JP4696301B2 - 陽電子ビーム集束方法および集束装置 - Google Patents

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本発明は、磁場で輸送してきた陽電子ビームをターゲットに集束するための陽電子ビーム集束方法および集束装置に関する。
物性計測等に使われる陽電子ビームは、材料の物性計測等では微小な径の陽電子ビームが必要な場合があるが、一般的にソレノイド磁場あるいはヘルムホルツコイルによって発生する地磁気より十分磁場強度の高い0.001テスラ以上の磁場を利用した磁気輸送部で発散を防ぎ真空容器中を輸送される。磁場輸送の陽電子ビームを磁場中で微小なビーム径に集束することは難しい。
ここで、0.001テスラ以上の磁場を磁気輸送磁場、0.001テスラを含んでそれ以下の磁場を弱磁場という。非磁場とは、地磁気と同等かそれより磁場強度の低い磁場をいう。
そこで、磁場中の陽電子ビームを非磁場あるいは弱磁場中に引き出し、非磁場・弱磁場中で陽電子減速材上に集束し入射して減速材から再放出した陽電子を加速し集束する方法が試みられてきた。
陽電子ビームを非磁場あるいは弱磁場中に引き出し、減速材上に集束する方法としては、たとえば、図2に示すように、磁気輸送部内の磁気輸送部の磁場中で陽電子ビームを加速した後、弱磁場へ引き出し、弱磁場に引き出した後に集束レンズによりビームを集束する方法が知られている。( 非特許文献1参照)。
図2は従来の陽電子ビーム集束装置(1)の説明図である。
図2の装置100は、磁場中の電場により陽電子ビームを加速する加速部102を備えた磁気輸送部101と、磁気輸送部101で発生する磁場が支配的な磁場領域からビーム方向に離して次段の弱磁場又は非磁場領域内に設ける集束レンズ103と、集束レンズ103を透過し集束した陽電子ビームが衝突し陽電子を再放出する減速材104と、減速材104から再放出された陽電子ビームを加速する加速部105と、加速部105で加速された陽電子ビームを集束する集束レンズ106を有する。
また、図3に示すように、磁気輸送部内の磁場中で陽電子ビームを加速し、磁気輸送部の一部を覆うように設置した磁気シールドを通して磁場領域から弱磁場領域へ引き出し、弱磁場領域に引き出した後に集束レンズによりビームを集束する方法が知られている。(非特許文献2参照)。
図3は従来の陽電子ビーム集束装置(2)の説明図である。
図3の装置107は、磁場中の電場により陽電子ビームを加速する加速部102を備えた磁気輸送部101と、磁気輸送部101と弱磁場又は非磁場領域の間に位置し、磁気輸送部101で発生する磁場の弱磁場又は非磁場領域への浸入を遮蔽する磁気シールド部108と、磁気シールド部108を通過した陽電子ビームを集束する集束レンズ103と、集束レンズ103を透過し集束した陽電子ビームが衝突し陽電子を再放出する減速材104と、減速材104から再放出された陽電子ビームを加速する加速部105と、加速部105で加速された陽電子ビームを集束する集束レンズ106を有する。
磁気シールド部108は、筒状体の一方端に設けた端板に、中央に陽電子ビームが通過できる開孔を有する。陽電子ビームが通過できる開孔を有するならば、全体は任意の形状にできる。
また、図4に示すように、磁気輸送部内の磁場中で陽電子ビームを加速し、集束レンズの一部または全体を覆うように設置した磁気シールドを通して磁場領域から弱磁場領域へ引き出し、弱磁場領域に引き出した後に集束レンズによりビームを集束する方法が知られている。(非特許文献3)
図4は従来の陽電子ビーム集束装置(3)の説明図である。
図4の例は、図3の装置と比べると、磁気シールド109の配置場所が異なっている。磁気シールド109を除く他の構成要素は同じ構成を有するので、図3の説明を援用し、ここでは説明を省略する。
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図2の例では、磁気輸送部101で発生する0.001テスラ以上の磁気輸送磁場は、陽電子ビームを陽電子ビーム発生源から陽電子ビームの利用場所に輸送するために必要であるが、他方磁場中を通過する陽電子ビームは集束レンズを用いてビーム径を小さくすることが難しい。集束レンズにより陽電子ビームを絞るためには、陽電子ビームを弱磁場領域に適切なビーム径で直進性を良くして引き出す必要があるが、従来の手法では、磁気輸送部の磁気輸送磁場領域から弱磁場領域に引き出すさいに、ビームの直進性が悪くなる。そのため、陽電子ビームは集束レンズ103を介しても所望のようにビーム径が小さくならない。その結果、減速材104に当たる単位面積あたりの陽電子ビームの強度は低くなり、減速材より放出される単位面積あたりの陽電子ビーム強度が減少してしまう。これでは実用に供しない。
図3および図4の例では、磁気輸送部101で発生する強磁界を磁気シールドで遮蔽し弱磁場領域を形成できるが、磁気輸送部101から弱磁場領域に引き出された陽電子ビームは直進性が悪くなりビーム径が小さくならない。直進性が悪い陽電子ビームは集束レンズ103を介しても所望のようにビーム径が小さくならない。その結果、減速材104に当たる単位面積あたりの陽電子ビームの強度は低くなり、減速材より放出される単位面積あたりの陽電子ビーム強度が減少してしまう。これでは実用に供しない。
微小なビーム径を得るには、非磁場・弱磁場中の陽電子減速材に入射する陽電子ビームの直進性を良くする必要がある。しかし、これまでの方法では、磁場から非磁場あるいは弱磁場に引き出す際にビームの直進性が悪くなり、それによりその後のレンズでの集束具合も悪かった。このような方法でビームを減速材に入射すると、再放出した陽電子を加速し集束しても、たとえば磁場輸送部中の磁場中で10mm径のビームを10μmといった微小な径にすることは困難であった。そのため、減速材から再放出した陽電子を加速集束して再び減速材に入射し、この減速材で再放出した陽電子の径を小さくするためにさらに加速集束しなければならなかった。このように減速材への入射、再放出した陽電子の加速・集束を複数段行うと、ビーム強度が一段あたり数分の一に減少することから、ビーム強度が低下するという問題があった。また、装置が複雑になるとう問題もあった。
本発明の目的は、陽電子ビームを陽電子ビーム源から利用場所にまで輸送してくるための磁気輸送磁場領域と、陽電子ビーム径が小さくなるように集束させる弱磁場又は非磁場領域とを近接させながら、直進性の良いビームを弱磁場または非磁場領域に引き出しビーム径を小さくする陽電子ビーム集束方法および集束装置を提供することにある。
陽電子ビーム源にて生成され一般に数ミリのビーム径をもつ陽電子ビームは、一般にビームの進行方向とは垂直方向の運動エネルギーの幅(約1eV(エレクトロンボルト))をもっているため、陽電子ビーム源で生成直後のビーム径よりもさらにビーム径が数ミリ拡がらないように利用場所まで輸送するためには、約0.001テスラ(T)以上の磁場が必要である。本発明では、上記目的を達成するため、引き出し用コイルを磁気輸送部が形成する0.001テスラ以上の磁気輸送磁場領域と非磁場・弱磁場領域の間に設置して、このコイルに磁気輸送部が形成するビーム輸送磁場とは逆向きの磁場を発生させ、磁気輸送部の磁場中から、弱磁場あるいは非磁場領域に直進性の高い陽電子ビームを引き出す。例えば、引き出し用コイルが発生する磁気輸送部の磁場とは逆向きの磁場の強度は、ひき出し用コイルの設置場所に磁気輸送部のコイルが形成する磁場の強さの50%〜150%としたとき、逆向きの磁場をかけない場合に比べて適切なビーム径で顕著に直進性の良いビームが引き出せる。
図5は本発明の磁場強度分布特性図である。
図6は従来の引き出し用コイル不使用時のビーム軌道の図である。
図7は本発明の引き出し用コイル使用時のビーム軌道の図である。
図5に、引き出し用コイルに磁場を発生させなかった場合におけるビーム軸上の磁場の分布図と、引き出し用コイルに磁場輸送部の磁場とは逆向きの磁場を発生させる場合のビーム軸上の磁場の分布図を示す。横軸Zは磁気輸送部(内部)から弱磁場領域(内部)までのビーム方向の距離(m)、縦軸は磁場の強さ(fBZ)を単位テスラで表す。引き出し用コイルを使用しない場合の特性と引き出し用コイルを使用する場合の特性は、距離Zが0.3〜0.5mの範囲で磁場の強さに顕著に差がでる。この特性の差から、本発明の引き出し用コイルを使用する場合、最初の集束レンズの位置を、例えば、Z=0.6m以上にすると(図7参照)、ビームの直進性が良くなり好ましい結果が出る。前記好ましい結果がでる位置は、図5の特性から、適宜選択する。
図6には、従来のように、引き出し用コイルおよび磁気シールドを有しない場合で、引き出し用コイルに磁場を発生させなかった場合に3keV陽電子ビームが、磁気輸送磁場(あるいは、磁気輸送部の磁場)中から弱磁場・非磁場中に引き出される際の軌道計算の結果を示す。陽電子ビームは弱磁場・非磁場領域で発散する。横軸Zは磁気輸送部(内部)から弱磁場領域(内部)までのビーム方向の距離(m)、縦軸はビームライン幅(m)で表す。図のように直進性の悪いビームは集束させようとしても、小さい径とするのに限度があった。
図7には、本発明のように、引き出し用コイルに磁場輸送部の磁場とは逆向きの磁場を発生させた場合における、3keVの陽電子ビームが磁気輸送部の磁場中から、弱磁場・非磁場中に引き出される際の軌道計算の結果を示す。陽電子ビームは弱磁場・非磁場領域で、直進性のよいビームとなる。
図7の場合、引き出し用コイルを距離Zが0.36m付近に配置した場合の例である。弱磁場あるいは非磁場に引き出された直進性の高いビームは、磁気レンズあるいは静電レンズ等の集束レンズを用いて集束し、微小な径で減速材上に入射する。減速材から再放出された陽電子ビームは、加速と集束を行うことにより、さらに微小な径のビームにすることができる。
具体的には、以下のようになる。
(1)陽電子ビーム集束方法は、磁気輸送部の磁場中で陽電子ビームを加速する手順1、前記加速された陽電子ビームを該陽電子ビームの進行方向において前記磁場の方向とは逆方向に磁場を重ね合わせて弱磁場領域に引き出し集束する手順2、からなることを特徴とする。
(2)陽電子ビーム集束方法は、磁気輸送部の磁場中で陽電子ビームを加速する手順1、
前記加速された陽電子ビームを該陽電子ビームの進行方向において前記磁場の方向とは逆方向に磁場を重ね合わせて弱磁場領域に引き出し集束する手順2、前記集束された陽電子ビームを減速材によって減速し弱磁場領域において加速し集束する手順3、からなることを特徴とする。
(3)上記(1)又は(2)記載の陽電子ビーム集束方法は、前記逆方向の磁場を、前記手順1の磁場が前記逆方向の磁場の発生している場所に形成する磁場の強さの50パーセントから150パーセントのうちの任意の値に設定したことを特徴とする。
(4)陽電子ビーム集束装置は、少なくとも、陽電子ビームの加速部を含む磁気輸送部と、前記磁気輸送部の磁場中から非磁場あるいは弱磁場中に陽電子ビームを引き出すための1つ以上の磁気輸送部の磁場とは逆方向の磁場を発生する引き出し用コイルとを有することを特徴とする。
(5)上記(4)記載の陽電子ビーム集束装置は、陽電子ビームの加速部を含む磁気輸送部と、前記磁気輸送部の磁場中から非磁場あるいは弱磁場中に陽電子ビームを引き出すための1つ以上の引き出し用コイルと、前記非磁場あるいは弱磁場中に引き出された陽電子ビームを集束する集束レンズと、集束した前記陽電子ビームを減速する減速材と、前記減速材から再放出された陽電子ビームを加速する加速部と、前記加速部により加速された陽電子ビームを集束する集束レンズとを有し、前記引き出し用コイルの発生磁場の向きを前記磁気輸送部の磁場の方向と逆方向にしたことを特徴とする。
(6)上記(4)又は(5)記載の陽電子ビーム集束装置は、前記引き出し用コイルの磁場を、前記磁気輸送部が前記引き出し用コイル磁場の発生している場所に形成する磁場の強さの50パーセントから150パーセントのうちの任意の値にし、磁場の向きを逆方向に設定したことを特徴とする。
(7)上記(4)乃至(6)のいずれか1項記載の陽電子ビーム集束装置は、前記磁気輸送部の磁場の強さを0.001テスラ(T)以上としたことを特徴とする。
本発明は、引き出し用コイルを用いたので、非磁場あるいは弱磁場に引き出した陽電子のビーム直進性が良く、集束レンズを用いてビーム径を減速材上で従来の方法よりも小さくできることから、たとえば磁場輸送部中の磁気輸送部の磁場中で10mm径のビームを減速材に入射・再放出した陽電子ビームを加速し集束することで10μmといった微小な径にすることができる。また、従来陽電子の減速材への入射・再放出陽電子の加速集束が2段以上必要だったものの段数を減らすことができる。これによって集束効率を高めることができるだけでなく、部品点数を減らすことができ、より安価にできる。さらに、装置をコンパクトにできる。
本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
本発明は、材料の物性計測などに用いられる陽電子ビームを効率的に磁場中から非磁場あるいは弱磁場中に引き出し集束する陽電子ビーム集束方法及び集束装置に関する。
図1は本発明の実施例1の陽電子ビーム集束装置の説明図である。
図1の装置1は、電場により陽電子ビームを加速する加速部2aを備えた磁気輸送部2と、磁気輸送部2で発生する磁場が支配的な磁場領域からビーム方向に離して次段の弱磁場又は非磁場領域内に設ける集束レンズ4と、集束レンズ4を透過し集束した陽電子ビームが衝突し陽電子を再放出する減速材5と、減速材5から再放出された陽電子ビームを加速する加速部6と、加速部6で加速された陽電子ビームを集束する集束レンズ7を有する。磁気輸送部2と集束レンズ4の間のビーム径路に沿って特定位置に引き出し用コイル3を設ける。引き出し用コイル3は、ビーム径路に沿って複数設けることができる。
引き出し用コイル3の発生磁場の向きは磁気輸送部2の発生磁場の向きと反対に設定する。また、引き出し用コイル3の発生磁場の強さは磁気輸送部2の発生磁場の強さの50〜150パーセントのうちの任意の値に設定する。
図1に示すように、陽電子ビームの加速部を含んだ磁気輸送部2と、磁気輸送部2の磁場中から非磁場あるいは弱磁場中に引き出すための1つ以上の引き出し用コイル3と、非磁場あるいは弱磁場中に引き出した後に集束する集束レンズ4と、集束したビームを減速する減速材5と、減速材5から再放出した陽電子ビームを加速する加速部6と、集束レンズ7で構成され、引き出し用コイル3の発生磁場の向きを磁気輸送部2の磁場の方向と逆転させることを特徴とすることにより、磁気輸送部2の磁場中から、弱磁場あるいは非磁場領域に直進性の高い陽電子ビームを引き出す。例えば、引き出し用コイル3が発生する磁気輸送部2の磁場とは逆向きの磁場の強度は、ひき出し用コイル3の設置場所に形成する磁場の強さの例えば50%としたとき、直進性の良いビームが引き出せる。弱磁場あるいは非磁場に適切な径で引き出された直進性の高いビームは、磁気レンズあるいは静電レンズ等の集束レンズを用いて集束し、微小な径で減速材に入射する。減速材から再放出された陽電子ビームは、加速と集束を行うことにより、さらに微小な径のビームにすることができる。本発明により、陽電子ビームを用いた計測法の応用範囲が飛躍的に広がる。
図8は本発明の実施例2の陽電子ビーム集束装置の説明図である。
図8では、ビーム径路に沿って、磁気輸送部12、引き出し用コイル13、集束レンズ14、減速材15、陽電子ビーム加速部16、集束レンズ17、減速材(または、測定物)18を所定間隔で配置する。磁気輸送部12から放出された陽電子ビームは引き出し用コイルの磁場により直進性を保ちながら集束レンズ14へ向けられる。磁気輸送部12は、図1の磁気輸送部2の円筒状の輸送用コイル(ソレノイドコイル)のかわりに輸送用コイルとしてリング状のコイル(ヘルムホルツコイル)を複数並べることにより構成される。
図8に示すように、装置に約0.007Tの磁場中で10mm径の陽電子ビームを3keVで加速し、引き出し用コイルに逆向きの磁場を発生するように電流を流し、集束レンズ14を用いて集束したところ、集束点で1mm以下のビーム径が得られた。この位置にタングステンやニッケル等の陽電子ビーム用の減速材15を置いて陽電子を減速させ、減速材から再放出した陽電子ビームを再び加速し集束レンズ17で集束させることにより、10μm程度の陽電子ビームを得ることができる。したがって、従来陽電子の減速材15への入射・再放出陽電子の加速集束が2段以上必要だったものを1段で済ませることができる。これによって集束効率を高めることができるだけでなく、加速・集束の段数が減ることにより、部品点数を減らすことができ、より安価にできる。
図8に示した実施例では、一度、減速材15に陽電子ビームを入射した後、入射した面とは逆の面から再放出する陽電子ビームを再び加速し集束することにより微小な径の陽電子ビームを得ている。
図9は本発明の実施例3の陽電子ビーム集束装置の説明図である。
図9の例は、実質的に、図8の例における減速材15に陽電子を入射した後、入射した側の面から放出される減速した陽電子を利用する場合である。この例では、集束レンズ19および21が図1および図8の例と異なる構成のもので構成する。そのほかの図8の例と同じ番号の部品は、図8の説明を援用して、ここでは説明を省略する。
図9に示した実施例のように、一度、減速材に陽電子ビームを入射した後、入射した面と同じ面から再放出する陽電子ビームを再び加速し集束することにより微小な径の陽電子ビームを得ることもできる。
本発明の実施例1の陽電子ビーム集束装置の説明図である。 従来の陽電子ビーム集束装置(1)の説明図である。 従来の陽電子ビーム集束装置(2)の説明図である。 従来の陽電子ビーム集束装置(3)の説明図である。 本発明の磁場強度分布特性図である。 従来の引き出し用コイル不使用時のビーム軌道の図である。 本発明の引き出し用コイル使用時のビーム軌道の図である。 本発明の実施例2の陽電子ビーム集束装置の説明図である。 本発明の実施例3の陽電子ビーム集束装置の説明図である。
符号の説明
1、10、20 陽電子ビーム集束装置
2 磁気輸送部
2a 加速部
3、13 引き出し用コイル
4、7、14、17、19、21 集束レンズ
5、15、18 減速材
6、16 加速部
12 磁気輸送部

Claims (7)

  1. 磁気輸送部の磁場中で陽電子ビームを加速する手順1、前記加速された陽電子ビームを該陽電子ビームの進行方向において前記磁場の方向とは逆方向に磁場を重ね合わせて弱磁場領域に引き出し集束する手順2、からなることを特徴とする陽電子ビーム集束方法。
  2. 磁気輸送部の磁場中で陽電子ビームを加速する手順1、前記加速された陽電子ビームを該陽電子ビームの進行方向において前記磁場の方向とは逆方向に磁場を重ね合わせて弱磁場領域に引き出し集束する手順2、前記集束された陽電子ビームを減速材によって減速し弱磁場領域において加速し集束する手順3、からなることを特徴とする陽電子ビーム集束方法。
  3. 前記逆方向の磁場を、前記手順1の磁場が前記逆方向の磁場の発生している場所に形成する磁場の強さの50パーセントから150パーセントのうちの任意の値に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の陽電子ビーム集束方法。
  4. 少なくとも、陽電子ビームの加速部を含む磁気輸送部と、前記磁気輸送部の磁場中から非磁場あるいは弱磁場中に陽電子ビームを引き出すための1つ以上の磁気輸送部の磁場とは逆方向の磁場を発生する引き出し用コイルとを有することを特徴とする陽電子ビーム集束装置。
  5. 陽電子ビームの加速部を含む磁気輸送部と、前記磁気輸送部の磁場中から非磁場あるいは弱磁場中に陽電子ビームを引き出すための1つ以上の引き出し用コイルと、前記非磁場あるいは弱磁場中に引き出された陽電子ビームを集束する集束レンズと、集束した前記陽電子ビームを減速する減速材と、前記減速材から再放出された陽電子ビームを加速する加速部と、前記加速部により加速された陽電子ビームを集束する集束レンズとを有し、前記引き出し用コイルの発生磁場の向きを前記磁気輸送部の磁場の方向と逆方向にしたことを特徴とする請求項4記載の陽電子ビーム集束装置。
  6. 前記引き出し用コイルの磁場を、前記磁気輸送部が前記引き出し用コイル磁場の発生している場所に形成する磁場の強さの50パーセントから150パーセントのうちの任意の値にし、磁場の向きを逆方向に設定したことを特徴とする請求項4又は5記載の陽電子ビーム集束装置。
  7. 前記磁気輸送部の磁場の強さを0.001テスラ以上としたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載の陽電子ビーム集束装置。
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