JP4698810B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の植物の抽出物を配合することにより、皮膚の老化防止、美白作用及び抗炎症作用に優れた皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生体成分を酸化させる要因として、フリーラジカルや活性酸素がとりあげられ、その悪影響が問題となっている。フリーラジカルや活性酸素は生体内で生じ、コラーゲン等の生体組織を分解あるいは架橋し、また、油脂類を酸化して、細胞に障害を与える過酸化脂質をつくると言われている。この様な障害は肌のハリの低下、しわ等の老化の原因になると考えられており、老化を防ぐ方法の一つにフリーラジカルや活性酸素を除去する抗酸化剤を配合する方法が知られている。従来、老化防止を目的として用いられるフリーラジカル消去剤にはアスコルビン酸(ビタミンC)、トコフェロール(ビタミンE)やBHT(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン)等が用いられてきた。
【0003】
一般にシミ、ソバカス、日焼けなどに見られる皮膚の色素沈着は、ホルモンの異常や紫外線の刺激により、皮膚内に存在するメラニン色素生成細胞がメラニン色素を過剰に生成し、これが皮膚内に沈着することが原因と考えられている。このような色素沈着を防ぐ方法の一つに、メラニンの過剰な生成を抑制する方法が知られている。従来、色素沈着の治療にはハイドロキノンなどを外用する処置が行われてきた。
【0004】
肌荒れの一因として紫外線等による皮膚炎症があり、その炎症を沈め、肌荒れを改善する皮膚外用剤が望まれている。その治療法の一つとして、炎症時に生じる起炎物質であるヒスタミンの遊離を抑制する方法がある。従来、肌荒れの治療にはステロイド剤やインドメタシンなどを外用する処置が行われてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
皮膚の老化防止を目的として用いられるアスコルビン酸は不安定であり、製剤化が難しく、トコフェロールも効果が充分であるとは言えない。また、合成化合物であるBHT等は安全性に問題があり、配合量に制限があることから、化学合成品ではなく、安定でかつ副作用の少ない天然原料が望まれている。また、美白剤としては、副作用の危険性のあるハイドロキノン等の化学合成品ではなく、安全性の高い天然原料が望まれている。また、従来のヒスタミンの遊離を抑制する作用をもつ皮膚外用剤は、ステロイド剤等の化学合成で得られた物質を含有するものがほとんどであり、副作用の危険性もあるため、安全性が高く、効果の優れた天然物由来の皮膚外用剤が望まれている。
【0006】
以上のことから、安全で安定性に優れた老化防止、美白及び抗炎症作用等の皮膚に対する効果を併せもつ皮膚外用剤が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な事情により、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物が優れたフリーラジカル消去作用、メラニン生成抑制作用及びヒスタミン遊離抑制作用を併せもち、安定性においても優れていることを見出した。さらに、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物を含有する皮膚外用剤が安全で優れた皮膚の老化防止、美白及び抗炎症作用をもつことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明で用いられるシシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)は、別名としてカンシャラグア(Canchalagua)とも呼ばれ、アヤメ科の多年草である。主に南アメリカに広く分布し、生薬として広く使用されている。
【0009】
本発明で使用するシシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物とは、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の葉、茎、樹皮、花、実、根等の植物体の一部又は全草から抽出したものである。好ましくは、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の茎から抽出して得られるものが良い。その抽出方法は特に限定されず、例えば、加熱抽出したものであっても良いし、常温抽出したものであっても良い。
【0010】
抽出する溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコール及び液状多価アルコール等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール及びプロピレングリコールが良い。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いても良い。
【0011】
シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈、濾過等の処理をして用いても良い。更には、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良い。
【0012】
本発明の皮膚外用剤には、上記抽出物をそのまま使用しても良く、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物の効果を損なわない範囲内で、通常の外用剤に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤等の成分を配合することもできる。
【0013】
本発明の皮膚外用剤は、化粧品、医薬部外品及び医薬品のいずれにも用いることができ、その剤型としては、例えば、化粧水、クリーム、乳液、ゲル剤、エアゾール剤、軟膏、パップ剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデーション、打粉、口紅等の皮膚に適用されるものが挙げられる。
【0014】
本発明に用いるシシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物の配合量は、本発明の皮膚外用剤全量に対し、固形物に換算して0.0001重量%以上、好ましくは 0.001〜10重量%が良い。0.0001重量%未満では十分な効果は発揮されにくい。10重量%を越えて配合した場合、効果の増強はみられにくく不経済である。また、添加の方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
【0015】
【実施例】
次に本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いる抽出物の製造例、本発明の処方例及び実験例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す配合量の部とは重量部を示し、%は重量%を示す。
【0016】
製造例1 シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の熱水抽出物
シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の全草の乾燥物20gに精製水400mLを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してシシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の熱水抽出物を3.0g得た。
【0017】
製造例2 シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の50%エタノール抽出物
シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の葉及び茎の乾燥物100gに精製水1L及びエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)のエタノール抽出物を12g得た。
【0018】
製造例3 シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の1,3−ブチレングリコール抽出物
シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の全草の乾燥物100gに1,3−ブチレングリコール1.0kgを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の1,3−ブチレングリコール抽出物を0.90kg得た。
【0019】
実施例1 クリーム
処方 配合量
1. シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium
vaginatum)の熱水抽出物(製造例1) 0.05部
2. スクワラン 5.5
3. オリーブ油 3.0
4. ステアリン酸 2.0
5. ミツロウ 2.0
6. ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7. ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8. ベヘニルアルコール 1.5
9. モノステアリン酸グリセリン 2.5
10. 香料 0.1
11. 1,3−ブチレングリコール 8.5
12. パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13. パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14. 精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分 1及び11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
【0020】
比較例1 従来のクリーム
実施例1において、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の熱水抽出物を精製水に置き換えたものを従来のクリームとした。
【0021】
実施例2 化粧水
処方 配合量
1. シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium
vaginatum)の50%エタノール抽出物(製造例2)0.1部
2. 1,3−ブチレングリコール 8.0
3. グリセリン 2.0
4. キサンタンガム 0.02
5. クエン酸 0.01
6. クエン酸ナトリウム 0.1
7. エタノール 5.0
8. パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9. ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10. 香料 適量
11. 精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜6及び11と、成分7〜10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
【0022】
実施例3 乳液
処方 配合量
1. シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium
vaginatum)の50%エタノール抽出物(製造例2) 0.5部
2. スクワラン 5.0
3. オリーブ油 5.0
4. ホホバ油 5.0
5. セタノール 1.5
6. モノステアリン酸グリセリン 2.0
7. ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8. ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.)2.0
9. 香料 0.1
10. プロピレングリコール 1.0
11. グリセリン 2.0
12. パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13. 精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分 1及び10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
【0023】
実施例4 ゲル剤
処方 配合量
1. シシリンチウム バギナタム
(Sisyrinchium vaginatum)
の1,3−ブチレングリコール抽出物(製造例3) 0.01部
2. エタノール 5.0
3. パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4. ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5. 香料 適量
6. 1,3−ブチレングリコール 5.0
7. グリセリン 5.0
8. キサンタンガム 0.1
9. カルボキシビニルポリマー 0.2
10. 水酸化カリウム 0.2
11. 精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜5と、成分1及び6〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
【0024】
実施例5 軟膏
処方 配合量
1. シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium
vaginatum)の熱水抽出物(製造例1) 1.0部
2. シシリンチウム バギナタム
(Sisyrinchium vaginatum)
の1,3−ブチレングリコール抽出物(製造例3) 1.0
3. ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
4. モノステアリン酸グリセリン 10.0
5. 流動パラフィン 5.0
6. セタノール 6.0
7. パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8. プロピレングリコール 10.0
9. 精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分3〜6を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、2及び7〜9を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0025】
実施例6 パック
処方 配合量
1. シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium
vaginatum)の熱水抽出物(製造例1) 0.1部
2. シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium
vaginatum)の50%エタノール抽出物(製造例2) 0.1
3. ポリビニルアルコール 12.0
4. エタノール 5.0
5. 1,3−ブチレングリコール 8.0
6. パラオキシ安息香酸メチル 0.2
7. ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
8. クエン酸 0.1
9. クエン酸ナトリウム 0.3
10. 香料 適量
11. 精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜11を均一に溶解し製品とする。
【0026】
実施例7 ファンデーション
処方 配合量
1. シシリンチウム バギナタム
(Sisyrinchium vaginatum)
の1,3−ブチレングリコール抽出物(製造例3) 1.0部
2. ステアリン酸 2.4
3. ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.)1.0
4. ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5. セタノール 1.0
6. 液状ラノリン 2.0
7. 流動パラフィン 3.0
8. ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9. パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
10. カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
11. ベントナイト 0.5
12. プロピレングリコール 4.0
13. トリエタノールアミン 1.1
14. パラオキシ安息香酸メチル 0.2
15. 二酸化チタン 8.0
16. タルク 4.0
17. ベンガラ 1.0
18. 黄酸化鉄 2.0
19. 香料 適量
20. 精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分20に成分10をよく膨潤させ、続いて、成分1及び11〜14を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分15〜18を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この水相に油相をかき混ぜながら加え、冷却し、45℃で成分19を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0027】
実施例8 浴用剤
処方 配合量
1. シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium
vaginatum)の熱水抽出物(製造例1) 1.0部
2. 炭酸水素ナトリウム 50.0
3. 黄色202号(1) 適量
4. 香料 適量
5. 無水硫酸ナトリウムにて全量を100とする
[製造方法]成分1〜5を均一に混合し製品とする。
【0028】
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
【0029】
実験例1 フリーラジカル消去作用(抗酸化作用)
製造例1及び2を試料として用い、フリーラジカル消去作用の評価を行った。陽性対照としてはアスコルビン酸を用いた。また、試料の安定性を確認するために、試料の水溶液を24時間室温で放置した液を使用して同様に評価を行った。フリーラジカルのモデルとしては、α,α−ジフェニル−β−ピクリルヒドラジル(以下DPPHとする)を用い、試料と一定の割合で一定時間反応させ、減少するラジカルの量を波長517nmの吸光度の減少量から測定した。
【0030】
フリーラジカル消去作用の測定方法
各試料を加えた0.1M酢酸緩衝液(pH 5.5)2mLに無水エタノール2mL及び0.5mMDPPH・無水エタノール溶液1mLを加えて反応液とした。また、油溶性の試料の場合は無水エタノール2mLに試料を加えて反応液とした。その後、37℃で30分間反応させ、精製水を対照として波長517nmの吸光度(A)を測定した。また、ブランクとして試料の代わりに精製水を用いて吸光度(B)を測定した。フリーラジカル消去率は、以下に示す式より算出した。
フリーラジカル消去率(%)=(1−A÷B)×100
【0031】
これらの試験結果を表1に示した。また、アスコルビン酸は24時間放置すると、フリーラジカル消去作用が減少したが、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物は消去作用に変化はなかった。以上のことから、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物は、安定で優れたフリーラジカル消去作用を有していることが認められた。
【0032】
【表1】
Figure 0004698810
【0033】
実験例2 B16マウスメラノーマを用いたメラニン生成抑制試験(美白作用)
対数増殖期にあるメラノーマをφ60mm dishに3×10細胞播種し、各種の濃度のシシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)熱水抽出物、エタノール抽出物あるいは陽性対照であるアスコルビン酸を含むEagles’ MEM(10%牛胎児血清含有)を加え、37℃、5%CO条件下にて培養した。培養5日後に細胞をdishから剥離し、細胞を超音波破砕した後に、2N水酸化ナトリウム水溶液を加え60℃で2時間の処理を行い、分光光度計でO.D.475nmを測定した。尚、超音波処理後の細胞破砕液をLowryの方法(J.Biol.Chem.,193,265−275,1951)でタンパク定量し、タンパク量当りのメラニン量を比較することによって、メラニン生成抑制作用の指標とした。
【0034】
これらの試験結果を表2に示した。その結果、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物は、優れたメラニン生成抑制作用を有していることが認められた。
【0035】
【表2】
Figure 0004698810
【0036】
実験例3 ヒスタミンの遊離を抑制する作用(抗炎症作用)
Spraque−Dawley系ラット(雄性)の腹腔内から採取した肥満細胞を用いてヒスタミンの遊離を抑制する作用を測定した。すなわち、各種の濃度のシシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)熱水抽出物、エタノール抽出物及び陽性対照であるインドメタシンについて、1μg/mLのコンパウンド48/80による肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑制する作用を遊離抑制率として求めた。肥満細胞はSullivanらの方法〔J.Immunology,114(5),1473(1975)〕で採取し、ヒスタミンの定量はMayらの方法〔J.Allergy,46,12(1970)〕で行った。
【0037】
これらの実験の結果を表3に示した。その結果、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物は優れたヒスタミンの遊離を抑制する作用を示した。
【0038】
【表3】
Figure 0004698810
【0039】
実験例4 使用試験
実施例1のクリーム及び比較例1の従来のクリームを用いて、各々女性30人(30〜45才)を対象に1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、肌のハリ、しわ、しみ、そばかす及び荒れの改善に関するアンケート調査により皮膚の老化防止及び美白作用を判定した。その結果、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤は優れた皮膚の老化防止、美白及び抗炎症作用を示した(表4及び5)。なお、試験期間中皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。また、処方成分の劣化についても問題なかった。
【0040】
【表4】
Figure 0004698810
【0041】
【表5】
Figure 0004698810
【0042】
実施例2の化粧水、実施例3の乳液、実施例4のゲル剤、実施例5の軟膏、実施例6のパック、実施例7のファンデーション及び実施例8の浴用剤についても使用試験を行ったところ、安全で優れた皮膚の老化防止、美白及び抗炎症作用を示した。
【0043】
【発明の効果】
以上のことから、本発明のシシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物は優れた抗酸化作用、メラニン生成抑制作用及びヒスタミン遊離抑制作用を併せもち、優れた安定性を示した。さらに、シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物を含有する皮膚外用剤は安全で優れた皮膚の老化防止、美白及び抗炎症作用を示した。

Claims (4)

  1. シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
  2. シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物を含有することを特徴とする老化防止剤。
  3. シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物を含有することを特徴とする美白剤。
  4. シシリンチウム バギナタム(Sisyrinchium vaginatum)の抽出物を含有することを特徴とする抗炎症剤。
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