JP4699056B2 - 自動追尾装置及び自動追尾方法 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像手段によって撮影された画像を入力し、入力画像中の移動物体を追跡する自動追尾装置及び自動追尾方法に関する。
一般に、監視カメラシステムで用いられるカメラには、広域を監視するための広角レンズが装着されている。このようなカメラは、侵入物体の有無を判定するものの、例えば侵入者の人相や表情までを把握することができない。これに対し、広角レンズを装着したカメラとは別に、パン、チルト、ズーム機能(以下、これらの動作をまとめてPTZとも称する)を有するカメラを設置し、監視員がPTZ制御を行うことにより、侵入者の人相など、より詳細な画像を取得できる監視カメラシステムが知られている(非特許文献1参照)。
しかし、ジョイスティック等の入力手段を用いて、PTZ機能を有するカメラを手動で操作し、侵入者を追尾し続けるためには、熟練した操作が必要であり、多くの監視員にとって困難であった。このため、画像認識技術を用いて、自動的に侵入物体を追跡する自動追尾装置の普及が望まれていた。
このような自動追尾装置として、特許文献1に記載のものが知られている。図13は従来の自動追尾装置の動作処理手順を示すフローチャートである。物体を検出すると(S101)、検出された物体領域の画像をテンプレート画像として登録し(S102)、入力画像とテンプレート画像の相関が最も高い領域を検出して物体を追跡する(S103〜S110)。追跡中、複数のテンプレート画像を保存し(S108)、更新されたテンプレート画像を用いて追跡が行われる。これら複数のテンプレート画像は、それぞれ取得時刻、更新時刻が異なるものであり、見掛けが多少異なるものの同一物体のテンプレート画像である。
特開2001−60269号公報 羽下、藤原、鷲見著 「首振り、ズームカメラを用いたトラッキング型侵入監視システム」、電子情報通信学会 信学技報PRMU99−67 (P23−30)、1999年9月
しかしながら、上記従来の自動追尾装置では、背景の中にテンプレート画像と相関の高い領域が存在すると、誤対応によりテンプレート画像が背景に貼り付き易く、物体の追跡に失敗してしまうことがあった。
また、移動物体である人物の体全体の特徴を利用して追尾を行うので、例えば屋内にある机や屋外にある乗用車等の他の物体に身体の一部が隠蔽された場合、テンプレートマッチングの相関値が急変し、追尾が不安定になり易かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、テンプレート画像の背景への貼り付きを減少させるとともに、他の物体による隠蔽の影響を低減し、追尾を安定化させることが可能な自動追尾装置及び自動追尾方法を提供することを目的とする。
本発明の自動追尾装置は、撮像手段によって撮影された画像を入力し、入力画像中の移動物体を追跡する自動追尾装置であって、探索範囲内の入力画像とテンプレート画像との相関を算出する相関算出手段と、前記探索範囲内の水平方向の入力画像に対し、頭部の幅に相当するように周波数選択フィルタを適用し、垂直方向の入力画像に対し、背景領域から物体領域への変化を検出するような方向選択フィルタを適用し、前記周波数選択フィルタ及び前記方向選択フィルタの処理結果を重ねることにより、頭部らしさを検出する頭部検出手段と、前記算出された相関及び前記検出された頭部らしさを基に、頭部を追跡する頭部追跡手段とを備えたものである。
これにより、人物の頭部を少ない演算量で安定して検出し、頭部マップを取得することができる。
また、本発明は、上記の自動追尾装置であって、前記撮像手段によって撮影された入力画像の画像全体の動きを表す背景の動きベクトルを推定する背景ベクトル推定手段を備え、前記頭部検出手段は、前記背景の動きベクトルを用いて、前記画像全体の動きを打ち消すように、フレーム間の画像の差分を取得した後、前記差分の画像に対して前記フィルタ処理を施し、前記頭部らしさを検出するものとする。
これにより、パン、チルト動作可能な撮像手段で撮影する際、背景の動きがあっても、物体の動きのみ抽出することが可能であり、追尾を安定して行うことができる。
また、本発明は、上記の自動追尾装置であって、前記相関算出手段は、前記入力画像と前記テンプレート画像との相関を算出して相関マップを生成し、前記頭部検出手段は、前記頭部らしさを検出して頭部マップを生成し、前記頭部追跡手段は、前記相関マップ及び前記頭部マップを基に追尾点を設定し、前記設定された追尾点を用いて前記頭部を追跡するものとする。
これにより、背景中の特徴が類似する領域に追尾点が貼り付く現象を回避でき、他の物体に隠蔽される可能性が最も低い人物の頭部を追尾点とすることができる。この結果、安定した人物の自動追尾を行うことができる。
また、本発明は、上記の自動追尾装置であって、前記頭部追跡手段は、前記追尾点を設定する際、前記相関マップ及び前記頭部マップの依存度を変更するものとする。
これにより、各マップの依存度を制御し、外乱等による環境変化に対して追尾性能を向上させることができる。
本発明の自動追尾方法は、撮像手段によって、撮影された画像を入力し、入力画像中の移動物体を追跡する自動追尾方法であって、探索範囲内の入力画像とテンプレート画像との相関を算出する相関算出ステップと、前記探索範囲内の水平方向の入力画像に対し、頭部の幅に相当するように周波数選択フィルタを適用し、垂直方向の入力画像に対し、背景領域から物体領域への変化を検出するような方向選択フィルタを適用し、前記周波数選択フィルタ及び前記方向選択フィルタの処理結果を重ねることにより、頭部らしさを検出する頭部検出ステップと、前記算出された相関及び前記検出された頭部らしさを基に、頭部を追跡する頭部追跡ステップとを有するものである。
これにより、人物の頭部を少ない演算量で安定して検出し、頭部マップを取得することができる。
また、本発明は、上記いずれかに記載の自動追尾装置の各手段の機能をコンピュータにより実現させるためのプログラムを提供する。
本発明によれば、テンプレート画像の背景への貼り付きを減少させるとともに、他の物体による隠蔽の影響を低減し、追尾を安定化させることが可能な自動追尾装置及び自動追尾方法を提供できる。
本実施形態の自動追尾装置は、監視カメラシステム等に用いられるものであり、撮像手段として、パン、チルト、ズーム(PTZ)動作可能な自動追尾カメラを搭載する。図1は本発明の実施形態に係る自動追尾装置の外観を示す図である。この自動追尾装置1は、ドーム型ケース3を有し、天井6に設置される。ドーム型ケース3には、その先端中央部を通過するように形成された溝部3aから露出するズーム機能付きのカメラ8、及びこのカメラ8をパン方向に360度かつチルト方向に180度旋回自在である旋回部11(図2参照)が収納される。
図2は本実施形態の自動追尾装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この自動追尾装置1は、大きく分けて撮影部10及び制御部20を有して構成される。撮像部10は、前述したカメラ8及び旋回部11を有する。制御部20は、周知のCPU21、ROM22、RAM23、カメラ8によって撮影された画像を蓄積する画像メモリ24、旋回部11を駆動するための駆動インタフェース(I/F)25、カメラ8のズーム、シャッタ等を制御するとともに撮影された画像を入力するためのカメラI/F26、及び外部のモニタ30に撮影された画像を出力するためのモニタI/F27を有し、これらがバス28を介して接続された構成となっている。また、画像メモリ24には、後述するテンプレート画像が登録される。
図3は本実施形態の自動追尾装置1の制御部20における機能的構成を示す図である。制御部20は、カメラ10によって撮影された画像をカメラI/F26を介して入力する画像入力部102、入力された画像の中から登録済みのテンプレート画像との相関が高い領域を探索するテンプレートマッチング部103、物体以外の背景の動きベクトルを推定する背景ベクトル推定部104、頭部を検出する頭部検出部105、検出された頭部を追跡する頭部追跡部106、追跡した物体が画像の中央付近に映るように、駆動I/F25を介してカメラ8のパン、チルト、ズーム(PTZ)動作を制御するPTZ制御部107、及びカメラ8によって撮影され、画像メモリ24に蓄積された画像を、モニタI/F27を介して外部の画像表示装置(モニタ)30に出力する画像出力部108を有して構成される。これらの各部は、ROM22に格納されたプログラムを構成する各モジュールを、CPU21が実行することによって実現される。ここで、テンプレートマッチング部103が相関算出手段の一例に相当し、背景ベクトル推定部104が背景ベクトル推定手段の一例に相当し、頭部検出部105が頭部検出手段の一例に相当し、頭部追跡部106が頭部追跡手段の一例に相当する。
上記構成を有する自動追尾装置の動作を示す。図4は本実施形態の自動追尾装置1の動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、前述したようにROM22に格納されており、CPU21によって実行される。また、この処理の開始は、例えば、カメラ8に備わるズームレンズを広角側に設定しておき、撮影された画像の中に移動物体が検出されたことによるイベントの発生、あるいは別体の広角レンズカメラで撮影された画像の中に移動物体が検出されたことによるイベントの発生に応答して行われる。
まず、画像入力部102により、カメラ8によって撮影された画像を入力して画像メモリ24に格納する(ステップS1)。入力された画像の中から、テンプレートマッチング部103により、登録済みのテンプレート画像との相関が高い領域を探索する(ステップS2)。また、背景ベクトル推定部104により、物体以外の背景の動きベクトルを推定する(ステップS3)。頭部検出部105により、入力画像から背景の動きを打ち消し、探索領域内で人物の頭部らしさを検出する(ステップS4)。頭部追跡部106により、前述した相関及び頭部らしさを基に、頭部を追跡する(ステップS5)。PTZ制御部107により、追跡した物体(頭部)が画像の中央付近に映るように、旋回部11及びカメラ8を制御し、パン、チルト、ズーム(PTZ)動作を行う(ステップS6)。そして、画像出力部108により、カメラ8で撮影された画像を外部のモニタ30に出力する(ステップS7)。この後、ステップS1の処理に戻る。この処理の終了は、例えば、別体の広角レンズカメラで撮影された画像の中に移動物体が検出されなくなったことによるイベントの発生や、強制終了スイッチを設け、操作者によるこのスイッチ操作などによって行われる。
図5は本実施形態におけるテンプレートマッチング部103の処理動作を示す図である。テンプレートマッチング部103では、カメラ8で撮影された入力画像Iの中から、テンプレート画像と最も相関が高くなる対応領域201を探索する。この探索処理を数十〜数百ms周期毎に繰り返すことで、物体の位置を追跡することができる。このとき、複数のテンプレート画像が存在する場合、対象となる全てのテンプレート画像を用いて探索する。
直前のフレーム処理において、相関が最も高かった領域を基準に、最新の入力画像Iに対し、水平、垂直方向に数十画素程度の探索範囲202を設定する。探索範囲内を走査しながらテンプレート画像Tとの相関を順次求める。なお、この相関を順次求める際、探索範囲を入力画像全体とすることも考えられるが、多過ぎることや誤対応が発生しやすいこと等から、一般的には探索範囲を限定する。探索範囲の広さは、物体の動きにもよるが、水平、垂直方向に数画素から数十画素程度であることが望ましい。
本実施形態では、相関値の指標として、正規化相関を用いる場合を示す。テンプレート画像の大きさを、K(H)*L(V)画素とした場合、テンプレート画像T(p,q)と、現フレーム画像I(x,y)内の矩形領域K(H)*L(V)画素との正規化相関値NRM(xv,yv)は、数式(1)で示される。
正規化相関値NRMLは、両画像間の相関が高い程、値1.0に近い値となり、相関が無い場合、値0である。探索領域内の各位置の相関値を2次元配列としたものを、相関マップと称し、後述する頭部追跡部106で使用する。この段階では、テンプレート画像の移動先は決定されない。
なお、上記実施形態では、正規化相関により、入力画像とテンプレート画像の相関値を求める場合を示したが、正規化相関の代わりに、より演算量の少ない差分法や差分絶対値和法といった手法を用いてもよい。また、上記実施形態では、相関値の計算に輝度値を用いる場合を示したが、色やエッジ等を用いてもよい。また、テンプレート画像のサイズは、物体領域全体を含む大きさに設定することが一般的であるが、頭部周辺等、物体領域の一部分をテンプレート画像に設定してもよい。なお、ズーム制御により画像上での物体領域の大きさを調整可能なので、テンプレート画像のサイズの制御を動的に行わず、ズーム制御後の頭部の大きさ程度で固定したままでも構わない。
また、追尾開始時における初期テンプレート画像を作成する際、操作者が追尾したい物体をマウス等のポインティングデバイスで指定してもよいし、画像中に所望の物体が存在する確率が高い領域を認識して抽出してもよいし、あるいは予め追尾したい物体に関するテンプレート画像を保持してもよく、テンプレート画像の作成は任意の手法で行うことが可能である。また、同一物体に対し、取得時刻や更新時刻が異なる複数枚のテンプレート画像を保持することが想定されるが、1枚であってもよい。また、テンプレート画像と入力画像との相関が低くなった場合、テンプレート画像を保存可能な上限枚数まで追加することが可能である。そして、上限枚数に達すると、古いテンプレート画像から新しいテンプレート画像に更新する。
背景ベクトル推定部104では、背景の動きベクトルが推定される。パン、チルト動作可能なカメラでは、カメラの追尾制御中、追跡物体以外の背景にも動きが発生する。したがって、物体領域のみ抽出するためには、背景の動きを推定する必要がある。
図6及び図7は本実施形態における背景の動きを推定する際の処理動作を示す図である。背景の動きの推定では、図6(A)に示すように、現フレームを4つの領域に分割し、領域毎に前フレームからの動き量である動きベクトルを推定する。この手法としては、ブロックマッチング手法等、一般に知られている手法を用いることができる。各領域から得られた動きベクトルを基に、水平、垂直方向別に中間値を取るなどして代表ベクトルを求め、これを画面全体の動きを示す背景ベクトル(bgx,bgy)とする。なお、画像を分割せずに全体から背景ベクトルを推定してもよいし、4つの領域をさらに細かく分割して推定してもよい。
頭部検出部105は、探索領域(探索範囲202)内の各位置における人物の頭部らしさを算出する。まず、移動物体領域を取得した後、その頭部領域を求める手法について示す。パン、チルト動作中に画像を撮影する際、画面全体が一定方向に移動するので、単純なフレーム間差分法では、画面全体で移動物体領域が発生したようになる。このため、図6(B)に示すように、先に推定された背景ベクトル(bgx,bgy)を用いて、前フレームを平行移動して背景の動きをキャンセルし、現フレームとのフレーム間差分SA(x,y)を、数式(2)にしたがって求める。これにより、画面の中に、背景と異なる動きをする物体が存在する場合、移動物体領域として抽出することができる。
フレーム間差分SA(x,y)=|It(x,y)−It-1(x+bgx,y+bgy)|
…(2)
演算結果のフレーム間差分を、適当な閾値で2値化することにより、図7(A)に示すように、移動物体領域と背景領域とに区別された2値化画像を得る。
また、このように処理された2周期分の2値化画像に対して論理演算を行うことにより、3値化画像を得るようにしてもよい。そして、3値化された移動物体領域を用いて、頭部検出を行うことも可能である。このとき、2周期分の2値化画像の間には、背景ベクトル(bgx2,bgy2)に相当する画面全体の動きがあるので、一方の2値化画像を平行移動させて、画面全体の動きをキャンセルする。ここで、現フレームのみで発生した移動物体領域をラベル2とし、現フレームか前フレームのどちらかで発生した移動物体領域をラベル1とする。これら以外の背景領域をラベル0とする(図7(B)参照)。頭部マップを作成する際、最新の周期でのみ発生した移動物体領域(ラベル2)に対し、1周期前にも発生した移動物体領域(ラベル1)に比べ、より大きな重みを付与して頭部検出フィルタ処理を行うことにより、フレーム間差分特有の過去の物体領域を抽出してしまう現象、いわゆる尾引き現象の影響を低減することができる。
図8は本実施形態の処理動作における2値化された移動物体領域403を示す図である。図9は走査線(水平)方向における頭部の幅に相当する信号に反応しやすい周波数選択フィルタ401の特性を示すグラフである。図10は垂直方向における背景領域から移動物体領域に変わる境界付近に相当する信号に反応しやすい方向選択フィルタ402の特性を示すグラフである。これら周波数選択フィルタ401及び方向選択フィルタ402を有するフィルタが頭部検出フィルタとして用いられる。図11は頭部検出フィルタ処理の結果を示す画像である。
周波数選択フィルタ401及び方向選択フィルタ402の処理結果を重ねることで、図中、頭部付近に強い反応が現れることが分かる。ここで、頭部の幅は、カメラから頭部までの距離やカメラの焦点距離等のパラメータによって異なるので、パラメータに応じて設定される。この頭部検出フィルタにより、水平方向にある範囲の幅を持ち、垂直方向に長い棒状となる移動体物体領域の上部に強い反応が現れるようになる。即ち、人物はある範囲の幅を持ち、棒状物体と近似できるので、頭部付近に強い反応が得られる。したがって、頭部検出部105では、探索範囲内で頭部検出フィルタの処理結果を抜き出して頭部マップとして保存する。
このように、頭部検出フィルタを用いることにより、少ない演算量でも人物の頭部を精度良く抽出することができる。なお、本実施形態では、フレーム間の輝度の差分で移動物体領域を抽出する場合を示したが、フレーム間におけるエッジ等の特徴の変化を検出し、物体領域と背景領域を区別してもよい。また、本実施形態では、2値化した移動物体領域に対してフィルタ処理を施すことにより、頭部らしさを示す頭部マップを取得していたが、頭部マップを取得する手段はこれに限定されるものではなく、頭部形状を近似した図形、例えば楕円等を検出するべくハフ変換を行い、その投票結果を頭部マップとしてもよい。
頭部追跡部106は、テンプレートマッチング部103で取得した相関マップ、及び頭部検出部105で抽出した頭部マップを用いて頭部の位置を追跡する。図12は相関マップ及び頭部マップから統合マップを作成する手順を示す図である。頭部検出処理への依存度を高める場合、頭部マップを相関マップに対して相対的に高いレベルで統合する。統合されたマップでは、頭部らしくかつテンプレート画像との相関の高い位置がピークとなって現れる。図中、各マップにおいて、値が小さい程、追尾点の存在する可能性が高くなっている。このピークに対応する位置を新しい追尾点の位置と判断する。
本実施形態の自動追尾装置によれば、テンプレートマッチング部103で得られる相関マップと、頭部検出部105で得られる頭部らしさを示す頭部マップとを用いて追尾点を決定することにより、常に頭部付近に追尾点が設定されるので、追尾点が背景に貼り付く現象を回避できる。このため、テンプレート画像の誤対応や背景中の類似パターン画像への貼り付きによる追跡失敗を防止でき、人物の頭部を安定して追跡することができる。また、他の物体により、追尾物体の一部が隠蔽された場合でも安定した追尾を実現することができる。よって、本実施形態の自動追尾装置及び自動追尾方法は、監視カメラシステム等に適用することで大きな効果が得られる。
本発明は、テンプレート画像の背景への貼り付きを減少させるとともに、他の物体による隠蔽の影響を低減し、追尾を安定化させることが可能となる効果を有し、撮像手段によって撮影された画像を入力し、入力画像中の移動物体を追跡する自動追尾装置及び自動追尾方法等に有用である。
本発明の実施形態に係る自動追尾装置の外観を示す図 本実施形態の自動追尾装置のハードウェア構成を示すブロック図 本実施形態の自動追尾装置の制御部における機能的構成を示す図 本実施形態の自動追尾装置の動作処理手順を示すフローチャート 本実施形態におけるテンプレートマッチング部の処理動作を示す図 本実施形態における背景の動きを推定する際の処理動作を示す図 本実施形態における背景の動きを推定する際の処理動作を示す図 本実施形態の処理動作における2値化された移動物体領域を示す図 本実施形態における周波数選択フィルタの特性を示すグラフ 本実施形態における方向選択フィルタの特性を示すグラフ 本実施形態における頭部検出フィルタ処理の結果を示す画像 本実施形態における相関マップ及び頭部マップから統合マップを作成する手順を示す図 従来の自動追尾装置の動作処理手順を示すフローチャート
符号の説明
1 自動追尾装置
8 カメラ
10 撮影部
11 旋回部
20 制御部
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 画像メモリ
102 画像入力部
103 テンプレートマッチング部
104 背景ベクトル推定部
105 頭部検出部
106 頭部追跡部
107 PTZ制御部
108 画像出力部
202 探索領域
401 周波数選択フィルタ
402 方向選択フィルタ

Claims (6)

  1. 撮像手段によって撮影された画像を入力し、入力画像中の移動物体を追跡する自動追尾装置であって、
    探索範囲内の入力画像とテンプレート画像との相関を算出する相関算出手段と、
    前記探索範囲内の水平方向の入力画像に対し、頭部の幅に相当するように周波数選択フィルタを適用し、垂直方向の入力画像に対し、背景領域から物体領域への変化を検出するような方向選択フィルタを適用し、前記周波数選択フィルタ及び前記方向選択フィルタの処理結果を重ねることにより、頭部らしさを検出する頭部検出手段と、
    前記算出された相関及び前記検出された頭部らしさを基に、頭部を追跡する頭部追跡手段と
    を備える自動追尾装置。
  2. 前記撮像手段によって撮影された入力画像の画像全体の動きを表す背景の動きベクトルを推定する背景ベクトル推定手段を備え、
    前記頭部検出手段は、前記背景の動きベクトルを用いて、前記画像全体の動きを打ち消すように、フレーム間の画像の差分を取得した後、前記差分の画像に対して前記フィルタ処理を施し、前記頭部らしさを検出する請求項1に記載の自動追尾装置。
  3. 前記相関算出手段は、前記入力画像と前記テンプレート画像との相関を算出して相関マップを生成し、
    前記頭部検出手段は、前記頭部らしさを検出して頭部マップを生成し、
    前記頭部追跡手段は、前記相関マップ及び前記頭部マップを基に追尾点を設定し、前記設定された追尾点を用いて前記頭部を追跡する請求項1または2に記載の自動追尾装置。
  4. 前記頭部追跡手段は、前記追尾点を設定する際、前記相関マップ及び前記頭部マップの依存度を変更する請求項3に記載の自動追尾装置。
  5. 撮像手段によって、撮影された画像を入力し、入力画像中の移動物体を追跡する自動追尾方法であって、
    探索範囲内の入力画像とテンプレート画像との相関を算出する相関算出ステップと、
    前記探索範囲内の水平方向の入力画像に対し、頭部の幅に相当するように周波数選択フィルタを適用し、垂直方向の入力画像に対し、背景領域から物体領域への変化を検出するような方向選択フィルタを適用し、前記周波数選択フィルタ及び前記方向選択フィルタの処理結果を重ねることにより、頭部らしさを検出する頭部検出ステップと、
    前記算出された相関及び前記検出された頭部らしさを基に、頭部を追跡する頭部追跡ステップとを有する自動追尾方法
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の自動追尾装置の各手段の機能をコンピュータにより実現させるためのプログラム
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