JP4704031B2 - 前癌性および癌性組織を検出するためのシステム - Google Patents

前癌性および癌性組織を検出するためのシステム Download PDF

Info

Publication number
JP4704031B2
JP4704031B2 JP2004506646A JP2004506646A JP4704031B2 JP 4704031 B2 JP4704031 B2 JP 4704031B2 JP 2004506646 A JP2004506646 A JP 2004506646A JP 2004506646 A JP2004506646 A JP 2004506646A JP 4704031 B2 JP4704031 B2 JP 4704031B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epithelium
impedance
tissue
potential
measurements
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004506646A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005525900A (ja
Inventor
デイヴィス,リチャード・ジェイ
Original Assignee
デイヴィス,リチャード・ジェイ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by デイヴィス,リチャード・ジェイ filed Critical デイヴィス,リチャード・ジェイ
Publication of JP2005525900A publication Critical patent/JP2005525900A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4704031B2 publication Critical patent/JP4704031B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/43Detecting, measuring or recording for evaluating the reproductive systems
    • A61B5/4375Detecting, measuring or recording for evaluating the reproductive systems for evaluating the male reproductive system
    • A61B5/4381Prostate evaluation or disorder diagnosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/05Detecting, measuring or recording for diagnosis by means of electric currents or magnetic fields; Measuring using microwaves or radio waves 
    • A61B5/053Measuring electrical impedance or conductance of a portion of the body
    • A61B5/0531Measuring skin impedance
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/05Detecting, measuring or recording for diagnosis by means of electric currents or magnetic fields; Measuring using microwaves or radio waves 
    • A61B5/053Measuring electrical impedance or conductance of a portion of the body
    • A61B5/0538Measuring electrical impedance or conductance of a portion of the body invasively, e.g. using a catheter
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/24Detecting, measuring or recording bioelectric or biomagnetic signals of the body or parts thereof
    • A61B5/2415Measuring direct current [DC] or slowly varying biopotentials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/48Other medical applications
    • A61B5/4836Diagnosis combined with treatment in closed-loop systems or methods
    • A61B5/4839Diagnosis combined with treatment in closed-loop systems or methods combined with drug delivery
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/68Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient
    • A61B5/6801Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient specially adapted to be attached to or worn on the body surface
    • A61B5/6802Sensor mounted on worn items
    • A61B5/6804Garments; Clothes
    • A61B5/6806Gloves
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/68Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient
    • A61B5/6801Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient specially adapted to be attached to or worn on the body surface
    • A61B5/683Means for maintaining contact with the body
    • A61B5/6834Means for maintaining contact with the body using vacuum
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/43Detecting, measuring or recording for evaluating the reproductive systems
    • A61B5/4306Detecting, measuring or recording for evaluating the reproductive systems for evaluating the female reproductive systems, e.g. gynaecological evaluations
    • A61B5/4312Breast evaluation or disorder diagnosis

Description

本発明は一般に、異常な組織もしくは癌性組織の検出に、より詳細には悪性腫瘍発生中の機能的、構造的、および局所解剖学的関係に関連する異常な組織もしくは癌性組織の電気生理学的特性の変化の検出に関する。これらの測定は、異常な組織もしくは癌性組織を表示する電気生理学的特性を明確化かつ強調するために薬理学的物質もしくはホルモン性物質の不在下および/または存在下で行うことができる。
癌は、米合衆国では男女いずれにおいても主要な死因である。致死率が高くなる原因の1つは、治療選択肢が実行不可能になる前に異常な前癌性もしくは癌性組織を検出するのが困難なことにある。異常な組織もしくは癌性組織の存在を検出するのが困難なのは、一部には、そのような組織の大多数が身体内の深部にあり、そこで費用のかかる複雑かつ侵襲性の、および/または苦痛を与える手法を必要とするためである。このため検出手法の使用は、患者に異常な組織に関連する症状が出るまではたいてい制限される。しかし癌もしくは腫瘍の多くの形態は、検出可能なサイズに達する(したがって、患者に重大な症状または徴候が生じる)までに極めて長い期間を必要とする。有効な治療法も現在利用できる診断様式を使用して癌もしくは腫瘍が検出された時点では遅すぎることが多い。
癌性および前癌性組織を早期に検出するために提案された方法には、生体組織の電気インピーダンスを測定するステップが含まれる。例えば、米国特許第3,949,736号は、組織へ低レベル電流を通電し、組織全域の電圧降下の測定を用いて組織全体のインピーダンスの間接的表示を提供する方法を開示している。この方法は、組織のインピーダンスにおける変化が腫瘍、癌腫、またはその他の異常な生物学的状態を表示する、組織を構成する細胞の異常な状態と関連していることを教示している。しかしこの開示は、異常な細胞と関連しているインピーダンスの上昇または低下については考察しておらず、さらにまた腫瘍細胞を特別に取り扱ってもいない。
この方法や類似システムの短所の1つは、上皮固有の直流電気的特性が考慮に入れられていないことにある。多数の一般的悪性腫瘍は上皮中で、頻回には腸等の中空器官、または乳腺もしくは前立腺等の管腔構造の内張りする細胞層内で発生する。上皮組織は経上皮電位(TEP:transepithelial electropotential)を有するが、これは悪性腫瘍の経過によって変化する場合がある。悪性腫瘍の経過の早期には、特に発生中の悪性腫瘍からある程度遠隔の上皮と比較すると、上皮はその経上皮電位を消失することがある。そこで経上皮電位測定値とインピーダンスとを組み合わせると、前癌性および癌性状態をより正確に診断できる可能性がある。
上記に参考として挙げたシステムのまた別の短所は、周波数範囲が限定されていないことにある。選択した周波数範囲によって細胞に関する一定の情報を入手することができる。組織の相違する構造的もしくは機能的態様には相違する周波数帯域が結び付いている可能性がある。例えば、F.A.Duck,Physical Properties of Tissues,London:Academic Press,2001;K.R.Foster,H.P.Schwan,Dielectric properties of tissues and biological materials:a critical review,Crit.Rev.Biomed.Eng.,1989,17(1):25-104を参照。例えば>1GHz等の高周波数では、分子構造はインピーダンスプロフィールの緩和特性(relaxation characteristics)へ優勢な作用を及ぼす。緩和特性には、印加された電場の変化への組織の反応における遅延が含まれる。例えば、交流電流を印加すると、組織のインピーダンス特性のために遅延、または位相変位させられて組織全域に及ぶ電圧変化が生じる。組織の緩和および分散特性は、印加信号の周波数によって変動する。
<100Hz等、もしくはいわゆるα分散範囲の低周波数では、イオン輸送および大きな細胞膜界面での電荷蓄積の変化がインピーダンスプロフィールの緩和特性を決定する。数kHzから1MHzの周波数範囲内、またはいわゆるβ分散範囲内では、細胞構造が上皮インピーダンスプロフィールの緩和特性を決定する。この範囲内の低kHz周波数では、印加電流のほとんどが傍細胞経路および密着帯を経由して細胞間を通電する。β分散範囲内の高周波数では、電流は細胞膜に浸透するので、このため細胞間および細胞内のどちらも通電でき、そして電流密度は細胞質および細胞核の組成および容積に依存する。
α分散範囲内における周波数で測定された上皮のインピーダンス特性に影響を及ぼす悪性転換の経過中にある上皮のイオン輸送には特徴的な変化が発生する。悪性転換の経過の後期には、密着帯の開口および傍細胞系路の抵抗の低下を伴う構造的変化が、細胞質および細胞核の組成および容積における変化とともに、β分散範囲内で測定されるインピーダンスに影響を及ぼす。
上記に参考として挙げたシステムのまた別の短所は、変化したインピーダンスのトポグラフィーが検査されないことにある。相違する間隔をあけて測定電極(measuring electrode)を配置することにより、上皮を相違する深さで検査することができる。2個の表面電極によって測定される深さは、電極間の間隔のおよそ半分である。このため、1mm離れている電極はおよそ500ミクロンの深さにある上皮のインピーダンスを測定することになる。例えば、発生中の腫瘍の縁における腸上皮の厚さは、正常な腸では716±112μであるのに比較して1,356±208μへ増加することが知られている(D.Kristt,et al.Patterns of proliferative changes in crypts bordering colonic tumors:zonal histology and cell cycle marker expression,Pathol.Oncol.Res.1999;5(4):297-303を参照)。およそ2.8mmの間隔をあけて配置された電極間の測定インピーダンスとおよそ1.4mmの間隔をあけて配置された電極間のインピーダンスとを比較することによって、より深部へ肥厚化した上皮についての情報を入手することができる。例えば、L.Emtestam & S.Ollmar,Electrical impedance index in human skin:measurements after occlusion,in 5 anatomical regions and in mild irritant contact dermatitis,Contact Dermatitis 1993;28(2):104-108を参照。
上記に参考として挙げた方法のまた別の短所は、悪性の経過中に変化する特定の伝導性経路(specific conductive pathway)を検査しないことである。例えば、悪性の経過の早期には結腸の表面上皮中におけるカリウムイオン伝導性が低下する。
米国特許第4,955,383号および第5,099,844号等の他の特許は、癌を診断するために表面電位測定値を使用できることを開示している。しかし、経験的測定値を解釈して診断に使用するのは困難である。例えば、上記に参考として挙げた発明は、乳房のある領域と他の領域との電圧差を測定するステップと、次にそれらを反対側の乳房における測定値と比較するステップとによって癌を診断する。測定された表面電位における変化は、上を覆っている皮膚のインピーダンス特性における差と関連することがある。上記に参考として挙げた発明および類似の発明ではこの事実が無視されるため、結果として生じる診断精度は72%以下となる。J.Cuzick et al.,Electropotential measurements as a new diagnostic modality for breast cancer,Lancet 1998;352(9125):359-363;M.Faupel et al.,Electropotential evaluation as a new technique for diagnosing breast lesions,Eur.J.Radiol.1997;24(1):33-38を参照。
米国特許第6,308,097等の交流測定を使用する他の発明もまた、直流電位測定値および交流インピーダンス測定値の組み合わせを用いて可能な精度より低い精度を有する。上記に参考として挙げたシステムは、癌の上方の低下したインピーダンス(上昇した伝導性)を測定するステップだけによって癌を診断する。
異常な組織を検出するためのまた別の電位情報源は、粘膜内の輸送の変化の測定値である。上皮細胞は、身体の表面を覆い、身体を外界から隔離するための障壁として機能する。上皮細胞は身体を隔離するために機能するだけではなく、独自の細胞質環境を相当に狭い範囲内に維持しながら細胞障壁を超えて塩、栄養素および水分を輸送することによって身体の環境を変化させもする。上皮層が一定の攻撃に抵抗する1つの機序は、障壁を連続的に増殖かつ交換することによる。この連続的細胞増殖によって、80%を超える癌が上皮細胞由来である理由を一部には説明できる。
静止期線維芽細胞へ血清を添加すると急速な細胞膜脱分極が生じることは知られている。細胞膜脱分極は、細胞分割に関連付けることのできる早期事象である。増殖因子によって誘導される脱分極は一部の場合には二相性であると思われるが、細胞分割は脱分極を伴わずに刺激することができる。細胞膜脱分極は時間的にNa+の内向きの流れと関連しており、この内向きの流れは再分極が発生した後にも持続する。初期のNa+の内向きの流れが脱分極を生じさせる可能性はあるが、ナトリウムイオン輸送の増加は、おそらくNa/K ATPaseポンプ活性化に起因して、細胞膜が再分極されてしまうと止まらない。その他の試験もまた、Na+輸送が細胞活性化中に変化することを支持している。Na+輸送の変化に加えて、細胞増殖中にはK+およびCl-の輸送も変化する。
数多くの試験は、増殖中の細胞は静止期または非分割中である細胞と比較して相当高度に脱分極することを証明している。分化には特異的なイオンチャネンルの発現が関連している。また別の試験は、細胞膜脱分極が細胞増殖に関連したイオンの内向きの流れ、細胞内イオン組成、および輸送機序の変化により発生すると指摘している。
細胞内Ca2+(Ca2+ i)および細胞内pH(pHi)はマイトジェン活性化によって増加する。細胞増殖は、内部貯蔵からのCa2+ i遊離を誘発する2種のセカンドメッセンジャーである1,2−ジアシルグリセロールおよびイノソトール−1,4,5−三リン酸を遊離するホスファチジルイノシトールの活性化の後に開始されることがある。Ca2+ iおよびpHiは次に、細胞膜の電圧を維持する責任を担う細胞膜内の様々なイオンチャンネルのゲーティングを変化させることがある。このため、他の細胞内メッセンジャー、イオン輸送機序、および細胞膜電位の間には相互作用が発生する可能性がある。大多数の試験は形質転換細胞および培養細胞中で実施されていて癌発生中の無傷上皮中では実施されていないので、アップレギュレートされた増殖が発癌現象中の細胞膜電位、経上皮電位、上皮インピーダンス、およびイオン輸送へどのような影響を及ぼすかについてはほとんど知られていない。
癌細胞が非形質転換細胞と比較して相当に脱分極していることは知られている。持続性の細胞膜脱分極は連続的な細胞増殖を生じさせること、そして悪性形質転換は持続性脱分極の結果として、および細胞分割後の細胞の再分極不成功の結果として生じると示唆されている(C.D.Cone Jr.,Unified theory on the basic mechanism of normal mitotic control and oncogenesis,J.Theor.Biol.1971;30(1):151-181;C.D.Cone Jr.,C.M.Cone.,Induction of mitosis in mature neurons in central nervous system by sustained depolarization,Science 1976;192(4235):155-158;C.D.Cone,Jr.,The role of the surface electrical transmembrane potential in normal and malignant mitogenesis.Ann.N.Y.Acad.Sci.1974;238:420-435を参照)。多数の試験は、細胞膜脱分極が形質転換中および発癌現象中に発生することを証明している。他の試験は、単一ras突然変異がイオン輸送および細胞膜脱分極の変化を生じさせることを証明している(Y.Huang,S.G.Rane,Single channel study of a Ca(2+)-activated K+ current associated with ras induced cell transformation,J.Physiol.1993;461:601-618を参照)。例えば、CF1マウスにおける1,2−ジメチルヒドラジン(DMH)−誘発性結腸癌中には結腸細胞膜の進行性脱分極が発生する。組織学的に「正常な」結腸上皮中で細胞内微小電極を用いて測定されたVA(頂端膜電圧)は、DMH処置6週間後には−74.9mVから−61.4mVへ、そして処置20週間後には−34mVへ脱分極した。
上皮細胞は通常は細胞内ナトリウムイオン濃度を狭い範囲内で維持するが、電子マイクロプローブ分析は、癌細胞が非形質転換細胞で見出されるより3〜5倍大きな細胞質ナトリウム/カリウムイオン比率を呈示することを証明している。これらの観察所見は、細胞膜全域でのK+またはNa+濃度勾配の消失のために癌性または前癌性組織中で観察される電気的脱分極を一部には説明している。
細胞膜脱分極、および細胞内イオン活性の変化に加えて、他の試験は、上皮悪性腫瘍の発生中には起電性ナトリウムイオン輸送の低下および非起電性輸送体の活性化が生じる可能性があることを証明した。これらの変化は、細胞内イオン組成が変化した結果として発生することがある。その他の特異的なイオン輸送の変化は、増殖、分化、アポトーシス、ならびに発癌現象中の結腸、前立腺、乳腺、子宮頸部、黒色腫、尿路上皮、および膵臓において記載されている。
アポトーシスまたは生理的細胞死は、悪性腫瘍の発生中にはダウンレギュレートされる。アポトーシスによって影響を受けるイオン輸送機序には、Ca2+の内向きの流れ、非選択的Ca2+透過性カチオンチャンネル、カルシウムイオン活性化塩化物イオンチャンネル、およびK+−Cl-共輸送が含まれる(J.A.Kim et al.,Involvement of Ca2+ influx in the mechanism of tamoxifen-induced apoptosis in Hep2G human hepatoblastoma cells,Cancer Lett.1999;147(1-2):115-123;A.A.Gutierrez et al.,Activation of a Ca2+-permeable cation channel by two different inducers of apoptosis in a human prostatic cancer cell line,J.Physiol.1999;517(Pt.1):95-107;J.V.Tapia-Vieyra,J.Mas-Oliva,Apoptosis and cell death channels in prostate cancer,Arch.Med.Res.2001;32(3):175-185;R.C.Elble,B.U.Pauli,Tumor Suprression by a Proapoptotic Calcium-Activated Chloride Channel in Mammary Epithelium,J.Biol.Chem.2001;276(44):40510-40517を参照)。
発癌現象中には細胞間情報伝達の消失が発生する。これはギャップ結合を通してイオンおよび小分子を介して媒介される細胞間の不完全な電気的結合を生じさせ、これは順に上皮の電気的特性に影響を及ぼす。
ポリープまたは明白に悪性の病変は、増殖の障害および経上皮イオン輸送の変化を背景に発生することがある。大腸癌についての実験動物試験は、経上皮脱分極が前癌性状態の早期特徴であることを証明している。鼻ポリープ試験では、病変が高い経上皮電位を有していたが、これらの病変は通常脱分極している腺腫性または前癌性結腸ポリープと同意義での前癌性ではなかった。電気的脱分極は癌性乳腺組織の生検で見出されている。近年、インピーダンスにおける変化が乳腺および腸における前癌性または癌性状態と関連することが見出されている。
直流電位の変化は、動物モデル、ヒト細胞もしくは単離組織、およびヒトにおける嚢胞性線維症等の非癌性状態、癌を診断するために有用であると報告されている。正常組織と癌とのインピーダンスの差はインビトロの動物モデルにおいて記載されており、インビボ癌診断へ適用されてきた。しかし、癌を診断するために直流電位測定値とインピーダンス測定値とは結び付けられなかったが、これは癌の発生に付随する電気生理学的変化が一般には十分に特徴付けられていないためである。経上皮脱分極は発癌現象中の早期事象であり、これは上皮のかなりの領域に影響を及ぼす可能性がある(「フィールド欠損」)。この脱分極には、イオン輸送およびインピーダンスの変化を含む上皮内の機能的変化が付随する。この経過の早期には、これらは特異的な起電性イオン輸送経過における低下のためにインピーダンス増加の形で現れる。前癌性上皮中で腫瘍が発達し始めるにつれて、形質転換細胞内では密着帯における破壊および核異型等の構造的変化が発生する。この構造的変化は腫瘍のインピーダンスの顕著な低下を生じさせる。上皮内の電気的変化のパターンおよび勾配により、直流電気的測定値およびインピーダンス測定値の組み合わせから、癌を診断することができる。直流電位測定値およびインピーダンス測定値を癌の診断に適用するのに成功していなかったもう1つの理由は、経上皮電位およびインピーダンスが極めて変動性であり、水和状態、食事による塩摂取、ホルモンレベルにおける昼行性もしくは周期性変動、または非特異的炎症性変化等の要素によって影響を受ける可能性があることにある。経上皮電位およびインピーダンスに影響を及ぼす生理学的変量についての知識がなければ、これらの種類の測定値を信頼して前癌性状態または癌を診断することはできない。さらに、発癌現象中に発生する機能的および形態学的変化を緻密に理解できていれば、癌発生中に変化する特異的に同定されたイオン輸送の変化についての適切な電気的プロービングが可能になる。例えば、結腸中での癌発生中には起電性ナトリウムイオン吸収が低下するという知識があれば、ECM(electroconductive medium)中のナトリウムチャンネルブロッカー(例、アミロライド)または変動するナトリウムイオン濃度を使用してナトリウムイオン伝導性の阻害可能なコンポーネントの存在の有無を調査することができる。測定深さを変動させる(相違する間隔をあけて配置された電極(differently spaced electrodes)間の電圧降下を測定する)ことによって、上皮内の癌性変化についてのトポグラフィーおよび深さに関する情報を入手することができる。
直流電位またはインピーダンスを単独で使用する現在の技術の診断精度には重大な限界がある。乳腺における直流電気測定値についての感受性および特異性は各々90%および50%であり、そしてインピーダンス測定値については93%および65%であると報告されている。これは、72〜79%の総合診断精度を生じさせるが、この数字は広汎に採用されるにはおそらく低すぎる(J.Cuzick et al.,Electropotential measurements as a new diagnostic modality for breast cancer,Lancet 1998;352(9125):359-363;A.Malich et al.,Electrical impedance scanning for classifying suspicious breast lesions:first results,Eur.Radiol.2000;10(10):1555-1561を参照)。直流電位とインピーダンス分光法との組み合わせは、臨床的有用性の向上をもたらす90%を超える診断精度を生じさせる可能性がある。
そこで、未だなお異常な組織を検出する有効で実用的な方法に対する必要が存在する。
従来の方法に関する問題および不適当な点を克服するために、直流測定値およびインピーダンス測定値を組み合わせて使用することにより、異常な組織または癌性組織が特徴付けられる。直流測定値は上皮の機能的状態についての情報を提供し、前癌性変化および隣接する(adjacent)悪性腫瘍を早期に検出することができる。相違する間隔をあけた電極を使用した相違する周波数でのインピーダンス測定値は、検査対象の組織についての構造的(高周波数範囲)情報および機能的(低周波数範囲)情報の両方を得るために、深さおよび局所解剖学的情報を提供する。異常な組織または癌性組織は、異常な前癌性細胞または癌性細胞の存在を決定するためにイオン置換および/または薬理学的およびホルモン的操作を使用して、粘膜組織における輸送の変化を検出かつ測定することにより特徴付けることができる。評価対象の組織中で、経上皮直流電位、インピーダンス、またはその他の上皮中の輸送における変化に感受性である電気生理学的特性のベースライン時レベルを測定する。輸送を増強する、または輸送の変化を検出することを可能にする物質を導入してもよい。次に組織の経上皮直流電位および/またはインピーダンス(または反映する可能性がある、または輸送における変化を検出することを可能にする他の電気生理学的特性)を測定する。導入された物質および測定された電気生理学的パラメーターに基づいて、組織の状態を決定する。
上皮組織の選択された領域の状態を決定するための方法およびシステムを提供する。少なくとも2個の通電電極(current-passing electrode)を選択領域の組織の第1表面に近接または接触させて配置する。あるいはまた、通電電極がその組織または上皮を横断して電流を通電させてもよい。例えば、電流は経直腸的に近付いて尿道と前立腺の表面との間;腹壁と腸粘膜表面との間;中心導管カテーテルまたは導管顕微鏡により近付いて乳房の皮膚表面と中心乳腺導管との間に通電させてよい。同様に複数の測定電極を組織の選択領域の第1表面に接触または近接させて配置する。通電電極間で信号が確立される。1個以上の測定電極が、確立された信号に関連するインピーダンスを測定する。あるいはまた、3電極システムを測定のために使用してもよいが、このとき1個の電極は電流注入および電圧記録の両方のために使用する。物質をその領域の組織内へ導入する。組織の状態は、測定された直流経上皮電位インピーダンスまたは他の電気生理学的特性にその物質が及ぼす作用に基づいて決定する。本明細書に記載した方法および装置における電極は、試験対象の組織と接触させて、近接させて配置して、その上方に配置して、またはその中へ挿入して使用できる。この方法が1つの実施形態において記載される場合はこれらの配置の1つを含むと理解されなければならず、その配置は他の配置と交換可能に使用できることが予期されている。例えば、この方法が1個の電極を組織と接触させていると記載されている場合、その方法はさらにまた電極を組織内へ挿入して、または組織と近接させて配置して使用することもできる。同様に、この方法が1個の電極を組織と近接させて配置していると記載されている場合、その電極は組織と接触させることも、または組織内へ挿入できることも予期されている。
異常な前癌性または癌性上皮組織内における輸送の変化をより正確に検出するために、薬理学的物質を導入し、その組織を操作することができる。薬理学的物質には、特定のイオン輸送および電気的活性のアゴニスト、特定のイオン輸送および電気的活性のアンタゴニスト、イオン置換、および/または、電気的活性のホルモンもしくは成長因子による刺激もしくは阻害を含むことができる。
検査対象の組織の場所に依存して、薬理学的物質またはホルモン性物質を投与するためには多数の方法を使用できる。1つの代表的方法には、調査対象の組織へその物質を直接的接触または注射のいずれかにより直接的に導入するステップが含まれる。また別の代表的方法には皮膚表面へその物質を塗布するステップであって、その物質が経皮的に、または皮膚を通して作用するステップが含まれる。さらにまた別の代表的方法には、エレクトロポレーションであって、上皮または表面が、当該器官または上皮に接触または貫通している電極を経由した交流の通電によって透過性にされるものが含まれる。その物質は、次に器官内およびその構成細胞内へ受動拡散する。追加の代表的方法には、吸入、経口投与、洗浄、胃管栄養、浣腸、静脈もしくは動脈内への注射、舌下もしくは経頬粘膜投与、または腹腔内投与による方法が含まれる。当業者は、他の方法が可能であること、そして選択される方法は検査対象の組織によって決定されることを認識できるであろう。
そこで、本発明によるシステムおよび方法は、前癌状態または癌を診断するために経上皮電位およびインピーダンスの測定値を使用する。さらに、本発明によるシステムおよび方法は、前癌状態および癌における機能的および構造的変化を特徴付けるために規定セットの周波数を組み合わせて使用する。間隔をあけて配置された電極を使用することにより、本発明は前癌状態および癌を診断するために検査下の上皮についての局所解剖学的および幾何学的(深さ)情報を提供することができる。1つの実施形態では、本発明のシステムおよび方法は前癌状態および癌を診断する目的で上皮についての機能的情報を提供するために特別に調製したECMを備える電極を使用する。
本発明の追加の目的および長所の一部を以下で記載するが、一部はその説明から明白になる、または本発明の実践によって確認できるであろう。本発明の目的および長所は、添付の特許請求の範囲で特別に指摘した要素および組み合わせによって実現かつ達成されるであろう。
上記の一般的説明および下記の詳細な説明は代表的なものであり、単に説明するためで決して本発明を限定するものではないと理解すべきである。
本明細書に組み込まれていてその一部を構成する添付図面は本発明の1つの実施形態を示しており、そして本明細書の説明と一緒に本発明の原理を説明するために役立つ。
以下、添付の図面に例示した実施例である本発明の実施形態を詳細に参照して説明する。可能な限り、同一または同様の部品について言及するためには全図面を通して同一参照数字を使用する。
直流経上皮測定値をインピーダンス測定値と関連付けるために、低インピーダンス表面電極と呼ばれる電圧感知電極を使用して直流電位、またはIVを介して血流量、または針電極もしくは上を覆っている表皮もしくは他の上皮、または他の身体基準点を透過する電極を介して間質性体液のベースライン時測定値を入手するのが必要になることがある。電極は、ECM中に相違するイオン濃度、薬理学的物質、またはホルモンを含有していてよい。この説明で使用する場合、ECMとは測定されている表面と電極との間での電気信号の透過を許容する媒質である。物質には、いずれかのイオン濃度、薬理学的物質、ホルモン、またはその組織の状態についてより詳細な情報を提供するための、選択されるECMに添加される、さもなければ検査下の組織へ導入されるその他の化合物が含まれる。また別の実施形態では、これらの物質の濃度はシステム内を通る流量を使用して変化させることができる。
インピーダンス変化の深さを測定するために、相違する間隔をあけて配置された電極間で電圧降下を作り出す。間隔は、探査される深さの知識によって決定する。同様に、2種の相違する周波数範囲を使用して相違する深さでの機能的および構造的変化を測定する。
異常な前癌性もしくは癌性上皮組織中の相違する深さでの機能的輸送の変化をより正確に検出する目的で、薬理学的物質等の物質を導入し、その組織を操作することができ、その間に相違する周波数で組織を電気的に探査し、相違する間隔をあけて配置された電極間の電圧降下を監視する。薬理学的物質には、特定のイオン輸送および電気的活性のアゴニスト、特定のイオン輸送および電気的活性のアンタゴニスト、イオン置換、および/または、電気的活性を変調する、阻害する、もしくは刺激するホルモンもしくは成長因子による刺激を含むことができる。
検査対象の組織の場所に依存して、薬理学的物質またはホルモン性物質を投与するために多数の方法を使用してよい。1つの代表的方法には、調査対象の組織へその物質を直接的接触または注射のいずれかにより直接的に導入するステップが含まれる。また別の代表的方法には皮膚表面へその物質を適用するステップであって、その物質が経皮的に、もしくは皮膚を通して作用するステップが含まれる。また別の代表的方法にはエレクトロポレーション法であって、上皮もしくは表面が、当該器官もしくは上皮に接触した、または貫通している電極を経由した交流の通電によって透過性にさせられるものが含まれる。その物質は、次に器官内およびその構成細胞内へ受動拡散する。追加の代表的方法には、吸入、経口投与、洗浄、胃管栄養、浣腸、静脈もしくは動脈内への注射、舌下もしくは経頬粘膜投与、または腹腔内投与による方法が含まれる。当業者は、他の方法が可能であること、そして選択される方法は検査対象の組織によって決定されることを認識できるであろう。
導入された物質および検査対象の組織に基づいて、インピーダンス等の電気生理学的特性の測定を実施する。測定できるその他の特性には、経上皮電位、悪性腫瘍状態と関連する経上皮電位もしくはインピーダンスにおける特発性振幅の変化、およびギャップ接合部機能の変化または消失を示す電極間の伝播信号における時間遅延が含まれる。次にこれらの測定の結果を使用して、検査された組織の状態を決定する。例えば、これまでの研究は特定のイオン輸送プロセスが癌の発生中に変化することを指摘している。例えば、起電性Na+輸送の消失、Na/H交換のアップレギュレーション、K+伝導性のダウンレギュレーション、基礎Cl-吸収の低下、およびc−AMP(環状アデノシン−3’,5’−環状一リン酸)刺激Cl-分泌のダウンレギュレーションが観察されている。
そこで、特定の上皮組織に適切な物質を投与して関連する電気生理学的特性を測定することによって、このような組織の発生が早期段階にある間に異常な前癌性もしくは癌性組織を検出することが可能である。本発明の方法およびシステムは前立腺癌、結腸癌、乳癌、食道癌および鼻咽頭癌ならびに肺癌、胃癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、皮膚癌、および膀胱癌等の他の上皮悪性腫瘍等を含むがそれらに限定されないあらゆる上皮由来癌に適用できる。
詳細には、粘膜もしくは上皮組織に影響を及ぼす癌においては、輸送の変化は、それらが多数の細胞に影響を及ぼす(すなわち、フィールド欠損)早期突然変異の結果であることを示唆するほど十分に大きい可能性がある。この場合には、それらはどの患者をより頻回に監視すべきかを決定するための潜在的バイオマーカーとして利用できる、またはその逆に生検を必要とする粘膜の特定領域を同定するために使用できる。後者は特に、例えばポリープよりも物理的に検出するのがより困難である扁平性腺種もしくは異形成の症例において有用である。
本発明とともに使用すべき装置には多数の変形が考えられる。さらに、装置設計の範囲内では、変化させることのできる多数の態様がある。これらの変形等について以下で記載する。
1つのプローブ等の装置は、複数の超小型電極をくぼみ内に含んでいる。フィルタリング等のディスポーザブル型の市販で入手できるシリコンチップ処理は、表面記録および初期電子工学処理を実行することができる。各ECM液もしくは物質は、チップ上の個別電極およびリザーバーにとって特有のものであってよい。そこで、1回の測定のためには、特定セットの電極が使用される。例えば相違するイオン濃度でのまた別の測定のためには、相違する電極セットを使用する。1回の測定のための電極が別の測定のためと同一地点に配置されないのでこれはある程度の変化を生じさせるが、このシステムは概して信頼できる結果を提供する。
また別のアプローチは、より小数の電極を使用し、溶液および物質を交換させるためのフロースルー型または微流体型システムを使用する方法である。詳細には、少量の電流を通電させることによって溶液もしくは物質をチャンネルに通して移動させ、プローブの表面内の孔から流出させることで、溶液もしくは物質は交換される。この実施形態では、電極は上皮の同一領域に接触させられたままとなるので、そこで測定における領域間変動が排除される。このアプローチには、相違する溶液が平衡化するための時間が必要になる。
異常な前癌性もしくは癌性乳腺組織の存在を検出するには、皮膚での表面測定値を入手するためのハンドヘルド型プローブが提供される。このプローブは通電ならびに測定のための電極を含むことができる。インピーダンス測定はニップルカップ型電極とハンドヘルド型プローブとの間で、またはハンドヘルド型プローブ上の電極間で行うことができる。初期直流測定値を入手した後に、皮膚インピーダンスを低下させるために湿潤剤/透過剤を導入してもよい。この物質は上記のように、流体を電極表面へ移動させるために微流体型アプローチを使用して導入することができる。あるいはまた、まさに角質層に透過する表面電極を使用してインピーダンスを低下させてもよい。
装置の構成とは無関係に、図1は本発明による癌の診断に使用される直流および交流インピーダンス測定システム100の略図である。システム100は多数の電極を含むプローブ装置105と連動するが、このときプローブ装置105の実際の遂行は検査下の器官および状態に依存する。プローブ装置105には、グローブ型、ニードル型、体腔用、内視鏡用もしくは表面用プローブへ取り付けた電極を組み込むことができる。基準プローブ110は、試験の状態および検査下の器官に依存して、静脈内プローブ、皮膚表面用プローブ、または上皮表面用基準プローブの形状を取ることができる。
浮遊容量を回避するために、電極は遮蔽線を介してデジタル信号処理装置(DSP)130からの指令にしたがって特定プローブ105を選択できる選択スイッチ120へ接続することができる。選択スイッチ120は、直流測定中には低域フィルターが使用される、および/または交流インピーダンス測定中には中域フィルターもしくは高域フィルターが使用されるように、プローブ105と連動している適切なフィルターも選択する。選択スイッチ120は、複数の増幅器から構成されてよい、または複数の電極が使用される場合は同一増幅器を通しての相違する電極からの信号を切替える増幅器アレイ140へ電流を通電させる。1つの好ましい実施形態では、ノイズ内に埋もれた微細な信号を検出するためにデジタルもしくはアナログのロックイン増幅器が使用される。これは、基準周波数上の振幅変調としての当該信号の測定を可能にする。スイッチング要素は、測定の状況に依存して、当該信号を平均化する、サンプリングする、または選択することができる。信号のこの処理は、CPUからの指令にしたがってDSPにより制御される。信号は次にマルチプレクサー150へ通電し、そしてアナログ/デジタル変換器(ADC)によってアナログ信号からデジタル信号へ変換する前に直列化される。プログラム可能なゲイン増幅器160は、入力信号をADC170の範囲へ適合させる。ADC170の出力はDSP130へ送信される。DSP130は情報を処理して直流電位および上皮もしくは皮膚表面上ならびに疑わしい領域における電位パターンを計算する。相違する深さでのインピーダンスならびに相違するECMへの直流電位およびインピーダンスの応答に追加して、癌の確率を推定するために、イオン、薬物、ホルモン、またはその他の物質の濃度を使用する。それらの結果は、次に検査結果185を得るためにCPU180へ送信される。
あるいはまた、CPU180では信号の解釈を部分的または完全に行うことができる。複合波形信号をプローブ電極および検査下の組織へ送信するためは、任意の波形発生装置190または正弦波周波数発生装置が使用される。測定された信号応答(複合波形刺激の場合)はDSP130またはCPU180内のFFT(高速フーリエ変換)を使用して解析することができ、それからインピーダンスプロフィールが相違する検査条件下で測定される。インピーダンス測定のためのシステムの内部検定には内部検定基準195が使用される。直流検定は、利用されているプローブを外部基準電解質液に対して検定することにより外部で実施できる。
図2は、例えば前立腺癌の診断において、または結腸直腸新生組織に対するスクリーニング検査として使用できるグローブを示した図である。複数センサー電極アレイを通電電極と一緒に検査用グローブに取り付けることができる。個別電極は凹所に配置することができ、そして相違する組成を有するECMを使用すると検査下の上皮を薬理学的、電気生理学的、またはホルモン的に検査することができる。電極間の間隔は、前立腺構成のためには、より深部の組織を電気的に検査し、より深部の組織のインピーダンスを評価できるように、他の器官系に対してより大きくてよい。これらの電極は電線を介して、または無線テクノロジーによって図1の上記の装置と連動させられる。
図3は、内視鏡視下で上皮と接触させて配置できる、本発明による内視鏡用プローブの略図である。このプローブは、上皮と接触させて受動的に配置しても、または当該領域の上方に空気圧式吸引によって適所に保持してもよい。溶液を交換するため、または流体の交換および吸引のために適所にポートがある。電極間の混信を防止する、そして接触面から上皮内への電流を通電するために保護環を組み込むことができる。この構成では、各々が半径方向に90度離された4個の通電電極が配置されている。これにより、電流を通電し、垂直フィールド内で電圧応答を測定することができる。これによりインピーダンス上の表面非対称の(異所性凹窩病巣に伴って発生するような)作用を測定することができる。電極は、その表面で測定される電流密度に影響を及ぼさないようにわずかにへこんだ場所に配置することができる。
図4Aには、乳房の表面に適用することのできる、本発明によるハンドヘルド型プローブ400が含まれている。プローブはハンドル410を含んでいてよい。プローブ400は、直接的に、または例えば無線テクノロジーを使用して間接的にのどちらかで、測定装置420へ取り付けることができる。プローブ400は、静脈内電極、皮膚表面電極または他のアースへ関連付けることができる。図4Aに例示した1つの実施形態では、基準はニップル電極または拡大図440でより詳細に例示した導管用プローブ430である。この構成の1つの長所は、直流電位およびインピーダンスをニップル電極430およびプローブ400間で測定できることにある。したがってこの測定は、直流電位と乳腺導管上皮、非導管乳腺実質、および皮膚のインピーダンスとの組み合わせである。
拡大図440を参照すると、ニップル電極の表面上に開口している数個の導管開口部の1つの中へ導管用プローブが挿入されている。導管用プローブ443は、大きな収集用導管445から排出する導管洞444内に示されている。
ニップル電極を使用した場合のもう1つの長所は、薬理学的物質および/またはホルモン性物質の導入を許容する導管システムを洗浄するための溶液がプローブを通して交換できることである。拡大したニップル型プローブ443、443’に示したように、サイドポートを通して流体を交換できる。流体は、ニップル型プローブの近接した端(ニップルから遠隔の)で導管内に注入したり吸引したりすることができる。相違する電解質液を導管内に注入して特定イオンに対する導管上皮の変化した透過性を測定することができる、または異常領域を同定するために相違する薬物を用いて上皮を検査することができる。上皮内の前癌性もしくは癌性変化に関連した異常な電気的応答を測定するために、エストラジオール、またはその他のホルモン性物質を乳腺導管内に注入してもよい。
ニップルへ吸引を適用する変形Sartoriusカップ等の相違する構成も使用できることもまた理解すべきである。この構成を用いて、ニップルの上方に配置されたカップに穏やかな吸引を適用する。大きな導管内および導管洞内の少量の流体をSartoriusカップ内の電解質液と接触させ、乳腺導管を満たしている流体との電気接触を確立してもよい。次にカップと表面乳腺プローブとの直流または交流測定を行うことができる。
図4Bは、図4Aのプローブ400を極めて詳細に示している。表面450の皮膚接点を乳房と接触させて配置する。表面電極451が直流または交流電圧を測定する。インピーダンス測定には通電電極452が使用される。プローブ400は1つ以上のECMを含有する1つ以上の陥凹部をさらに含んでいてもよい。
この技術のまた別の実施形態は、相違する深さの乳腺を検査するために間隔をあけて配置された電極の使用、および皮膚表面で測定された良性乳腺組織および悪性腫瘍乳腺組織からのインピーダンスおよび経上皮電位を示差的に変化させるためのホルモン、薬物、およびその他の物質の使用を含むことができる。これは診断精度のさらなる向上を可能にする。
[結腸癌]
結腸癌では、異常な組織の発生中に次の電気生理学的変化が観察されている。起電性Na+輸送の消失、Na/H交換のアップレギュレーション、K+伝導性のダウンレギュレーション、基礎Cl-吸収の低下、およびc−AMP(環状アデノシン−3’,5’−環状一リン酸)刺激Cl-分泌のダウンレギュレーション。これらのイオン輸送の変化を検出するために、多数の薬理学的およびホルモン性操作を実施できる。
相違する濃度の電解質イオン導電性媒質(ECM)を使用することによって、特定のイオンの伝導性を推定し、そして相違する薬理学的プローブへの反応を決定することができる。正常な腸の電気生理学的特性に影響を及ぼすが、前癌性または癌性組織にはほとんど作用を及ぼさない、または相違する作用を及ぼす相違する薬理学的物質が投与される。例えば、注射または経口により投与されたグルココルチコイドまたはミネラルコルチコイドは、正常結腸の経上皮電位(TEP)を増加させるが、前癌性または癌性組織には小さな作用しか及ぼさない。これらのステロイドは、起電性ナトリウム吸収をアップレギュレートし、それにより正常結腸内のナトリウム特異的インピーダンスを低下させる。
測定されたTEPは正常結腸粘膜中では局所投与されたアミロライド(ナトリウムチャネンルブロッカー)に反応して減少する。この反応は、前癌性粘膜中ではおよそ50%、または癌性粘膜中では75%以上減少する。さらに、ナトリウムイオン伝導性の消失は表面上皮のインピーダンスの上昇を生じさせる。このイオン輸送の変化は、TEPにおける変化ならびに基本インピーダンスを決定することによって測定できる。異常な前癌性または癌性組織では、TEPは低く、アミロライドに対するTEPの反応は小さく、そして異常な前癌性または癌性組織中では(正常結腸内ではアミロライドに反応して観察される)インピーダンスの増加が小さい。塩化物イオンまたはカリウムイオン輸送の作用を変化させる類似の薬理学的物質を導入することができるが、これらは正常結腸組織中とは相違する方法で異常な前癌性または癌性組織に影響を及ぼす。
ここで重要にも、腫瘍の縁の周囲または前癌性上皮のすぐ近接では、インピーダンスがより高い、または伝導性が一般に低いことに留意されたい。腫瘍から5〜10cm以上離れていると、TEPは低くなり、イオン特異的インピーダンスは高くなる可能性がある。腫瘍自体では、インピーダンスは低い(伝導性は高い)。癌性または前癌性組織をより正確に同定するためには、疑わしい腫瘍の上方だけではなく、疑わしい腫瘍の近接およびある程度の遠隔部位でも測定を行うことができる。さらにまた通常の前癌性組織と癌性組織との間には薬理学的相違が存在する。これらの相違する領域間の直接比較を使用すると、癌または前癌状態をより正確に診断できる。
1つの実施形態では、検査用グローブまたはプローブヘ取り付けられた一連の2個以上の電極を使用して電気生理学的測定が実施される。電極の間隔および使用される信号に影響を及ぼす一部の要素には、所望の浸透の深さおよび浸透剤を使用しての表面上皮の透過化が含まれる。相違する周波数信号および変動する電極配置を許容するプローブは最も汎用性の配列を提供するが、単一周波数信号および/または静的電極配置もまた使用できる。
ナトリウムイオン:結腸上皮の表面細胞中のナトリウムイオン伝導性および吸収特性は、一部の前癌性および癌性細胞中では顕著に減衰する。低周波数正弦波および近接して配置された電極を使用して結腸上皮のインピーダンスを測定することにより、表面細胞の電気生理学的活性を決定できる。通電電極間に配置された受動電極がインピーダンスを測定するが、他方相違するナトリウムイオン濃度のECMを使用すると上皮の特定のイオン透過性の変化を解明することができる。高周波数正弦波および間隔を広くあけて配置された電極および相違するナトリウムイオン濃度のECMを使用することにより、より深部の上皮の総合的およびイオン特異的伝導性を推定できる。表面から深部へのナトリウムイオン伝導性の変化として表される比率を決定できる。ナトリウムイオン伝導性の表面/深部比率は、組織がリスク状態から前癌性〜癌性組織へ発生するにつれて進行性で減少する。ナトリウムイオンに対して伝導性である表面細胞は、高い伝導性を有していない深部の上皮からの細胞と置換される。このため、表面Na+伝導性/深部Na+伝導性の比率は>2.0から<1.0となる。比率および絶対数のどちらも変化する。この比率を測定すると、検査下の特定の個々の上皮領域に対する測定値を有効に正規化できる。
多数のECMおよび薬理学的物質を利用すると、結腸組織のナトリウムイオン輸送特性を特徴付けることができる。1つの代表的な方法では、電極と腸壁との間を結び付けるゲル状または溶液状のどちらかのECM中に10mMのKClを含有する電解質液を使用して初回測定を行う。静脈内参照電極またはその下にある細胞外液および血流と比較して最小オフセット電圧を有する低インピーダンス皮膚電極と比較して測定を実施する。次に、起電性ナトリウムイオン輸送を遮断するためにアミロライドまたはベンザミル等の類似物質(10μM〜1mM)の不在下および存在下の両方で、ナトリウムイオンレベルを上昇させながらTEPを測定する。2回の測定間の差は、腸上皮を超える起電性ナトリウムイオン輸送に起因するTEPである。ナトリウムイオン輸送の起電性成分は、リスク状態または前癌状態にある結腸上皮中では40〜50%低下する。
測定中のナトリウムイオンおよび/または薬理学的物質の含量を変化させるための1つの方法には、測定中にその溶液は実際的には交換されないが、測定は相違する電極およびECMを備える条件下で実施されるように、相違する濃度の電解質および/または物質を含有する、各電極と関連付けられた1つ以上のウェルもしくはリザーバーを使用する方法が含まれる。また別の方法には、それにより小数の電極を使用しながら自動的に溶液を交換できるフロースルー型溶液交換システムが含まれる。
カリウムイオン:上記でナトリウムイオンについて記載したものに類似する測定をカリウムイオンについて実施する。詳細には、リスク状態または前癌状態にある結腸上皮にはカリウムイオン伝導性の早期の減少が関連している。癌が発生するにつれて、カリウムイオン伝導性はアップレギュレートされるようになれ、カリウムイオン分泌が増強されることがある。カリウムイオン伝導性の減少、およびそれに続く増加は、異常な組織の同定だけではなく正常、リスク状態、前癌状態、または癌状態のいずれであるかの組織の状態の決定を可能にする。
インピーダンスの測定は、相違する周波数の信号を使用して、そして相違する間隔をあけて配置された電極を使用して、カリウムイオン濃度を変化させながら実施できるので、表在性および深在性上皮を含むインピーダンスプロフィールを提供する。例えば、カリウムイオンに関してインピーダンスプロフィールを決定する1つの方法は、以下のとおりである。K+の濃度を増加させながらTEP測定を実施するが、すべての測定はTEPへの起電性Na+輸送の寄与を排除するためにアミロライドまたは起電性Na+ポンプのブロッカーを含有する他のECMを使用して実施する。上記のウェル法を使用すると、各ウェル内のECMはアミロライド、ベタナコール、フォルスコリン、および3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)の組み合わせを含有する。4つのウェルは各々、NaイオンおよびClイオンの濃度を維持しながら相違するK+濃度(10〜80mM)を含有する。これらの物質(ベタナコール、フォルスコリンおよびIBMX)は、結腸の表面細胞内のCl-伝導チャンネルを最大に開口させることにより細胞膜を脱分極させる。この細胞膜脱分極は、結果として細胞膜内の電圧感受性K+チャンネルの開口を生じさせる。詳細には、ベタナコール(またはカルバコール)はCa2+感受性K+チャンネルを開口させる細胞内Ca2+濃度を上昇させ、ならびにCl-チャンネルを開口させる塩化物イオン分泌を増加させる。その他のムスカリン性アゴニストも類似の結果を生じさせる。フォルスコリンはアデニルシクラーゼを増加させ、それにより細胞内c−AMPを増加させてK+チャンネルを開口させる。ホスホジエステラーゼ阻害剤であるIBMXを使用するとc−AMPを増加させることができる。テオフィリン等の他の物質を使用すると、同様にc−AMPを増加させることができる。ジブチルc−AMP等の物質を使用すると、c−AMPを直接的に増加させることができる。これらの物質はカリウムイオンの伝導性および分泌を最高に増加させるので、これによりリスク状態または前癌状態の組織と関連するカリウムイオンの分泌および伝導性の低下を同定できる。
また別の方法は、10、20、40、および80mMのKCl等の、結腸粘膜と接触させるKClの一連の様々な濃度を用いて測定を実施する。TEPおよびインピーダンスは、20mMのTEA(テトラエチルアンモニウム)および5mMのバリウム等のK+チャンネルブロッカーの存在下および不在下の両方において、ECM中に10μM〜1mMのアミロライドを含有する電極を使用して測定される。TEPは、リスク状態および前癌性組織中では正常値より低い。インピーダンスは、癌性組織中では正常値より低い。過渡期の組織または発生中の癌に隣接する組織中では、インピーダンスが正常値より高い可能性がある。
塩化物イオン:上記のナトリウムイオンおよびカリウムイオンについての方法と同様に、塩化物イオン伝導性も異常な前癌性および癌性組織を決定するために使用できる。塩化物イオン伝導性は、主として正常上皮内の陰窩の基部(もしくは深部)で発生する。癌性組織中では、陰窩の表面に近い上皮細胞は、基部で観察されるより低レベルの伝導性ではあるが、塩化物に対してより伝導性となる。インピーダンス測定値から推定される表面と基部との塩化物イオン伝導性の比率を使用すると、結腸組織が正常、リスク状態、前癌性、または癌性のいずれであるかを特徴付けることができる。詳細には、リスク状態および前癌性の上皮は表面/基部比の増加を伴う塩化物イオン伝導性の全般的減少を示す。組織が癌性へ進行するにつれて、Cl-分泌の増加を伴って総合的塩化物イオン伝導性が上昇する。しかし、悪性腫瘍中では正常な上皮形態が消失するので、表面/基部比は差別的ではなくなることがある。
カリウムイオンを用いた場合と同様に、塩化物イオン依存性TEPはCl-の濃度を増加させながら測定する。測定は、起電性Na+輸送の寄与を無効にするためのアミロライド等のナトリウムイオンポンプブロッカー物質と、および結腸の表面細胞内のCl-伝導性チャンネルを最高に開口させるためのベタナコール、フォルスコリン、およびIBMX等の物質とを含有するECMの存在下で実施する。これらのウェルは、NaイオンおよびKイオンの濃度を維持し、そして浸透圧を一定に保持しながら15〜120mMの相違するCl-濃度を有する。リスク状態および前癌性組織中では、Cl-は減少する。さらに、TEPは正常値より低い。癌性組織中では、基礎Cl-分泌およびCl-伝導性が上昇する。
薬物による惹起:上記のイオン性操作に加えて、結腸は上皮のイオン輸送特性を変化させることにより多種多様なホルモン、成長因子、および食生活に反応する。例えば、アルドステロン(ミネラルコルチコイド)およびデキサメタゾン(グルココルチコイド)はどちらも結腸内で起電性ナトリウムイオン吸収およびカリウムイオン分泌を増加させる。正常結腸内では、表面細胞中でナトリウムイオン伝導性が上昇して上皮が過分極する、または腔内ではより陰性になる。カリウムイオン伝導性はより深部の細胞中では増加する。しかしリスク状態、前癌性、または癌性組織では、この反応は有意に相違する。過分極およびナトリウムイオン伝導性の増加は明らかに低下する。陰窩の基底細胞中のカリウムイオン伝導性の増加は、正常結腸中で発生するよりはるかに小さい。そこで、上皮のイオン輸送特性に影響を及ぼす物質および処置を使用すると、インピーダンス測定値および/または他の電気的特性の測定値における正常結腸組織と異常結腸組織との差を増強することができる。正常腸内では高カリウム、低ナトリウム食は類似の作用を産生する。正常上皮内で類似の作用を産生するためには、他の物質を腸の表面へ直接的に投与してもよい。例えばカルベノキソロンは、直腸投与すると正常な腸内でTEPを増加させるが、前癌性または癌性組織にはほとんど作用を及ぼさない。カルベノキソロンは、11β−HSD(11−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ)を不活化するのでTEPの上昇を引き起こす。コルチゾールは、腸にミネラルコルチコイド作用を有するので起電性ナトリウムイオン吸収を増加させるために正常腸上皮中のTEPを増加させるが、異常な、もしくは癌性腸上皮中ではTEPを増加させない。
図5Aは、エクスビボでのヒト結腸上皮の短絡電流を示している。この図は、x軸に沿った時間経過に伴う組織全域のカリウムイオンの濃度勾配の変動を示している。ヒト結腸粘膜の頂端膜のカリウムイオン透過性(PK a)を対照群および結腸直腸腺癌に近接した10〜30cmで入手した肉眼的には正常に見える粘膜の手術標本中で測定した。粘膜をUssingチャンバーに装填し、漿膜浴液中のK+を増加させることにより側底膜の抵抗および電圧を無効にした。頂端膜のナトリウムイオン(Na+)伝導性は0.1mMのアミロライドを用いて遮断した。このプロトコールは、微小電極試験によって検証されたように、等価の上皮の回路モデルを傍細胞経路と平行する頂端膜の伝導性および起電力へ減少させる。漿膜中K+の増加は、正常結腸中では30mMの粘膜中TEAが頂端膜K+チャンネルの遮断に対応してIscの急性上昇を惹起した後にIscが陰性(−140μA/cm2)になることを引き起こした。癌を有する結腸中では、Iscは−65μA/cm2へ減少した。漿膜浴は、125mM[K]で一定のままであった。
図5Bは、125mMの粘膜中KでIscに関して決定されたΔIscが濃度勾配Δ[K]の一次関数であることを示している。頂端膜全域の電圧はこれらの条件下ではゼロであり、傍細胞経路は非選択的であるので、PK a(頂端膜カリウムイオン透過性)は、Fick方程式、すなわちIsc=F×PK aΔ[K](式中、Fはファラデー定数であり、Δ[K]は上皮全域のK+についての濃度差である)を使用して計算することができる。図5bは、正常および前癌性の両方のヒト遠位結腸中Iscについての平均値±標準偏差を示している。対照群の頂端膜K+透過性は9.34×10-6cm/秒であるが、前癌性ヒト粘膜中では4.45×10-6cm/秒へ有意に50%低下した。PK aから、TEAを用いてK+チャンネルを遮断すると完全な遮断が得られると想定して、Iscにおける変化についてもさらに計算できよう。これはPK aにおける40%の低下に一致する6.4×10-6cm/秒および3.8×10-6cm/秒のいくらか低い数値を生じさせた。
これらの観察は、癌の発生中にはヒト結腸のK+の透過性および伝導性におけるフィールド変化が見られることを証明している。インピーダンス測定、腸の電気的特性への起電性Na+輸送の寄与を遮断するためのアミロライド等の特定薬物とともに相違するカリウムイオンの濃度勾配を備える電極を使用した直流測定は、結腸癌を診断するために有用である。
図6は、結腸癌の発生中に現れる電気生理学的および組織学的変化に関連する一部の複雑さを示している顕微鏡写真である。この癌は、(陥凹病変であるために)結腸鏡検査では見過ごされ易い直径10mmの侵襲性の潰瘍化病変である。この癌は、周囲上皮よりはるかに高い伝導性を伴って0mVへ脱分極している。周囲または隣接上皮もまた約−20mVで脱分極しているが、癌もしくは正常上皮より高いインピーダンスを有する。より暗い層である上皮(e)が上面の上にあることに注意されたい。これは単細胞層の厚さであるが、基部および分化細胞での増殖および分泌機能ならびに開口部での吸収機能を伴う反転した試験管のような陰窩を形成する。下層(m)は腸の筋層である。この小さな腫瘍は、既に筋層に侵襲している。遠隔の上皮もまた脱分極しているが、―40mVと程度はかなり小さい。形態学的には正常に見えるこの上皮中では、カリウムイオン伝導性が減少している。塩化物イオン分泌もまた、塩化物イオンを能動的に分泌する腫瘍と比較すると少ない。ナトリウムイオン伝導性GNaは減少し、NA/H交換体はアップレギュレートされている。結腸粘膜は、発生中の癌の領域(隣接ゾーン)では陰窩が細長くなるのに伴って肥厚化する傾向がある。インピーダンスのほとんどは上皮層に存在するので、このため750μm以下のより高いインピーダンスは癌に関連する上皮肥厚化を表示している。電気生理学的パターンを認識できれば、癌を診断することが、つまり電気生理学的仮想生検が可能になる。
図7は、潰瘍化した直腸癌を有する45歳男性由来のS字結腸および直腸の新鮮切除標本上の漿膜表面と比較した表面粘膜(上皮)電位の測定値を示している。標本は切除直後に長手方向に開き、相違するECMを使用して表面電位測定を実施した。通常、切除後初期5〜10分間中には5〜10mVの電位低下(「消耗(run-down)」)が生じるが、各領域の相対電位差は類似のままである。
図の下端で肛門管から2〜3cmおよび肛門縁から5cmにある「星形」は、腫瘍の表面の上方で測定された+10mVの電位を有する(左側の列「Normosolリンゲル液」)。Normosolリンゲル液は、約5mMのK+を含有する生理食塩液である。直腸の正常粘膜表面電位は、−50から−70mVであった。測定は腫瘍からある程度離れた位置で行ったので、腸は−40から−45mVの示度が観察された腫瘍の縁から20cmまでは脱分極したままであった。この領域は−50mV未満のレベルが観察される正常結腸に比較して脱分極していた。
高K+濃度を備えるECMを使用して正常結腸中で電位測定を行うと、20mV以上の電位の上昇(陽性の上昇)が頻回に観察される。これは、正常結腸はK+に対して選択的に透過性であり、ECM中K+濃度が上昇するとイオン選択的伝導性経路を超えるK+に対して拡散電位を築くためである。癌を有する結腸中では、発生中の腫瘍の領域ならびにそれからある程度離れた領域(「領域癌化」(field-cancerization))においてK+伝導性が減少する。発生中の癌から5cmまでは、ECM中のK+を5mMから30mMへ変化させた場合(図では左の列(「Normosolリンゲル液」)から中央の列「30mMのKCl」まで)に測定される電位に本質的変化は現れない。腫瘍から20cmまでは、電位における変化は腫瘍の縁から20cmで15mV(−45から−30mv)を超えない。ECM中K+濃度をそれ以上増加させると、腫瘍から離れると陽性のわずかな増加を、または腫瘍もしくはその近接では陽性の異常な減少を生じさせるので、これは相違する(K+以外の)イオンの拡散勾配が腫瘍の近傍で築かれることを示唆している。
脱分極をK+の伝導性および透過性の変化と組み合わせて使用すると、癌の存在または癌のリスクの上昇を診断することができる。K+伝導性の変化は、腸内で腫瘍が発生する前に観察される。インピーダンス測定値を同時に組み合わせることにより、診断精度はさらに上昇する。
[乳癌]
上記のように、インピーダンスおよび直流電位は、乳癌を診断するために皮膚表面で別個に使用されてきた。本発明では、上を覆っている皮膚または上皮のインピーダンス特性が測定され、データを診断的に解釈する際の要素として組み込まれる。例えば、表面電位は、その下に腫瘍が存在するためではなく、上を覆っている皮膚の伝導性が上昇しているために基準部位より陽性(または陰性)である場合がある。
電極を疑わしい領域の上方に配置し、受動的直流電位を測定する。次に、以下で考察するように交流インピーダンス測定を行う。上を覆っている皮膚の可変性のインピーダンス特性は、測定された直流表面電位を減衰または増加させることがある。あるいは、相違する周波数でのインピーダンス測定値は、最初は印加された直流電圧の上部にスーパーインポーズされた連続正弦波を含むことがある。位相、直流電圧および交流電圧を測定する。交流での皮膚または他の上皮の抵抗および直流での相違する抵抗を測定する。直流条件下では位相変位が生じないので、表面での経上皮電位を測定することができる。皮膚の静電特性は、下にある乳腺上皮および腫瘍の電位を皮膚表面で測定することを可能にする。
ECMが皮膚表面を「湿潤化」させると、上記で言及したアプローチを使用して皮膚表面電位における疑似指数関数型崩壊が生じる。ECM中のイオンは皮膚を通電して拡散し、詳細には皮膚並列抵抗における変化のために皮膚をより伝導性にする。この崩壊の時間定数は、ゲルの濃度およびイオン強度と反比例している。ECMによって皮膚がより伝導性にされると、下にある腫瘍または周囲上皮の電位への表面の静電結合が消失するので、その結果測定される電位は電極−ECM−皮膚界面でのオフセットおよび拡散電位を反映している。
しかしインピーダンスおよび直流電位の両方と組み合わせた薬理学的物質および/またはホルモン性物質の使用は、異常な前癌性または癌性乳腺組織を検出するためのより有効な方法を提供する。乳癌は、主として末端導管小葉単位(TDLU:terminal ductal lobular units)に影響を及ぼす増殖の障害を背景に発生する。TDLUは、TEPを維持する上皮細胞で内張りされている。増殖がアップレギュレートされた領域では、導管は脱分極している。皮膚表面化の導管の脱分極は上を覆っている皮膚と静電結合しており、これは皮膚の脱分極を生じさせる。増殖がアップレギュレートされた領域で腫瘍が発生すると、上を覆っている乳房の皮膚は乳房の他の領域と比較していっそう脱分極され、癌性乳腺組織のインピーダンスが低下する。TEPおよびインピーダンスにおける電気生理学的反応は、ホルモンおよび月経周期の影響下では変化する。
例えば、17−β−エストラジオールに対する乳腺組織の電気生理学的反応は前癌性または癌性組織中では正常乳腺組織中とは相違することが観察されている。本発明の1つの方法では、エストラジオールを導管内へ直接的にまたは17−β−エストラジオール(4mg)の舌下投与により全身性で導入する。この物質は、およそ20分でピークに達する迅速な反応を生じさせる。この電気生理学的反応は、一部には患者の月経周期の段階、および乳腺組織の状態に左右される。詳細には、正常乳腺組織中では卵胞期(または早期)中にTEPの上昇が発生する。前癌性または癌性組織では、この反応は阻害される。乳癌のリスク状態にある閉経後の女性であれば、上皮細胞表面上のエストロゲン受容体がアップレギュレートされているため、エストラジオールへのTEP反応が強められることがある。
図8は、浴用リンゲル液の相違するイオン含量が経上皮伝導性に及ぼす作用を示している。ヒト乳腺上皮細胞をMilliporeフィルター上で単層として増殖させたところ、7〜10日間でコンフルエントな状態へ増殖した。次に上皮を修正Ussingチャンバー内に装填し、電圧クランプを使用して直流伝導性を測定した。伝導性は、2μAの電流パルスを200ミリ秒間通電させ、直流電圧反応を測定し、経上皮伝導性(y軸)を計算し、そしてそれを時間(x軸)に対してプロットすることにより測定した。伝導性は、まず最初に標準リンゲル液中、次にナトリウム無含有リンゲル液中で測定し、次に標準リンゲル液中に戻り、今度はカリウムを含まないリンゲル液中で、そして最後に標準リンゲル液中に戻って測定した。この試験中には基準浸透圧を維持した。
上方のプロット(黒の四角および実線)は、単層として増殖させた良性ヒト乳腺上皮の伝導性を示している。良性上皮細胞中の伝導性は他より高い。伝導性のNa+およびK+成分は、各々およそ10および5mS.cm-2であった。
下方のプロット(黒の丸および点線)は、単層として増殖させた悪性ヒト乳腺上皮の伝導性を示している。悪性上皮細胞中の伝導性は有意に低い。伝導性のNa+およびK+成分は、各々およそ4および1mS.cm-2であった。
悪性上皮細胞の単層とは対照的に、悪性腫瘍中では細胞間の密着帯が破壊されており、腫瘍は良性または悪性上皮単層のどちらよりも伝導性になる。この観察は、乳癌の診断に利用できる。発生中の腫瘍の周囲の上皮の伝導性が低いことを、悪性腫瘍の部位での高い伝導性の領域と組み合わせて使用すると、乳癌をより正確に診断できる。相違するイオン組成を備えるECMを含む電極を使用すれば、特定のイオン伝導性を使用して癌診断を行うことが可能になる。例えば、低K-伝導性の周囲領域を伴う高伝導性領域は、乳癌を表示する。正常伝導性の周囲領域を伴う高伝導性領域は、線維嚢胞性疾患(良性経過)をより強度に表示する可能性がある。
図9は、ヒト乳腺上皮細胞中の細胞膜電位(Ψ)の測定値を示している。測定は、電位差測定用蛍光プローブ、ならびにバリノマイシンおよびK+濃度勾配を使用して較正したレシオメトリック測定値を使用して実施した。Ψ値は、エストラジオール(エストロゲンの活性代謝産物)の存在下(黒い丸)または不在下(白い丸)で測定した。各記号は平均測定値である。上方のエラーバーは平均値の標準誤差であり、下方のエラーバーは観察値の95%信頼水準である。培養乳腺上皮細胞へエストロゲンを添加すると、Ψ値(データは示していない)ならびに経上皮電位(図10を参照)の即時の上昇が生じた。上皮の経上皮電位(VT)は頂端膜(管腔)細胞膜電位(VA)と側底膜(管腔下)細胞膜電位(VBL)との合計である。このため、VT=VA+VBLである(したがってVAおよびVBLにおける変化はVTまたは経上皮電位を変化させる)。
図9は、良性乳腺上皮細胞がエストラジオールの不在下ではおよそ−50mV、培地にエストラジオールが添加された場合は−70mVのΨを有することを示している。悪性細胞および形質転換細胞は、エストラジオールの不在下では−31から−35mV、そして培地中にエストラジオールが存在する場合はおよそ50mVのΨ値を有する。
電気的特性における差を利用すると、インビボで乳癌を診断することができる。表面電位測定値は、経上皮電位、腫瘍電位および上を覆っている皮膚電位の組み合わせである。生理的用量のエストラジオールを患者に投与するとΨ値を増加させることができ、エストラジオールの持続性作用は表面電位として測定される経上皮電位および腫瘍電位の上昇を生じさせる。持続性曝露に続く上昇は、(即時の反応とは対照的に)良性乳腺組織中より悪性乳腺組織中の方が小さい。
図10に例示した即時の反応は悪性腫瘍上皮中では大きいが、エストラジオールへの慢性もしくは持続性曝露は悪性細胞中におけるTEP(経上皮電位)の小さな上昇を生じさせることに注目されたい。表面電位およびインピーダンスを同時に測定すると、より正確な癌の診断が可能になる。図10は、良性および悪性ヒト乳腺上皮細胞の経上皮電位(TEP)にエストラジオールの増量が及ぼす即時作用を示している。細胞をMilliporeフィルター上で単層として増殖させると、7から10日間でコンフルエントな状態へ増殖した。次に上皮を修正Ussingチャンバー内に装填し、電圧クランプを使用してTEPを測定した。エストラジオールを0から0.8μMの間で増量させながら添加した(x軸)。各添加後に経上皮電位を測定し、TEPを測定した(y軸)。
良性上皮および悪性上皮では用量反応が相違するのが明白である。悪性上皮はより低いTEPを示すが、たった0.1μmのエストラジオールへの曝露後におよそ9mVのTEPの即時上昇を示し(より起電性になり、<6mVのレベルに到達する)、次に約0.5μMまでエストラジオールの用量を増加させるとおよそ−2mVへ脱分極する。良性上皮はエストラジオールの増量に対してもっと小さな反応しか示さず、ほぼ0.3μMになるまではピークに到達せず、次に悪性上皮とは相違してエストラジオールの増量に伴って持続性に上昇したままとなる(より強度に陰性に帯電する)。
用量反応におけるこの差を利用すると、乳癌を診断することができる。エストラジオール、または他のエストロゲンは全身性、経皮的、またはその他の経路によって低用量で投与する。次に表面電位およびインピーダンスの即時の反応を使用すると、インピーダンスまたは直流測定値を単独で使用する現行診断様式より向上した精度で乳癌を診断することができる。
図11は、乳房の表面において2,000Hzで測定された伝導性測定値を示している。この周波数では、上を覆っている皮膚インピーダンスの影響は小さい。それでもまだ一部の皮膚インピーダンスの可変性成分があり、これはエラーバーの重複によって証明されるように測定値の有意な変動性を生じさせる。各記号はメジアン測定値を表しており、エラーバーは平均値の標準偏差を表している。
白い記号は生検で証明された悪性腫瘍を有する患者において行われた測定値を表しているが、黒い記号は引き続いての生検により線維嚢胞性疾患等の良性経過であることが証明された患者において行われた測定値を表している。悪性病変は、アップレギュレートされた増殖を示す周囲乳腺上皮と頻回に関連している。これらの領域(「隣接領域」)は脱分極しており、悪性腫瘍の領域上方のいずれよりも低い伝導性を有している可能性がある。この伝導性の低下は、ヒト結腸で観察されたように隣接および前癌性上皮のK+伝導性の低下が原因と思われる。
これらの3群の記号は各々、乳房の単純四分円における疑わしい病変もしくは領域、次に隣接領域、さらに次に正常乳腺の上方からの測定値を表している。これら3群各々における最初の2つの記号(丸)はインピーダンス測定値であるが、このとき数値はms.cm-2で表した伝導性として左のy軸に対してプロットした。第2の2つの記号(四角)はmVで測定し、右側のy軸に対してプロットした表面電位である;各目盛は5mVを表す。第3の2つの記号(三角)は良性および悪性病変に対する電気指数であり、伝導性および表面電位測定値から引き出した任意の単位である。エラーバー(平均値の標準偏差)に重複が少ないことは明白である。このため、表面電位測定値と交流インピーダンス測定値との組み合わせを使用すると、乳癌をより正確に診断できる。この方法のいっそうの強化には、相違する深さの乳腺を検査するための、相違する間隔をあけて配置された電極の使用、および皮膚表面で測定された良性乳腺組織および悪性乳腺組織からのインピーダンスおよび経上皮電位を示差的に変化させるためのホルモン、薬物、およびその他の物質の使用が含まれるであろう。これは診断精度のさらなる向上を可能にする。
乳腺組織の表面電位測定が女性の月経周期の位置に基づいて変動することは理解されるはずである。図12はこの変動を示している。この図は、上腹部の皮膚上の電極と関連付けられた各乳房上の1配列の8個の電極を用いて8つの相違する場所で各乳房の表面の上方で入手した電位測定値を示している。測定は、平均値の標準誤差に等しいエラーバーを含めて行った。黒い丸および黒い四角は左の乳房および右の乳房各々からのメジアン値を表している。垂直の点線は各月経周期の第1日である。
各乳房についてのメジアン値が月経周期の第1半期(卵胞期)にはより低い数値および月経周期の後半期(黄体期)にはより高い数値を相互に記録する傾向を示すことが明らかである。測定した電気的数値は乳腺の電位に影響を及ぼす他の要素のために完全には重なり合わないが、最低レベルの電位は月経の8〜10日前に、そして最高レベルへの上昇は月経時点の頃に観察されることが明らかである。これはおそらく、月経周期の第2期ではエストラジオールレベルがより高くなり、乳腺表面電位に直接的な影響を及ぼすためである。
乳癌または増殖性病変が存在する場合の電位活性の周期的パターンは極めて異なる。午前中に比較して測定を午後に実施した場合にも、同様に高レベルの表面電位が観察された。この情報は、多数の方法に利用することができる。月経周期中の相違する時点での表面電位およびインピーダンスは、表面電位において異なる周期的変化が発生する(つまり、電位におけるピーク毎の変化は正常乳腺領域と比較して、悪性乳腺領域の上方では小さい)ために、より正確な診断を可能にする。第二に、乳腺の電位を変化させるエストラジオールまたはその他の物質は全身性で、局所的(経皮的)に、またはその他の手段によって投与することができ、表面電位における薬物もしくはホルモン誘発性変化は乳癌を診断するための誘発試験として使用できる。
これらの方法で表面電位測定値と交流インピーダンス測定値の組み合わせを使用すると、乳癌をより正確に診断することができる。
[鼻咽頭癌]
結腸癌に関して記載した方法に類似する方法を使用すると、薬理学的物質およびホルモン性物質を使用して鼻咽頭癌によって惹起される電気生理学的変化を増強することができる。1つの代表的方法は、相違する濃度のK+を提供するウェルを含み、単純な直流測定を実施する鼻咽頭プローブである。
[前立腺]
図13は、相違する増殖条件下でのヒト前立腺上皮細胞中の細胞膜電位の測定値(Ψ)を示している。電位差比測定には電圧感受性FRET(蛍光エネルギー転移)プローブを使用した。このプローブは2つの蛍光成分、CC2−DMPE(クマリン)およびDISBAC2(3)(オキソノール)を有する。オキソノールは、Ψにしたがってネルンスト法では細胞膜の反対側へ自然に分布する。オキソノールの電圧感受性分布は、細胞膜の外側表面に結合しているために蛍光を増幅させるクマリンを介してレシオメトリック蛍光信号を通して変換される。測定は、蛍光顕微鏡およびデジタル・イメージングシステムを使用して実施した。比率の測定値は、細胞膜を脱分極させるためにグラミシジンDを使用し、次に外部K+濃度を変動させることにより較正した。較正したmVでの細胞膜電位をy軸に描出した。
黒いバーは、それらがコンフルエンスに達する前の指数的に増殖している前立腺上皮細胞のΨ値を示しており、白いバーは、それらがコンフルエンスに到達して細胞増殖が緩徐化した後の細胞のΨ値を示している。最初の2本のバーは、前立腺上皮細胞が急速に増殖すると脱分極し、それらがコンフルエンスに到達すると約20mV過分極することを証明している。第2対のバーは、指数的に増殖している細胞が成長因子由来の培養条件(ストリッピング処理血清)でさえ脱分極し、コンフルエンスに到達すると成長因子の不在下でさえ過分極することが少ないことを証明している。最後の対のバーは、テストステロンの活性代謝産物であるDHT(ジヒドロキシテストステロン)の存在下で増殖した細胞が指数的増殖中にはほんのわずかに過分極するが、コンフルエンスに到達すると脱分極することを証明している。
細胞膜電位におけるこれらの相違は、インビボでの前立腺上皮の増殖条件が前立腺上皮細胞の細胞膜電位に影響を及ぼすと思われるという考えを支持している。細胞膜電位は、前立腺表面で測定された経上皮電位に影響を及ぼす。経直腸的に測定した直流電位の変化をインピーダンスと組み合わせて使用すると前立腺癌を診断することができる。
図14は、正常前立腺を有する患者の前立腺の上方での電位測定値を示している。患者はスクリーニングのために結腸鏡検査を受けており、結果は陰性で正常なPSAを有していた。ECM(導電性媒質)は5mMのK+および生理的濃度の他の電解質を含有していた。黒い丸および実線は、肛門縁から1cmの位置から始まって直腸の前面に沿って8cm(x軸)までの表面電位(y軸)の測定値を示している。数値は前立腺の上方ではおよそ−28mVから−70mVへ増加し、そして血流と関連する前立腺上部の上方ではおよそ−52mVへ低下(脱分極)した。ECMを浸透圧は同一であるがK+濃度は30mMである溶液と取り換えると、直腸粘膜表面の電位は30mVへ脱分極する(点線によって結び付けられた白い丸)。これは、上を覆っている直腸粘膜の有意なK+透過性を示している。前立腺が健常である場合は、前立腺の上方のより高度に陰性に帯電した領域が一貫して所見される。
図15は、前立腺癌を有し、以前に生検を受けた患者において入手された測定値を示している。記号および軸は図14と同一である。陰性に帯電した領域は癌性前立腺の上方ではより小さい。この場合には、前立腺の癌性小葉の上方で−26から−27mVの、すなわち健常前立腺の上方で観察された測定値より30から40mV小さい電位測定値が入手された。ECMをK+濃度が30mMの溶液に取り換えると、8〜9mVの、もしくは健常前立腺で観察された数値の約3分の1の脱分極が観察された。これは、前立腺および上を覆っている直腸粘膜両方のK+の伝導性および透過性における低下を示している。
前立腺の正常直流電気的プロフィールにおけるこれらの変化は、前立腺癌を診断するために単独で、または交流インピーダンス測定値と組み合わせて使用できる。周囲の直腸粘膜のより高度の極性に比較した前立腺の脱分極の同定に、K+伝導性の低下が組み合わさると、前立腺癌の存在を表示する。相違する間隔をあけて配置した電極を用いた追加の交流測定値は、前立腺悪性腫瘍の部位を正確に局在するために下にある前立腺の検査を許容する。
[予防的化学療法的および治療的使用]
上記のイオン性物質、薬理学的物質、およびホルモン性物質に加えて、本発明のシステムおよび方法は癌の予防薬および治療薬ならびに治療法と一緒に使用できる。詳細には、変化した構造および機能の電気的測定は、生検を必要とせずに、そして癌がそれ以上発生するのを待つ必要なく薬物への患者の反応を評価する方法を提供する。所与の予防的化学療法薬または治療薬へ反応する患者は、おそらく上皮機能のより正常な状態への回復を示す。反応しない患者はほんのわずかな変化しか示さない、または疾患のより進行期への進行を示す可能性さえある。したがってこのシステムおよび方法は、医師または製薬会社のいずれかが薬物への反応を評価する際に、あるいは医師が患者の疾患および治療の進行を監視する際に、または顕性悪性腫瘍が完全に発生する前に発癌(癌の発生)の経過を監視する際に使用することができる。
さらに、インピーダンスの変化の生理学的根拠についての理解はより正確な診断を許容する。例えば、インピーダンスはいくつかの要素のために上昇したり、低下したりすることがある。乳腺組織の間質密度の上昇はインピーダンスを変化させることがある。これは非特異的変化であり、悪性腫瘍の確率には何の意味も有していない場合がある。他方、発生中の悪性腫瘍の周囲の上皮のカリウムイオン透過性の低下はインピーダンスを上昇させ、そして非特異的インピーダンス変化よりも発生中の癌に関連しているであろう。追加の情報は、本方法により間隔をあけて配置された電圧感知電極を使用して相違する深さで組織を検査することにより入手される。癌の傾向がある組織、前癌性または癌性組織と比較して正常組織中でインピーダンスを示差的に変化させるための電気生理学的、薬理学的およびホルモン性操作の使用は、上記に参照した方法に比して本発明の診断精度を増強するまた別の有意義な相違点である。
本発明の他の実施形態は、当業者には本明細書に開示した本発明の明細書および実践についての考察から明白であろう。本明細書および実施例は単なる例示と見なすことが意図されており、本発明の真の範囲および精神は添付の特許請求の範囲によって指示される。
本発明の1つの実施形態に一致する直流および交流インピーダンス測定装置の略図である。 本発明によるシステムおよび方法とともに使用するために適切な装置の代表的実施形態を示した図である。 本発明によるシステムおよび方法とともに使用するために適切な装置のまた別の代表的実施形態を示した図である。 本発明によるシステムおよび方法とともに使用するために適切な装置の他の代表的実施形態を示した図である。 エクスビボでヒトの結腸上皮と関連付けられた短絡電流を示した図である。 結腸癌中に存在する可能性がある電気生理学的および組織学的変化を示している顕微鏡写真である。 直腸癌を有する患者における上皮電位の測定値を示した図である。 ヒト乳腺上皮における相違するイオン含量および経上皮伝導性に及ぼす作用を示した図である。 ヒト乳腺上皮細胞における細胞膜電位の測定値を示した図である。 良性および悪性乳腺上皮における経上皮電位へエストラジオールの増加が及ぼす作用を示した図である。 乳癌のある女性および乳癌のない女性における乳房表面の上方で行われた伝導性および電位測定値を示した図である。 乳房表面での電位の測定値、および月経周期中の測定値の変動を示した図である。 相違する増殖条件下でのヒト前立腺上皮細胞における細胞膜電位の測定値を示した図である。 正常前立腺を有する患者における電位の測定値を示した図である。 前立腺癌を有する患者における電位の測定値を示した図である。

Claims (17)

  1. 上皮組織の直流電気測定およびインピーダンス分光測定の組み合わせを使用して、上皮の組織の状態を決定する装置であって、
    前記上皮に電気信号を印加するための、間隔をあけて配置された第1の電極対と、
    前記上皮上の相違する地点で結果として生じた電気信号を検出するための、間隔をあけて配置された第2の電極対と、
    前記第1の電極対へ複数の周波数で電気信号を印加する手段と、
    前記複数の周波数で前記第2の電極対で結果として生じた電気信号を測定する手段と、
    前記結果として生じた電気信号に基づいて、前記上皮の一部のインピーダンスの測定値を入手する手段と、
    周波数に伴うインピーダンスの変化を表す差分信号を入手する手段と
    を含み、
    ここで、前記電極対は低皮膚インピーダンスを示す、装置。
  2. 前記第1または第2の電極対とは相違する場所に配置された1つ以上の追加の電極対と、
    前記追加の電極対間において結果として生じた電気信号を測定するための手段と、
    2つの電極対の測定値から各周波数におけるインピーダンス値を減じることにより、前記上皮の相違する層についてのインピーダンスを推定するための手段と
    をさらに含む、請求項1の装置。
  3. 前記第1および第2の電極対はさらに導電性媒質(ECM)を含み、前記上皮の特定のイオン伝導性を推定するために、前記第2の電極対は前記第1の電極対と相違する濃度のECMを含む、請求項1の装置。
  4. 前記第1および第2の電極対はさらに導電性媒質(ECM)を含み、前記上皮の特定のイオン伝導性を推定するために、前記第2の電極対は前記第1の電極対と相違する組成のECMを含む、請求項1の装置。
  5. 前記電気信号を印加する手段が、
    複数の低周波数および高周波数の一定の交流信号を同時に生成する信号発生装置と、
    それらの信号を前記第1の電極対へ供給するための接続手段と
    を含む、請求項1の装置。
  6. 前記結果として生じた電気信号を測定する手段が、少なくとも1つの調整可能なゲイン電圧増幅器を含む、請求項1の装置。
  7. 前記差分信号を入手する手段が、マイクロプロセッサ演算装置を含む請求項1の装置。
  8. 前記マイクロプロセッサ演算装置が、低域フィルターを含む請求項7の装置。
  9. 前記マイクロプロセッサ演算装置が、帯域フィルターおよび高域フィルターの少なくとも1つを含む、請求項7の装置。
  10. 低皮膚インピーダンスは、皮膚インピーダンスを低下させるために湿潤剤/透過剤を導入するか、または、前記電極が角質層に透過することにより達成される、請求項1の装置。
  11. 直流電気計測およびインピーダンス分光測定の組み合わせと、様々な薬理学的物質およびホルモンの作用を監視するためのイオン性組成を有する導電性媒質(ECM)を備えた、可変の間隔をあけて配置された電極とを使用して、異常な上皮組織の電気生理学的特性を解析するための装置であって、
    上皮に電気信号を印加するための、間隔をあけて配置された第1の電極対と、
    相違するイオン濃度で直流電位を測定するための、相違するイオン組成の導電性媒質(ECM)を有する少なくとも1対の電圧感知電極と、
    前記上皮上の相違する地点で結果として生じた電気信号を検出するための間隔をあけて配置された第2の電極対と、
    薬理学的物質またはホルモン物質を適用する手段と、
    前記物質に反応した前記上皮の電気的特性の時間的変化を試験するための手段と、
    前記第1の電極対へ複数の周波数で電気信号を印加する信号発生装置と、
    複数の周波数で前記第2の電極対で結果として生じた電気信号を監視するための監視装置と、
    演算装置であって、
    相違する導電性媒質組成物で結果として生じた電気信号に基づいて前記上皮の特定のイオン伝導性および透過性を入手するステップと、
    異常が疑われる領域における前記結果として生じた電気信号、特定のイオン伝導性および透過性を、上皮の近傍領域およびより遠隔の領域と比較するステップと、
    前記結果として生じた電気信号から、前記複数の周波数における前記上皮の一部のインピーダンスの測定値を入手するステップと、
    前記異常が疑われる領域の上方での前記インピーダンスを、前記上皮の前記近傍領域およびより遠隔の領域と比較するステップと、
    周波数に伴うインピーダンス変化を表す差分信号を入手するステップと、
    前記異常が疑われる領域の上方での前記インピーダンスを、前記上皮の前記近傍領域およびより遠隔の領域と比較するステップと、
    前記上皮の相違する層でのインピーダンスを推定するために、第2のセットの電極間で入手されたインピーダンス測定値から第1のセットの電極間で入手されたインピーダンス測定値を減じるステップと、ここで、前記第1のセットの電極間の間隔は前記第2のセットの電極間の間隔よりも小さく、
    前記異常が疑われる領域における前記上皮の相違する層でのインピーダンスを、前記上皮の前記隣接領域およびより遠隔の領域と比較するステップと、
    前記異常が疑われる領域における前記上皮の相違する層で物質により影響を受けた前記上皮の電気的特性を、前記上皮の隣接領域およびより遠隔の領域と比較するステップと、
    前記上皮の相違する層での時間的要素における変動により影響を受ける、前記異常が疑われる領域における相違する時点での前記上皮の電気的特性を、前記上皮の隣接領域およびより遠隔の領域と比較するステップと
    を実施するように構成された演算装置と
    を含む装置。
  12. 上皮の組織の状態を決定するための装置であって、
    第1の導電性媒質(ECM)を使用して組織の1つの領域の少なくとも1つの電気的特性を測定するための手段と、
    少なくとも1種の薬理学的物質またはホルモン物質と、
    前記薬理学的物質またはホルモン物質が投与された後に、前記組織の前記領域の前記少なくとも1つの電気的特性を測定するための手段と、
    前記組織の状態を決定するための、前記測定値を比較する手段と、
    を含む装置。
  13. 前記少なくとも1種の薬理学的物質またはホルモン物質が、前記第1のイオン濃度の導電性媒質(ECM)を含む、請求項12の装置。
  14. 前記第1のECMと相違するイオン濃度の第2のECMを用いて、組織の前記領域の少なくとも1つの電気的特性を測定するための手段と、
    前記組織の状態を決定するために前記測定値を比較する手段と
    をさらに含む、請求項13の装置。
  15. 前記少なくとも1つの電気的特性が
    (A)直流電位
    (B)インピーダンス
    (C)直流電位及びインピーダンスの両方
    からなる群から選択される、請求項12〜14のいずれか1項に記載の装置。
  16. 第1のECMを使用して組織の1つの領域の前記少なくとも1つの電気的特性の第1測定値を入手するための手段と、
    前記第1測定値を入手した後に前記領域の前記少なくとも1つの電気的特性の第2測定値を入手するための手段と、
    前記組織の電気生理学的特性を解析するための、前記第1および第2測定値を比較する手段と
    を含む、請求項12の装置。
  17. 前記少なくとも1つの電気的特性が、
    (A)直流電位
    (B)インピーダンス
    (C)直流電位及びインピーダンスの両方
    からなる群から選択される、請求項16に記載の装置。
JP2004506646A 2002-05-20 2003-05-19 前癌性および癌性組織を検出するためのシステム Expired - Fee Related JP4704031B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/151,233 US6922586B2 (en) 2002-05-20 2002-05-20 Method and system for detecting electrophysiological changes in pre-cancerous and cancerous tissue
US10/151,233 2002-05-20
PCT/US2003/015884 WO2003099117A1 (en) 2002-05-20 2003-05-19 System for detecting precancerous and cancerous tissue

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005525900A JP2005525900A (ja) 2005-09-02
JP4704031B2 true JP4704031B2 (ja) 2011-06-15

Family

ID=29419389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004506646A Expired - Fee Related JP4704031B2 (ja) 2002-05-20 2003-05-19 前癌性および癌性組織を検出するためのシステム

Country Status (7)

Country Link
US (2) US6922586B2 (ja)
EP (2) EP1505906B8 (ja)
JP (1) JP4704031B2 (ja)
AU (2) AU2003241528A1 (ja)
CA (1) CA2484749A1 (ja)
SG (1) SG152057A1 (ja)
WO (1) WO2003099117A1 (ja)

Families Citing this family (84)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AUPQ113799A0 (en) 1999-06-22 1999-07-15 University Of Queensland, The A method and device for measuring lymphoedema
US6922586B2 (en) * 2002-05-20 2005-07-26 Richard J. Davies Method and system for detecting electrophysiological changes in pre-cancerous and cancerous tissue
US7630759B2 (en) * 2002-05-20 2009-12-08 Epi-Sci, Llc Method and system for detecting electrophysiological changes in pre-cancerous and cancerous breast tissue and epithelium
US8262575B2 (en) * 2002-05-20 2012-09-11 Epi-Sci, Llc Method and system for detecting electrophysiological changes in pre-cancerous and cancerous tissue
US20040152997A1 (en) * 2002-05-20 2004-08-05 Davies Richard J. Electrophysiological approaches to assess resection and tumor ablation margins and responses to drug therapy
CA2444211C (en) * 2002-10-11 2013-11-19 Dermal Therapy (Barbados) Inc. Determination of biological conditions using impedance measurements
CA2451054A1 (en) * 2002-11-27 2004-05-27 Z-Tech (Canada) Inc. Improved apparatus and method for performing impedance measurements
JP2006520251A (ja) * 2003-03-06 2006-09-07 ライフスキャン・インコーポレイテッド 皮膚組織に刺入するためのシステム及び方法
EP1765161B1 (en) * 2004-06-18 2019-09-25 Impedimed Limited Oedema detection
US7970461B2 (en) * 2004-06-18 2011-06-28 Andres Kink Method and apparatus for determining conditions of a biological tissue
WO2006056074A1 (en) 2004-11-26 2006-06-01 Z-Tech (Canada) Inc. Weighted gradient method and system for diagnosing disease
CA2591237A1 (en) * 2004-12-09 2006-06-15 Flexible Medical Systems, Llc Apparatus and method for continuous real-time trace biomolecular sampling, analysis and delivery
EP1709906A1 (de) * 2005-04-07 2006-10-11 F. Hoffmann-La Roche Ag Verfahren und Vorrichtung zur Entnahme von Körperflüssigkeit
US20080009764A1 (en) * 2005-04-21 2008-01-10 Epi-Sci, Llc Method and system for detecting electrophysiological changes in pre-cancerous and cancerous tissue and epithelium
EP1876950A4 (en) * 2005-04-21 2014-01-22 Epi Sci Llc METHOD AND SYSTEM FOR DETECTING ELECTROPHYSIOLOGICAL CHANGES IN PRESERVED AND CANNULATED TISSUE AND EPITHEL
GB0511289D0 (en) * 2005-06-03 2005-07-13 Sheffield Teaching Hospitals Method and probe for measuring the impedance of human or animal body tissue
CA2609111C (en) 2005-07-01 2016-10-18 Scott Chetham A method and apparatus for performing impedance measurements in accordance with determining an electrode arrangement using a displayed representation
WO2007002991A1 (en) 2005-07-01 2007-01-11 Impedimed Limited Monitoring system
JP5161772B2 (ja) * 2005-08-02 2013-03-13 インぺディメッド リミテッド インピーダンスパラメータ値
GB0516158D0 (en) * 2005-08-05 2005-09-14 Univ Montfort An apparatus and method for `non-contact' electrical impedance imaging
US8038625B2 (en) * 2005-09-15 2011-10-18 St. Jude Medical, Atrial Fibrillation Division, Inc. System and method for three-dimensional mapping of electrophysiology information
US8229545B2 (en) 2005-09-15 2012-07-24 St. Jude Medical, Atrial Fibrillation Division, Inc. System and method for mapping complex fractionated electrogram information
US20100292603A1 (en) * 2005-09-21 2010-11-18 Beth Israel Deaconess Medical Center, Inc. Electrical Impedance Myography
WO2007041783A1 (en) 2005-10-11 2007-04-19 Impedance Cardiology Systems, Inc. Hydration status monitoring
JP2009518131A (ja) * 2005-12-06 2009-05-07 エピ‐サイ,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 前癌性および癌性の組織および上皮における電気生理学的変化を検出するための方法およびシステム
US8333874B2 (en) * 2005-12-09 2012-12-18 Flexible Medical Systems, Llc Flexible apparatus and method for monitoring and delivery
ATE456053T1 (de) * 2005-12-30 2010-02-15 Ventana Med Syst Inc Na+, k+-atpase-expression bei zervixdysplasie und krebs
US7907999B2 (en) * 2006-01-25 2011-03-15 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Apparatus and method for measuring physiological characteristics of an intact trachea in vitro
US7988639B2 (en) * 2006-05-17 2011-08-02 St. Jude Medical, Atrial Fibrillation Division, Inc. System and method for complex geometry modeling of anatomy using multiple surface models
WO2007137333A1 (en) 2006-05-30 2007-12-06 The University Of Queensland Impedance measurements
EP2081644B1 (en) * 2006-10-31 2012-05-30 St. Jude Medical AB Tissue stimulating device
DE102006054509A1 (de) * 2006-11-20 2008-05-29 Dr.Röhr Medical Solutions GmbH Vorrichtung zur Messung von Hautwiderstandsverteilungen
KR100790367B1 (ko) * 2006-11-29 2008-01-03 한국전자통신연구원 인체통신에서 인체 위상응답특성 측정을 위한 기준신호송신 장치, 및 그를 이용한 인체 위상응답특성 측정 시스템및 그 방법
EP2091425A4 (en) 2006-11-30 2012-07-25 Impedimed Ltd MEASURING DEVICE
EP2106241B1 (en) 2007-01-15 2015-05-06 Impedimed Limited Method for performing impedance measurements on a subject
DE102007010046A1 (de) * 2007-03-01 2008-09-04 Siemens Ag PCa-Nachweisgerät
WO2008119166A1 (en) 2007-03-30 2008-10-09 Z-Tech (Canada) Inc. Active guarding for reduction of resistive and capactive signal loading with adjustable control of compensation level
US20100153081A1 (en) * 2008-12-11 2010-06-17 Mako Surgical Corp. Implant planning for multiple implant components using constraints
JP5419861B2 (ja) 2007-04-20 2014-02-19 インぺディメッド リミテッド インピーダンス測定装置および方法
US9186089B2 (en) 2007-09-14 2015-11-17 Medtronic Monitoring, Inc. Injectable physiological monitoring system
US8790257B2 (en) 2007-09-14 2014-07-29 Corventis, Inc. Multi-sensor patient monitor to detect impending cardiac decompensation
US8249686B2 (en) 2007-09-14 2012-08-21 Corventis, Inc. Adherent device for sleep disordered breathing
EP3922171A1 (en) 2007-09-14 2021-12-15 Medtronic Monitoring, Inc. Adherent cardiac monitor with advanced sensing capabilities
WO2009036348A1 (en) 2007-09-14 2009-03-19 Corventis, Inc. Medical device automatic start-up upon contact to patient tissue
US9411936B2 (en) 2007-09-14 2016-08-09 Medtronic Monitoring, Inc. Dynamic pairing of patients to data collection gateways
WO2009036313A1 (en) 2007-09-14 2009-03-19 Corventis, Inc. Adherent device with multiple physiological sensors
JP5513396B2 (ja) 2007-11-05 2014-06-04 インぺディメッド リミテッド インピーダンス確定方法及び装置
EP2219523B1 (en) * 2007-11-08 2013-03-06 Inolact Ltd. Measuring fluid excreted from an organ
US20090137925A1 (en) * 2007-11-23 2009-05-28 Divya Cantor Impedance Spectroscopy Cervix Scanning Apparatus and Method
US8738124B2 (en) * 2007-12-11 2014-05-27 Epi-Sci, Llc Electrical bioimpedance analysis as a biomarker of breast density and/or breast cancer risk
AU2008207672B2 (en) 2008-02-15 2013-10-31 Impedimed Limited Impedance Analysis
CA2706356C (en) * 2008-02-20 2017-03-28 Mako Surgical Corp. Implant planning using corrected captured joint motion information
JP5405500B2 (ja) 2008-03-12 2014-02-05 コーヴェンティス,インク. 心調律に基づく心代償不全予測
US20100069781A1 (en) * 2008-04-15 2010-03-18 Johansen Jerald A Device and method for accessing and treating ducts of mammary glands
US8412317B2 (en) * 2008-04-18 2013-04-02 Corventis, Inc. Method and apparatus to measure bioelectric impedance of patient tissue
JP2011135904A (ja) * 2008-04-18 2011-07-14 Kowa Co 乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレシス製剤
CN102186412B (zh) * 2008-08-22 2013-11-27 马克·L·福佩尔 采用极低频率电磁场诊断和筛查疾病的方法和装置
US8386010B2 (en) * 2008-10-23 2013-02-26 Covidien Lp Surgical tissue monitoring system
US9615766B2 (en) * 2008-11-28 2017-04-11 Impedimed Limited Impedance measurement process
US9042976B2 (en) 2009-09-01 2015-05-26 Roman A. Slizynski Use of impedance techniques in breast-mass detection
US9037227B2 (en) * 2009-09-01 2015-05-19 Roman A. Slizynski Use of impedance techniques in breast-mass detection
US9615767B2 (en) 2009-10-26 2017-04-11 Impedimed Limited Fluid level indicator determination
CA2778770A1 (en) 2009-11-18 2011-05-26 Chung Shing Fan Signal distribution for patient-electrode measurements
US20120022380A1 (en) * 2010-01-19 2012-01-26 Chernomorsky Ary S Methods and apparatus for assesment and treatment of body cavities
US8965498B2 (en) 2010-04-05 2015-02-24 Corventis, Inc. Method and apparatus for personalized physiologic parameters
US20120041332A1 (en) * 2010-08-11 2012-02-16 Georgiy Lifshits Device and method for oriental medicine diagnosis and treatment
US9451913B2 (en) 2010-12-10 2016-09-27 Touchtek Labs, Llc Transdermal sampling and analysis device
US9877673B2 (en) * 2010-12-10 2018-01-30 Clinitech, Llc Transdermal sampling and analysis device
US20130218045A1 (en) * 2011-08-22 2013-08-22 Joel Ironstone Method and System for Disease Risk Management
US9968284B2 (en) 2011-12-02 2018-05-15 Clinitech, Llc Anti-interferent barrier layers for non-invasive transdermal sampling and analysis device
RU2504328C1 (ru) * 2012-07-06 2014-01-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Юго-Западный государственный университет" (ЮЗГУ) Устройство для контроля анизотропии электрической проводимости биотканей
DE102013000966A1 (de) * 2013-01-22 2014-07-24 Zimmer Medizinsysteme Gmbh Verfahren und Gerät zur kontinuierlichen, nicht invasiven Messung von Gewebetemperaturen in unterschiedlichen Gewebetiefen
US10117596B2 (en) * 2013-08-19 2018-11-06 Prolung, Inc. Method for diagnosing a malignant lung tumor
KR102265066B1 (ko) * 2014-07-17 2021-06-15 삼성전자주식회사 생체 임피던스 측정 방법 및 장치
US9956025B2 (en) * 2014-12-05 2018-05-01 Medtronic Cryocath Lp Contrast agent to assess quality of occlusion through impedance measurement
US10285749B2 (en) 2014-12-05 2019-05-14 Medtronic Cryocath Lp Determination of pulmonary vein and other vascular occlusion using temperature profile following cold saline injection
US20180103915A1 (en) * 2016-10-18 2018-04-19 Alcare Co., Ltd. Operation processing aparatus calculating numerical value representing skin barrier function, equipument, computer readable medium, and method for evaluating skin barrier function
US11047821B2 (en) * 2018-05-31 2021-06-29 Analog Devices International Unlimited Company Bio-impedance and contact impedances measurement
GB2577927B (en) * 2018-10-11 2023-07-26 Zedsen Ltd An Apparatus for Producing Output Data Relating to Skin Conditions
US11633129B2 (en) 2019-04-05 2023-04-25 Cambridge Medical Technologies LLC Non-invasive transdermal sampling and analysis device incorporating redox cofactors
US11375931B2 (en) 2019-08-08 2022-07-05 Cambridge Medical Technologies LLC Non-invasive transdermal sampling and analysis device incorporating an electrochemical bioassay
CN117279565A (zh) * 2021-05-25 2023-12-22 贝鲁特美国大学 用于诊断和监测体内和离体皮肤异常的非侵入性电磁系统
CN114246664B (zh) * 2021-12-27 2022-08-23 天津市鹰泰利安康医疗科技有限责任公司 高频双极性肿瘤治疗系统
JP2023122887A (ja) * 2022-02-24 2023-09-05 株式会社タニタ 患部判定装置、患部判定方法、及び患部判定プログラム

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06502323A (ja) * 1990-10-18 1994-03-17 セントルム フェール デンタルテクニーク オック ビオマテリアル 有機物質あるいは生体物質の電気インピーダンスの測定装置
JPH08509877A (ja) * 1993-03-08 1996-10-22 バイオフィールド コーポレーション 体の組織における外傷または疾患をスクリーニングし、かつ、診断する装置及び方法

Family Cites Families (86)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US349839A (en) * 1886-09-28 Pateick gannon
US331870A (en) * 1885-12-08 Automatic switch-signal
US412826A (en) * 1889-10-15 And louis j
US349840A (en) * 1886-09-28 Peedeeick k gaednee
US348824A (en) * 1886-09-07 Method of and means for refrigeration
US350472A (en) * 1886-10-12 Apparatus for malting and drying
US369738A (en) * 1887-09-13 Bell-rope
US316026A (en) * 1885-04-21 John flanneey
US362172A (en) * 1887-05-03 Martin merklen
US370616A (en) * 1887-09-27 Stalk or weed chopper
US3786801A (en) * 1969-02-24 1974-01-22 Diagnostic Inc Method and apparatus for aiding in the detection of breast cancer
US3706254A (en) * 1972-04-25 1972-12-19 Astro Music Co Inc Guitar servicing tool
US3901293A (en) * 1973-04-11 1975-08-26 Joseph J Cottone Guitar stringing tools
US3949736A (en) * 1974-07-15 1976-04-13 Vyvojova A Provozni Zakladna Vyzkumnych Ustavu Circuit for automatically deriving and measuring relative voltages associated with impedance components of a biological object
US3971286A (en) * 1975-08-27 1976-07-27 Borell James J Guitar string supporting device
US4103524A (en) * 1977-03-10 1978-08-01 Ronald A. Mitchell Theftproof steering wheel lock
US4458694A (en) * 1977-11-02 1984-07-10 Yeda Research & Development Co., Ltd. Apparatus and method for detection of tumors in tissue
IL53286A (en) * 1977-11-02 1980-01-31 Yeda Res & Dev Apparatus and method for detection of tumors in tissue
US4304110A (en) * 1980-02-25 1981-12-08 Fain Warren R Steering wheel lock bar
IL62861A (en) * 1981-05-13 1988-01-31 Yeda Res & Dev Method and apparatus for carrying out electric tomography
US5109849A (en) * 1983-08-30 1992-05-05 Nellcor, Inc. Perinatal pulse oximetry sensor
US4611523A (en) * 1985-05-17 1986-09-16 Mcfarland John H Device for setting the intonation of the individual strings of a fretted string instrument
US4690152A (en) * 1985-10-23 1987-09-01 American Mediscan, Inc. Apparatus for epithelial tissue impedance measurements
US4729385A (en) * 1985-10-23 1988-03-08 American Mediscan, Inc. Probe and method of use for detecting abnormal tissues
US4955383A (en) * 1988-12-22 1990-09-11 Biofield Corporation Discriminant function analysis method and apparatus for disease diagnosis and screening
US5099844A (en) * 1988-12-22 1992-03-31 Biofield Corp. Discriminant function analysis method and apparatus for disease diagnosis and screening
US5697369A (en) * 1988-12-22 1997-12-16 Biofield Corp. Method and apparatus for disease, injury and bodily condition screening or sensing
IL91193A (en) * 1989-08-02 1996-01-19 Yeda Res & Dev Tumor detection system
GB9008764D0 (en) * 1990-04-19 1990-06-13 Egnell Ameda Ltd A resilient suction cup
US5095723A (en) * 1991-04-24 1992-03-17 Lin Miun Chang Anti-theft steering wheel lock for automobiles
US6026322A (en) * 1991-08-07 2000-02-15 Ultramind International Limited Biofeedback apparatus for use in therapy
GB9200065D0 (en) * 1992-01-03 1992-02-26 Nycomed As Contrast media
US6500173B2 (en) * 1992-01-07 2002-12-31 Ronald A. Underwood Methods for electrosurgical spine surgery
US5272953A (en) * 1992-03-23 1993-12-28 Advanced Innovative Technologies, Inc. String winder tool for musical instrument
US6389305B1 (en) * 1993-12-15 2002-05-14 Lifeline Biotechnologies, Inc. Method and apparatus for detection of cancerous and precancerous conditions in a breast
US5417222A (en) * 1994-01-21 1995-05-23 Hewlett-Packard Company Patient monitoring system
WO1995021568A1 (en) * 1994-02-11 1995-08-17 Humanteknik Ab A sealing element for a biomedical electrode
US5833622A (en) * 1994-04-04 1998-11-10 Graphic Controls Corporation Non-invasive fetal probe having improved mechanical and electrical properties
US5823957A (en) * 1994-10-17 1998-10-20 Biofield Corp D.C. biopotential sensing electrode and electroconductive medium for use therein
US6560480B1 (en) * 1994-10-24 2003-05-06 Transscan Medical Ltd. Localization of anomalies in tissue and guidance of invasive tools based on impedance imaging
US5810742A (en) * 1994-10-24 1998-09-22 Transcan Research & Development Co., Ltd. Tissue characterization based on impedance images and on impedance measurements
US6678552B2 (en) * 1994-10-24 2004-01-13 Transscan Medical Ltd. Tissue characterization based on impedance images and on impedance measurements
US6312428B1 (en) * 1995-03-03 2001-11-06 Neothermia Corporation Methods and apparatus for therapeutic cauterization of predetermined volumes of biological tissue
US6456865B2 (en) * 1995-06-08 2002-09-24 Ilan Zadik Samson Non-invasive medical probe
US5766165A (en) * 1995-09-22 1998-06-16 Gentelia; John S. Return path monitoring system
US6135953A (en) * 1996-01-25 2000-10-24 3M Innovative Properties Company Multi-functional biomedical electrodes
IE960224A1 (en) * 1996-03-15 1997-09-24 Bmr Res & Dev Ltd An electrode
JPH09271516A (ja) * 1996-04-05 1997-10-21 Nippon Koden Corp 麻酔深度判定方法及び装置
US5949005A (en) * 1996-06-06 1999-09-07 Peterson; Dale Collapsible guitar kit
CA2191285A1 (en) * 1996-11-26 1998-05-26 Philip Maurice Church Electrode arrangement for electrical impedance tomography system
SE9604564D0 (sv) * 1996-12-12 1996-12-12 Paal Svedman Sätt och anordning vid avledning av elektriska strömmar
EP0998216B1 (de) * 1997-07-25 2004-06-09 Werner A. Kaiser Anordnung zum nachweis, zur differentialdiagnostischen charakterisierung und zur therapie von tumoren
AUPP031097A0 (en) * 1997-11-10 1997-12-04 Clift, Vaughan Skin impedance imaging system
WO2000035357A1 (en) * 1998-12-18 2000-06-22 Sontra Medical, Inc. Methods and apparatus for enhancement of transdermal transport
US6122544A (en) * 1998-05-01 2000-09-19 Organ; Leslie William Electrical impedance method and apparatus for detecting and diagnosing diseases
US5994636A (en) * 1998-09-08 1999-11-30 Huntley; C. Frederick M. Guitar repair tool
US6391026B1 (en) * 1998-09-18 2002-05-21 Pro Duct Health, Inc. Methods and systems for treating breast tissue
US6328735B1 (en) * 1998-10-30 2001-12-11 E.P., Limited Thermal ablation system
US6148232A (en) * 1998-11-09 2000-11-14 Elecsys Ltd. Transdermal drug delivery and analyte extraction
US6251681B1 (en) * 1998-11-30 2001-06-26 Richard J. Davies Method for the detection of cancer and premalignancy conditions thereof
US20020110609A1 (en) * 1998-12-28 2002-08-15 David Hung Increasing retrievable fluid from a breast duct
AU2505400A (en) * 1999-01-13 2000-08-01 Pro Duct Health, Inc. Ductal orifice identification by characteristic electrical signal
AU2971700A (en) * 1999-01-21 2000-08-07 Wayne State University Method and apparatus for measuring factors in mammary fluids
US6773418B1 (en) * 1999-08-18 2004-08-10 Iotek, Inc. Device and method for delivery of agents to the female reproductive tract
AU781441B2 (en) * 1999-10-22 2005-05-26 Board Of Regents Of The University Of Nebraska, The Serum amyloid A isoform from colostrum
JP2001187035A (ja) * 1999-12-28 2001-07-10 Tanita Corp 患部回復度判定装置
US6898303B2 (en) * 2000-01-18 2005-05-24 Arch Development Corporation Method, system and computer readable medium for the two-dimensional and three-dimensional detection of lesions in computed tomography scans
US6641604B1 (en) * 2000-02-11 2003-11-04 Iotek, Inc. Devices and method for manipulation of organ tissue
US7499745B2 (en) * 2000-02-28 2009-03-03 Barbara Ann Karmanos Cancer Institute Multidimensional bioelectrical tissue analyzer
JP2004520865A (ja) * 2000-07-25 2004-07-15 リタ メディカル システムズ インコーポレイテッド 局在化インピーダンス測定を使用する腫瘍の検出および処置のための装置
US6842264B1 (en) * 2000-08-07 2005-01-11 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Printer system and method for protocol version translation utilizing translation tables
IL138471A0 (en) * 2000-09-14 2001-10-31 Yissum Res Dev Co Novel semiconductor materials and their uses
US7409243B2 (en) * 2001-04-04 2008-08-05 Mirabel Medical Ltd. Breast cancer detection
IL143374A0 (en) * 2001-05-24 2002-04-21 Transscan Medical Ltd Anomaly detection based on signal variations
US6866994B2 (en) * 2001-05-30 2005-03-15 Neomatrix, Llc Noninvasive intraductal fluid diagnostic screen
US6823203B2 (en) * 2001-06-07 2004-11-23 Koninklijke Philips Electronics N.V. System and method for removing sensitive data from diagnostic images
US7077842B1 (en) * 2001-08-03 2006-07-18 Cosman Jr Eric R Over-the-wire high frequency electrode
US6807444B2 (en) * 2001-11-05 2004-10-19 Hosheng Tu Apparatus and methods for monitoring tissue impedance
US6813515B2 (en) * 2002-01-04 2004-11-02 Dune Medical Devices Ltd. Method and system for examining tissue according to the dielectric properties thereof
US7184820B2 (en) * 2002-01-25 2007-02-27 Subqiview, Inc. Tissue monitoring system for intravascular infusion
WO2003066132A1 (de) * 2002-02-07 2003-08-14 Medela Ag Brusthaube
US20030181890A1 (en) * 2002-03-22 2003-09-25 Schulze Dale R. Medical device that removably attaches to a bodily organ
US6887239B2 (en) * 2002-04-17 2005-05-03 Sontra Medical Inc. Preparation for transmission and reception of electrical signals
US7630759B2 (en) * 2002-05-20 2009-12-08 Epi-Sci, Llc Method and system for detecting electrophysiological changes in pre-cancerous and cancerous breast tissue and epithelium
US20040152997A1 (en) * 2002-05-20 2004-08-05 Davies Richard J. Electrophysiological approaches to assess resection and tumor ablation margins and responses to drug therapy
US6922586B2 (en) 2002-05-20 2005-07-26 Richard J. Davies Method and system for detecting electrophysiological changes in pre-cancerous and cancerous tissue

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06502323A (ja) * 1990-10-18 1994-03-17 セントルム フェール デンタルテクニーク オック ビオマテリアル 有機物質あるいは生体物質の電気インピーダンスの測定装置
JPH08509877A (ja) * 1993-03-08 1996-10-22 バイオフィールド コーポレーション 体の組織における外傷または疾患をスクリーニングし、かつ、診断する装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2368495A2 (en) 2011-09-28
US20030216661A1 (en) 2003-11-20
EP1505906A4 (en) 2009-04-08
AU2003241528A1 (en) 2003-12-12
EP2368495A3 (en) 2012-04-04
JP2005525900A (ja) 2005-09-02
EP1505906A1 (en) 2005-02-16
EP1505906B1 (en) 2014-10-15
AU2009200567A1 (en) 2009-03-05
AU2009200567B2 (en) 2012-06-21
CA2484749A1 (en) 2003-12-04
US6922586B2 (en) 2005-07-26
US20050203436A1 (en) 2005-09-15
SG152057A1 (en) 2009-05-29
US8280504B2 (en) 2012-10-02
EP1505906B8 (en) 2015-02-25
WO2003099117A1 (en) 2003-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4704031B2 (ja) 前癌性および癌性組織を検出するためのシステム
US7853319B2 (en) Method and system for detecting electrophysiological changes in pre-cancerous and cancerous tissue and epithelium
US8275453B2 (en) Method and system for detecting electrophysiological changes in pre-cancerous and cancerous breast tissue and epithelium
US9037228B2 (en) Method and system for detecting electrophysiological changes in pre-cancerous and cancerous tissue
US8332025B2 (en) Method and system for detecting electrophysiological changes in pre-cancerous and cancerous tissue and epithelium
US20080004543A1 (en) Electrophysiological approaches to assess resection and tumor ablation margins and responses to drug therapy
NZ564935A (en) System for detecting precancerous and cancerous tissue

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090515

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090813

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090820

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100817

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100824

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100917

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100928

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110309

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees