JPH07270598A - 陽電子発生装置 - Google Patents

陽電子発生装置

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JPH07270598A
JPH07270598A JP6356994A JP6356994A JPH07270598A JP H07270598 A JPH07270598 A JP H07270598A JP 6356994 A JP6356994 A JP 6356994A JP 6356994 A JP6356994 A JP 6356994A JP H07270598 A JPH07270598 A JP H07270598A
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moderator
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JP6356994A
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Inventor
Hirobumi Tanaka
博文 田中
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料の表面界面分析や、格子欠陥分析等を行
う陽電子発生装置において、多量の陽電子ビームを発生
する。 【構成】 複数個平面上に並べて配設された1個当たり
のアイソトープ1から発生する陽電子数は少ないが、複
数個並べることにより、多数の陽電子が発生する。モデ
レータ3に入射した陽電子は該モデレータの表面から垂
直に出る。モデレータ3の中心は下流側にあるため、陽
電子が集束する。このモデレータ3から放射される陽電
子は、引き出し電極4で発生した電界により、さらに集
束されて下流側の輸送部へ導かれ、多量の陽電子ビーム
が発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、陽電子を発生、減速
化し、測定対象物まで導く、陽電子発生装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図31は、例えば「放射線 Vol.18 N
o.2 MAY. 1992」の41ページから54ページに示さ
れたアイソトープを発生源とした従来の陽電子発生装置
の一例の構成を示す模式図である。図において、101
は陽電子を発生する線源部、102はビーム微調整を行
うためのコレクションコイル、103は陽電子を試料部
まで搬送するソレノイド、104はベローズ、105は
50kV耐圧の絶縁ニップル、106は試料が格納され
た試料部である。また、107は試料部を含むチャンバ
内を高真空にするためのソープションポンプ、108は
効率的に高真空とするための液体窒素トラップおよび油
拡散ポンプ、109は陽電子を所定の試料に入射させる
ために、上記試料部106にセットされた複数(この例
では4個)の試料を順次回転させる試料マニュピレータ
ーである。
【0003】また、110は試料の表面分析を行う四重
極質量分析器、111はマグネットベース、112はイ
オンポンプ、113は半導体検出器、114は最終的な
ビーム位置を決定するセラトロン、115は線源部10
1側と試料部106側と連接するゲートバルブである。
また、116はマグネットベース111に設けられたマ
グネット、117は線源部101および試料部106ま
での搬送路を保護する厚さ10mmのアクリル樹脂、1
18は高エネルギー陽電子による消滅γ線が線源部10
1に到達することを防止する遮蔽用鉛、119は加速電
極である。
【0004】また、図32は、例えば「ニュークリア・
インスツルメンツ・アンド・メソッズ・イン・フィジッ
クス・リサーチ(Nuclear Instruments and Methods
inPhysics Research) B62(1991)」の259ページ
から263ページに示されたライナックから発生した電
子ビームを発生源とする従来の陽電子発生装置の例であ
る。図32において、131は線源部に相当するコンバ
ータ、132はコンバータ131で発生した陽電子を減
速するモデレータ、133は陽電子を試料部へ輸送する
ための磁界を発生するソレノイドである。また、134
は試料が格納される試料部、135はターボ分子ポン
プ、136はビーム位置を決定するセラトロン、137
は直流化装置、138はシンチレーションモニタ、13
9は遮蔽用鉛、140はライナックである。
【0005】次に、陽電子発生装置の原理を説明する。
上述した陽電子発生装置は、低速陽電子を表面界面分析
や、格子欠陥分析等を行うための装置であり、大きく分
けると下記の部分に分けることができる。 1.線源部 2.モデレータ部(減速部) 3.輸送部 4.遮蔽部 5.加速部 6.ビーム位置微調整部 7.分別部 8.バンチング部 9.直流化部 10.真空部 11.試料部 上記部分が全ての陽電子発生装置に配設されているわけ
ではないが、以下の議論に必要となる部位について以下
に記述する。なお、バンチング部8、および真空部10
は今回の発明と関係ないので省略する。
【0006】1.線源部 線源部は、陽電子を発生させる部分であり、大きくわけ
ると以下の3種類の形態がある。 1−1 アイソトープを用いて発生させる装置 1−2 ライナックを用いて発生させる装置 1−3 原子炉、イオン加速器等を用いて発生させる装
【0007】本発明は1−1、1−2に関するものであ
るので、以下では1−1、1−2のみについて説明す
る。
【0008】1−1.アイソトープを用いて発生させる
装置の線源部 図33は、図31に示す線源部101を拡大した断面図
である。図33において、151は放射性同位元素(22
Na等)からなり、陽電子を放出するアイソトープ、1
52はアイソトープ151を固定する線源ホルダ、15
3はタングステンで形成されたコンバータ、154はメ
ッシュ状のグリッドで構成されている。
【0009】1−2.ライナックを用いて発生させる装
置の線源部 図32に示すコンバータ131がライナックを用いて陽
電子を発生させる線源部に属する。ライナック140で
発生した電子ビームは、コンバータ131に衝突し、制
動放射により高エネルギーのX線を発生する。あるエネ
ルギー(1.022MeV)以上のX線は、ある確率で対生成によ
り電子と陽電子を発生させる。その内の陽電子を以下の
装置で利用する。
【0010】2.モデレータ部 線源部101(131)で発生した陽電子ビーム(白色
ビームである)は、線源部101(131)の下流のモ
デレータ132(図32を参照)の内部に打ち込まれ、各
種散乱を受けながら減速する。モデレータ132として
は、タングステン、タンタル等の金属を用いるのが一般
的である。そして、数eV程度となった陽電子ビームが
上記モデレータ132の表面から、ある確率で再び放出
される。なお、モデレータ132に電圧をかけている場
合には、その電圧に応じたエネルギーで放出される。こ
の低速化された陽電子ビーム(エネルギー幅、5eV程
度)は輸送部で輸送される。
【0011】3.輸送部 モデレータ132で減速された陽電子ビームは輸送部を
通って試料部134へと導かれる。陽電子は図31に示
すソレノイド103や、図32に示すソレノイド133
のように、一般にヘルムホルツ磁場によって輸送され
る。なお、一部には静電界を用いて輸送しようと試みて
いる研究機関も存在する。磁界強度は一般に40ガウス
程度から200ガウス程度である。
【0012】4.遮蔽部 線源部付近は、非常に多量のγ線、x線、ベータ線等が
発生する。そこで、試料部106(134)における各
種測定を行う時のバックグラウンドノイズとなるのを防
ぐために、鉛等で形成された、図31の遮蔽部118
や、図32の遮蔽部139で遮蔽を行う。また、場合に
よっては中性子も発生するのでボロンやカーボン等を併
せて用いることも多い。
【0013】5.加速部 試料の表面分析にあたっては、格子欠陥の位置を測定す
るために、試料部106(134)において、陽電子の
試料に打ち込む深さを変える必要がある。すなわち、試
料部106(134)の手前で陽電子を加速する必要が
ある。そこで、図31に示す加速電極119により最高
50KeV程度まで静電的に加速を行う。
【0014】6.ビーム位置微調整部 図31、図32の装置には配設されていないが、一般に
陽電子のエネルギーを加速部で変化させると、試料部1
06(134)において陽電子ビームの位置が若干ずれ
る。ビーム位置がずれると、試料の深さ方向の定量的な
データがとれなくなるため、ビーム位置を補正する必要
がある。そのために、一般に棒磁石や、電磁石を試料部
手前に配設してビーム位置補正を行う。
【0015】7.分別部 一般に、輸送部を輸送されるのは低速の陽電子のみでは
なく、高速の陽電子、電子も輸送される。したがって、
試料部106(134)に達する前に、これら高速の陽
電子や電子を除去する必要がある。そのために、図31
に示すように、輸送部に曲率を持たせることにより、高
速の陽電子ビーム、電子ビームを壁に衝突させて除去す
るようになっている。また、低速の電子ビームは加速部
で加速されないので取り除かれる。また、図31、図3
2には配設されていないが、E×Bフィルタを配設する
ことにより、電子や高速の陽電子ビームを除去している
装置もある。
【0016】9.直流化部 前述したライナックの電子ビームを用いて陽電子を発生
させる装置の場合、陽電子はライナックの電子ビームと
同様なパルスビームとなる。このパルスビームを、その
まま試料部134で使用すると、ある短い時間(数百ナ
ノ秒から数マイクロ秒)に大量の計測数が生じるので、
測定器が飽和してしまい測定不能となる。そこで、パル
スビームを直流化する必要がある(図32の直流化装置
137)。この装置は、装置の最上流側(線源部に相当
するコンバータ131に近い部分)と最下流側(試料部
134に近い部分)に電極を配設し、そこにパルス的な
電圧をかけ、陽電子ビームを貯蔵したり下流側へ通した
りの制御を行う。
【0017】11.試料部 試料部は、陽電子を試料に当てる部分である。図31に
示す陽電子発生装置では、半導体検出器113、試料マ
ニュプレーター109、および4重極質量分析器110
がこの部分に属する。また、図32に示す陽電子発生装
置では、試料部134、シンチレーションモニタ138
等がこの部分に属する。図31に示す半導体検出器11
3、図32に示すシンチレーションモニタ138は、陽
電子が試料内部で消滅した時に発生する消滅γ線を検出
するものであり、図31に示す試料マニュプレーター1
09は試料を回転させたり交換したりする時に用いる。
また、図31に示す4重極質量分析器110は、試料部
106において蒸着等の作業を行う時のガス分析をした
りする際に用いられる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来の陽電子発生装置
は以上のように構成されているので、下記のような問題
点があった。
【0019】(問題点1)アイソトープを線源とした従
来の陽電子発生装置では、発生する低速陽電子の数が1
00000個程度であり、寿命測定等を行うには強度が
弱く、長い計測時間を必要とするという問題点があっ
た。
【0020】(問題点2)アイソトープを線源とした従
来の陽電子発生装置では、装置の保守を行う時に線源か
ら発生する陽電子やγ線等による被爆の危険性が高いと
いう問題点があった。
【0021】(問題点3)アイソトープを線源とした従
来の陽電子発生装置では、保守等を行った後、アイソト
ープを所定の位置に取り付ける際に、元の位置すなわち
設計値に合わせて設置することが難しいという問題点が
あった。
【0022】(問題点4)モデレータ132は、陽電子
を低速化しているうちに表面に格子欠陥が発生したり、
炭素等が付着したりして、低速陽電子の発生効率が落ち
る。したがって、定期的にモデレータ132をアニーリ
ングする必要があった。しかしながら、従来の陽電子発
生装置では、モデレータ132のアニーリングを行う際
には、一旦大気に出して行うので、アニーリングをした
後、再度装置に組み込む時に再度付着物がつき、発生効
率が落ちるという問題があった。また、装置中でアニー
リングが可能な装置もあるが(電子ビーム照射でアニー
リングする)、電子ビーム照射によって炭素が付着する
といった問題点があった。
【0023】(問題点5)ライナックを線源とした従来
の陽電子発生装置では、コンバータ(以下、ターゲット
という)131で発生した大量のγ線、中性子線、電子
線等が、直接、モデレータ132に衝突するので、モデ
レータ132の損傷が激しかった。また、モデレータ1
32で発生する低速陽電子のエミッタンスが大きくなっ
てしまうといった問題点があった。
【0024】(問題点6)従来の陽電子発生装置では、
陽電子を加速するために、線源部101を高圧にうかせ
るか、試料部106を負の高圧に浮かせる必要がある。
試料部106を浮かせるのは、測定時に種々の制約があ
るので、通常は線源部101を高圧に浮かせる。一方、
ライナックを線源とした従来の陽電子発生装置では、ラ
イナックを高圧に浮かせることは不可能であるので、通
常、ライナック部と線源部(ターゲット131)を電気
的に切り離す必要がある。また、ターゲット131は非
常に発熱するため、冷却水で冷やす必要がある。通常、
ターゲット131の真空は、ライナック部と、モデレー
タ以降の下流部とに切り離す。ところで、ライナックを
線源とした従来の陽電子発生装置では、ターゲット13
1で発生した陽電子がモデレータ部に達するまでに真空
フランジ等の金属部を通るため、強度が弱くなったり、
またビームの発散角が大きくなるといった問題点があっ
た。
【0025】(問題点7)従来の陽電子発生装置では、
輸送部は、全て磁場で輸送するか、全て電界で輸送して
いた。全て磁場で輸送する場合には、試料部106(1
34)における陽電子は螺旋運動をしているので、角度
の情報が失われて精密な測定を行うことができないとい
う問題点があった。また、電界で輸送する場合には、輸
送の途中でビームが広がってしまい、試料部106(1
34)に達するまでに、かなりの陽電子が失われてしま
うという問題点があった。また、最近、最初は磁場で輸
送し、ある位置で電界輸送に切り替えるといった装置も
現れてきたが、この場合、線源部には磁界がかかってい
るので、モデレータ153(132)から発生する陽電
子ビームのエミッタンスが大きくなるといった問題点が
あった。
【0026】(問題点8)従来の陽電子発生装置では、
直流化部の電極を通る時に電極の作る電界によって陽電
子のビーム径が広がるといった問題点があった。
【0027】(問題点9)従来の陽電子発生装置では、
陽電子ビームの試料への入射位置を制御する手段がなか
ったため、格子欠陥等の2次元マップを迅速に測定する
ことができないといった問題点があった。
【0028】(問題点10)従来の陽電子発生装置で
は、パルス化を行う時に多量の陽電子が失われるといっ
た問題点があった、また、自由にパルスの幅や周期を変
えることが難しいといった問題点があった。
【0029】(問題点11)従来の陽電子発生装置で
は、陽電子の加速エネルギーを変化させる時に発生する
軌道のずれを電磁石を用いて補正していた。この場合、
チェンバやチェンバ付近に取り付けてある磁性体や、チ
ェンバの溶接部等が磁化して軌道に再現性がなくなると
いった問題点があった。
【0030】請求項1の発明は、上記のような問題点を
解消するためになされたもので、多量の陽電子ビームを
発生できる陽電子発生装置を提供することを目的とす
る。
【0031】請求項2乃至請求項3の発明は、陽電子発
生装置の組立時、取扱い時にアイソトープから発生する
放射線の被爆を少なくできる陽電子発生装置を提供する
ことを目的とする。
【0032】請求項4乃至請求項8の発明は、陽電子発
生装置のアイソトープを設置する際、または、一度取り
外した後、再設置する際に、同じ位置に精度良く設置を
行うことができる陽電子発生装置を提供することを目的
とする。
【0033】請求項9の発明は、モデレータのアニーリ
ングを装置内で簡便に行うことができる陽電子発生装置
を提供することを目的とする。
【0034】請求項10乃至請求項11の発明は、計測
装置へ達するビームの性能を良くし、かつ、計測時のバ
ックグラウンドノイズを小さくできる陽電子発生装置を
提供することを目的とする。
【0035】請求項12乃至請求項13の発明は、多量
の陽電子を発生できる陽電子発生装置を提供することを
目的とする。
【0036】請求項14乃至請求項16の発明は、放射
線被爆量を少なくできる陽電子発生装置を提供すること
を目的とする。
【0037】請求項17の発明は、多量で特性の優れた
陽電子を試料部まで導くことができる陽電子発生装置を
提供することを目的とする。
【0038】請求項18の発明は、直流化した陽電子ビ
ームの特性を優れたものとすることができる陽電子発生
装置を提供することを目的とする。
【0039】請求項19乃至請求項20の発明は、陽電
子を2次元平面上に簡便に走査することができる陽電子
発生装置を提供することを目的とする。
【0040】請求項21乃至請求項22の発明は、陽電
子を簡便にパルス化できる陽電子発生装置を提供するこ
とを目的とする。
【0041】請求項23乃至請求項24の発明は、加速
エネルギーを変化させた時に生じる軌道歪みを簡便に補
正できる陽電子発生装置を提供することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る陽
電子発生装置は、2個以上のアイソトープを陽電子の進
行方向を法線とする平面に沿って配設し、湾曲形状の円
または球の中心が上記線源部と反対方向となるようにモ
デレータを配設したものである。
【0043】請求項2の発明に係る陽電子発生装置は、
線源部のアイソトープとモデレータ部との間に、陽電子
の通過経路に出し入れ可能な遮蔽手段を配設したもので
ある。
【0044】請求項3の発明に係る陽電子発生装置は、
線源部とモデレータ部の距離を変化させる距離可変手段
を線源部またはモデレータ部のいずれか一方に取り付け
たものである。
【0045】請求項4の発明に係る陽電子発生装置は、
線源部の上流部、即ち線源部に対してモデレータ部と反
対の位置に線源部と異なるビームダクトを配設し、アイ
ソトープを上記ビームダクト中に移送する移送手段を設
け、さらに、ビームダクトと共にアイソトープを上記線
源部から取り外すことが可能な脱着手段を設けたもので
ある。
【0046】請求項5の発明に係る陽電子発生装置は、
アイソトープを線源部と異なるビームダクト中に移送す
る移送手段として、電磁誘導を利用した電磁手段を用い
るようにしたものである。
【0047】請求項6の発明に係る陽電子発生装置は、
アイソトープを支持する線源ホルダの外形を錘形状に
し、かつ、アイソトープに対向する側に配設される支持
台に、上記線源ホルダが嵌合する錘形状の穴部を設けた
ものである。
【0048】請求項7の発明に係る陽電子発生装置は、
アイソトープを支持する線源ホルダの外形を凸形状に
し、かつ、アイソトープに対向する側に配設される支持
台に、上記線源ホルダが嵌合する凹形状の穴部を設けた
ものである。
【0049】請求項8の発明に係る陽電子発生装置は、
アイソトープを支持する線源ホルダに弾性部材より形成
された止めがねを設け、線源ホルダが嵌合される支持台
の穴部中に上記止めがねが収まる凹部を設けたものであ
る。
【0050】請求項9の発明に係る陽電子発生装置は、
モデレータ部を陽電子の通過経路から移送させる可動手
段を有し、かつ上記モデレータ部を陽電子通過経路から
引き抜いた位置近傍に、上記モデレータ部を加熱する赤
外線発生装置を有する構造としたものである。
【0051】請求項10の発明に係る陽電子発生装置
は、ターゲットとモデレータ部の間に所定のスリットを
有する陽電子集束手段を配設したものである。
【0052】請求項11の発明に係る陽電子発生装置
は、ターゲットとモデレータ部の間に、スリットの形
状、またはその大きさを変更可能な陽電子集束手段を配
設したものである。
【0053】請求項12の発明に係る陽電子発生装置
は、加速器と当該装置を切り離し、所定の間隔を空けて
配設すると共に、上記加速器に対向する当該装置の大気
部と真空部の境界にターゲットを配設したものである。
【0054】請求項13の発明に係る陽電子発生装置
は、加速器と当該装置を切り離し、所定の間隔を空けて
配設すると共に、上記加速器側の大気部と真空部の境界
と、当該陽電子発生装置側の大気部と真空部の境界との
双方にターゲットを配設したものである。
【0055】請求項14の発明に係る陽電子発生装置
は、ターゲットと遮蔽手段、あるいは、アイソトープも
しくはアイソトープを取り付けた線源ホルダと遮蔽手段
を一体構造としたものである。
【0056】請求項15の発明に係る陽電子発生装置
は、遮蔽手段の周囲をアウトガス量の少ない金属または
絶縁体、例えばアルミ等で覆ったものである。
【0057】請求項16の発明に係る陽電子発生装置
は、遮蔽手段の陽電子の進行方向の長さをアイソトープ
あるいはコンバータ部より長くしたものである。
【0058】請求項17の発明に係る陽電子発生装置
は、線源部およびモデレータ部には陽電子を電界で輸送
する第1の電極群を有し、輸送部には陽電子を磁界で輸
送する電磁手段を有し、測定部には陽電子を電界で輸送
する第2の電極群をとりつけたものである。
【0059】請求項18の発明に係る陽電子発生装置
は、輸送部の上流側の陽電子の通過経路に電極を配設
し、輸送部の下流側の陽電子通過経路にモデレータを配
設するとともに、上記電極とモデレータとに所定の電圧
を印加し、パルス状の陽電子ビームを連続ビームとする
電源を設けたものである。
【0060】請求項19の発明に係る陽電子発生装置
は、測定部付近に、印加される交流電流により陽電子の
ビームを平面状に走査する走査電磁手段を配設したもの
である。
【0061】請求項20の発明に係る陽電子発生装置
は、測定部に、上下方向と左右方向の各々に、印加され
た交流電圧により陽電子のビームを平面状に走査する一
対以上の電極を設けたものである。
【0062】請求項21の発明に係る陽電子発生装置
は、交流で励磁する電磁手段を陽電子の進行方向に沿っ
て配設すると共に、陽電子の通過経路上に、所定のスリ
ットを有する遮蔽手段を設けたものである。
【0063】請求項22の発明に係る陽電子発生装置
は、交流電圧が印加される一組以上の電極を陽電子の通
過経路に沿って配設するとともに、陽電子の通過経路上
に、所定のスリットを有する遮蔽手段を設けたものであ
る。
【0064】請求項23の発明に係る陽電子発生装置
は、測定部付近の上下、または左右方向、あるいは上下
左右方向に、所定の角度傾けた方向で、陽電子のビーム
軌道を補正する一対以上の電極を設けたものである。
【0065】請求項24の発明に係る陽電子発生装置
は、陽電子のエネルギー毎に、陽電子の軌道を補正する
ために必要とされる電極に印加する電圧を予め測定し、
実際の測定時には、陽電子のエネルギーを変化させる毎
に、制御手段を用いて自動的に上記陽電子の軌道を補正
するようにしたものである。
【0066】
【作用】請求項1の発明における陽電子発生装置は、陽
電子の進行方向を法線とする平面に沿って2個以上のア
イソトープを配設し、該2個以上のアイソトープから放
射される陽電子を、湾曲形状の円または球の中心が線源
部と反対方向となるように配設したモデレータにより集
束するので、多量の陽電子ビームが発生する。
【0067】請求項2の発明における陽電子発生装置
は、線源部のアイソトープとモデレータ部との間で、陽
電子の通過経路に、遮蔽手段を出し入れ可能とするの
で、陽電子発生装置の組立時、取扱い時にアイソトープ
から発生する放射線の被爆量が少なくなる。
【0068】請求項3の発明における陽電子発生装置
は、線源部とモデレータ部の距離を、線源部またはモデ
レータ部のいずれか一方に取り付けた距離可変手段によ
り変化させるので、陽電子発生装置の組立時、取扱い時
にアイソトープから発生する放射線の被爆が少なくな
る。
【0069】請求項4の発明における陽電子発生装置
は、線源部の上流部、即ち線源部に対してモデレータ部
と反対の位置に線源部と異なるビームダクトを配設し、
移送手段によってアイソトープを上記ビームダクト中に
移送し、さらに、ビームダクトと共にアイソトープを脱
着手段により上記線源部から取り外し可能としたため、
陽電子発生装置の組立時、取扱い時にアイソトープから
発生する放射線の被爆量が少なくなる。
【0070】請求項5の発明における陽電子発生装置
は、アイソトープを線源部と異なるビームダクト中に移
送する移送手段として、電磁誘導を利用した電磁手段を
用いるようにしたので、陽電子発生装置のアイソトープ
を設置する際、または、一度取り外した後、再設置する
さいに、同じ位置に精度よく設置される。
【0071】請求項6の発明における陽電子発生装置
は、アイソトープを支持する線源ホルダの外形を錘形状
にし、かつ、アイソトープに対向する側に配設される支
持台に、上記線源ホルダが嵌合する錘形状の穴部を設け
たので、陽電子発生装置のアイソトープを設置する際、
または、一度取り外した後、再設置するさいに、同じ位
置に精度よく設置をされる。
【0072】請求項7の発明における陽電子発生装置
は、アイソトープを支持する線源ホルダの外形を凸形状
にし、かつ、アイソトープに対向する側に配設される支
持台に、上記線源ホルダが嵌合する凹形状の穴部を設け
たので、陽電子発生装置のアイソトープを設置する際、
または、一度取り外した後、再設置するさいに、同じ位
置に精度よく設置される。
【0073】請求項8の発明における陽電子発生装置
は、アイソトープを支持する線源ホルダに弾性部材より
形成された止めがねを設け、線源ホルダが嵌合される支
持台の穴部中に上記止めがねが収まる凹部を設けたの
で、陽電子発生装置のアイソトープを設置する際、また
は、一度取り外した後、再設置するさいに、同じ位置に
精度よく設置される。
【0074】請求項9の発明における陽電子発生装置
は、モデレータ部を陽電子の通過経路から移送させる可
動手段を有し、かつ上記モデレータ部を陽電子通過経路
から引き抜いた位置近傍に、上記モデレータ部を加熱す
る赤外線発生装置を有する構造としたので、モデレータ
のアニーリングを陽電子発生装置中で簡便に行える。
【0075】請求項10の発明における陽電子発生装置
は、ターゲットとモデレータ部の間に所定のスリットを
有する陽電子集束手段を配設したので、計測装置に達す
るビームの性能が向上し、且つ、計測時のバックグラウ
ンドノイズが少なくなる。
【0076】請求項11の発明における陽電子発生装置
は、ターゲットとモデレータ部の間に、スリットの形
状、またはその大きさを変更可能な陽電子集束手段を配
設したので、計測装置に達するビームの性能が向上し、
且つ、計測時のバックグラウンドノイズが少なくなる。
【0077】請求項12の発明における陽電子発生装置
は、加速器と当該装置を切り離し、所定の間隔を空けて
配設すると共に、上記加速器に対向する当該装置の大気
部と真空部の境界にターゲットを配設したので、多量の
陽電子が発生される。
【0078】請求項13の発明における陽電子発生装置
は、加速器と当該装置を切り離し、所定の間隔を空けて
配設すると共に、上記加速器側の大気部と真空部の境界
と、当該装置側の大気部と真空部の境界との双方にター
ゲットを配設したので、多量の陽電子が発生される。
【0079】請求項14の発明における陽電子発生装置
は、ターゲットと遮蔽手段、あるいは、アイソトープも
しくはアイソトープを取り付けた線源ホルダと遮蔽手段
を一体構造としたので、放射線被爆量が少なくなる。
【0080】請求項15の発明における陽電子発生装置
は、遮蔽手段の周囲をアウトガス量の少ない金属または
絶縁体、例えばアルミ等で覆ったので、放射線被爆量が
少なくなる。
【0081】請求項16の発明における陽電子発生装置
は、遮蔽手段の陽電子の進行方向の長さをアイソトープ
あるいはコンバータ部より長くしたので、放射線被爆量
が少なくなる。
【0082】請求項17の発明における陽電子発生装置
は、線源部およびモデレータ部には陽電子を電界で輸送
する第1の電極を有し、輸送部には陽電子を磁界で輸送
する電磁手段を有し、測定部には陽電子を電界で輸送す
る第2の電極を取り付けたので、多量で特性の優れた陽
電子が試料部まで導かれる。
【0083】請求項18の発明における陽電子発生装置
は、輸送部の上流側の陽電子の通過経路に電極を配設
し、輸送部の下流側の陽電子通過経路にモデレータを配
設するとともに、上記電極とモデレータとに所定の電圧
を印加し、パルス状の陽電子ビームを連続ビームとする
電源を設けたので、直流化した陽電子ビームの特性が優
れたものとなる。
【0084】請求項19の発明における陽電子発生装置
は、測定部付近に配設した走査電磁手段により、印加さ
れる交流電流に応じて陽電子のビームを平面状に走査す
るようにしたので、陽電子が2次元平面状に簡便に走査
される。
【0085】請求項20の発明における陽電子発生装置
は、測定部に、陽電子の通過経路に対して上下方向と左
右方向の各々に設けた一対以上の電極により、印加され
た交流電圧に応じて陽電子のビームを平面状に走査する
を設けたので、陽電子ビームが平面状に簡便に走査され
る。
【0086】請求項21の発明における陽電子発生装置
は、交流で励磁する電磁手段を陽電子の進行方向に沿っ
て配設すると共に、陽電子の通過経路上に、所定のスリ
ットを有する遮蔽手段を設けたので、陽電子が簡便にパ
ルス化される。
【0087】請求項22の発明における陽電子発生装置
は、交流電圧が印加される一組以上の電極を陽電子の通
過経路に沿って配設するとともに、陽電子の通過経路上
に、所定のスリットを有する遮蔽手段を設けたので、陽
電子が簡便にパルス化される。
【0088】請求項23の発明における陽電子発生装置
は、測定部付近の上下、または左右方向、あるいは上下
左右方向に、所定の角度傾けた方向で、陽電子のビーム
軌道を補正する一対以上の電極を設けたので、加速エネ
ルギーを変化させた時に生じる軌道歪みが簡便に補正さ
れる。
【0089】請求項24の発明における陽電子発生装置
は、陽電子のエネルギー毎に、陽電子の軌道を補正する
ために必要とされる電極に印加する電圧を予め測定し、
実際の測定時には、陽電子のエネルギーを変化させる毎
に、制御手段を用いて自動的に上記陽電子の軌道を補正
するので、加速エネルギーを変化させた時に生じる軌道
歪みが簡便に補正される。
【0090】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1は請求項1の発明の一実施例による陽電子発
生装置の線源部の構成を示す模式図であり、陽電子を発
生するしくみは従来の陽電子発生装置と同様であるので
説明を省略する。図1において、1は陽電子を放射する
アイソトープ、2はアイソトープ1を支持する線源ホル
ダである。アイソトープ1、線源ホルダ2は、複数個平
面上に並べて配設されている。3は輸送部側に開口面を
有する湾曲状のモデレータである。1個当たりのアイソ
トープ1から発生する陽電子数は、従来と同様に少ない
が、図1に示すように、複数個並べることにより、1つ
の装置としては多数個の陽電子を発生させることが可能
である。多数の陽電子を発生させても、陽電子のビーム
径が大きいと、輸送の過程でビームがロスしたり、測定
部でノイズ源となったりして効果がない。そこで、モデ
レータ3の構造を湾曲状にして陽電子を集束させてい
る。陽電子は、モデレータ3の表面に対して垂直に出て
くる性質があるので上記構造とすることで陽電子を集束
させることができる。
【0091】また、4はモデレータ3から放射される陽
電子を所定のビーム径で集束させる引き出し電極であ
る。引き出し電極4は、内側に設けられた負側(−)の
電極4aと、その周囲に設けられた正側(+)の電極4
bとに分割されており、負側の電極4aの中央部には、
陽電子が通過するための孔部4cが設けられている。
【0092】次に、動作について説明する。複数のアイ
ソトープ1から発生した陽電子は、湾曲状のモデレータ
3に入射し、該モデレータ3の表面に対して垂直に出て
くる。したがって、まず、この段階で陽電子を集束させ
ることができる。次いで、モデレータ3から放射される
陽電子は、図2に示すように、引き出し電極4で発生し
た電界により、さらに集束されて下流側の輸送部へ導か
れる。このように、この実施例1では、多量の陽電子ビ
ームを発生できる。
【0093】実施例2.図3は請求項2の発明の一実施
例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模式図で
あり、図1に対応する部分には同一の符号を付して説明
を省略する。なお、陽電子が発生するしくみは従来の陽
電子発生装置と同様であるので説明を省略する。図3に
おいて、5は鉛等の放射線を遮蔽する部材から構成され
る遮蔽板(遮蔽手段)であり、6は遮蔽板5を引き抜く
モータである。
【0094】次に、動作について説明する。モデレータ
3や、図示しない輸送部、および測定部等のメンテナン
スを行う際には、アイソトープ1から発生する陽電子や
γ線を遮蔽する必要がある。そこで、メンテナンスを行
う時には、モータ6を駆動して、陽電子の通過経路上に
遮蔽板5を挿入し、アイソトープ6から発生する放射線
を遮蔽する。また、通常の利用の時は遮蔽板5を引き抜
く。このように、実施例2では、メンテナンス時に遮蔽
板5を挿入することにより、陽電子発生装置の組立時、
取扱い時にアイソトープから発生する放射線の被爆を少
なくできる。
【0095】実施例3.図4は請求項2の発明の一実施
例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模式図で
あり、図1ないし3に対応する部分には同一の符号を付
して説明を省略する。なお、陽電子が発生するしくみは
従来の陽電子発生装置と同様であるので説明を省略す
る。この実施例3では、図3に示すモータ6に代えて、
遮蔽板5を手動で引き抜く手動式装置7を設けている。
上述した実施例2においては、遮蔽板5の移動をモータ
6で行っていたが、本実施例3では手動式装置7で行
う。
【0096】実施例4.図5は請求項3の発明の一実施
例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模式図で
あり、図4に対応する部分には同一の符号を付して説明
を省略する。なお、陽電子が発生するしくみは従来の陽
電子発生装置と同様であるので説明を省略する。図5に
おいて、8はモデレータ3を陽電子の進行方向または逆
方向に移動させるモータ(距離可変手段)である。一般
に、低速陽電子は、アイソトープ1とモデレータ3の距
離が近い程発生量が多い。しかし、遮蔽板5をアイソト
ープ1とモデレータ3との間に挿入する構造とすると、
アイソトープ1とモデレータ3の距離を近づけることが
難しくなる。そこで、モデレータ3を陽電子の進行方向
または逆方向に移動させるモータ8を取り付けている。
【0097】次に、動作について説明する。遮蔽板5を
陽電子の通路から引き抜いている時、すなわち実際の運
転時には、モータ8を駆動してモデレータ3を陽電子の
進行逆方向に移動させ、アイソトープ1との距離を近づ
け、一方、メンテナンス等において遮蔽板5を挿入して
いる時には両者の距離を遠ざける。
【0098】実施例5.上述した実施例4では、図5に
おけるモデレータ3の陽電子の進行方向または逆方向へ
の移動は、モータ8によって行っていたが、手動式でも
同様な機能を果たすことが可能である。
【0099】実施例6.図6は請求項3の発明の一実施
例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模式図で
あり、図5に対応する部分には同一の符号を付して説明
を省略する。なお、陽電子が発生するしくみは従来の陽
電子発生装置と同様であるので説明を省略する。図6に
おいて、9はアイソトープ1および線源ホルダ2を陽電
子の進行方向または逆方向に移動させるモータ(距離可
変手段、移送手段)であり、略L字型のガイド17で上
記線源ホルダ2に連接されている。前述したように、遮
蔽板5を挿入する構造とすると、アイソトープ1とモデ
レータ3との距離を近づけることが難しくなるので、ア
イソトープ1および線源ホルダ2を陽電子の進行方向ま
たは逆方向に移動させるモータ9を取り付けている。
【0100】次に、動作について説明する。遮蔽板5を
陽電子の通路から引き抜いている時、すなわち実際の運
転時には、モータ9を駆動してアイソトープ1および線
源ホルダ2を陽電子の進行方向に移動させ、モデレータ
3との距離を近づけ、一方、メンテナンス等において遮
蔽板5を挿入している時には両者の距離を遠ざける。
【0101】実施例7.上述した図6においては、アイ
ソトープ1および線源ホルダ2をモータ9によって陽電
子の進行方向または逆方向へ駆動したが、手動式でも同
様な機能を果たすことが可能である。
【0102】実施例8.図7は請求項3の発明の一実施
例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模式図で
あり、図6に対応する部分には同一の符号を付して説明
を省略する。なお、陽電子が発生するしくみは従来の陽
電子発生装置と同様であるので説明を省略する。図7に
おいて、この実施例8では、前述した実施例6とは、線
源ホルダを陽電子の進行方向または逆方向に移動させる
モータ9の構造が異なる。すなわち、実施例6ではモー
タ9と線源ホルダ2とを連接するガイド17は略L型で
曲がっていたが、本実施例8では直線の棒状であり、ア
イソトープ1および線源ホルダ2は直線的に進退する。
この実施例8による構造は、線源部より上流側(即ち試
料部と反対方向)の装置長が短い場合に特に有効であ
る。
【0103】実施例9.上述した図7に示す実施例8に
おいては、線源ホルダ2を陽電子の進行方向または逆方
向へモータ9により駆動したが、手動式でも同様な機能
を果たすことが可能である。
【0104】実施例10.図8は請求項4の発明の一実
施例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模式図
であり、図7に対応する部分には同一の符号を付して説
明を省略する。なお、陽電子が発生するしくみは従来の
陽電子発生装置と同様であるので説明を省略する。図8
において、10は真空バルブ(脱着手段)、11はビー
ムダクト、12は陽電子発生装置側のビームダクトであ
る。ビームダクト11とビームダクト12とは、切り離
し可能に設けられており、真空バルブ10は、この間に
設置されている。
【0105】次に、動作について説明する。まず、装置
のメインテナンス時には、モータ9を駆動して、アイソ
トープ1、線源ホルダ2をビームダクト11内に引き抜
く。そして、真空バルブ10を閉めた後、ビームビーム
ダクト11,12を切り離す。その後、アイソトープ
1、線源ホルダ2、モータ9、およびビームダクト12
を一体として安全な場所に保管して、装置のメインテナ
ンスを行う。図9は、ビームダクト11を取り外した後
の様子を示す模式図であり、図8に対応する部分には、
同一の符号を付けている。
【0106】実施例11.上述した図8においては、ア
イソトープ1、線源ホルダ2をモータ9によって陽電子
の進行方向または逆方向へ駆動したが、手動式でも同様
な機能を果たすことが可能である。
【0107】実施例12.図10は請求項5の発明の一
実施例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模式
図であり、図9に対応する部分には同一の符号を付して
説明を省略する。なお、陽電子が発生するしくみは従来
の陽電子発生装置と同様であるので説明を省略する。図
10において、13はビームダクト11内に設けられた
円筒形のコイル(電磁手段)、14はコイル13に軸中
心に挿入された磁性体(電磁手段)、15はコイル13
に所定の電圧を供給する電源である。電源15によって
コイル13に通電すると、電磁誘導によって、磁性体部
14が図中の可動方向に移動するようになっている。
【0108】次に、動作について説明する。メンテナン
ス時には、電源15によってコイル13に通電すると、
電磁誘導によって、磁性体部14が図中の可動方向に移
動し、磁性体部14に連接された線源ホルダ2がアイソ
トープ1とともに、ビームダクト11内に移動される。
それ以降の操作は実施例10と全く同様なので省略す
る。
【0109】実施例13.図11は請求項6の発明の一
実施例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模式
図である。図11において、1はアイソトープ、2aは
錘状に形成され、アイソトープ1を支持する線源ホルダ
である。16aは上記線源ホルダ2aが嵌合すべく、線
源ホルダ2a側を錘状の凹部を有する支持台である。ま
た、17は線源ホルダ2aを、所定の位置である上記支
持台16aまで導くガイドである。ガイド17の左側に
は、図示しない可動手段(モータ、手動式装置など)が
配設してあり、アイソトープ1および線源ホルダ2aを
陽電子の進行方向または逆方向に移動させる。
【0110】次に、動作について説明する。アイソトー
プ1と線源ホルダ2aを所定の位置に設置する際、図示
しない可動機能によりアイソトープ1と線源ホルダ2a
を、陽電子の進行方向(図面右側)に移動させ、錘状の
線源ホルダ2aを支持台16aの凹部に嵌合させる。線
源ホルダ2aとアイソトープ1は、支持台16aに正確
に嵌合するため、アイソトープ1を所定の位置に精度よ
く固定できる。
【0111】実施例14.図12は請求項7の発明の一
実施例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模式
図であり、図11に対応する部分には同一の符号を付し
て説明を省略する。なお、陽電子が発生するしくみは従
来の陽電子発生装置と同様であるので説明を省略する。
図12において、2bは搬送路側の形状を凸状にした線
源ホルダであり、16bは該線源ホルダ2bが嵌合する
凹部を有する支持台である。ガイド17の左側には、図
11と同様に、図示しない可動手段(モータ、手動式装
置)が配設してある。
【0112】次に、動作について説明する。アイソトー
プ1と線源ホルダ2bを所定の位置に設置する際、図示
しない可動機能によりアイソトープ1と線源ホルダ2b
を、陽電子の進行方向(図面右側)に移動させ、錘状の
線源ホルダ2bを支持台16bの凹部に嵌合させる。線
源ホルダ2bとアイソトープ1は、支持台16bに正確
に嵌合するため、アイソトープ1を所定の位置に精度よ
く固定できる。
【0113】実施例15.図13は請求項8の発明の一
実施例を示す陽電子発生装置の線源部の模式図であり、
図12に対応する部分には同一の符号を付して説明を省
略する。なお、陽電子が発生するしくみは従来の陽電子
発生装置と同様であるので説明を省略する。図13にお
いて、18は線源ホルダ2cの両側部に設けられた、湾
曲状の弾性部材(スプリング)からなる止めがねであ
る。また、16cは線源ホルダ2が嵌合する凹部を有す
る支持台であり、支持台16には上記止めがね18が嵌
合する窪み部が設けられている。ガイド17の左側に
は、可動手段(モータ、手動式装置)機能が配設してあ
り、アイソトープ1および線源ホルダ2cを左右に移動
させるようになっている。
【0114】次に、動作について説明する。アイソトー
プ1と線源ホルダ2を所定の位置に設置する際、図示し
ない可動手段により線源ホルダ2cを陽電子の進行方向
(図面右側)に移動させ、支持台16cに嵌合する。こ
のとき、線源ホルダ2cに設けられたスプリング状の止
めがね18が支持台16に設けられた窪み部に嵌合す
る。このため、アイソトープ1を所定の位置に精度よく
固定できる。
【0115】実施例16.上述した実施例15では、線
源ホルダ2cにスプリング状の止めがね18を設けると
ともに、線源ホルダ2cが嵌合する支持台16cに止め
がね18が嵌合する窪み部を設けることにより、アイソ
トープ1を所定の位置に精度よく固定したが、支持台1
6cにスプリング状の止めがね18を設け、線源ホルダ
2cに窪み部を設けることによっても同様の効果を得る
ことが可能である。
【0116】実施例17.図14は請求項9の発明の一
実施例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模式
図である。図14において、3はモデレータ、12はビ
ームダクト、19は赤外線を透過する窓部、20は所定
波長の赤外線を発生する赤外線発生装置(赤外線発生手
段)、21はモデレータ3に連接されたガイド、22は
ガイド21を介してモデレータ3を上下方向に移動させ
る可動手段としての可動装置(モータ、手動式装置)で
ある。一般に、モデレータ3を長時間使用していると、
格子欠陥や、炭素等の付着物の影響により低速陽電子の
発生数が減る。したがって、定期的にアニーリングする
必要がある。そこで、本実施例17では、モデレータ3
を取り出すことなく、上記赤外線発生装置20によって
発生した赤外線により、アニーリングするようになって
いる。
【0117】次に、動作について説明する。モデレータ
3をアニーリングする際には、まず、可動装置22を駆
動し、ガイド21を介して、(1)モデレータ3を上方
に引き抜く。次に、(2)窓部19を通して赤外線発生
装置20からの赤外線でモデレータ3の温度をその金属
の融点近くまで上昇させてアニーリングを行う。図15
はアニーリング中の概念図を示す模式図である。図中の
符号は全て図14と同様である。なお、可動装置22は
モータであっても、手動式装置であってもよい。
【0118】実施例18.図16は請求項10の発明の
一実施例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模
式図である。図16において、23はライナック等の加
速器で加速された光速度近い電子ビームの衝突により制
動X線を放射するターゲット、24は中央部に円形の孔
部を有するスリット24aを有する遮蔽板(陽電子集束
手段)、3はモデレータである。
【0119】次に、動作について説明する。ライナック
等の加速器で加速された光速度近い電子ビームは、ター
ゲット23に衝突し制動X線を放出する。この制動X線
は、ある確率で電子と陽電子を生じる。ターゲット23
から放射された陽電子ビームは、ターゲット23の入射
面における電子ビームと比べて広がったビームとなって
いる。この広がったビームは、スリット24aにおい
て、ある一部の陽電子ビームのみが孔部を通過し、モデ
レータ3に達する。モデレータ3から放出される低速の
陽電子ビームは、スリット24aが無い場合と比較する
と、絞られたビームとなる。なお、スリット24aにお
いて、陽電子ビームの量は減少するが、発散角の大きな
陽電子ビームは測定時に不要であるので問題とならな
い。
【0120】実施例19.図17(a)〜(c)は請求
項11の発明の一実施例を示す陽電子発生装置の線源部
の構成を示す模式図であり、(a)は側面図であり、
(b)はスリットの正面図、(c)は同スリットの側面
図である。なお、図16に対応する部分には同一の符号
を付して説明を省略する。図17(a)において、25
は請求項11に示された、スリットの孔部の形状や径を
可変とするスリットである。スリット25は、図17
(b)に示すように、上下左右にそれぞれ1枚ずつ配設
された遮蔽板25a,25b,25c,25dを有し、
各々、矢印方向に可動な構造を持たせている。上記遮蔽
板25a,25b,25c,25dは、同図(c)に示
すように、陽電子の進行方向に少しずつずらして配設さ
れている。
【0121】次に、動作について説明する。上記構成に
おいて、遮蔽板25a,25b,25c,25dを図示
しない可動手段により図示の矢印方向に移動させて、こ
れら遮蔽板25a,25b,25c,25dに形成され
る孔部26の形状を可変するとともに、穴径を変化させ
る。この結果、ターゲット23で発生した陽電子ビーム
を任意の形状、任意の径に絞ることが可能となる。
【0122】実施例20.図18は請求項12の発明の
一実施例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模
式図である。図18において、30はライナック等の加
速器側のビームダクト、31は陽電子発生装置側のビー
ムダクト、32はビームダクト30の端部に設けられた
フランジ、27はターゲット、3はモデレータである。
フランジ32とターゲット27との間は、所定の間隔で
離された状態で配設されており、該ギャップは大気にさ
らされている。モデレータ3で低速化された陽電子ビー
ムは、その後、加速する必要性があるので、通常、線源
部は接地面に対して(+)数十KVの高圧に浮かしてあ
る。しかし、ライナック等の加速器側におけるビームダ
クト30は、通常、接地してあるので、陽電子発生装置
側のビームダクト31とライナック等の加速器側のビー
ムダクト30とは絶縁する必要がある。そこで、本実施
例20では、フランジ32とターゲット21との間を、
所定の間隔で離した状態で配設している。
【0123】次に、動作について説明する。上記構成に
おいて、ライナック等の加速器で発生した電子ビーム
は、フランジ32を通り、一旦、大気中に出る。その
後、陽電子発生装置側の真空と大気部の境界とに配設さ
れたターゲット27に衝突する。そこで発生した陽電子
は、モデレータ3以降へ導かれる。この場合、ターゲッ
ト27は大気中にあるので、ターゲット27の冷却や、
放熱等を容易に行うことができる。
【0124】実施例21.図19は請求項13の発明の
一実施例を示す陽電子発生装置の線源部の構成を示す模
式図であり、図18に対応する部分には同一の符号を付
して説明を省略する。図19においては、ライナック等
の加速器側のビームダクト30の端部と、陽電子発生装
置側のビームダクト31の端部との双方に、ターゲット
27,27を設けている。これらターゲット27,27
は、上述した実施例20の理由と同様に、接地面に対し
て(+)数十KVの高圧に浮かした線源部と、ライナッ
ク等の加速器側における接地されたビームダクト30と
を絶縁するために、大気にさらされている。
【0125】次に、動作について説明する。本実施例2
1では、ライナック等の加速器で発生した電子ビーム
は、ライナック等の加速器側のビームダクト30におい
て、大気と真空部の境界に配設されたターゲット27を
通り一旦大気中に出る。このとき、電子ビームの一部は
陽電子に変わる。そして、該陽電子は、陽電子発生装置
側において、真空と大気部の境界に配設されたターゲッ
ト27に衝突する。その後、陽電子はモデレータ3以降
へ導かれる。ターゲット27,27は大気中にあるの
で、冷却や、放熱等を容易に行うことができる。
【0126】また、実施例20の場合には、電子ビーム
の一部が図18に示すフランジ32で失われたが、本実
施例21の場合にはそのようなことはない。しかし、陽
電子が大気中を通るので、ある程度の減衰は生じる。実
施例20と、実施例21とのどちらにおいて、多量の陽
電子ビームが発生するかは、ライナック等の加速器で発
生する電子ビームのエネルギ−で決まる。
【0127】実施例22.図20(a)、(b)は請求
項14の発明の一実施例を示す陽電子発生装置の線源部
の構成を示す模式図であり、(a)はその線源部の横断
面図、(b)はその正面図である。図20(a)、
(b)において、1はアイソトープ、2はアイソトープ
1を支持する線源ホルダ、40は線源ホルダ2の外周部
を覆う鉛等の遮蔽物(遮蔽手段)である。陽電子発生装
置の建設時や、メンテナンス時には、アイソトープ1を
陽電子発生装置から取り外す必要がある。この取り外し
作業では、手等で直接アイソトープ1に触るため、被爆
量が多くなる。これを防ぐために、線源ホルダ2の周囲
に鉛等の遮蔽物40を配設し、アイソトープ1、線源ホ
ルダ2、遮蔽物40を一体構造とする。そして、手で取
り扱う時には遮蔽物40を把持すれば、被爆量を少なく
することができる。
【0128】実施例23.図21(a)、(b)、
(c)は請求項15の発明の一実施例を示す陽電子発生
装置の線源部の構成を示す模式図であり、(a)はその
線源部の横断面図、(b)はその正面図、そして(c)
はその一部拡大断面図である。図21(a)、(b)に
おいて、1はアイソトープ、2はアイソトープ1を支持
する線源ホルダ、40は線源ホルダ2の外周部を覆う鉛
等の遮蔽物である。
【0129】上述したように、陽電子発生装置の建設時
や、メンテナンス時には、アイソトープ1を発生装置か
ら取り外す必要があり、このとき、手等で直接アイソト
ープに触るため、被爆量が多くなる。これを防ぐため
に、線源ホルダ2の周囲に鉛等の遮蔽物40を配設し、
アイソトープ1、線源ホルダ2、遮蔽物40を一体構造
とし、手で取り扱う時には遮蔽物40を把持する。
【0130】上述した実施例22と異なる点は、同図
(c)に示すように、遮蔽物40の周囲を、アルミ等の
ガス放出量の少ない物質からなる部材41で覆ったこと
にある。上記遮蔽物40に用いる鉛は、一般にガス放出
量が多く、真空中に入れると、ガス源となり真空度が上
がらない。真空度が悪いと、陽電子の寿命が短くなる。
そこで、本実施例23では、遮蔽物40の周囲にアルミ
等のガス放出量の少ない物質からなる部材41を配設
し、アイソトープ1、線源ホルダ2、鉛等の遮蔽物4
0、アルミ等の部材41を一体型の構造としている。
【0131】実施例24.図22(a)、(b)は請求
項16の発明の一実施例を示す陽電子発生装置の線源部
の構成を示す模式図であり、(a)はその線源部の横断
面図、(b)はその正面図である。図22(a),
(b)において、1はアイソトープ、2はアイソトープ
1を支持する線源ホルダ、40は線源ホルダ2の周囲を
覆い、陽電子進行方向の長さをアイソトープ1の先端部
まで延長させた鉛等の照射線を遮蔽する遮蔽物である。
【0132】上述したように、陽電子発生装置の建設時
や、メンテナンス時には、アイソトープ1を発生装置か
ら取り外す必要があり、このとき、手等で直接アイソト
ープに触るため、被爆量が多くなる。これを防ぐため
に、線源ホルダ2の周囲に鉛等の遮蔽物40を配設し、
アイソトープ1、線源ホルダ2、遮蔽物40を一体構造
とし、手で取り扱う時には遮蔽物40を把持する。
【0133】ところで、本実施例23では、鉛等の遮蔽
物40の陽電子進行方向の長さをアイソトープ1の先端
部まで延長させたので、アイソトープ1から四方八方に
放出される陽電子を効果的に遮蔽することが可能であ
る。したがって、アイソトープ1を手で取り扱う時の被
爆量を極端に少なくすることができる。
【0134】実施例25.図23は請求項17の発明の
一実施例を示す陽電子発生装置の構成を示す概略図であ
る。図23において、50は線源部における陽電子ビー
ムを輸送するために用いられ、図示しない所定の電源に
より電界を発生する電極(第1の電極群)、51は輸送
部における陽電子を磁界によって輸送するために用いら
れるヘルムホルツコイル(電磁手段)である。また、5
2は入射される陽電子の軌道を補正して出射するための
モデレータであり、53は測定部における陽電子を輸送
するために用いられ、図示しない所定の電源により電界
を発生する電極(第2の電極群)である。
【0135】次に、動作について説明する。線源部のモ
デレータ表面から放出された低速陽電子は、電極50が
作る静電界により輸送される。モデレータ部に磁界がか
かっていると、モデレータ表面の陽電子ビームは螺旋運
動をしながら放出されるため、陽電子ビームのビーム径
やビーム広がりが大きくなる。すなわち、エミッタンス
が大きくなる。線源部におけるエミッタンスは、一般
に、測定部まで保存されるので、精密な測定が難しくな
る。モデレータによりエンハンスメント・ブライトネス
を行なえば、エミッタンスを小さくできるが、その強度
が弱くなるという欠点がある。また、エミッタンスを小
さくするには限界がある。したがって、線源部では電界
で輸送するのが望ましい。
【0136】そこで、本実施例25における輸送部で
は、ヘルムホルツコイル51の作る磁界により輸送を行
う。磁界で輸送すると、陽電子の輸送効率を100%近
くにすることが可能である。これに対して、測定部で
は、電極53によって発生した電界で輸送する。輸送部
での磁界輸送の際に、陽電子は螺旋運動をしているの
で、そのまま電界輸送をしても螺旋運動成分は残る。こ
の螺旋運動をしている陽電子は、磁界輸送から電界輸送
への切り替え部分に配設されたモデレータ52を通るこ
とによって、モデレータ52の表面から垂直に放出され
る。したがって、モデレータ52から出射される陽電子
は、螺旋運動をしない、発散角の小さいビームとなって
試料部へ輸送される。
【0137】実施例26.図24は請求項18の発明の
一実施例を示す陽電子発生装置の直流化装置の構成を示
す模式図である。図24において、60は直流化装置の
上流部における陽電子の輸送軌道上に、該軌道に平行に
配設された一対の電極であり、61は陽電子の輸送軌道
に沿って配設されたヘルムホルツコイルである。また、
62は陽電子の輸送軌道上に設けられたモデレータであ
り、63は上記電極60およびモデレータ62に印加す
る電圧を制御する電源である。
【0138】次に、動作について説明する。電源63に
よって電極60に印加する電圧をパルス制御すると、陽
電子は電極60とモデレータ62の間に蓄積される。モ
デレータ62の電圧を低くするに従って、陽電子は下流
側に徐々に放出される。図示のように、陽電子の進行方
向を放線とするように、モデレータ62を配設すれば、
電界分布は陽電子進行方向とほぼ等しくなる。したがっ
て、取り出された陽電子ビームは、発散角の小さな、よ
く絞られた小径のビームとすることが可能である。
【0139】実施例27.図25は請求項19の発明の
一実施例を示す陽電子発生装置の2次元操作部の構成を
示す模式図である。図25において、70は陽電子ビー
ムを偏向するコイル(電磁手段)であり、71は一方の
開口部(下流側)を末広がりとし、他方の開口部の周囲
に上記コイル70が巻回された磁性体である。また、7
2は表面解析等が行われる測定物であり、73は上記コ
イル70に所定の電圧を印加する交流電源である。
【0140】次に、動作について説明する。輸送部を輸
送されてきた陽電子ビームは、コイル70、磁性体71
によって作られる磁場で偏向される。交流電源73によ
りコイル70に印加する電圧を制御することにより、電
子ビームを2次元に走査し、試料部72の全体の情報を
得る。
【0141】また、試料72の表面における位置の情報
は、交流電源73と、図示しない検出器のタイミング制
御により連続的に得ることが可能である。得られたデー
タを画像処理することによって、試料の2次元画像がリ
アルタイムに得られる。
【0142】実施例28.図26は請求項20の発明の
一実施例を示す陽電子発生装置の2次元操作部の構成を
示す模式図である。図26において、72は表面解析等
が行われる測定物であり、73は交流電源である。74
は陽電子ビームの軌道左右に配設された水平方向偏向電
極(電極)であり、75は陽電子ビームの軌道上下に配
設された垂直方向偏向電極(電極)である。これら水平
方向偏向電極74および垂直方向偏向電極75には、上
記交流電源73により所定の交流電圧が印加されるよう
になっている。
【0143】次に、動作について説明する。輸送部を輸
送されてきた陽電子ビームは、水平方向偏向電極74、
垂直方向偏向電極75で偏向される。交流電源73によ
り水平方向偏向電極74および垂直方向偏向電極75に
印加する電圧を制御することにより、電子ビームを2次
元に走査し、試料部72の全体の情報を得る。
【0144】また、試料72の表面における位置の情報
は、交流電源73と、図示しない検出器のタイミング制
御により連続的に得ることが可能である。得られたデー
タを画像処理することによって、試料の2次元画像がリ
アルタイムに得られる。
【0145】実施例29.図27は請求項21の発明の
一実施例を示す陽電子発生装置のパルス化装置の構成を
示す模式図である。図27において、80は陽電子ビー
ムの軌道上下に配設された電磁石(電磁手段)である。
次に、81は陽電子ビームの軌道上に設けられ、細い孔
部を有するスリット81aを有する遮蔽板(遮蔽手段)
である。また、82は上記電磁石80に巻回されたコイ
ルに所定の交流電圧を印加する交流電源である。
【0146】次に、動作について説明する。輸送部を輸
送されてきた陽電子ビームは、アイソトープから発生し
た陽電子の場合には直流であり、加速器の電子ビームを
元に発生させた場合には周期数100nsから数μsの
パルスビームである。寿命測定を行うには、このビーム
を任意の周期を有するパルスビームにする必要がある。
【0147】陽電子ビームは、図27に示す電磁石80
によって発生した磁界によって偏向を受け、スリット8
1a上を走査される。したがって、交流電源82により
電磁石80に印加する交流電流を適宜制御すれば、上記
スリット81a上を走査される陽電子ビームは、スリッ
ト81aに設けられた細い孔部に来たときに、この孔部
を通り抜けて下流側(試料部側)に達する。すなわち、
交流電源82の周波数を変えることにより、任意のパル
ス幅の陽電子を作成することが可能である。
【0148】実施例30.図28は請求項22の発明の
一実施例を示す陽電子発生装置のパルス化装置の構成を
示す模式図であり、図27に対応する部分には同一の符
号を付して説明を省略する。図28において、83は陽
電子ビームの輸送軌道に沿って設けられ、交流電源82
により所定の交流電圧が印加される偏向電極(電極)で
ある。
【0149】次に、動作について説明する。輸送部を輸
送されてきた陽電子ビームは、上述したように、アイソ
トープから発生した陽電子の場合には直流であり、加速
器の電子ビームを元に発生させた場合には周期数100
nsから数μsのパルスビームである。寿命測定を行う
には、このビームを任意の周期を有するパルスビームに
する必要がある。
【0150】陽電子ビームは、図28に示す偏向電極8
3が発生した磁界によって偏向を受け、スリット81上
を走査される。したがって、交流電源82により偏向電
極83に印加する交流電圧を適宜制御すれば、上記スリ
ット81上を走査される陽電子ビームは、スリット81
に設けられた細い孔部81aに来たときに、この孔部8
1aを通り抜けて下流側(試料部側)に達する。すなわ
ち、交流電源82の周波数を変えることにより、任意の
パルス幅の陽電子を作成することが可能である。
【0151】実施例31.図29は請求項23の発明の
一実施例を示す陽電子発生装置の位置補正装置の構成を
示す模式図である。図29において、90は陽電子ビー
ムの輸送軌道周囲に設けられた1対の加速電極である。
次に、91は1対の加速電極90に所定の電圧を印加す
る高圧電源である。また、92は陽電子ビームの軌道周
囲に設けられた位置調整用偏向電極(電極)であり、9
3は表面解析が行われる試料である。位置調整用偏向電
極92は、加速電極90の下流で、試料93の上流に配
設される。
【0152】次に、動作について説明する。一般に、磁
場で輸送される陽電子は螺旋運動をしている。また、電
界輸送の場合にも、加速電極90の中心を通るわけでは
ないので、加速エネルギーを変える毎に試料93での陽
電子ビームの位置が変化する。試料93の欠陥分析の時
には、試料93に打ち込むエネルギーを徐々に変化させ
ることで、打ち込む深さを変化させながら、データを取
る。このとき、陽電子の打ち込む位置が変わると正確な
データが取れない。そこで、本実施例30では、輸送部
を輸送されてきた陽電子ビームを、高圧電源91により
高電圧が印加された加速電極90により加速した後、位
置調整用偏向電極92によって軌道補正を施して試料9
3に到達させる。このように、加速電極90の下流で、
試料93の上流に、位置調整用偏向電極92を配設し、
該位置調整用偏向電極92によって、加速された陽電子
の軌道を補正することで、加速エネルギーが変化しても
試料93での陽電子位置は変化しない。
【0153】実施例32.図30は請求項24の発明の
一実施例を示す陽電子発生装置の位置補正装置の構成を
示す模式図であり、図29に対応する部分には同一の符
号を付して説明を省略する。図30において、94は位
置調整用偏向電極92に所定の直流電圧を印加する直流
電源である。また、95は高圧電源91および直流電源
94を制御し、加速電極90および位置調整用偏向電極
92に印加される電圧を制御する制御用コンピュータ
(制御手段)である。
【0154】次に、動作について説明する。一般に、磁
場で輸送される陽電子は螺旋運動をしている。また、電
界輸送の場合にも、加速電極90の中心を通るわけでは
ないので、加速エネルギーを変える毎に試料93での陽
電子ビームの位置が変化する。試料93の欠陥分析の時
には、試料93に打ち込むエネルギーを徐々に変化させ
ることで、打ち込む深さを変化させながらデータを取
る。このとき、陽電子の打ち込む位置が変わると正確な
データが取れない。そこで、本実施例30では、輸送部
を輸送されてきた陽電子ビームを、高圧電源91により
高電圧が印加された加速電極90により加速した後、位
置調整用偏向電極92によって軌道補正を施して試料9
3に到達させる。このように、加速電極90の下流で、
試料93の上流に、位置調整用偏向電極92を配設し、
該位置調整用偏向電極92によって、加速された陽電子
の軌道を補正することで、加速エネルギーが変化しても
試料93での陽電子位置は変化しない。
【0155】ところで、実際の測定では連続的にエネル
ギーを変化させながらデータを取る必要がある。そこ
で、予め、加速エネルギーに対するビーム位置を測定
し、制御用コンピュータ95中に取り込んでおく。そし
て、実際の測定時には、高圧電源91の電圧を変化させ
る毎に、自動的に制御用コンピュータ95から直流電源
94の電圧を変化させるといった制御を行う。
【0156】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、線源部に、陽
電子の進行方向を法線とする平面に沿って配設される2
個以上のアイソトープと、モデレータ部に、湾曲形状を
有し、該湾曲形状の円または球の中心が線源部と反対方
向になるよう配設されたモデレータとを備えるように構
成したので、多量の陽電子ビームを発生できる効果があ
る。
【0157】請求項2の発明によれば、線源部のアイソ
トープとモデレータ部との間に、陽電子の通過位置に出
し入れ可能に配設される遮蔽手段を備えるように構成し
たので、陽電子発生装置の組立時、取扱い時にアイソト
ープから発生する放射線の被爆を少なくできる効果があ
る。
【0158】請求項3の発明によれば、線源部またはモ
デレータ部のいずれか一方に連接され、線源部とモデレ
ータ部の距離を変化させる距離可変手段を備えるように
構成したので、陽電子発生装置の組立時、取扱い時にア
イソトープから発生する放射線の被爆量を少なくできる
効果がある。
【0159】請求項4の発明によれば、線源部の上流部
に配設された、線源部と異なるビームダクトと、アイソ
トープをビームダクト中に移送する移送手段と、ビーム
ダクトと共に、移送手段によって移送したアイソトープ
を線源部から取り外すことが可能な脱着手段とを備える
ように構成したので、陽電子発生装置の組立時、取扱い
時にアイソトープから発生する放射線の被爆量を少なく
できる効果がある。
【0160】請求項5の発明によれば、移送手段は、電
磁誘導によりアイソトープをビームダクト中に移送する
電磁手段として構成したので、陽電子発生装置のアイソ
トープを設置する際、または、一度取り外した後、再設
置するさいに、同じ位置に精度よく設置できる効果があ
る。
【0161】請求項6の発明によれば、外形を錘形状と
し、アイソトープを支持する線源ホルダと、アイソトー
プに対向する側に、線源ホルダが嵌合する錘形状の穴部
を有する支持台とを備えるように構成したので、陽電子
発生装置のアイソトープを設置する際、または、一度取
り外した後、再設置するさいに、同じ位置に精度よく設
置できる効果がある。
【0162】請求項7の発明によれば、外形を凸形状と
し、アイソトープを支持する線源ホルダと、アイソトー
プに対向する側に、線源ホルダが嵌合する凹形状の穴部
を有する支持台とを備えるように構成したので、陽電子
発生装置のアイソトープを設置する際、または、一度取
り外した後、再設置するさいに、同じ位置に精度よく設
置できる効果がある。
【0163】請求項8の発明によれば、線源部は、弾性
部材より形成された止めがねが設けられ、アイソトープ
を支持する線源ホルダと、線源ホルダを所定の位置に配
設した際に、止めがねが嵌合する凹部を有するする支持
台とを備えるように構成したので、陽電子発生装置のア
イソトープを設置する際、または、一度取り外した後、
再設置するさいに、同じ位置に精度よく設置できる効果
がある。
【0164】請求項9の発明によれば、モデレータ部を
陽電子の通過経路から移送させる可動手段と、陽電子の
通過経路から移送させたモデレータ部の近傍に配設さ
れ、モデレータ部を加熱する赤外線発生手段とを備える
ように構成したので、モデレータのアニーリングを陽電
子発生装置中で簡便に行うことができる効果がある。
【0165】請求項10の発明によれば、所定のスリッ
トを有し、ターゲットとモデレータ部の間に配設された
陽電子集束手段を備えるように構成したので、計測装置
に達するビームの性能を向上でき、かつ、計測時のバッ
クグラウンドを小さくできる効果がある。
【0166】請求項11の発明によれば、陽電子集束手
段は、スリットの形状、またはその大きさを変更可能と
なるように構成したので、計測装置に達するビームの性
能を向上でき、かつ、計測時のバックグラウンドを小さ
くできる効果がある。
【0167】請求項12の発明によれば、加速器を当該
陽電子発生装置から切り離し、所定の間隔を空けて配設
すると共に、加速器に対向する当該陽電子発生装置の大
気部と真空部の境界に配設されるターゲットを備えるよ
うに構成したので、多量の陽電子を発生できる効果があ
る。
【0168】請求項13の発明によれば、加速器を当該
陽電子発生装置から切り離し、所定の間隔を空けて配設
すると共に、加速器側の大気部と真空部の境界と、当該
陽電子発生装置側の大気部と真空部の境界とに、対向さ
せて配設された1対のターゲットを備えるように構成し
たので、多量の陽電子を発生できる効果がある。
【0169】請求項14の発明によれば、陽電子発生部
に一体に設けられ、該陽電子発生部からの放射線を遮蔽
する遮蔽手段を備えるように構成したので、放射線被爆
量を少なくできる効果がある。
【0170】請求項15の発明によれば、アウトガス量
の少ない金属または絶縁体からなり、遮蔽手段の周囲を
覆う部材を備えるように構成したので、放射線被爆量を
少なくできる効果がある。
【0171】請求項16の発明によれば、遮蔽手段は、
陽電子の進行方向の長さをアイソトープ、あるいはコン
バータ部より長くなるように構成したので、放射線被爆
量を少なくできる効果がある。
【0172】請求項17の発明によれば、陽電子発生部
は、陽電子を電界で輸送する第1の電極群を有し、輸送
部は、陽電子を磁界で輸送する電磁手段を有し、測定部
は、陽電子を電界で輸送する第2の電極群を有するよう
に構成したので、多量で特性の優れた陽電子を試料部ま
で導くことができる効果がある。
【0173】請求項18の発明によれば、輸送部の上流
側の陽電子の通過経路に配設された電極と、輸送部の下
流側の陽電子の通過経路に配設されたモデレータと、電
極とモデレータとに所定の電圧を印加し、パルス状の陽
電子ビームを連続ビームとする電源とを備えるように構
成したので、直流化した陽電子ビームのエミッタンスを
小さくできる効果がある。
【0174】請求項19の発明によれば、測定部付近に
配設され、印加された交流電流により陽電子のビームを
平面状に走査する電磁手段を備えるように構成したの
で、陽電子を2次元平面状に簡便に走査できる効果があ
る。
【0175】請求項20の発明によれば、測定部に、上
下方向と左右方向の各々に配設され、印加された交流電
圧により陽電子のビームを平面状に走査する一対以上の
電極を備えるように構成したので、陽電子を2次元平面
上に簡便に走査できる効果がある。
【0176】請求項21の発明によれば、交流で励磁さ
れ、陽電子を走査する電磁手段と、所定のスリットを有
し、陽電子の通過経路上に配設され、該陽電子を遮蔽す
る遮蔽手段とを備えるように構成したので、陽電子を簡
便にパルス化することができる効果がある。
【0177】請求項22の発明によれば、陽電子の通過
経路に沿って配設され、交流電圧が印加される一組以上
の電極と、所定のスリットを有し、陽電子の通過経路上
に配設され、該陽電子を遮蔽する遮蔽手段を備えるよう
に構成したので、陽電子を簡便にパルス化できる効果が
ある。
【0178】請求項23の発明によれば、測定部付近の
上下、または左右方向、あるいは上下左右方向に、所定
の角度傾けた方向で配設され、陽電子のビーム軌道を補
正する一対以上の電極を備えるように構成したので、加
速エネルギーを変化させた時に生じる軌道歪みを簡便に
補正できる効果がある。
【0179】請求項24の発明によれば、陽電子のエネ
ルギと、該エネルギの陽電子の軌道を補正するために必
要とされる電極に印加する電圧との関係を予め測定し、
実際の測定時には、陽電子のエネルギを変化させる毎
に、予め測定した関係に基づいて電極に所定の電圧を印
加し、陽電子の軌道を自動的に補正する制御手段を備え
るように構成したので、加速エネルギーを変化させた時
に生じる軌道歪みを簡便に補正できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例による陽電子発生装
置の線源部の構成を示す模式図である。
【図2】図1の陽電子発生装置の線源部の電位分布図で
ある。
【図3】請求項2の発明の一実施例を示す陽電子発生装
置の線源部の構成を示す模式図である。
【図4】請求項2の発明の他の一実施例を示す陽電子発
生装置の線源部の構成を示す模式図である。
【図5】請求項3の発明の一実施例を示す陽電子発生装
置の線源部の構成を示す模式図である。
【図6】請求項3の発明の他の一実施例を示す陽電子発
生装置の線源部の構成を示す模式図である。
【図7】請求項3の発明の他の一実施例を示す陽電子発
生装置の線源部の構成を示す模式図である。
【図8】請求項4の発明の一実施例を示す陽電子発生装
置の線源部の構成を示す模式図である。
【図9】図8のビームダクトを取り外した後の様子を示
す模式図である。
【図10】請求項5の発明の一実施例を示す陽電子発生
装置の線源部の構成を示す模式図である。
【図11】請求項6の発明の一実施例を示す陽電子発生
装置の線源部の構成を示す模式図である。
【図12】請求項7の発明の一実施例を示す陽電子発生
装置の線源部の構成を示す模式図である。
【図13】請求項8の発明の一実施例を示す陽電子発生
装置の線源部の模式図である。
【図14】請求項9の発明の一実施例を示す陽電子発生
装置の線源部の構成を示す模式図である。
【図15】図14のモデレータのアニーリング状態の概
念図である。
【図16】請求項10の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の線源部の構成を示す模式図である。
【図17】請求項11の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の線源部の構成を示す模式図である。
【図18】請求項12の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の線源部の構成を示す模式図である。
【図19】請求項13の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の線源部の構成を示す模式図である。
【図20】請求項14の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の線源部の構成を示す模式図であり、(a)はそ
の線源部の横断面図、(b)はその正面図である。
【図21】請求項15の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の線源部の構成を示す模式図であり、(a)はそ
の線源部の横断面図、(b)はその正面図、そして
(c)はその一部拡大断面図である。
【図22】請求項16の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の線源部の構成を示す模式図であり、(a)はそ
の線源部の横断面図、(b)はその正面図である。
【図23】請求項17の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の構成を示す概略図である。
【図24】請求項18の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の直流化装置の構成を示す模式図である。
【図25】請求項19の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の2次元操作部の構成を示す模式図である。
【図26】請求項20の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の2次元操作部の構成を示す模式図である。
【図27】請求項21の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置のパルス化装置の構成を示す模式図である。
【図28】請求項22の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置のパルス化装置の構成を示す模式図である。
【図29】請求項23の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の位置補正装置の構成を示す模式図である。
【図30】請求項24の発明の一実施例を示す陽電子発
生装置の位置補正装置の構成を示す模式図である。
【図31】従来のアイソトープを線源とした場合の陽電
子発生装置の構成を示す模式図である。
【図32】従来のライナックから発生する電子ビームを
線源とした場合の陽電子発生装置の構成を示す模式図で
ある。
【図33】図31の線源部を拡大した模式図である。
【符号の説明】
1 アイソトープ 2 線源ホルダ 2a,2b,2c,線源ホルダ 3 モデレータ 5 遮蔽板(遮蔽手段) 8 モータ(距離可変手段) 9 モータ(距離可変手段、移送手段) 10 真空バルブ(脱着手段) 11 ビームダクト 13 コイル(電磁手段) 14 磁性体(電磁手段) 16a,16b,16c 支持台 18 止めがね 20 赤外線発生装置(赤外線発生手段) 22 可動装置(可動手段) 24a スリット 24 遮蔽板(陽電子集束手段) 27 ターゲット 40 鉛等の遮蔽物(遮蔽手段) 41 部材 50 電極(第1の電極群) 51 ヘルムホルツコイル(電磁手段) 53 電極(第2の電極群) 60 電極 62 モデレータ 63 電源 70 コイル(電磁手段) 74 水平方向偏向電極(電極) 75 垂直方向偏向電極(電極) 80 電磁石(電磁手段) 81 遮蔽板(遮蔽手段) 81a スリット 83 偏向電極(電極) 92 位置調整用偏向電極(電極) 95 制御用コンピュータ(制御手段)

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽電子を発生させるアイソトープを含ん
    だ線源部と、前記陽電子を低速化するモデレータ部と、
    前記モデレータ部で減速された前記陽電子を測定部まで
    導く輸送部とから構成された陽電子発生装置において、
    前記線源部に、前記陽電子の進行方向を法線とする平面
    に沿って配設される2個以上のアイソトープと、前記モ
    デレータ部に、湾曲形状を有し、該湾曲形状の円または
    球の中心が前記線源部と反対方向になるよう配設された
    モデレータとを備えることを特徴とする陽電子発生装
    置。
  2. 【請求項2】 陽電子を発生させるアイソトープを含ん
    だ線源部と、前記陽電子を低速化するモデレータ部と、
    前記モデレータ部で減速された前記陽電子を測定部まで
    導く輸送部とから構成された陽電子発生装置において、
    前記線源部のアイソトープと前記モデレータ部との間
    に、前記陽電子の通過位置に出し入れ可能に配設される
    遮蔽手段を備えることを特徴とする陽電子発生装置。
  3. 【請求項3】 前記線源部または前記モデレータ部のい
    ずれか一方に連接され、前記線源部と前記モデレータ部
    の距離を変化させる距離可変手段を備えることを特徴と
    する請求項2記載の陽電子発生装置。
  4. 【請求項4】 陽電子を発生させるアイソトープを含ん
    だ線源部と、前記陽電子を低速化するモデレータ部と、
    前記モデレータ部で減速された前記陽電子を測定部まで
    導く輸送部とから構成された陽電子発生装置において、
    前記線源部の上流部に配設された、ビームダクトと、前
    記アイソトープを前記ビームダクト中に移送する移送手
    段と、前記ビームダクトと共に、前記移送手段によって
    移送した前記アイソトープを前記線源部から取り外すこ
    とが可能な脱着手段とを備えることを特徴とする陽電子
    発生装置。
  5. 【請求項5】 前記移送手段は、電磁誘導により前記ア
    イソトープを前記ビームダクト中に移送する電磁手段で
    あることを特徴とする請求項4記載の陽電子発生装置。
  6. 【請求項6】 外形を錘形状とし、前記アイソトープを
    支持する線源ホルダと、前記アイソトープに対向する側
    に、前記線源ホルダが嵌合する錘形状の穴部を有する支
    持台とを備えることを特徴とする請求項4記載の陽電子
    発生装置。
  7. 【請求項7】 外形を凸形状とし、前記アイソトープを
    支持する線源ホルダと、前記アイソトープに対向する側
    に、前記線源ホルダが嵌合する凹形状の穴部を有する支
    持台とを備えることを特徴とする請求項4記載の陽電子
    発生装置。
  8. 【請求項8】 前記線源部は、弾性部材より形成された
    止めがねが設けられ、前記アイソトープを支持する線源
    ホルダと、前記線源ホルダを所定の位置に配設した際
    に、前記止めがねが嵌合する凹部を有する支持台とを備
    えることを特徴とする請求項4記載の陽電子発生装置。
  9. 【請求項9】 陽電子を発生させるアイソトープを含ん
    だ線源部と、前記陽電子を低速化するモデレータ部と、
    前記モデレータ部で減速された前記陽電子を測定部まで
    導く輸送部とから構成された陽電子発生装置において、
    前記モデレータ部を前記陽電子の通過経路から移送させ
    る可動手段と、前記陽電子の通過経路から移送させた前
    記モデレータ部の近傍に配設され、前記モデレータ部を
    加熱する赤外線発生手段とを備えることを特徴とする陽
    電子発生装置。
  10. 【請求項10】 加速器等の電子ビームを用いて陽電子
    を発生させるターゲットと、前記陽電子を低速化するモ
    デレータ部と、前記モデレータ部で減速された前記陽電
    子を測定部まで導く輸送部とから構成された陽電子発生
    装置において、所定のスリットを有し、前記ターゲット
    と前記モデレータ部の間に配設された陽電子集束手段を
    備えることを特徴とする陽電子発生装置。
  11. 【請求項11】 前記陽電子集束手段は、前記スリット
    の形状、またはその大きさを変更可能としたことを特徴
    とする請求項10記載の陽電子発生装置。
  12. 【請求項12】 加速器等の電子ビームを用いて陽電子
    を発生させるターゲットと、前記陽電子を低速化するモ
    デレータ部と、前記モデレータ部で減速された前記陽電
    子を測定部まで導く輸送部とから構成された陽電子発生
    装置において、前記加速器を当該陽電子発生装置から切
    り離し、所定の間隔を空けて配設すると共に、前記加速
    器に対向する当該陽電子発生装置の大気部と真空部の境
    界に配設されるターゲットを備えることを特徴とする陽
    電子発生装置。
  13. 【請求項13】 加速器等の電子ビームを用いて陽電子
    を発生させるターゲットと、前記陽電子を低速化するモ
    デレータ部と、前記モデレータ部で減速された陽電子を
    測定部まで導く輸送部とから構成される陽電子発生装置
    において、前記加速器を当該陽電子発生装置から切り離
    し、所定の間隔を空けて配設すると共に、前記加速器側
    の大気部と真空部の境界と、当該陽電子発生装置側の大
    気部と真空部の境界とに、対向させて配設された1対の
    ターゲットを備えることを特徴とする陽電子発生装置。
  14. 【請求項14】 加速器等の電子ビームを用いて陽電子
    を発生させるターゲット、もしくは、陽電子を発生させ
    るアイソトープを含む線源部からなる陽電子発生部と、
    前記陽電子を低速化するモデレータ部と、前記モデレー
    タ部で減速された陽電子を測定部まで導く輸送部とから
    構成された陽電子発生装置において、前記陽電子発生部
    に一体に設けられ、該陽電子発生部からの放射線を遮蔽
    する遮蔽手段を備えることを特徴とする陽電子発生装
    置。
  15. 【請求項15】 アウトガス量の少ない金属または絶縁
    体からなり、前記遮蔽手段の周囲を覆う部材を備えるこ
    とを特徴とする請求項14記載の陽電子発生装置。
  16. 【請求項16】 前記遮蔽手段は、前記陽電子の進行方
    向の長さを前記アイソトープ、あるいは前記コンバータ
    部より長くしたことを特徴とする請求項14記載の陽電
    子発生装置。
  17. 【請求項17】 加速器等の電子ビームを用いて陽電子
    を発生させるターゲット、もしくは、陽電子を発生させ
    るアイソトープを含む線源部からなる陽電子発生部と、
    前記陽電子を低速化するモデレータ部と、前記モデレー
    タ部で減速された陽電子を測定部まで導く輸送部とから
    構成される陽電子発生装置において、前記陽電子発生部
    は、前記陽電子を電界で輸送する第1の電極群を有し、
    前記輸送部は、前記陽電子を磁界で輸送する電磁手段を
    有し、前記測定部は、前記陽電子を電界で輸送する第2
    の電極群を有することを特徴とする陽電子発生装置。
  18. 【請求項18】 加速器等の電子ビームを用いて陽電子
    を発生させるターゲットと、前記陽電子を低速化するモ
    デレータ部と、前記モデレータ部で減速された前記陽電
    子を測定部まで導く輸送部とから構成される陽電子発生
    装置において、前記輸送部の上流側の前記陽電子の通過
    経路に配設された電極と、前記輸送部の下流側の前記陽
    電子の通過経路に配設されたモデレータと、前記電極と
    前記モデレータとに所定の電圧を印加し、パルス状の陽
    電子ビームを連続ビームとする電源とを備えたことを特
    徴とする陽電子発生装置。
  19. 【請求項19】 加速器等の電子ビームを用いて陽電子
    を発生させるターゲット、もしくは、陽電子を発生させ
    るアイソトープを含む線源部からなる陽電子発生部と、
    前記陽電子を低速化するモデレータ部と、前記モデレー
    タ部で減速された陽電子を測定部まで導く輸送部とから
    構成される陽電子発生装置において、前記測定部付近に
    配設され、印加された交流電流により前記陽電子のビー
    ムを平面状に走査する電磁手段とを備えることを特徴と
    する陽電子発生装置。
  20. 【請求項20】 加速器等の電子ビームを用いて陽電子
    を発生させるターゲット、もしくは、陽電子を発生させ
    るアイソトープを含む線源部からなる陽電子発生部と、
    前記陽電子を低速化するモデレータ部と、前記モデレー
    タ部で減速された陽電子を測定部まで導く輸送部とから
    構成される陽電子発生装置において、前記測定部に、上
    下方向と左右方向の各々に配設され、印加された交流電
    圧により前記陽電子のビームを平面状に走査する一対以
    上の電極とを備えることを特徴とする陽電子発生装置。
  21. 【請求項21】 加速器等の電子ビームを用いて陽電子
    を発生させるターゲット、もしくは、陽電子を発生させ
    るアイソトープを含む線源部からなる陽電子発生部と、
    前記陽電子を低速化するモデレータ部と、前記モデレー
    タ部で減速された陽電子を測定部まで導く輸送部とから
    構成された陽電子発生装置において、交流で励磁され、
    前記陽電子を走査する電磁手段と、所定のスリットを有
    し、前記陽電子の通過経路上に配設され、該陽電子を遮
    蔽する遮蔽手段とを備えることを特徴とする陽電子発生
    装置。
  22. 【請求項22】 加速器等の電子ビームを用いて陽電子
    を発生させるターゲット、もしくは、陽電子を発生させ
    るアイソトープを含む線源部からなる陽電子発生部と、
    前記陽電子を低速化するモデレータ部と、前記モデレー
    タ部で減速された前記陽電子を測定部まで導く輸送部と
    から構成される陽電子発生装置において、前記陽電子の
    通過経路に沿って配設され、交流電圧が印加される一組
    以上の電極と、所定のスリットを有し、前記陽電子の通
    過経路上に配設され、該陽電子を遮蔽する遮蔽手段を備
    えることを特徴とする陽電子発生装置。
  23. 【請求項23】 加速器等の電子ビームを用いて陽電子
    を発生させるターゲット、もしくは、陽電子を発生させ
    るアイソトープを含む線源部からなる陽電子発生部と、
    前記陽電子を低速化するモデレータ部と、前記モデレー
    タ部で減速された前記陽電子を測定部まで導く輸送部と
    から構成された陽電子発生装置において、前記測定部付
    近の上下、または左右方向、あるいは上下左右方向に、
    前記陽電子のビーム軌道を補正する一対以上の電極を備
    えることを特徴とする陽電子発生装置。
  24. 【請求項24】 前記陽電子のエネルギと、該エネルギ
    の陽電子の軌道を補正するために必要とされる前記電極
    に印加する電圧との関係を予め測定し、実際の運転時に
    は、前記陽電子のエネルギを変化させる毎に、前記予め
    測定した関係に基づいて前記電極に所定の電圧を印加
    し、前記陽電子の軌道を自動的に補正する制御手段を備
    えることを特徴とする請求項23記載の陽電子発生装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6919563B2 (en) 2002-08-29 2005-07-19 Semiconductor Technology Academic Research Center Defect evaluation apparatus utilizing positrons
JP2007139525A (ja) * 2005-11-17 2007-06-07 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 陽電子ビーム集束方法および集束装置
JP2013019692A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Sumitomo Heavy Ind Ltd 中性子線照射装置及び中性子線照射装置のメンテナンス方法
JP2015145882A (ja) * 2015-04-28 2015-08-13 住友重機械工業株式会社 中性子捕捉療法用中性子線照射装置

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