JP4699196B2 - 可燃性冷媒処理装置 - Google Patents

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本発明は、冷媒として可燃性ガスを使用した冷蔵庫、空気調和機等の冷凍機器から可燃性ガスを回収して処理するための可燃性冷媒処理装置に関する。
従来の冷蔵庫には、HCFC系冷媒あるいはHFC系冷媒が使用されているが、オゾン層の破壊あるいは地球の温暖化現象の要因となっていることから、最近ではオゾン層の破壊や地球温暖化現象に影響を与えることのないHC系冷媒を使用した冷蔵庫が徐々に普及し始めている。
しかしながら、HC系冷媒は可燃性冷媒で爆発や発火を未然に防止する必要があり、本願出願人は、仮にスパーク等により着火しても火炎の伝搬を未然に防止することで大爆発や火災を防止するようにした爆発防止装置を提案している(例えば、特許文献1参照。)。
また、車室外側に可燃性冷媒を用いた冷却サイクルを設ける一方、車室内側に室内用熱交換器を設け、室内用熱交換器と冷却サイクルの冷媒・ブライン熱交換器とを結合してブラインサイクルを構成した車両用冷却装置において、可燃性冷媒がブラインサイクルより漏出した場合に、ブラインサイクルの異常を検出する異常検出手段により異常を検出し、冷却サイクルを停止したり警報を発するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−125482号公報 特開平10−338023号公報
しかしながら、長年使用した冷蔵庫を廃棄するにあたり、冷蔵庫内には依然としてHC系冷媒が残存しており、この残存冷媒を回収する必要があるが、HC系冷媒専用の回収装置は現在存在していない。また、冷蔵庫内にはHC系冷媒のみならず冷凍機油も残存しており、HC系冷媒及び冷凍機油の取り扱いには、点火や爆発の危険性を考慮すると、電気機器については防爆仕様が要求されるとともに、温度あるいは圧力についても所定値以下(例えば、50℃以下、0.5MPa以下)に抑える必要がある。特に、冷凍機油中には多量の冷媒が溶け込んでおり、この冷凍機油中の冷媒の残存量を所定値以下に抑えることも重要な課題の一つである。しかしながら、このような条件を満足する回収装置は高額なものとなる。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、可燃性冷媒を使用した冷凍機器から可燃性冷媒を安全かつ確実に回収し、可燃性冷媒とともに回収した冷凍機油に残存する冷媒も併せて効率的に処理することができる安価な可燃性冷媒処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、冷凍機器の冷凍サイクル内に残存する可燃性冷媒を回収して処理するための可燃性冷媒処理装置であって、前記冷凍サイクルから回収した可燃性冷媒と冷凍機油とを分離するための油分離タンクと、該油分離タンク内のガスを吸引して油分離タンク内に真空を発生させるための真空ポンプと、前記冷凍サイクルを構成する配管を前記油分離タンクに連通させるための穿孔手段とを備え、前記真空ポンプを駆動して前記油分離タンク内に真空を発生させて冷凍サイクル内の可燃性冷媒を前記油分離タンク内に吸引し、前記油分離タンク内に貯留された可燃性冷媒を空気で希釈して放出するとともに、前記真空ポンプの吸入側に主管と主管より小径のバイパス管を並列に設け、起動運転時の所定時間は前記主管を閉制御する一方、前記バイパス管を開放するようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記真空ポンプの作動開始から所定時間経過後、前記主管を開制御するようにしたことを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記油分離タンクの内部が第1の圧力まで低下したことを検出する第1の圧力検知手段をさらに備え、前記穿孔手段により前記配管を前記油分離タンクに連通した後、前記第1の圧力検知手段が作動すると、前記バイパス管を閉止するようにしたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記油分離タンクの内部が前記第1の圧力より高い第2の圧力まで上昇したことを検出する第2の圧力検知手段をさらに備え、前記穿孔手段により前記配管を前記油分離タンクに連通した後、前記第2の圧力検知手段が作動すると、前記真空ポンプを停止させるとともに、前記主管を閉制御するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、油分離タンク内に貯留された可燃性冷媒を空気で希釈して放出するとともに、起動運転時の所定時間は真空ポンプ吸入側の主管を閉制御する一方、主管より小径のバイパス管を開放するようにしたので、起動運転時には油分離タンク内のガス濃度(冷媒濃度)が比較的高いが、配管径が小さいバイパス管を介して油分離タンク内のガスを吸引して排気ブロアで吸引ガスを希釈することができ、極めて簡素で安価な構成で安全性を向上させることができる。
また、真空ポンプの作動開始から所定時間経過後、主管を開制御するようにしたので、真空ポンプの作動開始から所定時間はガスの処理量を抑えて安全性を確保し、その後は安全性を維持した状態で処理量を増加することができる。
さらに、油分離タンクの内部が所定の圧力まで低下したことを検出する第1の圧力検知手段を設け、穿孔手段により冷凍サイクルを構成する配管を油分離タンクに連通した後、第1の圧力検知手段が作動すると、バイパス管を閉止するようにすると、安全性を確保した上で冷媒回収を効率的に行うことができる。
また、第2の圧力検知手段が作動すると、真空ポンプを停止させるとともに、主管を閉制御するようにしたので、油分離タンク内の圧力が異常に上昇した場合、ガスの外部への排出を防止することができ、さらに安全性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかる可燃性冷媒処理装置を示しており、例えば使用済みの冷蔵庫の冷凍サイクル内に残存する可燃性冷媒を回収し、爆発の危険性がない濃度まで低下させて大気中に放出するために使用される。可燃性冷媒としては、イソブタン、プロパン等のHC(ハイドロカーボン)系冷媒が主に使用されている。HC系冷媒がイソブタンの場合、イソブタンの空気に対する体積混合率が1.8%〜8.4%の範囲で点火源があれば爆発の危険性があることから、イソブタンを大気放出するに際し、イソブタンの空気に対する体積混合率を所定の濃度(例えば、0.18%)以下まで低下させる必要がある。また、他のHC系冷媒についても同様なことが言える。
図1に示されるように、本発明にかかる可燃性冷媒処理装置は、可燃性冷媒と冷凍機油を分離するための密閉された油分離タンク2と、油分離タンク2内のガスを吸引して油分離タンク2内に真空を発生させる真空ポンプ4と、真空ポンプ4を駆動する電動モータ5と、大気放出される可燃性冷媒を希釈するための排気ブロア6と、油分離タンク2に溜まった冷凍機油が排出される廃油タンク8とを備えている。
油分離タンク2の底面には配管9の一端が接続され、配管9の他端には二方弁10が取り付けられている。二方弁10には冷媒回収ホース12の一端が接続され、冷媒回収ホース12の他端には、二つの連成計14,16を有する少なくとも一つのゲージマニホールド18が接続されるとともに、二方弁20,22が取り付けられた二本の冷媒回収ホース24,26を介して穿孔手段であるピアシング治具28,30にそれぞれ接続されている。ピアシング治具28,30は、HC系冷媒(例えば、イソブタン)を使用した冷蔵庫の内部に設けられた圧縮機の高圧側配管と低圧側配管に針で孔を開け、冷媒回収ホース24,26に連通させるために使用されるが、その構成は公知なので説明は省略する。
また、油分離タンク2の内部には、ワイヤフィルタ32が静電気防止手段として設けられており、ワイヤフィルタ32は、例えばステンレススチール(SUS)製である。さらに、油分離タンク2の内部には、油分離タンク2に貯留された油の高レベルを検出する高レベル検出用フロートスイッチ34と、低レベルを検出する低レベル検出用フロートスイッチ36が設けられている。
油分離タンク2の底面にはまた、配管38を介して廃油タンク8が接続されており、配管38には直動電磁弁40と二方弁44が取り付けられている。
さらに、油分離タンク2の底面は、配管50を介して大気と連通しており、配管50には配管50の大気開放端から油分離タンク2に向かって、エアフィルタ52と二方弁54と直動電磁弁56と逆止弁58が順次取り付けられている。
一方、油分離タンク2の上面には、連成計60と低圧検出用圧力スイッチ62と高圧検出用圧力スイッチ64とが配管66を介して接続されている。
さらに、油分離タンク2の上面は、ミストセパレータ68が取り付けられた配管70を介して三方弁72に接続されており、配管70の途中には大気と連通する二方弁74が取り付けられている。また、三方弁72には、配管70に加えて圧縮空気源(図示せず)に連通する配管76と、排気ブロア6に連通する配管78とが接続されている。この三方弁72は、配管70と配管78とが連通する位置と、配管70と配管76が連通する位置と、配管70,76,78の全てを遮断する中間位置に設定することができる。
配管76には、圧縮空気源から三方弁72に向かって、エアフィルタ80とレギュレータ82と圧力計84が取り付けられるとともに、二方弁86が取り付けられ制御盤88に連通する配管90が接続されている。また、配管78には、三方弁72から排気ブロア6に向かって、直動電磁弁92と真空ポンプ4が取り付けられ、二方弁94が取り付けられたバイパス管96が直動電磁弁92と並列に接続されている。
なお、電動モータ5、排気ブロア6、フロートスイッチ34,36、直動電磁弁40,56,92、圧力スイッチ62,64は制御盤88に電気的に接続されている。
上記構成の本発明にかかる可燃性冷媒処理装置の作用を以下説明する。
使用済みの冷蔵庫の冷凍サイクル内に残存する冷媒を回収するに当たり、制御盤88を操作して電動モータ5に通電し真空ポンプ4を作動させるとともに、排気ブロア6を作動させる。また、圧縮機(図示せず)の高圧側配管と低圧側配管にピアシング治具28,30でまず孔を開け、冷媒回収ホース24,26にそれぞれ接続する。このとき、配管9に取り付けられた二方弁10と、真空ポンプ4の吸入側に取り付けられた直動電磁弁92と、配管38に取り付けられた直動電磁弁40と二方弁44、配管50に取り付けられた直動電磁弁56と二方弁54、配管70に取り付けられた二方弁74は閉止される一方、バイパス管96に取り付けられた二方弁94は開放状態にあり、油分離タンク2内のガスはミストセパレータ68と三方弁72とバイパス管96を介して真空ポンプ4に吸い込まれ、排気ブロア6により大気放出される。なお、冷媒回収ホース24,26に取り付けられた二方弁20,22は開放状態にある。
ここで、バイパス管96と配管78の配管径は、前者を後者の略1/2に設定しており、起動運転時には油分離タンク2内のガス濃度(冷媒濃度)が比較的高いが、配管径が小さいバイパス管96を介して油分離タンク2内のガスを吸引するとともに、排気ブロア6でガスを希釈することで、安全性を向上させている。
また、制御盤88に連通する配管90に取り付けられた二方弁86も開放されており、圧縮空気源より配管90を介して制御盤88に所定量の空気を常時供給することにより、安全性をさらに向上している。すなわち、可燃性冷媒処理装置のある部位よりガスが漏洩した場合、通常拡散してガス濃度は一気に低下するが、制御盤88のように密閉されたところや風通しの悪いところは漏洩ガスが澱んで溜まる可能性があり、制御盤88内ではブレーカ等から火花が出る可能性もあることから、制御盤88に所定量の空気を常時供給することで、ガスがたとえ漏洩しても制御盤88内に溜まらないようにしている。
真空ポンプ4の作動とともに油分離タンク2内が徐々に減圧して、ゲージマニホールド18に取り付けられた連成計14,16により油分離タンク2内の圧力が所定の圧力(例えば、−0.1MPa)以下まで減少したことが確認されると、二方弁10を開放して、冷凍サイクル内の冷媒と冷凍機油を同時に油分離タンク2内に吸引する。なお、冷凍サイクル内の冷媒は油分離タンク2の底面より油分離タンク2内に吸引されるので、冷媒は回収された冷凍機油内に泡状に噴出する。また、冷媒の泡が噴出することで、油分離タンク2内の冷凍機油は撹拌され、冷凍機油に溶け込んだ冷媒が冷凍機油から分離する(バブリング作用)。
なお、油に溶存しているイソブタンの70℃引火点濃度は0.15%であり、通常回収時の油をこの値を超えているが、油分離タンク2にはワイヤフィルタ32が内蔵されており、ワイヤフィルタ32を介してアースすることで静電気による火花の発生を防止している。
真空ポンプ4の作動開始から所定時間(例えば、3分)経過すると、直動電磁弁92が励磁され開制御されるので、バイパス管96とバイパス管96より配管径が大きい主管(直動電磁弁92が取り付けられた配管)78の両方を介して冷媒回収が行われ、冷媒回収量が増大する。
冷凍サイクル内の冷媒と冷凍機油を油分離タンク2内に所定時間(例えば、3分)吸引し、油分離タンク2内の圧力が所定の圧力(例えば、−0.8MPa)になると、低圧検出用圧力スイッチ62が作動し、その出力信号が制御盤88に入力される。その結果、制御盤88に設けられた低圧表示灯が点灯すると同時に低圧を示す音が発生するので、二方弁94を閉止するとともに作業者は連成計14,16を確認しながら、二方弁20,22を閉止して、ピアシング治具28,30を圧縮機の高圧側配管及び低圧側配管から取り外すことができる。そして、次の冷蔵庫に対して同様の冷媒回収作業を施すことができる。その後、同様の作業を繰り返すことで、油分離タンク2中の冷凍機油が増え、高レベル検出用フロートスイッチ34が作動するレベルに達したときに、冷媒回収作業を停止し、二方弁10を閉止する。
なお、図1に示されるように、冷媒回収ホース12に二組の冷媒抜き取り手段(連成計14,16、二方弁20,22、ピアシング治具28,30)を接続したり、三組以上の冷媒抜き取り手段を接続することもできる。冷媒抜き取り手段が一組の場合、冷凍機器への冷媒抜き取り手段の着脱時は冷媒回収を行えないが、複数組の冷媒抜き取り手段を使用することにより冷媒回収作業を効率的に行うことができ、処理量を増大させることができる。
以上のように、所定量の冷凍機油を回収した後、冷凍機油中の冷媒を取り出すバブリング作業へと移ることになる。このとき、油分離タンク2内に導入された冷媒及び冷凍機油は、油分離タンク2の上部及び下部にそれぞれ貯留されるが、油分離タンク2の下部に貯留された冷凍機油には冷媒が溶け込んでいる。
ここで、二方弁54を開放するとともに制御盤88からの信号を受けて直動電磁弁56が所定時間だけ開放し、エアフィルタ52を介して周囲の空気が吸入されて油分離タンク2に導入され、回収された冷凍機油内に泡状に噴出する。また、空気の泡が噴出することで、油分離タンク2内の冷凍機油は撹拌され、冷凍機油に溶け込んだ冷媒が冷凍機油から分離する(バブリング作用)。
冷凍機油から分離した冷媒は、油分離タンク2の上部に貯留されたガス冷媒とともに真空ポンプ4に吸引され、排気ブロア6により周囲の空気により希釈されて大気に放出される。
したがって、油分離タンク2内に貯留されたガス冷媒の量(冷蔵庫の冷凍サイクルより回収した冷媒量)に応じて排気ブロア6の容量を選定することにより大気に放出されるガス冷媒の濃度を爆発の危険性がない所定の濃度(例えば、冷媒がイソブタンの場合、0.18vol%以下)に設定することができ、冷媒回収における安全性を確保することができる。
また、上記実施の形態において、起動運転時の冷媒回収はバイパス管96を介して行うようにしたが、この点についてさらに詳述する。
停電等により電源が切れた場合、油分離タンク2の内部と外気が連通する四つの配管のうち三つは直動電磁弁40,56,92により遮断されるので、冷媒回収ホース12が接続される配管9に取り付けられた二方弁10を閉止することにより油分離タンク2を外気と完全に遮断することができる。その後、電源が復旧して冷媒回収を再度行う場合、油分離タンク2内のガス濃度が高くなっている場合があり、直動電磁弁92をまず開制御してガス冷媒を大気開放すると、排気ブロア6により希釈されるとは言え、濃度の高いガス冷媒が大気放出されることも考えられる。そこで、起動運転時は直動電磁弁92を閉止状態に所定の時間維持するとともに、配管径が小さいバイパス管96を介してガス冷媒を大気放出することで、高濃度のガス冷媒の大気放出を防止している。
さらに、油分離タンク2は以下の理由により異常高圧になることが懸念されるので、油分離タンク2には高圧検出用圧力スイッチ64が設けられている。
・油が残存した状態で油分離タンク2を放置した場合の周囲温度の上昇によるガス圧上昇
・油分離タンク2内の冷凍機油を廃油タンク8に排出する場合の圧縮空気の圧力上昇
・異常圧状態の冷蔵庫冷凍サイクルの冷媒回収時の圧力上昇
高圧検出用圧力スイッチ64が作動すると、その信号が制御盤88に送られて、制御盤88に設けられた異常表示灯が点灯すると同時に警告音を発生するとともに、可燃性冷媒処理装置の運転を停止させることで、さらに安全性を確保している。この時、電動モータ5、排気ブロア6等の電動機器及び直動電磁弁40,56,92等の電気部品はすべて給電が断たれるので、二方弁10を閉止することにより油分離タンク2は完全に密閉状態となり、外部へのガス冷媒の排出を防止するようにしている。
なお、二方弁94に代えて直動電磁弁を取り付けてもよく、この場合、真空ポンプ4の作動開始後に低圧検出用圧力スイッチ62が作動すると、直動電磁弁は自動的に閉制御され、その後は閉止状態に維持される。
HC系冷媒としてイソブタンを採用した冷蔵庫の冷凍サイクルからイソブタンを回収する場合における安全性の評価を行うにあたり、本発明にかかる可燃性冷媒処理装置の仕様を以下のとおり設定した。
・油分離タンク2
容量:20L
高レベル検出用フロートスイッチ34:8.0Lで作動
低レベル検出用フロートスイッチ36:0.5Lで作動
低圧検出用圧力スイッチ62:−0.8MPaで作動
高圧検出用圧力スイッチ64:1.0MPaで作動
・真空ポンプ4
排気量:50L/分
・排気ブロア6
容量:25m/分
・廃油タンク8
容量:20L
・冷媒回収ホース12
呼び径:3/8”
長さ:2m
・冷媒回収ホース24,26
呼び径:1/4”
長さ:1m
・直動電磁弁40,56
呼び径:1/4”
・直動電磁弁92
呼び径:1/2”
・バイパス管96
呼び径:3/16”
また、使用した冷蔵庫は以下のとおりであった。
・ノンフロン冷蔵庫470L機種A
イソブタン冷媒の封入量:約65g/台(370〜470L)
冷凍機油の封入量:約215cc/台(370〜470L)
・ノンフロン冷蔵庫470L機種B
イソブタン冷媒の封入量:約65g/台(370〜470L)
冷凍機油の封入量:約215cc/台(370〜470L)
図2は上記仕様の可燃性冷媒処理装置を使用して可燃性冷媒であるイソブタンを処理した場合のタイミングチャートである。
図2に示されるように、可燃性冷媒処理装置が初期状態にある時間t0では、真空ポンプ4及び排気ブロア6は停止しており、二方弁86は開放して他の全ての弁を全閉状態に維持した。この時、三方弁72は配管70と配管96が連通した状態にある。その後、時間t1において電動モータ5に通電して真空ポンプ4及び排気ブロア6の運転を開始し、時間t2において二方弁94を開放した。さらに、時間t1から約3分後の時間t3において直動電磁弁92が開制御され、配管内の排気が加速された(排気開始)。
次に、時間t4において油分離タンク2内の圧力が−0.8MPaになり低圧検出用圧力スイッチ62が作動したので、二方弁94を閉止し、制御盤88に設けられた低圧表示灯が点灯すると同時に低圧を示す音を確認して、時間t4’において二方弁10,20,22を開放したところ(冷媒、冷凍機油の回収開始)、油分離タンク2内の圧力は一気に増加した後、徐々に減少した。時間t4から約3分後の時間t5において油分離タンク2内の圧力が再び−0.8MPaになり低圧検出用圧力スイッチ62が作動したので、1台目の圧縮機の冷媒及び冷凍機油の回収を終了し、二方弁20,22を閉止するとともに、ピアシング治具28,30を1台目の圧縮機より2台目の圧縮に取り付け、二方弁20,22を開放した。圧縮機からの冷媒及び冷凍機油の回収は平均して約3分で終了するので、時間t5〜時間t9まで同様の操作を繰り返したが、20台目の圧縮機の冷媒及び冷凍機油の回収を行っている途中の時間t8において、高レベル検出用フロートスイッチ34が作動したので(制御盤88で点灯)、合計20台の圧縮機の冷媒及び冷凍機油の回収を行った後、時間t9において二方弁10,20,22を閉止して(冷媒、冷凍機油回収完了)、バブリング工程に移行した。
すなわち、時間t10において二方弁54を開放するとともに直動電磁弁56が開制御され、配管50を介して周囲の空気を油分離タンク2内に導入して、バブリングを開始した。バブリング途中の時間t11において高レベル検出用フロートスイッチ34がOFFになり高レベルを示す表示灯が消灯したが、これはバブリング開始から所定時間が経過すると冷媒が冷凍機油から抜け、冷凍機油の容積が減少したためである。
バブリング開始時は、油分離タンク2内の圧力が低く、二方弁54と直動電磁弁56を介して周囲の空気が導入されると油分離タンク2内の圧力は急激に上昇するが、ある程度上昇した後、徐々に減少し、時間t12において低圧検出用圧力スイッチ62が作動した。さらに、タイマーで設定された時間t10より所定時間(例えば、2時間)経過後の時間t13において真空ポンプ4及び排気ブロア6が停止すると同時に直動電磁弁56,92が閉制御され、二方弁54を閉止してバブリングを終了した。
時間t13より冷凍機油排出工程に移行し、まず直動電磁弁40が開制御されるとともに二方弁44を開放した。その後、三方弁72を切り替えて配管70と配管76を連通させ圧縮空気源からの圧縮空気を油分離タンク2に導入し、油分離タンク2内に貯留した冷凍機油を廃油タンク8に排出した。油分離タンク2内に圧縮空気を導入すると、当然のことながら油分離タンク2内の圧力は急激に上昇し、時間t14において低圧検出用圧力スイッチ62がOFFになり、油分離タンク2内の冷凍機油が廃油タンク8に徐々に排出された。その後、時間t15において低レベル検出用フロートスイッチ36がONとなり、その信号が制御盤88に入力されて、直動電磁弁40が閉制御されるとともに、二方弁44を閉止した。なお、低レベル検出用フロートスイッチ36がONとなったときに二方弁44を徐々に絞ることによって排出口での冷凍機油の飛散を防止し、全ての冷凍機油を排出した後、直動電磁弁40が開制御されるように設定してもよい。
図3は上記仕様の可燃性冷媒処理装置を使用して可燃性冷媒であるイソブタンを処理している途中で停電等の異常事態が発生した場合のタイミングチャートである。
図3に示されるように、イソブタンを処理している途中の時間t20で停電が発生した場合、直動電磁弁40,56,92の全てが閉制御され、真空ポンプ4及び排気ブロア6が停止するとともに、二方弁10を閉止することで、油分離タンク2を密閉した。なお、イソブタンの処理中は、直動電磁弁のうち直動電磁弁40,56は閉止されているので、実際には直動電磁弁92のみが閉制御される。
油分離タンク2が密閉されると、その内部圧は徐々に上昇し、二方弁10を閉止した後の時間t21で高圧検出用圧力スイッチ64がONになったので、時間t22において可燃性冷媒処理装置を再起動し、電動モータ5に通電して真空ポンプ4の運転を開始するとともに排気ブロア6の運転を開始した。また、二方弁10,94を開放し、油分離タンク2内のイソブタンを配管78の略1/2の配管径の配管96を介して徐々に大気開放した。その後、時間t23において高圧検出用圧力スイッチ64がOFFになり、再起動からT3時間(例えば、約3分)経過後、直動電磁弁92が開制御され、油分離タンク2内の圧力が−0.8MPaになったt24において低圧検出用圧力スイッチ62がONとなった時点で二方弁94を閉止した。その後、次の圧縮機に接続し、冷媒処理作業を継続した。
なお、イソブタンの爆発下限濃度は1.8vol%(18000ppm)なので、本発明にかかる可燃性冷媒処理装置の安全率を10倍に設定したところ、上記仕様により、いかなる状況下でも大気放出されるガス濃度は0.18vol%(1800ppm)以下であることが確認された。
本発明にかかる可燃性冷媒処理装置は、可燃性冷媒を使用した冷凍機器から可燃性冷媒を安全かつ確実で安価に回収して処理することができるので、使用済みの冷蔵庫あるいは空気調和機をリサイクルする場合の可燃性冷媒の処理に有用である。
本発明にかかる可燃性冷媒処理装置の概略図 図1の可燃性冷媒処理装置を使用してイソブタンを処理した場合のタイミングチャート 図1の可燃性冷媒処理装置を使用してイソブタンを処理している途中で停電等の異常事態が発生した場合のタイミングチャート
符号の説明
2 油分離タンク
4 真空ポンプ
5 電動モータ
6 排気ブロア
8 廃油タンク
9,38,50,66,70,76,78,90 配管
10,20,22,44,54,74,86,94 二方弁
12,24,26 冷媒回収ホース
14,16,60 連成計
18 ゲージマニホールド
28,30 ピアシング治具
32 ワイヤフィルタ
34 高レベル検出用フロートスイッチ
36 低レベル検出用フロートスイッチ
40,56,92 直動電磁弁
52,80 エアフィルタ
58 逆止弁
62 低圧検出用圧力スイッチ
64 高圧検出用圧力スイッチ
68 ミストセパレータ
72 三方弁
82 レギュレータ
84 圧力計
88 制御盤
96 バイパス管

Claims (4)

  1. 冷凍機器の冷凍サイクル内に残存する可燃性冷媒を回収して処理するための可燃性冷媒処理装置であって、
    前記冷凍サイクルから回収した可燃性冷媒と冷凍機油とを分離するための油分離タンクと、該油分離タンク内のガスを吸引して油分離タンク内に真空を発生させるための真空ポンプと、前記冷凍サイクルを構成する配管を前記油分離タンクに連通させるための穿孔手段とを備え、前記真空ポンプを駆動して前記油分離タンク内に真空を発生させて冷凍サイクル内の可燃性冷媒を前記油分離タンク内に吸引し、前記油分離タンク内に貯留された可燃性冷媒を空気で希釈して放出するとともに、前記真空ポンプの吸入側に主管と主管より小径のバイパス管を並列に設け、起動運転時の所定時間は前記主管を閉制御する一方、前記バイパス管を開放するようにしたことを特徴とする可燃性冷媒処理装置。
  2. 前記真空ポンプの作動開始から所定時間経過後、前記主管を開制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の可燃性冷媒処理装置。
  3. 前記油分離タンクの内部が第1の圧力まで低下したことを検出する第1の圧力検知手段をさらに備え、前記穿孔手段により前記配管を前記油分離タンクに連通した後、前記第1の圧力検知手段が作動すると、前記バイパス管を閉止するようにしたことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の可燃性冷媒処理装置。
  4. 前記油分離タンクの内部が前記第1の圧力より高い第2の圧力まで上昇したことを検出する第2の圧力検知手段をさらに備え、前記穿孔手段により前記配管を前記油分離タンクに連通した後、前記第2の圧力検知手段が作動すると、前記真空ポンプを停止させるとともに、前記主管を閉制御するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の可燃性冷媒処理装置。
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