JP4696685B2 - 検出装置 - Google Patents
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しかし、特許文献1では、複数の赤外線検出手段を設けることにより、ノイズの影響を排除して正確な炎感知を行うことができるとしている。
ちなみに、増幅器としては、例えば、オペアンプを用いた非反転増幅回路や反転増幅回路が広く使用されている。
また、増幅器の入力段(初段)で発生するノイズについて、増幅器の増幅率が数十倍程度と低い場合には、ノイズの増幅率も低いため、増幅器の出力に表れるノイズのレベルが小さいことから、そのノイズが検出結果に与える影響は無視できる。
しかし、増幅器の入力段で発生するノイズについて、増幅器の増幅率が数百倍以上と高い場合には、ノイズの増幅率も高くなるため、増幅器の出力に表れるノイズのレベルが大きくなることから、そのノイズが検出結果に影響を与えて誤検出が起こり易くなる。
また、ノイズが定常的に安定して発生する場合には、検出装置の出荷検査にて当該ノイズが発生している検出装置をリジェクトすることが可能である。
また、ポップコーンノイズの発生はランダムであり、定常的に安定して発生するとは限らず、検出装置の出荷検査時に発生しないことも度々あるため、ポップコーンノイズが低い出現頻度で発生する検出装置については、出荷検査で完全にリジェクトすることが困難であるという問題がある。
このように、特許文献1の技術では、複数の赤外線センサを用いるため、部品コストが増大するという問題がある。
請求項2に記載の発明は、検出対象物の情報を検出し、その情報に対応した検出信号を生成するセンサと、そのセンサの検出信号を増幅してアナログ信号である出力信号を生成する複数の増幅器と、その複数の増幅器の出力信号を切り替え、前記各増幅器の出力信号のいずれか1つを出力する信号切替回路と、その信号切替回路から出力されたアナログ信号である出力信号をAD変換してデジタル信号を生成するAD変換器と、そのAD変換器が生成した前記各増幅器の出力信号のデジタル信号について、各出力信号のレベル変化を比較し、前記各増幅器の出力信号のレベル変化が全て同期していれば、当該出力信号が前記センサの検出信号によるものと判定する判定手段と、その判定手段が前記センサの検出信号によるものであると判定した出力信号に基づいて検出結果を得る検出手段とを備えた検出装置を技術的特徴とする。
請求項4に記載の発明は、検出対象物の情報を検出し、その情報に対応した検出信号を生成するセンサと、そのセンサの検出信号を増幅してアナログ信号である出力信号を生成する3つ以上の複数の増幅器と、その複数の増幅器の出力信号を切り替え、前記各増幅器の出力信号のいずれか1つを出力する信号切替回路と、その信号切替回路から出力されたアナログ信号である出力信号をAD変換してデジタル信号を生成するAD変換器と、そのAD変換器が生成した前記各増幅器の出力信号のデジタル信号について、各出力信号のレベル変化を比較し、そのレベル変化の同期性を多数決原理によって判定することにより、前記各増幅器の出力信号のうち過半数を超える出力信号のレベル変化が同期していれば、その同期している過半数の出力信号が前記センサの検出信号によるものと判定する判定手段と、その判定手段が前記センサの検出信号によるものであると判定した出力信号に基づいて検出結果を得る検出手段とを備えた検出装置を技術的特徴とする。
請求項1の発明において、判定手段は、各増幅器の出力信号のレベル変化が全て同期していれば、当該出力信号がセンサの検出信号によるものと判定する。
言い換えると、判定手段は、各増幅器の出力信号のレベル変化のうち1つでも非同期ならば、同期している出力信号が全て前記各増幅器の内部で発生した何らかのノイズによるものであると判定する。
それに対して、センサの検出信号を各増幅器が増幅して各出力信号が生成された場合には、各増幅器が同一特性であり信号増幅に伴う信号遅延時間も同一であれば、各出力信号のレベル変化は必ず同期している。
同様に、各出力信号のレベル変化が非同期ならば、各出力信号が全て前記各増幅器の内部で発生した何らかのノイズによるものであると考えるのが妥当である。
そして、判定手段は、各出力信号の同期性がある場合にのみ、その出力信号に基づいて検出結果を得る。
また、請求項1の発明によれば、1つのセンサだけしか用いないため、複数のセンサを用いる特許文献1の技術に比べて、部品コストを低く抑えることができる。
請求項3の発明において、判定手段は、複数の増幅器の出力信号のレベル変化の同期性を多数決原理によって判定することにより、各増幅器の出力信号のうち過半数を超える出力信号のレベル変化が同期していれば、その同期している過半数の出力信号がセンサの検出信号によるものと判定する。
言い換えると、判定手段は、各増幅器の出力信号のうち過半数に満たない出力信号のレベル変化しか同期していなければ、同期している出力信号が全て各増幅器の内部で発生した何らかのノイズによるものであると判定する。
それに対して、センサの検出信号を各増幅器が増幅して各出力信号が生成された場合には、各増幅器が同一特性であり信号増幅に伴う信号遅延時間も同一であれば、各出力信号のレベル変化は必ず同期している。
しかし、各増幅器のうち、いずれかの増幅器に不具合が起こることがあり、その場合、不具合を起こした増幅器の出力信号のレベル変化は、正常な増幅器の出力信号のレベル変化と非同期になるおそれがある。
同様に、各増幅器の出力信号のうち過半数に満たない出力信号のレベル変化しか同期していなければ、同期している出力信号が全て前記各増幅器の内部で発生した何らかのノイズによるものであると考えるのが妥当である。
そして、判定手段は、各出力信号の同期性がある場合にのみ、その出力信号に基づいて検出結果を得る。
加えて、請求項3の発明によれば、各増幅器のいずれかに不具合が起こった場合でも、請求項1の発明と同様の作用・効果を得ることが可能になり、請求項1の発明に比べてロバスト性を向上させることができる。
図1は、第1実施形態の検出装置10の概略構成を示すブロック回路図である。
検出装置10は、センサ11、増幅器12a,12b、信号切替回路13、AD変換器14、信号処理・判定回路15から構成されている。
信号切替回路13は、各増幅器12a,12bの出力信号Va,Vbを切り替え、増幅器12aの出力信号Vaと増幅器12bの出力信号Vbのいずれか一方をAD変換器14へ出力する。
AD(Analog-to-Digital)変換器14は、アナログ信号である出力信号Va,VbをAD変換してデジタル信号を生成する。
ちなみに、AD変換器14として市販の2入力型AD変換器を用いれば、2入力型AD変換器は2つの入力を切り替える機能があり、その機能は信号切替回路13の機能と同じであるため、信号切替回路13を省くことができる。
次に、信号処理・判定回路15は、各出力信号Va,VbをAD変換したデジタル信号のレベル変化を比較し、その比較結果に基づいて、各出力信号Va,Vbがセンサ11の検出信号Sによるものか又は増幅器12a,12bの内部で発生したノイズによるものかを判定する。
そして、信号処理・判定回路15は、各出力信号Va,Vbがセンサ11の検出信号Sによるものであると判定した場合、その出力信号Va,Vbに基づいて検出結果を得る。
各増幅器12a,12bは、オペアンプOPおよび帰還抵抗R1,R2から構成された非反転増幅回路である。
そのため、出力信号Va,Vbは検出信号Sと同位相になる。また、出力信号Va,Vbは、各帰還抵抗R1,R2によって決定された増幅率で検出信号Sを電圧増幅すると共に、その増幅した電圧値を基準電圧Vrおよび各帰還抵抗R1,R2によって設定された基準レベルから変化させた電圧値になる。
各増幅器12a,12bは、オペアンプOPおよび帰還抵抗R1,R2から構成された反転増幅回路である。
そのため、出力信号Va,Vbは検出信号Sと逆位相になる。また、出力信号Va,Vbは、各帰還抵抗R1,R2によって決定された増幅率で検出信号Sを電圧増幅すると共に、その増幅した電圧値を基準電圧Vrおよび各帰還抵抗R1,R2によって設定された基準レベルから変化させた電圧値になる。
図4(A)に示すように、各出力信号Va,Vbのレベル変化が同期していれば(同期性があれば)、信号処理・判定回路15は、各出力信号Va,Vbの両方がセンサ11の検出信号Sによるものであると判定する。
図4(B)に示すように、各出力信号Va,Vbのレベル変化が非同期ならば(同期性がなければ)、信号処理・判定回路15は、各出力信号Va,Vbの両方が増幅器12a,12bの内部で発生した何らかのノイズ(例えば、ポップコーンノイズなど)によるものであると判定する。
同様に、各出力信号Va,Vbのレベル変化が非同期ならば、各出力信号Va,Vbの両方が増幅器12a,12bの内部で発生した何らかのノイズによるものであると考えるのが妥当である。
そして、信号処理・判定回路15は、図4(A)に示すように、各出力信号Va,Vbの同期性がある場合にのみ、その出力信号Va,Vbに基づいて検出結果を得る。
図5は、第2実施形態の検出装置20の概略構成を示すブロック回路図である。
検出装置20は、センサ11、増幅器12a〜12c、信号切替回路21、AD変換器14、信号処理・判定回路22から構成されている。
第2実施形態において、第1実施形態と異なるのは以下の点だけである。
尚、各出力信号Va〜Vcの生成時間に対して信号切替回路21およびAD変換器14の動作は極めて高速であるため、1つのAD変換器14の入力を信号切替回路21で切り替えるだけで、各出力信号Va〜Vcの正確なAD変換を各出力信号Va〜Vcのそれぞれに対して個別に行うことが可能であり、各増幅器12a〜12c毎に別個のAD変換器を設ける必要はない。
ちなみに、AD変換器14として市販の3入力型AD変換器を用いれば、3入力型AD変換器は3つの入力を切り替える機能があり、その機能は信号切替回路21の機能と同じであるため、信号切替回路21を省くことができる。
次に、信号処理・判定回路22は、各出力信号Va〜VcをAD変換したデジタル信号のレベル変化を比較し、その比較結果に基づいて、各出力信号Va〜Vcがセンサ11の検出信号Sによるものか又は増幅器12a〜12cの内部で発生したノイズによるものかを判定する。
そして、信号処理・判定回路22は、出力信号Va〜Vcがセンサ11の検出信号Sによるものであると判定した場合、その出力信号に基づいて検出結果を得る。
図6(A)は、3つの出力信号Va〜Vcのレベル変化が全て同期しており、信号処理・判定回路22が各出力信号Va〜Vcの全てをセンサ11の検出信号Sによるものであると判定する場合を示す例である。
図6(B)は、2つの出力信号Vb,Vcのレベル変化が同期しており、信号処理・判定回路22が各出力信号Vb,Vcの両方をセンサ11の検出信号Sによるものであると判定する場合を示す例である。
図6(C)は、2つの出力信号Va,Vcのレベル変化が同期しており、信号処理・判定回路22が各出力信号Va,Vcの両方をセンサ11の検出信号Sによるものであると判定する場合を示す例である。
しかし、各増幅器12a〜12cのうち、いずれか1つの増幅器に不具合が起こることがあり、その場合、不具合を起こした増幅器の出力信号のレベル変化は、正常な増幅器の出力信号のレベル変化と非同期になるおそれがある。
同様に、各出力信号Va〜Vcのレベル変化が全て非同期ならば、同期している出力信号が全て増幅器12a〜12cの内部で発生した何らかのノイズによるものであると考えるのが妥当である。
言い換えると、信号処理・判定回路22は、3つの出力信号Va〜Vcのレベル変化の同期性について多数決原理によって判定し、過半数(この場合は2つ)に満たない出力信号Va〜Vcのレベル変化しか同期していない場合には、同期している出力信号が全て増幅器12a〜12cの内部で発生した何らかのノイズによるものであると見なすわけである。
すなわち、信号処理・判定回路22は、同期している出力信号Va〜Vcのみに基づいて検出結果を得るわけである。
すなわち、第2実施形態によれば、増幅器12a〜12cの増幅率が高い場合に、増幅器12a〜12cの入力段でランダムなノイズが発生し、そのノイズが信号処理・判定回路22によるローパスフィルタ処理で除去不能なほど長時間に渡って発生するものであったとしても、そのノイズが検出結果に与える影響を排除して正確な検出結果を得ることができる。
また、第2実施形態によれば、1つのセンサ11だけしか用いないため、複数のセンサを用いる特許文献1の技術に比べて、部品コストを低く抑えることができる。
尚、増幅器12a〜12cに起こる不具合には、例えば、出力信号Va〜Vcを生成不能になる故障、増幅率が低下して出力信号Va〜Vcのレベルが正常な検出結果を得るのに必要なレベルに達しなくなる故障、増幅器12a〜12cを構成するオペアンプOPのオフセット変動が過大になって正常な出力信号Va〜Vcを生成不能になる故障、などがある。
そして、MOS入力タイプはバイポーラ入力タイプに比べて、オフセット変動が大きいというデメリットがあるが、第2実施形態によれば当該デメリットが検出結果に与える影響を排除できる。
ところで、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
このように、3つ以上の複数の増幅器を設ければ、増幅器の個数分だけ第1実施形態の作用・効果を更に高めることができる。
この場合、信号処理・判定回路15は、各増幅器の出力信号のレベル変化が全て同期していれば、各出力信号がセンサ11の検出信号Sによるものと判定すればよい。
言い換えると、信号処理・判定回路15は、各増幅器の出力信号のレベル変化のうち1つでも非同期ならば、同期している出力信号が全て各増幅器の内部で発生した何らかのノイズによるものであると判定すればよい。
このように、4つ以上の複数の増幅器を設ければ、増幅器の個数分だけ第2実施形態の作用・効果を更に高めることができる。
この場合、信号処理・判定回路22は、各増幅器の出力信号のレベル変化の同期性を多数決原理によって判定し、過半数を超える出力信号のレベル変化が同期していれば、同期している過半数の出力信号がセンサ11の検出信号Sによるものと見なせばよい。
11…センサ
12a〜12d…増幅器
13,21…信号切替回路
14…AD変換器
15,22…信号処理・判定回路(判定手段、検出手段)
S…検出信号
Va〜Vc…出力信号
OP…オペアンプ
R1,R2…帰還抵抗
Claims (4)
- 検出対象物の情報を検出し、その情報に対応した検出信号を生成するセンサと、
そのセンサの検出信号を増幅して出力信号を生成する複数の増幅器と、
その複数の増幅器の出力信号のレベル変化を比較し、前記各増幅器の出力信号のレベル変化が全て同期していれば、当該出力信号が前記センサの検出信号によるものと判定する判定手段と、
その判定手段が前記センサの検出信号によるものであると判定した出力信号に基づいて検出結果を得る検出手段と
を備えたことを特徴とする検出装置。 - 検出対象物の情報を検出し、その情報に対応した検出信号を生成するセンサと、
そのセンサの検出信号を増幅してアナログ信号である出力信号を生成する複数の増幅器と、
その複数の増幅器の出力信号を切り替え、前記各増幅器の出力信号のいずれか1つを出力する信号切替回路と、
その信号切替回路から出力されたアナログ信号である出力信号をAD変換してデジタル信号を生成するAD変換器と、
そのAD変換器が生成した前記各増幅器の出力信号に対応するデジタル信号について、各出力信号のレベル変化を比較し、前記各増幅器の出力信号のレベル変化が全て同期していれば、当該出力信号が前記センサの検出信号によるものと判定する判定手段と、
その判定手段が前記センサの検出信号によるものであると判定した出力信号に基づいて検出結果を得る検出手段と
を備えたことを特徴とする検出装置。 - 検出対象物の情報を検出し、その情報に対応した検出信号を生成するセンサと、
そのセンサの検出信号を増幅して出力信号を生成する3つ以上の複数の増幅器と、
その複数の増幅器の出力信号のレベル変化を比較し、そのレベル変化の同期性を多数決原理によって判定することにより、前記各増幅器の出力信号のうち過半数を超える出力信号のレベル変化が同期していれば、その同期している過半数の出力信号が前記センサの検出信号によるものと判定する判定手段と、
その判定手段が前記センサの検出信号によるものであると判定した出力信号に基づいて検出結果を得る検出手段と
を備えたことを特徴とする検出装置。 - 検出対象物の情報を検出し、その情報に対応した検出信号を生成するセンサと、
そのセンサの検出信号を増幅してアナログ信号である出力信号を生成する3つ以上の複数の増幅器と、
その複数の増幅器の出力信号を切り替え、前記各増幅器の出力信号のいずれか1つを出力する信号切替回路と、
その信号切替回路から出力されたアナログ信号である出力信号をAD変換してデジタル信号を生成するAD変換器と、
そのAD変換器が生成した前記各増幅器の出力信号に対応するデジタル信号について、各出力信号のレベル変化を比較し、そのレベル変化の同期性を多数決原理によって判定することにより、前記各増幅器の出力信号のうち過半数を超える出力信号のレベル変化が同期していれば、その同期している過半数の出力信号が前記センサの検出信号によるものと判定する判定手段と、
その判定手段が前記センサの検出信号によるものであると判定した出力信号に基づいて検出結果を得る検出手段と
を備えたことを特徴とする検出装置。
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