JPH05221915A - 1,4−ベンゾキノン誘導体 - Google Patents

1,4−ベンゾキノン誘導体

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Publication number
JPH05221915A
JPH05221915A JP4027978A JP2797892A JPH05221915A JP H05221915 A JPH05221915 A JP H05221915A JP 4027978 A JP4027978 A JP 4027978A JP 2797892 A JP2797892 A JP 2797892A JP H05221915 A JPH05221915 A JP H05221915A
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JP
Japan
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compound
equivalents
solvent
added
formula
Prior art date
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Pending
Application number
JP4027978A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyasu Fukuyama
愛保 福山
Mitsuaki Kodama
三明 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kasei Corp filed Critical Mitsubishi Kasei Corp
Priority to JP4027978A priority Critical patent/JPH05221915A/ja
Publication of JPH05221915A publication Critical patent/JPH05221915A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C50/00Quinones
    • C07C50/26Quinones containing groups having oxygen atoms singly bound to carbon atoms
    • C07C50/28Quinones containing groups having oxygen atoms singly bound to carbon atoms with monocyclic quinoid structure

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式[I] 【化1】 {式中、R1は−(CH2)mCH=CH(CH2)nCH3(mは
2〜15の整数、nは1〜5の整数を表わす)、R2、R3
は一方が、メトキシ基を表わし、他方がR1と同じ置換
基を表わす}で表わされる1,4−ベンゾキノン誘導体。 【効果】 上記化合物[I]は抗酸化剤、抗炎症剤とし
ての利用が期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な1,4−ベンゾ
キノン誘導体に関し、詳細には抗酸化剤、抗炎症剤等と
しての利用が期待される1,4−ベンゾキノン誘導体に
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ヒオ
ウギ(Belamcanda chinensis)はアヤメ科の植物であ
り、従来から抗炎症作用、鎮咳作用、去痰作用等を有す
ることが知られている(Dictionary of Chinese Crud
e Drugs,Shanghai Scientific Technologic Publi
sher,Shanghai,1977,1883−1884)。特開
昭63−30417号公報には、その根茎部である射干
(ヤカン)に含まれる下記式の化合物が抗アレルギー作用
を有することが開示されている。
【0003】
【化2】 (ただし、R4は水酸基または−O−D−β−グルコー
ス、R5はメトキシ基、またはR4およびR5は一緒にな
ってメチレンジオキシ基、R6およびR8は水酸基または
メトキシ基、R7は水素原子またはメトキシ基、R9は水
素原子、水酸基またはメトキシ基を意味する)。
【0004】一方本発明者らは、ヒオウギの種子から下
記構造で表わされるフェノール誘導体を単離し、その5
−リポキシゲネース阻害活性を測定した(Chem.Pharm.
Bull.,39(7),1877−1879,1991)。
【化3】
【化4】
【0005】このように、ヒオウギに含まれる生理活性
物質は薬学的に非常に興味が持たれるものの、その成分
についてはまだ十分には明らかにされていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、天然物か
らの生理活性成分の研究の一環として、かかるヒオウギ
に着目して研究を重ね、その結果ヒオウギの種子中に新
規なベンゾキノン誘導体を見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】
【発明の構成】即ち本発明の要旨は下記一般式[I]
【化5】 {式中、R1は−(CH2)mCH=CH(CH2)nCH3(mは
2〜15の整数、nは1〜5の整数を表わす)、R2、R3
は一方がメトキシ基を表わし、他方がR1と同じ置換基
を表わす}で表わされる1,4−ベンゾキノン誘導体に存
する。以下、本発明を説明するに、本発明の1,4−ベ
ンゾキノン誘導体は、前記一般式[I]で表わされる。以
下に、一般式[I]で表わされる好ましい化合物の具体例
を示す。
【0008】
【表1】
【0009】次に本発明化合物の製造法について説明す
る。本発明化合物は以下に示すように抽出、単離、もし
くは合成により製造することができる。
【0010】即ち、一般式[I]の化合物はヒオウギの種
子から抽出、単離される。上記抽出、単離は例えば次の
ようにして実施される。まず、ヒオウギの乾燥種子を塩
化メチレン、クロロホルム等の溶媒を用いて抽出し、抽
出液を減圧下に濃縮して第1次抽出物を得、次いで該抽
出物から、目的化合物の理化学的性状を利用した各種の
方法により目的物を採取する。該目的物の採取は、通常
の方法、例えばシリカゲル、活性炭、イオン交換樹脂、
セファデックス等の吸着剤に対する吸着親和力の差を利
用する方法、二液相間の分配率の差を利用する方法、こ
れらの方法の組合せ等により実施できる。好ましい採取
方法としては、上記第1次抽出物をシリカゲルクロマト
グラフィーにかけ、例えばn−ヘキサンと酢酸エチルの
混合溶媒等の適当な溶媒で溶出し、この溶出液を減圧濃
縮し、濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製した後、セファデックスに供し、例えば塩化メチレ
ンとメタノールの混合溶媒等の適当な溶媒で溶出後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する方法を例
示できる。
【0011】又、一般式[I]の化合物は以下の合成によ
る方法でも製造することができる。 (1)R1およびR3が同一の置換基を表わす化合物の合成
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】
【化8】 (式中、kは1〜14の整数を、qは1〜5の整数を表す)
【0014】即ち、まず化合物[II]に化合物[III]
を反応させて((a)工程)化合物[IV]とし、これを還元
して((b)工程)化合物[V]とし、これをp−トルエンスル
ホン酸等の酸と反応させて((c)工程)化合物[VI]と
し、これを酸化して((d)工程)化合物[VII]とし、こ
れを化合物[VIII]と反応させて((e)工程)化合物[I
X]とし、これのメトキシ基の一方のみを切断して((f)
工程)化合物[X]とし、これをブロム化して((g)工程)化
合物[XI]とし、これを酸化して((h)工程)化合物[XI
I]を得る。
【0015】又、化合物[X]の水酸基をMOM(メトキ
シメチル基)等の保護基で保護して((i)工程)化合物[X
III]とし、これをホウ酸化して((j)工程)化合物[X
IV]を得る。化合物[XII]と化合物[XIV]を反応
させて((k)工程)化合物[XV]とし、これを臭化水素酸
等の酸と反応させて((l)工程)化合物[I−a]を製造する
ことができる。
【0016】(a)工程は、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル等の溶媒中好ましくは1〜5当量、更に好ま
しくは1.1〜2当量のn−ブチルリチウム、水素化ナト
リウム、カリウムt−ブトキシド等の塩基の存在下、好
ましくは1〜5当量更に好ましくは、1.1当量〜2当
量の化合物[III]を用いて、好ましくは0℃〜50
℃、更に好ましくは0℃〜室温の温度範囲で行なわれ
る。この際、反応は無水条件下に行なうのが一層好まし
い。
【0017】(b)工程はメタノール、エタノール、プロ
パノール等の溶媒中、好ましくは5%w/w〜15%w/
w、更に好ましくは7%w/w〜12%w/wのPd/C,Pd
−Black等の触媒の存在下水素気流下で、好ましくは0
℃〜50℃、更に好ましくは0℃〜室温の温度範囲で行
なわれる。
【0018】(c)工程はテトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等の溶媒と水との混合溶媒中、好ましくは0.05〜
5当量、更に好ましくは0.1〜1当量のp−トルエンス
ルホン酸、塩酸、硫酸等の酸の存在下、好ましくは0℃
〜50℃、更に好ましくは0℃〜室温の温度範囲で行な
われる。
【0019】(d)工程はジクロルメタン、ジクロルエタ
ン等の溶媒中、好ましくは2〜5当量、更に好ましくは
2〜3当量の塩化オキザリル等の存在下、好ましくは1
〜5当量、更に好ましくは2.5〜3.5当量のジメチル
スルホキシドと、好ましくは5〜20当量、更に好まし
くは5〜10当量のトリエチルアミン等の塩基を用い
て、好ましくは−90℃〜室温、更に好ましくは−80
℃〜室温の温度範囲で行なわれる。この際反応は無水条
件下に行なうのが一層好ましい。
【0020】(e)工程はテトラヒドロフラン、ジエチル
エーテル等の溶媒中、好ましくは1〜5当量、更に好ま
しくは1.1〜2当量のn−ブチルリチウム、水素化ナト
リウム、カリウムt−ブトキシド等の塩基の存在下、好
ましくは1〜5当量、更に好ましくは1.1〜2当量の
化合物[VIII]を用いて、好ましくは0℃〜50℃、
更に好ましくは0℃〜室温の温度範囲で行なわれる。こ
の際反応は無水条件下に行なうのが一層好ましい。
【0021】(f)工程は、ジメチルホルムアミド等の溶
媒中、好ましくは1〜15当量、更に好ましくは3〜1
0当量の水素化ナトリウム等の塩基の存在下、好ましく
は1〜15当量、更に好ましくは3〜10当量のエタン
チオールを用いて、好ましくは室温〜還流下、更に好ま
しくは50℃〜還流下の温度範囲で行なわれる。この際
反応は無水条件下に行なうのが一層好ましい。
【0022】(g)工程はジメチルホルムアミド等の溶媒
中、好ましくは0.8〜1.5当量、更に好ましくは0.
9〜1.2当量のN−ブロモコハク酸イミドを用いて、
好ましくは0℃〜50℃、更に好ましくは0℃〜室温の
温度範囲で行なわれる。この際反応は無水条件下に行な
うのが一層好ましい。
【0023】(h)工程はジメチルホルムアミド等の溶媒
中、好ましくは0.05当量〜0.5当量、更に好ましく
は0.1当量〜0.3当量のサルコミンを用いて酸素気流
下で、好ましくは0℃〜50℃、更に好ましくは0℃〜
室温の温度範囲で行なわれる。
【0024】(i)工程は、ジクロルメタン、ジクロルエ
タン等の溶媒中、好ましくは1〜5当量、更に好ましく
は1.05〜1.5当量のジイソプロピルエチルアミン等
の塩基の存在下、好ましくは1〜5当量、更に好ましく
は1.05〜1.5当量のクロルメチルメチルエーテルを
用いて、好ましくは0℃〜50℃、更に好ましくは0℃
〜室温の温度範囲で行なわれる。この際、反応は無水条
件下に行なうのが一層好ましい。
【0025】(j)工程はテトラヒドロフラン、ジエチル
エーテル等の溶媒中、好ましくは1〜2当量、更に好ま
しくは1.05〜1.5当量のn−ブチルリチウム等の塩
基の存在下、好ましくは1〜2当量、更に好ましくは
1.05〜1.5当量のホウ酸トリメチルを用いて、好ま
しくは0℃〜50℃、更に好ましくは0℃〜室温の温度
範囲で行なわれる。この際、反応は無水条件下に行なう
のが一層好ましい。
【0026】(k)工程はテトラヒドロフラン等の溶媒
中、好ましくは0.01〜0.5当量、更に好ましくは
0.01〜0.1当量のテトラキストリフェニルホスフィ
ンパラジウム(o)と、好ましくは2〜10当量、更に好
ましくは3〜5当量の炭酸ナトリウム等の塩基の存在
下、好ましくは1〜2当量、更に好ましくは、1〜1.
5当量の化合物[XIV]を用いて、好ましくは室温〜還
流下、更に好ましくは50℃〜還流下の温度範囲で行な
われる。
【0027】(l)工程は、メタノール、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒中、好ましくは1〜100当量、更
に好ましくは1〜80当量の臭化水素酸等の酸を用い
て、好ましくは室温〜70℃、更に好ましくは50℃〜
70℃の温度範囲で行なわれる。
【0028】(2)R1およびR2が同一の置換基を表わす
化合物の合成
【化9】
【0029】
【化10】 (式中、k、qは前記定義に同じ)
【0030】即ち、まず化合物[XI]の水酸基をMOM
等の保護基で保護して((m)工程)化合物[XVI]とし、
これをホウ酸化して((n)工程)化合物[XVII]を得
る。化合物[XVII]と化合物[XII]を反応させて
((o)工程)化合物[XVIII]とし、これを臭化水素酸
等の酸と反応させて((p)工程)化合物[I−b]を製造する
ことができる。
【0031】(m)工程は、ジクロルメタン、ジクロルエ
タン等の溶媒中、好ましくは1〜5当量、更に好ましく
は1.05〜1.5当量のジイソプロピルエチルアミン等
の塩基の存在下、好ましくは1〜5当量、更に好ましく
は1.05〜1.5当量のクロルメチルメチルエーテルを
用いて、好ましくは0℃〜50℃、更に好ましくは0℃
〜室温の温度範囲で行なわれる。この際反応は無水条件
下に行なうのが一層好ましい。
【0032】(n)工程はテトラヒドロフラン、ジエチル
エーテル等の溶媒中、好ましくは1〜2当量、更に好ま
しくは1.05〜1.5当量のn−ブチルリチウム等の塩
基の存在下、好ましくは1〜2当量、更に好ましくは
1.05〜1.5当量のホウ酸トリメチルを用いて、好ま
しくは−90℃〜室温、更に好ましくは−80℃〜室温
の温度範囲で行なわれる。この際反応は無水条件下に行
なうのが一層好ましい。
【0033】(o)工程はテトラヒドロフラン等の溶媒
中、好ましくは0.01〜0.5当量、更に好ましくは
0.01〜0.1当量のテトラキストリフェニルホスフィ
ンパラジウム(o)と、好ましくは2〜10当量、更に好
ましくは3〜5当量の炭酸ナトリウムの存在下、好まし
くは1〜2当量、更に好ましくは1〜1.5当量の化合
物[XVII]を用いて、好ましくは室温〜還流下、更に
好ましくは50℃〜還流下の温度範囲で行なわれる。
【0034】(p)工程は、メタノール、エタノール、プ
ロパノール等の溶媒中、好ましくは1〜100当量、更
に好ましくは1〜80当量の臭化水素酸等の酸を用い
て、好ましくは室温〜70℃、更に好ましくは50℃〜
70℃の温度範囲で行なわれる。
【0035】本発明の化合物の出発原料となる化合物
[II]はChem.Ber.102,2881(1969)に記
載の方法、または、これに準ずる方法によって容易に合
成できる。
【0036】本発明化合物を治療剤として用いる場合、
単独で、または薬学的に可能な担体と複合して投与す
る。その組成は、化合物の溶解度、化学的特質、投与経
路、投与計画等によって決定される。例えば、顆粒剤、
細粒剤、散剤、錠剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シ
ロップ剤、乳剤、懸濁剤または液剤等の剤形にして、経
口投与しても良いし、注射剤として静脈内投与、筋肉内
投与、皮下投与してもよい。
【0037】また、注射用の粒末にし、用時調整して使
用しても良い。経口、経腸、非経口若しくは局所投与に
適した医薬用の有機または無機の、固体または液体の担
体若しくは希釈剤を本発明化合物と共に用いることがで
きる。固形製剤を製造する際に用いられる賦形剤として
は、例えば乳糖、ショ糖、デンプン、タルク、セルロー
ス、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウム等が用い
られる。経口投与のための液体製剤、即ち乳剤、シロッ
プ剤、懸濁剤、液剤等は、一般的に用いられる不活性な
希釈剤、例えば水又は植物油等を含む。この製剤は不活
性な希釈剤以外に補助剤、例えば湿潤剤、懸濁補助剤、
甘味剤、芳香剤、着色剤又は保存剤等を含むことができ
る。液体製剤にして、ゼラチンのような吸収されうる物
質のカプセル中に含ませても良い。非経口剤投与の製
剤、即ち注射剤等の製造に用いられる溶剤又は懸濁化剤
としては、たとえば水、プロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エ
チル、レシチン等が挙げられる。製剤の調整方法は常法
によればよい。
【0038】臨床投与量は、経口投与により用いる場合
には、成人に対し本発明の化合物として、一般には、1
日量1〜1000mgであり、好ましくは1〜100mgで
あるが、年令、病状、症状、同時投与の有無により適宜
増減することが更に好ましい。前記1日量の本発明化合
物は1日に1回、または適当間隔において1日に2若し
くは3回に分けて投与しても良いし、間欠投与しても良
い。また、注射剤として用いる場合には、成人に対し本
発明の化合物として、1日量0.1〜100mgであり好
ましくは0.1〜50mgである。
【0039】
【発明の効果】本発明の一般式[I]で表わされる化合
物は抗炎症作用、抗酸化作用等の薬理作用を有すること
が期待され、医薬として有用であると考えられる。
【0040】
【実施例】以下、本発明につき実施例を挙げて詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下に限
定されるものではない。実施例1 ヒオウギからの単離法 ヒオウギ(Belamcanda chinensis D.C.)の乾燥種子の
塩化メチレン抽出物(13g)をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(Merck Kiselgel 60,70−230 m
esh,300g)に付し、n−ヘキサン、n−ヘキサン/酢酸
エチル(9:1,7:3,1:1,v/v各々1L)で順次溶出
し、フラクション1−13に分画した。フラクション6
(2.44g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wa
kogelC−300,245g)に付し、n−ヘキサン/酢酸
エチル(3:2,v/v)で溶出し、フラクション14−18
に分画した。フラクション18(1.05g)を更にセファ
デックスLH−20(ファルマシア社製、200L、塩
化メチレン/メタノール(3:7))で精製後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(Merck Kieselgel 60,2
30−400mesh,20g,塩化メチレン/酢酸エチル(2
0:1))をくりかえすと、ベラムカンダキノン(Belamc
andaquinone)A(17.4mg)とベラムカンダキノン(B
elamcandaquinone)B(3.6mg)が単離できた。
【0041】ベラムカンダキノンA UV:λmax(CHCl3)243(ε5600),272(ε1
100)nm. IR:νmax(CHCl3)3576(OH),1670,164
2(C=0),1619(芳香族)cm-1. EIMS m/z(rel.int.)676(100)[M+],660
(75),481(80). HREIMS 676.5081[M+],理論値676.5
067(C44685として).1 H NMR(400MHz,CDCl3):δ0.89(3H,t,
J=4.4Hz),0.89(3H,t,J=4.4Hz),1.15
−1.80(36H),2.0(4H),2.25(1H,m),2.
34(1H,m),2.56(2H,t,J=7.3Hz),3.70
(3H,s),3.82(3H,s),4.95(OH),5.34(4
H,m),5.98(1H,s),6.35(2H,s).13 C NMR(100MHz,CDCl3):δ14.0(q),2
2.4(q),26.9(t),27.2(t),27.7(t),28.2
(t),29.1−31.0(x18,t),32.0(t),36.4
(t),55.6(q),56.1(q),103.7(d),107.2
(d),107.7(s),129.9(d,x4),138.7(s),1
46.0(s),146.8(s),153.0(s),157.5(s),
158.5(s),182.4(s),186.4(s).
【0042】ベラムカンダキノンB UV:λmax(CHCl3)240(ε3800),275(ε6
900)nm. IR:νmax(CHCl3)3576(OH),1669(C=
0),1640(C=0),1610(芳香族)cm-1. EIMS m/z(rel.int)676(100)[M+],480
(20),481(10). HREIMS 676.5080,理論値676.5067
(C44685として).1 H NMR(400MHz,CDCl3):δ0.87(3H,t,
J=4.5Hz),0.89(3H,t,J=6.6Hz),1.20
−1.40(18H,m),1.61(4H,m),2.0(4H,m),
2.15(1H,m),2.25(2H,m),2.25(1H,m),
3.79(3H,s),3.84(3H,s),4.78(1H,O
H),5.34(4H,m),6.01(1H,s),6.28(1H,
d,J=2.2Hz),6.45(1H,d,J=2.2Hz).13 C NMR(100MHz,CDCl3):δ14.1(q),2
2.4(q),26.9(t),27.2(t),27.9(t),28.2
(t),29.1−30.2(x18),32.0(t),33.7(t),
55.2(q),56.2(q),99.3(d),107.1(d),10
7.5(s),112.6(s),129.9(d,x4),140.8
(s),143.1(s),146.7(s),153.4(s),158.
7(s),160.7(s),182.3(s),186.9(s).
【化11】
【化12】
【0043】実施例2 ベラムカンダキノンAおよびB
の合成 1,3−ジメトキシ−5−{10−(2−テトラヒドロピ
ラニルオキシ)−1−デセニル}ベンゼン[IV]の合成 トリフェニル−(3,5−ジメトキシベンジル)−ホスホ
ニウムブロマイド(II)(7.55g,15mmol)を無水テ
トラヒドロフラン(96ml)に溶かした溶液に、1.6M
n−ブチルリチウムヘキサン溶液(9.87ml)を室温、ア
ルゴン気流下、注射器でゆっくりと滴下した。15分撹
拌後、テトラヒドロフラン(16ml)に溶かした1−(2
−テトラヒドロピラニルオキシ)ノナナール(III)(3
g,12mmol)をゆっくり滴下した。反応溶液を18
時間撹拌後、氷水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、酢
酸エチル層を水(x2)、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(200g、ヘキサ
ン/酢酸エチル,10:1)で精製して油状物として化合
物[IV](4.04g,87%)を得た。
【0044】HRMS 376.2601,理論値 37
6.2614(C23364として). IR(film)1600,1480cm-1. EIMS m/z(rel.int.)376[M+](33),300(4
7),292(73),191(61),152(100).1 H NMR(200MHz,CDCl3):δ3.79(6H,
s),4.56(1H,t,J=6.5Hz),6.28(1H,d,J
=18.0Hz),6.35(1H,dt,J=18.0,6.5H
z),6.42(1H,t,J=2.2Hz),6.71(2H,d,J
=2.2Hz).
【0045】1,3−ジメトキシ−5−{10−(2−テ
トラヒドロピラニルオキシ)−1−デカニル}ベンゼン
[V]の合成 化合物[IV](3.6g,9.5mmol)をエタノール(300m
l)に溶かした溶液に10%Pd/C(400mg)を加え、
常圧で水素気流下で12時間撹拌した。触媒濾過後、濾
液を減圧下濃縮乾固して化合物[V](3.27g,90.6
%)を得た。
【0046】HRMS 378.2790[M+],理論値
378.2770(C23384として). IR(film)1595,1460cm-1. EIMS m/z(rel.int.)378[M+](4),294(2
3),152(100).1 H NMR(200MHz,CDCl3):δ2.54(2H,t,
J=7.6Hz),3.78(6H,s)4.58(1H,t,J=
7.0Hz),6.29(1H,t,J=2.4Hz),6.34(2
H,d,J=2.4Hz).
【0047】10−(3,5−ジメトキシフェニル)−1
−デカノール[VI]の合成 化合物[V](3.4g,0.9mmol)をテトラヒドロフラン−
水(30ml−10ml)に溶かした溶液に、p−トルエンス
ルホン酸(100mg)を加え、18時間撹拌した。反応溶
液を氷水に加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗
浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し
て得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(90
g,ヘキサン/酢酸エチル,5:1)で精製して、化合物[V
I](2.49g,94%)を得た。
【0048】HRMS 294.2196,理論値29
4.2195(C18303として). IR(film)3450,2920cm-1.1 H NMR(200MHz,CDCl3):δ2.54(2H,t,
J=7.7Hz),3.64(2H,t,J=6.5Hz),3.78
(6H,s),6.29(1H,t,J=2.3Hz),6.34(2
H,d,J=2.3Hz).
【0049】10−(3,5−ジメトキシフェニル)−1
−デカナール[VII]の合成 塩化オキザリル(1.46ml,16.3mmol)を含む塩化メ
チレン(50ml)溶液に、−78℃でジメチルスルホキシ
ド(1.79ml)を滴下し、溶液を10分間撹拌した。こ
の溶液に化合物[VI](2.4g,8.15mmol)を塩化メチ
レン(100ml)に溶かした溶液をゆっくりと滴下し、−
78℃で1時間撹拌後、トリエチルアミン(8.74ml)
を加え、反応温度を0℃まで昇温後、さらに20分間撹
拌した。反応溶液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽
出し、酢酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られた
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100g,ヘキサ
ン/酢酸エチル,5:1)で精製し、化合物[VII](1.
85g,78%)を得た。
【0050】HRMS 292.2019[M+],理論値
292.2038(C18283として). IR(film)1715,1590cm-1.1 H NMR(200MHz,CDCl3)δ2.41(2H,td,
J=6.0,1.8Hz),2.54(2H,t,J=7.6Hz),
3.78(6H,s),6.29(1H,t,J=2.2Hz),6.3
4(2H,d,J=2.2Hz),9.76(1H,t,J=1.8H
z).
【0051】1,3−ジメトキシ−5−{(Z)−10−ペ
ンタデセニル}ベンゼン[IX]の合成 無水テトラヒドロフラン(20ml)中にn−ペンチルトリ
フェニルホスホニウムブロマイド[VIII](4.7g,1
1.4mmol)を懸濁した溶液に、カリウムt−ブトキシド
(1.3g,11.4mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に
溶かした溶液を室温で滴下した。30分撹拌後、化合物
[VII](2g,6.8mmol)をテトラヒドロフラン(5ml)
に溶かした溶液を滴下し、反応溶液を1時間撹拌後、水
を加えエーテルで抽出した。エーテル層を水、飽和食塩
水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧
下留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
ー(60g,ヘキサン/塩化メチレン,5:1)で精製し、化
合物[IX](2.17g,93%)を得た。
【0052】HRMS 346.2866,理論値34
6.2872(C23382として). IR(film)1590cm-1. EIMS m/z(re.int.)346[M+](77),194(1
8),165(12),152(100).1 H NMR(200MHz,CDCl3):δ0.89(3H,t,
J=5.6Hz),2.54(2H,t,J=7.7Hz),3.77
(6H,s),5.34(2H,t,J=4.6Hz),6.29(1
H,t,J=2.2Hz),6.34(2H,d,J=2.2Hz).
【0053】3−メトキシ−5−{(Z)−10−ペンタ
デセニル}フェノール[X]の合成 50%水素化ナトリウム(2.25g,46.8mmol)を無水
ジメチルホルムアミド(50ml)に加え、この溶液にエタ
ンチオール(3.6ml,47.1mmol)をジメチルホルムア
ミド(50ml)に溶かした溶液を滴下した。5分撹拌後、
化合物[XI](3.6g,10.4mmol)をジメチルホルムア
ミド(50ml)に溶かした溶液を滴下し、反応溶液を3時
間還流した。室温に冷却後、反応溶液を2N塩酸で酸性
にし、エーテルで抽出し、エーテル層を飽和食塩水で洗
浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去
して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(9
0g,ヘキサン/塩化メチレン,1:3)で精製し、化合物
[X](3.13g,90.5%)を得た。
【0054】HRMS 332.2711,理論値33
2.2715(C22362として). IR(CHCl3)3500,3300,1600,1460c
m-1.1 H NMR(400MHz,CDCl3):δ0.89(3H,t,
J=7.1Hz),2.02(4H,m),2.51(2H,t,J=
7.7Hz),3.76(3H,s),5.29(1H,s,OH),5.
35(2H,t,J=4.6Hz),6.23(1H,dd,J=2.
3,2.3Hz),6.26(1H,dd,J=2.3,2.3Hz),
6.32(1H,dd,J=2.3,2.3Hz).
【0055】2−ブロモ−5−メトキシ−3−{(Z)−
10−ペンタデセニル}フェノール[XI]の合成 化合物[X](100mg,0.3mmol)をジメチルホルムアミ
ド(5ml)に溶かした溶液にN−ブロモコハク酸イミド
(53.4mg,0.3mmol)を溶かした溶液を室温で加え、
20時間撹拌した。反応溶液に水を加え、エーテルで抽
出し、エーテル層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られた残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(3g,ヘキサン/塩
化メチレン,1:1)で精製し、化合物[XI](52mg,4
2%)を得た。
【0056】HRMS 410.1788,理論値41
0.1820(C22362Brとして). EIMS m/z(rel.int.)412(42),410(42),
331(39),218(97),216(100). IR(film)3512(OH),3003cm-1.1 H NMR(200MHz,CDCl3):δ0.89(3H,t,
J=7.1Hz),2.65(2H,t,J=7.8Hz),3.76
(3H,s),5.35(2H,t,J=4.4Hz),6.39(1
H,d,J=2.9Hz),6.46(1H,d,J=2.9H
z).
【0057】6−ブロモ−3−メトキシ−5−{(Z)
−10−ペンタデセニル}−1,4−ベンゾキノン[XI
I]の合成 化合物[XI](318mg)とサルコミン(31mg)をジメチ
ルホルムアミド(5ml)に溶かした溶液に、室温で酸素気
流下20時間撹拌した。反応液に水を加えエーテルで抽
出し、エーテル層を水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られた残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10g,ヘキサン/
酢酸エチル,7:1)で精製すると、原料回収(188.3m
g)と化合物[XII](100.6mg,75.1%)を得た。
【0058】mp89−91° IR(CHCl3)1678,1639,1628cm-1. HRMS 424.1631[M+],理論値424.160
1(C22333Brとして). EIMS m/z(rel.int.)426[M+](52),424(4
7),345(28),233(36),231(36),193
(57),179(30),153(100).1 H NMR(200MHz,CDCl3):δ0.89(3H,t,
J=7.1Hz),2.69(2H,t,J=7.7Hz),3.84
(3H,s),5.35(2H,t,J=4.3Hz),6.07(1
H,s).
【0059】3−メトキシメトキシ−5−{(Z)−10
−ペンタデセニル}アニソール[XIII]の合成 化合物[X](100mg,0.3mmol)を塩化メチレン(6ml)
に溶かした溶液にクロロメチルメチルエーテル(26.6
mg,0.33mmol),ジイソプロピルエチルアミン(42.7
mg,0.33mmol)を順次加え18時間撹拌した。反応溶
液に酢酸エチルを加え、有機層を10%硫酸銅水、水、
飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒を減圧下留去して得られた残渣をシリカゲルクロマト
グラフィー(3g,ヘキサン/塩化メチレン,1:1)で精製
し、化合物[XIII](93.2mg,82.5%)を得た。
【0060】HRMS 376.2984[M+],理論値
376.2973(C24403として). IR(film)3001,1601,1466cm-1. EIMS m/z(rel.int.)376[M+](100),182
(93),138(100).1 H NMR(200MHz,CDCl3):δ0.90(3H,t,
J=7.4Hz),2.54(2H,t,J=3.3Hz),3.48
(3H,s),3.78(3H,s),5.15(2H,s),5.34
(2H,s),6.40(1H,d,J=2.2Hz),6.44(1
H,t,J=2.2Hz),6.47(1H,d,J=2.2Hz).
【0061】ジヒドロキシ−6−メトキシ−2−メトキ
シメトキシ−4−{(Z)−10−ペンタデセニル}ボラン
[XIV]の合成 化合物[XIII](70mg,0.19mmol)をテトラヒドロ
フラン(2ml)に溶かした溶液に1.6M n−ブチルリチ
ウム(0.14ml,0.21mmol)を室温で滴下し、30分
撹拌後、ホウ酸トリメチル(0.024ml,0.21mmol)
を加えた。更に、30分撹拌後、水を加えエーテルで抽
出し、エーテル層を0.1N塩酸、飽和食塩水で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し
て得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(3g,
ヘキサン/塩化メチレン,1:5)で精製すると、化合物
[XIV](40.6mg,72.2%)が得られ、かつ原料回
収(19.6mg)した。
【0062】IR3533cm-11 H−NMR(200MHz,CDCl3):δ0.86−0.9
3(m),1.22−1.33(m),1.57−1.65(m),1.
97−2.03(m),2.59(2H,t,J=7.7Hz),3.
51(3H,s),3.91(3H,s),5.28(2H,s),5.3
5(2H,t,J=5.4Hz),6.49(2H,bs),6.66
(1H,d,J=1.7Hz),7.17(1H,d,J=1.7H
z).
【0063】2−メトキシ−6−{(Z)−10−ペン
タデセニル}−5−[6−メトキシ−2−メトキシメトキ
シ−4−{(Z)−10−ペンタデセニル}フェニル]−1,
4−ベンゾキノン[XV]の合成 アルゴン気流下でテトラキストリフェニルホスフィンパ
ラジウム(8.7mg)を入れたナスフラスコに、化合物[X
II](59mg,0.14mmol)をテトラヒドロフラン(1m
l)に溶かした溶液、2M炭酸ナトリウム溶液(0.28m
l)、化合物[XIV(61mg,0.15mmol)をテトラヒド
ロフラン(1ml)に溶かした溶液を順次室温で加え、反応
溶液を11時間還流した。酢酸エチルを加え、水、飽和
食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
減圧下留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィー(10g,ヘキサン/塩化メチレン,1:3)で精製
し、化合物[XV](36mg,36%)を得た。
【0064】HRMS 720.5325[M+],理論値
720.5329(C46726として). EIMS m/z(rel.int.)720(100),688(4
0),675(36).1 H NMR(200MHz,CDCl3):δ0.90(3H,t,
J=7.0Hz),0.92(3H,t,J=7.0Hz),2.25
(2H,m),2.55(1H,t,J=7.7Hz),2.60(1
H,t,J=7.7Hz),3.36(3H,s),3.70(3H,
s),3.83(3H,s),5.04(2H,s),5.36(4H,
m),5.96(1H,s),6.49(1H,d,J=1.7Hz),
6.63(1H,d,J=1.7Hz).
【0065】ベラムカンダキノンAの合成 化合物[XV](35mg)をエタノール(2ml)に溶かし、4
8%臭化水素酸を2滴加えた。反応溶液を65℃で1時
間加熱後、水を加え、エーテルで抽出し、エーテル層を
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去して得
られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10g,酢
酸エチル/塩化メチレン,1:10)で精製し、目的とす
る化合物(11mg)を得た。1H NMR,IR,MSがベラ
ムカンダキノンAと一致した。
【0066】ジヒドロキシ−4−メトキシ−2−メトキ
シメトキシ−6−{(Z)−10−ペンタデセニル}ボラン
[XVII]の合成 化合物[XI]からクロロメチルメチルエーテルとジイソ
プロピルエチルアミンで得られた化合物[XVI](10
1mg,0.22mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)にとか
した溶液を−78℃に冷却し、この溶液に1.65M n
−ブチルリチウム(0.16ml,0.24mmol)を滴下し
た。反応溶液を30分撹拌後、ホウ酸トリメチル(0.0
27ml,0.24mmol)を滴下し、さらに室温で1時間撹
拌した。水を加え、エーテルで抽出し、エーテル層を
0.1N塩酸、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られた残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィー(10g,酢酸エチル/ヘキサ
ン,1:5)で精製し、化合物[XVII](50mg,54%)
を得た。
【0067】1H−NMR(200MHz,CDCl3):δ
0.89(3H,t,J=6.8Hz),1.28−1.38(m),
1.56−1.61(m),2.00−2.05(m),2.85(2
H,t,J=7.5Hz),3.49(3H,s),3.81(3H,
s),5.22(2H,s),5.35(2H,t,J=4.4Hz),
6.46(1H,d,J=2.22Hz),6.53(1H,d,J=
2.22Hz)
【0068】ベラムカンダキノンBの合成 アルゴン気流下でテトラキストリフェニルホスフィンパ
ラジウム(7.5mg)を入れたナスフラスコに、化合物[X
II](55mg,0.13mmol)をテトラヒドロフラン(1m
l)に溶かした溶液、2M炭酸ナトリウム水溶液(0.24
ml)、化合物[XVII](62mg,0.15mmol)をテトラ
ヒドロフラン(1ml)に溶かした溶液を順次室温で加え反
応溶液を11時間還流した。酢酸エチルを加え、水、飽
和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を減圧下留去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(10g.ヘキサン/塩化メチレン,1:3)で精製
し、化合物[XVIII](4.1mg)を得た。化合物[XV
III](4.1mg)をメタノール(1ml)に溶かし、48%
臭化水素酸(2滴)を加え、65℃で撹拌した。水を加
え、エーテルで抽出し、エーテル層を飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られた残渣を薄層
クロマトグラフィー(0.25mm,塩化メチレン/酢酸エ
チル,15:1)分取し、目的とする化合物(1.1mg)を得
た。1H NMR,IRは天然物のベラムカンダキノンB
と一致した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I] 【化1】 {式中、R1は−(CH2)mCH=CH(CH2)nCH3(mは
    2〜15の整数、nは1〜5の整数を表わす)、R2、R3
    は一方がメトキシ基を表わし、他方がR1と同じ置換基
    を表わす}で表わされる1,4−ベンゾキノン誘導体。
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