JP6070383B2 - 水素分布観察装置及び水素分布観察方法 - Google Patents

水素分布観察装置及び水素分布観察方法 Download PDF

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Description

本発明は、集束イオンビームを搭載した二次イオン質量分析装置を用いて、金属材料中の水素あるいは重水素の分布を観察するための装置及び方法に関する。
金属材料において、水素脆性は非常に重要な問題である。例えば、鉄鋼材料においては、材料中に含有される、あるいは、使用中に環境から材料内に進入する水素によって、溶接部の冷間割れや、高強度鋼の遅れ破壊等が引き起こされることがある。これは、鉄鋼材料中で水素が容易に拡散し、応力集中部に集積することで、亀裂が進行しやすくなることに由来すると考えられている。これを防ぐため、鉄鋼材料中に水素をトラップする能力を有する析出物や残留オーステナイト相等を含有させ、これらに水素をトラップすることで、拡散性水素量を低減させる対策が有効である。従って、耐水素脆性に優れた金属材料を開発するためには、金属材料の微視組織と水素の分布とを対応させ、より効率良く水素を捕捉するための材料組織を見出していく必要がある。
金属材料中の水素の分布を観察する手法として、非特許文献1に示すように、古くからトリチウム(3H)オートラジオグラフィが用いられてきた。この手法では、水素の代わりにトリチウムを試料に導入し、放射性元素であるトリチウムから放出されるβ線で試料表面に塗布した写真乳剤を感光させて現像、定着し、還元された銀粒子の分布を調べる。銀粒子の分布がトリチウムの分布に対応する。しかしながら、トリチウムオートラジオグラフィでは、人体に危険な放射性トリチウムを使用しなければならないことや、露光に時間を要すること等から、簡便に実験できるとは言い難い。
金属材料中の水素の分布を観察する他の手法として、水素マイクロプリント法が挙げられる。この手法は、試料の表面に臭化銀およびそれを保護するゼラチンを主成分とする乳剤を塗布し、試料の表面から放出される水素と臭化銀との化学反応により銀を生成させ、水素の放出箇所を銀粒子として可視化する手法である。この手法は安全であり、かつ、現像処理を必要としないので、簡便に実験できる利点がある。
特許文献1では、水素を添加した鉄鋼試料の表面に、水素原子の化学吸着エネルギーの大きい金属をめっきすることで、水素の検出効率を向上させ、0.05[mass-ppm]以下の極微量の水素の検出を可能としている。しかしながら、水素マイクロプリント法では、表面に拡散して臭化銀と反応する水素が間接的に観察されることになるため、実際には拡散パスを観察していることになる。したがって、水素のトラップサイトが必ずしも観察されないことがある。
一方、金属材料中の水素の分布を直接観察する手法として、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)が用いられている。この手法では、一次イオンビームを試料に照射し、試料表面から放出される二次イオンの質量分析を行うことで、元素分析を行う。非特許文献2には、SIMSを用いて、鉄鋼材料中における水素、並びに、水素のトレーサーとして添加した重水素の分布を観察した結果が報告されている。SIMSは、水素あるいは重水素の分布を直接的に観察できる利点を有する一方、超高真空チャンバー内で測定を行うため、真空予備排気に30分程度の時間を要し、その間に、試料表面から水素が放出されてしまうことが懸念される。また、非特許文献2で採用されているSIMSは、一次イオンビームのビーム径が2[μm]程度であるため、水素トラップ能を有する1[μm]未満の析出物や残留オーステナイトに水素がトラップされる様子を観察することが不可能である。
このように、鉄鋼材料中の1[μm]未満の微視組織や析出物と、水素あるいは重水素の分布と、を直接的に対応させるために、試料の表面からの水素の放出を抑制しつつ、空間分解能が1[μm]未満で水素あるいは重水素の位置を観察できる解析手法が望まれていた。
特開2006−258595号公報
J. P. Laurent and G. Lapasset : Int. J. Appl. Radiation, 24, 213 (1973). 高井健一、関純一、山内五郎、本間芳和:日本金属学会誌 第58巻 第12号(1994)1380.
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、金属材料中の水素あるいは重水素の分布を40[nm]以上1[μm]未満の空間分解能で観察できるようにすることを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決する手段を鋭意検討した結果、一次イオンビームにガリウム集束イオンビームを用いたSIMSによる分析を行うことで、金属材料中の水素あるいは重水素の分布を、空間分解能40[nm]以上1[μm]未満で観察可能であることを見出した。更に、水素あるいは重水素を添加した後、速やかに試料表面に金属めっき層を施し、試料が所定の温度になった後、金属めっき層を除去せしめ、もとの試料表面を露出させた後に、SIMSによる分析を行うことで、水素あるいは重水素が試料表面から散逸する量を低減することが可能であることを見出した。
本発明の趣旨とするところは、以下の通りである。
(1)試料を載置し、かつ、冷却する試料ステージと、
前記試料ステージが内部に設置されており、前記試料が前記試料ステージに載置された後に、内部の真空度が所定の真空度に保たれる高真空試料室と、
前記試料に照射する一次イオンビームとしてガリウムイオンビームを4[nm]以上1[μm]未満のビーム径に細束化することが可能な集束イオンビーム照射光学系と、
前記試料に前記一次イオンビームを照射することにより発生した二次イオンを前記高真空試料室の内部で取り込んで検出する質量分析計と、
を備える水素分布観察装置であって、
前記試料は、金属材料であり、
前記集束イオンビーム照射光学系は、前記高真空試料室の内部で、1[μm]未満のビーム径のガリウムイオンビームを前記試料に照射し、
前記質量分析計により検出された二次イオンに基づいて、40[nm]以上1[μm]未満の空間分解能で前記金属材料中の水素または重水素の分布を観察することを特徴とする水素分布観察装置。
(2)さらに、前記試料を加工するためのイオンビーム照射系またはレーザー光照射光学系を備え、
前記イオンビーム照射系は、前記高真空試料室の内部で、加工用のイオンビームを前記試料に照射し、
前記レーザー光照射光学系は、前記高真空試料室の内部で、加工用のレーザー光を前記試料に照射することを特徴とする(1)に記載の水素分布観察装置。
(3)試料を、高真空試料室の内部に設置された試料ステージ載置する工程と、
前記試料が前記試料ステージに載置された後に、前記試料を冷却する工程と、
前記試料が前記試料ステージに載置された後に、前記高真空試料室の内部を所定の真空度で真空に引く工程と、
一次イオンビームとしてガリウムイオンビームを4[nm]以上1[μm]未満のビーム径に細束化することが可能な集束イオンビーム照射光学系から、前記ガリウムイオンビームを前記試料に照射する工程と、
前記試料に前記一次イオンビームを照射することにより発生した二次イオンを質量分析計により前記真空の環境下で取り込んで検出する工程と、
を備える水素分布観察方法であって、
前記試料は、金属材料であり、
前記一次イオンビームであるガリウムイオンビームは、前記真空の環境下で、1[μm]未満のビーム径で前記試料に照射され、
前記質量分析計により検出された二次イオンに基づいて、40[nm]以上1[μm]未満の空間分解能で前記金属材料中の水素または重水素の分布を観察することを特徴とする水素分布観察方法
(4)さらに、前記高真空試料室の内部で、加工用のイオンビームまたは加工用のレーザー光を前記試料に照射して前記試料を加工する工程を備えることを特徴とする(3)に記載の水素分布観察方法。
(5)さらに、
前記試料ステージに前記試料である前記金属材料を載置する工程の前に、前記金属材料の表面に、水素の放出を防止するめっき層を形成する工程と、
前記表面にめっき層が形成された前記金属材料を所定の真空度で真空に引いた後に、前記めっき層を前記加工用のイオンビームまたは前記加工用のレーザー光を照射して削り、前記金属材料の表面を露出させる工程と、を備え、
前記一次イオンビームは、前記金属材料の表面が露出した後に照射されることを特徴とする(4)に記載の水素分布観察方法。
本発明によれば、金属材料中における水素あるいは重水素の分布の観察を高い空間分解能で行うことが可能となり、耐水素脆性に優れる金属材料の組織設計の指針を得るのに有効な知見が得られる。
SIMS分析装置の構成の一例を示す図である。 フェライト−マルテンサイト二相鋼中の重水素の分布の一例を示す図(写真)である。 図2のA−Bに沿った各位置における重水素の二次イオンの強度の一例を示す図である。 重水素の二次イオンの強度と試料の温度との関係の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
本発明は、集束イオンビームを搭載した二次イオン質量分析装置を用いた、金属材料中における水素あるいは重水素の分布の観察装置、及びその観察方法に関する。
二次イオン質量分析法では、分析対象となる試料に一次イオンビームを照射し、試料の表面からスパッタされる二次イオンを質量分析し、元素の同定を行う。1[μm]未満の高空間分解能で元素の分布を解析するには、一次イオンビームのビーム径(直径)を1[μm]未満にまで細束化する必要がある。一次イオンビームを細束化すると、分析体積が減少するため、二次イオンの発生量が減少し、十分な信号量(信号強度)が得られないことが懸念される。従って、ビームの輝度が高く細束化が可能な液体金属イオン源であるガリウムイオンビームが、一次イオンビームとして最適である。
ガリウムイオンビームでは、最小で10[nm]未満にまでビーム径を細束化することが可能である。例えば、30[kV]の加速電圧で4[nm]のビーム径が得られている。加速電圧とビームの収差との関係から、現状におけるビーム径の下限値は4[nm]である。前述したように、ビーム径が小さくなると(ビームを細束化すると)信号強度は小さくなる。一方で、最小ビーム径が小さいほどビーム電流が大きくなるので、ビーム径を広げたときの信号強度は大きくなる。そこで、本実施形態では、4[nm]以上1[μm]未満の範囲内のビーム径にガリウムイオンビームを細束化することが可能な集束イオンビーム照射光学系(装置)を採用し、信号強度が得られるビーム径の中から、1[μm]未満の範囲内で出来るだけ小さなビーム径(例えば4[nm]超の出来るだけ小さなビーム径)のガリウムイオンビームを発生させる。
一次イオンビームのビーム径を10[nm]未満に細束化しても、二次イオンのイメージング像では、空間分解能が一次イオンビームのビーム径より低下するので、二次イオンのイメージング像の空間分解能は、最小で40[nm]である。これは、試料や一次イオンビームのドリフト、イオンビームの照射による試料の表面荒れの進行、スパッタされた粒子の試料の表面への再付着等、が要因として考えられる。一方、一次イオンビームのビーム径が大きくなると、スパッタ速度が減少するので試料の表面荒れが抑制されることや、一次イオンビームのドリフトの影響が相対的に小さくなることから、一次イオンビームのビーム径が1[μm]程度になると、一次イオンビームのビーム径と、二次イオンのイメージング像の空間分解能は略等しくなると考えられる。
SIMSによる測定を行う雰囲気は、超高真空環境であることが求められる。ここで言う超高真空とは10-9[Pa]以上10-4[Pa]以下であればよい。これは、真空チャンバー内に残留する分子が、SIMSによる分析中に試料の表面に付着する、いわゆるコンタミネーションを避けるためである。真空度は高い方が好ましいが、10-9[Pa]未満の真空度を達成するには、真空引きに長時間が必要となり、現実的ではない。また、真空装置内の部品や表面仕上げに関して、残留ガスが付着しにくい材質・方法を採用する必要があり、高額な装置となってしまう。
二次イオンを検出する質量分析計は、飛行時間型や四重極型、磁場型、電場-磁場二重集束型が知られているが、水素あるいは重水素が検出されれば良く、これらの何れかに限定されるものではない。また、二次イオンのイメージング像は、例えば、質量分析計と同一のシステムとして質量分析計に接続されたコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ)が所定のプログラムを実行してディスプレイに表示させることにより得られる。
また、水素の分布あるいは重水素の分布を観察するには、水素あるいは重水素をチャージした金属試料を載置し、かつ冷却するための試料ステージが必要である。金属試料を冷却する目的は、金属試料中における水素あるいは重水素の拡散距離を、SIMSによる分析時の空間分解能未満に抑制するためである。ここでいうSIMSによる分析時の空間分解能とは、前述した40[nm]のことを指す。例えば、フェライト相を含有する鉄鋼材料においては、冷却温度を100[mK]以上20[K]未満にすれば、水素あるいは重水素の拡散距離は、SIMSによる分析時の空間分解能である40[nm]未満となる。
また、体心立方構造を有するフェライト相においては、転位や不純物の影響が無い正規格子中の拡散係数を用いると、常温で1分間保持した程度で水素は約800[μm]も拡散可能である。これでは、金属試料の表面からの水素の散逸が進行し、しばらくすると水素が観察されなくなってしまう。散逸されないうちに水素を観察できたとしても、金属試料の表面において、分析中に金属試料の内部から表面へ拡散してきた水素をも観察することになり、水素の濃度を解析することが出来ない。従って、金属試料の冷却は必須であると言える。なお、ここでは、拡散距離を、拡散係数と時間との積の平方根として計算した。
フェライト相において、水素の拡散距離を、SIMSによる分析時の空間分解能未満に限定するには、前述したとおり、冷却温度を20[K]まで冷却する必要がある。一方、面心立方構造を有するオーステナイト相において、1分間の保持したときの水素の拡散距離を、SIMSによる分析時の空間分解能未満に抑制するためには、冷却温度を100[mK]以上約273[K]以下にする必要がある。試料を冷却するには、液体窒素や液体ヘリウムを利用した冷凍機等を用い、当該冷凍機とSIMS分析装置内の試料ステージとを、銅やステンレス鋼などの熱伝導に優れる金属で相互に接続させればよい。もちろん、水素の拡散を抑制するには、金属試料の冷却温度は低いほど好ましいが、液体ヘリウムフロー式の冷凍機を用いても、100[mK]未満の温度まで冷却するのは現実的に困難である。
本実施形態では、試料を試料ステージに取り付けた後に、試料の冷却と真空引きを行う。試料の冷却と真空引きはどちらを先に行ってもよい。
ところが、水素あるいは重水素を金属試料にチャージした後、SIMS分析装置の真空チャンバー内で冷却を開始するまでに、常温で一定時間放置される。このため、この間に金属試料から水素あるいは重水素が散逸してしまう。ここで言う一定時間とは、真空チャンバーの予備排気や試料ステージへの金属試料の取り付け等に要する時間であり、30分〜1時間程度である。チャージ後の水素あるいは重水素を金属試料内に閉じ込めておくためには、金属試料の表面にめっき処理を施せばよい。
水素あるいは重水素のチャージは公知の方法で行えばよく、特に限定されるものではない。例えば、電解陰極チャージ法、水素ガス雰囲気に金属試料を曝すことでチャージする方法、酸浸漬法、のいずれでもよい。
また、めっき処理も公知の方法で行えばよく、特に限定されるものではない。例えば、水素あるいは重水素チャージを施す金属試料よりも、水素の拡散係数が小さい金属層を金属試料の表面にめっきすればよい。鉄鋼試料の場合は、カドミウム、ニッケル、亜鉛等がめっき層として適し、電気めっきを施せばよい。水素あるいは重水素のチャージ後、速やかにめっき処理を施すことで、SIMS分析装置の真空チャンバー内で冷却するまでの間、水素の散逸量を抑制することが可能となる。めっき層の厚みは、水素が透過する虞があるような極端に薄いもの(例えば10[nm]のレベル)でなければ、特に限定されるものではない。
めっき層を施した場合には、金属試料の冷却と真空引きとを行った後、SIMSによる分析を行う前にめっき層を除去する必要がある。この目的で、めっき層を真空チャンバー内で加工し、取り除くためのイオンビーム装置あるいはレーザー装置を用いることが必要である。加工用のイオンビーム装置は、特に限定されないが、ガリウムイオンビーム、ビスマスイオンビーム、キセノンイオンビームなど、スパッタ収率が大きいイオン種のイオンビームを照射する装置であれば加工時間が短くて済むため、好ましい。レーザー装置も種類は特に限定されないが、レーザー加工によって、加工部が発熱することが想定される。このような熱影響部は、加工用のイオンビームによって取り除けばよい。めっき層が除去された後は、下地の金属材料の表面が露出した個所を、SIMSにより分析すれば、水素あるいは重水素の分布の解析が可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら制限されるものではない。
本実施例で使用するSIMS分析装置(水素分布観察装置)の構成を図1に示す。尚、表記の都合上、図1では、構成を省略化又は簡略化して示している。
図1において、SIMS分析装置は、試料を冷却するための試料ステージ4と、一次イオンビーム源としてガリウムイオンビームを用いた集束イオンビーム照射光学系2と、加工用イオンビーム照射光学系(又は加工用レーザー光照射光学系)3と、飛行時間型質量分析計1と、を備えた二次イオン質量分析装置と、冷却容器5と、超高真空試料室6(真空チャンバー)と、を備えている。
一次イオンビーム源(集束イオンビーム照射光学系2)は、液体金属ガリウムイオンビーム源(株式会社エー・アンド・デイ製、型式名FIB30)とした。二次イオン質量分析計1は、リフレクトロンタイプの飛行時間型質量分析計(株式会社トヤマ製、型式名KNTOF-1800)とした。加工用のイオンビーム源(加工用イオンビーム照射光学系3)は、ガリウム(Ga)イオンビーム源(株式会社エー・アンド・デイ製、型式名FIB30)とした。集束イオンビーム照射光学系2、及び加工用イオンビーム照射光学系3は、超高真空試料室6の内部でイオンビームを照射できるように、一部が超高真空試料室6の内部に位置するように設置される。また、二次イオン質量分析計1は、超高真空試料室6の内部で二次イオンを取り込めるように、一部が超高真空試料室6の内部に位置するように設置される。また、加工用のイオンビーム源の代わりに、加工用のレーザー源を用いたものも用意した。加工用のレーザー源は、ファイバーレーザー源(IPGフォトニクス株式会社製ファイバーレーザー、型式名YLP-1-100-20-20))とした。
超高真空試料室6の内部に設置された試料ステージ4は、超高真空試料室6の外部に設置された冷却容器5と銅配管を通じて繋がっており、冷却容器5中に液体窒素あるいは液体ヘリウムを満たすことによって、試料ステージ4、並びに、試料自身を冷却することが可能なよう設計した。
超高真空試料室6の内部の真空度は、5×10-6[Pa]とした。
[実験No.1〜6]
実験No.1〜6では、めっき処理を施さずに重水素の分布の観察を試みた。
重水素のチャージには電解陰極チャージ法を用いた。3%塩化ナトリウムを含有する重水に、重水素のチャージを促進するためのチオシアン酸アンモニウムを3[g/L]添加した。この溶液中にフェライト−マルテンサイト二相鋼を浸漬し、陰極とした。対極を白金とし、0.1[mA/cm2]の電流密度で定電流電解により、重水素をフェライト−マルテンサイト二相鋼中に48時間チャージした。重水素のチャージの後、試料の表面をバフ研磨し、続いて、重水素の分布をSIMSにより分析した。SIMSによる分析時のGaイオンビームの照射条件を変更し、重水素の分布のイメージングの空間分解能を評価した。尚、試料の温度は室温とした。得られた重水素マップの一例を図2に示す。図2に示す通り、マルテンサイト相に重水素が分布する様子を捉えることに成功した。図2において、色が明るいほど、重水素二次イオンの強度が大きいことを示している。
Gaイオンビームの照射条件を変更し、それぞれの照射条件で、Gaイオンビームのビーム径と、イメージングの空間分解能とを求めた。Gaイオンビームのビーム径は、銅メッシュを用いたナイフエッジ法により評価した。イメージングの空間分解能の評価は、フェライトとマルテンサイトとの界面において、重水素の二次イオンの強度が変化する幅から求めた。すなわち、図2において、重水素の二次イオンの強度のA−B間の線分析を行い、図2のA−B線に沿った重水素の二次イオンの強度を求めると、図3のようになり、図3において、重水素二次イオンの強度が立ち上がる個所、つまり図3の破線で挟まれる箇所で、最大値の16[%]から84[%]までの強度変化を与える位置(最大値の84[%]の強度を与える点301と、最大値の16[%]の強度を与える点302を参照)の間の距離をイメージングの空間分解能(図3の両矢印線で示している範囲を参照)とした。
イメージングの空間分解能を調べた結果を表1に示す。イメージングの空間分解能が1[μm]未満であれば「○」、1[μm]超であれば「×」で評価した。実用金属材料において、1[μm]未満の析出物が水素を捕捉するとされており、これを観察することができる空間分解能として、1[μm]を基準としている。表1に示す通り、測定条件によって、イメージングの空間分解能を1[μm]未満に設定することが可能で、かつ、重水素が十分な強度で検出されることが明らかとなった。尚、表1において、実験No.1では、重水素の二次イオンの強度が得られなかった。
[実験No.7]
実験No.7では、めっき処理を施して重水素の分布の観察を試みた。
重水素のチャージには電解陰極チャージ法を用いた。3%塩化ナトリウムを含有する重水に、重水素のチャージを促進するためのチオシアン酸アンモニウムを3[g/L]添加した。この溶液中にフェライト−マルテンサイト二相鋼を浸漬し、陰極とした。対極を白金とし、0.1[mA/cm2]の電流密度で定電流電解により、重水素をフェライト−マルテ
ンサイト二相鋼中に48時間チャージした。重水素のチャージの後、速やかにNiを電気めっきした。めっき層の厚みは10[μm]とした。その後、SIMS測定チャンバー(超高真空試料室6)の内部に試料を設置し、液体窒素、液体ヘリウムを用いて、試料を冷却した。ここでは、試料の冷却温度を100[mK]〜300[K]として、めっき層を除去した。具体的に、100[mK]、30[K]、40[K]、50[K]、100[K]、200[K]、300[K]のそれぞれの冷却温度において、めっき層を加工用のイオンビーム(或いはレーザビーム)を用いて除去した。レーザー加工部の熱影響部については、Gaイオンビームにより除去した。
続いて、めっき層を除去することにより露出した鋼の表面を、試料の冷却温度を100[mK]〜300[K]として、SIMSによる測定に供した。具体的に、100[mK]、30[K]、40[K]、50[K]、100[K]、200[K]、300[K]のそれぞれの冷却温度において、めっき層を除去することにより露出した鋼の表面を、SIMSによる測定に供した。SIMSによる測定に際し、Gaイオンビームの加速電圧を30[kV]とし、ビーム電流を1.5[nA]とした。
実験No.7の結果は、実験No.8の結果と合わせて、図4中に示しているが、結果の説明は後述する。
[実験No.8]
実験No.8では、めっき処理を施さずに重水素の分布の観察を試みた。めっき処理を施していないことの他は、実験No.7と実験No.8は同じ条件で行ったものである。
すなわち、重水素のチャージには電解陰極チャージ法を用いた。3%塩化ナトリウムを含有する重水に、重水素のチャージを促進するためのチオシアン酸アンモニウムを3[g/L]添加した。この溶液中にフェライト−マルテンサイト二相鋼を浸漬し、陰極とした。対極を白金とし、0.1[mA/cm2]の電流密度で定電流電解により、重水素をフェライト−マルテンサイト二相鋼中に48時間チャージした。重水素チャージの後、めっきを施さずに、SIMS測定チャンバー(超高真空試料室6)の内部に試料を設置し、液体窒素、液体ヘリウムを用いて、試料を冷却した。ここでは、試料の冷却温度を100[mK]〜300[K]として、SIMSによる測定に供した。具体的に、100[mK]、30[K]、40[K]、50[K]、100[K]、200[K]、300[K]のそれぞれの冷却温度において、試料の表面をSIMSによる測定に供した。SIMSによる測定に際し、Gaイオンビームの加速電圧を30[kV]とし、ビーム電流を1.5[nA]とした。
実験No.7及びNo.8に関して、フェライトとマルテンサイトとの界面における重水素二次イオンの強度と温度との関係をプロットした(図4)。試料を冷却することによって、重水素の二次イオンの強度が増大することが分かる。これは、試料の冷却に伴い、試料中の重水素の拡散が抑制され、フェライトとマルテンサイトとの界面から粒内部へ重水素が拡散する量が抑制されることによって、フェライトとマルテンサイトとの界面での重水素の二次イオンの強度が減少せずに済んだものと予想される。従って、試料を冷却することによって、真の重水素の分布を解析することが可能であることが示された。
また、図4において、実験No.7の方が、実験No.8よりも重水素二次イオン強度が大きかったことから、めっき層を施した後、冷却し、その後、めっき層を除去して分析する方が、重水素の散逸量を抑制して分析できることが明らかとなった。このように、重水素チャージの後、速やかにめっき処理を施す方が、重水素二次イオンの強度を大きく得る意味で、より好ましいことが明らかとなった。
[実験No.9〜14]
実験No.9〜14では、めっき処理を施さずに水素の分布の観察を試みた。実験No.9〜14は、実験No.1〜6に対応するものである。
水素のチャージには電解陰極チャージ法を用いた。3%塩化ナトリウムを含有する水溶液に、水素のチャージを促進するためのチオシアン酸アンモニウムを3[g/L]添加した。この溶液中にフェライト−マルテンサイト二相鋼を浸漬し、陰極とした。対極を白金とし、0.1[mA/cm2]の電流密度で定電流電解により、水素をフェライト−マルテンサイト二相鋼中に48時間チャージした。水素のチャージの後、試料表面をバフ研磨し、続いて、水素の分布をSIMSにより分析した。SIMSによる分析時のGaイオンビームの照射条件を変更し、水素の分布のイメージング空間分解能を評価した。尚、試料の温度は室温とした。
Gaイオンビーム径やイメージングの空間分解能の評価は、実験No.1〜6と同じ手順で実施した。その結果を表2に示す。尚、表2において、実験No.9では、水素の二次イオンの強度が得られるものの、バックグランドが大きく、正しい水素の分布が得られなかった。
水素は、元来、金属表面上に付着する炭化水素系のコンタミネーションや自然酸化膜に含まれ、また、SIMS超高真空装置(超高真空試料室6)内に水素分子が残留していることから、SIMSによる分析時のバックグラウンドが大きい。チャージした水素の分布を正しく得るためには、水素の二次イオンの強度としてバックグラウンドを上回る強度を得る必要がある。Gaイオンビームの加速電圧が30[kV]である場合に、このような水素の二次イオンの強度を得るためには、Gaイオンビームの照射電流値が10[pA]以上であることが必要であることが分かった。このことは、重水素についいても同様である。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 二次イオン質量分析装置
2 集束イオンビーム照射光学系
3 加工用のイオンビーム照射光学系(加工用レーザー光照射光学系)
4 試料ステージ
5 冷媒容器
6 超高真空試料室

Claims (5)

  1. 試料を載置し、かつ、冷却する試料ステージと、
    前記試料ステージが内部に設置されており、前記試料が前記試料ステージに載置された後に、内部の真空度が所定の真空度に保たれる高真空試料室と、
    前記試料に照射する一次イオンビームとしてガリウムイオンビームを4[nm]以上1[μm]未満のビーム径に細束化することが可能な集束イオンビーム照射光学系と、
    前記試料に前記一次イオンビームを照射することにより発生した二次イオンを前記高真空試料室の内部で取り込んで検出する質量分析計と、
    を備える水素分布観察装置であって、
    前記試料は、金属材料であり、
    前記集束イオンビーム照射光学系は、前記高真空試料室の内部で、1[μm]未満のビーム径のガリウムイオンビームを前記試料に照射し、
    前記質量分析計により検出された二次イオンに基づいて、40[nm]以上1[μm]未満の空間分解能で前記金属材料中の水素または重水素の分布を観察することを特徴とする水素分布観察装置。
  2. さらに、前記試料を加工するためのイオンビーム照射系またはレーザー光照射光学系を備え、
    前記イオンビーム照射系は、前記高真空試料室の内部で、加工用のイオンビームを前記試料に照射し、
    前記レーザー光照射光学系は、前記高真空試料室の内部で、加工用のレーザー光を前記試料に照射することを特徴とする請求項1に記載の水素分布観察装置。
  3. 試料を、高真空試料室の内部に設置された試料ステージ載置する工程と、
    前記試料が前記試料ステージに載置された後に、前記試料を冷却する工程と、
    前記試料が前記試料ステージに載置された後に、前記高真空試料室の内部を所定の真空度で真空に引く工程と、
    一次イオンビームとしてガリウムイオンビームを4[nm]以上1[μm]未満のビーム径に細束化することが可能な集束イオンビーム照射光学系から、前記ガリウムイオンビームを前記試料に照射する工程と、
    前記試料に前記一次イオンビームを照射することにより発生した二次イオンを質量分析計により前記真空の環境下で取り込んで検出する工程と、
    を備える水素分布観察方法であって、
    前記試料は、金属材料であり、
    前記一次イオンビームであるガリウムイオンビームは、前記真空の環境下で、1[μm]未満のビーム径で前記試料に照射され、
    前記質量分析計により検出された二次イオンに基づいて、40[nm]以上1[μm]未満の空間分解能で前記金属材料中の水素または重水素の分布を観察することを特徴とする水素分布観察方法。
  4. さらに、前記高真空試料室の内部で、加工用のイオンビームまたは加工用のレーザー光を前記試料に照射して前記試料を加工する工程を備えることを特徴とする請求項3に記載の水素分布観察方法。
  5. さらに、
    前記試料ステージに前記試料である前記金属材料を載置する工程の前に、前記金属材料の表面に、水素の放出を防止するめっき層を形成する工程と、
    前記表面にめっき層が形成された前記金属材料を所定の真空度で真空に引いた後に、前記めっき層を前記加工用のイオンビームまたは前記加工用のレーザー光を照射して削り、前記金属材料の表面を露出させる工程と、を備え、
    前記一次イオンビームは、前記金属材料の表面が露出した後に照射されることを特徴とする請求項4に記載の水素分布観察方法。
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