JP6772740B2 - 単相インバータ - Google Patents

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Description

本発明は、高周波数で適用されるLC共振単相インバータに係り、特に、ソフトスイッチング制御方法に関する。
図1は、従来のLC共振単相インバータのソフトスイッチング技術を示す概略図である。LC共振単相インバータは、すべての第1〜第4メインスイッチS1〜S4をターンオフした時フリーホイールダイオードを導通させ、ターンオンした時IGBTを導通させる。
図2の上図は、図1の補助スイッチSaの電圧(点線)と電流(実線)を示す。電流(実線)の極性が正の時は、補助スイッチSaのIGBTに電流が流れ、極性が負の場合は補助スイッチSaのフリーホイールダイオードに電流が流れる。
図2の下図は、図1の補助スイッチSaのON/OFF指令を示す。High状態のときはON指令、Low状態の時はOFF指令となる。
図3は、インバータの第1〜第4メインスイッチS1〜S4のゲート指令gateU,gateV,gateX,gateYと出力電圧output voltageを示すタイムチャートである。図3に示すように、インバータの出力電圧は、例えば、+E,0,−Eの3レベルとなる。
ソフトスイッチング経路(共振回路)は補助スイッチSa,リアクトルLa,コンデンサCaから構成される。第1〜第4メインスイッチS1〜S4をターンオン,ターンオフさせる前に、補助スイッチSaをターンオンさせる。第1〜第4メインスイッチS1〜S4の電流がゼロになる間に、負荷電流ioはスイッチング経路のリアクトルLaおよびコンデンサCaに転送される。
したがって、補助スイッチSaはゼロ電流状態でオン/オフすることができる。一度、ソフトスイッチングがなされると、負荷電流ioが再度第1〜第4メインスイッチS1〜S4に流れ、補助スイッチSaもゼロ電流条件でターンオフする。
例として、ソフトスイッチング処理ta〜tdの間の電流波形,電圧波形を図4に示す。図4は、第1メインスイッチS1がON→OFF,第2メインスイッチS2がOFF→ONするときの各部波形を示している。
このように、従来のソフトスイッチング技術は、第1,第2メインスイッチS1,S2,補助スイッチSaのすべてのスイッチをゼロ電流条件でターンオンまたはターンオフすることができる。スイッチングサイクル毎の4つのソフトスイッチング処理は、図3に示すように、以下のように定義される。
第1デッドタイム期間:ta〜tbはP1と称し、第1メインスイッチS1をターンオフ,第2メインスイッチS2をターンオンとする。
第2デッドタイム期間:tc〜tdはP2と称し、第4メインスイッチS4をターンオフ、第3メインスイッチS3をターンオンとする。
第3デッドタイム期間:te〜tfはP3と称し、第3メインスイッチS3をターンオフ、第4メインスイッチS4をターンオンとする。
第4デッドタイム期間:tg〜thはP4と称し、第2メインスイッチS2をターンオフ、第1メインスイッチS1にターンオンする。
一般的に、図5(a)に示すようなLC共振回路の電流および電圧は、(1)式,図5(b)に示すように、(0,E)点を中心とした半径√(Za*ia2+(Vc−E)2の円で表すことができる。図5(a)は一般的なLC共振回路、図5(b)は電圧と電流の軌跡を示す。
Figure 0006772740
ここで、IaはリアクトルLaの初期電流であり、VcはコンデンサCaの初期電圧である。また、Za=√(La/Ca)である。
4つのソフトスイッチング処理の等価回路を図6(a),図6(b),図6(c),図6(d)に示す。
図6(a)は第1デッドタイム期間P1中の等価回路を示し、(1)左図は第1メインスイッチS1をオフする前に、補助スイッチSaをオンにし、(2)中央図は全てのメインスイッチ,補助スイッチをオフにし、負荷電流はリアクトルLaおよびコンデンサCaの経路に転流され、(3)右図は第2メインスイッチS2がオンとなる。
図6(b)は第2デッドタイム期間P2中の等価回路を示し、(1)左図は第4メインスイッチS4をオフする前に、補助スイッチSaをオンにし、(2)中央図は全てのメインスイッチ,補助スイッチをオフにし、負荷電流はリアクトルLaおよびコンデンサCaの経路に流され、(3)右図は第3メインスイッチS3がオンとなる。
図6(c)は第3デッドタイム期間P3中の等価回路を示し、(1)左図は第3メインスイッチS3をオフする前に、補助スイッチSaをオンにし、(2)中央図は全てのメインスイッチ,補助スイッチをオフにし、負荷電流はリアクトルLaおよびコンデンサCaの経路に転流され、(3)右図は第4メインスイッチS4がオンとなる。
図6(d)は第4デッドタイム期間P4中の等価回路を示し、(1)左図は第2メインスイッチS2をオフする前に、補助スイッチSaをオンにし、(2)中央図は全てのメインスイッチ,補助スイッチをオフにし、負荷電流はリアクトルLaおよびコンデンサCaの経路に転流され、(3)右図は第1メインスイッチS1がオンとなる。
図7(a),(b)、(c)、(d)に第1〜第4デッドタイム期間P1,P2,P3,P4のソフトスイッチング経路内のコンデンサ電圧vc(t)とリアクトル電流ia(t)の軌跡を示す。
図7に示すVc1i(i=1〜4)は、第1〜第4デッドタイム期間P1〜P4中のコンデンサCaの初期コンデンサ電圧を示し、Vc2i(i=1〜4)は各ソフトスイッチング処理終了時のコンデンサCaの電圧を示し、Ioは負荷電流を示す。
特開平04−248367号公報
図7に示すように、ソフトスイッチングによって高電圧がコンデンサCaやリアクトルLaに印加されることが、現在のソフトスイッチング技術の大きな問題となっている。
まず、すべてのメインスイッチがオフになっている期間で、負荷電流がソフトスイッチング経路を通り、コンデンサCaに充電される。この期間が長いと、電圧および電流が大きくなることが考えられる。
図7(a)では、Ia×Za(Y軸)が一定でVc(X軸)が増加している軌跡がある。この軌跡の動作を「追加の充電プロセス」と称する。この影響によって、図7(a)のVc21、図7(b)のVc22では、直流電圧源の電圧Eよりも大きい最大のコンデンサ電圧Vcが生じ、高電圧がコンデンサに印加される。
また、コンデンサCaに印加される最大コンデンサ電圧Vcmaxは初期コンデンサ電圧(図7(a)ではVc11)に関係する。
負荷電流による追加の充電プロセスがないと仮定した場合、最大コンデンサ電圧Vcmaxは(2)式で表すことができる。
Figure 0006772740
ここで、初期コンデンサ電圧Vc11は、通常、0≦Vc11<Eであれば、追加の充電プロセスが回避される。図8は初期コンデンサ電圧Vc11=0の場合の軌跡を示す図である。
図8(a)は、ソフトスイッチング処理の第1デッドタイム期間P1(実線)と第2デッドタイム期間P2(破線)の電流および電圧の軌跡を組み合わせた図である。図8(b)は、ソフトスイッチング処理の第3デッドタイム期間P3(実線)と第4デッドタイム期間P4(破線)の電流および電圧の軌跡を組み合わせた図である。ここで、Vcmax=2E,Vc11=0とする。したがって、初期コンデンサ電圧Vc11が制御されていない場合、予期しない高電圧が、コンデンサCa並びにリアクトルLaに印加される。
コンデンサCaやリアクトルLaに高い電圧(図8ではVcmax=2E)が印加されるため、高耐電圧のコンデンサCaやリアクトルLaが必要とされる。これは、コンデンサCaやリアクトルLaの大型化と高コスト化、さらにインバータの大型化と高コスト化につながっていた。
以上示したように、LC共振単相インバータにおいて、ソフトスイッチング時のコンデンサCaやリアクトルLaへの印加電圧を低減させることが課題となる。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、直流電圧源に直列接続された第1,第2メインスイッチと、前記第1,第2メインスイッチに対して並列接続された第3,第4メインスイッチと、前記第3,第4メインスイッチの中性点と前記第1,第2メインスイッチの中性点との間に接続された補助スイッチおよびリアクトルおよびコンデンサと、を備えた単相インバータであって、初期コンデンサ電圧Vc11,Vc21,Vc31,Vc41と、負荷電流Io1,Io2,Io3,Io4と、ソフトスイッチング電流Iaを検出し、以下の(3)式〜(6)式に基づいて、前記補助スイッチがオンしてから第1〜第4メインスイッチがターンオンするまでの時間t1〜t4を算出することを特徴とする。
Figure 0006772740
E:直流電圧源の電圧
Za:インピーダンス
Ta:共振時間
また、その一態様として、ソフトスイッチング電流ia=0となるタイミングで初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41を検出して保持する第1サンプルホールド回路と、前記初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41の高周波成分を除去する第1ローパスフィルタと、前記補助スイッチがオフからオンするタイミングで負荷電流Io2,Io3,Io4を検出して保持する第2サンプルホールド回路と、前記高周波成分を除去した前記初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41と、前記負荷電流Io2,Io3,Io4に基づいて、前記(4)式〜前記(6)式により、前記補助スイッチがオンしてから第2〜第4メインスイッチがターンオンするまでの時間t2〜t4を演算する第1演算器と、ソフトスイッチング電流Ia=0となるタイミングで前記初期コンデンサ電圧Vc11を検出して保持する第3サンプルホールド回路と、前記初期コンデンサ電圧Vc11の高周波成分を除去する第2ローパスフィルタと、前記高周波成分を除去した前記初期コンデンサ電圧Vc11と、初期コンデンサ電圧の目標値との偏差を算出する減算器と、前記偏差に基づいて、PI制御を行うPIコントローラと、前記高周波成分を除去した前記初期コンデンサ電圧Vc11と、前記PIコントローラの出力と、を加算して前記初期コンデンサ電圧Vc11として出力する加算器と、前記補助スイッチがオフからオンするタイミングで負荷電流io1を検出する第4サンプルホールド回路と、前記加算器から出力された前記初期コンデンサ電圧Vc11と、前記負荷電流io1に基づいて、前記(3)式により、前記補助スイッチがオンしてから第1スイッチがターンオンするまでの時間t1を演算する第2演算器と、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、前記負荷電流Io1〜Io4に補正値Δioを加算して前記負荷電流Io1〜Io4を補正することを特徴とする。
また、その一態様として、直流電圧源に直列接続された第1,第2メインスイッチと、前記第1,第2メインスイッチに対して並列接続された第3,第4メインスイッチと、前記第3,第4メインスイッチの中性点と第1,第2メインスイッチの中性点との間に接続された第1補助スイッチおよび第2補助スイッチおよびリアクトルおよびコンデンサと、を備えた単相インバータであって、初期コンデンサ電圧Vc11,Vc21,Vc31,Vc41と負荷電流Io1,Io2,Io3,Io4,ソフトスイッチング電流iaを検出し、以下の(12)式〜(15)式に基づいて、前記第1補助スイッチまたは前記第2補助スイッチがオンしてから前記第1〜第4メインスイッチがターンオンするまでの時間t1〜t4を算出することを特徴とする。
Figure 0006772740
E:直流電圧源の電圧
Za:インピーダンス
Ta:共振時間
また、その一態様として、前記第1補助スイッチと前記第2補助スイッチは表2に示す動作1もしくは動作2のように、動作を行うことを特徴とする。
Figure 0006772740
また、その一態様として、ソフトスイッチング電流ia=0となるタイミングで初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41を検出して保持する第1サンプルホールド回路と、前記初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41の高周波成分を除去する第1ローパスフィルタと、前記第1補助スイッチまたは第2補助スイッチがオフからオンするタイミングで負荷電流Io2,Io3,Io4を検出して保持する第2サンプルホールド回路と、前記高周波成分を除去した初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41と、前記負荷電流Io2,Io3,Io4に基づいて、前記(13)式〜(15)式により、第1補助スイッチまたは第2補助スイッチがオンしてから第2〜第4メインスイッチがオンするまでの時間t2〜t4を演算する第1演算器と、ソフトスイッチング電流Ia=0となるタイミングで初期コンデンサ電圧Vc11を検出して保持する第3サンプルホールド回路と、前記初期コンデンサ電圧Vc11の高周波成分を除去する第2ローパスフィルタと、前記高周波成分を除去した初期コンデンサ電圧Vc11と、初期コンデンサ電圧の目標値との偏差を算出する減算器と、前記偏差に基づいて、PI制御を行うPIコントローラと、前記高周波成分を除去した初期コンデンサ電圧Vc11と、前記PIコントローラの出力と、を加算して初期コンデンサ電圧Vc11として出力する加算器と、前記第1補助スイッチまたは前記第2補助スイッチがオフからオンするタイミングで負荷電流を検出する第4サンプルホールド回路と、前記加算器から出力された初期コンデンサ電圧Vc11と、前記負荷電流Io1に基づいて、前記(12)式により、第1補助スイッチまたは第2補助スイッチがオンしてから第1メインスイッチがオンするまでの時間t1を演算する第2演算器と、を備えたことを特徴とする。
また、その一態様として、前記負荷電流Io1〜Io4に補正値Δioを加算して前記負荷電流Io1〜Io4を補正することを特徴とする。
本発明によれば、LC共振単相インバータにおいて、ソフトスイッチング時のコンデンサCaやリアクトルLaへの印加電圧を低減させることが可能となる。
従来のLCC共振単相インバータのソフトスイッチング技術を示す概略図。 補助スイッチの電圧、電流、ON/OFF指令を示す図。 インバータのメインスイッチのゲート指令と出力電圧を示す図。 ta〜tdの電圧と電流の波形を示す図。 一般的なLC共振回路、電圧と電流の軌跡を示す図。 4つのソフトスイッチング処理の等価回路を示す図。 P1〜P4のソフトスイッチング経路内のコンデンサ電圧とインダクタ電流を示す図。 初期コンデンサ電圧を示す図。 (a)スイッチング時間t1,(b)スイッチング時間t2,(c)スイッチング時間t3,(d)スイッチング時間t4のときの制御信号のタイムチャートを示す図。 ソフトスイッチング時の状態を示す図。 4つのソフトスイッチング処理と初期コンデンサ電圧を示す図。 初期コンデンサ電圧の制限を示す図。 ソフトスイッチング時間の制御方式を示すブロック図。 ソフトスイッチング時間と初期コンデンサ電圧の制御方式を示すブロック図。 実施形態1のLC共振単相インバータを示す図。 実施形態2のLC共振単相インバータを示す図。 初期コンデンサ電圧Vc11=0のときの電圧,電流の軌跡を示す図。 (a)スイッチング時間t1,(b)スイッチング時間t2,(c)スイッチング時間t3,(d)スイッチング時間t4の定義と第1,第2補助スイッチの制御信号を示す図。 初期コンデンサ電圧Vc11≠0のときの電圧,電流の軌跡を示す図。 (a)スイッチング時間t1,(b)スイッチング時間t2,(c)スイッチング時間t3,(d)スイッチング時間t4の時の制御信号のタイムチャートを示す図。 Vcmax,直流電圧源の電圧E,負荷電流Ioの関係を示す図。 実施形態1と実施形態2のコンデンサ最大電圧を示す図。 従来と実施形態2の電圧と電流の軌跡を示す図。
[実施形態1]
本実施形態1におけるLC共振単相インバータは、図1に示す回路を基本的には同じ構成である。本実施形態1におけるLC共振単相インバータは、直流電圧源Eに直列接続された第1,第2メインスイッチS1,S2と、第1,第2メインスイッチS1,S2に対して並列接続された第3,第4メインスイッチS3,S4と、第3,第4メインスイッチS3,S4の中性点と第1,第2メインスイッチS1,S2の中性点との間に接続された補助スイッチSaおよびリアクトルLaおよびコンデンサCaと、備える。補助スイッチSaとリアクトルLaとコンデンサCaの直列接続の順番は図1と異なっても良い。
コンデンサ最大電圧Vcmaxを抑制するために、追加の充電のプロセスはできるだけ短くすべきであり、初期コンデンサ電圧Vc11は、可能な限り大きくなるように制御すべきである。
追加の充電プロセスを回避するための以下の(3)〜(6)式が図10に従って導出される。
Figure 0006772740
時刻t1〜t4の切り替えは、図9,図10に示されている。Vc11〜Vc41は、図11に示すように、ソフトスイッチング処理の第1〜第4デッドタイム期間P1〜P4の初期コンデンサ電圧である。また、Io1〜Io4は第1〜第4デッドタイム期間P1〜P4の負荷電流を示す。ソフトスイッチングを保証するために、適切なインピーダンスZaと共振時間Taを設計する方法については、本願発明と直接関係ないためここでの説明は省略する。当該インピーダンスZa,共振時間Taを設計する方法は非特許文献1に記載されている。
図11は、4つのソフトスイッチング処理と初期コンデンサ電圧を示す図であり、上図がコンデンサ電流を示しており、下図がコンデンサ電圧を示している。
図12は、これらの軌跡の図である。
補助スイッチSaを制御するために、(3)〜(6)式に示すスイッチング時間t1〜t4を使用して、追加の充電プロセスをなくす。
また、初期コンデンサ電圧Vc11を高い値に制御することが望ましいが、初期コンデンサ電圧Vc11には上限値がある。図12は初期コンデンサ電圧Vc11の増加の制限を示す。図12に示すように、初期コンデンサ電圧Vc11の増加(Vc11→V’c11)に伴って、第1デッドタイム期間P1の半径rが小さくなる。
また、初期コンデンサ電圧Vc11は以下の(7)式を満たす必要がある。
Figure 0006772740
ここで、I01は第1デッドタイム期間P1の負荷電流を示す。
なお、図11でのVc11は、(7)式を満足する最大のVc11、すなわち、Vc11=E−(Io1×Za) としている。
図12から分かるように、VcmやV’cmの絶対値(図10のVc31に相当)は2Eよりも小さい値となっている。 つまり、コンデンサCaの印加電圧の最大値が2Eよりも低減されていることを示している。
(ソフトスイッチング時間と初期コンデンサ電圧Vc11の制御方法)
図13,図14は、上記のソフトスイッチング時間と初期コンデンサ電圧Vc11の制御方式を示す概略図である。図13は第2〜第4デッドタイム期間P2〜P4のソフトスイッチング時間t2〜t4を示し、図14は第1デッドタイム期間P1の初期コンデンサ電圧Vc11の制御によるソフトスイッチング時間t1を示す。
図13のコンデンサ電圧Vcを入力するサンプルホールド1では、図12からわかるようにソフトスイッチング電流ia=0となるタイミングで初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41を検出して保持する。この初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41は、ローパスフィルタ3により高周波成分が除去されて演算器5に出力される。
負荷電流ioを入力するサンプルホールド2では、図9(b),(c),(d)のGateSaがOFF→ONするタイミングで負荷電流ioを検出、ホールドして出力する。この出力が、負荷電流Io2,Io3,Io4となる。負荷電流I02,I03,I04は加算器4において、それぞれ補正値ΔI0が加算されて補正され、演算器5に出力される。
演算器5では、(4)式、(5)式、(6)式により、ソフトスイッチング時間t2,t3,t4が演算される。
図14のコンデンサ電圧Vcを入力するサンプルホールド2では、図12からわかるようにソフトスイッチング電流ia=0となるタイミングで初期コンデンサ電圧Vc11を検出して保持する。初期コンデンサ電圧Vc11はローパスフィルタ7により高周波成分が除去されて減算器8および加算器10に出力される。
図14のV*c11はVc11の目標値である。(7)式より、V*c11<E−(Io1×Za)を満足する値に設定する。減算器8では、目標値V*c11から初期コンデンサ電圧Vc11を減算する。
PIコントローラ9は初期コンデンサ電圧Vc11を目標値に制御する。より制御性能を向上させるために、1次ローパスフィルタは1/(1+TS)とし、TはT0(=1/f0:ただしf0はインバータのスイッチング周波数)と等しいか小さいように設計する。
加算器10では、PIコントローラ9の出力にローパスフィルタ7の出力を加算して演算器13に出力する。
図14の負荷電流ioを入力するサンプルホールド11では、図9(a)のGateSaがOFF→ONするタイミングで負荷電流ioを検出、保持して出力する。この出力が、負荷電流Io1となる。加算器12では、ioに補正値ΔIoを加算して補正し、演算器13に出力する。
演算器13では、(3)式により、ソフトスイッチング時間t1が演算される。
図15に示すように、電圧センサ14はコンデンサCaのコンデンサ電圧Vcを測定し、2つの電流センサ15,16はソフトスイッチング電流Iaと負荷電流I0をそれぞれ検出する。適切な演算値を出力するには、各ソフトスイッチング処理する前に、負荷電流I0とコンデンサ電圧Vcをサンプルホールドする必要がある。
ソフトスイッチング電流iaの電流検出値は、補助スイッチSaのスイッチング指令のパルス幅の制御に用いる。つまり、補助スイッチSaのターンオフのタイミングの制御用に、ソフトスイッチング電流iaが用いられる。ソフトスイッチング電流iaが正→負となった後に、図9のゲート指令GateSaをON指令→OFF指令に切り替える。(図示省略) OFF指令後のソフトスイッチング電流iaが負の期間では、補助スイッチSaのフリーホイールダイオードにソフトスイッチング電流iaが流れるが、その後ソフトスイッチング電流ia=0となると、OFF指令となっているためia=0の状態を保持する。
(補正値ΔI0
このLC共振単相インバータでは、デッドタイム期間中に負荷電流Ioが変動することが考えられる。そこで制御精度の向上させるためには、デッドタイムに応じた負荷電流の補正が必要となる。
本実施形態1では、IGBT電流が正弦波であると仮定し、正弦波形の補正値Δioを推定する。
第1デッドタイム期間P1および第3デッドタイム期間P3の場合:ΔI0=Iomsin(2πf0 *td):負荷電流はデッドタイム間増大する。
第2デッドタイム期間P2および第4デッドタイム期間P4の場合:ΔI0=Iomsin(2πf0 *td/2):負荷電流はデッドタイム間減少する。
ここで、iomは負荷電流の振幅であり、f0 *はインバータのスイッチング周波数を示し、tdはデッドタイムを示す。
このデッドタイムtdを補償する補正値Δioを図13,図14の制御ブロックのように適用することによって、インバータのスイッチング損失をより低減させることができる。 (注:デッドタイムtdと図9(b)内のtdとは無関係である。)
この実施形態1は、下記A.B.C.D.の効果を持つ。
A.コンデンサCaに印加する電圧の最大値(Vcmax)を抑制する。これは、以下の(1)(2)により低減される。
(1)負荷電流によるコンデンサCaの追加の充電プロセスがなくなる。
(2)初期コンデンサ電圧Vc11(第1デッドタイム期間P1時の初期コンデンサ電圧)を適正値に制御するため、Vcmax(=|2E−Vc11|)が小さくなる。
また、Vcmaxを抑制することで、リアクトルLaに印加する電圧の最大値も抑制できる。
B.小型化、低コスト化
A.で示すようにVcmaxが小さくなることによって、耐電圧の低いコンデンサCaやリアクトルLaを適用することができる。これにより、コンデンサCaやリアクトルLaの小型化と低コスト化、さらにインバータの小型化と低コスト化を図ることが可能となる。
C.ソフトスイッチング動作によって生じるスイッチの導通損失を低減させる
ソフトスイッチングに起因する追加の導通損失は、図4に示されている。ソフトスイッチング電流iaは、補助スイッチSaだけではなく、メインスイッチも通過する。したがって、追加の充電プロセスがある場合、その期間分の導通損失が補助スイッチSaと各メインスイッチS1〜S4の両方で生じる。
これに対して本実施形態1では、ソフトスイッチング電流iaが流れている時間は、追加の充電プロセスを除去することによって最小化される。したがって、各スイッチの導通損失を低下させることが可能となり、インバータの効率を向上させることが可能となる。
D.ソフトスイッチング性能への負荷変動の影響を低減する
本実施形態1では、ソフトスイッチング時間を負荷電流に基づいて算出する。したがって、負荷変動の影響を低減することができる。
[実施形態2]
本実施形態2は、図16に示すように、ソフトスイッチング経路に2つの第1,第2補助スイッチSa1,Sa2を逆方向に接続したものである。
(ソフトスイッチング制御)
はじめに、コンデンサCaの初期コンデンサ電圧Vc11=0の条件における動作例を説明する。
二つの第1,第2補助スイッチSa1,Sa2が使用されるため、ソフトスイッチング経路を流れる電流を両方向に制御することができる。コンデンサCaに印加する最大電圧Vcmaxを低減するために、制御は以下のように行われる。図17は初期コンデンサ電圧Vc11=0のときの電圧,電流の軌跡を示す図である。
・第1デッドタイム期間P1では、第1,第2補助スイッチSa1,Sa2の両方がターンオンとなって、ソフトスイッチング処理が始まり、図17(a)の実線に示すように、「a」から始まり「c」となる。
・第2デッドタイム期間P2では、第1補助スイッチSa1のみがターンオンとなる。ソフトスイッチング処理は、図17(a)の破線に示すように、「c」から始まり「a」に戻る。
・第3デッドタイム期間P3では、第2補助スイッチSa2のみがターンオンとなる。ソフトスイッチング処理は図17(b)の実線に示すように「e」から始まり「g」となる。
・第4デッドタイム期間P4では、第1,第2補助スイッチSa1,Sa2の両方がターンオンとなる。ソフトスイッチング処理は、図17(b)の破線に示すように「g」から始まり「e」に戻る。
図17は初期コンデンサ電圧Vc11=0のときの状態を示しており、図8に示す従来技術の電圧と電流の軌跡と比較することを目的とている。
図17の電圧および電流の軌跡に示すように、コンデンサCaの追加の充電プロセス(図7に見られる、Io×Zaが一定値でVcが変化する軌跡のプロセス)は削除されている。それによって、コンデンサCaに印加する最大電圧Vcmaxを低減できる。これを達成するために、ソフトスイッチング時間t1〜t4は、(8)式〜(11)式で算出される。
Figure 0006772740
図18は、スイッチング時刻を定義すると共に、第1,第2補助スイッチSa1,Sa2の制御信号を定義している。
(a)第1デッドタイム期間P1時、第1メインスイッチS1はONからOFFへ、(b)第2デッドタイム期間P2時、第4メインスイッチS4がONからOFFへ、(c)第3デッドタイム期間P3時、第3メインスイッチS3がONからOFFへ、(d)第4デッドタイム期間P4時、第2メインスイッチS2がONからOFFへ変更する。
(8)式の負荷電流Io1は、図18のta時の負荷電流値である。(9)式の負荷電流IO2は、図18のtc時の負荷電流値である。(10)式の負荷電流IO3は、図18のte時の負荷電流値である。(11)式の負荷電流I04は、図18のtg時の負荷電流値である。
(8)式の初期コンデンサ電圧Vc11は、図18のta時のコンデンサCaの印加電圧Vcである。(9)式の初期コンデンサ電圧Vc21は、図18のtc時のコンデンサCaの印加電圧Vcである。(10)式の初期コンデンサ電圧Vc31は、図18のte時のコンデンサCaの印加電圧Vcである。(11)式の初期コンデンサ電圧Vc41は、図18のtg時のコンデンサCaの印加電圧Vcである。
第1補助スイッチSa1または第2補助スイッチSa2がターンオフする時に補助スイッチのIGBT部に電流が流れていると、スイッチング損失が発生する。これを回避するために、第1,第2補助スイッチSa1,Sa2の制御信号のパルス幅は、第1,第2補助スイッチSa1,Sa2のフリーホイールダイオードが導通するのに十分の長さが必要で、かつ、IGBT部のターンオンの次のサイクルよりも短くしなければいけない。したがって、図18に示すように第1,第2補助スイッチSa1,Sa2の制御信号(Gate Sa1、Gate Sa2)のパルス幅は、以下の条件を設ける。
(1)第1デッドタイム期間P1では、Ta≧Sa1のパルス幅≧Ta/4.Ta≧Sa2のパルス幅>3Ta/4となる。この場合、第1補助スイッチSa1の制御信号が既にオフされているため、電流がゼロになったとき第2補助スイッチSa2が自然にオフになる。
(2)第2デッドタイム期間P2では、Ta/2≧Sa1のパルス幅≧Ta/4となる。
(3)第3デッドタイム期間P3では、Ta/2≧Sa2のパルス幅≧Ta/4となる。
(4)第4デッドタイム期間P4では、t4≧Sa2のパルス幅≧Ta/2,Ta≧Sa1のパルス幅>3Ta/4となる。
(1)〜(4)の条件では、電流がゼロになったとき、第1補助スイッチSa1と第2補助スイッチSa2の両方が確実にターンオフされる
次に、初期コンデンサ電圧Vc11≠0の条件における動作例を説明する。この動作例では、前述の初期コンデンサ電圧Vc11=0の条件における動作例とは異なり、第1デッドタイム期間P1で第1補助スイッチSa1のみをターンオンさせる。
図19に、初期コンデンサ電圧Vc11≠0のときの電圧と電流の軌跡を示す。
第1デッドタイム期間P1では、第1補助スイッチSa1のみがターンオンとなる。ソフトスイッチング処理は図19(a)の実線に示すように、「a」から始まり「c」で終了する。
第2デッドタイム期間P2では、第1補助スイッチSa1と第2補助スイッチSa2の両方がターンオンとなる。ソフトスイッチング処理は、図19(a)の破線に示すように、「c」から始まり「e」で終了する。
第3デッドタイム期間P3では、第1補助スイッチSa1と第2補助スイッチSa2の両方がターンオンとなる。ソフトスイッチング処理は、図19(b)の実線に示すように、「e」から始まり「g」で終わる。
第4デッドタイム期間P4では、第2補助スイッチSa2のみがターンオンとなる。ソフトスイッチング処理は図18(b)の破線で示すように、「g」から始まり「i」である。
この制御のためのソフトスイッチング時間t1〜t4は、(12)式〜(15)式により算出される。
Figure 0006772740
スイッチング時間t1〜t4は図20に示されている。図20は、スイッチング時間t1〜t4の定義と、第1,第2補助スイッチSa1,Sa2の制御信号(Gate Sa1、Gate Sa2)を示す。
(a)第1デッドタイム期間P1:第1メインスイッチS1がONからOFFになる。(b)第2デッドタイム期間P2:第4メインスイッチS4がONからOFFになる。(c)第3デッドタイム期間P3:第3メインスイッチS3がONからOFFになる。(d)第4デッドタイム期間P4:第2メインスイッチS2がONからOFFになる。
図20に示すように、第1,第2補助スイッチSa1,Sa2のパルス幅は図18と同じ規則に従う。例えば、第1,第3,第4デッドタイム期間P1,P3,P4において、(1)Ta/2≧第1,第2補助スイッチSa1,Sa2の制御信号の短い方のパルス幅≧Ta/4,(2)Ta≧第1,第2補助スイッチSa1,Sa2の制御信号の長い方のパルス幅≧3Ta/4(注:第1デッドタイム期間P1の第1補助スイッチSa1のパルス幅と第4デッドタイム期間P4の第2補助スイッチSa2のパルス幅は、短い方のパルス幅に相当する。)
第2デッドタイム期間P2では、(1)t2≧Sa1のパルス幅Ta/2,(2)Ta≧Sa2のパルス幅≧3Ta/4
上記の第1,第2補助スイッチSa1,Sa2のパルス幅の条件を満足するように、第1補助スイッチSa1と第2補助スイッチSa2のターンオンとターンオフのタイミングを設定する。
以上の2種類の動作例における第1補助スイッチSa1と第2補助スイッチSa2の動作をまとめると、以下の表1となる。本実施形態2では、下記のいずれの第1,第2補助スイッチSa1,Sa2の動作パターンを適用してもよい。
Figure 0006772740
なお、(8)式〜(15)式のスイッチング時間t1〜t4は、実施形態1の図13、図14と同様の制御ブロックを用いることで算出できる。
(効果)
A.コンデンサCaの最大電圧を大幅に低減する。
図21はVcmax,直流電圧源の電圧E,負荷電流Ioの関係を示す。図8と同じ条件下での軌跡である。
実施形態1と同様、負荷電流による追加の充電プロセスが無く、コンデンサCaの最大電圧は(16)式で表すことができる。この式は、図21の三角形ΔAbEより導かれる(線分Abの長さがVcmax)。
Figure 0006772740
ソフトスイッチングの適切な動作のために、IoZa≦(E−Vc11)である必要がある。
また、インピーダンスZaは(18)式に示す値に設定する。
Figure 0006772740
図22は、実施形態1のコンデンサ最大電圧Vcmax1と本実施形態2のコンデンサ最大電圧Vcmax2を比較する図である。この図では、E=600V、ki=1.5としている。
図22に示すように、実施形態1従来と本実施形態2のコンデンサ最大電圧を比較すると、本実施形態2のコンデンサ最大電圧(Vcmax2)は実施形態1のコンデンサ最大電圧(Vcmax1)よりもはるかに低い。このことは、図8,図17に示す図を比較しても明らかである。例えば、実施形態1のコンデンサ最大電圧は直流電圧源の電圧Eよりも大きなものとなっていたが、本実施形態2の通常時のコンデンサ最大電圧は、直流電圧源の電圧Eよりも、Vc11≦170Vの条件では小さい。
B.電流の低減
図23は、実施形態1と本実施形態2の電圧と電流の軌跡を比較する図である。実線と破線が実施形態1の軌跡、実線が本実施形態2に軌跡である。(実線では、実施形態1と本実施形態2の軌跡が重なっている。)
図23に示すように、実施形態1と本実施形態2の図を比較すると、本実施形態2では破線部分の軌跡がない。したがって、ソフトスイッチングによる電流(ia)は、本実施形態2では低減できる。
4つのデッドタイム期間の処理で保持された負荷電流が同一値であると仮定した場合、電流低減値は以下の(19)式のように表される。
Figure 0006772740
ここで、TaはリアクトルLaとコンデンサCaの共振期間を示し、Ta=2π√LaCaである。Tsはメインスイッチのスイッチング期間を示し、Ts=1/fsである。(fs:メインスイッチのスイッチング周波数)
C.ソフトスイッチング動作による導通損失の低減
図4に示すように、ソフトスイッチング電流iaは、ソフトスイッチング経路の第1,第2補助スイッチSa1,Sa2を通過するだけでなく、第1〜第4メインスイッチS1〜S4も通過する。したがって、iaによる導通損失が第1,第2補助スイッチSa1,Sa2と第1〜第4メインスイッチS1〜S4の両方で発生する。その値は、ソフトスイッチング電流iaの振幅と持続時間に依存する。
本実施形態2においては、B.に示すようにソフトスイッチング電流iaが低減される。したがって、各スイッチの導通損失も抑制される。
このように、第1〜第4メインスイッチS1〜S4、第1,第2補助スイッチSa1,Sa2の導通損失を低減させることによりインバータの効率向上を図ることが可能となる。
D.小型化、低コスト化
A.で示したようにVcmaxが小さくなることによって、耐電圧の低いコンデンサCaやリアクトルLaを適用することができる。これにより、コンデンサCaやリアクトルLaの小型化と低コスト化、さらにインバータの小型化と低コスト化を図ることが可能となる。
また、B.、C.で述べたソフトスイッチング経路(図16の第1,第2補助スイッチSa,Sb,リアクトルLa,コンデンサCa)に流れる電流が低減されることによって、許容電流値が低い第1,第2補助スイッチSa,Sb,リアクトルLa,コンデンサCaを適用することができる。 これによって、各部品の小型化と低コスト化、さらにインバータの小型化と低コスト化を図ることが可能となる。
1,2,6,11…サンプルホールド
3,7…ローパスフィルタ
4,10,12…加算器
5,13…演算器
8…減算器
9…PIコントローラ

Claims (7)

  1. 直流電圧源に直列接続された第1,第2メインスイッチと、
    前記第1,第2メインスイッチに対して並列接続された第3,第4メインスイッチと、
    前記第3,第4メインスイッチの中性点と前記第1,第2メインスイッチの中性点との間に接続された補助スイッチおよびリアクトルおよびコンデンサと、
    を備えた単相インバータであって、
    初期コンデンサ電圧Vc11,Vc21,Vc31,Vc41と、負荷電流Io1,Io2,Io3,Io4と、ソフトスイッチング電流Iaを検出し、
    以下の(3)式〜(6)式に基づいて、前記補助スイッチがオンしてから第1〜第4メインスイッチがターンオンするまでの時間t1〜t4を算出することを特徴とする単相インバータ。
    Figure 0006772740
    E:直流電圧源の電圧
    Za:インピーダンス
    Ta:共振時間
    Vc11,Vc21,Vc31,Vc41:ソフトスイッチング処理の第1〜第4デッドタイム期間P1〜P4の初期コンデンサ電圧
    Io1,Io2,Io3,Io4:第1〜第4デッドタイム期間P1〜P4の負荷電流
    P1:第1メインスイッチをターンオフ、第2メインスイッチをターンオンとする第1デッドタイム期間
    P2:第4メインスイッチをターンオフ、第3メインスイッチをターンオンとする第2デッドタイム期間
    P3:第3メインスイッチをターンオフ、第4メインスイッチをターンオンとする第3デッドタイム期間
    P4:第2メインスイッチをターンオフ、第1メインスイッチをターンオンとする第4デッドタイム期間
  2. ソフトスイッチング電流ia=0となるタイミングで初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41を検出して保持する第1サンプルホールド回路と、
    前記初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41の高周波成分を除去する第1ローパスフィルタと、
    前記補助スイッチがオフからオンするタイミングで負荷電流Io2,Io3,Io4を検出して保持する第2サンプルホールド回路と、
    前記高周波成分を除去した前記初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41と、前記負荷電流Io2,Io3,Io4に基づいて、前記(4)式〜前記(6)式により、前記補助スイッチがオンしてから第2〜第4メインスイッチがターンオンするまでの時間t2〜t4を演算する第1演算器と、
    ソフトスイッチング電流Ia=0となるタイミングで前記初期コンデンサ電圧Vc11を検出して保持する第3サンプルホールド回路と、
    前記初期コンデンサ電圧Vc11の高周波成分を除去する第2ローパスフィルタと、
    前記高周波成分を除去した前記初期コンデンサ電圧Vc11と、初期コンデンサ電圧の目標値との偏差を算出する減算器と、
    前記偏差に基づいて、PI制御を行うPIコントローラと、
    前記高周波成分を除去した前記初期コンデンサ電圧Vc11と、前記PIコントローラの出力と、を加算して前記初期コンデンサ電圧Vc11として出力する加算器と、
    前記補助スイッチがオフからオンするタイミングで負荷電流io1を検出する第4サンプルホールド回路と、
    前記加算器から出力された前記初期コンデンサ電圧Vc11と、前記負荷電流io1に基づいて、前記(3)式により、前記補助スイッチがオンしてから第1スイッチがターンオンするまでの時間t1を演算する第2演算器と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の単相インバータ。
  3. 前記負荷電流Io1〜Io4に補正値Δioを加算して前記負荷電流Io1〜Io4を補正することを特徴とする請求項2記載の単相インバータ。
  4. 直流電圧源に直列接続された第1,第2メインスイッチと、
    前記第1,第2メインスイッチに対して並列接続された第3,第4メインスイッチと、
    前記第3,第4メインスイッチの中性点と第1,第2メインスイッチの中性点との間に接続された第1補助スイッチおよび第2補助スイッチおよびリアクトルおよびコンデンサと、
    を備えた単相インバータであって、
    初期コンデンサ電圧Vc11,Vc21,Vc31,Vc41と負荷電流Io1,Io2,Io3,Io4,ソフトスイッチング電流iaを検出し、
    以下の(12)式〜(15)式に基づいて、前記第1補助スイッチまたは前記第2補助スイッチがオンしてから前記第1〜第4メインスイッチがターンオンするまでの時間t1〜t4を算出することを特徴とする単相インバータ。
    Figure 0006772740
    E:直流電圧源の電圧
    Za:インピーダンス
    Ta:共振時間
    Vc11,Vc21,Vc31,Vc41:ソフトスイッチング処理の第1〜第4デッドタイム期間P1〜P4の初期コンデンサ電圧
    Io1,Io2,Io3,Io4:第1〜第4デッドタイム期間P1〜P4の負荷電流
    P1:第1メインスイッチをターンオフ、第2メインスイッチをターンオンとする第1デッドタイム期間
    P2:第4メインスイッチをターンオフ、第3メインスイッチをターンオンとする第2デッドタイム期間
    P3:第3メインスイッチをターンオフ、第4メインスイッチをターンオンとする第3デッドタイム期間
    P4:第2メインスイッチをターンオフ、第1メインスイッチをターンオンとする第4デッドタイム期間
  5. 前記第1補助スイッチと前記第2補助スイッチは表2に示す動作1もしくは動作2のように、動作を行うことを特徴とする請求項4記載の単相インバータ。
    Figure 0006772740
  6. ソフトスイッチング電流ia=0となるタイミングで初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41を検出して保持する第1サンプルホールド回路と、
    前記初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41の高周波成分を除去する第1ローパスフィルタと、
    前記第1補助スイッチまたは第2補助スイッチがオフからオンするタイミングで負荷電流Io2,Io3,Io4を検出して保持する第2サンプルホールド回路と、
    前記高周波成分を除去した初期コンデンサ電圧Vc21,Vc31,Vc41と、前記負荷電流Io2,Io3,Io4に基づいて、前記(13)式〜(15)式により、第1補助スイッチまたは第2補助スイッチがオンしてから第2〜第4メインスイッチがオンするまでの時間t2〜t4を演算する第1演算器と、
    ソフトスイッチング電流Ia=0となるタイミングで初期コンデンサ電圧Vc11を検出して保持する第3サンプルホールド回路と、
    前記初期コンデンサ電圧Vc11の高周波成分を除去する第2ローパスフィルタと、
    前記高周波成分を除去した初期コンデンサ電圧Vc11と、初期コンデンサ電圧の目標値との偏差を算出する減算器と、
    前記偏差に基づいて、PI制御を行うPIコントローラと、
    前記高周波成分を除去した初期コンデンサ電圧Vc11と、前記PIコントローラの出力と、を加算して初期コンデンサ電圧Vc11として出力する加算器と、
    前記第1補助スイッチまたは前記第2補助スイッチがオフからオンするタイミングで負荷電流を検出する第4サンプルホールド回路と、
    前記加算器から出力された初期コンデンサ電圧Vc11と、前記負荷電流Io1に基づいて、前記(12)式により、第1補助スイッチまたは第2補助スイッチがオンしてから第1メインスイッチがオンするまでの時間t1を演算する第2演算器と、
    を備えたことを特徴とする請求項4記載の単相インバータ。
  7. 前記負荷電流Io1〜Io4に補正値Δioを加算して前記負荷電流Io1〜Io4を補正することを特徴とする請求項6記載の単相インバータ。
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