JP4700937B2 - 場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法 - Google Patents
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Description
上記不良コンクリート部分の除去方法として、古くはブレーカー等で斫り取る方法が一般的に実施されてきた。しかし、この作業には大きな振動と騒音を伴い、環境を損なう公害問題が発生するほか、市街地では作業時間を制限される等々の問題点を抱えている。
その他の方法として、コンクリート打設直後の未だ硬化しない段階で、不良コンクリート部分をバキューム吸引装置で吸引し除去する方法も実施されている。しかし、この方法は吸引装置の設置場所が場所打ちコンクリート杭の不良コンクリート部分の位置よりもはるかに高いと、物理的に吸引除去ができないという欠陥がある。また、吸引した不良コンクリートの事後処理費用などが嵩み、施工単価が高いという問題点も指摘されている。
下記の特許文献2その他多数に、杭孔へ打設したコンクリートが未だ硬化しない段階で、不良コンクリート部分へ混和剤やアルミ粉等の破壊剤、又は発泡剤を水に溶かした懸濁液、或いはベントナイト溶液に粘調性高分子化合物を混合した溶液などのいわゆる強度劣化剤を注入、攪拌してコンクリート強度を低下させ、杭頭処理を容易にする方法が開示されている。しかし、使用する強度劣化剤が高価である上に、予定した薬効が確実に得られず、杭頭処理に難渋する場合が多々あり、確実性に欠ける方法である。
特許文献4には、杭孔へ打設したコンクリートが未だ硬化しない段階で、杭主筋の内側の不良コンクリート部分へ、環状枠の内側へ薄板による格子を縦に形成した治具を沈めてコンクリートの硬化状況を見定め、一定時間の経過後に前記治具を引き上げて不良コンクリート部分に格子形の切れ目を形成する方法が開示されている。しかし、前記切れ目は完全に切れたままではなく、不完全に復旧するので、せいぜい不良コンクリートの斫り作業を少し容易にする程度の効果しか期待できない。
特許文献6には、杭孔へ打設したコンクリートが未だ硬化しない段階で、杭主筋の内側の不良コンクリート部分へ杭頭処理治具を押し込み杭の設計天端高さ位置にカット板を水平に設置し、コンクリートが硬化した後、地盤を掘削して杭頭部分が露出した段階で、杭体の前記カット板の外周位置に切削溝を形成し、更に孔を開け、この孔に破砕工具を挿入し打撃を加えて前記カット板の位置でコンクリートを割裂させ、不良コンクリート部分を吊り上げて除去する方法が開示されている。しかし、カット板の設置や切削溝の形成、孔開け、並びに破砕工具を挿入し打撃を加えて前記カット板の位置で割裂させるまで、多くの手数と工具等の使用を必要とする。その割にカット板の位置でコンクリートを確実に割裂させることができるかの点に不安要素が多くある。また、破砕工具に打撃を加えて割裂させるまでの作業に騒音と振動の発生を避けられないという大きな問題がある。
本発明の次の目的は、上記の特許文献7に見られる流体圧ジャッキの静的破壊力に着目して、これを薄板形状に構成した杭頭処理材と、略同形、同大に形成した杭頭処理スペーサとを併用して有効に活用し、不良コンクリート部分の破砕に効果的に用いる、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法を提供することである。
杭鉄筋2のうち杭頭部に発生する不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cより上方の各杭主筋2a…にコンクリートと縁切りする養生材6を取り付け、地盤4に掘削した杭孔1中へ前記の杭鉄筋2を建て込み、同杭孔1中へコンクリートを打設して場所打ちコンクリート杭3を構築する段階と、
打設したコンクリートが硬化した後に、杭頭部の少なくとも不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cが露出する位置まで地盤4の掘削を行う段階と、
前記杭頭部の不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cの杭体外周のコンクリート被り部分に杭主筋2a…を傷つけない深さまでほぼ水平な切り込み5を全周にわたり形成する段階と、
薄板を2枚重ねた薄板形状で前記切り込み5の幅寸相当幅の流体圧ジャッキとして構成され、且つ杭体3のコンクリート被り部分に形成した前記切り込み5の円周を複数に分割したに等しい三日月形状の複数の杭頭処理材7…を、前記切り込み5の円周を複数に分割した配置で同切り込みの隙間へ押し込み、各杭頭処理材7…の入り口バルブ7aを流体ポンプ10の配管8と接続し、前記ポンプ10を運転して高圧流体を杭頭処理材7…へ送り込み、同杭頭処理材7を膨脹させることにより前記切り込み部分5に沿って水平方向の亀裂を生じさせ、同切り込み部分5より上方の不良コンクリート部分Bを分割して除去する段階とから成る、ジャッキ後付け工法を特徴とする。
杭鉄筋2のうち杭頭部に発生する不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cに、薄板を2枚重ねた薄板形状で、且つ杭体のコンクリート被り部分の幅寸相当幅の三日月形状をなす流体圧ジャッキとして構成された複数の杭頭処理材7をその入口バルブ7aと共に、杭主筋2aよりも外周のコンクリート被り部分の幅内へ略水平に、且つ同コンクリート被り部分の円周を複数に分割した配置で杭鉄筋2へ取り付けて設置し、前記杭頭処理材7の位置より上方に立ち上がる各杭主筋2a…にコンクリートと縁切りする養生材6を取り付ける段階と、
前記杭鉄筋2を杭孔1の中へ建て込み、同杭孔1中へコンクリートを打設して場所打ちコンクリート杭3を構築する段階と、
打設したコンクリートが硬化した後に、杭頭部の少なくとも前記杭頭処理材7が露出する位置まで地盤4の掘削を行う段階と、
前記薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された杭頭処理材7の入り口バルブ7aを杭体3から外へ引き出してこれに流体ポンプ10の配管8を接続し、前記ポンプ10を運転して高圧流体を杭頭処理材7へ送り込み、同杭頭処理材7を膨脹させることによって杭頭部の不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cに水平方向の亀裂を生じさせ、同不良コンクリート部分Bを分割して除去する段階とから成る、ジャッキ先付け工法を特徴とする。
杭鉄筋2のうち杭頭部に発生する不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cに、薄板形状で杭体のコンクリート被り部分の幅寸相当幅の三日月形状をなす複数の杭頭処理スペーサ17を、杭主筋2aより外周のコンクリート被り部分の幅内へ略水平に、且つ同コンクリート被り部分の円周を複数に分割したに等しい配置で杭鉄筋2へ取り付けて設置し、前記杭頭処理スペーサ17の位置より上方に立ち上がる各杭主筋2a…にコンクリートと縁切りする養生材6を取り付ける段階と、
前記杭鉄筋2を杭孔1の中へ建て込み、同杭孔1中へコンクリートを打設して場所打ちコンクリート杭3を構築する段階と、
打設したコンクリートが硬化した後に、杭頭部の少なくとも前記杭頭処理スペーサ17が露出する位置まで地盤4の掘削を行う段階と、
前記薄板形状の杭頭処理スペーサ17を杭体3から引き抜き、その跡の隙間へ、薄板を2枚重ねた薄板形状の流体圧ジャッキとして同じ三日月形状に構成された杭頭処理材7を押し込み、同杭頭処理材7を流体ポンプ10の配管8と接続し、前記ポンプ10を運転して高圧流体を杭頭処理材7へ送り込み、同杭頭処理材7を膨脹させることによって杭頭部の不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cに水平方向の亀裂を生じさせ、同不良コンクリート部分Bを分割して除去する段階とから成る、スペーサ先付け・ジャッキ後付け工法であることを特徴とする。
杭鉄筋2のうち杭頭部に発生する不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cに、薄板を2枚重ねた薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された複数の杭頭処理材7をその入り口バルブ7aと共に、および薄板形状の複数の杭頭処理スペーサ17を、それぞれ杭主筋2aより外周のコンクリート被り部分の幅内へ水平に、且つ同コンクリート被り部分の円周を複数に分割した三日月形状として互い違いの配置に杭鉄筋2へ取り付けて設置し、更に前記杭頭処理材7および杭頭処理スペーサ17の位置より上方に立ち上がる杭主筋2aにコンクリートと縁切りする養生材6を取り付ける段階と、
前記杭鉄筋2を杭孔1の中へ建て込み、同杭孔1中へコンクリートを打設して場所打ちコンクリート杭3を構築する段階と、
打設したコンクリートが硬化した後に、杭頭部の少なくとも前記杭頭処理材7および杭頭処理スペーサ17が露出する位置まで地盤4の掘削を行う段階と、
前記薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された各杭頭処理材7…の入り口バルブ7aを杭体3から外へ引き出してこれに流体ポンプ10の配管8を接続し、前記ポンプ10を運転して高圧流体を杭頭処理材7へ送り込み、同杭頭処理材7を膨脹させることによって杭頭部の不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cに水平方向の亀裂を生じさせ、同不良コンクリート部分Bを分割して除去する段階とから成る、ジャッキ及びスペーサ先付け工法であることを特徴とする。
薄板を2枚重ねた薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された杭頭処理材7は、杭鉄筋2の各主筋2aの間隙から杭中心部に向かって延びる仕切板16を有することを特徴とする。
薄板を2枚重ねた薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された杭頭処理材7は、入り口バルブ7aを備え曲率半径を変更可能なヘッダーパイプ7bと、及び前記へッダーパイプ7bと各々連通する複数個の薄板形状ジャッキ7c…の集合体として構成されていることを特徴とする。
薄板形状の杭頭処理スペーサ17は、その外周辺から内周辺に向かって楔状に厚さが漸減する抜き勾配を有すると共に、その外周辺部には、コンクリートの打設時点までは杭体3内に向かって曲げることができ、打設したコンクリートが硬化した後には杭体3から外へ引き出すことが可能で、引き出し後には当該杭頭処理スペーサ17を杭体3から引き抜く作業に使用できる引張り片18を備えていることを特徴とする。
杭頭処理材7と杭頭処理スペーサ17は、杭頭部に発生する不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cのほか、同部位より上方の不良コンクリート部分の一乃至複数位置にそれぞれ略水平な配置に設置することを特徴とする。
請求項6に記載した杭頭処理材7は、三日月形状の曲率を可変に構成されているので、例えば通例900mm〜2000mm位の直径で実施される場所打ちコンクリート杭3への適用範囲を広範囲にできる。
請求項7の発明によれば、楔効果と、引張り片18の利用により、杭頭処理スペーサ17の引き抜き作業を容易に行える。
また、請求項8の発明のように杭頭処理材7や杭頭処理スペーサ17の設置を、不良コンクリート部分Bの長さの範囲内で多段に行えば、それだけ不良コンクリート部分Bの静的な破砕と除去処理を効率的に行うことが出来る。
図2は、請求項1に記載した発明の実施例として、上記のように杭孔1中へ打設したコンクリートが硬化した後に、杭頭部の不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cが露出する位置よりもなお、以下に説明する杭頭処理作業に必要とされる深さAまで地盤4の掘削を行い、前記不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cの杭体外周のコンクリート被り部分に、杭主筋2aを傷つけない深さまでほぼ水平な切り込み5を形成した段階を示している。前記切り込み5の形成は、例えばコンクリートカッター等を使用して行う。
ちなみに薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された杭頭処理材7は、一例として0.6mmの薄板を2枚重ねた程度(つまり、全厚で1.2mm程度)の厚さに構成されているので、上記したようにコンクリートカッター等を使用して形成した切り込み5の隙間中へも容易に押し込むことができる。場所打ちコンクリート杭3の杭主筋2a…より外周のコンクリート被り部分の厚さは、杭径の大きさによって多少異なるが、100mm前後である。従って、杭頭処理材7の幅寸もおよそ100mm程度に製作されている。
図6は、杭頭処理材7のジャッキ作用により杭頭部の不良コンクリート部分Bに亀裂を生じさせて破砕し除去する処理状況を少し誇張して示している。ジャッキによる静的な破砕であるから、勿論、振動や騒音は殆ど発生せず、環境に優しい工法である。杭頭処理材7は、送り込まれた高圧流体の圧力と受圧面積の積として大きなジャッキ能力を発揮するので処理能力と処理速度に優れた工法であり、工期の短縮を図れる。しかも、杭頭部の不良コンクリート部分Bに亀裂を生じさせ破砕し除去した後、杭頭処理材7と配管8及び環状のヘッダー9は全て回収し、次の杭頭処理に転用できるから、無駄な消費材を生じない、極めて経済的な工法でもある。
本発明は、上記請求項1の発明で必要であった、杭体外周のコンクリート被り部分に切り込み5を形成する工程を無用にする、ジャッキ先付け工法である。
本発明の場合は、杭鉄筋2を杭孔1中へ建て込む前の地上作業として、同杭鉄筋2のうち杭頭部に発生する不良コンクリート部分B(図2参照)の下限相当部位Cに、薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された杭頭処理材7を、杭主筋2aよりも外周のコンクリート被り部分へ略水平に、且つ同コンクリート被り部分の円周を複数に分割したに等しい形状、例えば図4のように4分割した三日月形状に構成したものを、予め杭鉄筋2へ取り付けて先付け設置する。
また、前記杭頭処理材7の位置よりも上方へ立ち上がる各杭主筋2aには、コンクリートと縁切りする養生材として上述したプラスチックチューブ6等を取り付けておく。要するに、図4の構成のうちで、流体ポンプ10の配管8及び環状のヘッダー9が無いだけの構成に準備する。
なお、クランプ12等に、予め離型剤を塗布するなどして、杭頭処理材7のジャッキ作用で不良コンクリート部分Bを破砕し除去する際の抵抗を可及的に軽減する処置を実施することが好ましい。
打設したコンクリートが硬化した後に、杭頭部の少なくとも前記杭頭処理材7が露出する位置まで地盤4の掘削を行うことは、上記実施例1と同じである。
かくして杭体表面へ露出することになった杭頭処理材7の入り口バルブ7aを杭体から掘り出すようにして外へ引き出し、これに図4及び図5に示すように流体ポンプ10の配管8やヘッダー9を接続し、流体ポンプ10を運転して高圧流体を杭頭処理材7へ送り込み、各杭頭処理材7を一様に膨脹させることにより、杭頭部の不良コンクリート部分Bの下限相当部位Cより上方部に亀裂を生じさせ、同不良コンクリート部分Bを破砕し除去することは、上記実施例1の方法と同様である。
要するに、本発明の方法は、ジャッキ先付け工法であるため、実施例1のように杭体外周のコンクリート被り部分に切り込み5を形成する工程が無用であり、切り込み5を形成する時間の節約、及び騒音の解消を達成できる。杭頭部の少なくとも前記杭頭処理材7が露出する位置まで地盤4の掘削を行うと、速やかに無振動、無騒音の杭頭処理を実行でき、工期の短縮化に利するところ大である。
本発明は、上記請求項2の発明で先付けした、薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された杭頭処理材7に代えて、同じく薄板形状に構成した杭頭処理スペーサ17を先付けする杭頭処理工法である。
本発明の場合は、上記実施例2と同様に、杭孔1へ建て込む前の杭鉄筋2についての地上作業として、同杭鉄筋2のうち杭頭部に発生する不良コンクリート部分Bの下限相当部位C(図2参照)に、上記杭頭処理材7と同様に薄板形状に製作された杭頭処理スペーサ17を、杭主筋2aより外周のコンクリート被り部分へ略水平に、且つ同コンクリート被り部分の円周を複数に分割したに等しい三日月形状として杭鉄筋2へ取り付けて先付け設置する。また、前記杭頭処理スペーサ17の位置よりも上方に立ち上がる各杭主筋2aにはコンクリートと縁切りする養生材として上記プラスチックチューブ6等を取り付けることは、上記実施例1、2と共通する。
この杭頭処理スペーサ17を杭主筋2aより外周のコンクリート被り部分へ略水平に、且つ同コンクリート被り部分の円周を複数に分割した配置(図8は4分割を示す。)に分配して杭鉄筋2へ取り付け先付け設置する手段としては、例えば上記杭頭処理材7を先付けする際に使用した図13に示すようなクランプ12を使用することができる。この場合、杭頭処理スペーサ17は、図9に示したように外方に向かって若干下る傾斜(傾斜角θ=1°〜2°位)を設定しておくのが杭頭処理に好都合である。
この発明は、上記請求項2の発明で先付けした、薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された杭頭処理材7、及び上記請求項3の発明で先付けした薄板形状に構成した杭頭処理スペーサ17(斜線を付した)をそれぞれ組み合わせて先付けする杭頭処理工法である。
図11に示したように、杭鉄筋2の地上作業として、同杭鉄筋2のうち杭頭部に発生する不良コンクリート部分Bの下限相当部位C(図2を参照)に、薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された杭頭処理材7および薄板形状の杭頭処理スペーサ17をそれぞれ、杭主筋2aより外周のコンクリート被り部分へ略水平に、且つ同コンクリート被り部分の円周を複数に分割したに等しい三日月形状とし互い違いの配置に杭鉄筋2へ取り付けて先付け設置する。前記杭頭処理材7および杭頭処理スペーサ17より上方に立ち上がる杭主筋2a…にコンクリートと縁切りする養生材として上記プラスチックチューブ6等を取り付けておく。そして、薄板形状の杭頭処理材7および杭頭処理スペーサ17を杭鉄筋2に取り付ける手段には、既に説明した図13のクランプ12を使用する方法などが実施される。
打設したコンクリートが硬化した後に、杭頭部の少なくとも前記杭頭処理材7および杭頭処理スペーサ17が露出する位置まで地盤4の掘削を行うことは、上記の各実施例と同じである。
請求項4に係る発明の場合は、露出した各杭頭処理材7の入り口バルブ7aを杭体3から掘り出すようにして外へ引き出し、これに流体ポンプ10の配管8を接続し、直ちに前記ポンプ10を運転して高圧流体を各杭頭処理材7へ送り込み、同杭頭処理材7を等しく膨脹させて杭頭部の不良コンクリート部分Bに亀裂を生じさせ、同不良コンクリート部分Bを破砕し除去することを特徴とする。要するに、杭頭処理スペーサ17が位置する部位は、場所打ちコンクリート杭3を構築した段階で、既にして杭体が分断されているので、残る部位の杭頭処理材7…を等しく膨脹させることにより、杭頭部の不良コンクリート部分Bは一気に、比較的小さなジャッキ能力で亀裂が入り、同不良コンクリート部分Bの破砕と除去を無振動、低騒音で効率よく迅速に進めることができる。
このように実施すると、杭頭処理材7による不良コンクリート部分Bの亀裂の発生や破砕、除去を複数箇所に分けて同時的に多段に行うことができるので、不良コンクリート部分Bの破砕はより効率的に細分化して行われ、後処理が容易になるからである。
2 杭鉄筋
3 場所打ちコンクリート杭
4 地盤
5 切り込み
2a 杭主筋
B 不良コンクリート部分
C 下限相当部位
6 養生材
7 杭頭処理材(ジャッキ)
7a 入り口バルブ
10 流体ポンプ
8 配管
17 杭頭処理スペーサ
16 仕切板
7b ヘッダーパイプ
7c 薄板形状ジャッキ
18 引張り片
Claims (8)
- 杭鉄筋のうち杭頭部に発生する不良コンクリート部分の下限相当部位より上方の各杭主筋にコンクリートと縁切りする養生材を取り付け、地盤に掘削した杭孔中へ前記の杭鉄筋を建て込み、同杭孔中へコンクリートを打設して場所打ちコンクリート杭を構築する段階と、
打設したコンクリートが硬化した後に、杭頭部の少なくとも不良コンクリート部分の下限相当部位が露出する位置まで地盤の掘削を行う段階と、
前記杭頭部の不良コンクリート部分の下限相当部位のえう杭体外周のコンクリート被り部分に、杭主筋を傷つけない深さまで水平な切り込みを全周にわたり形成する段階と、
薄板を2枚重ねた薄板形状で前記切り込みの幅寸相当幅の流体圧ジャッキとして構成され、且つ杭体のコンクリート被り部分に形成した前記切り込みの円周を複数に分割したに等しい三日月形状の複数の杭頭処理材を、前記切り込みの円周を複数に分割した配置で同切り込みの隙間へ押し込み、各杭頭処理材の入り口バルブを流体ポンプの配管と接続し、前記ポンプを運転して高圧流体を杭頭処理材へ送り込み、同杭頭処理材を膨脹させることにより前記切り込み部分に沿って水平方向の亀裂を生じさせ、同切り込み部分より上方の不良コンクリート部分を分割して除去する段階とから成ることを特徴とする、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法。 - 杭鉄筋のうち杭頭部に発生する不良コンクリート部分の下限相当部位に、薄板を2枚重ねた薄板形状で、且つ杭体のコンクリート被り部分の幅寸相当幅の三日月形状をなす流体圧ジャッキとして構成された複数の杭頭処理材をその入り口バルブと共に、杭主筋よりも外周のコンクリート被り部分の幅内へ水平に、且つ同コンクリート被り部分の円周を複数に分割した配置で杭鉄筋へ取り付けて設置し、前記杭頭処理材の位置より上方に立ち上がる杭主筋にコンクリートと縁切りする養生材を取り付ける段階と、
前記杭鉄筋を杭孔の中へ建て込み、同杭孔中へコンクリートを打設して場所打ちコンクリート杭を構築する段階と、
打設したコンクリートが硬化した後に、杭頭部の少なくとも前記杭頭処理材が露出する位置まで地盤の掘削を行う段階と、
前記薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された杭頭処理材の入り口バルブを杭体から外へ引き出してこれに流体ポンプの配管を接続し、前記ポンプを運転して高圧流体を杭頭処理材へ送り込み同杭頭処理材を膨脹させることによって杭頭部の不良コンクリート部分の下限相当部位に水平方向の亀裂を生じさせ、同不良コンクリート部分を分割して除去する段階とから成ることを特徴とする、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法。 - 杭鉄筋のうち杭頭部に発生する不良コンクリート部分の下限相当部位に、薄板形状で杭体のコンクリート被り部分の幅寸相当幅の三日月形状をなす複数の杭頭処理スペーサを、杭主筋より外周のコンクリート被り部分の幅内へ水平に、且つ同コンクリート被り部分の円周を複数に分割したに等しい配置で杭鉄筋へ取り付けて設置し、前記杭頭処理スペーサの位置より上方に立ち上がる杭主筋にコンクリートと縁切りする養生材を取り付ける段階と、
前記杭鉄筋を杭孔の中へ建て込み、同杭孔中へコンクリートを打設して場所打ちコンクリート杭を構築する段階と、
打設したコンクリートが硬化した後に、杭頭部の少なくとも前記杭頭処理スペーサが露出する位置まで地盤の掘削を行う段階と、
前記薄板形状の杭頭処理スペーサを杭体から引き抜き、その跡の隙間へ、薄板を2枚重ねた薄板形状の流体圧ジャッキとして同じ三日月形状に構成された杭頭処理材を押し込み、同杭頭処理材を流体ポンプの配管と接続し、前記ポンプを運転して高圧流体を杭頭処理材へ送り込み、同杭頭処理材を膨脹させることによって杭頭部の不良コンクリート部分の下限相当部位に水平方向の亀裂を生じさせ、同不良コンクリート部分を分割して除去する段階とから成ることを特徴とする、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法。 - 杭鉄筋のうち杭頭部に発生する不良コンクリート部分の下限相当部位に、薄板を2枚重ねた薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された複数の杭頭処理材をその入り口バルブと共に、および薄板形状の複数の杭頭処理スペーサを、それぞれ杭主筋より外周のコンクリート被り部分の幅内へ水平に、且つ同コンクリート被り部分の円周を複数に分割した三日月形状として互い違いの配置に杭鉄筋へ取り付けて設置し、更に前記杭頭処理材および杭頭処理スペーサの位置より上方に立ち上がる杭主筋にコンクリートと縁切りする養生材を取り付ける段階と、
前記杭鉄筋を杭孔の中へ建て込み、同杭孔中へコンクリートを打設して場所打ちコンクリート杭を構築する段階と、
打設したコンクリートが硬化した後に、杭頭部の少なくとも前記杭頭処理材および杭頭処理スペーサが露出する位置まで地盤の掘削を行う段階と、
前記薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された各杭頭処理材の入り口バルブを杭体から外へ引き出してこれに流体ポンプの配管を接続し、前記ポンプを運転して高圧流体を杭頭処理材へ送り込み、同杭頭処理材を膨脹させることによって杭頭部の不良コンクリート部分の下限相当部位に水平方向の亀裂を生じさせ、同不良コンクリート部分を分割して除去する段階とから成ることを特徴とする、場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法。 - 薄板を2枚重ねた薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された杭頭処理材は、杭鉄筋の各主筋の間隙から杭中心部に向かって延びる仕切板を有することを特徴とする、請求項2または4に記載した場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法。
- 薄板を2枚重ねた薄板形状の流体圧ジャッキとして構成された杭頭処理材は、入り口バルブを備え曲率半径を変更可能なヘッダーパイプと、及び前記へッダーパイプと各々連通する複数個の薄板形状ジャッキの集合体として構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法。
- 薄板形状の杭頭処理スペーサは、その外周辺から内周辺に向かって楔状に厚さが漸減する抜き勾配を有すると共に、その外周辺部には、コンクリートの打設時点までは杭体内に向かって曲げることができ、打設したコンクリートが硬化した後には杭体から外へ引き出すことが可能で、引き出し後には当該杭頭処理スペーサを杭体から引き抜く作業に使用できる引張り片を備えていることを特徴とする、請求項3または4に記載した場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法。
- 杭頭処理材と杭頭処理スペーサは、杭頭部に発生する不良コンクリート部分の下限相当部位のほか、同部位より上方の不良コンクリート部分の一乃至複数位置にそれぞれ水平な配置に設置することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一に記載した場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法。
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