JP4703549B2 - 基板処理方法及び基板処理装置 - Google Patents
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Description
この現象について図15及び図16を参照して説明する。
絶縁膜7b表面のマイナス電荷13は、ベース基板7a表面近傍に誘起されたプラス電荷15によって見かけ上電気的に中性になっており、除去できずにそのまま残留している。
(1)紫外線などのエネルギー光線をシリコンなどの半導体に照射すると、その内部に電子−正孔対が発生し、光エネルギーのために発生する起電力で電子や正孔が拡散し、シリコンや絶縁膜中の準位に捕獲されて、半導体デバイスの電気的特性が変動する不具合がある。
(2)半導体プロセスでは、例えば金属配線を形成した後の状態では低温プロセスしか適用できないので、熱処理による静電気除去の適用が困難となる。
(3)湿度の高い状態にすれば静電気除去効果が見られるが、ウエハ表面での結露によるシミ(ウォーターマークと呼ばれる)、異物の付着などが予想される。特に近年の微細化された複雑な構造をもつデバイスでは、そのデバイス間の隙間などに結露によるシミが発生することがある。
本発明の目的は、導電性基板表面に形成された絶縁膜表面に発生した静電気を容易に除去することができる基板処理方法及び基板処理装置を提供するものである。
本発明の基板処理装置の第1態様及び第2態様において、上記電源部は上記絶縁膜表面の静電気が消滅したときに上記ベース基板をアース電位に接続するようにしてもよい。
本発明の基板処理装置の第1態様及び第2態様において、上記電源部は、上記絶縁膜表面の静電気が消滅する前に上記ベース基板に与える電位の絶対値を小さい方へ変化させるようにしてもよい。
本発明の基板処理装置の第1態様及び第2態様において、上記イオン発生部に替えてプラズマ発生部を用いるようにしてもよい。
本発明の基板処理装置の第1態様及び第2態様において、電源部は絶縁膜表面の静電気が消滅したときにベース基板をアース電位に接続するようにすれば、ベース基板に与えた電位に起因して絶縁膜表面が帯電するのを防止することができる。
本発明の基板処理装置の第1態様及び第2態様において、電源部は、絶縁膜表面の静電気が消滅する前にベース基板に与える電位の絶対値を小さい方へ変化させるようにすれば、絶縁膜表面の静電気が消滅した時を正確に把握できなくても、ベース基板に与えた電位に起因して絶縁膜表面が帯電するのを防止することができる。
本発明の基板処理装置の第1態様及び第2態様において、イオン発生部により発生させるプラス電荷及びマイナス電荷を有する上記ガスはプラズマ状態であるようにすれば、高濃度の電荷によって短時間で効率的に静電気を除去することができる。
この実施例では、基板保持部9に設けられた電極9bは、ベース基板7aの裏面全体に接触するようにベース基板7aの裏面と同じ大きさ又はベース基板7aの裏面よりも大きく形成されている。
これにより、ベース基板7aへの電子の供給を効率良く行なうことができ、高い静電気除去効果を得ることができる。
この実施例では、絶縁膜7b表面の電位を測定するための表面電位計17を備えている。表面電位計17の測定信号は電源部11に送られる。電源部11と電極9bを接続するためのスイッチ11bは、電極9bを電源部11とアース電位に切り替えて接続する。
除電処理の開始時に、電源部11はベース基板7aにマイナス電位を与える。その後、電源部11は、表面電位計17からの測定信号に基づいて絶縁膜7b表面の電位値を監視し、絶縁膜7b表面の電位値が0又は予め設定された電位値の絶対値以下になったときにスイッチ11bを切り替えてベース基板7aをアース電位に接続し、ベース基板7aへの電位の供給を停止する。
この実施例では、ベース基板7aにマイナス電位を与えるための電源部として可変電源部19を備えている。可変電源部19はベース基板7aに任意の大きさのマイナス電位を与えることができ、ベース基板7aをアース電位に接続することもできる。
除電処理の開始後、可変電源部19は予め設定された大きさのマイナス電位を所定の時間だけ与える。絶縁膜7b表面の静電気が消滅する前であって、除電処理の開始から所定時間経過後、可変電源部19はベース基板7aに与える電位の絶対値を小さい方へ徐々に変化させる。そして除電処理終了時には、可変電源部19はベース基板7aをアース電位に接続又は電気的にフローティングな状態にする。
この電位供給方法は、静電気の除去が完了する時間が明確にわからない時に有効な方法である。
この例では、除電処理の開始時に、可変電源部19は予め設定された大きさのマイナス電位をベース基板7aに与える。そして除電処理の開始直後から、可変電源部19はベース基板7aに与える電位の絶対値を小さい方へ徐々に変化させる。除電処理終了時には、可変電源部19はベース基板7aをアース電位に接続又は電気的にフローティングな状態にする。
この電位供給方法も、静電気の除去が完了する時間が明確にわからない時に有効な方法である。
この実施例では、ベース基板7aにプラス電位及びマイナス電位を交互に与えるための電源部21を備えている。電源部21はベース基板7aをアース電位に接続することもできる。
除電処理の開始後、電源部21は予め設定された大きさのプラス電位及びマイナス電位を交互に所定の時間だけ与える。除電処理の開始から所定時間経過後、電源部21はベース基板7aをアース電位に接続又は電気的にフローティングな状態にし、除電処理を終了する。
除電処理の開始後、電源部21はプラス電位及びマイナス電位を交互に所定の時間だけ与える。このとき、電源部21は時間の経過とともにベース基板7aに与える電位の絶対値を小さい方へ徐々に変化させる。除電処理終了時には、可変電源部19はベース基板7aをアース電位に接続又は電気的にフローティングな状態にする。
この電位供給方法は、静電気の除去が完了する時間が明確にわからない時に有効な方法である。
この実施例は、図8に示した実施例に比べて、絶縁膜7b表面の電位を測定するための表面電位計17を備えている。表面電位計17の測定信号は電源部21に送られる。
除電処理を開始した後、電源部21は予め設定された大きさのプラス電位及びマイナス電位を交互に与える。そして、電源部21は表面電位計17からの測定信号に基づいて絶縁膜7b表面の電位値を監視し、絶縁膜7b表面の電位値が0又は予め設定された電位値の絶対値以下になったときにベース基板7aをアース電位に接続又は電気的にフローティングな状態にし、ベース基板7aへの電位の供給を停止する。
図13に示した除電対象基板7では、絶縁膜7b表面は静電気によりプラス帯電している領域24とマイナス帯電している領域26をもっている。
図8から図12を参照して説明した実施例は、図13に示したように絶縁膜7b表面にプラス帯電領域24とマイナス帯電領域26をもつ除電対象基板7の除電処理に特に有効である。
3 イオナイザ
5 プラス電荷及びマイナス電荷を有するガス5
7 除電対象基板
7a ベース基板
7b 絶縁膜
9 基板保持部
11 電源部
13 マイナス電荷
15 プラス電荷
Claims (10)
- プラス電荷及びマイナス電荷を有するガス雰囲気に除電対象基板を暴露して除電対象基板表面の静電気を除去する基板処理方法において、
前記除電対象基板は導体又は半導体からなるベース基板の上に絶縁膜が形成されたものであり、
前記ベース基板に、前記絶縁膜表面がプラス帯電しているときはプラス電位を、前記絶縁膜表面がマイナス帯電しているときはマイナス電位を与えながら、前記絶縁膜表面を前記ガス雰囲気に暴露して前記絶縁膜表面の静電気を除去することを特徴とする基板処理方法。 - プラス電荷及びマイナス電荷を有するガス雰囲気に除電対象基板を暴露して除電対象基板表面の静電気を除去する基板処理方法において、
前記除電対象基板は導体又は半導体からなるベース基板の上に絶縁膜が形成されたものであり、
前記ベース基板にプラス電位及びマイナス電位を交互に与えながら、前記絶縁膜表面を前記ガス雰囲気に暴露して前記絶縁膜表面の静電気を除去することを特徴とする基板処理方法。 - 前記絶縁膜表面の静電気が消滅したときに前記ベース基板をアース電位に接続する請求項1又は2に記載の基板処理方法。
- 前記絶縁膜表面の静電気が消滅する前に前記ベース基板に与える電位の絶対値を小さい方へ変化させる請求項1又は2に記載の基板処理方法。
- プラス電荷及びマイナス電荷を有する前記ガスはプラズマ状態である請求項1から4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- プラス電荷及びマイナス電荷を有するガスを発生させるためのイオン発生部と、イオン発生部により発生したガス雰囲気に除電対象基板を暴露するために除電対象基板を保持するための基板保持部を備えた基板処理装置において、
前記除電対象基板は導体又は半導体からなるベース基板の上に絶縁膜が形成されたものであり、
前記ベース基板に、前記絶縁膜表面がプラス帯電しているときはプラス電位を、前記絶縁膜表面がマイナス帯電しているときはマイナス電位を与えるための電源部を備えたことを特徴とする基板処理装置。 - プラス電荷及びマイナス電荷を有するガスを発生させるためのイオン発生部と、イオン発生部により発生したガス雰囲気に除電対象基板を暴露するために除電対象基板を保持するための基板保持部を備えた基板処理装置において、
前記除電対象基板は導体又は半導体からなるベース基板の上に絶縁膜が形成されたものであり、
前記ベース基板にプラス電位及びマイナス電位を交互に与えるための電源部を備えたことを特徴とする基板処理装置。 - 前記電源部は、前記絶縁膜表面の静電気が消滅したときに前記ベース基板をアース電位に接続する請求項6又は7に記載の基板処理装置。
- 前記電源部は、前記絶縁膜表面の静電気が消滅する前に前記ベース基板に与える電位の絶対値を小さい方へ変化させる請求項6又は7に記載の基板処理装置。
- 前記イオン発生部に替えてプラズマ発生部を用いる請求項6から9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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