JP4698010B2 - エレクトロルミネッセンス表示装置及びその製造方法 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス表示装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、「TFT」と称する。)を備えたエレクトロルミネッセンス(Elecroluminescence、以下、「EL」と称する。)表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、EL表示装置は携帯可能な表示装置、例えば携帯用テレビ、携帯電話等が市場ニーズとして要求されており、それに応じて小型化、軽量化、省消費電力化の要求に対応すべく研究開発も盛んである。
【0003】
図2にEL表示装置の表示画素近傍の平面図を示し、図3の左側半分には図2中のA−A線に沿ったスイッチング用TFTの製造工程断面図を示し、図3の右側半分には図2中のB−B線に沿ったEL素子駆動用TFTの製造工程断面図を示す。
【0004】
図2に示すように、絶縁性基板10上に、ゲート信号を供給する複数のゲート信号線51と、ドレイン信号を供給する複数のドレイン信号線52とが互いに交差して配置されている。
【0005】
また、ドレイン信号線52と並行に有機EL素子90を駆動するための電流を供給する電源線が配置されており、またゲート信号線51と並行にドレイン信号線52から供給されたドレイン信号を1フィールド期間保持する保持容量SCの一方の電極である保持容量電極線54が配置されている。
【0006】
また、それらの両信号線51,52の交差部近傍には、スイッチング用TFT30、素子駆動用TFT40及び有機EL素子90が配置されている。
【0007】
スイッチング用TFT30においては、ゲート33はゲート信号線51に、ドレイン31dはドレイン信号線52に、ソース31sは保持容量SCの一方の電極55及び素子駆動用TFT40のゲート43に接続されており、素子駆動用TFT40においては、ゲート43はスイッチング用TFT30のソース31s及び保持容量SCの一方の電極55に、ドレイン41dは有機EL素子90を駆動するための電流を供給する電源線53に、ソース41sは有機EL素子90の陽極24に接続されている。
【0008】
図3に基づいて、従来のEL表示装置の製造方法について説明する。
【0009】
工程1(図3(a)):無アルカリガラス、石英ガラス等からなる絶縁性基板10上に、CVD法を用いてSiO2膜11及びSiN膜12を順に形成する。そのSiN膜12の上に、非晶質シリコン膜13をCVD法を用いて形成する。
【0010】
工程2(図3(b)):XeCl(波長308nm)等の線状のエキシマレーザ光15を約30μmピッチで、基板10の一方の辺から他方の辺に向かって走査させて基板全面に照射する。そうして、非晶質シリコン膜13を多結晶化する。
【0011】
工程3(図1(c)):多結晶シリコン膜50を各TFTの能動層となるようにエッチングして島化する。なお、スイッチング用TFT30の多結晶シリコン膜50は保持容量SCを形成するための電極55となるため、保持容量電極線54と重畳する領域にまで延在させて残しておく。
【0012】
島化した多結晶シリコン膜50を覆うように、SiO2膜をCVD法にて形成してゲート絶縁膜18を形成する。その上に、Cr、Ti等の高融点金属からなりゲート信号線51の一部を成すゲート電極33,43を形成する。
【0013】
このゲート電極33,43をマスクとして、スイッチング用TFT30の能動層にはP(リン)等の不純物イオンを注入し、EL素子駆動用TFT40の能動層にはB(ボロン)等の不純物を注入して、スイッチング用TFT30をnチャネル型TFTに、EL素子駆動用TFT40をpチャネル型TFTにする。
【0014】
イオン注入の後、ゲート電極33,43を覆うように、層間絶縁膜20を形成する。この層間絶縁膜20は、SiO2膜、SiN膜及びSiO2膜の3層からなっている。
【0015】
工程4(図1(d)):各TFT30,40において、層間絶縁膜20のドレイン33d,43dに対応した位置、及びソース33s,43sに対応した位置に設けたコンタクトホールを形成し、Al等の金属を充填したドレイン信号線52を兼ねたドレイン電極21及びソース電極22が設けられる。更にソース電極22、ドレイン電極21、ドレイン信号線52及び層間絶縁膜20上の全面に有機樹脂から成り表面を平坦にする平坦化絶縁膜23が形成されている。
【0016】
そして、EL素子駆動用TFT40においては、平坦化絶縁膜23のソース電極22に対応した位置にコンタクトホールを形成し、このコンタクトホールを介してソース43sとコンタクトしたITO(Indium Tin Oxide)から成る透明電極、即ち有機EL素子の陽極24を平坦化絶縁膜23上に設けている。
【0017】
工程5(図1(e)):有機EL素子90は、ITO等の透明電極から成る陽極24、MTDATA(4,4’,4’’- tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine)などから成る第1ホール輸送層26、及びTPD(N,N’-diphenyl-N,N’-di(3-methylphenyl)-1,1’-biphenyl-4,4’-diamine)などからなる第2ホール輸送層27、キナクリドン(Quinacridone)誘導体を含むBebq2(10-ベンゾ〔h〕キノリノール−ベリリウム錯体)などから成る発光層28、及びBebq2などから成る電子輸送層29、マグネシウム・インジウム合金などから成る陰極30がこの順番で積層形成された構造である。この有機EL素子90によって表示画素を成している。なお、陽極24の周辺には感光性樹脂、SiO2膜等からなる絶縁膜25を形成する。
【0018】
有機EL素子90は、陽極24上方の層に設けた陰極30との間に有機材料から発光層が形成されており、供給された電流に応じてその発光層が発光する。
【0019】
スイッチング用TFT30を介して供給されたドレイン信号が素子駆動用TFT40のゲートに供給され、それに応じた電流が電源線53から素子駆動用TFT40を介して有機EL素子90に供給される。その供給された電流が陽極24に供給され、その電流に応じて発光層の発光材料が発光して有機EL素子90が発光して表示を得ることができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のように、スイッチング用TFT30とEL素子駆動用TFT40の各能動層はいずれもSiN膜12上に形成した非晶質シリコン膜13にレーザ光を照射して多結晶化したものである。このときレーザ光は約30μmのピッチで走査させて基板全面に照射するため、このレーザ光の照射エネルギーがばらついていると、照射された非晶質シリコン膜の粒径、及びそれによる移動度のばらつきが生じ、特性の異なるTFTが形成されることになる。そうすると、特にEL素子駆動用TFTにおいては、スイッチング用TFTを介して供給されるドレイン信号に応じた電流をEL素子に供給することから、閾値、電流特性がばらつくとドレイン信号に応じた電流をEL素子に供給することができなくなり、良好な表示を得ることができるEL表示装置を提供することができないという欠点があった。
【0021】
そこで本発明は、上記の従来の欠点に鑑みて為されたものであり、高速スッチング性を有する半導体素子と、特性の均一な半導体素子とを備えたEL表示装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明のEL表示装置の製造方法は、絶縁性基板上に、互いに交差したゲート信号線及びドレイン信号線に接続された第1半導体素子、及び該第1半導体素子を介して前記ドレイン信号線のドレイン信号に応じてEL素子に電流を供給する第2半導体素子を備えたEL表示装置の製造方法において、前記絶縁性基板の一主面上に、前記第1及び第2半導体素子の能動層である非晶質半導体膜を形成する工程と、該半導体膜のうち前記第2半導体素子の能動層を覆うように遮光膜を形成した後に、前記絶縁性基板の一主面側にレーザ光を照射して前記第1半導体素子の能動層の非晶質半導体膜を多結晶化する工程と、を備えたものである。
【0023】
第1半導体素子であるスイッチング用TFTは、ゲート信号線のゲート信号に応じてオンしてドレイン信号線のドレイン信号を、第2半導体素子であるEL素子駆動用TFTに供給するものであり、そのEL素子駆動用TFTのゲートに印加された電圧に応じた電流が電源線からEL素子駆動用TFTを介してEL素子に供給されるが、このとき各EL素子に対応して設けられたEL素子駆動用TFTの特性がばらついていると、供給された電圧に応じた電流をEL素子に供給することができないことから良好な表示を得ることができなくなってしまうが、スイッチング用TFTの能動層をレーザ光を照射して多結晶化する際には、遮光膜をEL素子駆動用TFTの能動層上に設けているため、レーザ光が反射されて非晶質半導体層に熱が到達しないことから、スイッチング用TFTの非晶質半導体膜は多結晶化されるがEL素子駆動用TFTの非晶質半導体膜は多結晶化されない。そのため、レーザ光エネルギーのばらつきによる多結晶化の度合いがばらついてしまうことがEL素子駆動用TFTにおいては発生しないことから、均一な特性のTFTを得ることができ、良好な表示を提供することができる。
【0024】
また、上述のEL表示装置の製造方法は、前記第1半導体素子の能動層の非晶質半導体膜を多結晶化する工程の後に、前記遮光膜を除去した後加熱処理を施して前記第2半導体素子の能動層の非晶質半導体膜を多結晶化したものである。
【0025】
それによって、更に第2半導体素子であるEL素子駆動用TFTの能動層の非晶質半導体層をレーザ光を照射することなく加熱処理によって多結晶化するのでレーザ光エネルギーのばらつきによる多結晶化の度合いがばらつくことがなく、均一な結晶化が可能となり、それによってEL素子に供給する電流も所定の電流値が供給できることになり、良好な表示を提供することができる。
【0026】
また、上述のEL表示装置の製造方法は、前記第1及び第2の半導体素子は、薄膜トランジスタであるEL表示装置の製造方法である。
【0027】
これによって、スイッチング用TFTにおいては高速のスイッチングが可能となり、また、EL素子駆動用TFTにおいてはスイッチング用TFT及び表示画素周辺にありスイッチング用TFTに信号を供給する周辺駆動回路(周辺ドライバ)とともに同一基板上に一体的に形成することが可能である。
【0028】
更にまた、上述のEL表示装置の製造方法は、前記遮光膜は、金属膜、又は金属膜と保護膜との積層膜であるEL表示装置の製造方法である。
【0029】
これによって、特段困難な工程を用いることなく、スパッタ法、CVD法等によって容易に形成でき、かつ容易に除去することができる。
【0030】
なお、金属膜としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)等を用いることが可能であり、また保護膜としてはSiO2膜、SiN膜を用いることができる。
【0031】
更にまた、本発明のEL表示装置は、絶縁性基板上に、互いに交差した複数のゲート信号線及び複数のドレイン信号線に接続された第1半導体素子、及び該第1半導体素子を介して前記ドレイン信号線のドレイン信号に応じてEL素子に電流を供給する第2半導体素子を備えたEL表示装置において、前記第1半導体素子は、非晶質半導体膜レーザ光を照射して多結晶化した第1の多結晶半導体膜を有し、前記第2半導体素子は、非晶質半導体膜加熱処理によって多結晶化した第2の多結晶半導体膜を有し、前記第2の多結晶半導体膜は、前記第1の多結晶半導体膜より結晶状態が均一なEL表示装置である。
【0032】
これによって、高速性を要求されるスイッチング用TFTの非晶質半導体膜はレーザ光を照射して多結晶化し、特性の均一性を要求されるEL素子駆動用TFTの非晶質半導体膜はレーザ光を照射することなく加熱処理によって多結晶化することにより、知れらの各要求を満足させることが可能となる。
【0033】
また、上述のEL表示装置は、前記第1及び第2の半導体素子は、薄膜トランジスタである表示装置である。
【0034】
それによって、表示画素中のスイッチング用TFTに各信号を供給する周辺駆動回路と一体的に同一の基板上にスイッチング用TFT及びEL素子駆動用TFTを備えたEL表示装置を得ることができるとともに、高速スイッチングが可能なスイッチング用TFTを得ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明のEL表示装置について以下に説明する。
【0036】
図1に本発明のEL表示装置を有機EL表示装置に応用した場合の製造工程図を示し、図2に有機EL表示装置の表示画素近傍の平面図を示す。
【0037】
図1に示すように、ゲート信号を供給する複数のゲート信号線51が行方向(水平方向)に配置されており、ドレイン信号を供給する複数のドレイン信号線52が列方向(垂直方向)に配置されている。また、ドレイン信号線52と並行に、有機EL素子90に電流を供給する駆動電源線53が配置されている。
【0038】
これらの各信号線に囲まれる表示画素領域に、スイッチング用TFT30、有機EL素子90に電流を供給する素子駆動用TFT40及び有機EL素子90が形成されている。即ち、スイッチング素子30においては、ゲート33がゲート信号線51に、ドレイン33dがドレイン信号線52に、ソース33sがEL素子駆動用TFT40のゲート43に接続されており、EL素子駆動用TFT40においては、ゲート43がスイッチング用TFT30のソース31sに、ドレイン41dが駆動電源線53に、ソース41sが有機EL素子90の陽極24に接続されている。
【0039】
また、各表示画素領域をゲート信号線51と並行に保持容量信号線54が配置されており、この信号線54と、スイッチング用TFT30の能動層であるp−Si膜を延在させてなる電極との間で保持容量を成し、各表示画素において形成されている。この保持容量は、スイッチング用TFT30がオンしたときに供給されるドレイン信号を1フィールド期間保持し、順次素子駆動用TFT40に供給するためのものである。
【0040】
図1に基づいて、本発明のEL表示装置の製造方法について説明する。
【0041】
なお、図1において、左側は図2中のA−A線に沿ったスイッチング用TFTの製造工程断面図を示し、右側は図2中のB−B線に沿ったEL素子駆動用TFTの製造工程断面図を示す。
工程1(図1(a)):無アルカリガラス、石英ガラス等からなる絶縁性基板10上に、CVD法を用いてSiO2膜11及びSiN膜12を順に形成する。そのSiN膜12の上に、非晶質シリコン膜13をCVD法を用いて形成する。
その後、その非晶質シリコン膜13の上に、CVD法を用いて保護膜80であるSiO2膜を1000Å形成する。また遮光膜81としてAl、Ti、Cr等の金属膜をスパッタ法、CVD法などを用いて1000Å形成する
工程2(図1(b)):非晶質シリコン膜13上に形成した遮光膜81と保護膜80の積層膜82のうち、素子駆動用TFT40の能動層41となる領域上の積層膜82を残して他の領域の積層膜82を除去する。このとき、EL素子駆動用TFT40の能動層41領域にレジスト膜を形成してマスクとしてエッチングし、その後レジスト膜を除去して、EL素子駆動用TFT40の能動層17上に積層膜82を残すようにする。
【0042】
遮光膜81の下層に保護膜80を設けることにより、金属からなる遮光膜81の成分が非晶質シリコン膜に侵入することを防止できるので、TFTの特性向上が図れることから、保護膜80及び遮光膜81の2層構造とすることが好ましい。
【0043】
その後、XeCl(波長308nm)等の線状のエキシマレーザ15を基板10の一方の辺から他方の辺に向かって約30μmピッチで走査させて基板全面に照射する。そうして、スイッチング用TFT30の能動層である非晶質シリコン膜13を多結晶化する。このとき、EL素子駆動用TFT40の能動層13には、照射されるレーザ光が上層に設けた遮光膜81によって反射されて届かないため多結晶化はされない。
【0044】
工程3(図1(c)):EL素子駆動用TFT40に残した遮光膜81を除去して、スイッチング用TFT30の能動層の多結晶シリコン16と、素子駆動用TFT40の能動層の非晶質シリコン膜13とを各TFTの能動層31,41となるようにエッチングして島化する。なお、スイッチング用TFT30の多結晶シリコン膜31は保持容量SCを形成するための電極55となるため、保持容量電極線54と重畳する領域にまで延在させて残しておく。
【0045】
島化した非晶質シリコン膜13及び多結晶シリコン膜31を覆うように、SiO2膜をCVD法にて形成してゲート絶縁膜18を形成する。その上に、Cr、Ti等の高融点金属からなりゲート信号線51の一部を成すゲート電極33,43を形成する。
【0046】
このゲート電極33,43をマスクとして、スイッチング用TFT30の能動層31にはP(リン)等の不純物イオンを注入し、素子駆動用TFT40の能動層41にはB(ボロン)等の不純物を注入して、スイッチング用TFT30をnチャネル型TFTに、素子駆動用TFT40をpチャネル型TFTにする。なお、スイッチング用TFT30はソース領域31sとチャネル領域31c、及びドレイン領域31dとチャネル領域31cとの間に低濃度不純物領域を有するいわゆるLDD構造を有していても良い。
【0047】
こうして、イオン注した後に、不純物の活性化のために加熱処理をする。この加熱処理は550℃で2時間施す。この加熱処理により、非晶質シリコン膜13であるEL素子駆動用TFT40の能動層が多結晶化されて多結晶シリコン膜41になる。
【0048】
このように、EL素子駆動用TFT40の能動層については、レーザ光照射による多結晶化を行うことなく、加熱処理によって多結晶化を行う。そうすることにより、レーザ光照射時に発生するレーザ光エネルギーのばらつきによる各TFTの特性の不均一が生じない。そのため、特に電子移動度が高いことによって高移動度を実現するよりも、特性の均一性を要求されるEL素子駆動用TFTにおいては極めて効果的な多結晶化の方法である。
【0049】
イオン注入の後、ゲート電極33,43を覆うように、層間絶縁膜20を形成する。この層間絶縁膜20は、SiO2膜、SiN膜及びSiO2膜の3層からなっている。
【0050】
工程4(図1(d)):各TFT30,40において、層間絶縁膜20のドレイン31d,41dに対応した位置、及びソース31s,41sに対応した位置に設けたコンタクトホールを形成し、Al等の金属を充填したドレイン信号線52を兼ねたドレイン電極21及びソース電極22が設けられる。更にドレイン電極21、ソース電極22、ドレイン信号線52及び層間絶縁膜20上の全面に有機樹脂から成り表面を平坦にする平坦化絶縁膜23が形成されている。
【0051】
そして、EL素子駆動用TFT40においては、平坦化絶縁膜23のソース電極21に対応した位置にコンタクトホールを形成し、このコンタクトホールを介してソース41sとコンタクトしたITOから成る透明電極、即ち有機EL素子の陽極24を平坦化絶縁膜23上に設けている。
【0052】
工程5(図1(e)):有機EL素子90は、ITO等の透明電極から成る陽極24、MTDATA(4,4’,4’’-tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine)などから成る第1ホール輸送層26、及びTPD(N,N’-diphenyl-N,N’-di(3-methylphenyl)-1,1’-biphenyl-4,4’-diamine)などからなる第2ホール輸送層27、キナクリドン(Quinacridone)誘導体を含むBebq2(10-ベンゾ〔h〕キノリノール−ベリリウム錯体)などから成る発光層28、及びBebq2などから成る電子輸送層29、マグネシウム・インジウム合金などから成る陰極30がこの順番で積層形成された構造である。この有機EL素子90によって表示画素を成している。なお、陽極24の周辺には感光性樹脂、SiO2膜等からなる絶縁膜25を形成する。即ち、陽極24の中央部に開口部を有するように絶縁膜25を全面に形成する。この絶縁膜25は、陽極24の厚みによる段差部の角と陰極30とが接触することによる短絡を防止するために設けている。
【0053】
また有機EL素子は、陽極から注入されたホールと、陰極から注入された電子とが発光層の内部で再結合し、発光層を形成する有機分子を励起して励起子が生じる。この励起子が放射失活する過程で発光層から光が放たれ、この光が透明な陽極から透明絶縁基板を介して外部へ放出されて発光する。
【0054】
なお、上述の実施の形態においては、加熱処理をイオン注入した後に施したが、本発明はそれに限定されるものではなく、層間絶縁膜を形成した後に、層間絶縁膜のうちSiN膜中の水素を加熱処理によって能動層中に導入する際に同時に行っても良い。
【0055】
また、保護膜80と遮光膜81とを積層した積層膜82をEL素子駆動用TFT40の形成領域に残した場合を示したが、遮光膜81のみを形成してもレーザ光を反射することができることから、遮光膜81のみの形成でも良い。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、高速スッチング性を有する半導体素子と、特性の均一な半導体素子とを備えたEL表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL表示装置の製造工程断面図である。
【図2】本発明のEL表示装置の表示画素近傍の平面図である。
【図3】従来のEL表示装置の製造工程断面図である。
【符号の説明】
10 絶縁性基板
19 ゲート
31s、41s ソース
31d、41d ドレイン
14 遮光膜
31 スイッチング用TFTの半導体膜
41 EL素子駆動用TFTの半導体膜
30 スイッチング用TFT
40 EL素子駆動用TFT
51 ゲート信号線
52 ドレイン信号線
24 陽極
60 陰極

Claims (7)

  1. 絶縁性基板上に、互いに交差したゲート信号線及びドレイン信号線に接続された第1半導体素子、及び該第1半導体素子を介して前記ドレイン信号線のドレイン信号に応じてエレクトロルミネッセンス素子に電流を供給する第2半導体素子を備えたエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法において、
    前記絶縁性基板の一主面上に、前記第1及び第2半導体素子の能動層である非晶質半導体膜を形成する工程と、該半導体膜のうち前記第2半導体素子の能動層を覆うように遮光膜を形成した後に、前記絶縁性基板の一主面側にレーザ光を照射して前記第1半導体素子の能動層の非晶質半導体膜を多結晶化する工程と、を備えたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  2. 前記第1半導体素子の能動層の非晶質半導体膜を多結晶化する工程の後に、前記遮光膜を除去した後加熱処理を施して前記第2半導体素子の能動層の非晶質半導体膜を多結晶化することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  3. 前記第1及び第2の半導体素子は、薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  4. 前記遮光膜は、金属膜であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  5. 前記遮光膜と前記非晶質半導体膜との間に保護膜を形成することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  6. 絶縁性基板上に、互いに交差した複数のゲート信号線及び複数のドレイン信号線に接続された第1半導体素子、及び該第1半導体素子を介して前記ドレイン信号線のドレイン信号に応じてエレクトロルミネッセンス素子に電流を供給する第2半導体素子を備えたエレクトロルミネッセンス表示装置において、
    前記第1半導体素子は、非晶質半導体膜レーザ光を照射して多結晶化した第1の多結晶半導体膜を有し
    前記第2半導体素子は、非晶質半導体膜加熱処理によって多結晶化した第2の多結晶半導体膜を有し、
    前記第2の多結晶半導体膜は、前記第1の多結晶半導体膜より結晶状態が均一であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置。
  7. 前記第1及び第2の半導体素子は、薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項6に記載のエレクトロルミネッセンス表示装置。
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