JP4697175B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気通路に触媒が配置された内燃機内燃機関の空燃比制御装置に関し、詳しくは、触媒の下流に配置された酸素センサの出力値に基づいて燃料噴射量をフィードバック制御する空燃比制御装置に関する。
内燃機関の空燃比制御では、触媒上流に配置された空燃比センサの出力値に基づくフィードバック制御(いわゆるメインフィードバック制御)と、触媒下流に配置された酸素センサの出力値に基づくフィードバック制御(いわゆるサブフィードバック制御)とが行われている。サブフィードバック制御では、酸素センサの出力値と理論空燃比に対応する基準値との出力偏差が求められ、そのPID制御(或いはPI制御)によって算出されたフィードバック値が燃料噴射量に反映されている。
また、サブフィードバック制御では、PID制御にかかる積分項を平滑化したものを学習値として学習することも行われている。この処理をサブフィードバック学習という。積分項には酸素センサの出力信号の振動が反映されているが、積分項を平滑化することによってその振動成分を減衰させることができ、積分項に含まれる定常成分のみを抽出することができる。この定常成分は、触媒に流入する排気ガスの空燃比の中心値と理論空燃比との定常的なずれに対応している。メインフィードバック制御が行われているのであれば、このずれは空燃比センサの恒常的な信号誤差に対応する。したがって、上記の定常成分を学習値として記憶しておくことで、サブフィードバック制御の開始直後でも、また、サブフィードバック制御が停止している場合でも、空燃比センサの恒常的な信号誤差を補償して触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比に近づけることが可能になる。
上記のようなサブフィードバック制御に関連する技術として、特開2006−63949号公報に開示されたものが知られている。この従来技術では、酸素センサの出力値がリーン出力かリッチ出力かによって、PID制御にかかる比例項ゲインの大きさを異ならせている。また、酸素センサの出力値がリーン出力かリッチ出力かによって、PID制御にかかる積算ゲインの大きさにも差をつけている。以下、リッチ出力時とリーン出力時とで各ゲインを異なる値に変更する処理を“非対称補正”という。
内燃機関では、運転状態や触媒の特性等に応じて、触媒に流入する排気ガスの空燃比の中心値を理論空燃比に対してリッチ側或いはリーン側に少しだけ偏らせることが望ましい場合がある。この場合、サブフィードバック制御がP制御のみであるならば、リーン出力かリッチ出力かによって比例項ゲインの大きさを異ならせるだけでよい。しかし、P制御に加えてI制御が行われる場合には、比例項ゲインの設定による空燃比の偏りをI制御が打ち消すように作用してしまい、意図したように空燃比を制御することができなくなる。この点に関し、上記の非対称補正によれば、リッチ出力時とリーン出力時とで比例項ゲインだけでなく積算ゲインも異なる値に変更することで、比例項ゲインの変更による意図的な空燃比の偏りがI制御によって打ち消されるのを効果的に抑制し、本来意図した空燃比に精度良く制御することが可能となる。
なお、サブフィードバック制御に関連する従来技術としては、上記の従来技術を含めて以下に列挙した特許文献に記載のものが知られている。
特開2006−63949号公報 特開2006−104978号公報
ところが、上記の非対称補正が行われる場合、理論空燃比に対して触媒流入ガスの空燃比の中心値がずれている方向によっては、サブフィードバック学習の完了に遅れが生じる可能性がある。具体的には、リッチ出力時の積算ゲインがリーン出力時の積算ゲインよりも小さく設定されている場合、積分項のマイナス方向への変化速度(リッチ出力時の変化速度)はプラス方向への変化速度(リーン出力時の変化速度)に対して遅くなる。このため、積分項がマイナス値になる場合、つまり、触媒流入ガスの空燃比の中心値が理論空燃比に対してリッチ側にずれている場合には、積分応答の遅れによってサブフィードバック学習の完了に時間がかかってしまう。逆に、リーン出力時の積算ゲインがリッチ出力時の積算ゲインよりも小さく設定されている場合は、触媒流入ガスの空燃比の中心値が理論空燃比に対してリーン側にずれているときにサブフィードバック学習の完了に遅れが生じてしまう。サブフィードバック学習の完了の遅れはエミッションの排出を増大させるおそれがあり、また、サブフィードバック学習が完了してない場合に非対称補正を行ったとしても、本来意図した空燃比に精度良く制御することはできない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、サブフィードバック学習の完了の遅れを防止することで非対称補正の効果を早期に得られるようにした内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、排気通路に触媒が配置された内燃機関の空燃比制御装置であって、
前記触媒の下流に配置される酸素センサと、
前記酸素センサの出力値と理論空燃比に対応する基準値との出力偏差に基づいて燃料噴射量に反映させるフィードバック値を計算するフィードバック手段とを備え、
前記フィードバック手段は、
前記酸素センサがリッチ出力を発している場合には、前記出力偏差にリッチ時比例項ゲインを乗じた値を比例項として算出し、前記酸素センサがリーン出力を発している場合には、前記出力偏差にリーン時比例項ゲインを乗じた値を比例項として算出する比例項算出手段と、
前記酸素センサがリッチ出力を発している場合には、前記出力偏差にリッチ時積算ゲインを乗じた値を出力偏差積算値に積算し、前記酸素センサがリーン出力を発している場合には、前記出力偏差にリーン時積算ゲインを乗じた値を前記出力偏差積算値に積算し、前記出力偏差積算値に比例する積分項を算出する積分項算出手段と、
前記積分項から前記フィードバック値の定常成分を学習する学習手段と、
前記学習手段による学習が完了するまでの間は、前記リッチ時比例項ゲインと前記リーン時比例項ゲインとを等しい大きさに設定し、前記学習手段による学習の完了後は、前記リッチ時比例項ゲインを前記リーン時比例項ゲインよりも小さく設定する比例項ゲイン設定手段と、
前記学習手段による学習が完了するまでの間は、前記リッチ時積算ゲインと前記リーン時積算ゲインとを等しい大きさに設定し、前記学習手段による学習の完了後は、前記リッチ時積算ゲインを前記リーン時積算ゲインよりも小さく設定する積算ゲイン設定手段とを含むことを特徴としている。
また、第2の発明は、上記の目的を達成するため、排気通路に触媒が配置された内燃機関の空燃比制御装置であって、
前記触媒の下流に配置される酸素センサと、
前記酸素センサの出力値と理論空燃比に対応する基準値との出力偏差に基づいて燃料噴射量に反映させるフィードバック値を計算するフィードバック手段とを備え、
前記フィードバック手段は、
前記酸素センサがリッチ出力を発している場合には、前記出力偏差にリッチ時比例項ゲインを乗じた値を比例項として算出し、前記酸素センサがリーン出力を発している場合には、前記出力偏差にリーン時比例項ゲインを乗じた値を比例項として算出する比例項算出手段と、
前記酸素センサがリッチ出力を発している場合には、前記出力偏差にリッチ時積算ゲインを乗じた値を出力偏差積算値に積算し、前記酸素センサがリーン出力を発している場合には、前記出力偏差にリーン時積算ゲインを乗じた値を前記出力偏差積算値に積算し、前記出力偏差積算値に比例する積分項を算出する積分項算出手段と、
前記積分項から前記フィードバック値の定常成分を学習する学習手段と、
前記学習手段による学習が完了するまでの間は、前記リッチ時比例項ゲインと前記リーン時比例項ゲインとを等しい大きさに設定し、前記学習手段による学習の完了後は、前記リーン時比例項ゲインを前記リッチ時比例項ゲインよりも小さく設定する比例項ゲイン設定手段と、
前記学習手段による学習が完了するまでの間は、前記リッチ時積算ゲインと前記リーン時積算ゲインとを等しい大きさに設定し、前記学習手段による学習の完了後は、前記リーン時積算ゲインを前記リッチ時積算ゲインよりも小さく設定する積算ゲイン設定手段とを含むことを特徴としている。
第1の発明によれば、学習が完了するまでの間はリッチ出力時とリーン出力時とで比例項ゲインも積算ゲインもそれぞれ等しい値に設定することで、触媒流入ガスの空燃比中心値が理論空燃比に対してリッチ側とリーン側のどちらの側にずれている場合でも、一定以上の学習速度を保証することができる。そして学習の完了後は、リッチ時比例項ゲインをリーン時比例項ゲインよりも小さくするだけでなくリッチ時積算ゲインをリーン時積算ゲインよりも小さく設定することで、P制御による意図的な空燃比の偏りがI制御によって打ち消されるのを効果的に抑制しつつ、触媒流入ガスの空燃比中心値を本来意図したリッチ空燃比に精度良く制御することが可能となる。
第2の発明によれば、学習が完了するまでの間はリッチ出力時とリーン出力時とで比例項ゲインも積算ゲインもそれぞれ等しい値に設定することで、触媒流入ガスの空燃比中心値が理論空燃比に対してリッチ側とリーン側のどちらの側にずれている場合でも、一定以上の学習速度を保証することができる。そして学習の完了後は、リーン時比例項ゲインをリッチ時比例項ゲインよりも小さくするだけでなくリーン時積算ゲインをリッチ時積算ゲインよりも小さく設定することで、P制御による意図的な空燃比の偏りがI制御によって打ち消されるのを効果的に抑制しつつ、触媒流入ガスの空燃比中心値を本来意図したリーン空燃比に精度良く制御することが可能となる。
図1は本発明の実施の形態にかかる空燃比制御装置が適用された内燃機関(以下、エンジンという)の全体構成を示す図である。図に示すように、エンジン本体2には排気通路4が接続されている。排気通路4には排気ガス中の有害成分(NOx、CO、HC)を浄化するための三元触媒6,8が2段に配置されている。上流側の三元触媒6は排気マニホールドに接近して配置され、下流側の三元触媒8は車両の床下に配置されている。
三元触媒6の上流にはA/Fセンサ(全域空燃比センサ)12が取り付けれ、三元触媒6の下流にはO2センサ(酸素センサ)14が取り付けられている。A/Fセンサ12は空燃比に対してリニアな出力特性を示すセンサである。O2センサ14はガス中の酸素濃度に応じた信号を出力するセンサであり、空燃比に対し理論空燃比を基準にして出力値が反転する出力特性を有している。具体的には、三元触媒6の下流の排気ガスが理論空燃比に対してリッチである場合にはリッチ出力(例えば0.8V)を発し、また、その排気ガスがリーンである場合にはリーン出力(例えば0.2V)を発する。
エンジンには、システム全体の運転を総合制御する制御装置としてECU(Electronic Control Unit)10が設けられている。前述のA/Fセンサ12とO2センサ14はECU10に接続されている。ECU10は、A/Fセンサ12及びO2センサ14の出力値に基づき、三元触媒6に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比になるよう燃料噴射量をフィードバック制御している。以下、このフィードバック制御を空燃比制御という。
ECU10により実行される空燃比制御は、メインフィードバック制御とサブフィードバック制御とからなる。メインフィードバック制御では、A/Fセンサ12の出力信号と理論空燃比との偏差に基づき、燃料噴射量の計算に反映させるフィードバック値(メインF/B補正量)が算出される。サブフィードバック制御では、O2センサ14の出力信号と基準信号との偏差に基づき、燃料噴射量の計算に反映させるフィードバック値(サブF/B補正量)が算出される。
本実施の形態の空燃比制御は、O2センサ14の出力値に基づくサブフィードバック制御に特徴がある。以下、図2及び図3を用いて本実施の形態にかかるサブフィードバック制御の内容について具体的に説明する。
図2及び図3は、何れもサブフィードバック制御に関して実行されるルーチンのフローチャートである。図2に示すルーチンでは、燃料噴射量の計算に反映されるサブF/B補正量が算出される。図3に示すルーチンでは、サブF/B補正量の計算に使用する比例項ゲインが決定される。これらのルーチンは、例えば、一定のクランク毎などの所定の処理サイクル毎に周期的に実行されるものである。
図2に示すルーチンでは、まず、O2センサ14の出力偏差Dvoxが算出され(ステップ100)、次いで、O2センサ14の出力変化量Dlvoxが算出される(ステップ102)。出力偏差Dvoxは、理論空燃比に相当する基準値VoxrefからO2センサ14の出力値Voxを減じることにより算出される。出力変化量Dlvoxは、前回の処理サイクルの出力値Vox(i−1)から今回の処理サイクルの出力値Vox(i)を減ずることにより算出される。
次に、P制御にかかる比例項(P項)ゲインが読み込まれる(ステップ104)。比例項ゲインには、O2センサ14の出力値Voxがリッチ出力を示しているときに使用するリッチ時比例項ゲインGainPrと、リーン出力を示しているときに使用するリーン時比例項ゲインGainPlとが用意されている。本ステップでは、リッチ時比例項ゲインGainPrおよびリーン時比例項ゲインGainPlの双方が読み込まれるが、それらの値は図3に示すルーチンに従って決定される。
ここで、図3に示すルーチンについて説明する。このルーチンでは、まず、サブフィードバック学習が完了しているか否か判定される(ステップ200)。サブフィードバック学習処理の内容については後述する。サブフィードバック学理が未だ完了していない場合には、リッチ時比例項ゲインGainPrとリーン時比例項ゲインGainPlは何れも所定値γ(例えば1.0)に設定される(ステップ202)。一方、サブフィードバック学習が既に完了している場合には、リッチ時比例項ゲインGainPrは所定値α(例えば0.5)に設定され、リーン時比例項ゲインGainPlは所定値β(例えば1.0)に設定される(ステップ204)。つまり、リッチ時比例項ゲインGainPrはリーン時比例項ゲインGainPlよりも小さく設定される。この設定は、三元触媒6に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比に対してリッチ側に偏らせること(これを“リッチ寄せ”という)を狙いとした設定である。
再び図2に示すルーチンについて説明すると、次に、I制御にかかる積分項(I項)ゲインGainIが読み込まれ(ステップ106)、また、D制御にかかる微分項(D項)ゲインGainDが読み込まれる(ステップ108)。積分項ゲインGainIと微分項ゲインGainDは何れも一定値に固定されている。
次に、O2センサ14がリーン出力中か否か、つまり、O2センサ14の出力値Voxが基準値Voxrefよりも大きいか否かが判定される(ステップ110)。その結果、O2センサ14の出力値Voxが基準値Voxrefよりも小さい、すなわち、O2センサ14がリッチ出力中と判断された場合には、今回の処理サイクルで用いる積算ゲイン(P項ゲイン比率)Kgainが1.0に設定される。次いで、比例項ゲインGainPとしてリッチ時比例項ゲインGainPrが選択される(ステップ114)。
一方、ステップ110において、O2センサ14の出力値Voxが基準値Voxrefよりも大きい、すなわち、O2センサ14がリーン出力中と判断された場合には、今回の処理サイクルで用いる積算ゲインKgainが、リーン時比例項ゲインGainPlとリッチ時比例項ゲインGainPrとの比、すなわち、Kgain=(GainPl/GainPr)として算出される(ステップ116)。サブフィードバック学習が完了するまでの間は、リーン時比例項ゲインGainPlとリッチ時比例項ゲインGainPrとは同値であることから、積算ゲインKgainは1となる。サブフィードバック学習の完了後は、リッチ時比例項ゲインGainPrはリーン時比例項ゲインGainPlよりも小さく設定されることから、積算ゲインKgainは1よりも大きい値となる。つまり、サブフィードバック学習が完了するまでの間は、リッチ出力中とリーン出力中とで積算ゲインKgainは等しい値(1.0)となり、サブフィードバック学習の完了後は、リッチ出力中よりもリーン出力中のほうが積算ゲインKgainは大きい値となる。
次いで、比例項ゲインGainPとしてリーン時比例項ゲインGainPlが選択される(ステップ118)。前述のように、サブフィードバック学習が完了するまでの間は、リーン時比例項ゲインGainPlとリッチ時比例項ゲインGainPrとは同値であることから、その間の比例項ゲインGainPはリーン出力かリッチ出力かによらず一定値となる。サブフィードバック学習の完了後は、リッチ出力中よりもリーン出力中のほうが比例項ゲインGainPは大きい値となる。
次に、出力偏差Dvoxの積算処理が実行される(ステップ120)。具体的には、この積算処理によって、出力偏差積算値Sumvoxが、Sumvox=Sumvox(i−1)+(Dvox・Kgain)として算出される。Sumvox(i−1)は前回の処理サイクルで算出された出力偏差積算値である。積算処理に使用する積算ゲインKgainは、前述のように、リーン時の積算ゲインとリッチ時の積算ゲインとの比が、リーン時比例項ゲインGainPlとリッチ時比例項ゲインGainPrとの比と対応するように設定されている。
次いで、以上の各処理により得られた要素を用いてサブF/B補正量Vsfbが算出される(ステップ122)。サブF/B補正量Vsfbは、比例項、積分項、および微分項の和として、すなわち、Vsfb=(Dvox・GainP)+(Sumvox・GainI)+(Dlvox・GainD)として算出される。なお、サブF/B補正量Vsfbを燃料噴射量に反映させる手法については、特開2006−63949号公報に記載されたもの等、公知の様々な手法が存在する。本発明の実施においては、サブF/B補正量Vsfbが燃料噴射量に反映されればよく、その手法には限定はない。したがって、ここではその具体的な説明は省略する。
次に、ステップ122において算出されたサブF/B補正量Vsfbに基づいて、サブフィードバック学習処理が実行される(ステップ124)。具体的には、サブフィードバック学習処理では、ステップ122において算出された積分項Sumvox・GainIのローパス値を算出する処理が行われ、これにより、積分項Sumvox・GainIに生じた変化分が抽出される。そして、抽出されたローパス値(積分項Sumvox・GainIの変化分)を積算した値によって学習値SFBGを更新する処理、つまり、積分項Sumvox・GainIの定常的な値をSFBGに取り込む処理が行われる。同時に、その取り込まれた値だけ積分項Sumvox・GainIを減算または加算する処理も行われる。これらの処理によって、サブF/B補正量Vsfbに含まれる定常成分は、積分項Sumvox・GainIから学習値SFBGへと移されていく。そして、学習値SFBGが一定範囲に収束したときにサブフィードバック学習が完了したと判定され、学習完了フラグがオフからオンに切り替えられる。図3に示すルーチンのステップ200の判定は、この学習完了フラグのオン/オフに基づいて行われている。
以上説明した図2及び図3に示すルーチンの処理によれば、サブフィードバック学習が完了するまでの間は、リーン出力かリッチ出力かによらず比例項ゲインGainPは一定値とされ、積算ゲインKgainも一定値とされる。このような比例項ゲインGainP及び積算ゲインKgainの設定によれば、三元触媒6に流入する排気ガスの空燃比中心値が理論空燃比に対してリッチ側とリーン側のどちらの側にずれている場合でも、一定以上の学習速度を保証することができ、サブフィードバック学習を早期に完了させることができる。
そして、サブフィードバック学習の完了後は、リッチ寄せのための比例項ゲインGainPと積算ゲインKgainの非対称補正が実行される。この非対称補正によれば、P制御による意図的な空燃比の偏りがI制御によって打ち消されるのを効果的に抑制しつつ、三元触媒6に流入する排気ガスの空燃比中心値を本来意図したリッチ空燃比に精度良く制御することが可能となる。
なお、図3に示すルーチンでは所定値α<所定値βと設定しているが、この設定を所定値α>所定値βに変更することもできる。この場合、サブフィードバック学習が完了した後は、リーン時比例項ゲインGainPlはリッチ時比例項ゲインGainPrよりも小さく設定されることになる。また、Kgain=(GainPl/GainPr)として算出されるリーン出力中の積算ゲインKgainは、1に設定されているリッチ出力中の積算ゲインKgainよりも小さい値となる。これによれば、サブフィードバック学習が完了した後は、三元触媒6に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比に対して意図的にリーン側に偏らせることができるようになる。
上述した実施の形態においては、ECU10が図2及び図3に示すルーチンの処理を実行することにより第1の発明における「フィードバック手段」が実現されている。より詳しくは、ECU10が図2に示すルーチンのステップ100,104,110,114,118,122の処理を実行することにより第1の発明における「比例項算出手段」が実現され、ECU10が図2に示すルーチンのステップ100,106,110,112,116,120,122の処理を実行することにより第1の発明における「積分項算出手段」が実現されている。また、ECU10が図2に示すルーチンのステップ124の処理を実行することにより第1の発明における「学習手段」が実現されている。また、ECU10が図3に示すルーチンの処理を実行することにより第1の発明における「比例項ゲイン設定手段」が実現され、ECU10が図3に示すルーチンと図2に示すルーチンのステップ112,116の処理を実行することにより第1の発明における「積算ゲイン設定手段」が実現されている。
ところで、上述した実施の形態では、サブフィードバック学習の完了を待ってから非対称補正を実行することでサブフィードバック学習の完了の遅れを防止しているが、次に説明する手段を採れば、サブフィードバック学習の完了を待たずに非対称補正を実行することができる。具体的には、サブフィードバック制御に関して図2に示すルーチンとともに図4に示すルーチンを実行する。この場合、図3に示すルーチンは実行せず、リッチ時比例項ゲインGainPrは所定値αに、リーン時比例項ゲインGainPlは所定値βに固定する。
図4に示すルーチンでは、まず、学習値SFBGがクリアされた後の最初のエンジン始動時か否か判定される(ステップ300)。学習値SFBGはECU10のRAMに記憶されるため、バッテリが取り外された時にはクリアされてしまう。学習値SFBGがクリアされた場合は、所定の初期値KSFBGIが学習値SFBGに代入される(ステップ302)。この初期値KSFBGIは、非対称補正においてリッチ時比例項ゲインGainPrがリーン時比例項ゲインGainPlよりも小さく設定されている場合にはマイナス値とされ、リーン時比例項ゲインGainPlがリッチ時比例項ゲインGainPrよりも小さく設定されている場合にはプラス値とされる。これによれば、非対称補正を実行したときの積分応答を速くすることができ、それによってサブフィードバック学習の完了の遅れを防止することができる。
本発明の実施の形態にかかる空燃比制御装置が適用された内燃機関の全体構成を示す図である。 本発明の実施の形態において実行されるルーチンのフローチャートであり、燃料噴射量の計算に反映されるサブF/B補正量を算出するためのルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態において実行されるルーチンのフローチャートであり、サブF/B補正量の計算に使用する比例項ゲインを決定するためのルーチンのフローチャートである。 サブフィードバック学習の完了の遅れを防止することを目的とした、本発明とは別の手段において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
2 内燃機関
4 排気通路
6,8 三元触媒
10 ECU
12 A/Fセンサ
14 O2センサ

Claims (2)

  1. 排気通路に触媒が配置された内燃機関の空燃比制御装置であって、
    前記触媒の下流に配置される酸素センサと、
    前記酸素センサの出力値と理論空燃比に対応する基準値との出力偏差に基づいて燃料噴射量に反映させるフィードバック値を計算するフィードバック手段とを備え、
    前記フィードバック手段は、
    前記酸素センサがリッチ出力を発している場合には、前記出力偏差にリッチ時比例項ゲインを乗じた値を比例項として算出し、前記酸素センサがリーン出力を発している場合には、前記出力偏差にリーン時比例項ゲインを乗じた値を比例項として算出する比例項算出手段と、
    前記酸素センサがリッチ出力を発している場合には、前記出力偏差にリッチ時積算ゲインを乗じた値を出力偏差積算値に積算し、前記酸素センサがリーン出力を発している場合には、前記出力偏差にリーン時積算ゲインを乗じた値を前記出力偏差積算値に積算し、前記出力偏差積算値に比例する積分項を算出する積分項算出手段と、
    前記積分項から前記フィードバック値の定常成分を学習する学習手段と、
    前記学習手段による学習が完了するまでの間は、前記リッチ時比例項ゲインと前記リーン時比例項ゲインとを等しい大きさに設定し、前記学習手段による学習の完了後は、前記リッチ時比例項ゲインを前記リーン時比例項ゲインよりも小さく設定する比例項ゲイン設定手段と、
    前記学習手段による学習が完了するまでの間は、前記リッチ時積算ゲインと前記リーン時積算ゲインとを等しい大きさに設定し、前記学習手段による学習の完了後は、前記リッチ時積算ゲインを前記リーン時積算ゲインよりも小さく設定する積算ゲイン設定手段とを含むことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 排気通路に触媒が配置された内燃機関の空燃比制御装置であって、
    前記触媒の下流に配置される酸素センサと、
    前記酸素センサの出力値と理論空燃比に対応する基準値との出力偏差に基づいて燃料噴射量に反映させるフィードバック値を計算するフィードバック手段とを備え、
    前記フィードバック手段は、
    前記酸素センサがリッチ出力を発している場合には、前記出力偏差にリッチ時比例項ゲインを乗じた値を比例項として算出し、前記酸素センサがリーン出力を発している場合には、前記出力偏差にリーン時比例項ゲインを乗じた値を比例項として算出する比例項算出手段と、
    前記酸素センサがリッチ出力を発している場合には、前記出力偏差にリッチ時積算ゲインを乗じた値を出力偏差積算値に積算し、前記酸素センサがリーン出力を発している場合には、前記出力偏差にリーン時積算ゲインを乗じた値を前記出力偏差積算値に積算し、前記出力偏差積算値に比例する積分項を算出する積分項算出手段と、
    前記積分項から前記フィードバック値の定常成分を学習する学習手段と、
    前記学習手段による学習が完了するまでの間は、前記リッチ時比例項ゲインと前記リーン時比例項ゲインとを等しい大きさに設定し、前記学習手段による学習の完了後は、前記リーン時比例項ゲインを前記リッチ時比例項ゲインよりも小さく設定する比例項ゲイン設定手段と、
    前記学習手段による学習が完了するまでの間は、前記リッチ時積算ゲインと前記リーン時積算ゲインとを等しい大きさに設定し、前記学習手段による学習の完了後は、前記リーン時積算ゲインを前記リッチ時積算ゲインよりも小さく設定する積算ゲイン設定手段とを含むことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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