JP7181524B2 - 荷電粒子ビーム強度分布可変装置、荷電粒子ビーム強度分布可変方法、二次粒子生成装置、及び放射性同位体生成装置 - Google Patents
荷電粒子ビーム強度分布可変装置、荷電粒子ビーム強度分布可変方法、二次粒子生成装置、及び放射性同位体生成装置 Download PDFInfo
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Description
一実施形態に係る荷電粒子ビーム強度分布可変装置1及び二次粒子生成装置2の全体構成の概要について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。図1は、一実施形態に係る荷電粒子ビーム強度分布可変装置1及び二次粒子生成装置2の構成を示す概略図である。図2は、一実施形態に係る多重極電磁石50が形成する磁場の磁束密度分布を示す図である。図3は、一実施形態に係る荷電粒子ビーム強度分布可変装置1において、加速器5から出射される荷電粒子ビームのビーム半径の推移を示す図である。なお、本明細書において、「上流」「下流」の語は、出射する荷電粒子ビームの上流(加速器5側)、下流(ターゲット7側)をそれぞれ意味している。また、本明細書において、「水平方向」及び「垂直方向」とは、荷電粒子ビームの輸送方向に直交する平面(荷電粒子ビームの断面)上において互いに直交する方向であって、輸送方向に対して左右方向に延びる方向を「水平方向」とし、輸送方向に対して上下方向に延びる方向を「垂直方向」とする。
イオンビーム源としては、荷電粒子を放出することが可能なものであれば、いかなるものも用いることができ、例えば、マルチカスプイオン源、デュオプラズマトロンイオン源、及び電子サイクロトロン共鳴イオン源等を用いることができる。
加速器5としては、荷電粒子を加速することが可能なものであれば、いかなるものも用いることができる。例えば、一般的なリングサイクロトンやAVF(Azimuthally Varying Field)サイクロトン等を用いることができ、その詳細な構成の説明は省略する。
ターゲット7としては、ターゲット7から回収する所望の生成物の種類(二次粒子や三次粒子、又は放射性同位体)に応じて、適宜に選択すればよく、例えば炭素成分からなる公知且つ一般的なものを用いることができる。ターゲット7の形状も特に制限はないが、例えば板状又は棒状のものを用いることができる。
輸送ライン10は、荷電粒子ビームが通るビームダクト(図示せず)を有し、当該ビームダクト内は真空状態に維持されることで、輸送中の荷電粒子ビーム中の各荷電粒子が散乱することを抑制している。また、輸送ライン10は、図1に示すように、後述する偏向電磁石40によって、複数のルートに分岐しており(図1においては、ラインA~I)これによって、一つの荷電粒子ビーム強度分布可変装置1及び二次粒子生成装置2を用いて、種々のバリエーションの実験・評価を実行することが可能となっている。
4極電磁石30は、図1に示すように、加速器5からターゲット7までの間に複数(例えば、図1のラインAにおいては、加速器5からターゲット7までの間に25個)設けられる。4極電磁石30は、一般的に知られる構造のものを用いることができる。すなわち、軸対称に配置された4極の磁極にコイルを巻回して、N極及びS極が互い違いとなるような構成とし、巻回されたコイルに電流を通電することで、4極電磁石30は、その中心軸においては磁場強度が極小化し、中心軸から離れる位置においては次第に磁場強度が増加するような線形の磁束密度分布(図2の点線参照)を有する磁場を形成する。このような4極電磁石30を複数配置し、各4極電磁石30内に荷電粒子ビームを通過させることで、4極電磁石30が形成する磁場は、荷電粒子ビームを集束(例えば、水平方向に対してビーム半径を集束)、又は発散(例えば、垂直方向に対してビーム半径を発散)するよう作用する。したがって、加速器5からターゲット7までの間に複数の4極電磁石30を適宜に配置することによって、水平方向及び垂直方向において、荷電粒子ビームのビーム半径を適切に集束させて、荷電粒子ビームのビーム強度を落とすことなく、荷電粒子ビームをターゲット7まで輸送することが可能となる。
偏向電磁石40は、荷電粒子ビームの進行方向を調整するために配置されるものであって、一実施形態に係る荷電粒子ビーム強度分布可変装置1及び二次粒子生成装置2においては、図1に示すように、4つ設けられるが、この数に限定されるものではない。偏向電磁石40は、一般的に知られる構造のものを用いることができるため、その構造の詳細な説明は省略する。
多重極電磁石50は、荷電粒子ビームのビーム強度分布(荷電粒子密度分布)を、ガウス状から中空状(ビーム強度分布が、ビーム中心軸付近で低強度、ビーム外縁で高強度であること)へと可変させるために設けられる。具体的には、図1に示すように、多重極電磁石50は、荷電粒子ビームの進行経路上(図1においては、輸送ライン10におけるラインA上)において、前述した4極電磁石30よりも下流側であって、ターゲット7の直前に少なくとも1つ以上配置される。このように荷電粒子ビームのビーム強度分布を中空状へと可変することで、二次粒子生成装置2として、パイ中間子(二次粒子)及びミューオン(三次粒子)をターゲット7から効率的に取り出すことができる。また、ターゲット7を適宜に変更することで、放射性同位体生成装置として、放射性同位体をターゲット7から効率的且つ大量に生成することも可能となる。加えて、一般に、放射性同位体を生成するに際してはターゲット7の発熱が問題となるところ、通常は放射性同位体生成装置に冷却手段(図示せず)を別途設けて、ターゲット7の除熱が図られている。しかしながら、荷電粒子ビームのビーム強度分布が、ガウス状である場合、ターゲット7の内部が発熱するため、冷却手段による除熱効果は限定的となってしまう。しかしながら、荷電粒子ビームのビーム強度分布を中空状へと可変させることで、ターゲット7の表面(前面、側面、及び背面)付近に発熱を集中させることで、冷却手段によるターゲット7の除熱効果を高めることも可能となる。
次に、一実施形態に係る荷電粒子ビーム強度分布可変装置1によって実行される荷電粒子ビームの強度分布可変方法の概要について、図1乃至図11Cを参照しつつ説明する。図4は、一実施形態に係る多重極電磁石50を通過する前の荷電粒子ビームの断面を示す図である。図5は、図4に示す荷電粒子ビームにおいて、水平方向のビーム強度分布を示す図である。図6は、図4に示す荷電粒子ビームにおいて、垂直方向のビーム強度分布を示す図である。図7は、任意の荷電粒子の初期位置x0に対する当該任意の荷電粒子のターゲット7上での位置xtとの関係、及びターゲット7におけるビーム強度分布を示す図である。図8は、一実施形態に係る多重極電磁石を通過した後のターゲット7上での荷電粒子ビームの断面を示す図である。図9は、図8に示す荷電粒子ビームにおいて、水平方向のビーム強度分布を示す図である。図10は、図8に示す荷電粒子ビームにおいて、垂直方向のビーム強度分布を示す図である。図11Aは、一実施形態に係る多重極電磁石50を通過した後のターゲット7上での別の荷電粒子ビームの断面を示す図である。図11Bは、一実施形態に係る多重極電磁石50を通過した後のターゲット7上での別の荷電粒子ビームの断面を示す図である。図11Cは、一実施形態に係る多重極電磁石50を通過した後のターゲット7上での別の荷電粒子ビームの断面を示す図である。
2 二次粒子生成装置
5 加速器
7 ターゲット
10 輸送ライン
30 4極電磁石
40 偏向電磁石
50 多重極電磁石
Claims (10)
- イオンビーム源において生成される荷電粒子ビームを加速して出射する加速器と、
前記加速器から出射される前記荷電粒子ビームの進行経路上に少なくとも1つ以上設けられ、6極以上の磁極を有し非線形の磁束密度分布を有する磁場を形成する多重極電磁石と、
を具備し、
前記多重極電磁石内に、前記荷電粒子ビームを通過させて、中空状のビーム強度分布を有する前記荷電粒子ビームを生成する、荷電粒子ビーム強度分布可変装置であって、
前記多重極電磁石が、前記荷電粒子ビームの水平方向に沿ったビーム半径と鉛直方向に沿ったビーム半径とが同程度の大きさである位置に配置されることにより、前記中空状のビーム強度分布を有する前記荷電粒子ビームを生成する、荷電粒子ビーム強度分布可変装置。 - 前記荷電粒子ビームの進行経路上には、4極電磁石及び偏向電磁石がさらに設けられ、 前記多重極電磁石は、前記4極電磁石よりも、前記進行経路上において下流側に配される、請求項1に記載の荷電粒子ビーム強度分布可変装置。
- 前記多重極電磁石は、8極の磁極を有する、請求項1又は2に記載の荷電粒子ビーム強度分布可変装置。
- 前記多重極電磁石が形成する前記磁場の前記磁束密度分布を可変させて、前記荷電粒子ビームの断面形状を可変させる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム強度分布可変装置。
- 6極以上の磁極を具備し非線形の磁束密度分布を有する磁場を形成する多重極電磁石内に、加速器から出射される荷電粒子ビームを通過させて、前記荷電粒子ビームにおけるビーム強度分布を中空状に可変させる、荷電粒子ビーム強度分布可変方法であって、
前記多重極電磁石が、前記荷電粒子ビームの水平方向に沿ったビーム半径と鉛直方向に沿ったビーム半径とが同程度の大きさである位置に配置されることにより、前記中空状のビーム強度分布を有する前記荷電粒子ビームを生成する、荷電粒子ビーム強度分布可変方法。 - 前記荷電粒子ビームを前記多重極電磁石内に通過させる前に、4極電磁石内に前記荷電粒子ビームを通過させて集束させる、請求項5に記載の荷電粒子ビーム強度分布可変方法。
- 前記多重極電磁石は、8極の磁極を有する、請求項5又は6に記載の荷電粒子ビーム強度分布可変方法。
- 前記多重極電磁石が形成する前記磁場の前記磁束密度分布を可変させて、前記荷電粒子ビームの断面形状を可変させる、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム強度分布可変方法。
- イオンビーム源において生成される荷電粒子ビームを加速して出射する加速器と、
ターゲットと、
前記加速器と前記ターゲットとの間であって、前記加速器から出射される前記荷電粒子ビームの進行経路上に少なくとも1つ以上設けられ、6極以上の磁極を有し非線形の磁束密度分布を有する磁場を形成する多重極電磁石と、
を具備し、
前記多重極電磁石内に、前記荷電粒子ビームを通過させて、中空状のビーム強度分布を有する前記荷電粒子ビームを生成し、前記荷電粒子ビームを前記ターゲットに照射させて少なくとも二次粒子を生成する、二次粒子生成装置であって、
前記多重極電磁石が、前記荷電粒子ビームの水平方向に沿ったビーム半径と鉛直方向に沿ったビーム半径とが同程度の大きさである位置に配置されることにより、前記中空状のビーム強度分布を有する前記荷電粒子ビームを生成する、二次粒子生成装置。 - イオンビーム源において生成される荷電粒子ビームを加速して出射する加速器と、
ターゲットと、
前記加速器と前記ターゲットとの間であって、前記加速器から出射される前記荷電粒子ビームの進行経路上に少なくとも1つ以上設けられ、6極以上の磁極を有し非線形の磁束密度分布を有する磁場を形成する多重極電磁石と、
を具備し、
前記多重極電磁石内に、前記荷電粒子ビームを通過させて、中空状のビーム強度分布を有する前記荷電粒子ビームを生成し、前記荷電粒子ビームを前記ターゲットに照射させて放射性同位体を生成する、放射性同位体生成装置であって、
前記多重極電磁石が、前記荷電粒子ビームの水平方向に沿ったビーム半径と鉛直方向に沿ったビーム半径とが同程度の大きさである位置に配置されることにより、前記中空状のビーム強度分布を有する前記荷電粒子ビームを生成する、放射性同位体生成装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018207270A JP7181524B2 (ja) | 2018-11-02 | 2018-11-02 | 荷電粒子ビーム強度分布可変装置、荷電粒子ビーム強度分布可変方法、二次粒子生成装置、及び放射性同位体生成装置 |
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JP2020071192A JP2020071192A (ja) | 2020-05-07 |
JP7181524B2 true JP7181524B2 (ja) | 2022-12-01 |
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JP2018207270A Active JP7181524B2 (ja) | 2018-11-02 | 2018-11-02 | 荷電粒子ビーム強度分布可変装置、荷電粒子ビーム強度分布可変方法、二次粒子生成装置、及び放射性同位体生成装置 |
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2018
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Title |
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Yosuke YURI et al.,Transformation of the beam intensity distribution and formation of a uniform ion beam by means of nonlinear focusing,Plasma and Fusion Research,2014年,vol.9,#4406106 |
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