JP4697274B2 - 車載機器駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車載機器駆動装置に関するものである。
従来、一般の車載エンジンでは、伝動ベルトを介して、ウォータポンプやエアコン用コンプレッサ、オルタネータ等の各種車載機器をエンジン出力軸に駆動連結し、エンジンの動力を用いてそれら各種車載機器を駆動させるようにしている。
一方、信号待ちのような一時的な車両停止時にエンジンを一時停止する、いわゆるアイドル・ストップを自動的に実行する車両では、アイドル・ストップの実行中は、エンジン出力による車載機器駆動が行えなくなってしまう。そこで、例えば特許文献1にみられるように、車載機器駆動用のモータ(電動機)を設けることで、エンジンの停止中も車載機器駆動を継続可能とする車載機器駆動系を備える車両が提案されている。
こうした車両では、車載機器駆動用のモータ、車載機器及びエンジン出力軸を、伝動ベルトによって互いに駆動連結するようにしている。エンジン出力軸と伝動ベルトとの間にはクラッチが介設されており、モータ及び車載機器に対するエンジン出力軸の接続を断接可能に構成されている。そしてエンジン停止中にはクラッチを解除してモータ出力によって車載機器を駆動し、エンジン動作中にはクラッチを接続してエンジン出力によって車載機器を駆動するようにしている。
特開平11−147424号公報
ところで、こうした車両では、クラッチの焼き付きや異物混入等に起因する接続/接続の解除動作の不良、或いは伝動ベルトの弛みや切断等の異常が発生した場合、上記のようなエンジンの自動停止に応じた車載機器の駆動を適切に為し得なくなってしまう。
なお、上記のような構成の車載機器駆動系では、クラッチの接続中は、車載機器駆動用モータ及びエンジン出力軸のいずれか一方によって他方が従動された状態となっている。そこで、モータ及びエンジン出力軸の回転速度を検出するセンサをそれぞれ設け、それらの検出する両回転速度に不整合が生じたことから車載機器駆動系の異常を検知することはできる。しかしながら、その場合であれ、異常の箇所を特定することはできず、またセンサの異常と車載機器駆動系の異常との判別もそれだけでは十分に行うことはできない。このため、発生した異常に対応して必ずしも十分なフェールセーフ制御等の異常時制御を実施し得ないことがあった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、異常の発生をより的確に検知し、その発生した異常に応じた適切な異常時制御を行うことのできる車載機器駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を以下に記載する。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、電動機と車載機器とを互いに駆動連結する伝動機構と、その伝動機構に対するエンジン出力軸の接続を断接するクラッチとを備える車載機器駆動系を備える車載機器駆動装置であって、前記エンジン出力軸の回転速度を検出する第1検出手段と、前記電動機の回転速度を検出する第2検出手段と、前記車載機器のいずれか1つの作動の有無を検出する第3検出手段を備えるとともに、条件(い)前記クラッチによる前記伝動機構と前記エンジン出力軸との接続の指令がなされていること、条件(ろ)前記電動機が駆動されていること、条件(は)前記第1及び第2検出手段の検出結果が、前記エンジン出力軸の回転速度が前記電動機の回転速度に応じた回転速度に達していないことを示していること、条件(に)前記第3検出手段の検出結果に基づき、前記車載機器の作動有りが確認されていること、の各条件について、上記条件(い)〜(に)の全ての成立をもって前記クラッチの異常有りと判定して、判定された異常に応じた異常時制御を実施する異常時制御手段を更に備えるようにしたものである。
上記構成において、上記条件(い)及び条件(ろ)の成立時には、車載機器には伝動機構を通じて、またエンジン出力軸には伝動機構とクラッチとを通じて、電動機からの動力がそれぞれ伝達されるようになる。このとき、電動機に従動して駆動されるエンジン出力軸の回転速度がその電動機の回転速度に比して不相応に低ければ、すなわち条件(は)が成立すれば、伝動機構及びクラッチを通じた動力伝達経路に異常有りと判定することができる。
このとき更に、車載機器の作動有りが確認されれば、すなわち条件(に)が成立すれば、電動機から車載機器への動力伝達を担う伝動機構は正常動作されており、したがってクラッチの異常有りと判定することができる。したがって、クラッチの異常を的確に判別し、その異常に応じた異常時制御を実施できる。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、電動機と車載機器とを互いに駆動連結する伝動機構と、その伝動機構に対するエンジン出力軸の接続を断接するクラッチとを備える車載機器駆動系を備える車載機器駆動装置であって、前記エンジン出力軸の回転速度を検出する第1検出手段と、前記電動機の回転速度を検出する第2検出手段と、前記車載機器のいずれか1つの作動の有無を検出する第3検出手段を備えるとともに、条件(い)前記クラッチによる前記伝動機構と前記エンジン出力軸との接続の指令がなされていること、条件(ろ)前記電動機が駆動されていること、条件(は)前記第1及び第2検出手段の検出結果が、前記エンジン出力軸の回転速度が前記電動機の回転速度に応じた回転速度に達していないことを示していること、条件(に)前記第3検出手段の検出結果に基づき、前記車載機器の作動有りが確認されていること、の各条件について、上記条件(い)〜(は)が共に成立し、且つ条件(に)が不成立であることをもって前記伝動機構の異常有りと判定して、判定された異常に応じた異常時制御を実施する異常時制御手段を更に備えるようにしたものである。
上記構成において、上記条件(い)及び条件(ろ)の成立時には、車載機器には伝動機構を通じて、またエンジン出力軸には伝動機構とクラッチとを通じて、電動機からの動力がそれぞれ伝達されるようになる。このとき、電動機に従動して駆動されるエンジン出力軸の回転速度がその電動機の回転速度に比して不相応に低ければ、すなわち条件(は)が成立すれば、伝動機構及びクラッチを通じた動力伝達経路に異常有りと判定することができる。
このとき更に、車載機器の作動無しが確認されれば、すなわち条件(に)が不成立であれば、電動機から車載機器への動力伝達を担う伝動機構の異常有りと判定することができる。したがって、伝動機構の異常を的確に判別し、その異常に応じた異常時制御を実施できる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態の適用される車両の駆動系及びその制御系の構成を併せ示している。同図に示すように、エンジン(ENG)10は自動変速機(A/T)11に連結されており、その自動変速機11を通じて図示しない駆動輪へと動力を伝達するようになっている。またエンジン10は、スタータモータ12とも連結されている。
エンジン10の周囲には、エアコンディショナ(A/C)用のコンプレッサ13、パワーステアリング(P/S)ポンプ14及びウォータポンプ(W/P)15等の車載機器と、モータ/ジェネレータ(M/G)16とが配置されている。
コンプレッサ13は、その作動に応じ、車室空調用の冷媒の加圧圧縮を行っている。P/Sポンプ14は、その作動に応じ、パワーステアリング機構の作動のための油圧を発生する。ウォータポンプ15は、その作動に応じ、エンジン10等の冷却に係る冷却水を循環させている。
一方、M/G16は、インバータ17を介してバッテリ18に電気接続されており、バッテリ18からの電力供給に応じて動力を発生し、上記各車載機器13〜15を駆動する電動機(モータ)として機能する。またM/G16は、エンジン10からの動力供給を受けて発電を行う発電機としても機能する。こうしたM/G16の機能の切替えは、インバータ17の制御を通じて行われている。
エンジン10の出力軸であるクランクシャフト10a、各車載機器13〜15の回転軸及びM/G16の回転軸にはそれぞれプーリ19〜23が装着されている。各プーリ19〜23は、それらに架け渡された伝動ベルト24を通じて互いに駆動連結されている。
クランクシャフト10aとプーリ19との間には、電磁式のクラッチ25が設けられ、同クラッチ25への通電の制御に応じてクランクシャフト10aとプーリ19との係合/係合解除が切り替えられる。そしてこれにより、クランクシャフト10aと伝動ベルト24との間での動力伝達の接続及び遮断が切り替えられている。
なお、A/C用のコンプレッサ13とプーリ20との間にも、電磁式のクラッチ20aが設けられ、同様にそのクラッチ20aへの通電制御に応じてコンプレッサ13と伝動ベルト24との間での動力伝達の接続及び遮断が切り替えられるようになっている。
続いて、同図1を参照して、この車両の制御システムの構成を説明する。同図に示すように、この車両の制御システムは、電子制御装置(ECU)26を中心として構成されている。このECU26は、エンジン10の運転制御、自動変速機11等の車両駆動系の制御、車室内のエアコンディショナの制御、及び車載機器駆動系の制御等を格別に司る複数の制御ユニットによって構成されている。
ECU26は、エンジン10の回転速度を検出するNEセンサ27、M/G16の回転速度を検出する回転センサ28、P/Sポンプ14の発生油圧を検出する油圧センサ29、アクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み量を各検出するアクセルセンサ30及びブレーキセンサ31、及び車速を検出する車速センサ32を始めとして、エンジン10や車両の状態を検出する各種センサ類の検出信号が入力されるようになっている。
ECU26は、そうした各種センサ類の検出結果に基づいてエンジン10の運転制御や自動変速機11の制御等、車両の走行状態全般に係る各種制御を行っている。更にECU26は、スタータモータ12、クラッチ25、クラッチ20a、及びインバータ17と信号線を通じて接続されており、それらの制御を行っている。これにより、スタータモータ12の駆動制御や、A/C用コンプレッサ13の作動に係る電磁クラッチ20aの制御も行っている。そしてECU26は、インバータ17の駆動制御を通じたM/G16の発電量、出力、或いはその回転速度の制御を行うとともに、クラッチ25の制御を併せ行うことで、アイドル・ストップでのエンジン10の自動停止・自動再始動に係る車載機器駆動系の制御を行っている。
ここで以上説明したように構成された本実施形態でのエンジン10の自動停止・自動再始動に係る車載機器駆動系の制御について説明する。
<エンジン作動中>
エンジン10の作動中には、クラッチ25が接続され、クランクシャフト10aとプーリ19とを係合してエンジン10の動力を伝動ベルト24に付与している。このため、エンジン10の作動中は、エンジン10の出力によって各車載機器13〜15が駆動されている。このときM/G16は、エンジン10によって駆動され、発電を行う。
<エンジン自動停止時>
車両が一時停止された状態にあると判断されたときには、ECU26は、クラッチ25の接続を解除してクランクシャフト10aと伝動ベルト24との接続を遮断した後、エンジン10を停止する。なお、ここでの車両一時停止の判断は、上記アクセルセンサ30、ブレーキセンサ31、及び車速センサ32等の検出結果をもとに行われ、例えば、アクセルペダルの踏み込み量が「0」、且つブレーキペダルの踏み込み有り、且つ車速「0」を条件として車両が一時停止状態にあると判断するようにしている。
<エンジン停止中>
クラッチ25の接続が解除され、エンジン10が停止されると、ECU26は、M/G16を電動機として駆動し、そのM/G16の出力によって各車載機器13〜15を駆動する。これにより、エンジン10の停止中も、各車載機器13〜15の作動が維持される。
<エンジン再始動時>
例えば、エンジン10の停止中にDレンジでブレーキペダルが開放されると、まずECU26はクラッチ25を接続し、M/G16の出力によってクランクシャフト10aを回転させる。このときM/G16の動力は、そのクランクシャフト10aから自動変速機11等を通じて駆動輪に伝達され、車両の走行が開始される。そしてエンジン10の回転速度が所定の回転速度となった時点で、ファイアリングを開始してエンジン10を再始動させる。すなわち本実施形態では、アイドル・ストップからのエンジン10の再始動時には、M/G16がスタータモータとしての役割を果たすこととなる。その後、エンジン10が安定して自立運転されるようになると、M/G16の駆動を停止し、エンジン10の動力によってM/G16に発電を行わせている。そしてこれにより、車載機器13〜15の駆動源がM/G16からエンジン10に切り替えられる。
なお、最初の(イグニッションスイッチがオンされた時の)エンジン始動は、上記スタータモータ12によって行われる。これは、次の理由による。すなわちスタータモータ12は、ギアを介してクランクシャフト10aに連結されており、伝動ベルト24のすべり等のおそれのない分、より確実に動力をエンジン10に伝達できる。このため、回転抵抗が大きくクランクシャフト10aの回転負荷がより高くなる最初のエンジン始動時にはスタータモータ12を用いることで、より確実にエンジン10を始動させている。なお、こうした最初のエンジン始動は、クラッチ25の接続を解除した状態で行うことで、スタータモータ12の回転負荷を低減するようにしている。
更にECU26は、エンジン10の作動/停止に応じて駆動源を切り替えて車載機器13〜15を駆動しつつ、車載機器駆動系の異常検出を行っている。そして異常検出されたときには、フェールセーフのための異常時制御を行っている。
以下にこうした異常検出及びフェールセーフに係る制御について説明する。
まず、本実施形態での異常検出の原理を、図2及び図3を併せ参照して説明する。
上記の車載機器駆動系では、クラッチ25を接続すると、クランクシャフト10aとM/G16の回転軸とが伝動ベルト24等を介して連結される。このときのエンジン10とM/G16とは連動して回転することとなり、それらの回転速度の比は、クランクシャフト10a及びM/G16の回転軸に各装着されたプーリ19とプーリ23とのプーリ比に従ったほぼ一定の値となる。そこで、NEセンサ27及び回転センサ28の検出結果の対比に基づき、エンジン10及びM/G16の回転速度の不整合から異常の発生を検出することができる。
そして、エンジン作動中のように、クラッチ25が接続された状態でエンジン10による車載機器駆動が行われる時には、図2に示すような態様で異常判定を行うことができる。
エンジン10による車載機器駆動中に、NEセンサ27の検出したエンジン10の回転速度に比して、回転センサ28の検出したM/G16の回転速度が不相応に低いときには(図2のステップ10:YES)、クラッチ25及び伝動ベルト24等の車載機器駆動系を通じたクランクシャフト10aからM/G16への動力伝達に異常が発生した疑いがある。ただしこうした状況は、回転センサ28に異常が発生した場合にも生じ得る。これら異常の判別は、車載機器13〜15の作動の有無を確認することで行うことができる。
すなわち、このときに車載機器13〜15が作動していていることが確認されれば(ステップ20:YES)、実際にはクランクシャフト10aから車載機器13〜15に十分な動力伝達が行われていること(伝動ベルト24が駆動されていること)が解る。したがってこのときには、実際には伝動ベルト24を通じてM/G16が駆動されているはずであり、回転センサ28が誤った検出結果を出力していると、すなわち回転センサ28の異常有りと判定することができる(ステップ30)。
一方、このときに車載機器13〜15が作動していないことが確認されれば(ステップ20:NO)、実際に伝動ベルト24が駆動されていないことが解る。
したがってこのときには、伝動ベルト24及びクラッチ25等の車載機器駆動系に異常が発生したものと判定することができる。
なお、車載機器駆動系の異常としては、伝動ベルト24の切断やクラッチ25の接続動作の不良等が考えられる。そこで車載機器駆動系の異常有りと判定されたときには、次の処理によって、異常箇所を更に特定するようにしている。
すなわち、車載機器駆動系の異常有りの判定後、クラッチ25の接続の解除を指令し、M/G16を回転させる(ステップ40)。ここで伝動ベルト24に異常がなく、M/G16の回転によって伝動ベルト24が駆動されれば、各車載機器13〜15は作動される。したがって、M/G16の回転後にも車載機器13〜15が作動していないことが確認されれば(ステップ50:NO)、伝動ベルト24に切断等の異常が発生したと判定することができる(ステップ60)。
一方、M/G16の回転後に車載機器13〜15の作動有りが確認されれば(ステップ50:YES)、伝動ベルト24を介した車載機器13〜15及びM/G16の間での動力伝達には異常が無いことが解る。したがってこのときには、上記エンジン10及びM/G16の回転速度の不整合がクラッチ25の接続動作の不良に起因するものと判断され、クラッチ25の異常有りと判定することができる(ステップ70)。
更に、クラッチ25が接続された状態でM/G16による車載機器13〜15及びクランクシャフト10aの駆動が行われる時には、図3に示すような態様で異常判定を行うことができる。
M/G16によって車載機器13〜15及びクランクシャフト10aが駆動されているときに、回転センサ28の検出したM/G16の回転速度に比して、NEセンサ27の検出したエンジン10の回転速度が不相応に低いときには(図3のステップ100:YES)、M/G16からクランクシャフト10aへの動力伝達に異常が発生した疑いがある。このときには、M/G16の回転速度が検出されていることから回転センサ28には異常が無いことが確かめられており、したがってNEセンサ27に異常が無いことが確認されていれば、車載機器駆動系に異常が発生したものと判定できる。
そして更に、車載機器13〜15の作動の有無を確認することで、異常の箇所を特定することができる。すなわち、この状態で車載機器13〜15の作動有りが確認されれば(ステップ110:YES)、伝動ベルト24を通じたM/G16と車載機器13〜15との動力伝達は正常に維持されており、したがってクラッチ25の異常有りと判定できる(ステップ120)。一方、車載機器13〜15の作動が確認されなければ(ステップ110:NO)、伝動ベルト24の異常有りと判定できる(ステップ130)。
以上のようにして、エンジン10とM/G16との回転速度の不整合をもたらす異常の箇所を的確に特定することができる。そして本実施形態では、具体的には次のようにして異常検出及びフェールセーフに係る制御を行っている。以下に、異常の検出条件及び検出した異常に対するフェールセーフ制御を、異常の種別毎に記載する。
<1>車載機器駆動系の異常
ECU26は、以下の条件(a1)〜(a5)が共に成立した状態が所定時間以上継続されたとき、車載機器駆動系の異常有りと判定する。
(a1)NEセンサ27の正常動作が確認されている。
(a2)クラッチ25に接続指令が出されている。
(a3)NEセンサ27の検出するエンジン10の回転速度が所定値α1以上、且つ回転センサ28の検出するM/G16の回転速度が所定値β1未満である(β1<<Rp・α1)。
(a4)P/S油圧が所定値p1未満である。
ここで所定値α1には、エンジン10が自立運転可能な回転速度以上の値(例えば500rpm)が設定され、所定値β1には、所定値α1にプーリ比Rpを乗算した値よりも十分に小さな値が設定される。ここでのプーリ比Rpは、クランクシャフト10aに装着されたプーリ19の円周に対するM/G16の回転軸に装着されたプーリ23の円周の比率を示す。したがって、NEセンサ27及び回転センサ28の検出結果が、エンジン10の回転速度に比してM/G16の回転速度が不相応に低いことを示しているとき、上記条件(a3)が成立する(図2のステップ10:YES)。
一方、所定値p1には、P/Sポンプ14が作動されていることを示す最低限の油圧よりも小さな値が設定されている。したがって上記条件(a4)の成立をもって、車載機器(P/Sポンプ14)が作動していないことが確認される(ステップ20:NO)。このように、ここでは車載機器の作動の有無を、P/Sポンプ14の発生油圧を検出する油圧センサ29の検出結果に基づいて確認している。
そしてこれにより、車載機器駆動系の異常有りと判定されたときには、ECU26は、以下のフェールセーフ制御を実施する。
(A1)エンジン10の自動停止・自動再始動制御を禁止する。
(A2)クラッチ25の接続の解除を保持するように指令を出力する。
(A3)M/G16を回転させるように指令を出力する。
ここでの上記処理(A2)によって、クラッチ25は、可能な限り接続を解除するように作動される。このため、クラッチ25が、完全に接続されていない半クラッチ状態のまま回転負荷を受け、焼き付きが生じることが抑制される。また、それに加え、上記処理(A3)によって、伝動ベルト24に異常が無い場合には、M/G16の回転によって車載機器13〜15の作動を継続可能となる(以上、ステップ40)。
そして以上の処理(A1)〜(A3)の実施後、所定時間が経過した時点で上記油圧センサ29の検出結果に基づき、車載機器(P/Sポンプ14)の作動の有無を確認する。ここでは、油圧センサ29の検出するP/Sポンプ14の発生油圧が所定値p2以上であることをもって、車載機器(P/Sポンプ14)の作動有りを確認するようにしている。この所定値p2には、P/Sポンプ14が作動されていることを示すのに十分な油圧が、その値として設定されている(p1≦p2)。
ここで車載機器が作動していることが確認されれば(ステップ50:YES)、ECU26はクラッチ25の異常有りと判定し、上記処理(A1)〜(A3)を継続し、バッテリ18からの電力供給が続く限り、M/G16の駆動によって車載機器13〜15の作動を維持する。一方、ここで車載機器が作動していないことが確認されれば(ステップ50:NO)、ECU26は伝動ベルト24の異常有りと判定し、M/G16の回転を停止する。
<2>回転センサ28の異常
ECU26は、上記条件(a1)〜(a3)に加え、更に次の条件(b1)が共に成立した状態が所定時間以上継続されたとき、回転センサ28の異常有りと判定する。
(b1)P/S油圧が所定値p2以上である。
この条件(b1)の成立によって、車載機器(P/Sポンプ14)が作動していることが確認される(ステップ20:YES)。
そしてこれにより、回転センサ28の異常有りと判定されたときには、ECU26は、以下のフェールセーフ制御を実施する。
(B1)エンジン10の自動停止・自動再始動制御を禁止する。
(B2)エンジン10が上記自動停止制御によって停止されていれば、スタータモータ12を用いて始動する。
(B3)インバータ17を作動停止し(ゲート遮断)、レクチ(三相全波整流)発電に切り替える。
<3>クラッチ25の接続動作の不良
ECU26は、以下の条件(c1)〜(c4)が共に成立した状態が所定時間以上継続しているとき、クラッチ25の接続動作の不良が発生したものと判定する。
(c1)一時停止からのエンジン10の再始動中である。すなわち、クラッチ25に接続指令が出された状態でM/G16による車載機器13〜15及びクランクシャフト10aの駆動が行われている。
(c2)NEセンサ27の正常動作が確認されている。
(c3)回転センサ28の検出するM/G16の回転速度が所定値β2以上、且つNEセンサ27の検出するエンジン10の回転速度が所定値α2未満である(β2>>Rp・α2)。
(c4)P/Sポンプ14の発生油圧が上記所定値p2以上である。
ここで所定値β2には、車載機器駆動時のM/G16の回転速度の最低値が設定され、所定値α2には、その所定値β2に上記プーリ比の逆数(1/Rp)を乗算した値よりも十分に小さな値が設定される。したがって、NEセンサ27及び回転センサ28の検出結果が、M/G16の回転速度に比してエンジン10の回転速度が不相応に低い状況を示しているときに、上記条件(c3)が成立する(図3のステップ100:YES)。
また条件(c4)の成立によって、車載機器(P/Sポンプ14)が作動していることが確認される(ステップ110:YES)。
そしてこれにより、接続動作の不良によるクラッチ25の異常有りと判定されたときには、ECU26は、上記処理(A1)〜(A3)と同様のフェールセーフ制御を実施して、車載機器13〜15の作動をM/G16による駆動によって維持する。またこれに加え、エンジン10が停止中であれば、スタータモータ12を用いてエンジン10を再始動する。
<4>伝動ベルト24の切断
ECU26は、上記条件(c1)〜(c3)に加え、更に次の条件(d1)が共に成立した状態が所定時間以上継続しているとき、伝動ベルト24の切断或いはその弛み等の異常が発生したものと判定する。
(d1)P/Sポンプ14の発生油圧が上記所定値p2未満である。
この条件(d1)の成立によって、車載機器(P/Sポンプ14)が作動していないことが確認される(ステップ110:NO)。
そしてこれにより、伝動ベルト24の異常有りと判定されたときには、ECU26は、以下のフェールセーフ制御を実施する。
(D1)エンジン10の自動停止・自動再始動制御を禁止する。
(D2)クラッチ25の接続の解除を保持するように指令を出力する。
(D3)M/G16の回転を停止する。
(D4)スタータモータ12を用いてエンジン10を再始動する。
<5>クラッチ25の接続解除動作の不良
更にECU26は、以下の条件(e1)〜(e4)が共に成立した状態が、所定時間以上継続されたとき、接続の解除動作の不良によるクラッチ25の異常有りと判定する。
(e1)クラッチ25に接続の解除の指令が出されている。
(e2)M/G16の目標回転速度が所定値以上である。すなわちM/G16による車載機器駆動が実際に行われている。
(e3)NEセンサ27の正常動作が確認されている。
(e4)エンジン10の回転速度が所定値γ1よりも大きい。
すなわちここでは、本来、クラッチ25の接続が解除され、伝動ベルト24とクランクシャフト10aとの連結が切断されるべき状況において、M/G16の回転に従動してクランクシャフト10aが回転されていることをもって、クラッチ25の接続の解除動作の不良が発生したと判定している。
そしてこれにより、接続の解除動作の不良が発生したと判定されたときには、ECU26は、以下のフェールセーフ制御を実施する。
(E1)エンジン10の自動停止・自動再始動制御を禁止する。
(E2)エンジン10が上記自動停止制御によって停止されていれば、スタータモータ12を用いて始動する。
(E3)クラッチ25の接続を保持するように指令を出力する。
ここでの上記処理(E3)によって、クラッチ25は、可能な限り接続を強化するように作動される。このため、クラッチ25が完全に接続を解除されずに半クラッチ状態のまま回転負荷を受け、焼き付きが生じることが抑制される。
以上のように本実施形態では、異常箇所を的確に検出し、検出された異常の種別に応じて適切なフェールセーフ制御を実施することで、異常時の緊急避難走行の距離を延長し、更なる異常範囲の拡大を抑えるようにしている。
なお、上記各異常の判定に要する所定時間は、判定の精度の確保とその異常に対するフェールセーフ制御の緊急性との兼ね合いに応じて設定されている。例えば、上記「車載機器駆動系の異常」の場合には、その異常がクラッチ25の接続動作不良に起因するものであれば、早急に接続を解除してクラッチ25を保護すると共に車載機器13〜15の作動を確保する必要があることから、判定に要する所定時間は短めに設定されている。一方、上記「回転センサの異常」の場合には、その原因が電気的な障害等にあり、早期に正常状態に復帰する場合があり、また、即座に他の機器等の損傷を招く機械的な障害でもないため、上記所定時間は長めに設定されている。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、エンジン10による車載機器13〜15の駆動時に、エンジン10とM/G16との回転速度の検出値の不整合、及び油圧センサ29の検出結果に基づく車載機器(P/Sポンプ14)の作動の有無の確認によって、回転センサ28の異常と車載機器駆動系(伝動ベルト24、クラッチ25)の異常とを判別している。このため、異常に応じた適切なフェールセーフ制御を行うことができる。
(2)本実施形態では、車載機器駆動系の異常有りと判定されたときには、クラッチ25の接続を解除するようにしている。このため、クランクシャフト10aから伝動ベルト24への動力伝達が遮断され、異常が生じた車載機器駆動系をエンジン10からの負荷入力から保護して、更なる異常の拡大が抑えられる。
(3)また本実施形態では、車載機器駆動系の異常有りと判定されたときに、クラッチ25の接続の解除とともにM/G16を回転駆動するようにしている。
このため、そのときの車載機器駆動系の異常が伝動ベルト24を通じたM/G16及び各車載機器13〜15間の動力伝達を妨げるものでないことを条件に、M/G16による車載機器13〜15の駆動が継続されるようになる。これにより、車載機器駆動系の異常発生後も、可能な限り、車載機器13〜15の作動を維持できるようになる。
(4)また本実施形態では、車載機器駆動系の異常有りと判定されたときに、クラッチ25の接続を解除してM/G16を回転駆動するとともに、油圧センサ29の検出結果に基づく車載機器(P/Sポンプ14)の作動の有無の確認によって、伝動ベルト24の異常とクラッチ25の異常とを判別して判定している。
したがって、異常に応じた更に適切な異常時制御を実施することができる。
(5)本実施形態では、クラッチ25を接続し、車載機器13〜15及びクランクシャフト10aをM/G16によって駆動するときに、エンジン10とM/G16との回転速度の不整合、及び油圧センサ29の検出結果に基づく車載機器(P/Sポンプ14)の作動の有無の確認によって、伝動ベルト24の異常とクラッチ25の異常とを判別して判定している。したがって、異常に応じた更に適切な異常時制御を実施することができる。
以上説明した第1実施形態は、次のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、車載機器13〜15の作動の有無の確認を油圧センサ29の検出結果に基づいて行っているが、それ以外の検出手段であれ、車載機器13〜15のいずれか1つ以上の作動の有無を確認可能な検出手段であれば、その検出結果に基づき上記確認を行うようにしても良い。例えば、車載機器の回転軸にその回転速度を検出するセンサを設け、その検出結果から車載機器の作動の有無を確認するようにしても良い。
・上記各異常の判定条件では、駆動側の回転速度が所定値以上、かつ従動側の回転速度が所定値未満であることをもって、エンジン10とM/G16との回転速度の不整合の発生を判断するようにしている(例:条件(a3)、条件(c3)等)。これをエンジン10及びM/G16の両回転速度についての不等式の成立/不成立によって判断するようにしても良い。
・また上記<1>〜<5>の各異常の判定及び異常時制御の処理について、その全てを行わず、その一部についてのみ処理を行うようにしても良い。
・上記実施形態では、車載機器駆動系の異常の判定時には、クラッチ25の接続を解除した上でM/G16を回転させ、その後に車載機器13〜15の作動の有無の確認に基づいて伝動ベルト24の異常とクラッチ25の異常とを判別するようにしている。ここでそうした異常の判別を行わずとも、回転センサ28の異常と車載機器駆動系の異常との判別に基づく、異常の種別毎の異常時制御を実施することはできる。また、その場合であれ、クラッチ25の接続を解除し、M/G16を回転させることで、可能な限り、車載機器13〜15の作動を維持することはできる。またその場合に、少なくともクラッチ25の接続を解除するようにすれば、異常状態にある車載機器駆動系にエンジン10からの負荷が付与されることによる異常の拡大は防止できる。
・また異常判定時におけるフェールセーフ等の異常時制御の内容は、適用される車両の駆動系の構成等に応じて任意に変更しても良い。例えば、異常判定時にその異常の情報を、車両の異常診断装置に記憶させるだけでも、修理時の異常箇所の特定を容易とすることができる。
(第2実施形態)
続いて本発明を具体化した第2実施形態について、図4及び図5を併せ参照して、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第1実施形態では、エンジン10の停止中のM/G16による車載機器13〜15の駆動時に、NEセンサ27によって検出されるエンジン10の回転速度が所定回転以上であるとき(<5>の条件(e4)成立)、クラッチ25の接続解除動作の不良が発生したと判定している。
ところがNEセンサ27は、その構成上、状況によっては、実際にはエンジン10は停止されているにも拘わらず、エンジン10が回転されているかのような検出結果をNEセンサ27が出力することがあり、その結果、誤った異常判定がなされるおそれがある。
図4(a)に、NEセンサの一例である電磁ピックアップ方式のNEセンサの構成を示す。
電磁ピックアップ方式のNEセンサは、コイルの巻き掛けられたコアと、マグネットとを有して構成されており、エンジン出力軸10a(図1)に一体回転するよう取り付けられたタイミングロータに対向するよう取り付けられている。タイミングロータは、その外周に所定間隔をおいて複数の歯を有している。タイミングロータが回転して、その外周の歯がコアに接近すると、コアと歯との隙間が変化する。そうした隙間の変化に応じてコイルを通る磁力線の量が変化することで、電磁誘導作用により、ロータの回転に応じてコイルに起電力(電圧)が発生する。よって、エンジン出力軸10aが回転すれば、タイミングロータの歯がコアの近傍を通過する毎にコイルはパルス状の起電力を発生し、図4(b)に例示するように、NEセンサ27からはパルス状の電圧信号が周期的に出力されることとなる。よって、そうしたパルス状の電圧信号の発生間隔をモニタすることで、エンジン10の回転速度を検出することが可能となる。
さて、エンジン10の停止中には、タイミングロータが回転しないため、通常、NEセンサ27の出力電圧は零に保持されている。ところがエンジン10の停止中、状況によっては、M/G16による車載機器の駆動等に伴うエンジン10や車体の振動によって、図5(c)に示すように、タイミングロータの歯とコアとの微小な相対揺動が発生することがある。そして、タイミングロータの歯がコア近くに位置した状態でそうした相対揺動が発生すると、それら歯とコアとの間隔が周期的に変化して、コイルがパルス状の起電力を周期的に発生することがある。
このため、エンジン10が停止し、クランクシャフト10a及びタイミングロータが回転していないときにも、状況によってはNEセンサ27がエンジン回転中と同様のパルス状の電圧信号を周期的に出力することが生じ得る。そしてその結果、実際にはクランクシャフト10aが回転していないにも拘わらず、それが回転しているような検出結果が得られてしまうことがある。そしてその場合には、上述の判定条件に従えば、クラッチ25の接続解除動作の不良が発生したものと誤って判定されてしまう。
ちなみに、一般にそうした状況でのNEセンサ27の電圧信号の出力周期は、クラッチ25の接続解除動作の不良発生時に想定されるNEセンサ27の電圧信号の出力周期に比して、十分に短いことが試験等によって確認されている。すなわち、そうした状況では、接続解除動作の不良発生時に想定されるよりも十分に高い回転速度が、NEセンサ27によって検出されることとなる。
さて、こうしたNEセンサ27の誤検出に基づく異常判定の誤りを回避すべく、本実施形態ではECU26は、図5に示されるような態様で、クラッチ25の接続解除の動作不良の判定を行っている。
すなわち本実施形態では、クラッチ25に接続解除の指令がなされるエンジン停止中のM/G16による車載機器の駆動時に、上記条件(e1)〜(e4)のすべてが成立していても(図5のS200:YES)、更にエンジン回転速度が所定値γ2以下でない限りは(S210:NO)、クラッチ25の接続解除動作に異常無しと判定して、その時点では異常有りとの判定を保留するようにしている(S230)。
ここでの所定値γ2には、上記接続解除動作の不良発生時に想定されるエンジン回転速度の最大値が設定されている。クラッチ25の接続解除動作の不良発生時とは云え、実際のエンジン回転速度がその所定値γ2を超えることは有り得ない。そのため、エンジン回転速度がその所定値γ2を超えるようなNEセンサ27の検出結果が出力された場合には、それが上述のようなセンサ27の誤検出に基づくものと判断できる。しかも、上記相対揺動に応じたNEセンサ27のエンジン回転速度の誤った検出結果は一般に、所定値γ2よりも十分に大きい回転速度を示す。
よって、以上の態様によってクラッチ25の接続解除動作の不良発生判定を行えば、NEセンサ27の誤検出に基づく誤判定を好適に回避できる。
なお、以下のように、M/G16の回転負荷に基づいてNEセンサ27の誤検出による誤った異常判定を回避することができる。
上記のようなクラッチ25の接続解除の動作不良が発生した場合、各車載機器13〜16に加えてエンジン出力軸10aまでもがM/G16により回転されることとなる。そのため、そうした異常発生時には、M/G16の回転負荷は、正常時に比して自ずと大きくなる。
そこで、上記ステップ210の処理を、M/G16の回転負荷が所定値以上であるか否かを判断する処理に変更する。そして、その変更したステップ210において肯定判断がなされるときには、クラッチ25の接続解除の動作不良による異常が発生したと判定し、それに応じた異常時制御を実施する(S230)。また否定判断がなされたときには、異常無しと判定し、その時点では異常有りとの判定を保留する。
なお本実施形態では、M/G16の回転速度の検出値とその目標値との対比に応じて、M/G16への供給電力を調整しており、その回転負荷が増大すればその供給電力も増大するようになっている。このため、クラッチ25が正常に接続解除されず、車載機器13〜15に加えてエンジン出力軸10aもM/G16により回転することとなって、その回転負荷が増大すれば、そのM/G16の供給電力も大きくなる。よって、M/G16への供給電力に基づいて、その回転負荷の大きさを判断することができる。
そして例えば、上記ステップ210において、M/G16への供給電力が、正常な車載機器駆動時に想定される供給電力の最大値を超えるとき、回転負荷が所定値以上であると判断するようにすれば、NEセンサ27の誤検出に基づいた、誤まった判定を排除して、的確な異常判定を行うことができる。
(第3実施形態)
続いて本発明を具体化した第3実施形態について、図6を併せ参照して、上記各実施形態と異なる点を中心に説明する。
上述の車載機器駆動装置では、エンジン10の停止中にもM/G16によって各車載機器13〜15の駆動が継続されるようになっている。こうしたM/G16による車載機器駆動時に、例えばA/C用コンプレッサ13などの車載機器13〜16に固着が生じると、M/G16の回転負荷が増大して、多大な負担がかかる。
本実施形態では、図6に示される態様で、異常判定を行うことで、ECU26は、そうした固着異常の発生をより確実に検出するようにしている。
すなわち本実施形態では、クラッチ25に接続解除の指令がなされるエンジン停止中のM/G16による車載機器の駆動時に、クラッチ25の接続解除動作の不良がないことが確認されていれば(S300:YES)、そのときのM/G16の回転速度に応じて上記固着異常の発生の有無を判定するようにしている(S310)。ちなみに、そうした動作不良の有無は、例えば第1実施形態の<5>、あるいは第2実施形態に示される態様で確認できる。
固着異常が発生した場合には、それに伴う駆動負荷の増大によって、M/G16の回転速度を十分に高めることができなくなる。よって回転センサ28により検出されるM/G16の回転速度が所定回転速度以下であれば(S310:YES)、M/G16の回転負荷が不相応に高いと判断でき、それにより固着異常が発生したものと判定している。ここでの所定回転速度は、M/G16による車載機器駆動時におけるその目標回転速度の最小値よりも小さい値が設定されている。
更に本実施形態ではECU26は、ここで固着異常の発生が検出された場合(S310:YES)、それに応じた異常時制御としてA/C用の電磁クラッチ20aを接続解除した状態に保持するようにしている(S320)。これによりA/C用コンプレッサ13は、車載機器駆動系から切り離された状態に保持される。
このときA/C用コンプレッサ13に固着が生じていれば、それを切り離すことで、M/G16によるその他の車載機器の駆動状態を保持し、車両の走行を継続することができる。一方、固着がA/C用コンプレッサ13以外の車載機器に生じている場合にも、車両走行の維持には直接影響することのないA/C用コンプレッサ13の駆動を停止すれば、M/G16の回転負荷をその分低減することができる。したがって、そうした異常時制御によって、固着異常の発生時にも、車両走行を維持しつつ、そうした異常発生に伴うM/G16の負担の増大を好適に抑えることができる。
なお、上記固着異常の有無の判定は、M/G16の回転速度以外のパラメータに基づいて行うこともできる。例えばM/G16の駆動電力は、その回転速度の検出値と目標値との対比に応じて調整され、回転速度の検出値が目標値未満であれば増大される。そのため、固着異常の発生によりM/G16の回転負荷が増大して、その回転速度を十分に高めることが困難となると、M/G16の駆動電力は正常時よりも大きくなる。よって、M/G16の駆動電力に基づいても、固着異常の発生を検出することができる。
またA/C用コンプレッサ13以外の車載機器に、伝動機構24との接続を断接するクラッチが設けられる構成であれば、上記固着異常の発生時にそのクラッチを接続解除した状態に保持して、その車載機器の駆動を停止させるように異常時制御を行うこともできる。ただし、そうした異常時制御によって駆動停止する車載機器は、車両の走行には直接影響することのない車載機器を選択することが望ましい。
上記各実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・上記実施形態では、伝動ベルト24を用いて、クランクシャフト10a、車載機器13〜15、及びM/G16を互いに駆動連結するようにしているが、ギア機構等の任意の伝動機構を通じてそれらを駆動連結するようにしても良い。その場合であれ、上記実施形態と同様、あるいはそれに準じた態様で、そうした伝動機構の異常の判定等を行うことができる。
本発明の第1実施形態についてその全体構造を示す略図。 第1実施形態の異常判定の原理ロジックを示すフローチャート。 同じく異常判定の原理ロジックを示すフローチャート。 NEセンサの構成、出力波形、及びノイズの発生態様を併せ示す図。 第2実施形態の異常判定の原理ロジックを示すフローチャート。 第3実施形態の異常時制御の原理ロジックを示すフローチャート。
符号の説明
10…エンジン、13〜15…車載機器、16…モータ/ジェネレータ(M/G;電動機)、19〜23…プーリ(伝動機構)、24…伝動ベルト(伝動機構)、25…クラッチ、26…電子制御装置(ECU;異常時制御手段)、27…NEセンサ(検出手段、第1検出手段)、28…回転センサ(第2検出手段)、29…油圧センサ(第3検出手段、作動検出手段)、20a…クラッチ(更なるクラッチ)。

Claims (2)

  1. 電動機と車載機器とを互いに駆動連結する伝動機構と、その伝動機構に対するエンジン出力軸の接続を断接するクラッチとを備える車載機器駆動系を備える車載機器駆動装置であって、
    前記エンジン出力軸の回転速度を検出する第1検出手段と、前記電動機の回転速度を検出する第2検出手段と、前記車載機器のいずれか1つの作動の有無を検出する第3検出手段を備えるとともに、
    条件(い)前記クラッチによる前記伝動機構と前記エンジン出力軸との接続の指令がなされていること、
    条件(ろ)前記電動機が駆動されていること、
    条件(は)前記第1及び第2検出手段の検出結果が、前記エンジン出力軸の回転速度が前記電動機の回転速度に応じた回転速度に達していないことを示していること、
    条件(に)前記第3検出手段の検出結果に基づき、前記車載機器の作動有りが確認されていること、
    の各条件について、上記条件(い)〜(に)のすべての成立をもって前記クラッチの異常有りと判定して、その判定された異常に応じた異常時制御を実施する異常時制御手段を更に備えることを特徴とする車載機器駆動装置。
  2. 電動機と車載機器とを互いに駆動連結する伝動機構と、その伝動機構に対するエンジン出力軸の接続を断接するクラッチとを備える車載機器駆動系を備える車載機器駆動装置であって、
    前記エンジン出力軸の回転速度を検出する第1検出手段と、前記電動機の回転速度を検出する第2検出手段と、前記車載機器のいずれか1つの作動の有無を検出する第3検出手段を備えるとともに、
    条件(い)前記クラッチによる前記伝動機構と前記エンジン出力軸との接続の指令がなされていること、
    条件(ろ)前記電動機が駆動されていること、
    条件(は)前記第1及び第2検出手段の検出結果が、前記エンジン出力軸の回転速度が前記電動機の回転速度に応じた回転速度に達していないことを示していること、
    条件(に)前記第3検出手段の検出結果に基づき、前記車載機器の作動有りが確認されていること、
    の各条件について、上記条件(い)〜(は)が共に成立し、且つ条件(に)が不成立であることをもって前記伝動機構の異常有りと判定して、その判定された異常に応じた異常時制御を実施する異常時制御手段を更に備える
    ことを特徴とする車載機器駆動装置。
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