JP4698305B2 - 電源装置及びこれを用いた磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Description
このMRI装置には、磁場発生コイルとして、静磁場を発生する超電導コイル,静磁場に重畳される傾斜磁場を発生するための傾斜磁場コイル、さらに高周波磁場を発生するための高周波コイルが備えられている。
これら磁場発生コイルは所定の磁場強度の磁場を発生するために印加電流の大きさとタイミングを制御するための電源装置を備えている。
また、短時間で診断に有用な画像を得るためにMRI装置の磁場電源として、該磁場を発生する磁場コイルに流す電流は、立ち上がり、立ち下がり時間が短く、立ち上がり後に該電流のリップルや変動のない高安定、高精度の電源装置が要求される。
すなわち、磁場コイルに流れる電流を該コイルの電流指令値に一致させ、かつ低リップルの電流とする必要があり、特に出力電圧の零及び該零付近でのリップルを小さくする必要がある。
この切り替え点において、電位の低いレベルから電位の高いレベルへの切り替え時には、電位の低いレベルの電圧を制御するPWM制御パルス幅は最大となり、電位の高いレベルの電圧を制御するPWM制御パルス幅は最小となる。
逆に電位の高いレベルから電位の低いレベルへの切り替え時には、電位の高いレベルの電圧を制御するPWM制御パルス幅は最小となり、電位の低いレベルの電圧を制御するPWM制御パルス幅は最大となる。
これらの最小パルス幅及び最大パルス幅は、デッドタイムの存在によってハードウェアで制限され、この制限によって上記レベル切り替え付近では平均出力電圧に不連続となる領域(不感帯領域)が発生して出力電流を高精度に制御できなくなる。
なお、デッドタイムとは、スイッチング素子のスイッチング速度のばらつき等によって、上下アームのスイッチング素子が同時に導通してマルチレベルPWMインバータの直流電源短絡を防ぐために、上下アームの双方が非導通となる時間を設けており、この時間をデッドタイムと呼んでいる.。
しかし、上記奇数レベルのマルチレベルPWMインバータは、レベル数−1の数の同一電圧を持つ直流電圧を直列に接続して直流電圧源を構成するために、前記同一の電圧を持つ直流電圧数は偶数となり、該直流電圧の接続点における電圧は電圧レベルの切り替え電圧となる。
この出力電圧レベルの切り替えによって、上記デッドタイムの存在、最小パルス幅及び最大パルス幅の制限の影響により、マルチレベルPWMインバータの半導体スイッチの導通比率と出力電圧の関係に不連続となる期間が生じ、また発生する電流リップルも無視できないものとなる。なお、不連続となる期間は、デッドタイムによって直接発生するものではなく、該デットタイムの存在がPWM制御パルスの最小パルス幅、最大パルス幅に制限をかけ、その影響が大きくなっていることから、間接的にデッドタイムがレベル切り替え付近での不感帯領域発生の要因となるものである。
これによって、出力電圧の零付近での不連続性は改善され、マルチレベルPWMインバータの半導体スイッチの導通比率Dutyと出力電圧との関係は不感帯のない連続した特性となる。
したがって、出力電圧の零及び該零付近での負荷に流れる電流リップルを小さくすることができ、上記電源装置を用いた磁気共鳴イメージング装置の画質は格段に向上したものとなる。
また、上記動作PWM信号の周波数も従来の半分になるので、半導体スイッチのスイッチング損失も大幅に低減し、同じ出力を得るには、より小さな電流容量の半導体スイッチを使用できるので、マルチレベルPWMインバータ回路を用いた電源装置及びこれを用いた磁気共鳴イメージング装置を小形、安価なものにすることが可能となる。
さらに、同一レベル数のマルチレベルPWMインバータを複数並列接続し、これら複数のマルチレベルPWMインバータ間のスイッチング位相をずらす並列インバータ間位相シフト手段を備えたので、各マルチレベルPWMインバータ間で該インバータの出力電流のリップルが互いに打ち消し合うように動作し、これによって負荷に流れる電流のリップルは大幅に低減する。
したがって、この電源装置を磁気共鳴イメージング装置に用いることによって、該磁気共鳴イメージング装置の画質はさらに向上するものとなる。
さらに、同一レベル数のマルチレベルPWMインバータを複数並列接続し、これら複数のマルチレベルPWMインバータ間のスイッチング位相をずらす並列インバータ間位相シフト手段を備えたので、出力電流の負荷に流れる電流のリップルは大幅に低減し、この電源装置を用いた磁気共鳴イメージング装置の画質はさらに向上するものとなる。
図1は、本発明の第1の実施形態による電源装置としてのMRI装置の傾斜磁場電源装置を示すブロック構成図である。
この傾斜磁場電源装置2は、三相交流電源3から電力を供給し、負荷である傾斜磁場コイル1に接続して電流を供給するように構成され、三相交流電源3に接続して三相交流電圧を直流電圧に変換する交流-直流変換器4と、この交流−直流変換器4の出力側に接続して直流電圧を平滑化する平滑コンデンサ5と、この平滑コンデンサ5に接続して平滑化された直流電圧を受電し、傾斜磁場コイル1のX軸コイル6、Y軸コイル7及びZ軸コイル8にそれぞれ電流を供給する電流増幅器9〜11とを備えている。
3レベルPWMインバータは、その入力に直流電圧源E,E0を接続し、その出力端子A,Bに任意の電圧波形を出力するように構成している。
また、この3レベルPWMインバータは、直流電圧源E-E0間に分圧コンデンサ21,22を接続して直流電圧を2分割(E/2)しており、逆並列接続した2対のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effet Transistor;MOS型電界効果トランジスタ)による半導体スイッチ23,24およびダイオード25,26を直列に接続した4組のアーム27〜30を有し、前記4組のアームをフルブリッジ接続している。
そして、分圧コンデンサ21と22の接続点(レベル2の電位)とフルブリッジ構成の各アーム27〜30の半導体スイッチの接続点との間にダイオード31,32,33,34を接続している。
すなわち、アーム27の半導体スイッチ23と24の接続点と前記分圧コンデンサ21と22の接続点との間に図示のようにダイオード31を、アーム28の半導体スイッチ23と24の接続点と前記分圧コンデンサ21と22の接続点との間にダイオード32を、アーム29の半導体スイッチ23と24の接続点と前記分圧コンデンサ21と22の接続点との間にダイオード33を、アーム30の半導体スイッチ21と22の接続点と前記分圧コンデンサ21と22の接続点との間にダイオード34を接続している。
さらに、これらをPWM制御することによって、出力電流のリップルが非常に小さい、-Eから+Eまでの間で任意の電圧を出力することができる。
多相キャリア方式とは、レベル数よりも一つ少ない数nの2π/nづつ位相をずらした三角波のキャリア(Carrier;搬送波)を用い、それぞれのキャリア信号と比較信号とから求めたPWM信号から動作PWM信号を求め、この動作PWM信号によりマルチレベルPWMインバータの半導体スイッチをスイッチング制御するものである。
このように、三角波キャリアに多相キャリア方式を用いただけでは出力電圧の零付近での不連続性の問題は残る。
そこで、本発明では、前記多相キャリアの位相をずらすことによって上記問題を解決するもである。
なお、マルチレベルPWMインバータ12の23a,24a及び23b,24bは半導体スイッチ23,24を駆動する回路である。
図5において、スイッチング制御回路19は、マルチレベルPWMインバータの動作周波数の1周期間に複数のキャリア信号を発生させてPWM制御信号を発生する回路で、キャリア信号を発生する三角波発生部40と、MRIシーケンサ20(図1参照)から出力される電流指令値を入力し、この電流指令値と前記負荷電流である傾斜磁場コイル電流を検出する電流検出手段18による検出値との差が零になるように制御するための電流制御信号を出力する電流制御部41と、マルチレベルPWMインバータ12のアーム27,28の上段の半導体スイッチ23と前記マルチレベルPWMインバータ12のアーム27,28の下段の半導体スイッチ24のゲート信号を発生する第1のゲート信号発生回路42とで構成される。
そして、前記加算値が比較値1よりも大きいときは、論理信号“High”となる図6(c)に示すPWM Upper信号を前記比較部42eから出力し、前記加算値が比較値0よりも大きいときは、論理信号“High”となる図6(c)に示すPWM Lower信号を前記比較部42fから出力する。
このようにして生成したPWM Upper信号を信号反転部42gで反転し、この信号を駆動回路23aで増幅してアーム27の半導体スイッチ23をスイッチング駆動し、前記PWM Upper信号はそのまま駆動回路23bで増幅してアーム28の半導体スイッチ23をスイッチング駆動する。
一方、PWM Lower信号は、信号反転部42hで反転され、この信号を駆動回路24aで増幅してアーム27の半導体スイッチ24をスイッチング駆動し、反転されない前記PWM Lower信号はそのまま駆動回路24bで増幅してアーム28の半導体スイッチ24をスイッチング駆動する。
これらのPWM Upper信号、PWM Lower信号の最小パルス幅の出力電圧方向への移動量は、Carrier Bの位相によって変化するもので、このCarrier Bの位相を調整することによって前記最小パルス幅のタイミングを任意に調整することができ、前記Carrier Bの位相を適切な値に設定することによって出力電圧の零付近での不連続性は改善され、マルチレベルPWMインバータの半導体スイッチの導通比率Dutyと出力電圧との関係は不感帯のない連続した特性となる。
この傾斜磁場電源装置2は、前記図2で説明した3レベルPWMインバータを二組(後述のマルチレベPWMインバータ12,13)並列に接続し、これらの並列インバータ間の動作位相をずらしてスイッチング制御することによって、電流増幅器の電流容量の増大及び負荷に流れる電流リップルの低減を図るもので、三相交流電源3から電力を供給し、負荷である傾斜磁場コイル1に接続して電流を供給するように構成され、三相交流電源3に接続して三相交流電圧を直流電圧に変換する交流-直流変換器4と、この交流−直流変換器4の出力側に接続して直流電圧を平滑化する平滑コンデンサ5と、この平滑コンデンサ5に接続して平滑化された直流電圧を受電し、傾斜磁場コイル1のX軸コイル6、Y軸コイル7及びZ軸コイル8にそれぞれ電流を供給する電流増幅器9〜11とを備えている。
図8において、(a)に示すCarrier 1A とCarrier 1Bは並列接続した一方のマルチレベルPWMインバータのキャリア三角波で、これらは180度の位相差を有し、Carrier 2A とCarrier 2Bは並列接続した他方のマルチレベルPWMインバータのキャリア三角波で、これらは180度の位相差を有し、そしてCarrier 1A とCarrier 2A及びCarrier 1B とCarrier 2Bはそれぞれ90度の位相差を有している。
この結果、二組の3レベルインバータを並列に接続しているため、出力電圧は、それぞれのインバータの出力電圧の和として表され、その出力電圧波形は(d)に示すように5通り (+E,E/2,0,-E/2,-E)のレベルの電圧となるが、この場合も図3と同様、図8(a)の丸の実線に示すように、出力電圧の零付近で動作PWM信号は最小パルス幅となるため、マルチレベルインバータの半導体スイッチの導通比率Dutyと出力電圧との関係は零電圧付近で不連続となる。
そこで、本発明の第2の実施形態では、並列接続したマルチレベルPWMインバータ同士の動作位相をずらすと共に前記多相キャリアの位相もずらすことによって上記問題を解決するもである。
なお、マルチレベルPWMインバータ12,13の23a,24a及び23b,24bは半導体スイッチ23,24を駆動する回路である。
そして、前記加算値が比較値1よりも大きいときは、論理信号“High”となる図10(c)に示すPWM 1 Upper信号を前記比較部42eから出力し、前記加算値が比較値0よりも大きいときは、論理信号“High”となる図10(c)に示すPWM 1 Lower信号を前記比較部42fから出力する。
このようにして生成したPWM 1 Upper信号を信号反転部42gで反転し、この信号を駆動回路23aで増幅してアーム27の半導体スイッチ23をスイッチング駆動し、前記PWM 1 Upper信号はそのまま駆動回路23bで増幅してアーム28の半導体スイッチ23をスイッチング駆動する。
一方、PWM 1 Lower信号は、信号反転部42hで反転され、この信号を駆動回路24aで増幅してアーム27の半導体スイッチ24をスイッチング駆動し、反転されない前記PWM 1 Lower信号はそのまま駆動回路24bで増幅してアーム28の半導体スイッチ24をスイッチング駆動する。
そして、前記加算値が比較値1よりも大きいときは、論理信号“High”となる図10(c)に示すPWM 2 Upper信号を前記比較部43eから出力し、前記加算値が比較値0よりも大きいときは、論理信号“High”となる図10(c)に示すPWM 2 Lower信号を前記比較部43fから出力する。
このようにして生成したPWM 2 Upper信号を信号反転部43gで反転し、この信号を駆動回路23aで増幅してアーム27の半導体スイッチ23をスイッチング駆動し、前記PWM 2 Upper信号はそのまま駆動回路23bで増幅してアーム28の半導体スイッチ23をスイッチング駆動する。
一方、PWM 2 Lower信号は、信号反転部43hで反転され、この信号を駆動回路24aで増幅してアーム27の半導体スイッチ24をスイッチング駆動し、反転されない前記PWM 2 Lower信号はそのまま駆動回路24bで増幅してアーム28の半導体スイッチ24をスイッチング駆動する。
これらのPWM 1 Upper、PWM 1 Lower、PWM 2 Upper、PWM 2 Lower信号の最小パルス幅の出力電圧方向への移動量は、Carrier 1B及びCarrier 2Bの位相によって変化するもので、これらのCarrier 1B及びCarrier 2B の位相を調整することによって前記最小パルス幅のタイミングを任意に調整することができ、前記Carrier 1B及びCarrier 2Bの位相を適切な値に設定することによって出力電圧の零付近での不連続性は改善され、マルチレベルPWMインバータの半導体スイッチの導通比率Dutyと出力電圧との関係は不感帯のない連続した特性となる。
さらに、図10の動作PWM信号の周波数は図8の半分になっているので、本発明の第2の実施形態によるPWM制御では、半導体スイッチのスイッチング損失は大幅に低減する。
この結果、同じ出力を得るには、より小さな電流容量の半導体スイッチを使用できるので、マルチレベルPWMインバータ回路を用いた電源装置を小形、安価なものにすることが可能となる。
図11は、5レベルPWMインバータの回路図である。
図11において、5レベルPWMインバータは、その入力に直流電圧源E、E0を接続し、その出力端A,Bに任意の電圧波形を出力するように構成しており、逆並列接続した4対のMOSFETによる半導体スイッチ55,56,57,58およびダイオード59,60,61,62を直列に接続した4組のアーム63〜66を有し、前記4組のアームをフルブリッジ接続している。
そして、分圧コンデンサ51と52の接続点(レベル4の電位3E/4)とフルブリッジ構成の各アーム63〜66における半導体スイッチ55と半導体スイッチ56との接続点との間にダイオード67〜70をそれぞれ接続し、分圧コンデンサ52と53の接続点(レベル3の電位2E/4)と各アーム63〜66における半導体スイッチ56と半導体スイッチ57との接続点との間にダイオード71〜74をそれぞれ接続し、同様に、分圧コンデンサ53と54の接続点(レベル2の電位E/4)と各アーム63〜66における半導体スイッチ57と半導体スイッチ58との接続点との間にダイオード75〜78をそれぞれ接続している。
さらに、これらをPWM制御することによって、出力電流のリップルが非常に小さい、-Eから+Eまでの間で任意の電圧を出力することができる。
そして、前記電圧指令がそれぞれのキャリア信号よりも大きいときに論理信号“High”を“1”とし、前記電圧指令がそれぞれのキャリア信号よりも小さいときに論理信号“Low”を“0”とする図12(b)のPWM 1A、PWM 1B、PWM 1C、PWM 1Dを生成する。
このようにして生成したPWM 1A、PWM 1B、PWM 1C、PWM 1Dの加算値を比較値と比較して、図12(c)のPWM 1 Upper(PWM 1A+PWM 1B+PWM 1C+PWM 1D>3)、PWM 1 MID Upper(PWM 1A+PWM 1B+PWM 1C+PWM 1D>2)、PWM 1 MID Lower(PWM 1A+PWM 1B+PWM 1C+PWM 1D>1)、PWM 1 Lower(PWM 1A+PWM 1B+PWM 1C+PWM 1D>0)とにより5レベルインバータの半導体スイッチをスイッチング制御するものである。
図11の場合は、前記PWM 1 Upperを反転した信号でアーム63の半導体スイッチ55を、前記PWM 1 Upperでアーム64の半導体スイッチ55を、前記PWM 1 MID Upperを反転した信号でアーム63の半導体スイッチ56を、前記PWM 1 MID Upperでアーム64の半導体スイッチ56を、前記PWM 1 MID Lowerを反転した信号でアーム63の半導体スイッチ57を、前記PWM 1 MID Lowerでアーム64の半導体スイッチ57を、そして前記PWM 1 Lowerを反転した信号でアーム63の半導体スイッチ58を、前記PWM 1 Lowerでアーム64の半導体スイッチ58をそれぞれスイッチング制御する。
このように、5レベルPWMインバータに多相キャリア方式を用いただけでは出力電圧の零付近での不連続性の問題は残る。
そこで、本発明の第3の実施形態は、上記図1(第1の実施形態)のマルチレベルPWMインバータ12に上記5レベルPWMインバータを用いて傾斜磁場電源装置を構成し、これを多相キャリア方式でPWM制御し、かつ前記多相キャリア間の位相をずらして制御することによって上記問題を解決するもである。
なお、5レベルPWMインバータ12の55a,56a,57a,58a及び55b,56b,57b,58bは半導体スイッチ55〜58を駆動する回路である。
図13において、スイッチング制御回路80は、マルチレベルPWMインバータの動作周波数の1周期間に複数のキャリア信号を発生させてPWM制御信号を発生する回路で、キャリア信号を発生する三角波発生部81と、MRIシーケンサ20から出力される電流指令値を入力し、この電流指令値と前記負荷電流である傾斜磁場コイル電流を検出する電流検出手段18による検出値との差が零になるように制御するための電流制御信号を出力する電流制御部82と、マルチレベルPWMインバータ12の半導体スイッチ55〜58のゲート信号を発生する第1のゲート信号発生回路83とで構成される。
さらに、前記Carrier 1Bを第3の位相シフト部83dに入力して前記Carrier 1Bから45度遅らせた信号Carrier 1Cを比較部83eに入力し、そして、前記Carrier 1Cを第4の位相シフト部83fに入力して前記Carrier 1Cから90度遅らせた信号Carrier 1Dを比較部83gに入力する。
そして、前記加算値が比較値3よりも大きいときは、論理信号“High”となる図14(c)に示すPWM 1 Upper信号を前記比較部83iから出力し、前記加算値が比較値2よりも大きいときは、論理信号“High”となるPWM 1 MID Upper信号を前記比較部83jから出力し、前記加算値が比較値1よりも大きいときは、論理信号“High”となるPWM 1 MID Lower信号を前記比較部83kから出力し、前記加算値が比較値0よりも大きいときは、論理信号“High”となるPWM 1 Lower信号を前記比較部83lから出力する
前記PWM 1 MID Upper信号は信号反転部83nで反転され、この信号を駆動回路56aで増幅してアーム63の半導体スイッチ56をスイッチング駆動し、前記PWM 1 MID Upper信号はそのまま駆動回路56bで増幅してアーム64の半導体スイッチ56をスイッチング駆動する。
同様に、前記PWM 1 MID Lower信号は信号反転部83oで反転され、この信号を駆動回路57aで増幅してアーム63の半導体スイッチ57をスイッチング駆動し、前記PWM 1 MID Lower信号はそのまま駆動回路57bで増幅してアーム64の半導体スイッチ57をスイッチング駆動する。
そして、前記PWM 1 Lower信号は信号反転部83pで反転され、この信号を駆動回路58aで増幅してアーム63の半導体スイッチ58をスイッチング駆動し、前記PWM 1 Lower信号はそのまま駆動回路58bで増幅してアーム64の半導体スイッチ58をスイッチング駆動する。
これらのPWM 1 Upper、PWM 1 MID Upper、PWM 1 MID Lower、PWM 1 Lower信号の最小パルス幅の出力電圧方向への移動量は、Carrier 1B、Carrier 1C及びCarrier 1Dの位相によって変化するもので、これらのCarrier信号の位相を調整することによって前記最小パルス幅のタイミングを任意に調整することができる。
したがって、前記Carrier信号の位相を適切な値に設定することによって出力電圧の零付近での不連続性は改善され、マルチレベルPWMインバータの半導体スイッチの導通比率Dutyと出力電圧との関係は不感帯のない連続した特性となる。
図15及び図16は、両方で並列接続された5レベルPWMインバータ構成図であって、(a)(b)(c)によって接続される。
図15及び図16は、本発明の第4の実施形態における本発明の要部であるスイッチング制御回路80’の構成図で、5レベルPWMインバータ回路12,13(図7,図11参照)の各アームの半導体スイッチのうち、出力端A側のアーム63,64の半導体スイッチ55〜58をスイッチング制御する回路を示しており、出力端B側のアーム65,66の半導体スイッチ55〜58も同様の構成でスイッチング制御できるので、省略してある。
なお、5レベルPWMインバータ12,13の55a,56a,57a,58a及び55b,56b,57b,58bは半導体スイッチ55〜58を駆動する回路である。
そして、前記加算値が比較値3よりも大きいときは、論理信号“High”となるPWM 1 Upper’信号(図14(c)のPWM 1 Upperと同じ)を前記比較部83iから出力し、前記加算値が比較値2よりも大きいときは、論理信号“High”となるPWM 1 MID Upper’信号(図14(c)のPWM 1 MID Upperと同じ)を前記比較部83jから出力し、前記加算値が比較値1よりも大きいときは、論理信号“High”となるPWM 1 MID Lower’信号(図14(c)のPWM 1 MID Lowerと同じ)を前記比較部83kから出力し、前記加算値が比較値0よりも大きいときは、論理信号“High”となるPWM 1 Lower’信号(図14(c)のPWM 1 Lowerと同じ)を前記比較部83lから出力する。
前記PWM 1 MID Upper’信号は信号反転部83nで反転され、この信号を駆動回路56aで増幅してアーム63の半導体スイッチ56をスイッチング駆動し、前記PWM 1 MID Upper’信号はそのまま駆動回路56bで増幅してアーム64の半導体スイッチ56をスイッチング駆動する。
同様に、前記PWM 1 MID Lower’信号は信号反転部83oで反転され、この信号を駆動回路57aで増幅してアーム63の半導体スイッチ57をスイッチング駆動し、前記PWM 1 MID Lower’信号はそのまま駆動回路57bで増幅してアーム64の半導体スイッチ57をスイッチング駆動する。
そして、前記PWM 1 Lower’信号は信号反転部83pで反転され、この信号を駆動回路58aで増幅してアーム63の半導体スイッチ58をスイッチング駆動し、前記PWM 1 Lower’信号はそのまま駆動回路58bで増幅してアーム64の半導体スイッチ58をスイッチング駆動する。
そして、前記キャリア信号2A’を第5の位相シフト部84bに入力して前記キャリア信号2A’から90度遅らせ、この遅らせたキャリア信号2B’(図示省略)を比較部84cに入力し、前記キャリア信号2B’を第6の位相シフト部84dに入力して前記キャリア信号2B’から45度遅らせ、この遅らせたキャリア信号2C’(図示省略)を比較部84eに入力し、さらに前記キャリア信号2C’を第7の位相シフト部84fに入力して前記キャリア信号2C’から90度遅らせ、この遅らせたキャリア信号2D’(図示省略)を比較部84gに入力する。
そして、前記加算値が比較値3よりも大きいときは、論理信号“High”となるPWM 2 Upper’信号(図示省略)を前記比較部84iから出力し、前記加算値が比較値2よりも大きいときは、論理信号“High”となるPWM 2 MID Upper’信号(図示省略)を前記比較部84jから出力し、前記加算値が比較値1よりも大きいときは、論理信号“High”となるPWM 2 MID Lower’信号(図示省略)を前記比較部84kから出力し、前記加算値が比較値0よりも大きいときは、論理信号“High”となるPWM 2 Lower’信号(図示省略)を前記比較部84lから出力する。
前記PWM 2 MID Upper’信号は信号反転部84nで反転され、この信号を駆動回路56aで増幅してアーム63の半導体スイッチ56をスイッチング駆動し、前記PWM 2 MID Upper’信号はそのまま駆動回路56bで増幅してアーム64の半導体スイッチ56をスイッチング駆動する。
同様に、前記PWM 2 MID Lower’信号は信号反転部84oで反転され、この信号を駆動回路57aで増幅してアーム63の半導体スイッチ57をスイッチング駆動し、前記PWM 2 MID Lower’信号はそのまま駆動回路57bで増幅してアーム64の半導体スイッチ57をスイッチング駆動する。
そして、前記PWM 2 Lower’信号は信号反転部84pで反転され、この信号を駆動回路58aで増幅してアーム63の半導体スイッチ58をスイッチング駆動し、前記PWM 2 Lower’信号はそのまま駆動回路58bで増幅してアーム64の半導体スイッチ58をスイッチング駆動する。
また、動作PWM信号の周波数も低くなるので、半導体スイッチのスイッチング損失も大幅に低減し、同じ出力を得るには、より小さな電流容量の半導体スイッチを使用できるので、マルチレベルPWMインバータ回路を用いた電源装置を小形、安価なものにすることが可能となる。
さらに、上述実施形態における多相の搬送波を発生する多相搬送波発生手段と前記多相の搬送波の位相をずらす搬送波位相シフト手段に、三角波発生部から基準となる三角波を発生し、この三角波と該三角波の位相をシフトする手段による構成例を用いたが、本発明はこれに限定するものではなく、三角波発生部から多相の搬送波を発生し、これらの多相の搬送波の位相をシフトする構成でも良い。
さらにまた、3レベル及び5レベルのマルチレベルPWMインバータ回路の例をあげたが、これに限らず、前記マルチレベルPWMインバータはnレベルのPWMインバータであって、前記多相キャリアの位相シフト電気角を適切に設定すれば5レベル以上のマルチレベルPWMインバータに適用できる。
さらにまた、負荷として傾斜磁場コイルを接続したMRI装置について説明したが、静磁場もしくは高周波磁場を発生させるコイルを負荷として接続して用いることもできる。
さらにまた、動作PWM制御信号を生成するスイッチング制御回路19,19’,80,80’をハードウェアで構成する例を用いたが、これはディジタルシグナルプロセッサとマイクロコンピュータとを組合せた構成等のハードウェアを用いてソフトウェアで動作PWM制御信号を生成する方法でも可能である。
Claims (5)
- パルス幅変調制御マルチレベルインバータと、このマルチレベルインバータの負荷への出力電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段による検出値と電流指令値との差が零になるように制御する制御信号により前記マルチレベルインバータを駆動制御するスイッチング制御手段とを備えた電源装置において、前記スイッチング制御手段は、多相の搬送波を発生する多相搬送波発生手段と、前記多相の搬送波の位相をずらす搬送波位相シフト手段と、前記多相搬送波発生手段及び前記搬送波位相シフト手段で生成された搬送波と前記制御信号とに基づいて前記マルチレベルインバータを駆動制御する駆動信号生成手段とを備えたことを特徴とする電源装置。
- 請求項1において、前記多相搬送波発生手段及び搬送波位相シフト手段は、基準となる搬送波と、この搬送波から所定の位相をずらした搬送波を生成する手段であって、前記駆動信号生成手段は、前記基準搬送波及び前記位相をずらした搬送波と前記制御信号とを比較する第1の比較手段と、この第1の比較手段の出力を加算する手段と、この加算手段の出力と複数の基準比較値とを比較する第2の比較手段とを備えたことを特徴とする電源装置。
- 請求項1または2において、前記マルチレベルインバータは、複数の並列接続された同一レベル数のパルス幅変調制御マルチレベルインバータであって、前記複数のマルチレベルインバータ間のスイッチング位相をずらす並列インバータ間位相シフト手段をさらに備えたことを特徴とする電源装置。
- 幅変調制御マルチレベルインバータと、このマルチレベルインバータの負荷への出力電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段による検出値と電流指令値との差が零になるように制御する制御信号により前記マルチレベルインバータを駆動制御するスイッチング制御手段とを備えた電源装置を有する磁気共鳴イメージング装置であって、前記負荷は磁場発生用コイルとし、前記電源装置に請求項1または2のいずれか一項に記載の電源装置を用いたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 複数の並列接続された同一レベル数のパルス幅変調制御マルチレベルインバータと、このマルチレベルインバータの負荷への出力電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段による検出値と電流指令値との差が零になるように制御する制御信号により前記マルチレベルインバータを駆動制御するスイッチング制御手段とを備えた電源装置を有する磁気共鳴イメージング装置であって、前記負荷は磁場発生用コイルとし、前記電源装置に請求項3に記載の電源装置を用いたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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