JP4695389B2 - ビタミンb12の生合成に必要な酵素をコードするプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー由来遺伝子 - Google Patents

ビタミンb12の生合成に必要な酵素をコードするプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー由来遺伝子 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、ビタミンB12の生合成に必要な遺伝子およびタンパク質(例えば酵素)に関する。特に本発明は、4つの新規な遺伝子(およびそれらによってコードされる対応酵素)を提供する(前記は全てプロピオン酸菌、特にプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー(Propionibacterium freudenreichii)に由来する)。これらの酵素はシンターゼまたはトランスフェラーゼのどちらかであり、ビタミンB12の製造に用いることができる。
緒言
ビタミンB12は人間および動物にとって重要なビタミンである。前記は必須ビタミンであり、人間および動物の飲食物中の食品から得られる。ビタミンB12は、動物性食物(魚、牛乳および乳製品、卵、獣肉および鶏肉を含む)中に天然に見出される。ある種の食品、例えば朝食のシリアルはビタミンB12が強化されてあり、ベジタリアンにとって特にビタミンの貴重な供給源を提供する。ビタミンB12は、悪性貧血および末梢神経炎の治療に用いられ、さらに動物の飼料の栄養補強としても用いられる。
ビタミンB12という用語は、コバルトコリノイドファミリーの化合物、特にコバラミン群の化合物を指して用いられる。この群の化合物でもっとも言及されるものはシアノコバラミンであり、したがってビタミンB12という用語は時にはシアノコバラミンを指すために用いられる。本明細書では、ビタミンB12という用語はその広い意味を指し、したがってコバラミン群の全てのコバルトコリノイドを含む。前記には特にシアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミンおよび5'-デゾキシアデノシルコバラミンが含まれ、それぞれシアノ、ヒドロキシル、メチルまたは5'-デゾキシアデノシルラジカルを特徴とする。
ビタミンB12は工業的には微生物の発酵、特にシュードモナス=デニトリフィカンス(Pseudomonas denitrificans)を用いることによって製造される。しかしながら、従来のビタミンB12の生産レベルは常に経費効率の高いビタミンB12の製造を可能にしているとは限らない。ビタミンB12の生産性を高めるために、発酵プロセスを改善する努力が要求されている。
シュードモナス=デニトリフィカンスにおけるビタミンB12の生合成経路の性状はよく調べられている(24)。前記性状によって前記経路の大半が解明された(25)。総計22の酵素が精製され、22のcob遺伝子が特定された。しかしながら、これらの遺伝子のいくつかの役割はなお不明である。プロピオニバクテリウム=シェルマニー(Propionibacterium shermanii)では、密接な関係を有するが幾分異なる経路が働いていると考えられている。
さらにまた、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)における生合成経路によってコバラミンが調べられた。ネズミチフス菌のcobオペロンが単離され、大腸菌(E. coli)でクローニングされた。前記アプローチは、新規なホストにコバラミンをde novoに産生する能力(以前には存在しなかった能力)を付与した。特許刊行物では、ローヌプーラン(Blanche of Rhone Poulenc Rorer)はコバラミンの調製を可能にする関連の生合成方法で引き合いに出される。
総計14の遺伝子(プロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー(Propionibacterium freudenreichii)における嫌気的B12経路の17工程に必要な酵素をコードする)が提唱された(41)。しかしながら、前記文献は一切の配列を示さず、2つの遺伝子生成物を記述しただけであり、メチレーションが惹起されると主張している。前記遺伝子は大腸菌で発現され、ビタミンB12を実際に製造するためにこれら遺伝子を使用することについては開示されていない。
ビタミンB12は工業的にはプロピオン酸菌種を用いて生産されるが、収量および生産レベルは完全に満足なものというわけではなく、改善の余地がある。したがって、プロピオニバクテリウム=フリューデンレイキーにおける生合成経路を解明するための研究を行い、その結果、本発明の4つの異なる遺伝子および酵素が特定された。これによって、工業スケールでのビタミンB12収量の改善が可能になる。
発明の要旨
ここにビタミンB12の生合成に必要な新規な酵素が提供される。
本発明の第一の特徴は、放線菌目に由来するグラム陽性細菌、例えばプロピオン酸菌科(例えばプロピオニバクテリウム属、例えばプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー)から得られるシンターゼまたはトランスフェラーゼに関する。これらの酵素は(例えばアミド)シンターゼまたは(例えばホスホまたはヌクレオチジル)トランスフェラーゼである。好ましくは、それらはEC6.3.1.-、2.7.7-、2.7.8-、または2.5.1.17活性を有する。
より好ましくは、本発明は第一の特徴において、以下を含む(単離および/または精製)シンターゼまたはトランスフェラーゼポリペプチドを提供する:
(i)配列番号:2、4、6もしくは8のアミノ酸配列;または
(ii)シンターゼもしくはトランスフェラーゼである(i)の変種;または
(iii)シンターゼもしくはトランスフェラーゼである(i)または(ii)のフラグメント。
本発明の第二の特徴にしたがえば、以下を含むポリヌクレオチドが提供される:
(a)配列番号:1、3、5もしくは7の核酸配列、または本発明のポリペプチドをコードする配列;
(b)(a)に定義された配列のいずれかと相補的であるか、または前記とハイブリダイズする配列;
(c)(a)または(b)のいずれかの配列のフラグメント;
(d)(a)、(b)もしくは(c)に定義された配列のいずれかと少なくとも60、65または70%の同一性を有する配列;または
(e)(a)から(d)に定義された配列のいずれかに対する遺伝暗号の縮退に基づく配列。
本発明はまた以下を提供する:
−本発明のポリヌクレオチドを含み、さらに本発明のポリペプチドを発現することができる(発現)ベクター(第三の特徴);
−本発明のベクターを含むホスト(第四の特徴)、例えば細胞系または株;
−本発明のポリペプチドを製造する方法(前記方法は本発明の細胞系または株を前記ポリペプチドの発現を得るために適した条件下で維持し、必要な場合には前記ポリペプチドを単離することを含む);および
−ビタミンB12またはその前駆体を製造する方法(第五の特徴)(前記方法は基質を本発明のポリペプチドまたはホスト細胞と接触させることを含む)。
配列の簡単な説明
配列番号:1は、プロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー由来の本発明の第一の酵素、アミドシンターゼのDNA配列である;
配列番号:2は、第一の酵素(A)のアミノ酸配列である;
配列番号:3は、同じ生物に由来する第二の酵素、(ホスホおよび/またはヌクレオチジル)トランスフェラーゼのDNA配列である;
配列番号:4は、第二の酵素(B)のアミノ酸配列である。
配列番号:5は、また同じ生物に由来する第三の酵素、トランスフェラーゼのDNA配列である;
配列番号:6は、第三の酵素(C)のアミノ酸配列である;
配列番号:7は、また同じ生物に由来する第四の酵素、(ヌクレオチジル)トランスフェラーゼのDNA配列である;
配列番号:8は、第四の酵素(D)のアミノ酸配列である;さらに
配列番号:9から17はプライマーである。
発明の詳細な説明
A.ポリヌクレオチド
本発明は、本発明のポリペプチドをコードする(例えば単離および/または精製)ポリヌクレオチドを提供する。本発明はしたがって、ポリヌクレオチド、好ましくはシンターゼまたはトランスフェラーゼをコードするポリヌクレオチドを提供し、前記ポリヌクレオチドのアミノ酸配列は配列番号:2、4、6および/または8に示されている。本発明はさらに、配列番号:2、4、6および/または8に示されたアミノ酸配列と実質的なアミノ酸配列相同性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。さらにまた包含されるものは以下から選択されるポリヌクレオチドである:
(a)配列番号:1、3、5および/または7に示されるヌクレオチド配列、またはその相補鎖を含むポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1、3、5または7に示されるヌクレオチド配列と(例えば選択的に)ハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列またはそのフラグメントを含むポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1、3、5または7に示されるヌクレオチド配列の相補鎖と(例えば選択的に)ハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列またはそのフラグメントを含むポリヌクレオチド;
(d)(a)、(b)または(c)に定義された配列に対する遺伝暗号の縮退に基づくポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド。
ポリヌクレオチドは本発明の2つ、3つまたは4つ以上の配列、例えば配列番号:3および5、又は配列番号:1、3および5(または上記の(b)、(c)および(d)に定義されたその変種)を含むことができる。
本発明のポリヌクレオチドにはまた以下のポリヌクレオチドが含まれる:
(a)シンターゼまたはトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする配列であって、(1)配列番号:1、3、5または7のコード配列;(2)(1)に定義された配列の相補鎖と選択的にハイブリダイズする配列;(3)(1)または(2)に定義された配列に対する遺伝暗号の縮退に基づく配列、または
(b)(a)に定義されたポリヌクレオチドと相補的な配列。
ハイブリダイズすることができる配列:“ハイブリダイズすることができる”という用語は、本発明の標的ポリヌクレオチドがプローブとして用いられた核酸(例えば配列番号:1、3、5もしくは7に示されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントまたはその相補鎖)とバックグラウンドを顕著に越えるレベルでハイブリダイズすることができることを意味する。本発明はまた、シンターゼまたはトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列またはその変種を、それらに対し相補的であるヌクレオチド配列と同様に含む。前記ヌクレオチド配列はRNAでもDNAでもよく、したがってゲノムDNA、合成DNAまたはcDNAを含む。好ましくは、前記ヌクレオチド配列は適切な場合にはDNA配列であり、cDNA配列である。典型的には、本発明のポリヌクレオチドは、連続したヌクレオチド配列であって、配列番号:1、3、5もしくは7のコード配列または配列番号:1、3、5もしくは7のコード配列の相補鎖と選択された条件下で適宜ハイブリダイズすることができるものを含む。そのようなヌクレオチドは当業界で周知の方法にしたがって合成することができる(1)
本発明のポリヌクレオチドは、配列番号:1、3、5もしくは7のコード配列またはその相補鎖とバックグラウンドを顕著に越えるレベルで(適宜)ハイブリダイズすることができる。バックグラウンドハイブリダイゼーションは、例えばcDNAライブラリーに存在する他のcDNAのために生じるであろう。シグナルレベル(例えば本発明のポリヌクレオチドと配列番号:1、3、5もしくは7のコード配列またはその相補鎖との間の相互作用によって生じる)は、典型的には少なくとも10倍、好ましくは少なくとも100倍であるか、または他のポリヌクレオチドと配列番号:1、3、5または7のコード配列との間における相互作用と同程度に強い。相互作用の強さは、例えばプローブを例えば32Pで放射能標識することによって測定することができる。選択的なハイブリダイゼーションは、典型的には低ストリンジェンシー条件(約40℃で0.3M塩化ナトリウムおよび0.03Mクエン酸ナトリウム)、中等度のストリンジェンシー条件(例えば、約50℃で0.3M塩化ナトリウムおよび0.03Mクエン酸ナトリウム)または高ストリンジェンシー条件(例えば、約60℃で0.3M塩化ナトリウムおよび0.03Mクエン酸ナトリウム)を用いて実施することができる。ハイブリダイゼーションは当業界で公知の任意の適切な条件下で実施することができ(1)、指針として、低ストリンジェンシーは55℃で2xのSSC、中等度ストリンジェンシーは60℃で0.5から1.0xのSSC、高ストリンジェンシーは60℃またはそれ以上(例えば68℃)で0.1または0.2xのSSCであり、前記の全てでSDSは0.5%であろう。
改変:本発明のポリヌクレオチドはDNAまたはRNAを含むことができる。前記は一本鎖でも二本鎖でもよい。前記はまた1つまたは2つ以上の合成もしくは改変ヌクレオチドをその中に含むポリヌクレオチドでもよい。ポリヌクレオチドに対する種々のタイプの多数の改変が当業界で知られている。前記改変には、メチルホスホネートおよびホスホロチオエート骨格および/または前記分子の3'および/または5'末端へのアクリジンまたはポリリジンの付加が含まれる。本発明の目的のために、本明細書に開示されたポリヌクレオチドを当業界で利用可能な任意の方法によって改変できることは理解されよう。
個々の任意のホスト生物におけるコドンの使用態様を反映させるために、例えば本発明のポリペプチドを前記生物で発現させるために、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド配列に影響を与えないヌクレオチド置換を当業者は日常的な技術を用いて実施できることは理解されよう。
配列番号:1、3、5または7のコード配列は、例えば1、2または3個から10、25、50または100個のヌクレオチドの置換または前記までのヌクレオチドの置換によって改変することができる。前記ポリヌクレオチドは、別の選択肢としてまたは更に前記に付け加えて、1つまたは2つ以上の挿入および/または欠失を実施するか、および/またはいずれかの末端または両端を延長させることによって改変することができる。前記改変ポリヌクレオチドは一般的にシンターゼまたはトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。縮退置換を実施してもよく、および/または、例えば以降でポリペプチドに関して検討するように改変配列を翻訳したとき保存的アミノ酸置換がもたらされる置換を実施してもよい。
同族体:配列番号:1、3、5または7の配列をコードするDNA(例えばその相補鎖)と選択的にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列は、配列番号:1、3、5または7のコード配列と少なくとも50%または60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性(または相同性)を有するであろう。前記同一性は、少なくとも20、好ましくは少なくとも30、例えば少なくとも40または50、例えば少なくとも60または80、より好ましくは少なくとも100、200、400、500または600もの連続したヌクレオチドの領域に及ぶか、または場合によって配列番号:1、3、5または7の完全長に及ぶであろう。個々の配列については、前記配列同一性は以下のとおりであろう:
(a)配列番号:1については、少なくとも85%または90%;
(b)配列番号:3については、少なくとも70%;
(c)配列番号:5については、少なくとも90%または95%;および/または
(d)配列番号:7については、少なくとも85%、90%、95%または98%。
上述の相同性の程度および最小限のサイズを任意に組み合わせて、本発明のポリヌクレオチドを定義することができるが、よりストリンジェントな組合せ(すなわち、より大きな長さにわたってより高い相同性をもつもの)が好ましい。したがって、例えば25ヌクレオチドにわたって、好ましくは30ヌクレオチドにわたって少なくとも80%または90%の相同性を有するポリヌクレオチドは、40ヌクレオチドにわたって少なくとも90%の相同性を物ヌクレオチドと同様に本発明の1つの特徴を形成する。
ポリヌクレオチド(またはタンパク質)配列の同族体は、典型的には少なくとも70%の相同性、好ましくは少なくとも80%、90%、95%、97%または99%の相同性を、例えば少なくとも15、20、30、100またはそれ以上の連続ヌクレオチド(またはアミノ酸)領域にわたって有する。前記相同性はアミノ酸同一性(時に“ハードホモロジー”と称される)を基準にして計算することができる。同一性または相同性は別に特定されない限り通常は配列全体を基準にして計算される。
例えば、UWGCGパッケージは、相同性の計算に用いることができるBESTFITプログラムを提供する(例えばそのデフォルト設定を基に用いられる(5))。PILEUPおよびBLASTアルゴリズムを用いて、相同性を計算または配列のアラインメントを実施することができる(例えば同等または対応する配列を例えばそれらのデフォルト設定を基に特定する(6,7))。
BLAST分析実施用ソフトは公的に利用可能である(National Center of Biotechnology Information;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)。前記アルゴリズムは先ず初めに、調査配列の中の長さWをもつ短いワード(前記はデータベースの配列中の同じ長さのワードとアラインメントを実施したとき何らかの正の値をもつ閾値スコアTと合致するかまたは満足させる)高スコア配列対(HSP)を特定することを必要とする。Tは近傍ワードスコア閾値と称される(6,7)。これらの最初のワードヒットは、それらを含有するHSPを見つけるための検索開始シードとして機能する。ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加する限り各配列の両方向に沿って延長される。各方向における前記ワードヒットの延長は以下の場合に停止される:累積アラインメントスコアが、その最大達成値から量Xだけ低下したとき;累積スコアが、1つまたは2つ以上の負のスコアをもつ残基のアラインメントのためにゼロまたはそれより小さくなったとき;またはいずれかの配列の末端に達したとき。BLASTアルゴリズムW、TおよびXはアラインメントの感度および速度を決める。BLASTプログラムはデフォルトとして、11のワードの長さ(W)、50のBLOSUM62スコアマトリックス(8)アラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=4、および両鎖の比較を用いる。
BLASTアルゴリズムは2つの配列間の類似性の統計分析を実施する(9)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の測定値の1つは、最少合計確率(P(N))であり、前記は2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の合致が偶然生じる確率の指標を提供する。例えば、第一の配列と第二の配列との比較の最少合計確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、もっとも好ましくは約0.001未満ならば、前記配列はもう1つの配列に対して類似していると考えられる。
フラグメント、同族体および他の変種は、長さが少なくとも500、510または550(例えば配列番号:7の場合)クレオチドであり、対応するタンパク質の少なくとも(例えば最初の)170、180または200アミノ酸をコードする。
プライマーおよびプローブ:本発明のポリヌクレオチドには以下が含まれ、プライマー(例えばPCRプライマー、択一増幅反応用プライマー)、プローブとして用いることができ、または本発明のポリヌクレオチドはベクターでクローニングすることができる。そのようなプライマー、プローブおよび他のフラグメントは、長さが少なくとも20ヌクレオチドまたは20ヌクレオチドまで、例えば少なくとも25、30または40ヌクレオチドであろう。それらは典型的には、長さが40、50、60、70、100、150、200または300ヌクレオチドであるか、または配列番号:1、3、5または7のコード配列の前記同じヌクレオチド数まで、もしくはそれより少ないヌクレオチド数(例えば5または10ヌクレオチド)であろう。
一般的には、プライマーは合成手段(一度に一ヌクレオチドずつ製造する所望の核酸配列のステップワイズ製造を含む)により製造されるであろう。自動化技術を用いる前記のための技術は当業界ではいつでも利用可能である。
長いポリヌクレオチドは一般にはリコンビンナント手段、例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)クローニング技術を用いて製造されるであろう。前記手段は以下の工程を必要とする:クローニングを所望するシンターゼまたはトランスフェラーゼ領域に対する一対のプライマー(例えば約15から30ヌクレオチドをもつもの)を作製し;前記プライマーを標的(例えば酵母、細菌、植物、原核または真菌)細胞、好ましくは細菌細胞(例えばプロピオン酸菌株)から得られたmRNAまたはcDNAと接触させ;所望の領域の増幅を惹起させる条件下でポリメラーゼ連鎖反応を実施し;前記増幅フラグメントを(例えば反応混合物をアガロースゲルで精製することによって)単離し;さらに前記増幅DNAを回収する。前記プライマーは、増幅DNAを適切なクローニングベクターでクローニングすることができるように、適切な制限酵素認識部位を含むようにデザインすることができる。
前記のような技術を用いて、本明細書に記載したシンターゼまたはトランスフェラーゼの全体または部分を得ることができる。配列番号:1、3、5もしくは7のcDNAに対応するゲノムクローンまたは例えばイントロンおよびプロモーター領域を含むシンターゼもしくはトランスフェラーゼ遺伝子もまた本発明の範囲内であり、さらに、真菌、酵母、細菌、植物もしくは原核細胞由来のゲノムDNAから出発して類似の態様(例えばリコンビナント手段、PCR、クローニング技術)で入手することもまた可能である。
前記ポリヌクレオチドまたはプライマーはその存在を明らかにする標識(例えば放射性標識または非放射性標識)を保持することができる。適切な標識には、放射性同位元素(例えば32Pまたは35S)、酵素標識、または他のタンパク質標識(例えばビオチン)が含まれる。前記のような標識は、それ自体公知の技術を用いて本発明のポリヌクレオチドまたはプライマーに付加し、さらに検出することができる。
あるサンプル(例えば細菌サンプル)においてシンターゼもしくはトランスフェラーゼまたはその変種を検出または配列決定するための核酸ベースの検査で、ポリヌクレオチド(標識されていてもされてなくても)を用いることができる。前記のような検出用検査は一般的に以下の工程を含む:DNAを含む(と思われる)サンプル(例えば細菌サンプル)を本発明のプローブまたはプライマーとハイブリダイゼーション条件下で接触させ;さらに前記プローブとサンプル中の核酸間で形成された一切のデュープレックスを検出する。前記のような検出は、例えばPCRのような技術を用いるか、または固相に前記プローブを固定し、プローブとハイブリダイズしないサンプル中の核酸を除去し、続いて前記プローブとハイブリダイズした核酸を検出することによって達成することができる。また別には、前記サンプル核酸を固相に固定し、前記の固相に結合したプローブの量を検出することができる。
本発明のプローブは、適切な容器にテストキットの形態で簡便にパッケージすることができる。前記のようなキットでは、プローブは固相に結合させることができ、キットがそのためにデザインされているアッセイ様式は前記のような結合を必要とする。前記キットはまた、サンプルを処理してプローブで探索し、サンプル中の核酸とプローブとをハイブリダイズさせるために必要な適切な試薬、コントロール試薬、指示なども含むことができる。
好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは前記ポリペプチドと同じ生物(例えば細菌、特にマイコバクテリウム科、好ましくはプロピオニバクテリウム属の細菌)から得られる。
本発明のポリヌクレオチドには配列番号:1、3、5または7の配列の変種(前記はシンターゼまたはトランスフェラーゼ活性を有する)が含まれる。変種は付加、置換および/または欠失によって形成することができ、さらに、シンターゼまたはトランスフェラーゼとして作用する能力を有するか、またはEC6.3.1-、2.7.7(または8).-、2.5.1.17活性を有するであろう。
ポリヌクレオチドの製造:配列番号:1、3、5または7と100%の同一性をもたないが本発明の範囲内に包含されるポリヌクレオチドは、多数の方法で得ることができる。したがって、本明細書に記載した配列の変種は、例えば、本発明のポリペプチドの供給源として検討された一連の生物から作製されたゲノムDNAライブラリーを例えばプローブで探索することによって入手することができる。さらにまた、他の細菌または原核生物に由来する同族体を入手してもよく、一般にそのフラグメントは配列番号:1、3、5または7とハイブリダイズすることができるであろう。前記のような配列は、他の種に由来するcDNAライブラリーまたはゲノムDNAライブラリーをプローブで探索し、さらに(以前に記載したように)中等度から高いストリンジェンシー条件下で、配列番号:1、3、5または7の全体または部分を含むプローブで前記のようなライブラリーをプローブで探索することによって入手してもよい。配列番号:1、3、5または7の全体または部分を含む核酸プローブを用いて、他の種(例えば本発明のポリペプチドの供給源として述べたようなもの)に由来するcDNAライブラリーをプローブで調べることができる。
種間同族体はまた縮退PCRを用いて得ることができる。前記PCRは、保存アミノ酸配列をコードする、変種および同族体内の配列を標的とするようにデザインされたプライマーを用いるであろう。前記プライマーは1つまたは2つ以上の縮退箇所を含むことができ、既知の配列に対してただ1つ存在する配列プライマーを用いて配列をクローニングするために使用される条件よりゆるいストリンジェンシー条件で用いられるであろう。
また別には、前記のようなポリヌクレオチドは、前記シンターゼもしくはトランスフェラーゼ配列またはその変種の位置特異的突然変異誘発によって得ることもできる。前記方法は、例えば前記ポリヌクレオチド配列が発現される特定のホスト細胞にために優先されるコドンの最適化のためにサイレントコドン変化が要求される場合に有用であろう。制限酵素認識部位の導入、または前記ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの特性または機能の変更のために他の配列変化も所望することもできる。
本発明は、本発明のポリヌクレオチドおよびその相補鎖を含む二本鎖ポリヌクレオチドを含む。
本発明はまた、下記に述べる本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。そのようなポリヌクレオチドは本発明のポリペプチドのリコンビナント生成のために有用であるので、前記が配列番号:1、3、5または7配列とハイブリダイズする能力をもつことは必ずしも必要というわけではないが、ただし前記能力は一般的には所望されるであろう。その他の点では、前記のようなポリヌクレオチドは、所望の場合は上記で述べたように標識され使用され作製されるであろう。
B.ポリペプチド
本発明は、(例えば(実質的に)精製および/または単離された)シンターゼもしくはトランスフェラーゼまたはその変種(以降で定義される)に関する。本発明のポリペプチドは本質的に配列番号:2、4、6もしくは8のアミノ酸配列またはその配列の変種から成るであろう。前記ポリペプチドはまた、上記で述べた本発明のポリヌクレオチドによってもコードされるであろう。
本発明のポリペプチドは単離または実質的に精製された形態で存在するであろう。前記ポリペプチドは、そのポリペプチドの意図した目的および/または機能を阻害しない担体または希釈剤と混合されてあってもよく、それでもなお実質的に単離されたものとみなされることは理解されよう。前記は一般的には、調製物中のポリペプチドの20重量%以上、例えば30%、40%、50%、80%、90%、95%または99重量%以上が本発明のポリペプチドである調製物中のポリペプチドを含むであろう。日常的な方法を用いて本発明のタンパク質を精製および/または合成することができる(1)。いくつかの製剤の場合(例えば非医薬的使用の場合)、本発明のポリペプチドの量は少なく、例えば0.01から10%、例えば0.1から5%、または2%、または0.2から1%でさえも可能であろう。
好ましくは、本発明のポリペプチドは、微生物(例えばシンターゼまたはトランスフェラーゼ活性をもつ酵素をコードする遺伝子を保有する微生物)から単離される。より好ましくは、前記微生物は細菌、例えばグラム陽性細菌である。前記微生物は、放線菌門または放線菌綱、例えば放線菌亜綱に属するであろう。好ましくは、前記微生物は放線菌目、例えばプロピオニバクテリウム亜目に属し、場合によってプロピオニバクテリウム科に由来する。好ましい生物はしたがって、プロピオニバクテリウム属、例えばプロピオン酸菌種、プロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー(Propionibacterium freudenreichii)に属する。好ましくは、前記微生物はビタミンB12を産生または合成することができる。
活性:本発明のポリペプチドは1つまたは2つ以上の以下の特徴を有することができる。すなわち、
(1)シンターゼまたはトランスフェラーゼ活性を保有する;
(2)アミドシンターゼまたはホスホ-、ヌクレオチジル-またはアリール-トランスフェラーゼとして機能する;
(3)ビタミンB12合成経路で少なくとも1つの工程を触媒する;
(4)EC6.3.1-、EC2.7.7-、EC2.7.8-またはEC2.5.1.17内の活性を有する;
(5)150または170から270または300アミノ酸、または800または840から880または920アミノ酸の長さを有する;
(6)コビリニン酸-a,c-ジアミドシンターゼ、コビンアミドキナーゼ、コビンアミドホスフェートグアニルトランスフェラーゼ、コバラミン(5'-ホスフェート)シンターゼおよび/またはアデノシルトランスフェラーゼである;
(7)以下を含む基質に対して作用するか、または生成物を生じる:
(i)コリン核またはコリン環系;
(ii)4つまでのアリール(場合によってピロール)環;
(iii)テトラピロール環系および/または遷移金属(例えばコバルト)原子;および/または
(iv)アミド、ホスフェート、グアニジル、アリールまたはアデノシル成分もしくは基;および/または
(8)アミド化、リン酸化、ヌクレオチジル化、アリール化、リバゾールもしくはアデノシル付加および/またはアデノシル化を触媒する。








本発明のポリペプチドの主要な特徴を示す表は以下に提供される。
Figure 0004695389



















Figure 0004695389
*:長さ、ヌクレオチド数;**:アミノ酸数
変種および同族体:本発明のポリペプチドは、配列番号:2、4、6または8に示されたアミノ酸配列またはその変種、例えば実質的に相同な配列、または前記いずれかの配列のフラグメントを含み、シンターゼまたはトランスフェラーゼ活性を有することができる。一般的には、前記配列番号:2、4、6または8に示された天然に存在するアミノ酸配列が好ましい。
特に本発明のポリペプチドは以下を含むことができる:
(a)配列番号:2、4、6または8のポリペプチド配列;
(b)天然に存在する変種、またはその種間同族体、パラローグもしくはオルトローグ;または
(c)前記(a)または(b)に対して少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも98または少なくとも99%の配列同一性を有するタンパク質。
変種は、例えば真菌、細菌、酵母または植物細胞において天然に存在し、配列番号:2、4、6または8のタンパク質と実質的に類似の態様で機能するものであろう。例えば前記はシンターゼまたはトランスフェラーゼ活性を有する。同様に、前記タンパク質の種間同族体は、別の種で天然に存在し、シンターゼまたはトランスフェラーゼ酵素として機能することができる同等なタンパク質であろう。変種には対立遺伝子変種が含まれ、前記は、本発明のポリペプチドと同じ株に由来するかまたは異なる株に由来するか(ただし同じ属である)、または同じ種に由来する。
変種および種間同族体は、配列番号:2、4、6または8のポリペプチドの製造について本明細書で述べる方法にしたがい、さらに適切な細胞供給源(例えば細菌、酵母、真菌または植物細胞)を用いてそのような方法を実施することによって得ることができる。さらにまた、上記に定義したようなプローブを用いて、酵母、細菌、真菌または植物細胞から作製したライブラリーを探索して変種または種間相同性を含むクローンを得ることも可能である。前記クローンを通常の技術によってマニピュレートして本発明のポリペプチドを作製し、続いて前記をそれ自体公知のリコンビナント手法または合成手法によって製造することができる。
本発明のポリペプチドは、好ましくは、配列番号:2、4、6または8のタンパク質のいずれかと少なくとも70%の配列同一性、より好ましくは少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または前記に対し少なくとも99%の配列同一性を、例えば少なくとも60、少なくとも100、150、200、250または300個の(または500、600、700または800もの)連続アミノ酸の領域にわたって、または配列番号:2、4、6または8の完全長にわたって有する。個々の配列に対して言えば、前記配列同一性は、(例えば少なくとも150、170、200または230アミノ酸にわたって、または前記よりも長い配列にわたって)
(a)配列番号:2に対しては、少なくとも55%、60%または65%;
(b)配列番号:4に対しては、少なくとも50%、55%または60%;
(c)配列番号:6に対しては、少なくとも40%、45%または50%;および/または
(d)配列番号:8に対しては、少なくとも90%、95%、98%または99%であろう。
したがって、配列番号:2、4、6または8のポリペプチド並びに変種および種間同族体の配列を改変して、本発明のポリペプチドを提供することができる。アミノ酸置換は、たとえば1、2または3から(または前記まで)10、20、30、50または100の置換を実施することができる。前記と同じ数の欠失および挿入もまた実施することができる。これらの変更は前記ポリペプチドの機能に決定的な領域の外側で実施され、したがってなお活性な酵素を生じることができる。前記改変ポリペプチドは一般的にはシンターゼまたはトランスフェラーゼとしての活性を保持する。
本発明のポリペプチドには上記に述べた完全長のポリペプチドおよびその変種のフラグメントが含まれ、前記は配列番号:2、4、6または8に示した配列のフラグメントを含む。そのようなフラグメントは典型的にはシンターゼまたはトランスフェラーゼとしての活性を保持する。フラグメントは少なくとも50、100、150、200または250アミノ酸の長さであるか、または完全長の配列から前記の数のアミノ酸が不足しているであろう(配列番号:2、4、6または8に示されたとおり)。
本発明のポリペプチドは、必要な場合には合成手段により製造することができるが、ただし通常、前記は下記に記載するように組換えにより製造されるであろう。前記は、例えばそれらの特定または精製を容易にするためにヒスチジン残基またT7タグを付加するか、または細胞から前記の分泌を促進するためにシグナル配列を付加することによって改変することができる。
“変種”という用語は、シンターゼまたはトランスフェラーゼと同じ必須の特徴または基礎的な生物学的機能性を有するポリペプチドを指し、対立遺伝子変種が含まれる。前記シンターゼの必須の特徴とは、それがEC6.3.-.-.(例えばEC6.3.1.-)活性を示すか、または基質(例えばアミデート)にアミノ基を付加することができる酵素であるということである。トランスフェラーゼの場合は、前記はEC2.7.-.-.(例えばEC2.7.7または8.-)、またはEC2.5.-.-.(例えばEC2.5.1.-.、例えばEC2.5.1.17)活性を示し、さらに1つの化合物から別の化合物へ置換基または化学成分を移転させることができる酵素である。好ましくは、変種ポリペプチドは同じ活性を有する。前記同じ必須の特徴を有するポリペプチドは、基質分解アッセイを実施することによって特定できよう。
配列番号:2、4、6または8の変種はまた、配列番号:2、4、6または8に対し変化しているが、必ずしも天然に存在する酵素に由来したものではない配列も含む。これらの変種は、配列番号:2、4、6または8に対し或るパーセント相同性を有すると記載されるか、またはこの配列内に或る数の置換基を有すると記載されるであろう。また別には、変種は配列番号:1、3、5または7とハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるであろう。
前記変種は、配列番号:1、3、5または7の変種と類似の態様で定義することができる。したがって、前記変種は、他の細菌株、例えばプロピオン酸菌に由来する変種配列を含むことができる。他の変種は、上記のようにシンターゼまたはトランスフェラーゼ活性を探し、クローニングし配列を決定することによって他の株から特定することができる。変種は、前記ペプチドがその基本的な生物学的機能性(例えばシンターゼまたはトランスフェラーゼ活性)を維持する限り、前記タンパク質内にただ1つのアミノ酸またはアミノ酸群の欠失、改変または付加を含むことができる。
例えば以下の表の保存的置換を実施することができる。第二の欄の同じブロック内のアミノ酸、好ましくは第三の欄の同じ列内のアミノ酸は互いに置換することができる。好ましくは、サブ置換は前記ポリペプチドの折り畳みまたは活性に影響を与えない。
Figure 0004695389
より短い配列は本発明の範囲内に包含される.例えば、長さが少なくとも50アミノ酸または、60、70、80、100、150、200、400、500、600または700アミノ酸までのペプチドは、シンターゼまたはトランスフェラーゼの基礎的な生物学的機能性を示す限り本発明の範囲内に含まれると考えられる。特に(絶対というわけではないが)、本発明の本特徴は、前記タンパク質が完全なタンパク質のフラグメントである場合の位置を包含し、基質結合領域、切断および/または転移領域を構成または表すことができる。
改変:本発明のポリペプチドは化学的に改変、例えば翻訳後改変することができる。例えば、本発明のポリペプチドは改変アミノ酸残基を含むことができる。前記はまた、(それらの精製を容易にするために)ヒスチジン残基を付加するか、または(細胞膜への挿入を促進するために)シグナル配列を付加することにより改変することができる。前記ポリペプチドは1つまたは2つ以上のアミノ(N)-またはカルボキシ(C)-末端伸長部分を含むことができる。前記は、例えばアミノ末端メチオニン残基、約20から25残基までの小リンカーペプチド、または精製を容易にする(小)伸長部分(例えばポリヒスチジンまたはT7タグ)、抗原性エピトープまたは例えばC-末端の(例えばマルトース)結合ドメイン(14)である。
本発明のポリペプチドは表示用標識で標識することができる。前記表示標識は、前記ポリペプチドの検出を可能にする任意の適切な標識であろう。適切な標識には放射性同位元素(例えば125I、35S)、酵素、抗体、ポリヌクレオチドおよびリンカー(例えばビオチン)が含まれる。
前記ポリペプチドは、天然に存在しないアミノ酸を含むように、または前記ポリペプチドの安定性を高めるために改変することができる。前記ペプチドを合成手段によって製造するときは、そのようなアミノ酸は製造中に導入することができる。前記ペプチドはまた合成または組換え製造の後で改変してもよい。
本発明のポリペプチドは(1つまたは2つ以上の)D-アミノ酸を用いて製造しても、またはD-アミノ酸を含んでいてもよい。
多数の側鎖改変が当業界で知られており、本発明のタンパク質またはペプチドの側鎖についても実施することができる。そのような改変には、例えば、NaBH4による還元を伴うアルデヒドとの反応による還元性アルキル化、メチルアセトイミデートによるアミド化、または無水酢酸によるアシル化によるアミノ酸の改変が含まれる。
本発明によって提供される配列はまた、“第二世代”酵素の構築用出発物質として用いることができる。“第二世代”酵素は突然変異誘発技術(例えば位置特異的突然変異誘発)によって変化させた酵素であり、前記は、野生型またはリコンビナント酵素(例えば本発明によって製造されたもの)の特性とは異なる特性を有する。例えば至適温度もしくはpH、比活性、基質親和性または耐熱性を改変して、限定的プロセスにおける利用にいっそう適応させることができる。
活性に必須のアミノ酸、したがって置換に付されるアミノ酸は当業界で公知の方法(例えば位置特異的突然変異誘発またはアラニン走査突然変異誘発(10))に従って特定することができる。後者の技術では、変異が分子中の各残基に導入され、得られた変異分子が生物学的活性(例えばシンターゼまたはトランスフェラーゼ)について検査され、前記分子の活性に決定的なアミノ酸残基が特定される。酵素-基質相互作用部位もまた、核磁気共鳴、結晶学またはフォトアフィニティーラベリング(11,12,13)または分子モデリングのような技術によって決定されるように、結晶構造の分析により決定することができる。
酵母および真菌ホスト細胞の使用によって、任意の翻訳後改変(例えばタンパク分解によるプロセッシング、ミリスチレーション、糖化、切端化およびチロシン、セリンまたはスレオニンリン酸化)が提供される(前記改変は本発明のリコンビナント発現生成物の生物学的活性に影響を与える)。
本発明のポリペプチドは、それらポリペプチドの天然の細胞内環境外に存在するような形態で提供することができる。したがって、前記ポリペプチドは、上記で考察されたように実質的に単離または精製されてあるか、または前記ポリペプチドが天然には生じない細胞内で(例えば他の細菌種、動物、酵母または真菌の細胞内で)単離または精製されてある。
C.リコンビナント
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター(クローニングおよび発現ベクターを含む)、および適切なホスト細胞で前記ベクターを、本発明のポリペプチドの発現が生じる条件下で増殖、形質転換またはトランスフェクトする方法を提供する。さらに提供されるものは、本発明のポリヌクレオチドまたはベクターを含むホスト細胞である(この場合、前記ポリヌクレオチドはホスト細胞のゲノムにとって異種である)。ホスト細胞に関しては通常“異種”という用語は、前記ポリヌクレオチドが前記ホスト細胞に天然には存在しないか、または前記ポリペプチドが天然には前記細胞によって産生されないことを意味する。好ましくは、前記ホスト細胞は細菌細胞、例えばプロピオニバクテリウム科の(例えばグラム陽性)細胞である。
本発明のポリヌクレオチドは複製可能なリコンビナントベクター(例えばクローニングまたは発現ベクター)に取り込ませることができる。前記ベクターを用いて適合するホスト細胞で前記核酸を複製させることができる。したがって、別の実施態様では、本発明は、前記ベクターを適合ホスト細胞に導入し、前記ホスト細胞を前記ベクターの複製が惹起される条件下で増殖させることによって本発明のポリヌクレオチドを製造する方法を提供する。前記ベクターは前記ホスト細胞から回収することができる。適切なホスト細胞は発現ベクターに関連して下記に記載される。
ベクター:本発明のポリヌクレオチドは発現カセットに挿入することができる。発現カセットまたは本発明のポリヌクレオチドが挿入されるベクターは、都合よくリコンビナントDNA方法に付すことができる任意のベクターであろう。前記ベクターの選択は、前記ベクターが導入されるホスト細胞にしばしば左右されるであろう。したがって、前記ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち染色体外物質として存在し、その複製が染色体の複製に依存しないベクター、例えばプラスミドであろう。また別には、前記ベクターは、ホスト細胞に導入されたときホスト細胞ゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と一緒に複製されるベクターでもよい。
好ましくは、ベクター内の本発明のポリヌクレオチドは、前記コード配列のホスト細胞による発現を提供することができる調節配列に機能的に連結される(すなわち前記ベクターは発現ベクターである)。“機能的に連結”という用語は、記載の成分が、意図される態様でそれらが機能することを可能にする関係にある並置状態を意味する。コード配列と“機能的に連結された”プロモーター、エンハンサーまたは他の発現調節シグナルのような調節配列は、前記コード配列の発現が前記制御配列と適合した条件下で達成されるような態様で配置される。
前記ベクターは、プラスミド、コスミド、ウイルスまたはファージベクターで、通常は複製起点とともに提供され、場合によって、前記ポリヌクレオチドの発現のためのプロモーター、および場合によってプロモーターのエンハンサーおよび/またはレギュレーターとともに提供されるであろう。ターミネーター配列が存在できるが、前記はポリアデニル化配列であろう。前記ベクターは1つまたは2つ以上の選別マーカー遺伝子、例えばアンピシリン耐性遺伝子(細菌プラスミドの場合)またはネオマイシン耐性遺伝子(哺乳類ベクターの場合)を含むことができる。ベクターは、例えばRNAを生成するためにin vitroで用いてもよいし、またホスト細胞をトランスフェクトまたは形質転換するために用いてもよい。前記は2つまたは3つ以上の本発明のポリヌクレオチドを、例えば過剰発現のために含むことができる。
前記ベクターは、本発明のポリヌクレオチドの2つ、3つまたは4つ全てを含むことができる。換言すれば、前記は、本発明の4つのポリペプチド(上記に定義したように、配列番号:2、4、6もしくは8または変種(そのフラグメントまたは実質的に相同な配列))をコードする少なくとも2つ、3つまたは4つのポリヌクレオチド配列を含むことができる。好ましい組合せは、タンパク質B(cobU)およびタンパク質C(cobS)をコードする配列と、場合によって第三のタンパク質A(cobA/cbiA)をコードする配列を含む。したがって、前記ベクターは、配列番号:1、3、5および/または7、または本明細書で以前に定義したように、そのフラグメントまたは前記とハイブリダイズする配列を含むことができる。
好ましくは、前記ポリヌクレオチドの少なくとも2つ、3つおよび(場合によって)4つは同じオペロン(例えばオペロンC)内に存在する。それらは、前記ベクター(または最終的なホスト)が、以下の酵素の1つまたは2つ以上をコードする配列を以下の順序で含むオペロン(または配列)を含むように編成される:(ヌクレオチジル)トランスフェラーゼ、(アミド)シンターゼ、(ホスホ)トランスフェラーゼおよび/または(ヌクレオチジル)トランスフェラーゼ、(アリール)トランスフェラーゼ。したがって、4つ全てのポリヌクレオチドが存在する場合は、それらが編成される順序は好ましくは配列番号:7、1、3、5(または以前に定義されたこれらの配列の変種)である。
前記ポリペプチドをコードするDNA配列は、好ましくは発現カセット(または構築物)の部分として適切なホストに導入される。前記カセット(または構築物)中では、前記DNA配列は、前記ホスト細胞内で前記DNA配列の発現を指令することができる発現シグナルに機能的に連結される。適切なホストの前記発現構築物による形質転換のために、複数の形質転換方法が利用可能であり、前記は当業者に周知である(3,4)。前記発現構築物を選別マーカーを含むベクターの部分としてホストの形質転換に用いることができるが、また前記発現構築物を別個の分子として選別マーカーを含むベクターと一緒に同時形質転換してもよい。前記ベクターは1つまたは2つ以上の選別マーカー遺伝子を含むことができる。
好ましい選別マーカー(15,16)には、ホスト細胞の欠損を補完するもの、または薬剤耐性を付与するものが含まれるが、ただしこれらに限定されない。前記には例えば以下が含まれる:細菌(例えば大腸菌)、ほとんどの糸状菌および酵母の形質転換に用いることができる万能遺伝子、例えばアセトアミダーゼ遺伝子またはcDNA(amidS、niaD、facA遺伝子、またはA. nidulans、A. oryzaeもしくはA. niger由来のcDNA)、またはG418、ヒグロマイシン、ブレオマイシン、カナマイシン、フレオマイシンもしくはベノミル耐性(benA)のような抗生物質耐性を提供する遺伝子。また別には、固有の選別マーカー、例えば栄養要求性マーカーを用いることができる。前記は対応する変異体ホスト株を必要とする:例えばURA3(S. cerevisiae由来遺伝子、または他の酵母由来の類似遺伝子)、pyrGまたはpyrA(A.nidulansまたはA. niger由来)、argB(A.nidulansまたはA. niger由来)またはtrpC。好ましい実施態様では、前記選別マーカーは、発現構築物の導入後には形質転換ホスト細胞には欠如してあり、そのために選別マーカー遺伝子を含まないポリペプチド産生可能な形質転換ホスト細胞を得ることができる(21,22)
他のマーカーには以下が含まれる:ATPシンターゼ、サブユニット9(oliC)、オロチジン-5'-ホスフェート-デカルボキシラーゼ(pvrA)、細菌G418耐性遺伝子(前記は酵母でも用いることができるが、真菌では使用できない)、アンピシリン耐性遺伝子(大腸菌)、ネオマイシン耐性遺伝子(バチルス(Bacillus))、および大腸菌uidA遺伝子(β-グルクロニダーゼをコードする)(GUS)。ベクターは、例えばRNAを生成するためにin vitroで用いてもよいし、またはホスト細胞をトランスフェクトまたは形質転換するために用いてもよい。
ほとんどの(糸状)真菌、酵母または細菌の場合、前記ベクターまたは発現構築物は、安定な形質転換体を得るために例えばホスト細胞のゲノムに組み込まれる。しかしながら、ある種の酵母についてもまた、安定で高レベルの発現のために発現構築物を取り込ませることができる適切なベクターが利用可能であり、その例には、サッカロミセス(Saccharomyces)およびクリベロミセス(Kluyveromyces)のそれぞれ2μおよびpKD1プラスミド、またはAMA配列(例えばアスペルギルスのAMA1(3,20))を含むベクターが含まれる。発現構築物がホスト細胞ゲノムに組み込まれる場合は、前記構築物はゲノム中のランダムな遺伝子座に組み込まれるか、または予め定められた標的遺伝子座に相同性組換えを用いて組み込まれる。後者の事例では、標的遺伝子座は好ましくは高発現遺伝子を含む。高発現遺伝子は、そのmRNAが、誘発条件下では全細胞mRNAの少なくとも0.01%(w/w)を構成することができる遺伝子であるか、また別にはその遺伝子生成物が全細胞タンパク質の少なくとも0.2%(w/w)を構成することができる遺伝子である(または分泌遺伝子生成物の場合には、少なくとも0.05g/Lのレベルで分泌される)。多数の適切な高発現遺伝子の例が下記に提供される。
あるホスト細胞のためのベクターまたは発現構築物は以下の成分を含むことができ、前記成分は、第一の発明のポリペプチドをコードする配列のコード鎖に対して5'-末端から3'-末端の連続した順番で互いに機能的に連結される:
(1)前記ホスト細胞で前記ポリペプチドをコードするDNA配列の転写を指令することができるプロモーター配列;
(2)場合によって、前記ホスト細胞から培養培地中に前記ポリペプチドの分泌を指令することができるシグナル配列;
(3)前記ポリペプチドの成熟形および好ましくは活性形をコードするDNA配列;および好ましくはまた、
(4)前記ポリペプチドをコードするDNA配列の下流の転写を終了させることができる転写終了領域(ターミネーター)。
前記ポリペプチドをコードするDNA配列の下流には、1つまたは2つ以上の転写終了部位(例えばターミネーター)を含む3'非翻訳領域が存在してもよい。前記ターミネーターの由来はさほど重要ではない。ターミネーターは例えば前記ポリペプチドをコードするDNA配列に固有であろう。しかしながら、好ましくは酵母のターミネーターが酵母のホスト細胞で用いられ、糸状菌のターミネーターが糸状菌のホスト細胞で用いられ、細菌のターミネーターが細菌細胞で用いられる。より好ましくは、ターミネーターは、(前記ポリペプチドをコードするDNA配列が発現される)ホスト細胞にとって内因性である。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの強化発現もまた、異種の調節領域(例えばプロモーター)および/またはターミネーター領域を選択することによって達成することができる。前記は、発現および所望の場合は発現ホストからの問題のタンパク質の分泌レベルの強化に役立ち、さらに本発明のポリペプチドの発現の誘発性制御を提供することができる。
本発明のポリペプチドをコードする遺伝子に固有のプロモーターとは別に、他のプロモーターを用いて本発明のポリペプチドの発現を指令することができる。前記プロモーターは、所望の発現ホストでの本発明のポリペプチドの発現指令効率のために選択することができる。
プロモーター/エンハンサーおよび他の発現調節シグナルは、前記発現ベクターをそれにあわせてデザインしたホスト細胞に適合するように選択することができる。例えば、原核細胞プロモーター、特に大腸菌株での使用に適したものを用いることができる。発現が哺乳類細胞で実施されるときは、哺乳類のプロモーターを用いることができる。組織特異的プロモーター、例えば肝細胞特異的プロモーターもまた用いることができる。例えば以下のウイルスプロモーターもまた用いることができる:モロニーネズミ白血病ウイルスロングターミナルリピート(MMLVLTR)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプロモーター、SV40(例えば大型T抗原)プロモーター、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)IEプロモーター、単純ヘルペスウイルスプロモーターまたはアデノウイルスプロモーター、HSVプロモーター(例えばHSVIEプロモーター)またはHPVプロモーター、特にHPV上流調節領域(URR)。酵母プロモーターにはビール酵母菌(S. cerevisiae)GAL4およびADHプロモーター、サッカロミセス=ポンベ(S. pombe)のnmt1およびadhプロモーターが含まれる。哺乳類プロモーターにはメタロチオネインプロモーター(重金属(例えばカドミウム)に対する反応で誘発される)およびβ-アクチンプロモーターが含まれる。組織特異的プロモーター、特に内皮細胞またはニューロン細胞特異的プロモーター(例えばDDAHIおよびDDAHIIプロモーター)が特に好ましい。
本発明のホスト細胞で転写を指令することができる多様なプロモーターを用いることができる(15,16)。好ましくは、前記プロモーター配列は上記に定義した高発現遺伝子に由来する。プロモーターが好ましく由来する、および/または発現構築物のための予め定めた好ましい標的遺伝子座に含まれる高発現遺伝子の好ましい例には以下が含まれるが、ただしこれらに限定されない:糖分解酵素(例えばトリオース-ホスフェートイソメラーゼ(TPI)、グリセロアルデヒド-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)、ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)、ピルベートキナーゼ(PYK)、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)をコードする遺伝子とともに、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、アルコール(メタノール)オキシダーゼ、伸長因子およびリボソームタンパク質をコードする遺伝子。適切な高発現遺伝子の特別な例には例えば以下が含まれる:クルイベロミセス(Kluyveromyces)種由来のLAC4遺伝子、ハンセヌラ(Hansenula)およびピキア(Pichia)に由来するメタノールオキシダーゼ遺伝子(それぞれAOXおよびMOX)、アクチノミセス=ニゲル(A. niger)およびアクチノミセス=アワモリ(A. awamri)に由来するグルコアミラーゼ(glaA)、アクチノミセス=オリザ(A. oryzae)のTAKA-アミラーゼ遺伝子、アクチノミセス=ニデュランス(A. nidulans)のgpdA遺伝子およびT.レーシー(reesei)のセロビオヒドラーゼ遺伝子。
真菌発現ベクターで使用するために好ましい強力な構成的および/または誘発性プロモーター(15,16)の例は以下の真菌遺伝子から得ることができるものである:キシラナーゼ(xlnA)、フィターゼ、ATP-シンターゼ、サブユニット9(oliC)、トリオースホスフェートイソメラーゼ(tpi)、アルコールデヒドロゲナーゼ(aldhA)、α-アミラーゼ(amy)、アミログルコシダーゼ(glaA遺伝子由来AG)アセトアミダーゼ(amdS)およびグリセロアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(gpd)プロモーターのための遺伝子。
強力な酵母プロモーターの例は、アルコールデヒドロゲナーゼ、ラクターゼ、3-ホスホグリセレートキナーゼおよびトリオセホスフェートイソメラーゼのための遺伝子から得ることができるものである。
強力な細菌のプロモーターの例は、α-アミラーゼおよびSPo2プロモーターのほかに細胞外プロテアーゼ遺伝子に由来するプロモーターである。
植物細胞に適したプロモーターにはナパリンシンターゼ(nos)、オクトピンシンターゼ(ocs)、マンノピンシンターゼ(mas)、リブロース小サブユニット(rubisco ssu)、ヒストン、イネアクチン、ファセオリン、カリフラワーモザイクウイルス(CMV)35Sおよび19S、並びにシルコウイルスプロモーターが含まれる。これらのプロモーターはいずれも当業界でいつでも利用できる。
前記ベクターはさらに、真核細胞ゲノム配列(好ましくは哺乳類ゲノム配列)またはウイルスゲノム配列と相同な配列を含むRNAを生じるポリヌクレオチドにフランキングする配列を含む。前記配列は、相同組換えによって真核細胞またはウイルスのゲノムに本発明のポリヌクレオチドを導入することを可能にするであろう。特に、ウイルス配列とフランキングする発現カセットを含むプラスミドベクターを用いて、哺乳類細胞に本発明のポリヌクレオチドをデリバーするために適したウイルスベクターを調製することができる。適切なウイルスベクターのその他の例には、単純ヘルペスウイルスベクター(18,19)、およびレトロウイルス(レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ附随ウイルスおよびHPVウイルス(例えばHPV-16またはHPV-18)を含む)が含まれる。前記ウイルスを用いる遺伝子移転技術は当業者に公知である。例えばレトロウイルスベクターを用いてアンチセンスRNAを生じるポリヌクレオチドをホストゲノムに安定的に組み込むことができる。対照的に、複製欠損アデノウイルスベクターはエピソームとして残留し、したがって一過性発現を可能にする。
前記ベクターは、アンチセンスRNAの産生を提供するために、アンチセンス方向に配置された本発明のポリヌクレオチドを含みことができる。所望の場合は、前記を用いて前記ポリペプチドの発現レベルを低下させることができる。
細菌の場合には、特殊化されたベクター、例えば発現ベクターまたはプラスミドを用いることができる。プロピオン酸菌のための適切なベクターおよび発現系は当業界では公知である(27,28,30)。例えば、プロピオン酸菌の別の種(例えばP. アシドプロピオニシ(acidipropionici))に由来するプラスミドを用いることができる。このプラスミドを用いて、P. アシディプロピオニシプラスミドの6つの開放読み枠のうち1つまたは2つ以上を含むシャトルベクター(例えばpPK705)を調製することができる。前記ベクターは薬剤マーカー(例えばヒグロマイシンB耐性遺伝子)を含むことができる。前記ベクターはプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー亜種のシェルマニー(shermanii)を良好に形質転換することができる。形質転換はエレクトロポレーションにより実施することができる。
特にプロピオン酸菌に適したいくつかのプロモーター、特にプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー亜種のシェルマニーに由来するものを用いることができる。前記はプロピオン酸菌プロモーターP4およびP138を含む。
前記とは別に、或いは前記に加えてプロピオン酸菌の1つまたは2つ以上の内因性プラスミドまたはそのようなプラスミドに由来するベクターを用いて、好ましくは異種のタンパク質を細菌中で発現させてもよい。そのようなプラスミドおよびベクターは当業界で公知であり(29)、プロピオン酸菌LMG16545(アクセス番号CBS101022およびCBS101023として寄託)由来のプラスミドをベースにすることができる。
ホスト細胞および発現:さらに別の特徴では、本発明は、以下の工程を含む本発明のポリペプチドの製造方法を提供する:ホスト細胞(例えば上記の発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた細胞)を、前記ポリペプチドをコードするコード配列の(前記ベクターによる)発現を提供する条件下で培養し、さらに場合によって前記発現ポリペプチドを回収する。本発明のポリヌクレオチドは複製能力をもつリコンビナントベクター(例えば発現ベクター)に取り込ませることができる。前記ベクターを用いて適合するホスト細胞で前記核酸を複製することができる。前記ベクターは本発明のポリヌクレオチドの少なくとも1つのコピー(例えばマルチコピー)を含むことができる。したがって、更なる実施態様では、本発明は、以下の工程によって本発明のポリヌクレオチドを製造する方法を提供する:複製能力をもつベクターに本発明のポリヌクレオチドを導入し、前記ベクターを適合するホスト細胞に導入し、さらに前記ベクターの複製が惹起される条件下で前記ホスト細胞を増殖させる。前記ベクターは前記ホスト細胞から回収することができる。適切なホスト細胞には、細菌、好ましくは例えばプロピオニバクテリウム科のグラム陽性細菌が含まれる。他のホスト細胞には、大腸菌、酵母、哺乳類細胞株および他の真核細胞株、例えば昆虫細胞(例えばSf9細胞)および(例えば糸状)真菌細胞が含まれる。
前記ポリペプチドは(分泌)タンパク質として製造することができる。その場合、発現構築物中の前記ポリペプチドの成熟形をコードするDNA配列はシグナル配列をコードするDNA配列に機能的に連結される。好ましくは、前記シグナル配列は前記ポリペプチドをコードするDNA配列にとって固有(同種)である。また別には、前記シグナル配列は前記ポリペプチドをコードするDNA配列にとって外来性(異種)であり、その場合、前記シグナル配列は好ましくは前記DNA配列が発現されるホスト細胞にとって内在性である。酵母ホスト細胞の適切なシグナル配列の例は、酵母α-因子遺伝子に由来するシグナル配列である。同様に糸状菌ホスト細胞のために適切なシグナル配列は、例えば糸状菌アミノグルコシダーゼ(AG)遺伝子(例えばA. nigerのglaA遺伝子)由来のシグナル配列である。前記は、アミノグルコシダーゼ(また(グルコ)アミラーゼとも称される)プロモーターそのものと組み合わせるか、同様に他のプロモーターと組み合わせて用いてもよい。ハイブリッドシグナル配列もまた本発明に関して用いることができる。
適切な異種の分泌リーダー配列は以下に由来するものである:真菌アミノグルコシダーゼ(AG)遺伝子(例えばアスペルギルスに由来するglaA、18および24アミノ酸型の両者)、α-因子遺伝子(酵母、例えばサッカロミセスおよびクルイベロミセス)またはα-アミラーゼ遺伝子(バチルス)。
上記に述べたように前記ベクターで適切なホストを形質転換するか、またはトランスフェクトして、本発明のポリペプチドの発現またはビタミンB12の産生を提供する。このプロセスは、上記の発現ベクターで形質転換したホスト細胞を、前記ポリペプチドをコードするコード配列のベクターによる発現を提供する条件下で培養することを含む。
したがって本発明の更なる特徴では、本発明のポリヌクレオチドまたはベクターで形質転換またはトランスフェクトされた、または前記を含むホスト細胞が提供される。好ましくは、前記ポリヌクレオチドはその複製または発現のためにベクターに保持される。細胞は前記ベクターに適合するように選択され、例えば原核細胞(例えば細菌)、真菌、酵母または植物細胞であろう。
本発明は、前記ポリペプチドをコードするDNA配列のリコンビナント発現の手段によって本発明のポリペプチドを製造するプロセスを包含する。前記目的の場合、本発明のDNA配列を遺伝子増幅および/または発現シグナル(例えばプロモーター)、分泌シグナル配列の交換のために用いて、適切な同種または異種ホスト細胞での前記ポリペプチドの経済的製造を可能にすることができる。同種ホスト細胞は、本明細書では同じ種に属するホスト細胞、または前記DNA配列が由来した種と同じ種の中の変種であるホスト細胞と定義される。
適切なホスト細胞は、原核微生物(例えば細菌)または真核生物(例えば菌類、例えば酵母または糸状菌)または植物細胞であろう。一般的には、酵母細胞が、操作が容易なために真菌細胞よりも好ましい。しかしながら、いくつかのタンパク質は酵母からは分泌されにくいか、またはいくつかの事例では適切なプロセッシングが行われない(例えば酵母での過剰糖化反応)。これらの事例では、真菌または細菌のホスト生物が選択されるであろう。ビタミンB12の製造では、原核細胞または細菌ホストが好ましい。
ホスト細胞は前記ポリペプチドを過剰発現することができ、過剰発現のための細胞工学技術は周知である(3)。したがってホストは前記コードポリヌクレオチドの2つまたは3つ以上のコピーを有することができる(したがってベクターは2つまたは3つ以上のコピーを有することができる)。
バチルス属の細菌が、それらの培養培地中へのタンパク質の分泌能力のために適した異種ホストである。ホストとして適切な他の細菌はストレプトミセス属およびシュードモナス属の細菌である。しかしながら好ましくは、前記ホストは、本発明のポリヌクレオチドが得られた細菌(プロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー(P. freudenreichii))と同じ目(例えば放線菌目)または同じ科(プロピオニバクテリウム科)に由来する。
前記ポリペプチドをコードするDNA配列の発現のために好ましい酵母ホスト細胞は、サッカロミセス属、クルイベロミセス属、ハンセヌラ属(Hansenula)、ピキア属(Picia)、ヤロウイア属(Yarrowia)およびシゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)のものである。より好ましくは、酵母ホスト細胞は、以下の種から成る群から選択される:サッカロミセス=セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、クルイベロミセス=ラクチス(Kluyveromyces lactis)(クルイベロミセス=マルキシアヌス変種ラクチス(Kluyveromyces marxianus var.lactis)としても知られている)、ハンセヌラ=ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ピキア=パストリス(Pichia pastoris)、ヤロウイア=リポリチカ(Yarrowia lipolytica)およびシゾサッカロミセス=ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)。
しかしながらもっとも好ましいものは(例えば糸状)菌である。好ましい糸状菌ホスト細胞は以下の属から成る群から選択される:アスペルギルス(Aspergillus)、トリコデルマ(Trichoderma)、フサリウム(Fusarium)、ジスポロトリクム(Disporotrichum)、ペニシリウム(Penicillium)、アクレノニウム(Acremonium)、ノイロスポラ(Neurospora)、テルモアスクス(Thermoascus)、マイセリオフトラ(Myceliophtora)、スポロトリクム(Sporotrichum)、ティエラビア(Thielavia)およびタラロミセス(Talaromyces)。より好ましくは糸状菌ホスト細胞は、アスペルギルス=オイザ(Aspergillus oyzae)、アスペルギルス=ソーヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス=ニデュランス(Aspergillus nidulans)に属する種、またはアスペルギルス=ニゲルグループに由来する種である(23)。以下のものが前記に含まれるが、ただしこれらに限定されない:アスペルギルス=ニゲル、アスペルギルス=アワモリ、アスペルギルス=チュービンゲンシス(Aspergillus tubingensis)、アスペルギルス=アキュレツス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス=フェチデュス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス=ニデュランス、アスペルギルス=ジャポニクス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス=オリザ(Aspergillus oryzae)およびアスペルギルス=フィクーム(Aspergillus ficuum)。さらに以下から成るものが含まれる:トリコデルマ=レーシー(Trichoderma reesei)、フサリウム=グラミネルム(Fusarium graminearum)、ぺニシリウム=クリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)、アクレモニウム=アラバメンセ(Acremonium alabamense)、ニューロスポラ=クラッサ(Neurospora crassa)、ミセリオフトラ=テルモフィルム(Myceliophtora thermophilum)、スポロトリクム=セルロフィルム(Sporotrichum cellulophilum)、ジスポロトリクム=ジモルフォスポルム(Disporotrichum dimorphosporum)およびティエラビア=テレストリス(Thielavia terrestris)。
本発明の範囲内に包含される発現ホストの例には真菌(アスペルギルス(31,32)およびトリコデルマに属する種);細菌(例えばバチルスに属する種(33,34)(例えば枯草菌、バチルス=リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス=アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens))、シュードモナスに属する種);および酵母(例えばクルイベロミセスに属する種(35)(例えばクルイベロミセス=ラクチス(36))、およびサッカロミセスに属する種(例えばサッカロミセス=セレビシア)である。
ホスト細胞の培養およびリコンビナントの製造:[cobAまたはcbiA]:本発明はまた、本発明のポリペプチドを発現させるために改変された細胞を含む。好ましくは、前記ホストは少なくとも2つのコピーまたはマルチコピーの前記ポリヌクレオチドを含むであろう。そのような細胞には、一過性または好ましくは安定な高等真核細胞株(例えば哺乳類細胞または昆虫細胞)、または下等真核細胞(例えば酵母および(糸状)真菌細胞)、または原核細胞(例えば細菌細胞、例えば放線菌目の細菌細胞)が含まれる。
本発明のタンパク質はまた細胞株中でまたは膜上で(例えばバキュロウイルス発現系で一過性に発現されてもよい。
本発明にしたがえば、本発明のポリペプチドの産生は、発現微生物ホスト(1つまたは2つ以上の本発明のポリヌクレオチドで形質転換されてある)を通常の栄養発酵培地中で培養することによって達成することができる。
本発明のリコンビナントホスト細胞は当業界で公知の方法を用いて培養することができる。プロモーターとホスト細胞の各組み合わせについて、前記ポリペプチドをコードするDNA配列の発現および/またはビタミンB12の産生を指令する培養条件が利用可能である。所望の細胞密度または力価に達した後、培養を停止し、前記ポリペプチドまたはビタミンを公知の方法を用いて回収する。
前記発酵培地は炭素源(例えばグルコース、マルトース、糖蜜、セルロース、β-グルカンなど)および(無機)窒素源(例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウムなど)および/または(有機)窒素源(例えば酵母抽出物、麦芽抽出物、ペプトンなど)を含むことができる。無機栄養源(例えばリン酸塩、マグネシウム、カリウム、亜鉛、鉄など)および/または誘発物質(例えばセルロース、β-グルカン、マルトースまたはマルトデキストリン)も含まれていてもよい。
適切な培地の選択は、発現ホストの選択を基準にするか、および/または発現構築物の調節に関する要件を基準にすることができる。そのような培地は当業者には公知である。前記培地は、所望の場合は、夾雑の可能性がある他の微生物に対して形質転換されたホストを優位にするさらに別の成分を含むことができる。
発酵は0.5から30日の期間にわたって実施することができる。前記はバッチプロセスでも連続プロセスまたはフィードバッチプロセスでもよく、適切には0から45℃の範囲の温度で、例えば2から10の範囲のpHである。好ましい発酵条件は、20から37℃の範囲の温度、および/または3から9の範囲のpHである。適切な条件は通常、発現ホストの選択および発現されるタンパク質を基準にして選択される。
必要な場合には、発酵後に細胞を発酵ブロスから遠心分離またはろ過により除去することができる。発酵を停止した後、または細胞を除去した後、続いて本発明のポリペプチドを回収し、所望の場合は通常の手段により精製および単離することができる。
D.合成経路におけるポリペプチドの使用およびビタミンB 12 の製造における使用(反応/酵素)
A.アミド化((アミド)シンターゼ):本発明のさらに別の特徴はアミド化プロセスまたはアミンの製造プロセスに関する。前記プロセスは、基質を本発明のポリペプチドと接触させることを含む。したがって、前記方法は基質をアミド化することを含む。前記ポリペプチドは、好ましくはシンターゼ(例えばアミドシンターゼ)である。前記は、上記(例えば第一の特徴)で定義したように配列番号:2の配列を有するポリペプチド、またはその変種もしくはフラグメントであろう。また別には、前記ポリペプチドは、マイコバクテリウム科の細菌、例えばプロピオニバクテリウム属の細菌、特にプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキーに属する種に由来するシンターゼであろう。
前記プロセスはグルタミンの存在下で実施することができる。グルタミンは前記反応でグルタメートに変換させることができる。前記ポリペプチドは、ヒドロキシル基をアミンに変換するか、またはカルボキシル基(COOH)をカルボキシアミド(CONH2)に変換する能力を有するであろう。前記プロセスから生じる生成物はしたがって第一アミンであろう。
前記プロセスは、前記ポリペプチドが基質を2回アミド化することができるので、換言すれば前記基質の(別個の)置換基上に2つの(好ましくは第一)アミン基を生じるので反復させることができる。したがって、前記プロセスは、第一のカルボキシル基をカルボキシアミド基に変換することを含むことができる。前記プロセスを繰り返して、第二のカルボキシル基を同様にカルボキシアミド基に変換することができる。このようにして、前記プロセスはアミド化を2回含むことができる(例えば2つの別個の(例えば第一)アミンの生成)。(第二の)アミド化は、好ましくは基質上の別個の置換基(たとえばカルボキシル基)で生じる。
好ましくは、前記基質はコビリニン酸またはコビリニン酸c-アミドであり、および/または前記生成物はコビリニン酸c-アミドまたはコビリニン酸-a,c-ジアミドである。この反応で、グルタミンはグルタメートに変換させることができる。付加されるグルタミンまたは存在するグルタミンの量はコビリニン酸の約2倍であろう(換言すれば、グルタミンはコビリニン酸のモル濃度の約2倍のモル濃度で存在する)。これは、コビリニン酸は先ず初めにコビリニン酸c-アミド(中間体として機能する)にアミド化され、続いてコビリニン酸c-アミドは第二のアミド化反応でアミド化されてコビリニン酸a,c-ジアミドを生じるためである。
したがって、本プロセスのポリペプチドは好ましくはコビリニン酸a,c-ジアミドシンターゼ(例えばcobAまたはcbiA)である。前記ポリペプチドはEC6.3.1.-内の活性を有する。
B1.(ホスホ)トランスフェラーゼ(リン酸化):[cobU]:本発明はまたリン酸化プロセス、またはホスフェート含有化合物の製造プロセスに関し、前記プロセスは基質を本発明のポリペプチドと接触させることを含む。前記ポリペプチドは、好ましくは上記で定義したように配列番号:4またはその変種もしくはフラグメントを含む。また別には、前記ポリペプチドは、マイコバクテリウム科の細菌、例えばプロピオニバクテリウム属の細菌、特にプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキーに属する種に由来するホスホトランスフェラーゼであろう。本プロセスはしたがって基質のリン酸化(または基質へのリン酸基の付加)を含む。
前記プロセスはヌクレオチジル(例えばトリ)ホスフェート(例えばATP)の存在下で実施することができる。前記基質はヌクレオチド(例えばアデノシンを含むもの)を含むことができる。
好ましくは、前記プロセスは、(1つの化合物から別の化合物(例えば基質)へ)ホスフェート成分を転移させて(例えばヒドロキシル(OH)基をリン酸化して)、リン酸基(-PO- 4)を生成することを含む。したがって、前記ポリペプチドは、アクセプターとしてアルコール基(例えばヒドロキシ基)を用いるホスホトランスフェラーゼとして機能することができる。
好ましくは、前記基質はアデノシルコビンアミド(式II)であり、および/または前記生成物はアデノシルコビンアミドホスフェート(式IIA)である。前記プロセスはさらに、ヌクレオチド三リン酸からヌクレオチド二リン酸への変換を含むことができる(例えばATPからADP)。したがって、前記ポリペプチドはコビンアミドキナーゼ(例えばcobU)である。好ましくは、前記ポリペプチドはEC2.7.1.-内の活性を有する。
B2.(ヌクレオチジル)トランスフェラーゼ(ヌクレオチジル化):この特徴では、本発明はヌクレオチジル化プロセス、またはヌクレオチジル含有化合物の製造プロセスに関し、前記プロセスは基質をヌクレオチドトランスフェラーゼであるポリペプチドと接触させることを含む。前記ポリペプチドは、上記のB1に記載したものと同じであろう。これは、前記(第二の)酵素(Bと称する)が二重の機能を有し、二機能性酵素であるためである。
したがって、酵素Bは通常のトランスフェラーゼとして機能し、リン酸基とヌクレオチジル基の両方を同様に移転させることができる。したがって、前記はホスホトランスフェラーゼ(B1)として、さらにヌクレオチジルトランスフェラーゼ(B2)として機能することができる。
第二の機能(B2と称される)は、ヌクレオチジル含有トランスフェラーゼとしての酵素の活性に関する。
したがって好ましくは、前記プロセスは、基質のヌクレオチジル化(例えば基質のグアニジル化)を含む。好ましくは、前記基質は少なくとも1つのリン酸基を含むであろう。適切には、前記ポリペプチドはリン酸基をヌクレオチジル化することができる。
前記プロセスは、ヌクレオシル(例えば三)リン酸(例えばGTP)の存在下で惹起されるであろう。したがって本プロセスでは、前記ポリペプチドはリン酸基のグアニジル化を触媒する。
好ましくは、前記基質はアデノシルコビンアミドホスフェート(式IIA)であり、および/または前記生成物はアデノシル-GDP-コビンアミド(式IIB)である。したがって前記酵素は、基質(例えばアデノシルコビンアミドホスフェート)からヌクレオチジル含有化合物(例えばアデノシル-GDP-コビンアミド)の生成を触媒することができる。したがって、前記ポリペプチドは(ヌクレオチジル)トランスフェラーゼであるか、またはEC2.7.7.-内の活性を有することができる。前記ポリペプチドの他の好ましい特徴はホスホトランスフェラーゼ活性(B1)に関して先の節で述べたとおりである。
C.アリール化(アリールトランスフェラーゼ)またはリバゾールの付加:[cobS]:本発明のこのプロセスは、アリール化またはアリール含有化合物の製造を含み、前記プロセスは基質を本発明のポリペプチド、好ましくは(例えばアリール)トランスフェラーゼと接触させることを含む。好ましくは、前記ポリペプチドは、先に定義した配列番号:6またはその変種もしくはフラグメントを含む。また別には、前記ポリペプチドは、マイコバクテリウム科の細菌、例えばプロピオニバクテリウム属の細菌、特にプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキーに属する種に由来するアリールトランスフェラーゼであろう。前記プロセスはしたがって基質のアリール化を含む。
アリール成分(例えばリバゾール中のアリール成分、反応中に移転される)は芳香環系を含むことができる。前記アリール成分は1つまたは2つ以上の芳香環を含むことができる。前記環系は1つから4つのC1-8アルキル基で置換されていてもよい。前記アリール成分はヘテロ原子を全く含まないか、または1つまたは2つのへテロ原子(例えば1つまたは2つの窒素原子)を含むことができる。好ましくは、前記アリール成分はベンゾイミダゾール環を含む。したがって、前記プロセスは(例えばジメチル)ベンゾイミダゾール(DMB)含有化合物の製造を含むことができる。
前記アリール基は(中心の)金属原子(例えばコバルト)と結合していてもよい。前記とは別にまたは前記に加えて、前記アリール基は(例えばリボース基中の)炭素原子と結合していてもよい。好ましくは、前記アリール成分は、(反応生成物において、すなわち得られたベンゾイミダゾール含有化合物において)コバルト原子およびリボース基の両方に結合されてある。
前記プロセスはリバゾール(例えばα-リバゾール)の存在下で惹起される。前記リバゾールは基質とほぼ等モル量で存在するであろう。前記反応はα-リバゾールの(基質への)付加を含むことができる。
好ましくは前記基質はアデノシル-GDP-コバミンである。本反応生成物、アリール含有化合物は好ましくはアデノシル-5,6-ジメチルベンゾイミダゾリルコバミン(式IIC)である。本反応プロセスでは、前記リバゾールはGMPに変換されるであろう。
好ましくは、本プロセスで用いられるポリペプチドはコバラミン(5'-ホスフェート)シンターゼ(例えばcobS)である。前記ポリペプチドはEC2.7.8.-活性を有するであろう。
D.アデノシル化(アデノシルトランスフェラーゼ):本発明のこのプロセスは、アデノシル化またはアデノシン含有化合物の製造を含み、前記プロセスは基質を本発明のポリペプチド、好ましくはトランスフェラーゼ、例えばアデノシルトランスフェラーゼと接触させることを含む。好ましくは、前記ポリペプチドは、先に定義した配列番号:7またはその変種もしくはフラグメントを含む。また別には、前記ポリペプチドは、マイコバクテリウム科の細菌、例えばプロピオニバクテリウム属の細菌、特にプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキーに属する種に由来するトランスフェラーゼであろう。前記プロセスはしたがって基質のアデノシル化を含む。
本プロセスはしたがって、アデノシンの好ましくは前記基質への移転を含む。好ましくは前記アデノシンは金属原子、例えば遷移金属(例えば第一のシリーズの遷移金属)、例えばコバルトと結合される。
前記基質(および/または生成物)はアミド、例えばジアミドであろう。好ましくは、前記基質はコビリニン酸a,c-ジアミドおよび/または前記生成物はアデノシルコビリニン酸a,c-ジアミドである。
前記プロセスはヌクレオシル(例えば三)リン酸、例えばATPの存在下で惹起されるであろう。前記はまたアデノシンの存在下で生じるであろう。好ましくは、アデノシンとヌクレオシルリン酸の両方が基質に対してほぼ等モル量で存在する。前記ヌクレオシル三リン酸はヌクレオシル二リン酸に変換されるであろう。
本プロセスにおけるポリペプチドは、好ましくはアデノシルトランスフェラーゼである。前記はEC2.5.1.7.内の活性を有するであろう。好ましくは、前記ポリペプチドは、(メチル基以外の)アルキルまたはアリール基を移転させることができるトランスフェラーゼである。メチル化をもたらすポリペプチドはしたがって除外することができる。
基質(または触媒反応の生成物):ビタミンB 12 中間体および/または前駆体
基質および/または生成物は、好ましくはコリン核またはコリン環系を含む。好ましくは、前記は、4つまでの環(同じでも異なっていてもよい)を含むアリール環系を含む。しかしながら、好ましくは4つの環が存在しそれらは同じものである。各環は1つまたは2つのへテロ原子、例えば1つの窒素原子を含むことができる。したがって好ましい環はピロールであり、したがって前記環系は好ましくはテトラピロール系を含む。好ましくは前記ピロール環の2つは互いに結合し、他の2つのピロール環は架橋(例えばメテンユニット)によって連結される。
前記環系は金属原子を例えばその核に含むことができる。前記金属は遷移金属、例えば第一のシリーズの遷移金属(VIII群)であろう。前記は第四周期のものであろう。好ましくは前記金属はコバルトであり、前記はただ1つの中心コバルト原子であろう。前記環系にはアミド、ホスフェート、グアニジルまたはアデノシル成分または基が結合されてあってもよい。前記金属原子および環系の他に、第五の、場合によって第六の置換基(例えば金属に結合されてある)が存在してもよい。前記置換基または各置換基は、該当する場合には前記環の面より上部または下部に存在するであろう。適切な場合には(さらにビタミンB12の場合には)、これらの置換基の1つは、ヌクレオシル基、例えばジオキシヌクレオシル、好ましくは5'-ジオキシアデノシンを含むことができる。別の置換基は、アリール化に関してCの節で上記に定義したようにアリール基であろう。したがって、この置換基は好ましくはジメトキシベンゾイミダゾールを含むであろう。本発明で用いられる基質では、一方または両方の置換基が存在し、その結果、コバルト原子は、第五および第六の置換基として5'-ジオキシアデノシンおよびジメトキシベンゾイミダゾール基を有することができる。同じ好ましい特徴が、それらが基質に適用されるように反応生成物にも適用される。
前記5つの触媒反応または合成工程の基質および生成物のリストは、下記のビタミンB12の合成経路で前記酵素の役割の後に提供される。




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好ましい中間体または前駆体にはコビンアミド、コビンアミド-P(ホスフェート)、または式1A、1B、II、IIA、IIBもしくはIICの化合物が含まれる。
したがって、本発明のプロセスは1つまたは2つ以上の以下のプロセス工程を含むことができる(化学式を用いて示されている)、すなわち:



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E.ビタミンB 12 の工業的製造
上記で述べたように、本発明のポリペプチドを用いて、ビタミンB12の生成経路の1つまたは2つ以上の生合成工程を実施することができる。前記ポリペプチドを適切な基質と接触させ、反応を惹起させることができる。前記反応は、前記ポリペプチドが細胞(例えばホスト細胞)の外に存在するとき、換言すれば前記ポリペプチドが基質と例えばin vitroで混合されたときに惹起されるであろう。しかしながら、1つまたは2つ以上の特に所望されるビタミンB12の合成経路の工程を実施するか、または好ましくはビタミンB12(またはその中間体もしくは前駆体)の製造に前記ホスト細胞を使用するために、1つまたは2つ以上の本発明のポリペプチドを含む本発明のホスト細胞を用いることは極めて効率的である。
したがって本発明はまたビタミンB12(またはその前駆体)の製造プロセスに関し、前記プロセスは、1つまたは2つ以上の本発明のホスト細胞を、前記細胞がビタミンB12(またはその前駆体)を生合成(したがって製造)できる条件下で培養することを含む。
前記プロセスはファーメンターで実施することができる。前記ファーメンターには攪拌手段(例えばスターラー)を搭載することができる。前記ファーメンターの発酵槽にはまた通気手段、例えば酸素を含む気体をファーメンター中の液体と接触させる手段を搭載することができる。通常、前記液体は培養ブロスであり、前記細胞の水性懸濁液から成るであろう。続いて発酵を開始させる。前記ファーメンターは最少容積が10、50、100または1000リットルであろう。
前記細胞には発酵開始前、発酵開始時または発酵中に連続的もしくは継続的に1つまたは2つ以上の炭素および/または窒素源が供給される。
発酵終了時に、炭素または窒素源の供給を停止するか、またはこれら供給源の1つもしくは2つ以上を使用し尽くすことができる。炭素および/または窒素供給源の各々は複合体の供給源であってもよいが、また有機または無機化合物であってもよい。
続いて前記細胞をファーメンターから取除くことができる。前記の前または後で、水分(または水性液)を細胞から除去することができる。続いて細胞を死滅させるために加熱または低温殺菌する。
微生物細胞からビタミンB12を抽出または単離する方法は周知である(45)。例えば、(ビタミンB12を得ることができるように)、前記ビタミンを産生したホスト細胞を破壊し、または少なくとも部分的に開放し、それによって細胞の可溶成分の少なくとも一部分(ビタミンB12を含んでいる)を、液体中(例えば前記細胞を含有する液体中)に放出させる。続いて、前記開放または破壊した細胞または細胞屑を液体(ビタミンB12を含む)から分離することができる。前記微生物細胞(ビタミンB12を含んでいる)はしたがって細胞膜を破壊させるために処理することができる。細胞を開放するために適切な処理には熱処理(例えば低温殺菌、オートクレーブでの加熱)、細胞溶解酵素(例えばリゾチーム)による処理、および/または機械的な細胞破壊(すり潰しまたはせん断力の使用)、または化学物質による処理(細胞溶解をもたらす、例えば洗剤または有機溶媒の使用)が含まれる。
溶解または他の膜破壊のプロセスは溶解物を生じることができ、前記を続いて固相および液相に分離させることができる。前記溶解物の固相(細胞屑を含む)を続いて(ビタミンB12を含む液体から)分離することができる。多数の適切な固体-液体分離技術が利用可能で、前記には遠心分離および/またはろ過が含まれる。しかしながら好ましくは固体-液体分離は限外ろ過を用いて実施される。
好ましくは、前記開放/破壊微生物細胞を洗浄し、前記洗浄液を続いて前記(ビタミンB12含有)液と一緒にし、細胞屑から分離する。適切な洗浄はイオン非含有水による透析ろ過を含む。前記(ビタミンB12含有)透析ろ液を続いて(ビタミンB12含有)液相と一緒にすることができる。
続いて前記ビタミンB12含有液を、例えば噴霧乾燥、液床乾燥、凍結乾燥または真空乾燥により乾燥させる。
好ましくはビタミンB12産生細胞は開放(溶解)前に洗浄することができる。なぜならば、培養液成分を除去することによって乾燥物質を基準にしたビタミンB12の濃度を高めることができるからである。前記は透析ろ過を用い、好ましくはイオン非含有水を用いて実施することができる。
本発明の1つの特徴の好ましい特色および性状は、別の特徴にも必要な変更を加えて適用することができる。
本発明はこれから以下の実施例(前記の目的は単に説明のためであり、制限のためではない)を参考に記載されるであろう。
実施例1
プロピオン酸菌ベクター
2つの株(P. フリューデンレイキーLMG16545および同LMG16546)を用いた。前記はともに2つのプラスミドを含む同一のプラスミドプロフィルを示す。一方のプラスミドは大きく(サイズは測定されていない)、他方は小さくより豊富に存在し、サイズは3.6kbであった。LMG16545およびLMG16546由来のこれら3.6kbプラスミドをベクターとして今後使用するために選択した。これらベクターから得られたプラスミドは既に報告されている(29)。プロピオン酸菌の発現系は当業界で公知である(30)
大腸菌/プロピオン酸菌シャトルベクターの構築
サッカロポリスポルタ=エリスラエ(Saccharopolysporta erythraea)NRRL2338の1.7kbのAcc65Iフラグメント(エリスロマイシン生合成クラスターでエリスロマイシン耐性を付与する遺伝子を含む)をAcc65Iによって直鎖化したpBR322ΔI(29)に挿入した。続いて、前記新規に派生させた構築物(pBRESと称する)をEcoRVで直鎖化し、BsaBIで消化したp545のDNAに連結した。大腸菌の形質転換体は両方向で正しい挿入物を含むベクターを保有することが見出された。前記の生成プラスミドベクターをpBRESP36B1およびpBRESP36B2と称した(図2aおよび2b(29)を参照されたい)。
仮説的複製領域(すなわちAlwNI)の外側に存在する他の制限部位で直鎖化したp545DNAを用いてさらにまたプラスミドベクター構築物を得た。この構築物のために、pBRESベクターに適切なクローニング部位を提供する必要があった。アダプターをデザインし、必要とされるオリゴヌクレオチドのアニーリングによって、それぞれAcc65IおよびBglII粘着末端をもつ二本鎖DNAフラグメントを得た。前記はさらにまた内部SfiI制限部位を含み、これはAlwNI消化p545プラスミドに適合する末端を提供する。このアダプターをBglIIと基部Acc65I部位間でpBRESでクローニングした。このようにして得たpBRES-Sfiベクターを続いてSfiIで消化し、AlwNI消化p545に連結した。大腸菌を形質転換して正確なベクターを含む形質転換体が得られた(これは制限酵素分析によって確認された)。得られたベクターをpBRESP36Aと称した(29)
大腸菌/プロピオン酸菌シャトルベクターによるプロピオン酸の形質転換
プロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー株(ATCC6207)のpBRESP36B1による形質転換について述べる。
前記細菌細胞をSLB(ナトリウムラクテートブロス(39))で定常期まで30℃で培養し、続いて新しいSLBで1:50に希釈した。30℃で約20時間インキュベートした後、細胞(今や指数関数的増殖期にある)を採集し、0.5Mの冷シュクロース液で十分に洗浄した。続いて、エレクトロポレーション緩衝液(1mMの酢酸カリウム(pH5.5)で緩衝させた0.5Mのシュクロースから成る)で細胞を1回洗浄し、最後に前記緩衝液に最初の培養容積の1/100に再浮遊させた。全操作の間、細胞を氷上で維持した。
エレクトロポレーション(BIORADの装置)のために、80から100μLの細胞浮遊液を±1μgのDNA(またはさらに少ない量)と冷却した1または2mmのエレクトロポレーションキュベット中で混合し、電気パルスを与えた。最適のパルス条件は、200Ωの抵抗および25μFの静電容量で25kV/cmであることが判明した。しかしながら、より低いまたはより高い電圧でもまた(また100Ωでも)形質転換体が得られる。
パルス後直ちに、900μLの冷SLB(0.5Mのシュクロースを含む)を前記パルスを与えた細胞浮遊液に添加し、続いてこれらを2.5から3時間30℃でインキュベートし、その後適切な希釈でSLB/寒天平板(0.5Mのシュクロースおよび10μg/mLのエリスロマイシンを含む)で平板培養した。嫌気的条件下で30℃で5から7日インキュベートした後で形質転換体を検出した。
大腸菌DH5α(Promega)から単離したDNAは、1μgのDNA当たり20から30の形質転換体という形質転換効率をもたらした。大腸菌JM110(dam-、dcm-株)からDNAを単離したとき、10から100倍高い効率が達成される。大腸菌の形質転換はBIORADの指示にしたがって実施した。
形質転換体は純正のベクターを含み、ATCC6207の形質転換に用いた最初のプラスミドDNAと区別がつかなかった。このことは、以前に言及した小規模プラスミドDNA単離方法によって形質転換体から単離したプラスミドDNAの制限酵素分析によって示された。
ベクターはもっぱら自律的に複製するプラスミドとして存在していた。全DNA単離物を用いたサザンブロットハイブリダイゼーション(40)によって、染色体DNAはプローブとして用いたベクターDNAとハイブリダイズしないことが示され、プラスミドDNAの染色体組み込みは生じなかったことが示唆された。
形質転換はまたベクターpBRESP36B2およびpBRESP36Aでも成功し、前記ベクターの機能性は、p545の向きまたは使用したクローニング部位には左右されないことが示された。この事例ではベクターの純正性もまた確認された。
さらにまた、プロピオン酸菌形質転換体から単離したDNAでP. フリューデンレイキー株ATCC6207を形質転換することによって、形質転換効率は、大腸菌DH5αから単離したDNAを用いて得られた場合と比較して105から106倍増加した。
別のP. フリューデンレイキー株、LMG16545(p545プラスミドが得られた株と同じ株)の形質転換ではATCC株の形質転換効率と類似の効率が得られた。
前記シャトルベクター内で適切な転写および翻訳開始シグナルに機能的に連結された配列番号:1、3、5および7の各々を用いて形質転換を繰り返した。
実施例2
アミドシンターゼ(A)遺伝子を含むプラスミドベクターの構築
P. フリューデンレイキー株ATCC6207でビタミンB12(コバラミン)の合成レベルを増加させるためにプラスミドベクターの構築および適用について述べる。
遺伝子過剰発現プラスミドの構築のために、P. フリューデンレイキーの16SrRNAのプロモーターを使用した。プロモーター保有フラグメントを調べる方法の1つは、プロモーター-プローブベクターの使用である。プロモーター活性をモニターするために用いられるレポーター遺伝子は、野生型株には存在しない容易に検出できる酵素活性をコードする。PACYC184(17,14)由来のcat(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ)遺伝子をプロモーター-プローブベクターの構築のために用いた。16SrRNAプロモーターの活性を分析するために、このプロモーターを前記cat遺伝子の上流に配置した。
プロモーター-プローブベクターの構築のために、プロモーターのないcat遺伝子を大腸菌/プロピオン酸菌シャトルベクター、pBRESP36B2(29)でPCRによってクローニングし、ベクターpB2/PoCATを得た。上流のPCRプライマーは以下の配列を含んでいた:5'-GGGATCCTCTAGAGCATGCAAGCTTCTCGAGAATCGATAGATCTCTAAGGAAGCTAAAATG-3'。前記配列で、最後の3つのヌクレオチドはcat遺伝子の開始コドンを示している。この合成によって得られた配列は、BamHI、XbaI、HindIII、SphI、XhoI、ClaIおよびBglIIの制限部位を含むマルチクローニング部位(MCS)を含む。下流のPCRプライマーはBamHI制限部位を含んでいた。PCR増幅後、cat遺伝子は前記ベクターのBglII部位中のBamHIフラグメントとしてクローニングした(BamHIおよびBglII部位は回復されない)。2つの向きのcat遺伝子が得られた。cat遺伝子がpBR322セグメント中のベータラクタマーゼ遺伝子と同じ向きを持つものを更なる実験で用いた。
プロピオニバクテリウム=フリューデンレイキーATCC6207(GenBankアクセス番号X53217)に由来する16SrRNAの配列を基準にして、適切な制限酵素を選択し(HindIII)、前記プロモーターを包含する約3kb領域の逆PCR(2)による増幅を可能にする適切なPCRプライマーをデザインした。前記PCRフラグメントから、16SrRNAのコード配列の直ぐ上流にある0.6kbのSphI−HindIIフラグメントを単離した。このフラグメントを同じ酵素で消化したpB2/PoCATと連結し、pB2/PrRNACATと称されるプラスミドを得た。大腸菌を形質転換した後、クロラムフェニコール耐性形質転換体を得た。形質転換後、P. フリューデンレイキー株ATCC6207コロニーはエリスロマイシン含有平板でのみ得られ、クロラムフェニコール含有平板では得られなかった。しかしながら、クロラムフェニコール含有平板で画線培養したとき、pB2/PrRNACATを含む形質転換体は増殖し、一方pB2/PoCATを含むATCC6207細胞は増殖せず、したがってP. フリューデンレイキーにおける16SrRNAの機能性を示唆している。
16SrRNAプロモーターを含むがcat遺伝子を欠く発現ベクターを、ベクターpB2/PrRNACAT(P. フリューデンレイキー由来の16SリボソームRNAプロモーターを含む)の約700bpのBamHI−BglIIフラグメントをpBRESP36B2のただ1つのBglII部位に連結することによって構築した。ベクター中の前記プロモーター成分を両方の向きで得た。このリボソームプロモーターによって発現される遺伝子の転写が適切に終止しない場合には、前記リボソームプロモーターがプロピオニバクテリウムレプリコンの2つの複製遺伝子に向かう向きで存在するならば、リードスルーは、これら2つの複製遺伝子の転写を妨げるかもしれない。したがって、プロモーターが反対の向きでクローニングされるベクター、pBRESP36B2p16SHを更なる実験に用いた。前記プロモーターから下流のただ1つのBglII部位を発現ライブラリーのクローニングに用いた。
実施例3
アデノシルトランスフェラーゼの完全なコード配列(D、配列番号:7)を適切なプライマーからPCRによって作製した。上流のPCRプライマーは5'伸長部分を含み、前記は、BglII制限部位および前記遺伝子の開始コドンの上流にあるリボソーム結合部位を含んでいた。下流のPCRプライマーは、BglII制限部位を含む5'伸長部分を含んでいた。増幅フラグメントをBglIIで消化した後、このフラグメントをベクター、pBRESP36B2p16SHに連結し、さらにBglIIで消化し脱リン酸化して5'リン酸基を取除いた。大腸菌を形質転換した後、アンピシリン耐性コロニーを得た。ベクターに対して両方向のクローン化フラグメントを観察した。しかしながら、16SrRNAプロモーターがリボソーム結合部位の直ぐ上流に配置されている構築物だけがアデノシルトランスフェラーゼ遺伝子の発現を可能にした。
後者の構築物で上記に記載したようにP. フリューデンレイキーを形質転換した。前記形質転換体で、ビタミンB12の合成レベルを以下のようにして決定した。形質転換プロピオン酸菌の凍結培養を、ベクタープラスミドpBRESP36B2のみを含むコントロール株とともに、50mLのBHI(脳心臓輸液Brain Heart Infusion))培養液(Difco)を含む100mLフラスコに接種し、28℃で72時間振盪せずにインキュベートした。前記の予備培養から4mLを500mLの振盪フラスコ中の200mLの産生培地に移し、28℃で56時間振盪せずに、続いてニューブランスウィック(New Brunswick)回転シェーカーで200rpmで48時間インキュベートした。前記産生培養液は以下から成る:ディフコ(Difco)酵母抽出物(15g/L)、乳酸ナトリウム(30g/L)、KH2PO4(0.5g/L)、MnSO4(0.01g/L)およびCoCl2(0.005g/L)。
ビタミンB12の力価はHPLC(43)を用いて測定し、コントロール株よりも高いビタミンB12の産生が示された。
前記プロセスを他の3つの遺伝子(すなわち下記A、B、C)の各々について繰り返した:A:配列番号:1、コビリニン酸-a,c-ジアミドシンターゼ;B:配列番号:3、コビンアミドキナーゼ遺伝子;およびC:配列番号:5、コバラミン(5'-リン酸)シンターゼ。
さらにビタミンB12の産生を増加させるために、続いて前記4つの遺伝子(A、B、CおよびD)を1つのオペロンにまとめた。
得られた形質転換細胞(P. フリューデンレイキーATCC6207)を公知の技術(44)を用いてファーメンターで培養した。細胞を殺し溶解させるために、ブロスを65℃で30分低温殺菌した。続いて前記ブロスを超遠心分離に付し、ビタミンB12を含む桃色に着色したろ液を得た。熱によって細胞が溶解し、したがって細胞内のビタミンB12が培養液中に放出された。
実施例4
プロピオン酸菌のための発現ベクターの構築並びにプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキーにおける本発明の酵素の発現およびビタミンB 12 の産生
上記に述べた発現系(29,30)とは別に2つのまた別の発現系が当業界で知られている。前記は、所望の場合はマルチコピーの状態で、本発明の新規な酵素をコードする遺伝子を発現させるために用いることができる。第一のものはpRG01であり、前記はプロピオニバクテリウム=アシディプロピオニシ(Propionibacterium acisipropionici)由来のプラスミドである(27)。前記を用いてシャトルベクターpPK705を作製した。そのようなベクターを用いてコビリニン酸a,c-ジアミドシンターゼ(A)酵素を保持することができ、したがってプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー亜種シェルマニー(shermanii)を形質転換することができる。
利用したまた別の適切な発現系は公知のシャトルベクターpPK705(28)を使用し、前記は大腸菌とプロピオン酸菌間を往来できる。前記はプロピオン酸菌のための発現ベクターの構築を可能にし、酵素B(コビンアミドキナーゼ)のフリューデンレイキー亜種シェルマニーへの取り込みを可能にする。前記はコビンアミドキナーゼ遺伝子(本発明の配列番号:3)を用いることによって達成された。
比較実施例5
空プラスミドベクターを含むプロピオン酸菌の振盪フラスコ発酵
P. フリューデンレイキー株ATCC6207の大腸菌/プロピオン酸菌シャトルベクターpBRESP36B2p16SHによる形質転換は実施例2に記載した。形質転換体を上記で述べたようにエリストマイシン含有寒天平板で選別し、純正のプラスミドを含む形質転換体を制限分析によって選別した。
以下のように調製した50mLの嫌気的M1培養液を含む褐色ガラスのペニシリンフラスコで形質転換体を増殖させた。900グラムのM1培養液は、嫌気的条件下で810グラムのA部に90mLのB部を添加することによって調製した。エリスロマイシンを最終濃度10mg/Lで添加した。
810グラムのA部は、52.2gのMES、12.51gのディフコ酵母抽出物および水に溶解させた0.68gのメチオニンから成る。pHは水酸化アンモニウムで7に調節し、脱気し窒素をフラッシュして酸素を除去した。最後にA部をオートクレーブで滅菌した。
90mLのB部は1.5mLの微量成分溶液、フィルター滅菌した1.5mLのCoCl2.6H2O(5g/kg)、フィルター滅菌した0.9mLのCa-パントテン酸(20g/kg)および脱気した無菌的86.1mLのグルコース(440g/kg)から成る。
1kgの微量成分溶液は、水に10gのクエン酸、10mLのH2SO4、1.2gのMnSO4.H2O、300gのMgSO4.7H2O、6gのFeSO4.7H2Oおよび2.4gのZnSO4.7H2Oを含んでいた。前記溶液はフィルターで滅菌した。
50mLのM1培溶液に無菌的条件下で予備培養の5mLを接種した。前記予備培養は、M1培溶液で嫌気的に30℃で3日間穏やかに攪拌しながらOD630が約10に達するまで増殖させた選別pBRESP36B2p16SH形質転換体から成る。
前記50mL培養物を振盪せずに30℃で40時間インキュベートした。この時点でサンプルを培養から取り出し、OD630を測定した(=OD-ana)。培地のpHをNaOH(10%)を嫌気的に添加して修正した。必要なNaOH(10%)のマイクロリットル数は下記の式を用いて計算した:NaOH(10%)のマイクロリットル数=(19.67xOD-ana)−60。次ぎの工程として、0.5mLのDBI(0.5g/kg)を嫌気的に添加した。前記の添加の後、培養物をさらに24時間30℃、200rpmで振盪しながらインキュベートした。OD630を再び測定した(=OD-end)。
前記培養物の10mLサンプルを採集した。細胞を遠心分離によって採取し、ペレットを1容積の滅菌脱ミネラル水で洗浄した。前記ペレットは-20℃で保存した。融解サンプルを80℃で2%のKCNを含む緩衝液で加熱して細胞を開放し、ビタミンB12および前駆体を安定化させた。ビタミンB12の力価とともにアデノシルコビンアミドおよびアデノシルコビンアミドホスフェートレベルを適切な標準物を用いてHPLCにより測定した(43)。アデノシルコビンアミドおよびアデノシルコビンアミドホスフェート前駆体ピークの特定は質量分析データを基準にして確認した。
pBRESP36B2p16SH形質転換体の培養1mLあたりのビタミンB12の産生量をOD-endで割った。pBRESP36B2p16SH形質転換体について得られた比を、他のプラスミド(例えば次ぎの実施例)を含むP. フリューデンレイキー形質転換体について得られた比のリファレンスとして用いた。同様な比を、産生されたアデノシルコビンアミドおよびアデノシルコビンアミドホスフェートの量について算出した(OD-end培養1mL当たりの量)。これらの比は、他のプラスミドを含むP. フリューデンレイキー形質転換体中のそれぞれアデノシルコビンアミドおよびアデノシルコビンアミドホスフェートについて得られた比のリファレンスとして用いた。
実施例6
プロピオノバクテリウム=フリューデンレイキーのcobA/cbiA遺伝子のための発現ベクターの構築並びにプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキーにおけるビタミンB 12 およびその前駆体の産生のための前記の使用
hemL(46)(EMBLアクセス番号、D12643)と称されるグルタメート1-セミアルデヒドアミノムターゼをコードするプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー遺伝子を用いた。前記遺伝子のコード領域の後ろにはhemL転写ターミネーターが続く。HemL遺伝子のコード領域およびhemLターミネーターを含むDNAフラグメントを以下の工程で述べるようにpBRESP36B2p16SHでクローニングした。前記DNAフラグメントをP. フリューデンレイキーATCC6207から単離した染色体DNAを基に以下のプライマーを用いて増幅した:5'-CAgTAgATCTCgACAAggAggAACCCAtgAg-3'および5'-CgTAAgATCTCAgTTTCggACATggCAgTg-3'。両プライマーともBglII制限部位を含んでいた。得られたPCRフラグメントをベクターpCR-BluntII-TOPO(Invitrogen)に連結してpGBPHEL-1を作製した。大腸菌を形質転換した後、カナマイシン耐性コロニーを得た。このようにして得た構築物は制限分析により確認し、前記フラグメントのDNA配列は配列分析により確認した。
pGBPHEL-1を続いてBglIIで消化し、hemL遺伝子を含むフラグメントを単離し前記ベクターpBRESP36B2p16SH(最初にBglIIで消化し脱リン酸化を実施しておく)に連結した。大腸菌の形質転換後、アンピシリン耐性コロニーを得た。HemL遺伝子が16Sプロモーターから転写される構築物を制限分析によって選別した。得られた構築物をpGBP01HEL-1と称した。
cobAと称されるウロポルフィリノーゲンIIIメチルトランスフェラーゼをコードするP. フリューデンレイキー遺伝子(EMBLアクセス番号U13043)を用いた(47)。プロピオン酸菌でcobA遺伝子を過剰発現させるために、以下の工程で述べるように前記遺伝子をpGBP01HEL-1に存在する16SrRNAプロモーターの後ろおよびhemLターミネーターの前に配置した。cobAコード領域を含むDNAフラグメントをP. フリューデンレイキーATCC6207から単離した染色体DNAから以下のプライマーを用いて増幅した:5'-CACCACCAACATCgATgAggAAAC-3'および5'-TCCAATTgggACTCAgTggTCgCTg-3'。第一のプライマーはClaI制限部位を含み、第二のプライマーはMfeI制限部位を含む。得られたPCRフラグメントをベクターpCR-BluntII-TOPO(Invitrogen)に連結した。大腸菌を形質転換した後、カナマイシン耐性コロニーを得た。クローニングしたフラグメントのDNA配列は配列分析により確認した。得られた構築物をpGBPCOB-1と称した。
続いてpGBPCOB-1をClaIおよびMfeIで消化し、cobA遺伝子を含むフラグメントを単離し、同じ酵素で消化したpGBP01HEL-1から単離した大きいベクターフラグメントに連結した。大腸菌を形質転換した後、アンピシリン耐性コロニーを得た。形質転換体から単離したプラスミドDNAは制限分析により確認し、得られた構築物をpGBPCOB-1と称した。
pGBP02COB-1で大腸菌JM101を形質転換し、得られた形質転換体から単離したプラスミドDNAは制限分析によって確認した。続いて前記プラスミドDNAでP. フリューデンレイキーATCC6207を上記で述べたように形質転換した。形質転換体を上記で述べたようにエリストマイシン含有寒天平板で選別した。P. フリューデンレイキー形質転換体から単離したプラスミドDNAは制限分析によって確認した。
M1培溶液を用いたpGBP02COB-1形質転換体の振盪フラスコによる発酵、並びにビタミンB12、アデノシルコビンアミドおよびアデノシルコビンアミドホスフェートレベルの測定は上記実施例で述べたように実施した。
OD-endの培養1mL当たりの産生されたビタミンB12、アデノシルコビンアミド、アデノシルコビンアミドホスフェートの量の比は上記実施例で述べたように計算した。ビタミンB12について得られた比は、上記実施例のpBRESP36B2p16SH形質転換体について得られたものよりも6%低かった。しかしながら、アデノシルコビンアミドについて得られた比は、pBRESP36B2p16SH形質転換体について得られたものよりも227%高く、アデノシルコビンアミドホスフェートについて得られた比は、pBRESP36B2p16SH形質転換体について得られたものよりも200%高かった。したがって、空プラスミドよりもコビンアミドでは2倍の増加、コビンアミドホスフェートでは3倍の増加があった(比較実施例5)。
実施例7
タンパク質Bをコードするプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー遺伝子(cobU)のための発現ベクターの構築並びにプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキーにおけるビタミンB 12 およびその前駆体の産生のための前記の使用
プロピオン酸菌で酵素Bをコードする遺伝子を過剰発現させるために、以下の工程で述べるように前記遺伝子をpGBP01HEL-1に存在する16SrRNAプロモーターの後ろおよびhemLターミネーターの前に配置した。Bのためのコード領域を含むDNAフラグメントをP. フリューデンレイキーATCC6207から単離した染色体DNAから以下のプライマーを用いて増幅した:5'-CTgATATCAATTggAggACATCAgATgACCCgCATCgTC-3'および5'-CTgAATTCggCCACgTCAgATCgCgTCC-3'。第一のプライマーはEcoRVおよびMfeI制限部位を含み、第二のプライマーはEcoRI制限部位を含む。得られたPCRフラグメントをベクターpCR-BluntII-TOPO(Invitrogen)に連結した。大腸菌を形質転換した後、カナマイシン耐性コロニーを得た。クローニングしたフラグメントのDNA配列は配列分析により確認した。得られた構築物をpGBPCOU-1と称した。
続いてpGBPCOU-1をEcoRVおよびEcoRIで消化し、Bのためのコード遺伝子を含むフラグメントを単離し、最初にClaIで消化し、続いてクレノー酵素で平滑端にし、最後にMfeIで消化したpGBP01HEL-1から単離した大きいベクターフラグメントに連結した。大腸菌を形質転換した後、アンピシリン耐性コロニーを得た。形質転換体から単離したプラスミドのDNAは制限分析により確認し、得られた構築物をpGBP02COU-1と称した。
pGBP02COU-1で大腸菌JM101を形質転換し、得られた形質転換体から単離したプラスミドDNAは制限分析によって確認した。続いて前記プラスミドDNAでP. フリューデンレイキーATCC6207を上記で述べたように形質転換した。形質転換体を上記で述べたようにエリスロマイシン含有寒天平板で選別した。P. フリューデンレイキー形質転換体から単離したプラスミドDNAは制限分析によって確認した。
M1培溶液を用いたpGBP02COU-1形質転換体の振盪フラスコによる発酵、並びにビタミンB12、アデノシルコビンアミドおよびアデノシルコビンアミドホスフェートレベルの測定は上記実施例で述べたように実施した。
OD-endの培養1mL当たりの産生されたビタミンB12、アデノシルコビンアミド、アデノシルコビンアミドホスフェートの量の比は上記で述べたように計算した。アデノシルコビンアミドについて得られた比は、pBRESP36B2p16SH形質転換体について得られたものよりも96%低く、アデノシルコビンアミドホスフェートについて得られた比は、pBRESP36B2p16SH形質転換体について得られたものよりも700%高かった。したがって、空プラスミドと比較したとき、中間体コビンアミドホスフェートでは7倍の増加があった。
実施例8
タンパク質BおよびCをコードするプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー遺伝子(cobUおよびS)のための発現ベクターの構築並びにプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキーにおけるビタミンB 12 およびその前駆体の産生のための前記の使用
プロピオン酸菌で酵素B(配列番号:3)および酵素C(配列番号:5)をコードする遺伝子を同時に過剰発現させるために、以下の工程で述べるように前記遺伝子をpGBP01HEL-1に存在する16SrRNAプロモーターの後ろおよびhemLターミネーターの前に配置した。2つの遺伝子はP. フリューデンレイキーのゲノム上に互いの隣に配置され、同じオペロンの部分である。両遺伝子を含むDNAフラグメントをP. フリューデンレイキーATCC6207から単離した染色体DNAから以下のプライマーを用いて増幅した:5'-CTgATATCAATTggAggACATCAgATgACCCgCATCgTC-3'および5'-CTgAATTCggCCggCTCAggCgAACAATg-3'。第一のプライマーはEcoRVおよびMfeI制限部位を含み、第二のプライマーはEcoRI制限部位を含む。得られたPCRフラグメントをベクターpCR-BluntII-TOPO(Invitrogen)に連結した。大腸菌を形質転換した後、カナマイシン耐性コロニーを得た。クローニングしたフラグメントのDNA配列は配列分析により確認した。得られた構築物をpGBPPOB-1と称した。
続いてpGBPPOB-1をEcoRVおよびEcoRIで消化し、BおよびCのためのコード遺伝子を含むフラグメントを単離し、最初にClaIで消化し、続いてクレノー酵素で平滑端にし、最後にMfeIで消化したpGBP01HEL-1から単離した大きいベクターフラグメントに連結した。大腸菌を形質転換した後、アンピシリン耐性コロニーを得た。形質転換体から単離したプラスミドDNAは制限分析により確認し、得られた構築物をpGBP02POB-1と称した。
pGBP02POB-1で大腸菌JM101を形質転換し、得られた形質転換体から単離したプラスミドDNAは制限分析によって確認した。続いて前記プラスミドDNAでP. フリューデンレイキーATCC6207を上記で述べたように形質転換した。形質転換体を上記で述べたようにエリスロマイシン含有寒天平板で選別した。P. フリューデンレイキー形質転換体から単離したプラスミドDNAは制限分析によって確認した。
M1培溶液を用いたpGBP02POB-1形質転換体の振盪フラスコによる発酵、並びにビタミンB12、アデノシルコビンアミドおよびアデノシルコビンアミドホスフェートレベルの測定は上記で述べたように実施した。
OD-endの培養1mL当たりの産生されたビタミンB12、アデノシルコビンアミド、アデノシルコビンアミドホスフェートの量の比は上記で述べたように計算した。ビタミンB12について得られた比は、pBRESP36B2p16SH形質転換体について得られたものよりも19%高かった。アデノシルコビンアミドについて得られた比は、pBRESP36B2p16SH形質転換体について得られたものよりも96%低く、アデノシルコビンアミドホスフェートは、pGBP02POB-1形質転換体では検出できなかった。
実施例9
タンパク質BおよびCをコードするプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキー遺伝子およびcobA(したがってcobAおよびUおよびS)のための発現ベクターの構築並びにプロピオニバクテリウム=フリューデンレイキーにおけるビタミンB 12 およびその前駆体の産生のための前記の使用
プロピオン酸菌で酵素B(配列番号:3)、C(配列番号:5)をコードする遺伝子およびcobA遺伝子を同時に過剰発現させるために、以下の工程で述べるように前記3つの遺伝子を16SrRNAプロモーターの後ろおよびhemLターミネーターの前に配置した。pGBP02POB-1をMfeIおよびBglIIで消化し、1.6kbのフラグメントを単離した。このフラグメントを同じ酵素で消化したpGBP02COB-1の9.7kbフラグメントと連結した。大腸菌を形質転換した後、カナマイシン耐性コロニーを得た。クローニングしたフラグメントのDNA配列は配列分析により確認した。得られた構築物をpGBPPOE-1と称した。
pGBP02POE-1で大腸菌JM101を形質転換し、得られた形質転換体から単離したプラスミドDNAは制限分析によって確認した。続いて前記プラスミドDNAでP. フリューデンレイキーATCC6207を上記で述べたように形質転換した。形質転換体を上記で述べたようにエリスロマイシン含有寒天平板で選別した。P. フリューデンレイキー形質転換体から単離したプラスミドDNAは制限分析によって確認した。
M1培溶液を用いたpGBP02POE-1形質転換体の振盪フラスコによる発酵、並びにビタミンB12、アデノシルコビンアミドおよびアデノシルコビンアミドホスフェートレベルの測定は上記で述べたように実施した。
OD-endの培養1mL当たりの産生されたビタミンB12、アデノシルコビンアミド、アデノシルコビンアミドホスフェートの量の比は上記で述べたように計算した。ビタミンB12について得られた比は、pBRESP36B2p16SH形質転換体について得られたものよりも45%高かった。アデノシルコビンアミドについて得られた比は、pBRESP36B2p16SH形質転換体について得られたものよりも65%低く、アデノシルコビンアミドホスフェートは、pGBP02POE-1形質転換体では検出できなかった。
実施例の要約
下記の表は、空プラスミドコントロールと比較した形質転換プラスミドについての実験データを示す(空プラスミドの値はリファレンスとして100%に設定されている)。
Figure 0004695389
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すべての文献は参照に本明細書に組込まれるものとする。

Claims (11)

  1. マイコバクテリウム科の細菌から得ることができ、2種のポリペプチドを含むポリペプチド組成物であって、
    第1のポリペプチドは、
    (A1)配列番号:4のアミノ酸配列又は、前記アミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、トランスフェラーゼ活性を有し、且つホスホ−、ヌクレオチジル−、若しくはアリール−トランスフェラーゼとして作用するポリペプチド、又
    (C1)長さが200〜218アミノ酸である(A1)のフラグメントであり、トランスフェラーゼ活性を有し、且つホスホ−、ヌクレオチジル−、若しくはアリール−トランスフェラーゼとして作用するポリペプチドであり、
    第2のポリペプチドは、
    (A2)配列番号:6のアミノ酸配列又は、前記アミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、トランスフェラーゼ活性を有し、且つホスホ−、ヌクレオチジル−、若しくはアリール−トランスフェラーゼとして作用するポリペプチド、又
    (C2)長さが250アミノ酸である(A2)のフラグメントであり、トランスフェラーゼ活性を有し、且つホスホ−、ヌクレオチジル−、若しくはアリール−トランスフェラーゼとして作用するポリペプチドである、
    ポリペプチド組成物。
  2. 第1のポリヌクレオチドは、配列番号:3の核酸配列又は前記核酸配列と少なくとも90%の同一性を有する核酸配列を有し、トランスフェラーゼ活性を有し、且つホスホ−、ヌクレオチジル−、若しくはアリール−トランスフェラーゼとして作用するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであり、
    第2のポリヌクレオチドは、配列番号:5の核酸配列又は前記核酸配列と少なくとも90%の同一性を有する核酸配列を有し、トランスフェラーゼ活性を有し、且つホスホ−、ヌクレオチジル−、若しくはアリール−トランスフェラーゼとして作用するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである、
    請求項1に記載の2種のポリペプチドの組み合わせをコードするポリヌクレオチド。
  3. 請求項2に記載の2つの核酸配列を含むベクター。
  4. CobAタンパク質をコードする核酸配列をさらに含む、請求項3に記載のベクター。
  5. 請求項2に記載のポリヌクレオチドを含むか、請求項3又は4に記載のベクターで形質転換され、1または複数の前記ポリヌクレオチドのコピーを含むホスト細胞。
  6. ホスホ−、ヌクレオチジル−、及びアリール−含有化合物からなる群より選ばれる化合物の製造方法であって、前記方法が、基質と、請求項1に記載のポリペプチド若しくは、請求項5に記載のホスト細胞とを接触させることを含む製造方法。
  7. 以下の(a)から(d)に当てはまる請求項6に記載の方法:
    (a)前記方法はヌクレオシド三リン酸の存在下で実施され;
    (b)前記基質はアデノシンを含み;
    (c)前記方法はリン酸化を含み;さらに
    (d)前記基質はアデノシルコビンアミドを含み、および/または前記反応の生成物はアデノシルコビンアミドホスフェートである。
  8. 以下の(a)から(d)に当てはまる請求項6に記載の方法:
    (a)前記方法は基質のグアニジル化を含み;
    (b)前記基質はリン酸基のヌクレオチジル化を含み;
    (c)前記方法はヌクレオシル三リン酸の存在下で実施され;および/または
    (d)前記基質はアデノシルコビンアミドホスフェートを含み、および/または前記反応の生成物はアデノシル−GDP−コバミドである。
  9. 以下の(a)から(d)に当てはまる請求項6に記載の方法:
    (a)アリール成分が1つまたは2つの環を持つ芳香環系(場合によって1つから4つのC1−8アルキル基で置換されてある)を含み、かつ0,1つまたは2つのヘテロ原子を有し;
    (b)前記反応の生成物は、遷移金属、及び炭素原子、場合によってはまたリボース基に結合したアリール基を有し;
    (c)前記方法はリボゾールの存在下で実施され;および/または
    (d)前記基質は、アデノシル−GDP−コバミドを含み、および/または前記生成物はアデノシル−5,6−ジメチルベンゾイミダゾリルコバミドを含む。
  10. ビタミンB12またはその前駆体を製造する方法であって、前記方法が、請求項5で定義されたホスト細胞を、ビタミンB12またはその前駆体が産生または合成される条件下で培養または発酵させることを含む前記ビタミンB12またはその前駆体の製造方法。
  11. 請求項1に記載のポリペプチド、請求項2に記載のポリヌクレオチド、請求項3若しくは4に記載のベクター、または請求項5に記載のホスト細胞のビタミンB12またはその前駆体の製造または合成における使用。
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