JP4700706B2 - 真空成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、真空チャンバー内に収容された被成膜体に成膜物質を被覆して薄膜を形成する真空成膜装置に関するものである。
このような真空成膜装置として、本発明の発明者等は、例えば特許文献1において真空チャンバーの側壁に、この真空チャンバー内を減圧する真空排気ポンプに連通させられる複数の排気口を、上下左右に互い違いになるように設けたものを提案している。このような真空成膜装置によれば、真空チャンバー内の鉛直方向および水平方向の均一な排気が可能となって、成膜物質の品質を安定化させ、被成膜体に形成される薄膜を均質かつ高品質なものとすることができる。
特開2004−091866号公報
ところで、この特許文献1に記載の真空成膜装置では、上記排気ポンプとして油拡散ポンプが用いられており、この排気ポンプから飛散した油蒸気が真空チャンバー内に流入したり、あるいは逆に真空チャンバー内で発生した成膜物質が排気ポンプに流入したりするのを防ぐため、排気ポンプは、真空チャンバー側壁に膨出する補助排気室に取り付けられたバルブ室の下面に吊り下げられるように配設されて、この真空チャンバーの側壁に開口する排気口からL字状の排気流路が形成されるようになされている。また、この排気口には、ルーバーや金網など排気を損なわずに油蒸気や成膜物質の流入を防止するバッフル(遮蔽物)が備えられている。
しかしながら、このように排気ポンプが真空チャンバー側壁に取り付けられたバルブ室から吊り下げられて排気流路がL字状とされていると、コンダクタンスが低下して排気効率が劣化することが避けられない。その一方で、例えば磁気浮上型のターボ分子ポンプなどの姿勢自在取付型の真空排気ポンプを用いて、これを水平に、すなわち当該排気ポンプの排気口がそのまま真空チャンバー内を向くように取り付けると、排気効率は確保することができても、この排気口に上述のようなバッフルを取り付けただけでは成膜物質の排気ポンプへの流入を防止することはできない。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のような成膜物質の流入を招くことなく排気ポンプによる排気効率の確保、向上を図ることができ、これにより、被成膜体への成膜作業を効率的に行うことが可能な真空成膜装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、排気ポンプによって減圧させられる真空チャンバー内に収容される被成膜体に、該真空チャンバー内に配設された成膜物質の発生源によって薄膜を形成する真空成膜装置であって、上記真空チャンバー内には、上記成膜物質の発生源を囲繞するように防着板が配設されて成膜室が形成されるとともに、上記排気ポンプは、上記真空チャンバーの側壁に設けられたチャンバー排気口に水平取り付けされており、上記成膜室の防着板には、上記チャンバー排気口に対向する位置に、このチャンバー排気口と間隔をあけて、バッフルを備えた成膜室排気口が設けられていることを特徴とする。
このような真空成膜装置において、上記防着板は、真空チャンバーの内壁への成膜物質の着膜を防止するためのものであり、このような防着板によって成膜物質の発生源を囲繞して成膜体に薄膜を形成する成膜室を真空チャンバー内に形成することにより、真空チャンバーの内壁そのものに成膜物質が着膜してしまうのに比べ、メンテナンス時に膜を剥がす作業が大幅に容易になる。
そして、本発明の真空成膜装置において、この成膜室の防着板には、排気ポンプが取り付けられた真空チャンバー側壁のチャンバー排気口に対向する位置に、上述のルーバー等のバッフル(遮蔽物)を備えた成膜室排気口が、このチャンバー排気口と間隔をあけるように設けられているので、成膜室内の発生源によって発生した成膜物質は、まずこの成膜室排気口のバッフルによって排気ポンプ側への流入が防がれ、さらにこの成膜室排気口とチャンバー排気口とが間隔をあけていることによっても、排気ポンプへの流入を防ぐことができる。
このため、排気ポンプとして姿勢自在取付型のターボ分子ポンプなどを用いてチャンバー排気口に水平取り付けしても、この排気ポンプ内に成膜物質が流入して薄膜が形成されてしまったりすることにより排気に支障を来すような事態が生じるのを防ぐことができる。そして、その一方で、こうして水平取り付けすることにより排気ポンプの排気効率の確保あるいは向上を図ることができるので、本発明によれば、排気に要する時間の短縮や必要な排気ポンプの数の削減などが可能となって、効率的で経済的な成膜作業を促すことができる。
ここで、上記チャンバー排気口と上記成膜室排気口との間隔は、小さすぎると成膜室排気口のバッフルで遮蔽しきれなかった成膜物質がそのまま排気ポンプに流入してしまうおそれがある。そこで、一つには、上記成膜室の防着板と上記真空チャンバー内面との最小の間隔よりも大きくされていることが望ましく、これにより、排気ポンプへの成膜物質の流入を確実に抑制できるとともに、これらチャンバー排気口と成膜室排気口とが間隔をあけた部分以外の成膜室の防着板と真空チャンバー内面との間からも効率的な排気を促すことができ、コンダクタンスの向上を図ることができる。
また、このような真空チャンバーには、該真空チャンバー内面において一端が上記チャンバー排気口と上記成膜室排気口との間隔部分に臨む位置に開口するとともに他端がこれよりも上方に開口するバイパス管路を備えることにより、チャンバー排気口近傍とこれよりも上部で真空チャンバー内に圧力差が生じるのを防ぐことができるが、このようなバイパス管路を設けた場合において、上記チャンバー排気口と上記成膜室排気口との間隔は、このバイパス管路の上記一端における上記真空チャンバー内面への開口径よりも大きくされるのが望ましく、これにより、やはり排気ポンプへの成膜物質の流入を抑制できるとともに、このバイパス管路を通しての真空チャンバー内圧力の均一化をより確実に促すことが可能となる。
さらに、上記チャンバー排気口と上記成膜室排気口との間隔を、該チャンバー排気口の開口径よりも大きくしてもよく、この場合のコンダクタンスは、チャンバー排気口すなわち排気ポンプの開口部よりも狭いところから排気するよりも広い間隔の部分から排気した方が効率が良くなる。なお、真空チャンバーの側壁に、成膜室排気口と対向する位置に複数のチャンバー排気口が設けられて排気ポンプが水平取り付けされている場合には、個々のチャンバー排気口の開口径よりも上記間隔を大きくすればよい。
以上説明したように、本発明によれば、排気ポンプへの成膜物質の流入を抑制することにより、排気ポンプをチャンバー排気口に水平取り付けしても、排気ポンプ内に薄膜が形成されて排気に支障が生じるような事態を防ぐことができ、従って排気ポンプによる排気効率の向上を図って排気時間の短縮や排気ポンプ数の削減など、効率的な成膜作業を促すことが可能となる。
図1および図2は、本発明の真空成膜装置の一実施形態を示すものである。本実施形態の真空成膜装置において真空チャンバー1は、これらの図に示すように架台2上に載置された直方体状の箱形をなしていて、その1つの鉛直方向に延びる側壁(図2において右側の側壁)が開閉可能な扉部3とされており、この扉部3を閉じた状態で、内部が気密に密閉可能とされている。
この真空チャンバー1内の底部には、図示されない給材機構から順次供給される蒸着材料を保持するリング状の溝を形成したハース4が、その中心軸を鉛直方向に向けて該中心軸回りに回転可能に設けられるとともに、このハース4に保持された蒸着材料の一部に電子ビームを照射して蒸発させることにより材料蒸気(成膜物質)を生成する電子ビームガン5が該ハース4に隣接するように配設されていて、これらにより成膜物質の発生源6が構成されている。なお、リング状ハースに変えて多数のルツボを配設した多点ハースを用いてもよい。
また、本実施形態では、このような発生源6が真空チャンバー1内の底部に複数備えられている。より具体的には、一対の発生源6が、図2に示すように真空チャンバー1の奥行き方向(図2において左右方向)に並んで対称に配設されており、これらの発生源6においては、それぞれの電子ビームガン5によって材料蒸気が生成される上記ハース4上のビーム照射位置が、真空チャンバー1の幅方向(図1において左右方向)の中央に位置するようになされている。
さらに、この真空チャンバー1内の底部には、上記発生源6において蒸発させられた材料蒸気に向けてプラズマを照射してイオン化を起こすプラズマ放出源7が配設されている。本実施形態におけるプラズマ放出源7は圧力勾配型プラズマガンであって、内部に配設されたコイルを通してプラズマを上記材料蒸気に照射するようになされており、このプラズマガンは、その中心線を真空チャンバー1内の上記奥行き方向中央に位置させ、また上記幅方向にはその中央から一方の側(図1において右側)に位置して、上向きに他方の側(図1において左側)に向かうように傾斜して配設されている。このプラズマ放出源7に備えられるアノード電極の上端部は、上記発生源6において蒸着材料を保持するハース4よりも上方に位置し、かつ少なくともこのハース4と同電位となるようにされている。
一方、真空チャンバー1内の上部には、薄膜を成膜する樹脂フィルム(被成膜体)Fを保持する一対の保持ローラ8と、複数の中間ローラ9と、そして1つの成膜ローラ10とが、図示されない駆動手段によってそれぞれ上記奥行き方向に水平に延びるその回転軸線回りに回転可能に支持されている。このうち成膜ローラ10は最も大径とされて、保持ローラ8および中間ローラ9よりも下方に位置し、本実施形態では図1に示すように真空チャンバー1内の上下方向と上記幅方向の略中央に配設されて、複数の発生源6の上記ビーム照射位置とプラズマ放出源7の直上に配設されている。
さらに、この成膜ローラ10は絶縁されて真空チャンバー1内に支持されていてその電位がフローティング電位とされている。なお、本実施形態では成膜状況によっては他の保持ローラ8や中間ローラ9も同様に絶縁されて支持されてフローティング電位とする場合もありうる。また、絶縁されてなくとも樹脂フィルムFと接するローラ表面もしくはローラ本体が樹脂製でもよい。
また、真空チャンバー1内には、その上下方向の中央部よりもやや下側に、成膜ローラ10の下側部分が露出するように開口部11が形成された上部防着板12が水平に配設されるとともに、真空チャンバー1内の底部側には、発生源6の上記ハース4上のビーム照射位置および電子ビームガン5の位置とプラズマ放出源7の位置とが開口した底部防着板13が、やはり水平に配設されている。さらに、これら上部防着板12と底部防着板13との間の真空チャンバー1内壁面側には、該防着板12,13とともに成膜ローラ10と発生源6およびプラズマ放出源7との間に箱形の空間を画成するように壁部防着板14が配設されている。
これらの防着板12〜14も絶縁されて真空チャンバー1内に支持され、その電位がフローティング電位とされており、該防着板12〜14内に形成される上記箱形の空間が成膜室15とされている。なお、これらの防着板12〜14は、その側縁同士が互いに僅かな隙間をあけるようにして支持されており、成膜室15は気密な空間とされては以内。また、この成膜室15を形成する防着板12〜14のうち、幅方向において上記一方の側に位置する壁部防着板14とこの一方の側の真空チャンバー1内壁面との間隔は、上記ローラ8〜10が収容される上部防着板12と真空チャンバー1天井部との間隔を除いて、図1および図2に示すように他の壁部防着板14と真空チャンバー1内壁面との間隔や、底部防着板13と真空チャンバー1底面との間隔よりも大きくされている。
さらに、この幅方向において一方の側に位置する壁部防着板14には、バッフル16を備えた成膜室排気口17が設けられていて、この成膜室排気口17を介して成膜室15内が真空排気可能とされている。このバッフル16は、この壁部防着板14の周縁部を除いて略その全面に設けられ、例えば上記奥行き方向に延び、かつ幅方向に上記一方の側に向かうに従い下方に傾斜する多数の長方形の板材を上下方向に間隔をあけて平行に成膜室排気口17に配設したルーバー状のものであって、この奥行き方向に見た場合には隣接する板材同士が重なり合うようにされている。なお、このバッフル16も絶縁されてフローティング電位とされる。
そして、この成膜室排気口17に対向する真空チャンバー1の上記幅方向一方の側の側壁には、上記壁部防着板14に設けられたこの成膜室排気口17から上述のように間隔をあけるようにしてチャンバー排気口18が形成されており、このチャンバー排気口18には排気ポンプ19が取り付けられている。この排気ポンプ19は、磁気浮上型のターボ分子ポンプであって姿勢自在取付型であり、図1に示すようにその吸気口を上記チャンバー排気口18にそのまま接続させて、水平に取り付けられている。
なお、本実施形態では、このようなチャンバー排気口18および排気ポンプ19が、上記奥行き方向に延びる成膜室排気口17に合わせてこの奥行き方向に複数(例えば2つ)並んで備えられている。また、本実施形態では、真空チャンバー1内においてローラ8〜10が配設される上部防着板12よりも上方の部分にも、その上下方向中央部に、同様のチャンバー排気口18および排気ポンプ19が、真空チャンバー1の上記奥行き方向奥側の側壁に、幅方向における中央部よりも僅かに上記他方の側に位置するように設けられている。
さらにまた、本実施形態では、真空チャンバー1にバイパス管路20が備えられている。このバイパス管路20は、真空チャンバー1の上記奥行き方向奥側の側壁に上下に貫設された一対の孔部に両端が接続された図2に示すような「コ」字状のパイプであり、その一端(下端)側の開口部21は、図1に示すようにバッフル16を備えた成膜室排気口17と排気ポンプ19が水平取り付けされたチャンバー排気口18とが対向する間隔部分に臨んで成膜室排気口17寄りに開口させられるとともに、他端(上端)側開口部22は、一端側開口部21の直上の、上部防着板12より上方の空間の上下方向略中央部に開口させられている。
このように構成された真空成膜装置において、被成膜体としての樹脂フィルムFは、上記一対の保持ローラ8のうち、例えば上記幅方向の一方の側の保持ローラ8に巻き掛けられて保持され、この一方の側の保持ローラ8から中間ローラ9を経て成膜ローラ10の上記下側部分に巻回され、幅方向他方の側の保持ローラ8に中間ローラ9を経て巻き取られてゆく。従って、樹脂フィルムFは、この成膜ローラ10の下側部分に巻回されて走行する部分の下向きとなる面が、薄膜が成膜される被成膜面となり、この被成膜面に向けて発生源6から蒸着材料を蒸発させて材料蒸気(成膜物質)を発生させるとともに、この材料蒸気に向けてプラズマ放出源7からプラズマを照射してイオン化を起こし、上記被成膜面にこの蒸着材料よりなる薄膜を成膜してゆく。
そして、このような薄膜の形成に先立って排気ポンプ19により真空チャンバー1内を排気して真空状態にするときや、成膜中にこの真空状態を維持するときでも、上記構成の真空成膜装置では、この排気ポンプ19が姿勢自在取付型の例えばターボ分子ポンプであって、その吸気口を真空チャンバー1側壁のチャンバー排気口18に直接接続させて水平取り付けされているので、従来のようにバルブ室を介したL字状の排気流路によって真空チャンバー1内を排気するのに対して排気偏流が少なく、コンダクタンスを向上させて高い排気効率を得ることができる。従って、真空チャンバー1内を真空排気するのに要する時間を短縮するとともに、排気に必要な排気ポンプ19の数を削減することができ、効率的で経済的な成膜を促すことが可能となる。
その一方で、この排気ポンプ19が取り付けられる真空チャンバー1の上記一方の側の側壁に設けられたチャンバー排気口18と、内部で材料蒸気が発生させられて成膜を行う成膜室15の該一方の側の壁部防着板14に設けられた成膜室排気口17とは、間隔をあけて対向するようにされており、このうち成膜室排気口17にバッフル16が設けられているので、成膜作業中に排気ポンプ19によって排気を行っていても、成膜室15内の材料蒸気中の成膜物質は、このバッフル16によって大部分が遮られて外へ流出することがなく、またたとえ流出しても成膜物質に含まれる分子はチャンバー排気口18にたどり着くまでの間に別の分子と衝突するため、チャンバー排気口18に届きにくくなる。このため、上述のように排気ポンプ19による排気効率を高めても、成膜物質がこの排気ポンプ19に流入して内部に付着することにより該排気ポンプ19内が成膜されてその運転に支障が生じるような事態を防ぐことができ、これにより被成膜体への安定した成膜を図ることができる。
ここで、この成膜室排気口17とチャンバー排気口18との間の間隔は、これが小さすぎると、このように成膜物質が成膜室排気口17のバッフル17を通り抜けて流出した際に、上述のように成膜物質に含まれる分子が別の分子と衝突する頻度が少なくなるため、成膜物質がチャンバー排気口18に流入するのを確実に防ぐことができなくなるおそれがある。そこで、図1に示すように、この成膜室排気口17とチャンバー排気口18との間の間隔Aは、一つには、成膜室15を形成する各防着板12〜14とこれに対向する真空チャンバー1内面との間隔のうち最も小さい間隔(例えば、本実施形態では上記幅方向他方の側の壁部防着板14と真空チャンバー1の側壁内面との間隔)Bよりも大きくされるのが望ましく、これにより上述のような成膜物質の排気ポンプ19への流入を確実に防止することができるとともに、成膜室15の周りでは、ローラ8〜10が配される上部防着板12と真空チャンバー1天井部との間隔部分を除いて、間隔の狭い空間から広い空間へと排気が促されることになるので、コンダクタンスを向上させてより高い排気効率を得ることができる。
また、これとは別に、あるいはこれと合わせて、他の一つとして、本実施形態のように真空チャンバー1にバイパス管路20が備えられて、その一端側開口部21が成膜室排気口17とチャンバー排気口18との間の間隔Aの部分に臨んで開口している場合には、この間隔Aは該一端側開口部Aの開口径Cよりも大きくされているのが望ましい。この場合にも、排気ポンプ19への成膜物質の流入を確実に防ぐことができるとともに、このバイパス管路20を介して真空チャンバー1内の他の部分からチャンバー排気口18近傍に流れ込む排気も、小さな間隔すなわち開口径Cのバイパス管路20から大きな間隔Aの空間に排気されるので、やはりコンダクタンスの向上を図って排気効率を高めることが可能となる。
さらに、これらとは別に、あるいはこれらの少なくともひとつと合わせて、その他の一つとして、成膜室排気口17とチャンバー排気口18との間の間隔Aを図1に示すように個々のチャンバー排気口18の開口径Dより大きくするのが望ましく、この場合には、排気ポンプ19の開口よりも狭いところから排気するよりも広い間隔Aの部分から排気した方が効率が良くなるため、やはりコンダクタンスの向上を図ることができる。なお、本実施形態では図1に示すようにこのチャンバー排気口18の開口径Dは排気ポンプ19の開口径と略等しくされている。
なお、上記間隔Aは、大きいほど成膜物質の排気ポンプ19への流入を防ぐことができるものの、大きすぎると真空チャンバー1内の容積も必要以上に大きくなって排気に時間を要したりすることになる。このため、上記間隔Aは、例えば本実施形態のように成膜室15の上部防着板12と真空チャンバー1天井部との間にローラ8〜10が配設される大きな空間が設けられている場合は、この間の間隔、すなわち成膜室15を形成する各防着板12〜14とこれに対向する真空チャンバー1内面との間隔のうち最も大きな間隔よりは小さくされているのが望ましい。また、これとは逆に、各防着板12〜14がすべて真空チャンバー1内面に近接して配設されて、真空チャンバー1内の大部分を成膜室15が占めているような場合には、チャンバー排気口18から真空チャンバー1の外側に向けて排気管を延設してその端部に排気ポンプ19を水平取り付けしてもよい。
本発明の一実施形態を示す真空チャンバー1の奥行き方向に見た縦断面図である。 図1におけるZZ断面図である。
符号の説明
1 真空チャンバー
6 成膜物質の発生源
7 プラズマ放出源
10 成膜ローラ
12〜14 防着板
15 成膜室
16 バッフル
17 成膜室排気口
18 チャンバー排気口
19 排気ポンプ
20 バイパス管路
21 バイパス管路20の一端側開口部
F 樹脂フィルム(被成膜体)
A 成膜室排気口17とチャンバー排気口18との間の間隔
B 防着板12〜14と真空チャンバー1内面との最小間隔
C バイパス管路20の一端側開口部21の開口径
D チャンバー排気口18の開口径

Claims (4)

  1. 排気ポンプによって減圧させられる真空チャンバー内に収容される被成膜体に、該真空チャンバー内に配設された成膜物質の発生源によって薄膜を形成する真空成膜装置であって、上記真空チャンバー内には、上記成膜物質の発生源を囲繞するように防着板が配設されて成膜室が形成されるとともに、上記排気ポンプは、上記真空チャンバーの側壁に設けられたチャンバー排気口に水平取り付けされており、上記成膜室の防着板には、上記チャンバー排気口に対向する位置に、このチャンバー排気口と間隔をあけて、バッフルを備えた成膜室排気口が設けられていることを特徴とする真空成膜装置。
  2. 上記チャンバー排気口と上記成膜室排気口との間隔が、上記成膜室の防着板と上記真空チャンバー内面との最小の間隔よりも大きくされていることを特徴とする請求項1に記載の真空成膜装置。
  3. 上記真空チャンバーには、該真空チャンバー内面において一端が上記チャンバー排気口と上記成膜室排気口との間隔部分に臨む位置に開口するとともに他端がこれよりも上方に開口するバイパス管路が備えられており、上記チャンバー排気口と上記成膜室排気口との間隔が、このバイパス管路の上記一端における上記真空チャンバー内面への開口径よりも大きくされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空成膜装置。
  4. 上記チャンバー排気口と上記成膜室排気口との間隔が、該チャンバー排気口の開口径よりも大きくされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の真空成膜装置。
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