JP4699569B1 - コイル装置 - Google Patents

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Abstract

ディスク型コイルの積層工作を容易にし製造コストを安価にする。円板形の絶縁基板1と、絶縁基板1に配置された導体パターン2と、絶縁基板1に穿孔された積層用スルーホール10を形成するための穴7とを備えたディスク型コイルが積層用スルーホール10を接続させることで複数枚積層されている。積層用スルーホール10を形成するための穴7は、導体パターン2の外周側または内周側に設けられて、各導体パターン2の端末部となる始端末パターン3,終端末パターン4が穴7まで引出され接続されることで積層用スルーホール10が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数枚のディスク型コイルが積層された電磁誘導機器に用いる扁平タイプのコイル、特に誘導機のステータやロータとして組込まれるのに有用なディスク型コイルに関する。さらに詳述すると、本発明は、積層される複数枚のディスク型コイルをスルーホール接続を利用して導通させる積層用スルーホール接続の改良に関するものである。
最近、各種機器の薄型化の傾向から、エッチングやプレス加工で導体パターンを形成したディスク型コイルの需要が増大している。しかしながら、ディスク型コイルでは、導体パターンの配線量に限界があることから、線材を巻線したコイルよりも流れる電流値が小さくなってしまうという不具合がある。このため、ディスク型コイルを積層して直列に接続することにより導体パターンの配線量を増量することが試みられている。例えば、ディスク型コイルの絶縁基板の内周部分に放射状に多数の積層用のスルーホールを備え、この多数の積層用スルーホールの中から各ディスク型コイルで共通した2個に導体パターンの始端末並びに終端末を接続することにより、最上層のディスク型コイルに対してそれよりも下層の各ディスク型コイルを積層用スルーホールの配列の角度に対応して回転させて積層するコイル装置が提案されている(特許文献1)。積層された複数枚のディスク型コイルは、各ディスク型コイルの積層用スルーホールの配列の角度に対応して各ディスク型コイルを回転させて積層用スルーホールの位置を合わせてから積層用スルーホールを半田付けすることで接続されている。
上述のディスク型コイルは、導体パターンの外周側に配置されて両面の導体パターンを接続するスルーホールと、導体パターンの内周側に配置されて表側の導体パターンと裏側の導体パターンとに接続されて始端末と終端末となる一対のスルーホールとの2種類のスルーホールが設けられている。そして、このディスク型コイルが例えば4枚積層される場合、各ディスク型コイルには、導体パターンの内周側の始端末と終端末となる一対のスルーホールが36°の角度をあけて配置されると共に、さらに81°の角度をあけて3対の始端末と終端末となるスルーホールが同一円周上に配置される。そして、上のディスク型コイルに対し、その下側のディスク型コイルが81°の角度で位相されて順次積層されると共に各ディスクの始端末と終端末となるスルーホールを積層用スルーホールとして半田付けすることで、積層された4枚のディスク型コイルの導体パターンが1つの独立した回路のコイルを構成するように接続されて長い線長のコイルが形成されるようにしている。
特許第3636700号公報
しかしながら、特許文献1に係るコイル装置では、積層に際して各ディスク型コイルを積層用スルーホールの配列の角度に対応して位相させなければならないため、積層工作が面倒で製造コストが高くなるという問題点がある。このことから、積層されたディスク型コイルの導体パターンを容易かつ確実に接続する技術の開発が要望されている。
また、各ディスク型コイルの接続は直列接続に限られ、自由度がない。このため、1枚のディスクの導体パターンでは電流容量や電圧が足りない場合にも、電流容量の増量や電圧の上昇が難しい問題がある。
本発明は、かかる要望に応えるものであり、ディスク型コイルの積層工作が容易で製造コストが安価となるコイル装置を提供することを目的とする。また、複数枚のディスク型コイルを積層する際の接続の自由度を高めるコイル装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明は、ディスク形の環状絶縁基板に少なくとも1回路のコイルを構成する導体パターンを有するディスク型コイルを複数枚積層して他のディスク型コイルと導通するための積層用スルーホールで電気的に接続することにより積層された複数枚の前記ディスク型コイルを1つのコイルとして用いるコイル装置において、積層される複数枚の前記ディスク型コイルは前記導体パターン及び該導体パターンの各回路毎の始端末及び終端末の位置が同じであると共に前記始端末及び前記終端末が前記積層用スルーホールに始端末パターンと終端末パターンとを介して接続される構造の1種類のディスク型コイルであり、かつ各ディスク型コイルの各回路毎に積層ディスク枚数n(nは正の整数)に対して少なくともn+1個の前記積層用スルーホールを形成するための穴が前記絶縁基板の前記導体パターンの外側あるいは内側でかつ複数枚の前記ディスクを積層させた状態で積層方向に同じ位置に配置されて設けられ前記始端末パターンと前記終端末パターンが接続される相手の前記積層用スルーホールを形成するための穴の位置を変更するだけで、積層する前記ディスク型コイル間を接続する前記積層用スルーホールの位置を変更可能とし、複数枚の1種類のディスク型コイルで任意の回路を構成するようにしている。
また、積層用スルーホールを形成するための穴は近接集合されていることが好ましい。また、積層用スルーホールを形成するための穴は絶縁基板の外周縁から外に突出するフランジ部または導体パターンよりも絶縁基板の内周縁側のスペースに配置されており、始端末パターン及び終端末パターンがフランジ部あるいは絶縁基板の内周縁側のスペースに引き出されていることが好ましい。
また、ディスク型コイルの導体パターンは、環状絶縁基板の内周縁並びに外周縁に沿って環状に配置したスルーホールランドの間を内周縁側から外周縁側あるいは外周縁側から内周縁側へと延びる複数の導体が外周縁側のスルーホールランドと内周縁側のスルーホールランドとでスルーホール接続されることにより絶縁基板の表面と裏面との間で交互に波形に折返して1つのコイルを構成するようにしたものであることが好ましい。また、同じ回路の同じ磁極を構成する複数の導体の内周縁側の前記スルーホールランドが、互いに異なる複数の同心円上でかつ絶縁基板の半径方向に整列されて配置されていると共に表面の導体パターンと裏面の導体パターンとを接続する複数のスルーホールが形成されていることが好ましい。さらには、ディスク型コイルの導体パターンは少なくとも始端末パターンが接続された1巻のコイルと終端末パターンが接続された1巻のコイルとを含む複数巻のコイルが1つの絶縁基板上に形成され、これらが接続パターンで直列接続または並列接続されていることが好ましい。
また、ディスク型コイルの導体パターンは少なくとも始端末パターンが接続された1巻のコイルと終端末パターンが接続された1巻のコイルとを含む複数巻のコイルが1つの絶縁基板上に形成され、これらが接続パターンで直列接続または並列接続されていることが好ましい。
また、ディスク型コイルは絶縁シートを介して積層され、電気的に接続される複数のディスク型コイルの積層用スルーホールが絶縁シートを貫通する導電性を有するピンで接続されていることが好ましい。
さらに、本発明のコイル装置は、始端末パターンが接続される積層用スルーホールと終端末パターンが接続される積層用スルーホールとが各ディスク型コイル毎に1穴ずつ穴位置をずらしながら配置され、全ての積層されたディスク型コイルが順次導電性を有するピンで直列接続されていることが好ましい。
本発明に係るコイル装置によると、積層される各ディスク型コイルの始端末パターン,終端末パターンの配置を変更するだけで、同じ導体パターンのディスク型コイルが磁極位置を合わせながら積層されるので、各ディスク型コイルにおける導体パターンそのものの位相が不要となる。つまり、各ディスク型コイルの磁極の位置を合わせるために絶縁基板を回転させる必要はなく、そのまま積み重ねれば良いので、ディスク型コイルの積層工作が容易で製造コストが安価となる。また、積層用スルーホールを形成するための穴が各ディスク型コイルの各回路毎に積層ディスク枚数nに対して少なくともn+1個が設けられているので、同じ導体パターンのディスク型コイル、即ち1種類のディスク型コイルを位相を与えるための回転をさせずとも、同じ位置で積層させて導体パターンの終端末パターンと始端末パターンとを接続する穴の位置を任意に選択することで、さまざまなディスク型コイル間の電気的接続パターンが容易に得られる。例えば、各ディスク型コイル毎に1穴ずつ穴位置をずらしながら積層用スルーホールを順次接続するような単純な積層構造で直列接続が得られる。
しかも、始端末パターン及び終端末パターンが接続される積層用スルーホールを介して積層される各ディスク型コイルの導体パターン同士が接続されるため、積層される各ディスク型コイルの導体パターンの接続に自由度が得られる。即ち、始端末パターンと終端末パターンが接続される積層用穴の位置即ち積層用スルーホールの位置のみを変更するだけで積層するディスク型コイル間の電気的接続関係が自由に変更できる。例えば、積層される複数枚のディスク間で直列接続あるいは並列接続若しくは並列接続と直列接続とが混在した接続が可能となる。これによって、コイルに流す電流値をより大容量としたり、電圧をより高くしたり、あるいは高電圧を確保しつつ大電流を確保することも可能となる。しかして、従来のディスク型コイル装置では容易に実現できなかった大容量の出力が容易に実現できる。
さらに、絶縁基板に形成される導体パターン並びに積層用スルーホールを形成するための穴の位置が共通した同じディスク型コイルを直列接続あるいは並列接続若しくは並列接続と直列接続とが混在した接続により組み合わせて用いることができるので、組み合わせ枚数を変えることで出力の異なる誘導機が製作できると共に、部品(ディスク型コイル)の共通化によるコストダウンも可能となる。
また、本発明のコイル装置において、積層用スルーホールを形成するための穴を近接集合させる場合には、各ディスク型コイルの始端末パターン,終端末パターン並びに接続パターンが集約化されるため、コイル装置のコンパクト化が可能となる。
また、本発明のコイル装置において、積層用スルーホールを形成するための穴を絶縁基板の外周縁から外に突出するフランジ部または導体パターンよりも絶縁基板の内周縁側のスペースに配置する場合には、始端末パターン,終端末パターン及び接続パターンが導体パターンの外側へ引き出されるので、これらパターンを導体パターンに対して容易かつ確実に接続できると共に導体パターンそのものを高密度に形成できる。依って、高出力のコイル装置を安価に製造することができる。
また、絶縁基板の表面と裏面との間で交互に波形に折返して1つのコイルを構成する導体パターンによれば、スルーホール接続箇所を利用して複数のコイルの直列接続あるいは並列接続が容易となるので、導体パターンを変えずにコイルに流す電流あるいは電圧を変化させられる。特に、内周縁側のスルーホールランドが絶縁基板の半径方向に拡張された面積を有し、かつその半径方向の輪郭の延長線が絶縁基板の中心に一致する楔形状を成し、半径方向外側の端部から導体が引き出されるものであると共に絶縁基板の半径方向に表面の導体パターンと裏面の導体パターンとを接続する複数のスルーホールが形成されている場合には、内周縁側スルーホールランドの周方向への拡張を招かずに、1つの内周縁側スルーホールランドでのスルーホール接続の導通面積を拡張し、同じスルーホールメッキ厚さでも内周縁側スルーホールランド全体としてはスルーホール接続を流れる電流値を増やすことができる。さらには、内周縁側スルーホールランドの半径方向外側の端部から導体が引き出されるように配線することにより、内周縁側スルーホールランド近傍における導体の幅が内周縁側スルーホールランドと同じになり、導体幅で導体パターン全体に流される電流値が制約を受けることがなくなる。また、同じ回路の同じ磁極を構成する複数の導体の内周縁側の前記スルーホールランドが、互いに異なる複数の同心円上でかつ絶縁基板の半径方向に整列されて配置されていると共に表面の導体パターンと裏面の導体パターンとを接続する複数のスルーホールが形成されている場合には、スルーホールランドでのスルーホール接続の導通面積が拡張され、同じスルーホールメッキ厚さでもスルーホールランド全体としてはスルーホール接続を流れる電流値を増やしてスルーホール接続での電気抵抗を少なくすることができる。
また、本発明のコイル装置において、1枚のディスク型コイルの中で複数巻のコイルを並列接続あるいは直列接続する場合、1枚のディスク型コイルの導体パターンに流す電流容量を増大させたりあるいは電圧を上げたりすることができる。しかも、同じ導体パターンのディスク型コイルでも、接続パターン並びに始端末パターンと終端末パターンの位置を変更することで、容易に電流値あるいは電圧を変化させうる。つまり、さまざまな出力のディスク型コイルを導体パターンの外の接続パターン並びに始端末パターンと終端末パターンの位置を変更するだけで製作することができ、部品共通化によるディスク型コイルのコストダウンが可能となる。
また、本発明のコイル装置において、ディスク型コイルが絶縁シートを介して積層され、電気的に接続される複数のディスク型コイルの積層用スルーホールが絶縁シートを貫通する導電性を有するピンで接続されている場合には、積層用スルーホールの位置を合わせてピンを挿入するだけで積層されるディスク型コイルの連結と導通とが同時に達成されるので、積層工作が簡単なものとなり、製造コストがより低減される。さらには、ピンで積層用スルーホールを接続することで、積層の際のディスク型コイルの位置決めともなる上に、ディスク型コイル間に大電流を流せるので出力の大容量化が可能となる。
また、本発明のコイル装置において、対となる積層用スルーホールが各ディスク型コイル毎に1穴ずつ穴位置をずらしながら配置され、全ての積層されたディスク型コイルが順次ピンで直列接続される場合には、積層される各ディスク型コイルの始端末パターン,終端末パターンの接続される積層用スルーホールの位置だけを1穴ずつずらしたディスク型コイルを順次積みあげながらピンを挿し込むだけの簡単な作業で、各ディスク型コイルの磁極の位置を合わせた積層作業が完了するので、ディスク型コイルの積層工作が容易で製造コストが安価となる。
さらに、本発明のコイル装置において、1枚のディスク型コイルの中で複数巻きのコイルを並列接続したものを更に複数枚のディスク間で並列接続する場合には、コイルにより大電流を流すことができる。他方、1枚のディスク型コイルの中で複数巻きのコイルを直列接続したものを更に複数枚のディスク間で直列接続する場合には、コイルに流す電流の電圧をより高くすることができる。さらに、1枚のディスク型コイルの中での直列接続を多くして高電圧を確保しつつ、更にディスク間での並列接続を行うことで大電流容量を確保することにより、高電圧・大容量のコイルが容易に実用化できる。即ち、同じ導体パターンの1種類のディスク型コイルで、ディスク枚数やコイル接続方法を変更することで、容量の違ったモータ例えば高電圧モータや低電圧大電流モータを作製することができる。しかも、いずれの接続においても、導体パターンから引き出される始端末パターン並びに終端末パターンの配置即ち積層用スルーホールの位置を変更するだけで、ディスク型コイルを回転させずに積層工作ができるという効果を損うこともない。
本発明に係るコイル装置の分解斜視図である。 図1のコイル装置の最上層のディスク型コイルの表面図である。 図2の裏面図である。 図2の要部の抽出図である。 図4の拡大された縦断面図である。 図2の他の要部の抽出図である。 図4,図6の組合せ図である。 図1の次層のディスク型コイルの要部の表面図である。 図8の裏面図である。 図8の次層のディスク型コイルの要部の表面図である。 図10の裏面図である。 図9の次層のディスク型コイルの要部の表面図である。 図12の裏面図である。 図1のコイル装置において複数枚のディスク型コイルを直列接続した状態を1回路分で示す要部拡大断面図である。 図1のコイル装置において複数枚のディスク型コイルを並列接続の2組とそれらを直列接続する例を1回路分で示す要部拡大断面図である。 図1のコイル装置において全てのディスク型コイルを並列接続した状態を1回路分で示す要部拡大断面図である。 図1のコイル装置において複数枚のディスク型コイルを直列接続する他の実施形態を1回路分で示す要部拡大断面図である。 1回路のコイルを1巻分(コイル半部2b)のコイルで成立させる場合の例を示すディスク型コイルの表面図である。 1枚のディスクの中で2巻分(コイル半部2a,2b)のコイルを並列接続させる場合の例を示すディスク型コイルの表面図である。 ディスク型コイルの内周縁側のスペースに積層用スルーホールと積層用スルーホールを形成するための穴を配置した例を示す表面図で、DCブラシレスモータ用の2回路10磁極の導体パターンを例に挙げて説明する。 図20のディスク型コイルの裏面側の導体パターンのみを示す説明図である。 ディスク型コイルの内周縁側のスルーホールランドの他の実施形態を示す表面図で、DCブラシレスモータ用の外引き出しタイプの3相12磁極の導体パターンの例を挙げて説明する。 図22の導体パターを拡大して部分的に示す説明図である。
以下、本発明に係るコイル装置の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1から図14に本発明のコイル装置をDCブラシレスモータのステータコイルに適用した一実施形態を示す。このコイル装置は、3回路の導体パターン2が形成されたディスク型コイルを4枚積層し、各ディスク型コイルの積層用スルーホール10を貫通する導電性を有するピン9で隣るディスク型コイルの積層用スルーホール10を互いに電気的に接続することにより、積層された複数枚のディスク型コイルを直列接続して1つのコイルとして用いるものである。
各ディスク型コイルは、図2に示すように、絶縁基板1,導体パターン2,始端末パターン3,終端末パターン4,接続パターン5,絶縁基板1の表面と裏面の導体パターン2を接続するスルーホール6並びに他のディスク型コイルと導通するための積層用スルーホール10とを有し、外周縁側スルーホールランド22と内周縁側スルーホールランド23とに設けられたスルーホール6で絶縁基板1の表面並びに裏面に形成された導体パターン2の導体21を電気的に接続して波形に折り返すようにして絶縁基板の円周方向に1巡りすることでコイルを形成するようにしている。これにより、各ディスク型コイルにおける導体パターン2の各単位が直列に接続され長い配線量が確保される。
絶縁基板1は、中央部に軸孔11が穿孔された円環状のディスクから成り、絶縁性の合成樹脂材によって構成されている。この絶縁基板1の外周縁の一部には、始端末パターン3,終端末パターン4及び接続パターン5が配置されるフランジ部12が外側へ突出するように一体形成されている。この絶縁基板1の材質については特に限定されるものではなく、硬質性,フレキシブル性のいずれをも選択することができる。
導体パターン2は、絶縁基板1の両面に貼付した銅系,アルミニウム系等の箔をエッチング技術(例えばプリントエッヂ法など)により部分的に溶解腐食させて所要のパターンに形成されたり、あるいは薄板状の金属材をプレス技術等によって所要のパターンに打ち抜いたものを絶縁基板1の表裏面に貼着することにより形成されている。この導体パターン2は、環状絶縁基板1の内周縁並びに外周縁に沿って環状に配置したスルーホールランド22,23の間を内周縁側から外周縁側あるいは外周縁側から内周縁側へと延びる複数の導体21が外周縁側のスルーホールランド22と内周縁側のスルーホールランド23とでスルーホール接続されることにより、絶縁基板1の表面と裏面との間で交互に波形に折返して1つのコイルを構成するように形成されている。スルーホール6は、図5に示すように、絶縁基板1の表面に形成された導体パターン2と裏面に形成された導体パターン2とを各スルーホールランド22,23で導通させる。
ここで、外周縁側のスルーホールランド22は1つの円aの上に環状に一定間隙をあけて配置すると共に内周縁側のスルーホールランド23は複数の同心円b,b,b上でかつ絶縁基板1の半径方向cに整列されて配置されている。本実施形態の場合、図4に示すように、同じ回路の同じ磁極を構成する複数の導体21の内周縁側のスルーホールランド23が、互いに異なる複数の同心円b,b,b上でかつ絶縁基板1の半径方向cに整列されて配置することにより、内周縁側スルーホールランド23の面積を外周縁側スルーホールランド22と同等にしている。そして、各スルーホールランド22,23には、複数のスルーホール6が設けられて、各スルーホールランド22,23でのスルーホール接続の導通面積が拡張され、同じスルーホールメッキ厚さでもスルーホールランド全体としてはスルーホール接続を流れる電流値を増やしてスルーホール接続での電気抵抗を少なくするようにされている。
また、導体パターン2は、図4に示すコイル半部2aと図6に示すコイル半部2bとが積層されて接続パターン5を介して接続されることにより、図7に示すコイルが形成されている。そして、このコイルを1単位として3単位が位相して積層され、3相8磁極の導体パターンが形成されている。このとき、一方のコイル半部2aに対し、他方のコイル半部2bを1/2ピッチ分ずらして配置することにより、一方のコイル半部2aの線間溝を他方のコイル半部2bの線で覆い、磁束漏れを防ぐことができる。
ここで、導体21は、磁気回路を構成する環状中央の直線部21aと、該直線部21aと両端のスルーホールランド22,23との間で緩やかな円弧を描く円弧部21b,21cとを有する屈曲した線形に構成されている。そして、絶縁基板1の同じ面の同じ回路の同じ磁極を構成する複数の導体21の各円弧部21b,21cの曲率中心をそれぞれ同じにすることにより、導体21の幅並びに導体間隙を均一に設定するようにしている。これにより、導体間隙を一定にしながら、導体21の一部において導体パターン2を流れる最大電流値を制約してしまうような幅の狭い箇所が形成されることがない。
さらに、始端末パターン3は、導体パターン2の一方のコイル半部2aの始端末に位置する外周縁側のスルーホールランド22に接続されて、絶縁基板1のフランジ部12に引出されている。終端末パターン4は、導体パターン2の他方のコイル半部2bの終端末に位置する外周縁側のスルーホールランド22に接続されて、絶縁基板1のフランジ部12に引出されている。接続パターン5は、導体パターン2の一方のコイル半部2aの終端末に位置する外周縁側のスルーホールランド22と、導体パターン2の他方のコイル半部2bの始端末に位置する外周縁側のスルーホールランド22とに接続されて、絶縁基板1のフランジ部12に引出されている。この導体パターン2においては、始端末パターン3、終端末パターン4及び接続パターン5が絶縁基板1の外周縁から突出する1カ所のフランジ部12に集約されることにより、ディスク型コイルを積層する際の連結作業を容易にすると共にディスク型コイルのコンパクト化を可能とする。また、始端末パターン3,終端末パターン4及び接続パターン5が導体パターン2の外周縁側スルーホールランド22よりも外側へ引き出されることにより、高密度の導体パターン2が容易かつ確実に接続されるため、安価に製造することができる。この3回路分の始端末パターン3、終端末パターン4及び接続パターン5は、互いのパターンの干渉を回避するため絶縁基板の1の表面と裏面とに分散させて配置することが好ましい。例えば、図8〜図13に示すように、3つのグループの積層用スルーホールを形成するための穴(以下、単に積層用穴と呼ぶ)7のうち、左右のグループの5個の積層用穴7のいずれかにそれぞれ接続される始端末パターン3及び終端末パターン4は、絶縁基板のフランジ部12の表側の面に配線され、中央のグループの5個の積層用穴7のいずれかに接続される始端末パターン3及び終端末パターン4並びに3回路分の接続パターン5は、絶縁基板1のフランジ部12の裏側の面に配線されている。尚、これら始端末パターン3、終端末パターン4および接続パターン5については、導体パターン2と一体的に形成される。
各ディスク型コイルの絶縁基板1のフランジ部12に引出された導体パターン2の各回路毎の始端末パターン3及び終端末パターン4は、各ディスク型コイル毎に選択された2個の積層用穴7に電気的に接続されて積層用スルーホール10を構成している。
積層用穴7は、図14に示すように、絶縁基板1に穿孔されて電気メッキ等で積層された複数枚のディスク型コイル間の始端末パターン3,終端末パターン4を互いに接続するものである。3回路分の導体パターン2が形成された4枚のディスク型コイルを積層する本実施形態の場合には、絶縁基板1のフランジ部12に15個、即ち導体パターン2の1回路につきn+1(nはディスク型コイルの枚数)個が近接集合するように設けられている。ここで、(n+1)の積層用穴7は、ディスク型コイルを積み上げた状態で積み上げ方向に同じ位置となるように開いていれば必要十分であり、必ずしも近接集合しなければならない理由はなく、離散して存在していてもあるいは不等ピッチで存在していても、ディスク型コイルを積み上げたときに積層用穴7の位置が積層方向に揃えば良い。勿論、積層用穴7を近接集合させている方が、コイル装置のコンパクト化には寄与するが、近接集合していなくともディスク型コイルの積層工作が容易で製造コストが安価となる効果が損なわれるものではない。また、積層用穴7の数は、1回路につき少なくともn+1(nはディスク型コイルの枚数)個が設けられている場合、図14に例示されている直列接続の他、図15や図16に示すような並列接続や図17に示すようなその他の直列接続も可能となることから、積層する複数枚のディスク型コイルの接続の自由度をより一層高めることができる。しかしながら、積層用穴7の数は、必ずしも1回路につき少なくともn+1(nはディスク型コイルの枚数)個が設けられ無ければならないというものではなく、図15〜図17に示すように、各回路毎に少なくとも2穴以上設けられていれば、ピン9の接続の仕方や始端末パターン3,終端末パターン4の配置を変更することで複数枚のディスク型コイルを直列接続ないし並列接続して出力の異なる誘導機が製作できる。
ここで、各ディスク型コイルにおける積層用穴7の数が1回路につき少なくともn+1個設けられている本実施形態においては、絶縁基板に形成される導体パターン並びに積層用スルーホールを形成するための穴の位置が共通した同じディスク型コイルを用いて、始端末パターンと終端末パターンが接続される積層用穴の位置即ち積層用スルーホールの位置のみを変更するだけで、積層するディスク型コイル間を直列接続あるいは並列接続若しくは並列接続と直列接続とが混在した接続を自由に選択可能となる。つまり、本実施形態の各ディスク型コイルでは、導体パターン2と接続パターン5並びに積層用穴7の配置は共通しているが、始端末パターン3と終端末パターン4の配置がディスク型コイル毎に相違しており、図14に示すように隣接するディスク型コイルの間で積層用スルーホール10が順次1個づつずれて配置されている。即ち、始端末パターン3と終端末パターン4の引き出されるスルーホールランド22の位置並びに接続パターン5で接続されるスルーホールランド22の位置は全てのディスク型コイルにおいて同じであり、始端末パターン3と終端末パターン4が接続される積層用穴7の位置即ち積層用スルーホール10の位置のみが積層するディスク型コイル間の接続の仕方に応じてディスク型コイル毎に異なる。
このように構成された4枚のディスク型コイルは、図14に示すように、絶縁シート8を介して積層される。この積層では、各ディスク型コイルの磁極の位置を合わせるために絶縁基板1を回転させる必要はなく、そのまま積み重ねれば良い。なお、積層用スルーホール10の接続については、例えば、絶縁シート8を介在させてディスク型コイルを積層した後に、絶縁シート8を貫通させて導電性を有するピン9を挿入しながら、絶縁シート8とディスク型コイルとを順次積み上げて行くだけで完了する。絶縁シート8にはピン9を貫通させるための穴が予め空けられている。尚、ピン9については、積層されたディスク型コイルの隣接する積層厚さよりも長いものを使用して積層用スルーホール10を構成していない他の積層用穴7にまで貫通させることもできる。即ち、ピン9は、電気的に接続しようとする複数枚のディスク型コイルの厚みを遙かに超える長さ、例えば全てのディスク型コイルの絶縁基板を貫通する長さとしても良い。このようにしても、積層用スルーホール10以外の積層用穴7はスルーホール用メッキとランドを備えていないか、あるいは始端末パターン3若しくは終端末パターン4と接続されていないので、電気的接続の必要のない他のディスク型コイルの導体パターン2と導通することはなく、全てのディスク型コイルを機械的に連結するのみである。この場合、全てのディスク型コイルを積み上げた状態で全ての積層用穴7にピン9を挿入するだけで良いので、ディスク型コイルの積層工作が極めて簡単かつ容易で製造コストが安価となる。勿論、図14に示すように、ディスク型コイルを2枚ずつピン9で積層用スルーホール10の接続を図りながら積層工作する場合においても、作業を容易に行うことができるため、製造コストがより低減される。
また、積層状態にある複数のディスク型コイルの接続は、図14に示すように積層用スルーホール10となる積層用穴7を1個ずつずらす直列接続方式に限られず、必要に応じて様々な接続方式が採用できる。例えば、図15に示すように、積層される複数枚のディスク型コイルが複数組に分けられて、各組のディスク型コイルの始端末パターン3が接続される積層用スルーホール10と終端末パターン4が接続される積層用スルーホール10とがそれぞれ積層方向の同じ位置に配置されてピン9で並列接続される一方、並列接続された各組のディスク型コイルの終端末パターン4が接続される積層用スルーホール10と他の組のディスク型コイルの始端末パターン3が接続される積層用スルーホール10とが積層方向の同じ位置に配置され、並列接続されたディスク型コイルの組同士を共通の1本のピン9で直列接続するようにしても良い。
または、図16に示すように、積層状態にある全てのディスク型コイルの始端末パターン3が接続される積層用スルーホール10と終端末パターン4が接続される積層用スルーホール10とがそれぞれ積層方向の同じ位置に配置され、始端末パターン3同士並びに終端末パターン4同士が同じ位置の積層用スルーホール10を貫通する1本の共通のピン9でそれぞれ接続されることにより、全ての積層状態にあるディスク型コイルを並列接続することも可能である。
さらには、図17に示すように、隣接するディスク型コイルの間で一方のディスク型コイルの終端末パターン4が接続される積層用スルーホール10と他方のディスク型コイルの始端末パターン3が接続される積層用スルーホール10とが積層方向の同じ位置に配置され、かつ積層方向に隣り合うディスク型コイル間で始端末パターン3と終端末パターン4とが交互に配置されるように積層用スルーホール10を配置することで、2列の積層用スルーホール10を千鳥状に配置されるピン9で接続されるようにして直列接続することも可能である。この場合、1回路のコイルの始端末パターン3と終端末パターン4とが交差しないように絶縁基板1の表面と裏面とに分散して配置することが好ましい。
また、本発明は図1〜図14に示す実施形態の導体パターン2に特に限定されるものではなく、始端末パターン3,終端末パターン4並びに接続パターン5の構成によっては、各ディスク型コイルにおける導体パターン2の各回路を並列,直列に自由に接続することもできる。即ち、少なくとも始端末パターン3が接続された1巻のコイルと終端末パターン4が接続された1巻のコイルとを含む複数巻のコイルが形成された1枚のディスク型コイルの中で、接続パターン5の配線を変えることで複数巻のコイルを直列接続あるいは並列接続することができる。例えば、図19に示すように、コイル半部2aに接続された始端末パターン3とコイル半部2bの始端末となるランド22を接続パターン5で接続する一方、コイル半部2bに接続された終端末パターン4とコイル半部2aの終端末となるランド22となるランド22を接続パターン5で接続することにより、2つのコイル半部2a,2bを並列接続できる。この場合、並列接続することで流せる電流値を上げることができる。また、図7に示すように直列接続することで電圧を上げることができる。勿論、図7に示すような直列接続や図19に示すような並列接続の実施形態では1枚のディスクの中で1/2ピッチずれたコイル半部2aとコイル半部2bとを接続パターン5で接続する例を挙げて本発明を主に説明しているが、1枚のディスクの中で3巻以上のコイルが接続パターン5で直列若しくは並列に接続されたりすることも可能である。このようなケースは、特に出力の高い誘導機に適用する場合に効果的であり、例えば本発明者の試作の結果によれば、3KW以上の誘導機について好ましい結果が得られた。また、図18に示すように、コイル半部2bの始端末となるランド22と終端末となるランド22をそれぞれ始端末パターン3と終端末パターン4に接続することで1巻のコイルを成立させることも可能である。
以上のように、1枚のディスク型コイルの中で複数巻のコイルを並列接続あるいは直列接続したものを更に複数枚のディスク間で直列接続あるいは並列接続できる。1枚のディスク型コイルの中で複数巻きのコイルを並列接続したものを更に複数枚のディスク間で並列接続する場合には、コイルにより大電流を流すことができる。他方、1枚のディスク型コイルの中で複数巻きのコイルを直列接続したものを更に複数枚のディスク間で直列接続する場合には、コイルに流す電流の電圧をより高くすることができる。さらに、1枚のディスク型コイルの中での直列接続を多くして高電圧を確保しつつ、更にディスク間での並列接続を行うことで大電流を確保することにより、従来技術で実現できなかった5KW以上の容量が容易に実用化できる。しかも、いずれの接続においても、導体ピン9を挿す位置に積層用スルーホール10を配置するので、ディスク型コイルの回転無くして回路接続ができるという効果を損うことがない。
さらに、上述の始端末パターン3および終端末パターン4は、絶縁基板1の内周縁側に引出すこと、具体的には内周縁側スルーホールランド23よりもさらに内側のスペースに引出し積層用スルーホール10に接続することも可能である。例えば、図20及び図21に2回路の導体パターン2を形成した内側引き出しタイプのディスク型コイルを3枚積層する場合の実施形態の一例を示す。この実施形態における各ディスク型コイルは、内周縁側のスルーホールランド23よりもさらに内側の円周d上に90°置きに積層用穴7が4個(n+1)ずつ穿孔されている。そして、任意のグループの4つの積層用穴7のうちの2つに始端末パターン3と終端末パターン4とがそれぞれ接続されている。他方、接続パターン5は、コイル半部2aの終端とコイル半部2b(コイル半部2aに対して36°ずれて配線されている)の始端とを接続するため、導体パターン2の中に引きまわされて配線されている。本実施形態の場合、図20においては、コイル半部2aの終端とコイル半部2bの始端とがそれぞれ外周縁側のスルーホールランド22となるため、それらを結線するように内周縁側のスルーホールランド23に向けて他の導体21に沿って配線されると共に内周縁側スルーホールランド23のさらに内側を迂回するように引き回されながら外周縁スルーホールランド22に向けて配線する。このとき、接続パターン5は、始端末パターン3及び終端末パターン4と交差しないようにするため、これら始端末パターン3と終端末パターン4とが形成されている面とは反対側の面に形成される。本実施形態の場合、始端末パターン3と終端末パターン4とが形成されている面を表面とすれば、裏面側に接続パターン5が形成される。このように、始端末パターン3,終端末パターン4,接続パターン5を絶縁基板1の内周側に引出す実施形態は、出力が大きくなると、コイル半径が大きくなってくるので、内径側にスペースが採りやすくなるので、適用が効果的である。尚、図面には4回路分の積層用穴7が90°置きに分散させて配置されているが、1箇所に近接集合させることも可能である。
このように、絶縁基板1の内周縁側に生ずるスペースを利用して始端末パターン3及び終端末パターン4を絶縁基板1の内周縁側に引出しかつ積層用スルーホール10を形成するタイプのディスク型コイルの場合には、絶縁基板1の外にフランジ部12が突出しない分だけ場所をとらない利点がある。しかも、出力が大きくなると、コイル半径が大きくなるに伴って内周縁側に生ずるスペースも更に大きくなるため、このスペースを有効利用することができ、コンパクト化に効果的である。
さらに、本実施形態では、絶縁基板1に設けられる積層用穴7はスルーホール用メッキとランドを備えているものではないが、場合によっては予め全ての積層用穴7にスルーホール用メッキとランドを形成しておき、選択された積層用穴7のランドに対して始端末パターン3及び終端末パターン4を接続するようにしても良い。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば図1〜図21に示す各実施形態における導体パターン2は好ましい一形態ではあるが、これに特に限定されるものではない。このような導体パターン2には特に限定されず、様々な導体パターン、例えば特許第3636700号公報に示されるような渦巻き状の導体パターンに適用することも可能であれば、図22及び図23に示すようなその他の導体パターンに適用することも可能である。
図22及び図23に示すディスク型コイルは、内周縁側スルーホールランド23のスルーホール6を複数とし、かつ絶縁基板1の半径方向cに整列されるようにして、内周縁側スルーホールランド23の周方向への拡張を招かずに、1つの内周縁側スルーホールランド23でのスルーホール接続の導通面積を拡張し、同じスルーホールメッキ厚さでも内周縁側スルーホールランド23全体としてはスルーホール接続を流れる電流値を増やすことができるようにしたものである。具体的には、この実施形態の内周縁側スルーホールランド23は、図23に示すように、絶縁基板1の半径方向cに拡張された面積を有し、かつその半径方向の輪郭の延長線が絶縁基板1の中心に一致する楔形状を成し、半径方向外側の端部から導体21が引き出されるように配線されている。即ち、内周縁側スルーホールランド23は、一定の導体間隙を形成すると共に周方向の幅が最大限許容される範囲でスルーホールランドとして十分な広さが得られるように縁基板の半径方向に面積が拡張されたものであり、一定の導体間隙が得られるように絶縁基板1の中心から放射状に描かれる半径方向cの線で区画される2つの導体間隙となる領域の間の領域に収まる縦長の逆台形状に形成されている。つまり、絶縁基板の内周縁側に向けて幅が漸次狭まるほぼ楔形状に形成されている。この実施形態の内周縁側スルーホールランド23は、絶縁基板1の内周縁に沿って周方向に環状に配置されているが、絶縁基板1の半径方向cに拡張されているため、複数のスルーホールが形成できる。例えば本実施形態では6個のスルーホール6を形成することにより、スルーホール接続のメッキ量等を必要量確保してスルーホールを流れる電流値で導体パターン全体に流される電流値が制約を受けることがなくなるようにしている。また、内周縁側スルーホールランド23の半径方向外側の端部から導体21が引き出されるように配線することにより、内周縁側スルーホールランド23近傍における導体21の幅が内周縁側スルーホールランド23と同じになり、導体幅で導体パターン全体に流される電流値が制約を受けることがなくなる。
この実施形態の場合、3回路分の導体パターン2が形成された4枚のディスク型コイルを積層するため、絶縁基板1のフランジ部12に15個、即ち導体パターン2の1回路につきn+1(nはディスク型コイルの枚数)個が近接集合するように設けられている。そして、各ディスク型コイルの導体パターン2の各回路毎の始端末パターン3及び終端末パターン4がディスク型コイル毎に選択された2個の穴7に電気的に接続されて積層用スルーホール10が構成されている。また、各回路毎に複数の巻が形成され、接続パターン5によって直列接続あるいは並列接続されている。この実施形態の場合、図1〜図21に示す実施形態のディスク型コイルに比べて、同じ大きさの絶縁基板1を用いる場合には、外周縁側スルーホールランド22と内周縁側スルーホールランド23との間を広くとることができるので、導体の磁気回路を構成する環状中央の直線部21aを長くすることができ、より出力を大きくできる。
さらに、本実施形態に示す導体パターン2は好ましい一形態ではあるが、これに特に限定されるものではない。本発明の積層用スルーホールを形成するための穴7が各ディスク型コイルの各回路毎に少なくとも2穴以上設けられると共に絶縁基板1の導体パターン2の外側あるいは内側でかつ複数枚のディスクを積層させた状態で積層方向に同じ位置に配置され、各ディスク型コイルの導体パターン2の各回路毎の端末部となる始端末パターン3及び終端末パターン4がディスク型コイル毎に選択された2個の積層用穴7に電気的に接続されて積層用スルーホール10を構成している関係を維持する限り、図示以外のあらゆる導体パターンに適用可能であることは言うまでもないし、積層するディスク型コイルの枚数などにも限定を受けるものではない。さらに、導体パターン2は3相・3回路に限られず、2回路でもあるいは4回路以上でも可能である。また、本実施形態では導体ピン9で積層用スルーホール10を接続する例を挙げて主に説明しているが、これに特に限られるものではなく、積層用スルーホール10を半田付けあるいは半田や導電材料を充填することで導通させることも可能である。
本発明のディスク型コイルは、DCブラシレスモータなどの誘導機のロータコイルやステータコイルなどの電磁誘導機器分野に利用可能であり、出力の大きな薄型のDCブラシレスモータを実現できる。
1 絶縁基板
2 導体パターン
2a,2b コイル半部
3 始端末パターン
4 終端末パターン
5 接続パターン
6 導体接続用スルーホール
7 積層用スルーホールを形成するための穴
9 導体ピン(導電性を有するピン)
10 積層用スルーホール

Claims (9)

  1. ディスク形の環状絶縁基板に少なくとも1回路のコイルを構成する導体パターンを有するディスク型コイルを複数枚積層して他のディスク型コイルと導通するための積層用スルーホールで電気的に接続することにより積層された複数枚の前記ディスク型コイルを1つのコイルとして用いるコイル装置において、積層される複数枚の前記ディスク型コイルは前記導体パターン及び該導体パターンの各回路毎の始端末及び終端末の位置が同じであると共に前記始端末及び前記終端末が前記積層用スルーホールに始端末パターンと終端末パターンとを介して接続される構造の1種類のディスク型コイルであり、かつ各ディスク型コイルの各回路毎に積層ディスク枚数n(nは正の整数)に対して少なくともn+1個の前記積層用スルーホールを形成するための穴が前記絶縁基板の前記導体パターンの外側あるいは内側でかつ複数枚の前記ディスクを積層させた状態で積層方向に同じ位置に配置されて設けられ前記始端末パターンと前記終端末パターンが接続される相手の前記積層用スルーホールを形成するための穴の位置を変更するだけで、積層する前記ディスク型コイル間を接続する前記積層用スルーホールの位置を変更可能とし、複数枚の1種類のディスク型コイルで任意の回路を構成することを特徴とするコイル装置。
  2. 前記積層用スルーホールを形成するための穴は近接集合されていることを特徴とする請求項1記載のコイル装置。
  3. 前記積層用スルーホールを形成するための穴は前記絶縁基板の外周縁から外に突出するフランジ部または前記導体パターンよりも前記絶縁基板の内周縁側のスペースに配置されており、前記始端末パターン及び前記終端末パターンが前記フランジ部あるいは前記絶縁基板の内周縁側のスペースに引き出されているものである請求項1または2記載のコイル装置。
  4. 前記ディスク型コイルの前記導体パターンは、前記環状絶縁基板の内周縁並びに外周縁に沿って環状に配置した内周縁側のスルーホールランドと外周縁側のスルーホールランドとの間を内周縁側から外周縁側あるいは外周縁側から内周縁側へと延びる複数の導体が前記外周縁側のスルーホールランドと前記内周縁側のスルーホールランドとでスルーホール接続されることにより絶縁基板の表面と裏面との間で交互に波形に折返して1つのコイルを構成するものである請求項1から3のいずれか1つに記載のコイル装置。
  5. 前記内周縁側のスルーホールランドが前記絶縁基板の半径方向に拡張された面積を有し、かつその半径方向の輪郭の延長線が前記絶縁基板の中心に一致する楔形状を成し、半径方向外側の端部から前記導体が引き出されるものであると共に前記絶縁基板の半径方向に表面の前記導体パターンと裏面の前記導体パターンとを接続する複数のスルーホールが形成されていることを特徴とする請求項4記載のコイル装置。
  6. 同じ回路の同じ磁極を構成する複数の前記導体の内周縁側の前記スルーホールランドが、互いに異なる複数の同心円上でかつ前記絶縁基板の半径方向に整列されて配置されていると共に表面の導体パターンと裏面の導体パターンとを接続する複数のスルーホールが形成されていることを特徴とするものである請求項4記載のコイル装置。
  7. 前記ディスク型コイルの前記導体パターンは少なくとも前記始端末パターンが接続された1巻のコイルと前記終端末パターンが接続された1巻のコイルとを含む複数巻のコイルが1つの絶縁基板上に形成され、これらが接続パターンで直列接続または並列接続されているものである請求項5記載のコイル装置。
  8. 前記ディスク型コイルは絶縁シートを介して積層され、電気的に接続される複数の前記ディスク型コイルの前記積層用スルーホールが前記絶縁シートを貫通する導電性を有するピンで接続されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載のコイル装置。
  9. 前記始端末パターンが接続される前記積層用スルーホールと前記終端末パターンが接続される前記積層用スルーホールとが各ディスク型コイル毎に1穴ずつ穴位置をずらしながら配置され、全ての積層された前記ディスク型コイルが順次導電性を有するピンで直列接続されているものである請求項1から8のいずれか1つに記載のコイル装置。
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