JP2007277649A - 真空処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、真空処理で生じる飛散物が真空チャンバの内壁に付着することを防止するとともに、真空処理空間のガスを効率よく、かつ、均一に排気できる真空処理装置を提供することである。
【解決手段】本発明の真空処理装置の一例のスパッタリング装置10は、均一に分布配置され、かつ、互いにずれた位置に設けられた通気孔102c,103c、を有する内側防着板12と外側防着板13とからなるニ重構造の防着板11を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理物としての例えば半導体基板にスパッタ処理、真空蒸着処理あるいはプラズマエッチング処理等を施す際に使用される真空処理装置に関し、特に、それらの真空処理で生じる飛散物が真空チャンバの内壁に付着することを防止する防着板を備えた真空処理装置に関する。
従来の真空処理装置の第1例としてのスパッタリング装置の概略構成を図3に示す。尚、図3は縦断面図である。
図3において、100は従来の第1例としてのスパッタリング装置、101は真空チャンバ、102はターゲット、103はサセプタ、104はマグネット、105は防着板、105aは防着板のサセプタ側の開口部、105bは防着板のターゲットユニット側の開口部、106はガス導入管、107は排気管、108は真空ポンプ、109はターゲットユニット、Wは半導体ウェーハである。
図3のスパッタリング装置100において、真空チャンバ101には、スパッタガスとして例えばArガスを導入するためのガス導入管106と、末端を真空ポンプ108に接続し、真空チャンバ101内のガスを排気する排気管107とが取り付けられている。
また、真空チャンバ101内には、ターゲットユニット109に支持された導電性材料からなるターゲット102が保持されると共に、このターゲット102の対向位置にはヒータ(図示せず)を内蔵するサセプタ103が配置されている。このサセプタ103には半導体ウェーハWが保持される。
また、真空チャンバ101は接地され、ターゲット102がカソードとなるように直流電源(図示せず)がスイッチ(図示せず)を介して接続されている。
また、ターゲットユニット109の内部にはマグネット104が設けられており、このマグネット104により形成された磁場によって、電子をトラップしてプラズマ領域が形成される。
また、ターゲット102と半導体ウェーハWとで挟まれた真空処理空間S(図中一鎖線部)を囲むように、ステンレスでなる防着板105が配設されている。この防着板105はスパッタ処理で生じるスパッタ粒子(飛散物)が真空チャンバ101の内壁に付着することを防止するためのものである。
この防着板105は、両端に開口部105a,105bを有した円筒状であり、サセプタ103側の開口部105aは半導体ウェーハWの直径よりも若干大き目になる程度に縮径化されている。また、ターゲットユニット109側の開口部105bはターゲット102およびターゲットユニット109を包含できる大きさとなっている。
また、防着板105は脱着可能な構造となっており、付着したスパッタ粒子を定期的にクリーニングできるようになっている。
次に、上記のスパッタリング装置100の動作について説明する。
先ず、サセプタ103に半導体ウェーハWを載置し、真空チャンバ101内を真空排気する。
次に、真空チャンバ101内にArガスをガス導入管106より導入し、真空ポンプ108により真空排気しながら内部を所定の真空度に維持する。
そして、半導体ウェーハWおよびターゲット102間に所定の直流電圧を印加すると共に、マグネット104によりターゲット102の近傍に磁場を形成してArガスのプラズマを発生させ、これによりターゲット102の表面からスパッタ粒子を叩き出して、半導体ウェーハWの表面に成膜する。
このとき、Arガスは防着板105とターゲット102の隙間から真空処理空間Sへ流れ込み、防着板105と半導体ウェーハWの隙間から排気管107を通して排気される。(例えば、特許文献1参照)。
ここで、サセプタ103に内蔵されたヒータ(図示せず)で加熱されることにより、半導体ウェーハWなどの表面から水分等の不純物が離脱して飛散する。そして、これら不純物は、Arガスの流れと共に排気管107から排出される。
即ち、防着板105は、真空処理空間Sをしっかりと取り囲み、真空チャンバ101の内壁にスパッタ粒子(飛散物)が付着することを防止する役目を果たすと共に、Arガスの流れをスムースにして不純物などを効率よく排気できるようにしておく必要があった。
このような要求に対して、ガス流れを改善したスパッタリング装置が提案されている。
従来の第2例としてのスパッタリング装置の概略構成を図4に示す。尚、図4(a)は縦断面図、図4(b)は横断面図である。また、図3と同一部分には同一符号を付し説明を省略する。また、第2例のスパッタリング装置の動作は前述の第1例のスパッタリング装置100の動作と同様であるため説明を省略する。
図4において、200は従来の第2例としてのスパッタリング装置、101は真空チャンバ、102はターゲット、103はサセプタ、104はマグネット、105は防着板、105aは防着板のサセプタ側の開口部、105bは防着板のターゲットユニット側の開口部、106はガス導入管、107は排気管、108は真空ポンプ、109はターゲットユニット、Wは半導体ウェーハ、201は排気室、202は防着板に設けた通気口、203は補助防着板である。
第1例のスパッタリング装置100と異なるところは、真空チャンバ101は外側に突出する排気室201(真空チャンバの一部)を備え、その排気室201には末端を真空ポンプ108に接続し、真空チャンバ101内のガスを排気する排気管107が取り付けられている。
また、防着板105の排気室201側の側壁には、通気口202が設けられており、その通気口202を通じて、真空処理空間S内の不純物はArガスの流れと共に、より効率的に排気されるようになっている。
また、排気室201の内壁には、ターゲット102から通気口202を見る見通しの延長上の位置を含む領域に補助防着板203が着脱可能に配設されている。
この補助防着板203はステンレスでなり、タ−ゲット102から通気口202を通して飛散するスパッタ粒子(飛散物)が排気室201の内壁に付着することを防止している。
尚、防着板105および補助防着板203は、共に脱着可能な構造となっており、付着したスパッタ粒子を定期的にクリーニングできるようになっている。
このようなスパッタリング装置200では、排気管107側に通気口202を設けArガスを流れやすくして、真空処理空間Sの不純物をArガスの流れと共に効率よく排気できる。その結果、真空処理空間Sでの放電が確実に起こり、放電の安定化を図ることができる。(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−55801号公報 図6 特開平8−55801号公報 図1〜3
しかしながら、上記のようなガス流れを改善した真空処理装置(スパッタリング装置200)では、真空処理空間Sのガス流が通気口202へ向かって一点集中する傾向があるため効率的な排気は出来ても、ガス流の均一性という点においては何ら配慮されていなかった。このため、真空処理空間Sのガス流の不均一さによる半導体ウェーハW表面のスパッタ膜の面内不均一が生じるおそれがあった。
本発明の課題は、真空処理で生じる飛散物が真空チャンバの内壁に付着することを防止すると共に、真空処理空間のガスを効率よく、かつ均一に排気できる真空処理装置を提供することである。
本発明の真空処理装置は、互いにずれた位置に設けられた通気孔、を有する内側防着板と外側防着板とからなるニ重構造の防着板を備えたことを特徴とする真空処理装置である。
本発明の真空処理装置によれば、真空処理で生じる飛散物が真空チャンバの内壁に付着することを防止すると共に、真空処理空間のガスを効率よく、かつ均一に排気できるため、放電の安定化を図ることができる上に、被処理物に面内均一性のよい真空処理ができる。
本発明は、真空処理で生じる飛散物が真空チャンバの内壁に付着することを防止すると共に、真空処理空間のガスを効率よく、かつ均一に排気するという目的を、互いにずれた位置に設けられた通気孔、を有する内側防着板と外側防着板とからなるニ重構造の防着板を備えることで実現した。
本発明の真空処理装置の一例としてのスパッタリング装置の概略構成を図1に示す。尚、図1は縦断面図である。また、図3,4と同一部分には同一符号を用いる。
図1において、10は本発明の真空処理装置の一例としてのスパッタリング装置、101は真空チャンバ、102はターゲット、103はサセプタ、104はマグネット、11は防着板、12は内側防着板、13は外側防着板、12a,13aは防着板のサセプタ側の開口部、12b,13bは防着板のターゲットユニット側の開口部、12cは内側防着板に設けた通気孔、13cは外側防着板に設けた通気孔、106はガス導入管、107は排気管、108は真空ポンプ、109はターゲットユニット、Wは半導体ウェーハである。
図1のスパッタリング装置10において、真空チャンバ101には、スパッタガスとして例えばArガスを導入するためのガス導入管106と、末端を真空ポンプ108に接続し、真空チャンバ101内のガスを排気する排気管107とが取り付けられている。
また、真空チャンバ101内には、ターゲットユニット109に支持された導電性材料からなるターゲット102が保持されると共に、このターゲット102の対向位置にはヒータ(図示せず)を内蔵するサセプタ103が配置されている。このサセプタ103には半導体ウェーハWが保持される。
また、真空チャンバ101は接地され、ターゲット102がカソードとなるように直流電源(図示せず)がスイッチ(図示せず)を介して接続されている。
また、ターゲットユニット109の内部にはマグネット104が設けられており、このマグネット104により形成された磁場によって、電子をトラップしてプラズマ領域が形成される。
また、ターゲット102と半導体ウェーハWとで挟まれた真空処理空間S(図中一鎖線部)を囲むように、ステンレスでなる防着板11が配設されている。この防着板11はスパッタ処理で生じるスパッタ粒子(飛散物)が真空チャンバ101の内壁に付着することを防止するためのものである。
この防着板11は、同心状に配置された内側防着板12と外側防着板13とからなるニ重構造で、内側防着板12と外側防着板13とは互いにネジ止め(図示せず)などの方法で取り付けられている。
内側防着板12は、両端に開口部12a,12bを有した円筒状であり、サセプタ103側の開口部12aは半導体ウェーハWの直径よりも若干大き目になる程度に縮径化されている。また、ターゲットユニット109側の開口部12bはターゲット102およびターゲットユニット109を包含できる大きさとなっている。
外側防着板13は、両端に開口部13a,13bを有した円筒状であり、内側防着板12と略相似形で、内側防着板12に対して全体に一定間隔(1cm)をあけて包含できる大きさとなっている。
また、内側防着板12および外側防着板13にはそれぞれ全周囲に亘って多数の通気孔12c、13c(直径5mm)が均一に分布配置して設けられ、かつ、内側防着板12の通気孔12cと外側防着板13の通気孔13cとは互いにずれた位置に設けられている。
また、防着板11(内側防着板12および外側防着板13)は脱着可能な構造となっており、付着したスパッタ粒子(飛散物)を定期的にクリーニングできるようになっている。
このような防着板11によると、2枚の防着板12,13の通気孔12c,13cは互いにずれた位置に配置されているため、いずれかの防着板12,13で飛散するスパッタ粒子を遮蔽でき、スパッタ粒子が真空チャンバ101の内壁に付着することを防止できる。
また、図1の要部拡大断面図としての図2に示すように、ガス流(Arガスと不純物)は、2枚の防着板12,13の通気孔12c,13cを通過する際に屈曲しながらも均一分布した多数の通気孔12c,13cから効率よく、均一に排気される。
尚、通気孔12c,13cの大きさや個数あるいは2枚の防着板12,13の間隔は、ガス流が大きな抵抗を受けることなくスムースに流通できるように設定する。
次に、上記のスパッタリング装置10の動作について説明する。
先ず、サセプタ103に半導体ウェーハWを載置し、真空チャンバ101内を真空排気する。
次に、真空チャンバ101内にArガスをガス導入管106より導入し、真空ポンプ108により真空排気しながら内部を所定の真空度に維持する。
そして、半導体ウェーハWおよびターゲット102間に所定の直流電圧を印加すると共に、マグネット104によりターゲット102の近傍に磁場を形成してArガスのプラズマを発生させ、これによりターゲット102の表面からスパッタ粒子を叩き出して、半導体ウェーハWの表面に成膜する。
このとき、Arガスは防着板11とターゲット102の隙間から真空処理空間Sへ流れ込み、防着板11と半導体ウェーハWの隙間および多数の通気孔12c,13cを通して、真空処理空間Sの全周方向に効率よく、均一に排気される。
このため、真空処理空間Sのガス流は均一となり、半導体ウェーハW表面には面内均一性のよいスパッタ膜が得られる。また、不純物はガス流と共に効率よく排気されるため放電の安定化を図ることができる。
尚、上記では、真空処理装置の一例として、スパッタリング装置の例で説明したが、真空蒸着装置においても本発明の二重構造の防着板11を採用すると同様の効果が得られる。また、プラズマエッチング装置に本発明の二重構造の防着板11を採用するとエッチング粒子が効率よく均一に排気されるためエッチングムラのない処理ができる。
本発明の真空処理装置の一例としてのスパッタリング装置の概略構成を示す縦断面図 図1の要部拡大断面図 従来の真空処理装置の第1例としてのスパッタリング装置の概略構成を示す縦断面図 従来の真空処理装置の第2例としてのスパッタリング装置の概略構成を示す縦断面図および横断面図
符号の説明
10 本発明の真空処理装置の一例としてのスパッタリング装置
11,105 防着板
12 内側防着板
13 外側防着板
12a,13a,105a 防着板のサセプタ側の開口部
12b,13b,105b 防着板のターゲットユニット側の開口部
12c 内側防着板に設けられた通気孔
13c 外側防着板に設けられた通気孔
100 従来の第1例としてのスパッタリング装置
101 真空チャンバ
102 ターゲット
103 サセプタ
104 マグネット
106 ガス導入管
107 排気管
108 真空ポンプ
109 ターゲットユニット
200 従来の第2例としてのスパッタリング装置
201 排気室
202 防着板に設けた通気口
203 補助防着板
W 半導体ウェーハ
S 真空処理空間

Claims (5)

  1. 互いにずれた位置に設けられた通気孔、を有する内側防着板と外側防着板とからなるニ重構造の防着板を備えたことを特徴とする真空処理装置。
  2. 前記内側防着板と前記外側防着板とは、所定の間隔をおいて同心状に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の真空処理装置。
  3. 前記内側防着板の通気孔および前記外側防着板の通気孔は、それぞれの防着板において、均一に分布配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の真空処理装置。
  4. 前記真空処理装置は、被処理物に成膜するスパッタリング装置または真空蒸着装置であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の真空処理装置。
  5. 前記真空処理装置は、被処理物をプラズマエッチングするプラズマエッチング装置であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の真空処理装置。
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