JP4692765B2 - 鍛造金型の潤滑装置及び潤滑方法 - Google Patents
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従来の鍛造金型の潤滑装置50は、潤滑液噴霧装置51とエアブロー装置52とが別々に構成されている。
潤滑液噴霧装置51は、エアコンプレッサ2に連通するエア供給管3と、潤滑液加圧タンク6に連通する潤滑液供給管7と、エア供給管3及び潤滑液供給管7のそれぞれに連通する混合部15と、該混合部15に連通する潤滑液配管32と、該潤滑液配管32の下流端に接続され、鍛造金型(図示略)に向かって配置される潤滑液噴射ノズル30とから構成されている。また、潤滑液供給管7には流量計11が介設されている。
一方、エアブロー装置52は、エアコンプレッサ2に連通するエア配管33の下流端に、鍛造金型に向かって配置されるエア噴射ノズル31が接続されて構成されている。なお、エア噴射ノズル31と潤滑液噴射ノズル30とは共に鍛造金型に向かって配置されているが、別々の位置に配されている。
まず、潤滑液噴霧装置51の潤滑液噴射ノズル30からエア・潤滑液の混合2流体、すなわち、潤滑液を鍛造金型に噴霧して、鍛造金型をその表面に潤滑被膜を形成するための最適な温度に冷却する。
その後、エアブロー装置52のエア噴射ノズル31からエアを鍛造金型に吹き付けて、鍛造金型を冷却する際に噴霧された潤滑液のうち、鍛造金型の表面への潤滑被膜の形成に不必要な潤滑液を吹き飛ばして、潤滑被膜が鍛造金型の表面に略均一に形成されるようにしている。
しかも、従来の潤滑装置50では、鍛造金型の表面に略均一な潤滑被膜を形成するために、エアブロー装置52により潤滑被膜の形成に不必要な潤滑液を吹き飛ばしているが、潤滑液の供給量が多いために潤滑液が液状で残りやすく、潤滑被膜が略均一に形成され難くなってしまう。
さらに、従来の潤滑装置50では、流量計11と潤滑液噴射ノズル30との距離が離れており、潤滑液加圧タンク6からは常に潤滑液が圧送されている状態であるために、潤滑液噴射ノズル30を開放して潤滑液を噴霧すると、潤滑液配管32の膨張または潤滑液の圧縮等の圧力損失の影響により流量計11で測定した以上の量の潤滑液が噴霧されてしまい、流量計11により正確な潤滑液の噴霧量を管理することが困難になっていた。
請求項2に記載した鍛造金型の潤滑装置の発明は、請求項1に記載した発明において、前記冷却水供給管及び前記潤滑液供給管には、前記各弁体の上流側の近接した位置に流量計がそれぞれ配置されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載した鍛造金型の潤滑装置の発明は、請求項2に記載した発明において、前記各弁体には、各弁体に開閉動作の信号を出力する制御装置が接続されており、この制御装置は、各流量計に接続され、各流量計により所定の流量が測定されると、各弁体へ閉動作の信号を出力することを特徴とするものである。
請求項5に記載した鍛造金型の潤滑方法の発明は、請求項4に記載した発明において、前記鍛造金型を冷却した前記工程の後冷却水を排除する工程または前記鍛造金型に潤滑液を噴霧した前記工程の後潤滑被膜を前記鍛造金型の表面に略均一にしてその乾燥を助長する工程において、冷却水及び潤滑液を噴霧した前記噴射ノズルと同じ噴射ノズルからエアのみを前記鍛造金型に吹き付けることを特徴とするものである。
その後、エアが圧送された状態のままで、潤滑液供給管に介設した弁体だけが開動作されて、潤滑液が潤滑液供給源から潤滑液供給管を経て混合部に圧送される。そして、混合部にてエアと潤滑液とが混合されて、エア・潤滑液の混合2流体、すなわち、潤滑液が、冷却水を噴霧した噴射ノズルと同じ噴射ノズルから鍛造金型に噴霧され、鍛造金型の表面に潤滑被膜が略均一に形成されて、潤滑液供給管の弁体が閉動作される。最後に、エア供給源からのエアの供給が停止されて、鍛造金型の潤滑が終了する。
また、鍛造金型を冷却した後冷却水を排除する時または潤滑液を噴霧した後潤滑被膜を鍛造金型の表面に略均一にしてその乾燥を助長する時等に、潤滑液供給管及び冷却水供給管の各弁体を閉状態としたまま、エアーだけを、冷却水及び潤滑液を噴霧した噴射ノズルと同じ噴射ノズルから鍛造金型に吹き付けることも可能である。
請求項2に記載した鍛造金型の潤滑装置の発明では、各弁体の上流側に近接して流量計をそれぞれ配置しているので、各弁体から下流側に延びる管の膨張や潤滑液の圧縮等による圧力損失の影響を受けることがなく、噴射ノズルからの冷却水または潤滑液の噴霧量が流量計により正確に測定される。
請求項3に記載した鍛造金型の潤滑装置の発明では、制御装置には、鍛造金型を、その表面に潤滑被膜を形成するための最適な温度に冷却する所定の冷却水量及び鍛造金型の表面に潤滑被膜を形成する所定の潤滑液量が予め入力されており、冷却水または潤滑液を噴霧している間、流量計により所定の冷却水量または所定の潤滑液量が測定されると、制御装置からの信号に基いて、冷却水供給管の弁体または潤滑液供給管の弁体が閉動作されて、冷却水または潤滑液の噴霧が終了する。
請求項5に記載した鍛造金型の潤滑方法の発明では、鍛造金型を冷却した後冷却水を排除する工程または鍛造金型に潤滑液を噴霧した後潤滑被膜を鍛造金型の表面に略均一にしてその乾燥を助長する工程において、潤滑液及び冷却水を噴霧する噴射ノズルと同じ噴射ノズルからエアだけを鍛造金型に吹き付けるので、潤滑液による鍛造金型の表面への潤滑被膜の形成が容易に達成される。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る潤滑装置1を図1に基いて説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る潤滑装置1は、エアコンプレッサ(エア供給源)2に連通するエア供給管3と、冷却水加圧タンク(冷却水供給源)4に連通する冷却水供給管5と、潤滑液加圧タンク(潤滑液供給源)6に連通する潤滑液供給管7と、冷却水供給管5及び潤滑液供給管7のそれぞれに介設されて、入力信号に基いて開閉動作される各弁体8、9と、エア供給管3、冷却水供給管5及び潤滑液供給管7のそれぞれに連通される混合部15と、該混合部15に連通して、鍛造金型(図示略)に向かって配置される噴射ノズル17と、から概略構成されている。
この制御装置18には、予め、鍛造金型を、その表面に潤滑被膜を形成するための最適な温度に冷却する所定の冷却水量と、鍛造金型の表面へ潤滑被膜を形成するための所定の潤滑液量とが入力されており、潤滑時に、各流量計10、11により、所定の冷却水量または所定の潤滑液量が測定されると、制御装置18から弁体8または9へ閉動作の信号が出力される。
1回の鍛造加工が終了し、鍛造金型の潤滑が開始されると、まず、エアをエアコンプレッサ2からエア供給管3及び混合部15を経由して配管16内に圧送させた状態として、制御装置18により冷却水供給管5の弁体8だけを開動作させて、冷却水を冷却水加圧タンク4から冷却水供給管5を経て混合部15に圧送する。そして、混合部15にてエアと冷却水とが混合されて、エア・冷却水の混合2流体が配管16内を流れて、冷却水が噴射ノズル17から鍛造金型に噴霧される。冷却水が噴霧されている間、制御装置18に予め入力されてあった、鍛造金型を潤滑被膜を形成するための最適な温度に冷却するための所定の冷却水量が流量計10により測定されると、制御装置18から弁体8へ閉動作の信号が出力されて、弁体8が閉動作して冷却水の噴霧が終了する。
続いて、冷却水供給管5及び潤滑液供給管7の各弁体8、9を閉状態にしたままで、エアだけを噴射ノズル17から鍛造金型に吹き付けて、鍛造金型の表面に噴霧された冷却水を排除する。
最後に、エアコンプレッサ2からのエアの供給が停止されて、鍛造金型の潤滑が終了し、次の鍛造加工が開始される。
なお、第1の実施の形態に係る潤滑装置1による潤滑方法において、所定の潤滑液量が鍛造金型に噴霧された後、所定時間、冷却水供給管5及び潤滑液供給管7の各弁体8、9を閉状態にしたままで、エアだけを噴射ノズル17から鍛造金型に吹き付けて、潤滑被膜を鍛造金型の表面に略均一にしてその乾燥を助長するようにしても良い。
本発明の第2の実施の形態に係る潤滑装置1aの説明に際しては、第1の実施の形態に係る潤滑装置1との相違点を主に説明する。
本発明の第2の実施の形態に係る潤滑装置1aでは、エア供給管3、冷却水供給管5及び潤滑液供給管7を、各弁体8、9の下流側で集合させて一体で下流側に延びる3管集合体20を設けている。この3管集合体20の下流端に混合部15の上流側が接続されると共に、混合部15の下流側に近接して噴射ノズル17が接続されている。
本発明の第3の実施の形態に係る潤滑装置1bの説明に際しては、第1の実施の形態に係る潤滑装置1との相違点を主に説明する。
本発明の第3の実施の形態に係る潤滑装置1bでは、冷却水供給管5と潤滑液供給管7とを、各弁体8、9の下流側の位置で合流させた液流動管21を設けている。そして、エア供給管3と液流動管21とを集合させて一体で下流側に延びる2管集合体22を設けている。この2管集合体22の下流端に混合部15の上流側が接続されると共に、混合部15の下流側に近接して噴射ノズル17が接続されている。
ところが、第2及び第3の実施の形態に係る潤滑装置1a、1bでは、混合部15が噴射ノズル17の上流側に近接して設けられ、噴射ノズル17から噴射される直前でエアと、冷却水または潤滑液とが混合されるので、第1の実施の形態に係る潤滑装置1よりも、冷却水または潤滑液が噴射ノズル17から細かい霧状に噴霧されるようになる。
また、冷却水を噴霧する噴射ノズル17と潤滑液を噴霧する噴射ノズル17とは同一であり、該噴射ノズル17を鍛造金型の周りで冷却水及び潤滑液の噴霧に最適な位置に配置することができるので、鍛造金型の冷却及び鍛造金型の表面への潤滑被膜の形成等の効率をさらに向上させることができ、しかも、鍛造金型の周りの配管等も複雑にならずシンプルになる。
また、各弁体8、9の上流側の近接した位置に各流量計10、11を配置しているので、各弁体8、9から下流側に延びる管の膨張や潤滑液の圧縮等による圧力損失の影響を受けることがなく、噴射ノズル17からの冷却水または潤滑液の噴霧量を流量計11により正確に測定できる。
また、本発明の第1〜第3の実施の形態に係る潤滑装置1、1a、1bでは、噴射ノズル17から噴霧される潤滑液の濃度を調整することができる。すなわち、エアコンプレッサ2からエアを圧送し、且つ制御装置18により各弁体8、9を全て開動作させて、エア・潤滑液・冷却水の3流体を混合させることにより、潤滑液を冷却水により所定濃度に希釈して、該潤滑液を噴射ノズル17から噴霧させることが可能になる。
Claims (5)
- エア供給源に連通するエア供給管と、冷却水供給源に連通する冷却水供給管と、潤滑液供給源に連通する潤滑液供給管と、前記冷却水供給管及び前記潤滑液供給管のそれぞれに介設されて、入力信号に基いて開閉動作する各弁体と、前記エア供給管、前記冷却水供給管及び前記潤滑液供給管のそれぞれに連通する混合部と、該混合部に連通すると共に鍛造金型に向かって配置される噴射ノズルと、を備えていることを特徴とする鍛造金型の潤滑装置。
- 前記冷却水供給管及び前記潤滑液供給管には、前記各弁体の上流側の近接した位置に流量計がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鍛造金型の潤滑装置。
- 前記各弁体には、各弁体に開閉動作の信号を出力する制御装置が接続されており、この制御装置は、各流量計に接続され、各流量計により所定の流量が測定されると、各弁体へ閉動作の信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の鍛造金型の潤滑装置。
- 鍛造金型の潤滑方法であって、
前記鍛造金型に向かって配置される噴射ノズルからエア・冷却水の混合2流体を噴霧して、前記鍛造金型を潤滑被膜を形成するための最適な温度まで冷却し、
その後、冷却水を噴霧した前記噴射ノズルと同じ噴射ノズルからエア・潤滑液の混合2流体を噴霧して、前記鍛造金型に潤滑被膜を形成することを特徴とする鍛造金型の潤滑方法。 - 前記鍛造金型を冷却した前記工程の後冷却水を排除する工程または前記鍛造金型に潤滑液を噴霧した前記工程の後潤滑被膜を前記鍛造金型の表面に略均一にしてその乾燥を助長する工程において、冷却水及び潤滑液を噴霧した前記噴射ノズルと同じ噴射ノズルからエアのみを前記鍛造金型に吹き付けることを特徴とする請求項4に記載の鍛造金型の潤滑方法。
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