JP4700766B2 - ガスチャージ容器、アトムプローブ装置、及び材料中の水素位置分析方法 - Google Patents

ガスチャージ容器、アトムプローブ装置、及び材料中の水素位置分析方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4700766B2
JP4700766B2 JP2010518036A JP2010518036A JP4700766B2 JP 4700766 B2 JP4700766 B2 JP 4700766B2 JP 2010518036 A JP2010518036 A JP 2010518036A JP 2010518036 A JP2010518036 A JP 2010518036A JP 4700766 B2 JP4700766 B2 JP 4700766B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
needle
shaped material
container
deuterium
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010518036A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009157475A1 (ja
Inventor
淳 高橋
和人 川上
治男 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2010518036A priority Critical patent/JP4700766B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4700766B2 publication Critical patent/JP4700766B2/ja
Publication of JPWO2009157475A1 publication Critical patent/JPWO2009157475A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N23/00Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
    • G01N23/22Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material
    • G01N23/225Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material using electron or ion
    • G01N23/2255Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material using electron or ion using incident ion beams, e.g. proton beams
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/20Means for supporting or positioning the objects or the material; Means for adjusting diaphragms or lenses associated with the support
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/26Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes
    • H01J37/285Emission microscopes, e.g. field-emission microscopes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/006Details of gas supplies, e.g. in an ion source, to a beam line, to a specimen or to a workpiece
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/20Positioning, supporting, modifying or maintaining the physical state of objects being observed or treated
    • H01J2237/2001Maintaining constant desired temperature

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Description

本発明は、ガスチャージ容器、アトムプローブ装置、及び材料中の水素位置分析方法に関する。本発明は、特に、試料の原子1個1個を直接測定することで、非常に微細な領域の原子構造を調べることができるアトムプローブ装置の機能を向上させる技術に関する。この技術によれば、従来では観察が困難であった、材料中における水素の存在位置の直接観察を可能とするので、耐水素脆化特性に優れた材料開発に大きく貢献することができる。
本願は、2008年6月24日に、日本国に出願された特願2008−164619号と、2009年5月12日に、日本国に出願された特願2009−115426号とに基づき優先権を主張し、これらの内容をここに援用する。
非特許文献1に紹介されているように、アトムプローブ装置は、試料の構成原子の空間位置及び元素種をナノメートル以下の高い空間分解能で測定することができ、例えば導電性材料の原子レベルでの組織解析に利用されている。アトムプローブ装置の原理は、針状に加工した導電性試料に対して高いDC電圧とパルス電圧を印加し、針表面に形成された高電界によって、試料表面原子を順次電界蒸発させ、発生したイオンを検出器で捕えて分析する。パルス電圧の代わりに、レーザーを照射することで電界蒸発を補助して非伝導材料を分析することも可能になってきている。蒸発したイオンが検出器に到達するまでの飛行時間は、イオンの質量によって決まるため、この計測から、元素種を割り出すことができる。
現在までに数種類のアトムプローブ装置が開発されている。それらの中で最も実用性の高い3次元アトムプローブ装置は、座標検出器によってイオンの到達座標を測定することにより、単に深さ方向におけるイオンの並びだけでなく、試料中における実際の3次元空間位置までを計測できる。通常は、10万原子以上収集した測定原子データセットに対し、針先の電界分布を考慮してイオンの飛行方向を計算することによって、試料中における3次元元素位置分布を格子面間隔レベルの空間分解能で可視化することができる。
ところで、鉄鋼材料中の水素は、水素割れ(遅れ破壊等)の原因となり、古くよりこの対策が求められてきた。鋼中に進入した水素は、鋼中で拡散し、特定箇所に移動及び集積し、原子間の結合力を弱めるなどして破壊の起点(クラック発生)になると考えられている。水素割れは鉄鋼だけでなく、多くの金属材料において問題となっている。鉄鋼材料中の水素は、鉄鋼材料の信頼性を決める上で非常に重要な元素であるにもかかわらず、それを直接観察で捕えることはできていなかった。これは、水素の拡散速度が非常に速く、また、固溶量も僅かであることに由来する。そのため、従来から鋼中の水素を観察するために、いろいろな方法や装置が開発されてきた。
現在、鋼中に存在(トラップ、固溶等)している水素量を調べる方法として最も利用されている方法が、昇温脱離法である。この昇温脱離法では、アルゴンガス中加熱抽出−ガスクロマトグラフ法(Thermal Desorption Analysis:TDA)と真空中加熱抽出−質量分析法(Thermal Desorption Spectrometry:TDS)との2種類が主に使われている。しかし、どちらの方法も、水素のトラップエネルギーと存在量は見積もれるが、直接的に水素の存在位置を調べることはできない。
非特許文献2には、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)によって、鉄鋼材料中の水素又は重水素を観察したことが報告されている。しかし、その空間分解能は2μm程度に留まっており、水素トラップ能力が高いと言われている0.1μm以下の微細析出物を含む鋼材において、どの部分に水素が存在しているかを調べることは不可能であった。
非特許文献3に記載のトリチウムラジオオートグラフィでは、トリチウムから発せられる放射線を用いて、鉄鋼材料の表面に塗布した乳剤や乾板上に銀を析出させるなどして、水素の存在位置に関する情報を得ることができる。
また、非特許文献4に記載されている水素マイクロプリント法では、鉄鋼材料の表面から放出される水素を、臭化銀との酸化還元反応によって、銀粒子として間接的に捕えることが可能である。
しかし、これらのいずれにおいても乳剤を用いるため、0.1μm以下の空間分解能はない。そのため、鉄鋼材料のどの部分に水素が存在しているかの判定はできなかった。
このような従来技術に対し、3次元アトムプローブ(3DAP)法は、高い空間分解能を有し、原理的に水素検出が可能であり、水素の存在位置検出の可能性があった。水素は拡散速度が非常に速いため、試料にチャージした水素が、チャージ後、室温に短時間保持していただけで、トラップサイトから抜け出し、試料の表面から抜け出す現象が起こる。3DAPでは、試料を100K以下に冷却して測定するため、トラップした水素の離脱を防ぐ点において有利である。しかし、事前に針状材料を加工し、この針状材料に水素をチャージしたとしても、3DAP装置に導入するまでの短時間の間にチャージした水素が拡散し、針状材料の表面から抜け出る現象が非常に短時間に起こる。そのため、分析を困難にしていた。
特許文献1には、材料欠陥をサブナノメーター(〜0.2nm)で検出する装置及び測定方法が開示されている。この方法では、3DAP法を用いる分析容器(分析チャンバー)内に重水素ガスを導入し、加熱した針状材料(試料)中に重水素をチャージし、これをアトムプローブで分析する。重水素ガスを使用する理由は、高真空排気した容器(チャンバー)内においても残留水素ガスが存在し、これがポストイオン化して検出されてしまい、試料内に存在する水素との区別がつかなくなるためである。しかし、重水素ガスを使用しても、分析前に容器内に重水素ガスを入れるため、真空排気しても重水素が残留し、水素と全く同様の現象、即ち、残留重水素がポストイオン化によって検出されてしまい、試料内にチャージされた重水素との区別が付かなくなってしまう。さらに、アトムプローブ測定には通常、100K以下の低温が必要であるが、通常の装置では試料をこの温度まで冷却するまでに20分以上の長い時間が必要になる。よって、冷却するまでの間にチャージした重水素が試料から逸脱してしまうこともあり、目的とする水素存在位置の観察は困難であった。
このような状況に鑑み、材料中の水素存在位置を原子レベルで測定できる新しい装置・方法が求められていた。
特開平9−152410号公報
日本鉄鋼協会、第53・54回白石記念講座「鉄鋼材料の進歩を支えるナノテクノロジー」テキスト 日本金属学会誌、第58巻、第12号 (1994) 1380−1385 CAMP−ISIJ, Vol.14 (2001) 645 CAMP−ISIJ, Vol.13 (2000) 1379−1381
チャージした重水素を試料外に逸脱させることなく、さらに試料のコンタミを防いでアトムプローブ測定を行うためには、装置内で重水素ガスをチャージし、チャージ後の試料からのチャージ重水素の逸脱を極力抑制する必要がある。
そこで、本発明は、材料中の水素の存在位置を原子レベルで測定してこれを材料設計に生かすためのアトムプローブ装置の機能向上を行うものである。すなわち、材料中の水素存在位置を測定に貢献するものとして、ガスチャージ容器、アトムプローブ装置、及び材料中の水素位置分析方法の提供を目的とする。
本発明者は、材料中にチャージした水素を原子レベルの位置分解能で測定するための装置及び方法を鋭意検討した。その結果、溶液中での電解チャージによって発生する針状材料の腐食や変質を避けるために、ガスチャージが好ましいと考えた。ガスの種類としては、水素の同位体が好ましいと考え、重水素ガスを用いる。そこで、アトムプローブ装置内にて、重水素ガスによってチャージする装置及び方法を提案する。さらに、針状材料へチャージされた重水素の逸脱を防止するために、チャージされた針状材料を急速冷却する装置及び方法を提案する。さらに、チャージした重水素を含む針状材料を低い温度の状態で、短時間に分析容器まで試料を汚すことなく移動させる装置及び方法を提案する。これらの装置と最適な使用方法との組み合わせによって、針状材料中の水素の存在位置を原子レベルの空間分解能で観察することが可能になる。
以上を考慮して、本発明では以下を採用した。
(1)本発明のガスチャージ容器は、針状材料を熱接触させて保持する試料ホルダーと;
前記試料ホルダーとともに前記針状材料を冷却する冷却手段と;
この試料ホルダーに保持された前記針状材料に重水素ガスをチャージする重水素ガス供給手段と;
前記針状材料に前記重水素ガスをチャージする際に、前記試料ホルダーに冷却状態で保持された前記針状材料の先端部を加熱するとともに当該加熱を遮断可能な加熱手段と;
を有し、
前記加熱手段により前記針状材料の先端部を加熱した後、この加熱手段による加熱を遮断することにより、前記針状材料の先端部前記冷却手段により冷却するように構成される。
(2)上記(1)に記載のガスチャージ容器では、前記加熱手段により前記針状材料を加熱した後、この加熱手段を前記試料ホルダーから遠ざけることにより、前記針状材料を冷却する構成を採用してもよい。
(3)上記(1)に記載のガスチャージ容器では、前記加熱手段が光学的加熱手段であり;この光学的加熱手段により前記針状材料を加熱した後、この光学的加熱手段を停止させることにより、前記針状材料を冷却する;構成を採用してもよい。
(4)上記(1)に記載のガスチャージ容器では、前記試料ホルダーに保持された前記針状材料を、前記加熱手段による加熱後の温度から10秒以内に−50℃以下に冷却する構成を採用してもよい。
(5)また、本発明のアトムプローブ装置は、上記(1)に記載のガスチャージ容器と;前記試料ホルダーに保持された前記針状材料に対してアトムプローブ測定を行う分析容器と;前記ガスチャージ容器から前記分析容器内の分析位置まで前記試料ホルダーを搬送する搬送手段と;を有する。
(6)また、本発明のアトムプローブ装置は、上記(1)に記載のガスチャージ容器と;前記試料ホルダーに保持された前記針状材料に対してアトムプローブ測定を行う分析容器と;これらガスチャージ容器及び分析容器間を連結するバルブと;を有する。
(7)また、本発明は、アトムプローブ装置を用いて材料中の水素位置を分析する方法であって、上記(1)に記載のガスチャージ容器内で、前記重水素ガス供給手段から供給される前記重水素ガスを含む雰囲気中にて、前記材料である前記針状材料を保持した前記試料ホルダーを−100℃以下に冷却する工程と;前記加熱手段により前記針状材料の温度を100℃以上に上昇させて保持する工程と;前記冷却手段によって前記針状材料を10秒以内に−50℃以下に冷却する工程と;前記ガスチャージ容器内を真空排気してから、前記針状材料を−50℃以下に保持した状態で、前記試料ホルダーを前記ガスチャージ容器内から前記分析容器まで前記搬送手段を用いて真空雰囲気中を運搬し、前記分析容器内の分析位置に前記試料ホルダーを設置する工程と;前記針状材料中の重水素のアトムプローブ測定を行う工程と;を有する。
本発明によれば、簡便かつ確実に材料へ重水素をチャージでき、材料中の重水素の拡散を抑制しながら迅速にアトムプローブ測定ができる。そのため、元素の構成から材料を調べることができるアトムプローブ装置の機能向上が実現し、鋼材をはじめとする材料中の水素存在位置を明らかにすることができる。よって、信頼性の確保された材料開発に大きく貢献する装置及び方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る3次元アトムプローブ装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る1次元アトムプローブ装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る他の3次元アトムプローブ装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るガスチャージ容器内の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るガスチャージ容器内の構成を示す図である。 針状材料の温度プロファイルを示すグラフである。 実施例2で測定した伸線パーライト鋼中の重水素の3DAPマップ(図中、小さい丸点が炭素原子位置を示し、大きな丸点が重水素原子位置を示す)である。 本発明の一実施形態に係るより好ましいアトムプローブ装置の構成図の一例である。 本発明の一実施形態に係るガスチャージ容器の構成図の一例である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一符号を付することにより、それらの重複説明を省略する。
本発明の基本的実施形態の一つは、針状材料を保持する試料ホルダーと、重水素ガス供給手段と、前記針状材料を加熱するための加熱手段と、前記試料ホルダーを冷却するための冷却手段と、を少なくとも有するガスチャージ容器から構成される。
また、本発明の基本的実施形態の他の一つは、アトムプローブ測定を行う分析容器と、前記ガスチャージ容器と、前記ガスチャージ容器から前記分析容器内の分析位置まで試料ホルダーを搬送する手段と、を少なくとも有するアトムプローブ装置から構成される。
さらに、本発明の基本的実施形態のさらに他の一つは、前記アトムプローブ装置を用いた水素位置の分析方法である。この水素位置の分析方法では、ガスチャージ容器内で、重水素ガス供給手段から供給される重水素ガスを含む雰囲気中にて、針状材料を保持した試料ホルダーを冷却手段によって−100℃以下に冷却した状態で、加熱手段により針状材料温度を100℃以上に上昇させ保持する。その後、針状材料を10秒以内に−50℃以下に急速冷却し、ガスチャージ容器内を真空排気してから、針状材料を−50℃以下に保持した状態で試料ホルダーをガスチャージ容器内から分析容器まで搬送手段を用いて真空雰囲気中を運搬する。そして、分析容器内の所定の分析位置に試料ホルダーを設置した後、材料中の重水素のアトムプローブ測定を行う。
本発明の材料中の水素存在位置を決定するアトムプローブ装置の例を、図1〜3に示す。また、図4、5には、ガスチャージ容器の構成の例を示す。本実施形態のアトムプローブ装置は、分析容器とは別体のガスチャージ容器内で重水素ガスを導入する手段と、針状材料を加熱する手段と、針状材料を急速冷却する手段と、冷却した状態の針状材料をガスチャージ容器から分析容器へと搬送する手段とを少なくとも有する。
図1は、本発明の一実施形態に係る3次元アトムプローブ装置の構成を示す図である。この3次元アトムプローブ装置は、分析容器101と;重水素ガス導入手段と、針状材料加熱手段と、針状材料109を急速冷却する手段を少なくとも有するガスチャージ容器103と;針状材料109を分析容器101に搬送する搬送手段111と;を少なくとも有する。なお、図1における符号108はFIMスクリーンを示す。
また、図2は、本発明の一実施形態に係る1次元アトムプローブ装置の構成を示す図である。この1次元アトムプローブ装置は、分析容器101と;重水素ガス導入手段と、針状材料加熱手段と、針状材料109を急速冷却する手段とを少なくとも有するガスチャージ容器103と、針状材料109を分析容器101に搬送する搬送手段111とを少なくとも有する。なお、図2における符号112は、プローブホール付FIMスクリーンを示す。
また、図3は、本発明の一実施形態に係る他の3次元アトムプローブ装置の構成を示す図である。この3次元アトムプローブ装置は、分析容器101と;重水素ガス導入手段と、針状材料加熱手段と、針状材料109を急速冷却する手段とを少なくとも有するガスチャージ容器103と;針状材料109を分析容器101に搬送する搬送手段111とを少なくとも有する。この図3に示す3次元アトムプローブ装置は、質量補正を行うリフレクトロン106を付属していない点において、図1に示した3次元アトムプローブ装置とは異なる。
針状材料109は、電解研磨等によって装置外で製作し、試料ホルダー118に取り付けた状態で試料導入容器104内に導入される。そして、試料導入容器104内及び試料保管容器102内を真空排気した後、トランスファーロッド111によって、試料保管容器102内に移動させて保管する。
そして、トランスファーロッド111によって試料保管容器102からガスチャージ容器103内にさらに移動することができ、ここで、所定の条件でガスチャージし、冷却することが可能である。さらに、試料保管容器102を経て分析容器101内の所定位置に移動することができる。各容器間にはバルブ105がそれぞれ設けられており、各容器内を個別に真空排気することができる。
分析容器101内の所定位置に針状材料109及び試料ホルダー118を配置し、針状材料109を冷却し、分析容器101内を高真空に保ち、針状材料109に高電圧を印加する。その結果、針状材料109の表面構成原子を個々、電界蒸発イオン化させることができる。通常は、正のDC電圧に正のパルス電圧を重畳させることによって、制御性良くイオン化できる。また、針状試料に正のDC電圧を印加し、針状試料の先に設けたリング状電極に負のパルスを印加することによっても制御性良くイオン化できる。3次元アトムプローブでは、飛行したイオンの飛行時間と検出器面の位置とを測定できる。また、1次元アトムプローブでは、飛行時間を測定することが可能である。図1〜図3に、イオンの飛行軌跡110を示す。図1及び図2のアトムプローブ装置では、質量分解能を向上させるために、飛行イオンを、リフレクトロン106を介して検出器で捕えるのに対し、図3のアトムプローブ装置では直接捕えている。
さらに図8は、針状材料109中の水素存在位置を測定するための、より好ましいアトムプローブ装置を示す。このアトムプローブ装置も、分析容器101とは異なるガスチャージ容器103内で、重水素ガスを導入する手段と、針状材料109を加熱する手段と、針状材料109を急速冷却する手段と、ガスチャージ容器103から分析容器101へ冷却した状態のまま針状材料109を搬送する手段とを少なくとも有する。なお、図8において、符号107は位置座標検出器を、符号108はFIMスクリーンを示す。
この図8に示すアトムプローブ装置は、図1〜図3に示したものとは異なり、ガスチャージ容器103がバルブ105を介して分析容器101の隣に配置されている。そのため、ガスチャージ容器103内で針状材料109に重水素をチャージした後、ガスチャージ容器103に接続したトランスファーロッド111により、いち早く、分析容器101に針状材料109を搬送し、冷却することが可能となる。図1〜図3に示したアトムプローブ装置では、針状材料109をガスチャージ容器103から、一旦、試料保管容器102に移動させた後、分析容器101に導入することになる。一方、図8のアトムプローブ装置では、この経路が省略される分だけ、針状材料109の移動に費やす時間が短くなり、チャージした重水素が針状材料109から逸脱するのを抑えることができる。なお、通常、アトムプローブ装置は水素分析のみに用いられるものではないが、図8のような構成の場合は、水素分析以外の分析には不都合となる。従って、アトムプローブ装置の構成を図8のような構成とするという発想は、通常はあり得ない。
図4及び図5は、図1〜図3に示したガスチャージ容器103内の詳細を示す図である。また、図9は、図8に示したガスチャージ容器103内の詳細を示す図である。
なお、ここで述べるアトムプローブ装置とは、1次元アトムプローブ装置、3次元アトムプローブ装置、さらには走査型アトムプローブ装置を含むものであり、原子間隔レベルの空間分解能を有する元素位置分析装置である。
以下に、各構成の詳細について説明する。
重水素を測定対象の針状材料109にチャージするためには、測定対象の針状材料109を収容したガスチャージ容器103内に重水素ガスを導入し、ガス圧力を上げ、針状材料109の温度を上昇させる必要がある。針状材料109の形状は、アトムプローブ分析を可能とするために針状となっている。重水素ガスのチャージを行うガスチャージ容器103は、実際にアトムプローブ分析を行う分析容器101とは別体である必要がある。これは、重水素のチャージと測定とを同一容器内で行う従来のアトムプローブ装置では、アトムプローブ測定時に、チャージされた試料(針状材料109)内の重水素と、容器内の残留重水素ガスが試料表面に(化学)吸着してイオン化(ポストイオン化)して検出される重水素と、の区別が難しくなるためである。重水素チャージにガスを用いる理由は、導入排気等の取り扱いが容易であることと、チャージ中の試料表面の腐食や変質を抑制できることとにある。
ガス圧力を加えるのは、試料(針状材料109)に衝突する重水素分子の頻度(試行回数)を高くして試料内への進入確率を上げるためである。また、試料の温度を上昇させるのは、衝突する重水素分子のエネルギーを大きくすることで、表面障壁を乗り越える確率を上げるためである。ガスチャージ容器103内の重水素分圧は、好ましくは10Torr(1.33×10Pa)以上、より好ましくは200Torr(2.67×10Pa)以上とするのがよい。ガスチャージ容器103内における重水素分圧の上限は特に指定しないが、通常の真空容器の場合では1500Torr(2.00×10Pa)が圧力強度の点から限度となる。もちろん、特殊圧力容器を用いてもっと高い圧力を用いてもかまわない。
試料温度は、100℃以上より好ましくは200℃以上が好ましい。一方で、試料温度が高過ぎる場合は、試料の組織が変化する虞がある。これを避けるための上限温度は試料の素材によって異なるが、通常は400℃程度である。また、保持時間は、針状材料109に重水素を十分にチャージさせるための時間であり、温度、圧力、材料によって異なるが、1分〜20分の間の範囲がこのましい。1分以内では、十分な量の重水素がチャージされず、また20分を超えると、重水素によるエッチング等の効果によって、試料の表面形状が変化する可能性がある。
重水素ガスは、ガスチャージ容器103を好ましくは1×10−7Torr(1.3×10−5Pa)以下に真空排気した後に導入する。その際の重水素ガスの導入圧力は、例えばガスチャージ容器103に取り付けた圧力計等で測定できる。水素の同位体(ここでは重水素)を使用する目的は、分析容器101内に存在する残留水素ガスのイオンとの区別を可能にするためである。そのため、特にガスチャージ容器103の雰囲気ガス圧における水素の分圧は、5%以下、より好ましくは1%以下とする必要がある。他のガス種類については、重水素ガスチャージの妨げにならなければ、多少存在しても良いが、試料表面への影響を防ぐことと、重水素ガスチャージの効率を上げるために、雰囲気ガス圧における重水素の分圧は、90%以上、より好ましくは98%以上とするのがよい。
針状材料109を所定温度に加熱保持する針状材料加熱手段としては、針状材料109を加熱できるものであれば良く、例えば、ガスチャージ容器103内に設置した針状材料109を覆う形状を有し、針状材料109との距離を変えることができる電気ヒーターが好ましい。針状材料109を覆う形状が好ましい理由は、針状材料109の先端部のみを有効に加熱できるためである。また、他の加熱手段としては、例えば、ガスチャージ容器103外に設置したレーザーやランプを、ガラス窓付フランジを通してガスチャージ容器103内の針状材料109に照射させることでも、針状材料109の加熱が可能である。
重水素チャージ中や冷却中の針状材料109の温度は直接測定することが難しい。そこで、例えば、実際の針状材料109を模倣した熱電対を作製し、試料ホルダー118に取り付け、事前に温度変化を計測しておく。そして、ヒーターの出力や経過時間や雰囲気圧力と温度との関係を調べ、実際の温度を予測することができる。また、針状材料109から少し離れた位置に熱電対を設置し、この温度をチャージ中や冷却中に計測することにより、実際の温度の予測精度を高めることもできる。
針状材料109を加熱後、急速冷却する機能は極めて重要である。重水素ガス雰囲気下にて針状材料109の温度を上げて針状材料109内に重水素をチャージ(吸収)させるが、その後の冷却時の冷却速度が遅い場合は、欠陥等のトラップサイトにある重水素がトラップサイトから抜け出して針状材料109から逸脱する。さらには、固溶しているものも、固溶限の低下によって針状材料109から逸脱してしまう。従って、高温で重水素をチャージした針状材料109を短時間で低い温度まで冷却する必要がある。しかし、高真空度を維持する装置内において、この機能を付与することは容易ではない。
針状材料109を急速冷却する冷却手段としては、例えば、ガスチャージ容器103外に取り付けた液体窒素容器からの液体窒素導入や、冷凍機(クライオスタット)121等が好ましい。コールドフィンガーを経て針状材料109まで熱接触させることで、針状材料109を冷却することが可能である。しかし、通常の使用では、短時間に試料温度を下げることが困難であるため、例えば、次の方法が好ましい。
すなわち、事前に針状材料109の試料ホルダー118を前記窒素デュア又は冷凍機121に熱接触させておき、重水素ガスを含む雰囲気中にて、試料ホルダー118を冷却手段によって、好ましくは−100℃以下、より好ましくは−150℃以下に冷却する。そして、この状態で、上記加熱手段によって、針状材料109の先端部のみを加熱して所定の温度に上昇させて保持する。その後、ヒーターを針状材料109から離すか、レーザーを止めることで、針状材料109を試料ホルダー118からの熱伝導によって10秒以内に−50℃以下、好ましくは−100℃以下に急速冷却することができる。
冷却に費やす時間は、短いほど好ましく、実際の装置内において、加熱した針状材料109を瞬時に冷却することは容易ではなく、実質的に10秒以内であれば、チャージした重水素の観察が可能となる。また、このときの冷却到達温度は、チャージした重水素が針状材料109中から逸脱しにくくするために低いほど好ましいが、冷却にかける時間を長くするとそれだけ逸脱する頻度が増加するため、これに要する時間は1分以内とするのが好ましい。
冷却した針状材料109を搬送する搬送手段は、重水素がチャージされた針状材料109をガスチャージ容器103から分析容器101まで試料ホルダー118ごと移動させるためのものである。この搬送手段による搬送は、チャージした重水素が針状材料109の表面から逸脱しないように、冷却した針状材料109の温度が上昇しない時間内で、しかも針状材料109の表面に汚れが付着しないように行う必要がある。例えば、試料ホルダー118に雄ねじを設け、移動用の治具に同じサイズの雌ねじを設けてここにねじ込むことによって、短時間に移動することが可能となる。試料ホルダー118の冷却後、分析容器101までの移動に費やす時間は、試料温度の上昇と試料表面の汚れとの観点から3分以内が好ましく、1分以内がより好ましい。また、例えば、移動手段としては、トランスファーロッドがある。
移動中の針状材料109の表面に汚れが付着しないようにするために、移動前の状態で、ガスチャージ容器103内の真空度を1×10−7Torr(1.3×10−5Pa)以下、試料保管容器102内の真空度を1×10−8Torr(1.3×10−6Pa)以下、分析容器101内の真空度を2×10−10Torr(2.6×10−8Pa)以下にすることが好ましい。これらの真空度が悪いと、針状材料109の表面にコンタミが付着し、アトムプローブ測定の際にこれを除去する必要が生じ、針状材料109の破壊やノイズの原因となり、チャージ重水素を捕えることが難しくなる。
アトムプローブ装置は、真空にしたガス分析容器101内にて、針状材料109を100K(−173℃)以下、より好ましくは60K(−213℃)以下に冷却して、針状材料109に高電圧を印加し、その針先端部に形成した高電界によって、針状材料109の表面の原子を電界イオン化し、表面電界によって加速したイオンを、検出器で測定する。1次元アトムプローブでは、飛行時間のみを計測し、3次元アトムプローブ及び走査型アトムプローブでは、飛行時間とイオン到達位置とを座標として計測する。
飛行時間は、イオンの質量電荷比によって決まるため、材料中に含まれる全ての元素種を決定することができる。原子の到達順に深さ位置を決め、検出器上の到達座標から、針状材料109の蒸発位置を決めることができる。10万原子以上の多数のイオンを計測し、例えば、POSAPやIVAS等の3次元構築ソフトウェアを用いてコンピューターで計算処理することで、目的とする3次元元素分布を得ることができる。この方法については、例えば、文献「ふぇらむ 4 (1999) 474−481」に詳しく述べられている。
図9は、図8のアトムプローブ装置のガスチャージ容器103の内部構造を示す模式図である。このガスチャージ容器103は、その内部を高真空排気し、液体窒素容器120に液体窒素を充填して冷却したコールドフィンガー119を試料ホルダー118に接触させることにより、針状材料109を冷却することができる。この状態で、ガスチャージ容器103に重水素ガスを導入し、加熱ヒーター115を針状材料109に近づけ、針状材料109の先端を局所的に加熱する。これにより、重水素を効率良く、針状材料109にチャージすることが可能となる。加熱ヒーター115を遠ざけることで、針状材料109を冷却することができる。さらに、ガスチャージ容器103内を真空排気後、直ぐにガス分析容器(分析チャンバー)101のバルブ105を開け、事前に冷却していたガス分析容器101内における針状材料109の固定位置まで針状材料109を移動させる(図8参照)。
ガス分析容器101内の雰囲気は熱容量が大きいため、針状材料109は直ぐに冷却される。なお、ガスチャージ容器103内における針状材料109の加熱方法は特に限定せず、ヒーター方式でもレーザー方式でもかまわない。また、ガス分析容器101内における針状材料109の冷却方法についても方法を特に限定しない。
本発明では、チャージガスとして水素の同位体の一つである重水素ガスを用いる。これは、高真空排気しても水素ガスは存在し、分析容器101内に存在する残留水素ガスのイオン化によって、区別が難しくなるためである。自然界の重水素の同位体比は水素の1/6600と少ないため、材料にチャージした重水素との区別が容易である。重水素は、水素の2倍の質量を有するが、化学特性、物理特性に大きな違いはなく、水素とほぼ同様の挙動を示すことから、水素存在位置の代用として有効である。したがって、ガスチャージ容器103に導入する雰囲気は、その雰囲気中に占める重水素の比率が高いほど好ましい。しかし、針状材料109に悪影響を及ぼさないガス種であれば、多少混在してもかまわない。
一方、水素の同位体のもう一つである3重水素(トリチウム)は、放射性元素であるため取り扱いが難しいものの、管理区域内であれば使用は可能であるため、本発明に含めるものとする。すなわち、本発明における「重水素」には、3重水素も含める。
針状材料109を固定する試料ホルダー118の素材としては、電気伝導性及び熱伝導性を有するステンレスや銅等が好ましい。また、試料ホルダー118に、これを移動用治具に取り付けるためのねじをその周囲に切っても良い。アトムプローブ測定に用いる針状材料109は、長さ5mm〜12mm程度で直径1mm以下であるため、例えば、直径1〜2mmの銅やニッケル等の金属性パイプに入れてさらにこの金属製パイプを圧着することで、固定することができる。そして、この金属製パイプを試料ホルダー118に差し込むことにより、針状材料109を試料ホルダー118に固定することが可能である。
また、本発明で分析対象とする材料は、鉄鋼やアルミニウム等、水素脆化が問題となる金属材料である。
針状材料109は、通常電解研磨法を用いて製作する。例えば、分析対象となる材料を0.3×0.3×10mmの棒状形状に加工し、これを、材料に合わせた電解液を用い、電解研磨加工によって、針先端の曲率半径が100nm以下の針状材料109に加工することができる。例えば、分析対象が鉄鋼材料の場合は、過塩素酸と酢酸の混合液や、過塩素酸とアルコールの混合液を用い、材料側に5V〜20Vの電圧を印加して加工できる。また、加工には、集束イオンビーム(FIB)を用いても良い。
このような方法で作製した針状材料109を、アルコール等で洗浄した後、上述の方法で試料ホルダー118に固定し、本発明の装置に導入する。通常は、試料導入容器104内を十分真空排気させた後、トランスファーロッド111等で、ガスチャージ容器103に移動する。ガスチャージ容器103内に重水素ガスを導入し、針状材料109の先端部の温度を上昇させることで、針状材料109内に重水素をチャージする。その後、針状材料109を急速冷却することで重水素を閉じ込める。そして、この針状材料109を冷却したままの状態で、分析容器101まで移動させ、所定の温度にてアトムプローブ分析を行う。分析結果を、専用ソフトウェアで3次元マップ化することより、重水素位置を原子間隔の空間分解能で可視化することができる。
以下、本発明の装置と従来の装置とを使用した実際例について説明する。
(実施例1)
重水素チャージ中の針状材料109の温度を調べるために、図4に示すガスチャージ容器103を用いて、実際の針状材料109及び試料ホルダー118に合わせて、試料ホルダー118から10mm離した位置に熱電対の先端を位置させるように、針状材料109を模擬した計測用の試料ホルダー118を準備し、温度計測を行った。図4に示したガスチャージ容器103内をポンプによって真空排気ライン117から2×10−8Torr(2.6×10−6Pa)に真空排気した。
この状態で、液体窒素を液体窒素容器120に注ぎ、コールドフィンガー119とそれに接触させている試料ホルダー118及び針状材料109を冷却した。冷却開始から約40分後、針状材料109の針先端の温度は−115℃となった。重水素ガス導入ライン116から重水素ガスを300Torr(3.99×10Pa)になるように導入し、針状材料ヒーター115を、針状材料109を覆うように近づけた。針状材料ヒーター115を加熱して3分で、針状材料109の針先端の温度を約230℃に上昇させ、この温度に10分間保持させた。針状材料ヒーター115を切ると同時に、針状材料ヒーター115を針状材料109から引き離し、温度変化を調べた。その結果を図6に黒丸で示す。針状材料109の針先端の温度は、230℃から−70℃まで10秒以内に急速に低下した。これは、試料ホルダー118及びコールドフィンガー119が十分に冷えている状態で針状材料109の針先端のみが加熱されていたため、熱容量の大きい試料ホルダー118への熱伝導によって前記針先端が急速に冷えたものと思われる。この方法によって、ガスチャージ容器103内での急速冷却が可能となった。加熱される部分は針状材料109の針先端のみであるため、雰囲気ガス圧には殆ど変化がなかった。また、この計測用に試料ホルダー118を用い、移動中における前記針先端の温度変化も調べたが、経由する試料保管容器102が1×10−8Torr(1.3×10−6Pa)の高真空度を維持し、しかも1分以内で移動するため、温度の上昇は+20℃に満たなかった。このような実験を基に、針状材料ヒーター115の出力、時間等から、実際の前記針先端の温度を推測することができた。なお、ガスチャージ容器103内の圧力は、圧力計126により測定し、バルブ105により調整した。これは、以下の実施例及び比較例についても同様である。
(比較例1)
実施例1と同様に、重水素チャージ中の針状材料109の温度を調べるため、図4に示したガスチャージ容器103を用いて実際の針状材料109及び試料ホルダー118に合わせて、試料ホルダー118から10mm離した位置に、熱電対が先端に配置された、針状材料109を模擬した計測用の試料ホルダー118を準備し、温度計測を行った。
図4に示したガスチャージ容器103内を、ポンプによって真空排気ライン117から真空排気した。試料ホルダー118を冷却せずに、重水素ガス導入ライン116から重水素ガスを290Torr(3.86×10Pa)の圧力になるように導入し、針状材料ヒーター115を、針状材料109を覆うように近づけた。針状材料ヒーター115を加熱し、3分で前記針先端の温度を約220℃に上昇させ、この温度に保持させた。針状材料ヒーター115を切ると同時に、針状材料ヒーター115を針状材料109から引き離した。さらに、液体窒素を液体窒素容器120に注ぎ、コールドフィンガー119とこれに接触させている試料ホルダー118及び針状材料109を冷却して、前記針先端の温度変化を調べた。結果を図6の白丸に示す。前記針先端の温度は、230℃から150℃まで急速に低下したが、その後の温度低下は非常に遅く、1分経過しても50℃程度であった。
(実施例2)
前記針先端の曲率半径を50nmに加工した伸線パーライト鋼からなる針状材料109を、図4に示すように試料ホルダー118に取り付けて、上記実施例1で使用した試料導入容器104内に導入した。そして、試料ホルダー118を、トランスファーロッド111を用いて、図4に示すガスチャージ容器103内に針状材料109と共に移動させ、針状材料ヒーター115を針状材料109の近傍に配置させた。
真空排気ライン117によってガスチャージ容器103内を2×10−8Torr(2.6×10−6Pa)の高真空に排気する。その後、試料ホルダー118に液体窒素を導入した液体窒素容器120のコールドフィンガー119を接触させ、試料ホルダー118を−180℃まで冷却した。この状態で、重水素ガス導入ライン116から重水素ガスを200Torr(2.66×10Pa)の圧力に至るまで導入し、針状材料109を覆う形状の針状材料ヒーター115により針状材料109の針先端の温度を210℃に上昇させ、5分間保持することで、針状材料109に重水素をチャージした。5分経過後、針状材料ヒーター115を止めるとともに、針状材料109の位置から離し、針状材料109の針先端の温度を10秒間で−100℃まで急速冷却した。
この低温状態で重水素ガスを2×10−8Torr(2.6×10−6Pa)まで真空排気した。そして、針状材料109を、トランスファーロッド111によって、ガスチャージ容器103から5×10−9Torr(6.5×10−7Pa)以下に高真空排気した試料保管容器102を経由して、ガス分析容器101内に移動させた。移動時の針状材料109の温度は−70℃以下を保っていた。分析容器101内の分析実施位置を予め冷凍機121にて−220℃に保持していたため、針状材料109の温度は3分間で−220℃に到達した。針状材料109に高電圧を印加し、針状材料109の針先端の表面に電界蒸発を起こし、図1に示した装置を用いアトムプローブ測定を行った。
測定条件は、パルス比20%、印加電圧DC10kV〜12kV、パルス電圧2kV〜2.4kVである。測定データをPOSAPソフトウェアによって解析し、質量電荷比スペクトルを求めた。分析容器101内の残留水素のイオン化による水素イオン(H)は、質量電荷比1のピークとして現れているのに対し、質量電荷比2には重水素イオン(D)のチャージ重水素のピークが現れた。これを基に、3次元元素マップを描いた結果を図7に示す。伸線加工したパーライト鋼中にチャージされた重水素原子が、セメンタイトラメラの界面位置近傍にて観察され(図7中、小さい丸点が炭素原子位置を示し、大きな丸点が重水素原子位置を示す)、針状材料109中の水素存在位置を原子レベルの空間分解能で可視化、観察することができた。
(実施例3)
前記針先端の曲率半径を60nmに加工した析出物分散鋼からなる針状材料109を試料ホルダー118に取り付けて、本発明の装置の試料導入容器104内に導入した。そして、試料ホルダー118を、トランスファーロッド111を用いて、図5に示すガスチャージ容器103内に針状材料109と共に移動させることで、針状材料109の加熱位置に針状材料109を配置した。
真空排気ライン117によってガスチャージ容器103内を高真空に排気した後、冷凍機121を稼動させて冷却したコールドフィンガー119に試料ホルダー118をねじ込み、試料ホルダー118を−200℃まで冷却した。
この状態で、重水素ガス導入ライン116から重水素ガスを600Torr(7.98×10Pa)まで導入し、ガスチャージ容器103外に置いた連続発振型のYAGレーザー122を起動させ、ミラー113、レンズ123、ガラス窓付きフランジ124を経てガスチャージ容器103内にレーザー光Lを取り込み、針状材料109の針先端に照射してこの針先端の温度を180℃に上昇させ、20分間保持することで、針状材料109に重水素をチャージした。到達温度については、実施例1で述べたように、計測用の熱電対付きの前記試料ホルダーを用いて事前に調べ、レーザー出力と時間との関係から割り出した。20分経過後、YAGレーザー122を止め、針状材料109の温度を10秒間で−150℃まで急速冷却させた。
この低温状態で、ガスチャージ容器103内の重水素ガスを真空排気し、トランスファーロッド111によって、ガスチャージ容器103から針状材料109を、試料保管容器102を経由してガス分析容器101に移動させた。移動時の針状材料109の温度は−100℃以下に保った。分析容器101内の分析位置は予め冷凍機121により−220℃に保持していたため、針状材料109の温度は3分間で−220℃に到達した。針状材料109に高電圧を印加し、針状材料109の針先端の表面に電界蒸発を起こし、アトムプローブ測定を行った。
測定条件は、パルス比20%、印加電圧DC12kV〜14kV、パルス電圧2.4kV〜2.8kVである。測定データをPOSAPソフトウェアによって解析し、質量電荷比スペクトルを求めた。質量電荷比2にはDのチャージ重水素のピークが明確に現れた。この分布位置を調べることにより、析出物の界面付近に重水素が濃化している様子が可視化された。
(比較例2)
前記針先端の曲率半径を46nmに加工した伸線パーライト鋼からなる針状材料109を試料ホルダーに取り付け、上記特許文献1に記載の装置を模したアトムプローブ装置のガス分析容器内の測定位置に取り付けた。
真空排気ラインによってガス分析容器内を高真空に排気した後、加熱ヒーターにて針状材料109の温度を200℃に上昇させた。この状態で、ガスラインから重水素ガスを300Torr(3.99×10Pa)の圧に至るまで導入し、10分間保持することで、針状材料109に重水素をチャージした。
この状態で加熱ヒーターを止め、冷凍機121を稼動させて針状材料109を冷却した、それと同時にガス分析容器内の重水素ガスを真空排気した。針状材料109の温度は40分間で−220℃に到達した。また、その時のガス分析容器内における残留ガス圧は3×10−10Torr(3.99×10−8Pa)であった。
この状態で、針状材料109に高電圧を印加し、針状材料109の針先端の表面に電界蒸発を起こし、アトムプローブ測定を行った。測定条件は、パルス比20%、印加電圧DC9kV〜12kV、パルス電圧1.8kV〜2.4kVであった。測定データをPOSAPソフトウェアによって解析し、質量電荷比スペクトルを求めた。重水素イオンに対応する質量電荷比2のピークが測定されたが、針状材料109中に偏りなく検出されていることから、この多くは、残留ガス中に存在した重水素が針状材料109の表面に吸着したものを測定したと推定された。結果として、この比較例2に係る装置では、目的とする材料中の重水素位置を調べることが困難であった。
(実施例4)
前記針先端の曲率半径を50nmに加工した析出物分散鋼からなる針状材料109を図8の試料ホルダー118に取り付けて、試料導入容器104に導入した。そして、試料ホルダー118を、トランスファーロッド111を用いて、図8および図9に示すガスチャージ容器103に針状材料109と共にを移動させ、針状材料ヒーター115を針状材料109の近傍に配置した。
真空排気ライン117を介してガスチャージ容器103内を2×10−8Torr(2.6×10−6Pa)の高真空に排気した。その後、試料ホルダー118に液体窒素を導入した液体窒素容器120のコールドフィンガー119を試料ホルダー118に接触させ、試料ホルダー118を−180℃まで冷却した。
この状態で、重水素ガス導入ライン116から重水素ガスをガスチャージ容器103内に300Torr(4.0×10Pa)に至るまで導入し、針状材料109を覆う形状の針状材料ヒーター115にて針状材料109の温度を180℃に上昇させ、10分間保持することで、針状材料109に重水素をチャージした。10分経過後、針状材料ヒーター115を止めて針状材料109から離し、液体窒素容器120に接続したコールドフィンガー119により針状材料109の温度を10秒間で−120℃まで急速冷却させた。
この低温状態で、ガスチャージ容器103内の重水素ガスを1×10−7Torr(1.3×10−5Pa)まで真空排気し、分析容器101とガスチャージ容器103との間のバルブ105を開け、トランスファーロッド111により、ガス分析容器101内に針状材料109を移動させた。チャージ終了後移動に要した時間は1分以内であった。移動時の針状材料温度は−100℃以下を保っていた。分析容器101内の分析位置は予め冷凍機121にて−220℃に保持されていたため、針状材料109の温度は、3分間で−220℃に到達した。針状材料109に高電圧を印加し、針状材料109の先端表面に電界蒸発を起こし、図1に示した測定装置と同じ測定装置を用いてアトムプローブ測定を行った。
測定条件は、パルス比20%、印加電圧DC7kV〜10kV、パルス電圧1.4kV〜2.0kVである。測定データをPOSAPソフトウェアによって解析し、質量電荷比スペクトルを求めた。分析容器101内の残留水素のイオン化による水素イオン(H)が質量電荷比1のピークとして現れているのに対し、質量電荷比2には重水素イオン(D)のチャージ重水素のピークが現れた。これを基に、3次元元素マップを描いた結果、微細な析出物界面付近にチャージした重水素が濃化しており、その重水素濃度は実施例3よりも高かった。これは、実施例3よりも針状材料109の移動時間が短いため、重水素の逸脱がより抑えられたことを示す。よって本発明により、針状材料中にチャージした重水素の水素存在位置を、原子レベルの空間分解能で可視化、観察することができた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例のみに限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範囲内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明によれば、簡便かつ確実に材料へ重水素をチャージでき、材料中の重水素の拡散を抑制しながら迅速にアトムプローブ測定ができる。そのため、元素の構成から材料を調べることができるアトムプローブ装置の機能向上が実現し、鋼材をはじめとする材料中の水素存在位置を明らかにすることができる。よって、信頼性の確保された材料開発に大きく貢献する装置及び方法を提供することができる。
101 分析容器(分析チャンバー)
102 試料保管容器(試料保管チャンバー)
103 ガスチャージ容器
104 試料導入容器
105 バルブ
106 リフレクトロン(エネルギー補償器)
107 位置座標検出器
108 FIMスクリーン
109 針状材料
110 イオン飛行軌跡
111 トランスファーロッド
112 プローブホール付FIMスクリーン
113 ミラー
114 イオン検出器
115 針状材料ヒーター
116 重水素ガス導入ライン
117 真空排気ライン
118 試料ホルダー
119 コールドフィンガー
120 液体窒素容器
121 冷凍機(クライオスタット)
122 YAGレーザー(レーザー発振器)
123 レンズ
124 ガラス窓付フランジ
125 レーザー光路
126 圧力計

Claims (7)

  1. 針状材料を熱接触させて保持する試料ホルダーと;
    前記試料ホルダーとともに前記針状材料を冷却する冷却手段と;
    この試料ホルダーに保持された前記針状材料に重水素ガスをチャージする重水素ガス供給手段と;
    前記針状材料に前記重水素ガスをチャージする際に、前記試料ホルダーに冷却状態で保持された前記針状材料の先端部を加熱するとともに当該加熱を遮断可能な加熱手段と;
    を有し、
    前記加熱手段により前記針状材料の先端部を加熱した後、この加熱手段による加熱を遮断することにより、前記針状材料の先端部前記冷却手段により冷却するように構成された
    ことを特徴とするガスチャージ容器。
  2. 前記加熱手段により前記針状材料を加熱した後、この加熱手段を前記試料ホルダーから遠ざけることにより、前記針状材料を冷却する
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスチャージ容器。
  3. 前記加熱手段が光学的加熱手段であり;
    この光学的加熱手段により前記針状材料を加熱した後、この光学的加熱手段を停止させることにより、前記針状材料を冷却する;
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスチャージ容器。
  4. 前記試料ホルダーに保持された前記針状材料を、前記加熱手段による加熱後の温度から10秒以内に−50℃以下に冷却する
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスチャージ容器。
  5. 請求項1に記載のガスチャージ容器と;
    前記試料ホルダーに保持された前記針状材料に対してアトムプローブ測定を行う分析容器と;
    前記ガスチャージ容器から前記分析容器内の分析位置まで前記試料ホルダーを搬送する搬送手段と;
    を有することを特徴とするアトムプローブ装置。
  6. 請求項1に記載のガスチャージ容器と;
    前記試料ホルダーに保持された前記針状材料に対してアトムプローブ測定を行う分析容器と;
    これらガスチャージ容器及び分析容器間を連結するバルブと;
    を有することを特徴とするアトムプローブ装置。
  7. アトムプローブ装置を用いて材料中の水素位置を分析する方法であって、
    請求項1に記載のガスチャージ容器内で、前記重水素ガス供給手段から供給される前記重水素ガスを含む雰囲気中にて、前記材料である前記針状材料を保持した前記試料ホルダーを−100℃以下に冷却する工程と;
    前記加熱手段により前記針状材料の温度を100℃以上に上昇させて保持する工程と;
    前記冷却手段によって前記針状材料を10秒以内に−50℃以下に冷却する工程と;
    前記ガスチャージ容器内を真空排気してから、前記針状材料を−50℃以下に保持した状態で、前記試料ホルダーを前記ガスチャージ容器内から前記分析容器まで前記搬送手段を用いて真空雰囲気中を運搬し、前記分析容器内の分析位置に前記試料ホルダーを設置する工程と;
    前記針状材料中の重水素のアトムプローブ測定を行う工程と;
    を有することを特徴とする、材料中の水素位置分析方法。
JP2010518036A 2008-06-24 2009-06-24 ガスチャージ容器、アトムプローブ装置、及び材料中の水素位置分析方法 Active JP4700766B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010518036A JP4700766B2 (ja) 2008-06-24 2009-06-24 ガスチャージ容器、アトムプローブ装置、及び材料中の水素位置分析方法

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008164619 2008-06-24
JP2008164619 2008-06-24
JP2009115426 2009-05-12
JP2009115426 2009-05-12
PCT/JP2009/061478 WO2009157475A1 (ja) 2008-06-24 2009-06-24 ガスチャージ容器、アトムプローブ装置、及び材料中の水素位置分析方法
JP2010518036A JP4700766B2 (ja) 2008-06-24 2009-06-24 ガスチャージ容器、アトムプローブ装置、及び材料中の水素位置分析方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4700766B2 true JP4700766B2 (ja) 2011-06-15
JPWO2009157475A1 JPWO2009157475A1 (ja) 2011-12-15

Family

ID=41444539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010518036A Active JP4700766B2 (ja) 2008-06-24 2009-06-24 ガスチャージ容器、アトムプローブ装置、及び材料中の水素位置分析方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US8567233B2 (ja)
EP (1) EP2302349B1 (ja)
JP (1) JP4700766B2 (ja)
KR (1) KR101264498B1 (ja)
CN (1) CN102066898B (ja)
AU (1) AU2009263350B2 (ja)
BR (1) BRPI0915188A2 (ja)
RU (1) RU2466376C2 (ja)
WO (1) WO2009157475A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3164880B1 (en) 2014-07-01 2019-12-04 Atomnaut Inc. Systems and methods for using multimodal imaging to determine structure and atomic composition of specimens
CN107607561A (zh) * 2017-10-17 2018-01-19 新余钢铁股份有限公司 一种储氢容器加工件氢缺陷的检测装置
CN111829841A (zh) * 2019-04-15 2020-10-27 台湾积体电路制造股份有限公司 针状样品、针状样品的分析以及制备方法
CN113092205A (zh) * 2021-03-30 2021-07-09 北京科技大学 一种检测金属中氢分布的简易氢微印方法
CN114152660A (zh) * 2021-12-08 2022-03-08 中国工程物理研究院材料研究所 一种金属材料不同深度氢及其同位素含量检测装置及方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5127716Y2 (ja) * 1971-10-29 1976-07-13
JPS48100577U (ja) * 1972-02-28 1973-11-27
SU1126846A1 (ru) * 1983-04-22 1984-11-30 Запорожский Ордена "Знак Почета" Машиностроительный Институт Им.В.Я.Чубаря Способ определени дефектов в соединении
US4716736A (en) * 1986-01-17 1988-01-05 Syracuse University Metal assisted carbon cold storage of hydrogen
JPH03101852U (ja) * 1990-01-31 1991-10-23
US5440124A (en) * 1994-07-08 1995-08-08 Wisconsin Alumni Research Foundation High mass resolution local-electrode atom probe
JPH09152410A (ja) * 1995-12-01 1997-06-10 Hitachi Ltd 欠陥検出装置及びその測定方法
JPH09196831A (ja) * 1996-01-19 1997-07-31 Hitachi Ltd 試料冷却観察装置
JPH10104141A (ja) 1996-08-06 1998-04-24 Sumitomo Metal Ind Ltd 試料の調製方法、試料の調製機構および分析装置
JP3553318B2 (ja) 1997-05-20 2004-08-11 日本電子株式会社 ホルダ保持装置
TR200201390T2 (tr) 1999-11-24 2002-09-23 The Procter & Gamble Company Bir maddenin aktarımı sırasında beslenen madde miktarının kontrol edilmesi için bir yöntem
JP2002033366A (ja) 2000-07-13 2002-01-31 Hitachi Ltd プローブユニットおよびそれを用いた試料操作装置
JP2003123682A (ja) 2001-10-18 2003-04-25 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子線装置
US6857293B2 (en) * 2001-12-20 2005-02-22 3M Innovative Properties Company Apparatus for selective photosensitization of optical fiber
JP3101852U (ja) 2003-07-31 2004-06-24 光子 狩野 組立て式太陽光の集熱教材
JP5169157B2 (ja) 2007-11-09 2013-03-27 東京電力株式会社 給湯システム

Also Published As

Publication number Publication date
AU2009263350A1 (en) 2009-12-30
US20110113858A1 (en) 2011-05-19
WO2009157475A1 (ja) 2009-12-30
KR101264498B1 (ko) 2013-05-14
CN102066898B (zh) 2013-04-17
EP2302349A1 (en) 2011-03-30
US8567233B2 (en) 2013-10-29
CN102066898A (zh) 2011-05-18
KR20110009245A (ko) 2011-01-27
EP2302349A4 (en) 2014-05-14
BRPI0915188A2 (pt) 2019-01-15
RU2466376C2 (ru) 2012-11-10
RU2010151790A (ru) 2012-07-27
EP2302349B1 (en) 2018-12-19
AU2009263350B2 (en) 2014-02-06
JPWO2009157475A1 (ja) 2011-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4700766B2 (ja) ガスチャージ容器、アトムプローブ装置、及び材料中の水素位置分析方法
US7482603B2 (en) Apparatus and method for specimen fabrication
CN104051206B (zh) 透射型靶、放射线产生管、放射线产生设备和放射线照相系统
EP1185857A2 (en) Method and apparatus for enhancing yield of secondary ions
Taylor et al. Materials analysis and particle probe: A compact diagnostic system for in situ analysis of plasma-facing components
Wolstenholme Auger electron spectroscopy: practical application to materials analysis and characterization of surfaces, interfaces, and thin films
JP2019145255A (ja) イオンの測定装置及びそれを用いた点欠陥の位置検出方法
US8541738B2 (en) Surface analyzer of object to be measured and analyzing method
US20090138995A1 (en) Atom probe component treatments
JPWO2017029754A1 (ja) イオンビーム装置、及び試料元素分析方法
Petit et al. Impact of deconditioning on the secondary electron yield of Cu surfaces in particle accelerators
JP6070383B2 (ja) 水素分布観察装置及び水素分布観察方法
JP4967830B2 (ja) 試料分析法および装置
JP5192411B2 (ja) イオンビーム加工装置及び試料加工方法
Hofmann et al. Practice of Surface and Interface Analysis with AES and XPS
JP2011034741A (ja) 気体分析装置及びそれを用いた検査装置
JP5381916B2 (ja) 集束イオンビームを用いる微細部位解析装置および集束イオンビームを用いる微細部位解析方法
JP2019045409A (ja) 試料解析方法
JP2009193668A (ja) 試料冷却装置およびそれを備えた電子線分析観察装置
Schamis et al. The ion-gas-neutral interactions with surfaces-2 (IGNIS-2) facility for the study of plasma–material interactions
Salou et al. An innovative experimental setup for the measurement of sputtering yield induced by keV energy ions
JP2004347566A (ja) Aes分析方法及び分析装置
Salou et al. New experimental setup for in situ measurement of slow ion induced sputtering
JP2011122989A (ja) 試料ホルダー
JP2007285796A (ja) オージェ分光分析用試料ホルダ

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110304

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4700766

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140311

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350