーブルは設定番号1、2,3のそれぞれについて、通常大当りラウンド数を格納している。なお、設定番号2は、本遊技機本体12の通常大当りラウンド数の初期値である設定値「10」に対応しており、設定番号1及び3は、設定値「9」及び「1」に対応している(後述の図4参照)。
図3(E)はパラメータ設定テーブルの一つである確変大当りラウンド数設定テーブルの一例であり、このテーブルは設定番号1、2,3のそれぞれについて、確変大当りラウンド数を格納している。なお、設定番号2は、本遊技機本体12の確変大当りラウンド数の初期値である設定値「8」に対応しており、設定番号1及び3は、設定値「7」及び「9」に対応している(後述の図4参照)。
図3(F)はパラメータ設定テーブルの一つである大当りカウント数設定テーブルの一例であり、このテーブルは設定番号1、2,3のそれぞれについて、大当りカウント数を格納している。なお、設定番号2は、本遊技機本体12の大当りカウント数の初期値である設定値「9」に対応しており、設定番号1及び3は、設定値「8」及び「10」に対応している(後述の図4参照)。
図3(G)はパラメータ設定テーブルの一つである大入賞口賞球数設定テーブルの一例であり、このテーブルは設定番号1、2,3のそれぞれについて、大入賞口賞球数を格納している。なお、設定番号2は、本遊技機本体12の大入賞口賞球数の初期値である設定値「6」に対応しており、設定番号1及び3は、設定値「5」及び「7」に対応している(後述の図4参照)。
図3(H)はパラメータ設定テーブルの一つである始動口賞球数設定テーブルの一例であり、このテーブルは設定番号1、2,3のそれぞれについて、始動口賞球数を格納している。なお、設定番号2は、本遊技機本体12の始動口賞球数の初期値である設定値「4」に対応しており、設定番号1及び3は、設定値「3」及び「5」に対応している(後述の図4参照)。
メインROM202には、基準情報に相当する初期値データが格納されている。初期値データは、上記パラメータデータテーブル400に掲げられた各パラメータのデフォルト設定値からなるデータである。例えば、初期値データとして「5,5,5,5,2,2,2、2」のようなデータ列がメインROM202に格納される。このデータ列を構成する各数値は、「通常大当り確率」、「確変投入率」、「確変継続率」,「通常大当りラウンド数」,「確変大当りラウンド数」,「カウント数」,「大入賞口賞球数」,「始動口賞球数」の設定値を示している。なお、初期値データを構成する各値は必ずしも設定値に相当する数値そのものでなくともよく、たとえば、対応するコードであってもかまわない。
図2に戻り、回路構成例の説明を続ける。
ここで、メインCPU201は、始動入賞口19aへ遊技球が入賞して始動入賞が発生すると大当り判定を行う大当り判定処理、特別図柄表示部21に変動表示される特別図柄および背景画の演出表示の決定処理、普通図柄表示部に表示される内容の決定処理を行っている。
さらにメインCPU201は、遊技状態が特定遊技状態に移行されると、大入賞口19cの扉を開閉するように大入賞口ソレノイド(以下、「SOL」と略す)72Sを制御する大入賞口SOL制御手段を構成している。
主制御回路200のI/Oポート(図略)には、通過ゲートの内側に設けられ、遊技球が通過するのを検知する通過ゲートスイッチ(以下、SWと略す)19Saや、始動入賞口19aに入賞した遊技球を検知する始動口SW19aが接続されている。また、大入賞口19c内に設けられ、入賞した遊技球を検知するカウントSW19Se、一般入賞口19bへ入賞した遊技球を検知する一般入賞口SW19Sb、メインRAM203に記憶されている各種データを消去するためのバックアップクリアSW(図略)が主制御回路200に接続されている。
また、主制御回路200には、コマンド出力ポート(図略)を介して、発射制御回路70に接続されている。発射制御回路70には、ハンドル24の操作によって発射装置90から発射される遊技球を検知する発射検出SW19Scが接続されている。
さらに、主制御回路200には、I/Oポート(図略)を介して、アクチュエータとして、球受入口が拡張する始動口SOL71S、大入賞口19cの扉を開閉する大入賞口SOL72S等が接続されている。
上記各センサが遊技球を検知すると、その検知信号は主制御回路200のメインCPU201に入力され、入力される検知信号に応じて、メインCPU201は上記名アクチュエータ71S,72Sなどをそれぞれ駆動制御する。また、副制御回路300や発射制御回路70に対して、それぞれ主制御回路200のコマンド出力ポートから制御指令が送信され、副制御回路300や発射制御回路70によってLCD54や、スピーカ25、ランプ・LED39a、発射装置90などの動作が制御される。
副制御回路300には、サブCPU301、ワークRAM303、プログラムROM302が搭載されている。サブCPU301は、コマンド入力ポート(図略)を介して主制御回路200から受信した制御指令を解釈し、その解釈結果に従って画像制御回路305,音声制御回路306,ランプ制御回路307等の制御を行う。プログラムROM302には、サブCPU301が、主制御回路200から出力される画像制御指令信号に基づいて画像制御回路305を処理制御するための制御プログラム、音声制御回路306を処理制御するための制御プログラム、ランプ制御回路307を処理制御するための制御プログラムなどが記憶格納されている。ワークRAM303は、サブCPU301が上記制御プログラムに従って処理制御を行う際の一時的な記憶手段となる。
画像制御回路305には、LCD54が接続されている。画像制御回路305は、サブCPU301の制御に基づいて、LCD54に対し、大当り判定の結果に対応する特別図柄および背景画を変動表示させるなどの画像表示制御処理を行う。
音声制御回路306にはスピーカ25が接続されている。音声制御回路306は、サブCPU301の制御に基づき、音信号を生成する。スピーカ25は、音声制御回路306から入力された音信号に基づいて音を発生する。
ランプ制御回路307にはLED39aが接続されている。ランプ制御回路307は、サブCPU301の制御に基づき、信号を生成する。LED39aは、入力したこの信号に基づいて点灯表示等を行う。
発射制御回路70には、発射装置90が接続されている。発射制御回路70は、遊技球打ち出しフラグ(後述)に「1」がセットされている間、ハンドル24の回動躁作に応じて発射ソレノイドを駆動制御する。これによって発射装置90から遊技球を発射させる。
また、ハンドル24には遊技球の発射を停止するストップボタン(図示せず)が設けられている。
[2.2.メダル貸出機]
次に、メダル貸出機12aについて説明する。
メダル貸出機(アレックとも言う)12aは、台基板30と、この台基板30に接続されたクレジット数表示部31、メダル数表示部34、クレジット転送ボタン33、クレジット精算ボタン32、設定変更ボタン50、メダルセレクタ61,コインセレクタ62を有している。
台基板30はCPU(以下、区別のために「台側CPU」と呼ぶ)30aと、ROM(以下、区別のために「台側ROM」と呼ぶ)30bと、RAM(以下、区別のために「台側RAM」と呼ぶ)30cとを有している。
台側ROM30bには、後述するパラメータテーブル、後述するメイン処理、パラメータ設定処理、信号受信時処理、信号送信時処理、アレック処理の各処理を実行するための諸プログラムが書き込まれており、台側CPU30aはこれらプログラムを実行する。台側RAM30cは、主制御回路200から送信される初期値データなどを記憶保持する機能を有する。
図4は、後述する台基板30の台側ROM30bに格納されているパラメータデータテーブルのデータ構成例を示す図である。
パラメータデータテーブルは、遊技機10の遊技特性を決定するための各種パラメータを複数の段階に変更可能なように、各パラメータについて設定値ごとの値を格納するテーブルである。
図4に示す例においては、パラメータデータテーブル400は、設定値「1」から「10」までの10段階の設定値に応じた、10個のレコード401を有している。各レコード401は、8種類のパラメータを格納するための8つのフィールドを有している。すなわち、各レコード401は、「通常大当り確率」フィールド402、「確変投入率」フィールド403、「確変継続率」フィールド404,「通常大当りラウンド数」フィールド405,「確変大当りラウンド数」フィールド406,「カウント数」フィールド407,「大入賞口賞球数」フィールド408,「始動口賞球数」フィールド409を有している。これら各フィールド402〜409には、対応する設定値に応じた値(若しくは情報)が格納されている。
パラメータデータテーブル400を利用することにより、パラメータの種類及びその設定値を特定することにより、その設定値に応じた当該パラメータの値を取り出すことができる。例えば、パラメータ「通常大当り確率」について設定値「1」を指定すると、パラメータ「通常大当り確率」の値「1/1000」を取り出すことができ、一方パラメータ「通常大当り確率」について設定値「2」を指定するとパラメータ「通常大当り確率」の値「1/800」を取り出すことができる。このように設定値を変えることにより各パラメータの値を段階的に変更することが可能となるので、遊技機本体12の遊技特性を適宜変更することが可能となる。
ここで、図2に戻り回路構成例の説明を続ける。メダル貸出機12aの台基板30には、赤外線送受信部35が実装されている。ここで、赤外線送受信部35は、携帯電語39等の赤外線通信可能な端末からの信号等の受信およびその端末へのデータ等の送信等を行う通信インターフェイスとして機能する。
また台基板30は、遊技機本体12の主制御回路200に接続され、クレジット転送ボタン33、クレジット精算ボタン32、設定変更ボタン50などから受信した信号を基に、クレジット数表示部31やメダル数表示部34の表示を制御する動作などを行う。
設定変更ボタン50は、大当り確率(大当り判定時に大当りと判定する確率。例えば、1/200から1/600の間で変更可)、確変突入率(例えば、1/1.5から1/5の間で変更可)、確変継続率(例えば、1/1.5から1/5の間で変更可)などの各種の確率を変更可能なボタンである。例えば、設定変更ボタン50を押下しながら遊技機10の電源を立ち上げると、遊技機10は、設定変更が可能なモードとなる。そのときに、各種の操作をすることで上記確率を変更する設定を行うことができる。
また、メダル貸出機12aは表示パネル15を有している。表示パネル15は、例えば小型液晶ディスプレイ装置などであって、主制御回路200に接続された情報出力部61よりデータを受け取り、このデータに基づいた表示を行う。表示パネル15は遊技機本体12で発生した遊技情報を表示するための表示手段として機能する。
[3.メダル貸出機及び遊技機本体の動作例]
次に、本実施の形態に係る遊技機10、より詳しくはメダル貸出機12a及び遊技機本体12の動作例について説明する。
[3.1.メダル貸出機のメイン処理]
図5は、メダル貸出機12a(台側CPU30)が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。
メダル貸出機12a、より詳しくは台基板30又は台側CPU30a(以下、単に「台側CPU30a」という)は、電源投入により起動すると、まず電源投入時処理を実行する(ステップS501)。電源投入時処理において台側CPU30aは、台側ROM30b、台側RAM30cのチェックや主制御回路200との接続の確立など、以降の処理の実行するための準備を行う。
つぎに台側CPU30aは、遊技機本体12,より詳しくは主制御回路200又はメインCPU201(以下、単に「主制御回路200」という)よりリセット信号を受信しているか否かを判定する(ステップS502)。リセット信号は遊技機本体12とメダル貸出機12aとの同期を図るための信号である。リセット信号を受信していないと判定した場合(ステップS502,No)は、台側CPU30aはステップS502を再度実行し、主制御回路200からリセット信号が入力されるまで待機する。一方、リセット信号を受信したと判定した場合(ステップS502,Yes)、台側CPU30aは、初期値の通知を主制御回路200に要求し、これに応じて送られた初期値に基づいて遊技パラメータの設定などを行う処理であるパラメータ設定処理を実行する(ステップS503)。なお、パラメータ設定処理の具体的内容については後述する。
パラメータ設定処理(ステップS503)終了後、台側CPU30aは発射信号や賞球信号を受信し、これらに応じた動作を行う処理である信号受信時処理を実行する(ステップS504)。なお、信号受信時処理の具体的内容については後述する。
続いて、信号受信時処理(ステップS504)終了後、台側CPU30aは、発射停止信号や発射許可信号などを主制御回路200に送信等する処理である信号送信時処理を実行する(ステップS505)。なお、信号送信時処理の具体的内容については後述する。
続いて、信号送信時処理(ステップS505)終了後、台側CPU30aは、投入されたメダルやコインを処理し、またメダルとコイン間の変換を行う処理であるアレック制御処理を実行する(ステップS506)。なお、アレック制御処理の具体的内容については後述する。
アレック制御処理(ステップS506)終了後、台側CPU30aは、信号受信時処理(ステップS504)に戻り、以降ステップS504からステップS506を繰り返し実行する。
以上で、メイン処理の説明を終了する。
[3.1.1.パラメータ設定処理]
次に、メイン処理内のサブルーチンであるパラメータ設定処理(ステップS503)について、図6を参照しながら説明する。図6は、パラメータ設定処理の一例を示すフローチャートである。
パラメータ設定処理を開始すると、台側CPU30aは、RAMチェックを実行し(ステップS601)、台側RAM30cに異常がないかどうか調べる(ステップS602)。
台側RAM30cに異常がない場合(ステップS602,No)には、台側CPU30aは主制御回路200に初期値要求コマンドを送信する(ステップS603)。主制御回路200は、この初期値要求コマンドに応じて初期値データを台側CPU30aに送信する。
台側CPU30aは、主制御回路200より初期値データを受信したかどうかを判定する(ステップS604)。初期値データを受信していない場合(ステップS604、No)は、台側CPU30aは初期値データを受信するまで待機するように、制御をステップS604に戻す。一方、初期値データを受信した場合(ステップS604,Yes)、台側CPU30aは、台側RAM30cに記憶されている初期値データ(「既得初期値データ」と呼ぶ)と、受信した初期値データと比較し、初期値データに変更がないか否かを判定する(ステップS605)。より具体的には、台側CPU30aは、受信した初期値データと既得初期値データが一致する場合には、初期値データに変更がないと判定し、一方、受信した初期値データと既得初期値データが一致しない場合には、初期値データに変更があると判定する。
ステップS605において、初期値データに変更があると判定した場合(ステップS605,No)、台側CPU30aは、受信した初期値データを初期値として設定する(ステップS606)。より具体的には、台側CPU30aは、既得初期値データに代えて受信した初期値データを保持記憶し、諸処理において参照して処理を行う。ステップS606の終了後、台側CPU30aはパラメータ設定処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。
一方、ステップS605において、初期値データに変更がないと判定した場合(ステップS605,Yes)、台側CPU30aは、既得初期値データに基づいて設定変更処理を実行する(ステップS607)。具体的には、台側CPU30aは、設定変更ボタン50の操作に基づいて、各種パラメータの状態の確認及び変更をオペレータ(店舗管理者、従業員など)に促し、入力を受け付ける。この設定変更処理における各パラメータの値の変更は、複数の段階(例えば、3段階)のパラメータの切り替えを可能とする。例えば、パラメータ「大当り確率」について、初期値として設定値「5」(=大当り確率1/300)が設定されているとともに、オペレータが選択しうる他の設定値として設定値「4」(=大当り確率1/400)、及び設定値「6」(=大当り確率1/250)を台側ROM30b又は台側RAM30cは記憶しており、台側CPU30aはこれら3つの設定値を初期値に基づいて選択可能な設定としてオペレータに提示し、選択を促す。例えば、台側CPU30aは、主制御回路200,情報出力部61を介して表示パネル15に、「大当り確率:設定1=1/400、設定2=1/300、設定3=1/250」と表示し、オペレータに設定変更ボタンによっていずれかの設定を選択するよう促し、選択された設定に対応して当該パラメータの値を決定する。オペレータによって選択可能な設定については、遊技機本体より送信される初期値データに基づいて決定される。言い換えると、オペレータによって選択可能な設定は、遊技機本体より送信される初期値データに基づいて、設定を選択するためのデータテーブルを台側ROM30bより読み出すことによって決定される。
オペレータが設定の選択を設定変更ボタン50により行った場合、台側CPU30aは設定コマンド送信を行う(ステップS608)。すなわち、台側CPU30aは各種パラメータについて選択された設定を示す情報を含むデータである設定コマンドを主制御回路200に送信する。なお、各種パラメータについて選択された設定については、台基板30(台側RAM30c)においても記憶され、各種処理の際に参照される。上記ステップS608の終了後、台側CPU30aはパラメータ設定処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。
さて、先に述べたRAM異常の有無判定(ステップS602)において、RAM異常ありと判定した場合(ステップS602,Yes)、台側CPU30aは主制御回路200に初期値要求コマンドを送信する(ステップS609)。主制御回路200は、この初期値要求コマンドに応じて初期値データを台側CPU30aに送信する。台側CPU30aは、主制御回路200より初期値データを受信したかどうかを判定する(ステップS610)。初期値データを受信していない場合(ステップS610、No)は、台側CPU30aは初期値データを受信するまで待機するように、制御をステップS610に戻す。一方、初期値データを受信した場合(ステップS610,Yes)、台側CPU30aは、受信した初期値データを初期値として設定する(ステップS611)。より具体的には、台側CPU30aは、既得初期値データに代えて受信した初期値データを保持記憶し、諸処理において参照して処理を行う。ステップS606の終了後、台側CPU30aはパラメータ設定処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。
[3.1.2.信号受信時処理]
次に、メイン処理内のサブルーチンである信号受信時処理(図5、ステップS504)について、図7を参照しながら説明する。図7は、信号受信時処理の一例を示すフローチャートである。
信号受信時処理を開始すると、台側CPU30aは主制御回路200から発射信号を受信しているか否かを判定する(ステップS701)。発射信号は、遊技球が射出されるごとに生成される信号である。ステップS701において、発射信号を受信していると判定した場合(ステップS701,Yes)には、台側CPU30aは台側RAM30cの所定領域に記憶されている遊技クレジットの値(以下、クレジット値という)から「1」減算する処理を行う(ステップS702)。すなわち、遊技球が1球発射されるごとに、その対価としてクレジット値から1ずつ引き落とされることになる。ステップS702が終了すると、台側CPU30aは信号受信時処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。
さて、上述のステップS701において、発射信号を受信していないと判定した場合(ステップS701,No)には、台側CPU30aは賞球信号を受信しているか否かを判定する(ステップS703)。賞球信号は、入賞口(大入賞口を含む)に遊技球が入賞した場合に生成される信号である。ステップS703において、賞球信号を受信していないと判定した場合(ステップS703,No)、台側CPU30aは信号受信時処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。
ステップS703において、賞球信号を受信したと判定した場合(ステップS703,Yes)、台側CPU30aは、賞球の払い出しに相当するように、クレジット加算処理を実行する(ステップS704)。すなわち、台側CPU30aは台側RAM30cの所定領域に記憶されているクレジット値に賞球数に相当する値を加算する。なお、「賞球数に相当する値」は、前述のパラメータ「大入賞口賞球数」、「始動口賞球数」などによって定まる値である。このステップS704が終了すると、台側CPU30aは信号受信時処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。
以上で、信号受信時処理の説明を終了する。
[3.1.3.信号送信時処理]
次に、メイン処理内のサブルーチンである信号送信時処理(図5、ステップS805)について、図8を参照しながら説明する。図8は、信号送信時処理の一例を示すフローチャートである。
信号送信時処理を開始すると、台側CPU30aは台側RAM30cの所定領域に記憶されているクレジット値を読み取り、0より大きいか否かを判定する(ステップS801)。
クレジット値が0より大きくないと判定した場合(ステップS801,No)、すなわち残クレジットがない場合は、台側CPU30aは主制御回路200に遊技球の発射を停止させるように動作する。すなわち、台側CPU30aは台側RAM30cの所定領域に記憶されている発射停止信号送信済みフラグを調べることにより、発射停止信号が送信済みであるか否かを判定する(ステップS802)。発射停止信号は送信済みでないと判定した場合(ステップS802,No)、台側CPU30aは主制御回路200に発射停止信号を送信する(ステップS803)。このステップS803に続いて台側CPU30aは台側RAM30cの所定領域に記憶されている発射停止信号送信済みフラグをセットするとともに、台側RAM30cの別の所定領域に記憶されている発射許可信号送信済みフラグをクリアする(ステップS804)。
次に、台側CPU30aはクレジット精算ボタン32の押下によるクレジット精算要求がされ、メダルの払出を行う状態か否かを判定する(ステップS805)。メダルの払出を行わないと判定した場合(ステップS805,No)、台側CPU30aは台側CPU30aは信号送信時処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。一方、メダルの払出を行うと判定した場合(ステップS805,Yes)、台側CPU30aは遊技機本体12のホッパー40aに精算するクレジットに相当する枚数のメダルを払い出させるよう、メダル払出信号を主制御回路200に送信する(ステップS806)。ステップS806が終了すると、台側CPU30aは信号送信時処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。
なお、ステップS802において発射許可信号が送信済みであると判定した場合(ステップS802,Yes)、台側CPU30aは先に述べたステップS805に移行する。
さて、先に述べたステップS801において、クレジット値が0より大きいと判定した場合(ステップS801,Yes)、すなわち残クレジットがある場合は、台側CPU30aは主制御回路200に遊技球の発射をさせるように動作する。すなわち、台側CPU30aは台側RAM30cの別の所定領域に記憶されている発射許可信号送信済みフラグを調べることにより、発射許可信号が送信済みであるか否かを判定する(ステップS807)。発射許可信号が送信済みでないと判定した場合(ステップS807,No)、台側CPU30aは発射許可信号を主制御回路200に送信する(ステップS808)。ついで、台側CPU30aは台側RAM30cの所定領域に記憶されている発射停止信号送信済みフラグをクリアするとともに、台側RAM30cの別の所定領域に記憶されている発射許可信号送信済みフラグをセットする(ステップS809)。
なお、ステップS809が終了した場合、及びステップS807において発射許可信号が送信済みであると判定した場合(ステップS807,Yes)、台側CPU30aは先に述べたステップS805に移行する。
以上で、信号送信時処理の説明を終了する。
[3.1.4.アレック制御処理]
次に、メイン処理内のサブルーチンであるアレック制御処理(図5、ステップS506)について、図9を参照しながら説明する。図9は、アレック制御処理の一例を示すフローチャートである。
アレック制御処理を開始すると、台側CPU30aはメダルセレクタ61からの信号の有無を調べ、メダル投入があったか否かを判定する(ステップS901)。メダル投入があったと判定した場合(ステップS901,Yes)は、台側CPU30aは台側RAM30cにおけるメダルクレジットデータの加算処理をおこなうとともに、メダル数表示部34の表示を更新(ステップS902)し、その結果メダル数表示部34には投入後のメダル枚数が表示されることになる。一方、メダル投入がなかったと判定した場合(ステップS901,No)は、台側CPU30aはステップS902のメダル数表示部の更新は行わずに、後述のステップS903に移行する。
上述の処理に続いて、台側CPU30aはコインセレクタ62からの信号の有無を調べ、コイン投入があったか否かを判定する(ステップS903)。コイン投入があったと判定した場合(ステップS903,Yes)は、台側CPU30aはクレジット換算処理を実行する(ステップS904)。クレジット換算処理は、投入されたコインの有する価値を遊技クレジットに換算し、換算により得た値を台側RAM30cの所定領域に記憶されているクレジット値に加算する処理である。例えば、投入されたコインが100円硬貨である場合、台側CPU30aは100円を120クレジットに換算し、この換算された120クレジットを台側RAM30cの所定領域に記憶されているクレジット値に加算する。その結果クレジット数表示部31には、換算後のクレジットの値が表示されることになる。一方、コイン投入がなかったと判定した場合(ステップS903,No)は、台側CPU30aはステップS904のクレジット変換処理は行わずに、後述のステップS906に移行する。
上述の処理に続いて、台側CPU30aはクレジット転送ボタン33からの信号の有無を調べ、クレジット転送ボタン押下があったか否かを判定する(ステップS905)。クレジット転送ボタン押下があったと判定した場合(ステップS905,Yes)は、台側CPU30aはメダル・クレジット変換処理を実行する(ステップS906)。メダル・クレジット変換処理は、投入されたメダルの有する遊技価値をクレジットに換算し、換算により得た値を台側RAM30cの所定領域に記憶されているクレジット値に加算する処理である。例えば、クレジット換算率が7クレジット/枚であるとすると、台側CPU30aは台側RAM30cのさらに別の所定領域に記憶されているコイン枚数値に上記クレジット換算率を乗じて得た値を、台側RAM30cの所定領域に記憶されているクレジット値に加算する。その結果クレジット数表示部31には、換算後のクレジットの値が表示されることになる。一方、クレジット転送ボタン押下がなかったと判定した場合(ステップS905,No)は、台側CPU30aはステップS906のメダル・クレジット変換処理は行わずに、後述のステップS907に移行する。
上述の処理に続いて、台側CPU30aはクレジット精算ボタン34からの信号の有無を調べ、クレジット精算ボタン押下があったか否かを判定する(ステップS907)。クレジット精算ボタン押下があったと判定した場合(ステップS907,Yes)は、台側CPU30aはクレジット・メダル変換処理を実行する(ステップS908)。クレジット・メダル変換処理は、メダル貸出機12aにクレジットされているクレジット値をメダル枚数に換算し、換算により得た値を台側RAM30cのさらに別の所定領域に記憶されているメダルクレジットデータに加算する処理である。例えば、クレジット換算率が7クレジット/枚であるとすると、台側CPU30aは台側RAM30cの所定領域に記憶されているクレジット値を上記クレジット換算率で除して得た値を、台側RAM30cのさらに別の所定領域に記憶されているメダルクレジットデータに加算する。その結果メダル数表示部34には、換算後のメダル枚数が表示されることになる。その後、ステップS806の処理により、メダル払出信号が台側CPU30aから主制御回路200に送信される。このクレジット・メダル変換処理(ステップS908)終了後、台側CPU30aはアレック制御処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。一方、クレジット精算ボタン押下がなかったと判定した場合(ステップS907,No)は、台側CPU30aはステップS908のメダル・クレジット変換処理は行わずに、アレック制御処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。
以上で、アレック制御処理の説明を終了する。
[3.2.遊技機本体のメイン処理]
次に、遊技機本体12、より詳しくは主制御回路200又はメインCPU201(以下、単に「メインCPU201」という)が実行するメイン処理について説明する。図10は、メインCPU201が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。
メインCPU201は、電源投入により起動すると、まず初期設定処理を実行する(ステップS1001)。初期設定処理は、メインRAM203のチェック、副制御回路300、ホッパー制御回路80,各種スイッチ19a、19Sa、19Sb、19Seなどのチェックを行う処理である。
次に、メインCPU201は、メダル貸出機12aとの同期を確立するためのリセット信号を台側CPU30aに送信する(ステップS1002)。
次に、メインCPU201は、台側CPU30aから初期値要求コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS1003)。この初期値要求コマンドは、先に述べたパラメータ設定処理のステップS603,又はステップS609において送信された初期値要求コマンドである。初期値要求コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1003,No)は、メインCPU201はステップS1003を再度実行し、台側CPU30aから初期値要求コマンドを受け取るまで待機する。一方、初期値要求コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1003,Yes)、メインCPU201は、初期値データを送信する(ステップS1004)。この初期値データは、先に述べたパラメータ設定処理においてステップS604,又はステップS610において受信判定が行われる初期値データである。
次に、メインCPU201は、特別図柄制御処理を実行する(ステップS1005)。遊技機本体12には、通常遊技状態と呼ばれる第1の遊技状態と、それよりも相対的に有利な遊技を行なうことができる大当り遊技状態と呼ばれる第2の遊技状態とが存在する。第2の遊技状態は、「特定遊技状態」とも称され、特別図柄表示部21に変動表示される特別図柄の停止表示態様が特定の停止表示態様(大当り役の成立、など)になると、「大当り」となって、遊技状態が、第1の遊技状態から、第2の遊技状態である「特定遊技状態」(大当り遊技状態)へと移行するようになっている。メインCPU201は、特別図柄制御処理において乱数を用いて特定遊技状態を発生させるか否かを判定し、特定遊技状態を発生させる場合は、特別図柄表示部21の表示制御、大入賞口19cを所定のパターンに従った開放状態とする制御など、特定遊技状態の開始から終了までの一連の制御を実行する。
また、所定の確率変動移行条件が成立(例えば、特定の停止表示態様のうちの特別表示態様(確変大当り役の成立)となって大当りとなり、その大当りが終了)すると、特別図柄表示部21に変動表示される特別図柄の停止表示態様が特定の停止表示態様となる確率が向上する「確率変動状態」に移行する制御も行う。なお、特別図柄制御処理の具体的な例については、後述する。
次に、メインCPU201は、普通図柄制御処理を実行する(ステップS1006)。遊技機本体12の遊技領域には、普通図柄作動用ゲート(図略)が設けられており、この普通図柄作動用ゲートに遊技球が通過すると、普通図柄表示部によって普通図柄表示用の「○、×」の画像が交互に点灯されるようになっており、所定時間経過後、「○」の画像のみが点灯されると、普通図柄の当選となり、普通電動役物が遊技球を受け入れやすい第1状態に変換される。普通図柄制御処理は、かかる普通図柄表示用の画像の表示制御、当選の判定、当選した場合の普通電動役物の動作制御を行う処理である。
次に、メインCPU201は、乱数更新処理を実行する(ステップS1006)。この乱数更新処理において、メインCPU201は、ハズレ図柄決定用乱数、初期値乱数、演出用乱数を更新する。
次に、メインCPU201は、信号受信時処理を実行する(ステップS1008)。この信号受信時処理は、台側CPU30aから送信される設定コマンド、発射許可信号、発射制止信号、メダル払出信号に応じて必要な動作を行う処理である。信号受信時処理の具体的な内容については後述する。
次に、メインCPU201は、信号送信時処理を実行する(ステップS1009)。この信号送信時処理は、台側CPU30aへ送信する発射信号、賞球信号を送信するに必要な動作を行う処理である。信号送信時処理の具体的な内容については後述する。
次に、メインCPU201は、メダル払出処理を実行する(ステップS1010)。メダル払出処理において、メインCPU201は、台側CPU30aから送信されるメダル払出信号(図8,ステップS806参照)を受信し(図16,ステップS1607参照)、払出を行うための設定がおこなわれている(図16,ステップS1608参照)か否かを確認する。確認の結果、払出設定が行われている場合は、メインCPU201は、ホッパー駆動処理を行う。具体的には、メインCPU201は、ホッパー制御回路80に対して払出指令信号を出力し、ホッパー駆動回路41aを介してホッパー40のモータを駆動させることで、ホッパー40に上記メダル払出信号が示す数のメダルを払い出しさせる。なお、メダルは、メダル払出口36aより払い出される。
上記メダル払出信号が示す数のメダルを払い出しが完了すると、払出完了信号回路43は、払い出し完了信号を出力する。ホッパー制御部81は、払出完了信号回路43より払出完了信号を検出したか否かを確認する。確認の結果、払出完了信号を検出していればホッパー制御部81は、ホッパー停止処理を行う。具体的には、ホッパー駆動回路41aに払出停止指令信号を出力し、ホッパー駆動回路41aを介してモータの駆動を停止させることで、ホッパー40aのメダル払出動作を終了させる。
そして、上記処理の終了後、ホッパー制御部81は、主制御回路200のメインCPU201に、メダル払出完了信号を送信する。
すなわち、遊技機本体12は、メダル貸出機12aのメダル払出信号に基づいて行われる設定に応じて、ホッパー制御処理などを行うことによって、メダル貸出機12aにデータとして貯留されているメダル数に応じたメダルを払い出す。
以上で、メインCPU201はメダル払出処理を終了する。
メダル払い出し処理が終了すると、メインCPU201は特別図柄制御処理(ステップS75)に戻り、以降ステップS1005からステップS1010の処理を繰り返し行うことにより、遊技者に遊技を継続して楽しませることができる。
以上で、遊技機本体12におけるメイン処理の説明を終了する。
[3.2.1.特別図柄制御処理]
次に、図10のメイン処理におけるステップS1005の特別図柄制御処理の詳細について、図11を参照しながら説明する。図11は、特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図11において、ステップS1102からステップS1110の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する遊技制御フラグを示し、その遊技制御フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行される。
最初に、図に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS1101)。この処理において、メインCPU201は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS1102に処理を移す。
なお、後述するステップS1102からステップS1110において、メインCPU201は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS1102からステップS1110における処理のいずれかを実行可能にするものである。
ステップS1102においては、図12を用いて後述する特別図柄記憶チェック処理を実行する。この処理において、メインCPU201は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、始動記憶数カウンタのチェックを行ない、始動記憶数カウンタが0でない場合に、大当り判定、導出識別情報、識別情報の演出表示パターン等の決定を行なう。また、メインCPU201は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。
ステップS1103においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU201は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定表示待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。
ステップS1104においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU201は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定表示待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU201は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS1105の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU201は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。
ステップS1105においては、メインCPU201は、大当り開始インターバル管理処理を実行する。メインCPU201は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口19cを開放させるために、メインROM202から読み出されたデータに基づいて、メインRAM203に位置付けられた変数を更新する。メインCPU201は、大入賞口19cの開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。
ステップS1106においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理では、メインCPU201は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを1増加するように記憶更新する。メインCPU201は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU201は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。
ステップS1107においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU201は制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが、設定値に応じた値以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口時間タイマが0である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU201は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口19cを閉鎖させるために、メインRAM203に位置付けられた変数を更新する。メインCPU201は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU201は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。なお、大入賞口開放中処理の具体的な例については、後述する。
ステップS1108においては、メインCPU201は大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU201は制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが設定値に応じた値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判断する。メインCPU201は、上記条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS1109の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU201は、上記条件を満たさない場合には、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU201は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。なお、大入賞口内残留球監視処理の具体的な例については、後述する。
ステップS1109においては、メインCPU201は、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理においては、メインCPU201は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。メインCPU201は、所定の確率変動条件を満たした場合に、大当り確率を変動させるために、高確率フラグをセットする。
ステップS1110においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU201は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、始動記憶数カウンタを1減少するように記憶更新する。メインCPU201は、次回の変動表示を行うために、始動入賞口8への入賞時に抽出され、所定の始動記憶領域に記憶された大当り判定用乱数値、大当り図柄決定用乱数値の各乱数値を順次シフトさせる。
[3.2.1.1.特別図柄記憶チェック処理]
つぎに、上記特別柄制御処理中の一ステップである特別図柄記憶チェック処理(ステップS1102)の具体例について、図12を参照しながら説明する。ここで、図12は、特別図柄記憶チェック処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、メインCPU201は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否か確認する(ステップS1201)。制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)でない場合(ステップS1201、No)、メインCPU201は、特別図柄記憶チェック処理(図12)を終了し、特別図柄制御処理(図11)へ復帰する。一方、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合(ステップS1201、Yes)、メインCPU201は、始動記憶数カウンタの値が「0」であるか否か確認する(ステップS1202)。
上記ステップS1202において始動記憶数カウンタの値が「0」の場合(S1202、Yes)、メインCPU201は、デモ画像の表示を実行するように指示するコマンドを生成するデモ表示処理を実行し(ステップS1203)、その後メインCPU201は、特別図柄記憶チェック処理(図12)を終了し、特別図柄制御処理(図11)へ復帰する。一方、上記ステップS1202において始動記憶数カウンタの値が「0」でない場合(ステップS1202,No)、メインCPU201は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットする(ステップS1204)。
次いで、メインCPU201は、始動記憶に含まれる大当り判定用乱数値に基づいて大当り判定処理を実行する(ステップS1205)。すなわち、ステップS1205において、メインCPU201は、設定値に対応する大当り判定値を参照し、上記大当り判定用乱数値と大当り判定値が一致するか否かを判断し、一致する場合には大当りであると判定する。通常遊技状態では1個の大当り判定値が参照され、一方、確率変動状態では、10個の大当り判定値が参照される。言い換えれば、確率変動状態は通常遊技状態よりも、大当り状態(特定遊技状態)に移行される確率が10倍になる。
後述するステップS1602においてセットされる設定値に応じて大当り判定用乱数値の取りうる値(例えば、0から255まで)や参照される大当り判定値の個数が可変する。すなわち、設定値に応じて大当り状態に移行される確率が変化する。
その後、メインCPU201は、大当り判定処理における判定結果が遊技状態を大当り状態に移行させるものであるか否か判定する(ステップS1206)。
ステップS1206における判定において、遊技状態を大当り状態に移行させるものであると判定された場合(ステップS1206,Yes)、メインCPU201は、始動記憶に含まれる大当り図柄決定用乱数値に基づいて、大当り図柄(「左」・「中」・「右」)を決定する大当り図柄決定処理を実行する(ステップS1207)。なお、この大当り図柄決定処理の具体的な例については後述する。一方、ステップS1206における判定の結果が遊技状態を大当り状態に移行させるものでない場合(ステップS1206、No)、メインCPU201は、所定の乱数値に基づいて、はずれ図柄を決定する(ステップS1208)。
次いで、メインCPU201は、ステップS1207において決定された大当り図柄又はステップS1208において決定されたはずれ図柄に応じたコマンドであって、これら図柄を停止図柄として特別図柄表示部21に停止表示させるための停止図柄指定コマンドを生成し、メインRAM203の所定領域にセットする処理である停止図柄指定コマンドセットを行う(ステップS1209)。この停止図柄指定コマンドは、後述するシステムタイマ割り込み処理におけるコマンド出力処理(図18,S1807)において、主制御回路200から副制御回路300に送信される。
次いで、メインCPU201は、所定の数値範囲(例えば、0〜9)から抽出した乱数の値などに基づいて、変動パターンテーブルを用いて特別図柄の変動パターンを決定し(ステップS1210)、決定した変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドをメインRAM203の所定領域にセットする(ステップS1211)。なお、セットされた変動パターン指定コマンドは、上述したステップS1807におけるコマンド出力処理にてサブCPU301に出力される。
次いで、メインCPU201は、ステップS1210で決定された変動パターンに対応する変動表示の時間を待ち時間タイマにセットする(ステップS1212)。さらに、メインCPU201は、所定の記憶領域に記憶されている、特別図柄の変動表示に用いられた乱数の値などをクリアする(ステップS1213)。以上で、メインCPU201は特別図柄記憶チェック処理を終了し、特別図柄制御処理に制御を戻す。
[3.2.1.1.1.大当り図柄決定処理]
つぎに、上記特別図柄記憶チェック処理中の一ステップである、大当り図柄決定処理の具体的な例について説明する。図13は、大当り図柄決定処理(図12、ステップS1207)の具体的な一例を示すフローチャートである。以下、図13を参照しながら大当り図柄決定処理の具体例について説明する。
大当り図柄決定処理を開始したメインCPU201は、まず現在の遊技状態が確率変動中であるか否かを、所定の記憶領域に記憶されている確率変動中フラグをチェックするなどの方法により、判定する(ステップS1301)。
この判定の結果、確率変動中であると判定した場合(ステップS1301,Yes)、メインCPU201は、メダル貸出機12aから送信された設定コマンドに対応する設定情報(図6,S608参照)に含まれる、確変継続率についての設定値を読み出す(ステップS1302)。そして、メインCPU201は、読み出した設定値に基づいて、確変時用確変判定用テーブル(図3(C))から確変判定値(確率変動状態を継続する条件を成立させる図柄を示す値)を取得し、この取得した確変判定値と始動記憶に含まれる大当り図柄決定用乱数値とを比較する(ステップS1303)。
一方、ステップS1301の判定の結果、確率変動中でないと判定した場合(ステップS1301,No)、メインCPU201は、メダル貸出機12aから送信された設定コマンドに対応する設定情報(図6,S608参照)に含まれる、確変突入率についての設定値を読み出す(ステップS1304)。そしてメインCPU201は、この読み出した設定値に基づいて、通常時用確変判定用テーブル(図3(B))から確変判定値(確率変動状態を開始する条件を成立させる図柄を示す値)を取得し、この取得した確変判定値と始動記憶に含まれる大当り図柄決定用乱数値とを比較する(ステップS1305)。
上記ステップS1303及びステップS1305の処理の後、メインCPU201は取得した確変判定値と大当り図柄決定用乱数値が一致するか否かを判定する(ステップS1306)。ステップS1306の判定において、両者が一致すると判定した場合(ステップS1306,Yes)、メインCPU201は、大当り図柄を確率変動の当選を示す図柄である確変図柄のいずれかに決定する(ステップS1307)。一方、ステップS1306の判定において、両者が一致しないと判定した場合(ステップS1306,No)、メインCPU201は、大当り図柄を確率変動の当選を示す図柄以外の図柄である通常図柄のいずれかに決定する(ステップS1308)。これら決定された図柄に基づいて、特別図柄記憶チェック処理における停止図柄指定コマンドセット(図12,ステップS1209)が行われることとなる。
以上で、大当り図柄決定処理は終了し、メインCPU201は、その制御を特別図柄記憶チェック処理に戻す。
[3.2.1.2.大入賞口開放中処理]
次に、上記特別図柄制御処理中の一ステップである大入賞口開放中処理(図11,ステップS1107参照)の具体的な一例について、図14を参照しながら説明する。図14は、大入賞口開放中処理の具体的な一例を示すフローチャートである。
大入賞口開放中処理を開始したメインCPU201は、まず制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)であるか否かを判定する(ステップS1401)。制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)でないと判定した場合(ステップS1401,No)、メインCPU201は大入賞口開放中処理を終了し、特別図柄制御処理(図11)に制御を戻す。一方、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)であると判定した場合(ステップS1401,Yes)、メインCPU201はメダル貸出機12aから送信された設定コマンドに対応する設定情報(図6,S608参照)に含まれる、大当りカウント数についての設定値を読み出す(ステップS1402)。そして、メインCPU201は、大当りカウント数設定テーブル(図3(F))から読み出す(ステップS1403)。さらにメインCPU201は設定値に対応するカウント数を大当りカウント数設定テーブル(図3(F))から取得し、これを変数(仮に変数aとする)に格納する(ステップS1404)。
次にメインCPU201は、大入賞口19cへの入賞球数が上限以上となったか否かを判断するため、メインRAM203の所定の記憶領域に記憶されている大入賞口入賞カウンタの値が上記変数a以上であるか否かを判定する(ステップS1405)。ステップS1405において大入賞口入賞カウンタの値が上記変数a以上でないと判定した場合(ステップS1405、No)、メインCPU201は、大入賞口開放時間が終了しているかを判断するため、大入賞口開放時間タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップS1406)。大入賞口開放時間タイマの値が0でないと判定した場合(ステップS1406、No)、メインCPU201は大入賞口開放中処理を終了し、その制御を特別図柄制御処理(図12)に戻す。この場合には、後に述べる大入賞口19cを閉鎖する処理(ステップS1407〜ステップS1409)は行われないため、大入賞口19cの開放が継続されることとなる。
一方、ステップS1405において大入賞口入賞カウンタの値が上記変数a以上であると判定した場合(ステップS1405、Yes)、及びステップS1406において大入賞口開放時間タイマの値が0であると判定した場合(ステップS1406、No)、メインCPU201は大入賞口19cを閉鎖するため、以下の処理を実行する。すなわち、メインCPU201は制御状態フラグを大入賞口内残留球監視を示す値(05)にセットし(ステップS1407),大入賞口を閉鎖するための設定を所定の領域にセットし(ステップS1408)、さらに大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマ(t)にセットする(ステップS1409)。
以上で、メインCPU201は大入賞口開放中処理を終了し、その制御を特別図柄制御処理(図11)に戻す。
[3.2.1.3.大入賞口内残留球監視処理]
次に、上記特別図柄制御処理(図11参照)中の一ステップである大入賞口内残留球監視処理(ステップS1108)の具体例について、図15を参照しながら説明する。ここで、図15は、大入賞口内残留球監視処理の一例を示すフローチャートである。
大入賞口内残留球監視処理を開始するとまず、メインCPU201は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であるか否かを判定する(ステップS1501)。制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)でない場合(ステップS1501、No)、メインCPU201は、大入賞口内残留球監視処理(図15)を終了し、特別図柄制御処理(図12)へ復帰する。
一方、ステップS1501において制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であると判定した場合(ステップS1501、Yes)、メインCPU201は、待ち時間タイマ(t)の値が「0」であるか否か判定する(ステップS1502)。上記待ち時間タイマ(t)の値が「0」でないと判定した場合(ステップS1502、No)、メインCPU201は大入賞口内残留球監視処理(図15)を終了し、特別図柄制御処理(図11)へ復帰する。
一方、上記待ち時間タイマ(t)の値が「0」であると判定した場合(ステップS1502、Yes)、メインCPU201は、メインRAM203の所定の記憶領域に格納されているフラグであって、遊技状態が確率変動状態であるか否かを示す確変中判定フラグが、確率変動状態であることを示す値(ここでは仮に「1」とする)であるか否かを判定する(ステップS1503)。確変中判定フラグは大当り状態となったときの遊技状態を判定し、確率変動状態であるときに「1」がセットされ、通常遊技状態の時は「0」がセットされる。確変中判定フラグが確率変動状態であることを示す値「1」であると判定した場合、メインCPU201は、確率変動状態における大当りラウンド数(大入賞口の最大開放回数)を設定値に応じた値に設定するように、メダル貸出機12aから送信された設定コマンドに対応する設定情報(図6,S608参照)に含まれる、確変大当りラウンド数についての設定値を読み出す(ステップS1504)とともに、確変大当りラウンド数設定テーブル(図3(E))を読み出し(ステップS1505)、その後設定値に対応するラウンド数を確変大当りラウンド数設定テーブル(図3(E))から取得し、これを変数(仮に変数bとする)に格納する(ステップS1506)。
一方、先のステップS1503において、確変中判定フラグが確率変動状態であることを示す値「1」でないと判定した場合(ステップS1503、No)、メインCPU201は、通常大当り状態における大当りラウンド数(大入賞口の最大開放回数)を設定値に応じた値に設定するように、メダル貸出機12aから送信された設定コマンドに対応する設定情報(図6,S608参照)に含まれる、通常大当りラウンド数についての設定値を読み出す(ステップS1507)とともに、通常大当りラウンド数設定テーブル(図3(D))を読み出し(ステップS1508)、その後設定値に対応するラウンド数を通常大当りラウンド数設定テーブル(図3(D))から取得し、これを変数(仮に変数bとする)に格納する(ステップS1509)。
さて、設定値に対応するラウンド数を変数bに格納した後(ステップS1506,又はステップS1509)、メインCPU201は、大入賞口開放回数が上限以上となっているか否かを判断するため、大入賞口開放回数をカウントしている大入賞口開放回数カウンタの値が上記変数b以上であるか否かを判定する(ステップS1510)。
大入賞口開放回数カウンタの値が上記変数b以上でないと判定した場合(ステップS1510、No)、メインCPU201は制御状態フラグを大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)にセットし(ステップS1511)、ラウンド間インターバル(次のラウンドを開始するまで大入賞口を閉鎖している時間)に対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットする(ステップS1512)。一方、大入賞口開放回数カウンタの値が上記変数b以上であると判定した場合(ステップS1510、Yes)、メインCPU201は制御状態フラグを大当り終了インターバルを示す値(07)にセットし(ステップS1513)、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマ(t)にセットする(ステップS1514)。
待ち時間タイマのセット(ステップS1512、又はステップS1514)が終了すると、メインCPU201は大入賞口内残留球監視処理(図15)を終了し、特別図柄制御処理(図11)へ復帰する。
[3.2.2.信号受信時処理(遊技機本体側)]
次に、遊技機本体12におけるメイン処理内のサブルーチンである、信号受信時処理(図10、ステップS1008)について、図16を参照しながら説明する。図16は、信号受信時処理の一例を示すフローチャートである。
信号受信時処理を開始したメインCPU201は、台側CPU30aから設定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1601)。この設定コマンドは、台側CPU30aによるパラメータ設定処理中に行われる設定コマンドの送信によって送信されたコマンドである(図5,ステップS28参照)。設定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1601,Yes)は、メインCPU201は、この設定コマンドに対応する設定情報をメインRAM203の所定の領域にセット(記憶)させる(ステップS1602)。この設定情報は、遊技機本体12で行われる特別図柄制御処理などで使用される。一方、設定コマンドを受信していなかったと判定した場合(ステップS1601,No)は、メインCPU201はステップS1602のセットは行わずに、後述のステップS1603に移行する。
続いて、メインCPU201は、台側CPU30aから発射許可信号を受信したか否かを判定する(ステップS1603)。この発射許可信号は、台側CPU30aによる信号送信時処理によって送信されたコマンドである(図8,ステップS808参照)。発射許可信号を受信したと判定した場合(ステップS1603,Yes)は、メインCPU201は、発射制御回路70へ発射コマンドを送信する(ステップS1604)。発射コマンドを受け取った発射制御回路70は、遊技者によるハンドル24の操作に応じて、発射装置90を駆動し、遊技球を遊技領域内に射出させる。一方、発射許可信号を受信していなかったと判定した場合(ステップS1603,No)は、メインCPU201はステップS1604における発射コマンドの送信は行わずに、後述のステップS1605に移行する。
続いて、メインCPU201は、台側CPU30aから発射停止信号を受信したか否かを判定する(ステップS1605)。この発射停止信号は、台側CPU30aによる信号送信時処理によって送信されたコマンドである(図8,ステップS803参照)。発射停止信号を受信したと判定した場合(ステップS1605,Yes)は、メインCPU201は、発射制御回路70へ発射停止コマンドを送信する(ステップS1606)。発射停止コマンドを受け取った発射制御回路70は、発射装置90を駆動を停止し、遊技球の射出を停止させる。一方、発射停止信号を受信していなかったと判定した場合(ステップS1605,No)は、メインCPU201はステップS1606における発射停止コマンドの送信は行わずに、後述のステップS1607に移行する。
次に、メインCPU201は、台側CPU30aからメダル払出信号を受信したか否かを判定する(ステップS1607)。このメダル払出信号は、台側CPU30aによる信号送信時処理によって送信されたコマンドである(図8,ステップS806参照)。メダル払出信号を受信したと判定した場合(ステップS1607,Yes)は、メインCPU201は、ホッパー制御回路80にメダルの払い出しをおこなわせるための設定を行う(ステップS1608)。設定が行われ、メダル払出処理(図10,ステップS1010参照)にて送信された払出設定コマンドを受け取ったホッパー制御回路80は、払出設定により設定された枚数のメダルの払い出しがおこなわれるまでホッパー40aを駆動し、指定された枚数のメダルの払出を行う。一方、メダル払出信号を受信していなかったと判定した場合(ステップS1607,No)は、メインCPU201はステップS1608における払出設定は行わずに、信号受信時処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。
以上で、遊技機本体12側の信号受信時処理の説明を終了する。
[3.2.3.信号送信時処理(遊技機本体側)]
次に、遊技機本体12におけるメイン処理内のサブルーチンである、信号送信時処理(図10、ステップS1009)について、図17を参照しながら説明する。図17は、信号送信時処理の一例を示すフローチャートである。
信号送信時処理を開始したメインCPU201は、発射検出SW19Scから発射検出信号が出力されたか否かを判定する(ステップS1701)。発射検出SW19Scは発射装置90により遊技球が射出されたことを検出し、発射検出信号を主制御回路200、より詳しくはメインCPU201に出力する。発射検出信号が出力されたと判定した場合(ステップS1701,Yes)は、メインCPU201は、台側CPU30aに発射信号を出力する(ステップS1702)。この発射信号は、台側CPU30aによって行われる信号受信時処理において使用される信号である(図7、ステップS701参照)。一方、発射検出信号が出力されていなかったと判定した場合(ステップS1701,No)は、メインCPU201はステップS1702の発射信号出力は行わずに、後述のステップS1703に移行する。
次に、メインCPU201は、一般入賞口SW19Sb、大入賞口SW(図略)などからの入賞検出信号に基づいて賞球信号データがセットされているか否か判定する(ステップS1703)。賞球信号データは後述する賞球払出要求設定処理においてセットされるデータである。賞球信号データがセットされていると判定した場合(ステップS1703,Yes)は、メインCPU201は、台側CPU30aに賞球信号を出力する(ステップS1704)。この賞球信号は、台側CPU30aによって行われる信号受信時処理において使用される信号である(図7、ステップS703参照)。一方、賞球信号データがセットされていなかったと判定した場合(ステップS1703,No)は、メインCPU201はステップS1704の賞球信号出力は行わずに、信号送信時処理を終了し、メイン処理に制御を戻す。
以上で、遊技機本体12側の信号送信時処理の説明を終了する。
[3.3.システムタイマ割込処理]
遊技機本体12、より詳しくは主制御回路200又はメインCPU201(以下、単に「メインCPU201」と略す)は、図10に示すメイン処理を実行する一方、所定の周期(例えば、2ミリ秒)で、メイン処理に割り込むように実行されるシステムタイマ割込処理を実行する。図18は、システムタイマ割り込み処理の一例を示すフロー図である。以下、図18を参照しながらシステムタイマ割込処理の例について説明する。
システムタイマ割込処理を開始すると、メインCPU201は、図18に示すように、レジスタに格納されている情報を退避させる(S1801)。次いで、メインCPU201は、「乱数更新処理」を実行し、大当り判定用乱数値などの値を更新する(S1802)。メインCPU201は、乱数更新処理実行毎に大当り判定用乱数値を「1」ずつ加算更新する。また、メインCPU201は加算更新するごとに、加算更新された大当り判定用乱数値の値が大当り判定用乱数最大値を超えているか否かを判定する。大当り判定用乱数値が大当り判定用乱数最大値を超えていると判定した場合は、メインCPU201は大当り乱数値を「0」に戻してリセットする。なお、大当り判定用乱数最大値は、上述のステップS1602でセットされた設定値に基づいて、大当り確率設定テーブル(図3(A))から選択される。
さらに、メインCPU201は、「スイッチ入力検出処理」を実行する(S1803)。以下、ステップS1803におけるスイッチ入力検出処理について説明する。具体的には、メインCPU201は、カウントWS19Se、一般入賞口SW19Sb、通過ゲートSW19Sa、始動口SW19a、発射検出SW19Scなど、遊技球が通過または入賞したことに基づいて生成される信号を検出し、各スイッチに対応する賞球カウンタの値を変更する。
次いで、メインCPU201は、「タイマ更新処理」を実行(S1804)し、変動表示されている普通図柄や特別図柄の残り変動表示時間、開状態にある始動口19aや大入賞口19cの残り開放時間などを更新する。
さらに、メインCPU201は、「遊技情報データ生成処理」を実行(S1805)し、賞球として払い出された遊技球の数や大当りの発生などの遊技情報データを生成し、表示パネル15へ出力する。
続いて、メインCPU201は、始動口SOL71Sや大入賞口SOL72Sなどを駆動する信号を出力する出力処理を実行する(S1806)。
さらに、メインCPU201は、「コマンド出力処理」を実行(S11807)し、特別図柄の停止図柄や当該特別図柄の変動表示パターンなどを指示する変動パターンコマンド、停止図柄指定コマンド及び図柄確定コマンドなどを副制御回路300に出力する。
また、メインCPU201は、「賞球払出要求設定処理」を実行(S1808)し、遊技球が入球した入賞口の種類(一般入賞口、始動口、大入賞口など)に応じて、所定の賞球数に応じた遊技球クレジットを台側RAM30cの所定領域に記憶されている遊技クレジットの値に加算するようメダル貸出機12a、より詳しくは台側CPU30に要求するための賞球信号データの設定を行う。なお、「賞球払出要求設定処理」の具体的な処理例については後述する。
さらに、メインCPU201は、ステップS100において退避した情報をレジスタに復帰させる(S1809)。
最後に、メインCPU201は次回のシステムタイマ割り込み処理の実行を許可する割込許可フラグを設定する割込許可処理(S1810)を行い、システムタイマ割込処理を終了し、メイン処理における割り込み発生前のアドレスへ制御を戻す。
[3.3.1.賞球払出要求設定処理]
次に、システムタイマ割込処理(図18)の一ステップである賞球払出要求設定処理(ステップS1808参照)の具体的な例について図19を参照しながら説明する。図19は、賞球払出要求設定処理の具体的な例を示すフローチャートである。
賞球払出要求設定処理を開始するとまず、メインCPU201は、大入賞口19cへの入賞球数をカウントしている大入賞口賞球カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS1901)。大入賞口賞球カウンタの値が1以上であると判定した場合(ステップS1901、Yes)、メインCPU201は、この大入賞口賞球カウンタの値から1だけ減算し(ステップS1902)、次にメダル貸出機12aから送信された設定コマンドに対応する設定情報(図6,S808参照)に含まれる、大入賞口賞球数についての設定値を読み出し(ステップS1903)、続いて大入賞口賞球数設定テーブル(図3(G))を読み出し(ステップS1905)、設定値に対応する賞球数を示す賞球信号データを所定の記憶領域にセットする(ステップS1905)。以上でメインCPU201は賞球払出要求設定処理を終了し、システムタイマ割込処理(図18)に復帰する。なお、セットされた賞球信号データは賞球信号出力(図17,S1704)によりメダル貸出機12aに送信され、メダル貸出機12aにおいて遊技球クレジットの値に賞球信号データの示す値だけ加算される。この処理により、設定値に応じた大入賞口への入賞に基づく遊技球クレジットの値の加算がなされることとなる。
一方、ステップS1901において大入賞口賞球カウンタの値が1以上でないと判定した場合(ステップS1901、No)、メインCPU201は、一般口への入賞球数をカウントしている一般入賞口賞球カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS1906)。一般入賞口賞球カウンタの値が1以上であると判定した場合(ステップS1906、Yes)、メインCPU201は、この一般入賞口賞球カウンタの値から1だけ減算し(ステップS1907)、所定の値である一般入賞口に対応する賞球数を示す賞球信号データを所定の記憶領域にセットする(ステップS1908)。以上でメインCPU201は賞球払出要求設定処理を終了し、システムタイマ割込処理(図18)に復帰する。なお、セットされた賞球信号データは賞球信号出力(図17,S1704)によりメダル貸出機12aに送信され、メダル貸出機12aにおいて遊技球クレジットの値に賞球信号データの示す値だけ加算される。この処理により、所定の一般入賞口への入賞に基づく遊技球クレジットの値の加算がなされることとなる。
一方、ステップS1906において一般入賞口賞球カウンタの値が1以上でないと判定した場合(ステップS1906、No)、メインCPU201は、始動口19aへの入賞球数をカウントしている始動口賞球カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS1909)。始動口賞球カウンタの値が1以上であると判定した場合(ステップS1909、Yes)、メインCPU201は、この始動口賞球カウンタの値から1だけ減算し(ステップS1910)、次にメダル貸出機12aから送信された設定コマンドに対応する設定情報(図6,S608参照)に含まれる、始動口賞球数についての設定値を読み出し(ステップS1911)、続いて始動口賞球数設定テーブル(図3(H))を読み出し(ステップS1912)、設定値に対応する賞球数を示す賞球信号データを所定の記憶領域にセットする(ステップS1913)。以上でメインCPU201は賞球払出要求設定処理を終了し、システムタイマ割込処理(図18)に復帰する。なお、セットされた賞球信号データは賞球信号出力(図17,ステップS1704)によりメダル貸出機12aに送信され、メダル貸出機12aにおいて遊技球クレジットの値に賞球信号データの示す値だけ加算される。この処理により、設定値に応じた始動口への入賞に基づく遊技球クレジットの値の加算がなされることとなる。
一方、始動口賞球カウンタの値が1以上であると判定した場合(ステップS1909、Yes)、メインCPU201は賞球払出要求設定処理を終了し、システムタイマ割込処理(図18)に復帰する。
[4.変形例、その他]
上記実施の形態は、種々変形が可能である。変形の例として例えば、以下のような構成が考えられ、これらは本発明の範囲内の技術である。
(1) 上記実施の形態では、コインやメダルのような遊技媒体を用いて遊技を行う形態としたが、メダル貸出機12aにプリペイドカード等を挿入し、当該プリペイドカードの記録情報から特定される遊技用価値(残高)の範囲内で遊技を行う形態としてもよい。
(2) また、メダル貸出機12aへの遊技価値の投入は、遊技者による遊技媒体を用いた方法に限定される必要はなく、遊技店側の操作によってクレジットの投入を行うようにしてもよい。たとえば、各メダル貸出機12aと、管理コンピュータとを通信可能に接続しておき、管理コンピュータからクレジット情報をメダル貸出機12aに送信し、各メダル貸出機12aはこれをクレジット値として記憶保持する構成としても、本発明は成立する。
(3) 上記実施の形態では、設定変更(図6,ステップS607参照)はメダル貸出機12aに送信に設けられた設定変更ボタン50によって行うと述べたが、係る方法に設定変更は限られる必要はなく、携帯端末39を用いて行うようにしてもよい。
(4) 上記実施の形態では、遊技機本体12にホッパー制御回路80,ホッパー40a、メダル検出部40Sa、40Sbを搭載し、遊技機本体12の下血23よりメダルの払い出しを行うようにしたが、このような構成に限定される必要はなく、メダル貸出機12aを搭載し、かつメダル貸出機12aに払出口を設け、これよりメダルの払い出しを行うようにしてもよい。
(5) 遊技機本体12は、いわゆるパチンコ機に相当する装置として説明したが、遊技機本体12は、いわゆるパチスロ機に相当する装置であってもよく、或いはメダルやコインなどの遊技媒体を使用するすべての遊技機(例えば、雀球機、スマートボールなど)に相当する装置であっても本発明は成立する。