JP4692353B2 - 内燃機関のトルク制御装置 - Google Patents

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本発明は、目標トルクで内燃機関が運転されるように内燃機関の出力トルクを制御する内燃機関のトルク制御装置に関する。
内燃機関の燃料噴射量(トルク)を制御する制御装置として、ドライバが要求する燃料噴射量をスモークの発生を制限するスモーク制限噴射量を超えた場合に、このスモーク制限噴射量を内燃機関の回転上昇速度、車両加速度、車速の機関回転数に対する比率、変速機のギア比の少なくとも一つに応じて設定するものがある(特許文献1)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2〜4が存在する。
特開2002−256945号公報 特開平11−36962号公報 特開2001−159356号公報 特開平7−158483号公報
特許文献1の装置では、ドライバが要求する燃料噴射量がスモーク制限噴射量を上回る場合にはスモーク制限噴射量で制限され、その後、スモーク制限噴射量を下回った場合には直ちに燃料噴射量の制限が解除されてドライバが要求する燃料噴射量で内燃機関が運転される。そのため、内燃機関の運転状態が、燃料噴射量がスモーク制限噴射量で制限された状態からその制限が解除された状態へ移行する過程で出力トルクのつながりが悪化してドライバが加速の頭打ち感(加速が突然終わると感じること)を体感するおそれがある。
そこで、本発明は、内燃機関の出力トルクの制限からその解除へ移行する過程において出力トルクのつながりを改善し、ドライバが加速の頭打ち感を体感することを抑制可能な内燃機関のトルク制御装置を提供することを目的とする。
本発明のトルク制御装置は、ドライバからの加速要求に応じて算出される要求トルクと、所定要因に応じて設定される制約トルクとを比較し、内燃機関の出力トルクが前記制約トルクにて制限又はその制限が解除されるように前記要求トルク又は前記制約トルクのいずれか小さい方を目標トルクとして設定し、内燃機関が前記目標トルクで運転されるように内燃機関の出力トルクを制御する内燃機関のトルク制御装置において、前記内燃機関の出力トルクが前記制限された状態から前記解除された状態へ移行する過程で所定のなまし度にて前記目標トルクに対するなまし処理を実行するなまし処理手段と、前記制限された状態において出力トルクが所定レベルまで前記要求トルクに接近したか否かを判定し、出力トルクが前記所定レベルまで前記要求トルクに接近したと判定したことを開始条件として前記なまし処理が開始されるように、前記なまし処理手段に前記なまし処理を実行させる過渡トルク制御手段と、を備え、前記過渡トルク制御手段は、前記なまし処理の開始タイミングが変化するように、前記所定レベルの設定を変化させることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
この発明によれば、内燃機関の出力トルクが制限された状態からその制限が解除された状態に移行する過程で目標トルクが所定のなまし度でなまされる。このため、出力トルクのつながりが滑らかになり、ドライバが加速の頭打ち感を体感することを抑制できる。しかも、目標トルクのなまし処理の開始タイミング変化するように、所定レベルの設定を変化させるので、ドライバが体感する加速感に変化を与えることができる。なお、本発明の所定要因はスモークの排出制限等の排気エミッションの排出制限が代表的であるが、必ずしもそれに限定されるものではない。
本発明のトルク制御装置において、前記過渡トルク制御手段は、前記加速要求が高い場合は低い場合よりも、出力トルクが前記要求トルクに接近してから前記なまし処理が開始されるように、前記所定レベルを設定してもよい(請求項2)し、前記加速要求が低い場合は高い場合よりも、出力トルクが前記要求トルクへ緩やかに接近するように、前記なまし度を設定してもよい(請求項3)。これらの態様によれば、所定レベル及びなまし度がドライバによる加速要求に応じて設定されて、なまし処理の開始タイミングと目標トルクがなまされる程度が設定される。このため、ドライバが体感する加速感と滑らかさとの間で、加速要求の高低に応じて軽重を付けることができる。即ち、加速要求が高い場合は低い場合よりも加速感が滑らかさより重視され、逆に加速要求が低い場合は高い場合よりも滑らかさが加速感よりも重視される。これにより、ドライバの加速要求とドライバが体感する加速感とを合致させることができる。ドライバからの加速要求は種々の方法で取得できるが、例えばアクセルペダルの操作状態(開度、所定時間における変位量、踏み込み速度、踏み込み加速度、及び踏力等)を検出可能な検出手段を設け、その検出結果から加速要求を取得できる。
本発明のトルク制御装置において、前記なまし処理手段は、前記解除された状態から前記制限された状態へ移行する過程で、前記目標トルクをなます初期なまし処理を更に実行し、前記過渡トルク制御手段は、前記制限された状態へ移行する前のトルクよりも大きく、かつ前記制限された状態へ移行した後のトルクよりも小さい値の所定トルクから前記初期なまし処理が開始されるように、前記なまし処理手段に前記初期なまし処理を実行させてもよい(請求項4)。この態様によれば、出力トルクの制限が解除された状態から制限された状態へ移行する過程で、制限された状態へ移行する前のトルクよりも大きく、かつ制限された状態に移行した後のトルクよりも小さい値の所定トルクから目標トルクに対する初期なまし処理が開始されるため、加速ショックの無い滑らかな加速感をドライバに与えることができ、なおかつ制限された状態へ移行する前のトルクからなまし処理が開始される態様よりも効果的な加速感をドライバに与えることができる。従って、出力トルクの制限が解除された状態から制限された状態へ移行し、その状態から制限が解除された状態へ移行する一連の加速過渡時において良好な加速感をドライバに与えることができる。
以上説明したように、本発明によれば、出力トルクが制限された状態からその制限が解除された状態に移行する過程で目標トルクが所定のなまし度でなまされるので、内燃機関の出力トルクの制限からその解除へ移行する過程において出力トルクのつながりを改善できる。しかも、目標トルクのなまし処理の開始タイミングが変化するように、所定レベルの設定を変化させるので、ドライバが体感する加速感に変化を与えることができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のトルク制御装置を適用した内燃機関の一実施形態を示している。内燃機関1は図示しない車両に搭載され、複数(図1では1つのみ示した)の気筒2内をクランクシャフト4に連結されたピストン3が往復運動するレシプロ式のディーゼルエンジンとして構成されている。内燃機関1は吸気通路5及び排気通路6をそれぞれ備え、吸気通路5及び排気通路6には、これらを開閉する吸気弁7と排気弁8とが設けられている。気筒2の上部には、気筒2に臨むようにして噴射ノズル10が設けられている。噴射ノズル10は例えばコモンレール式の燃料供給装置11に接続されている。燃料供給装置11の動作はエンジンコントロールユニット(ECU)12に制御され、適正な噴射時期及び噴射期間(噴射量)で噴射ノズル10から燃料が噴射される。これにより、内燃機関1の出力トルクは適正に制御され、ECU12が内燃機関1の出力トルクを適宜に制御する本発明のトルク制御装置として機能する。なお、ECU12はマイクロプロセッサ、RAM、ROM等の構成を備えたコンピュータであり、ECU12には内燃機関1の運転状態を検出する各種センサの信号が入力される。図1には、機関回転数(回転速度)を検出する回転数センサ13、アクセルペダル9の開度、変位量、踏み込み速さ、加速度、踏力等の操作状態を検出可能なアクセルセンサ14、吸入空気量を検出するエアフローメータ15、及び車両の速度(車速)を検出する車速センサ16がそれぞれ示されている。
次に、本実施形態に係るトルク制御について説明する。図2はトルク制御の制御ルーチンの手順を示したフローチャートである。この制御ルーチンのプログラムは、ECU12のROMに格納されており、内燃機関1の目標トルクが増加したとき、この形態では所定変化量を超えて不連続的に目標トルクが増加したときに、ECU12にて繰り返し実行される。この所定変化量は本発明を適用する内燃機関に応じて適宜に設定される。ECU12は、まずステップS1において、アクセルセンサ14からの入力信号を参照してアクセルペダル9の開度(アクセル開度)accpを取得する。続くステップS2では、ECU12はアクセル開度accpに応じた要求トルクTdemを算出する。要求トルクTdemの算出は、図3に示したように、要求トルクTdemをアクセル開度accp及び機関回転数Neに関連させたマップを予めECU12のROMに記憶させておき、このマップを参照することにより実現できる。なお、機関回転数Neは回転数センサ13からの入力信号に基づいて取得する。
次に、ECU12はステップS3において、スモーク等の排気エミッションの制限(所定要因)に応じた制約トルクTgrdを設定する。内燃機関1のトルクが制約トルクTgrdを超えると規定値を超えた排気エミッションを招く。つまり制約トルクTgrdは排気エミッションの許容範囲の上限値である。制約トルクTgrdは、吸入空気量と相関させたマップを予めECU12のROMに記憶させておき、このマップを参照することにより算出できる。吸入空気量はエアフローメータ15からの入力信号より取得する。
続くステップS4において、ECU12は目標トルクTtrgを設定する。本実施形態では、ステップS2で算出した要求トルクTdemとステップS3で設定した制約トルクTgrdとを比較して、小さい方が目標トルクTtrgとして設定される。目標トルクTtrg、要求トルクTdem、及び制約トルクTgrdの関係の一例を図4に示す。内燃機関1の出力トルクは時刻tに至るまで制限が解除されており、加速が開始される時刻tを境にして出力トルクの制限が解除された状態から制限された状態へ移行する。その移行後、制約トルクTgrdと要求トルクTdemとが交差する時刻tまで出力トルクが制約トルクTgrdで制限された状態が続き、その後、時刻tを境にして出力トルクが制限された状態から制限が解除された状態へ移行し、目標トルクTtrgとして要求トルクTdemが設定される。従って、図4においては、算出される目標トルクTtrgは時刻tを始点とし時刻tで折れ曲がる実線で示される。なお、説明の便宜上、内燃機関1の出力トルクは目標トルクTtrgに一致するものとして図示した。
次に、ECU12は、ステップS5において、後述するなまし処理の開始条件の成否を判定する。開始条件は、出力トルクが制約トルクTgrdに制限され、かつ、出力トルクが要求トルクTdemに所定レベルαまで接近したことをその成立要件として設定される。出力トルクが所定レベルαまで接近したか否かについては適宜の判定ロジックで判断できるが、例えば、式(1)が成立した場合に所定レベルαまで接近したものとしてよい。図5に示すように、所定レベルαの大きさを適宜に設定することにより、なまし処理の開始点Sを定めることができる。この形態では、所定レベルαが予め一定の値に設定されている。
Figure 0004692353
ステップS5において、開始条件が成立していると判定した場合には、ECU12は処理をステップS6及びステップS7に進めて目標トルクTtrgに対するなまし処理を実行する。一方、開始条件が成立していないと判定した場合には、ECU12はステップS6及びS7をスキップさせて処理をステップS8に進める。
ステップS6では、なまし処理にて使用されるなまし度βを決定する。図5に示すように、なまし度βは、目標トルクTtrgとして設定された要求トルクTdemに対して目標トルクTtrgの滑らかな漸近を定義する係数であり、なまし度βが大きい場合は小さい場合に比べて、緩やかに要求トルクTdemに対して目標トルクTtrgに漸近する。この形態では、なまし度βが予め一定の値に設定されている。
次いでECU12は、ステップS7において、開始点Sからなまし度βで目標トルクTtrgのなまし処理を実行する。なまし処理は適宜の手法でよく、例えばなまし処理に一般的に用いられる一次遅れを用いてよい。
次に、ECU12は、ステップS8において、ステップS7のなまし処理の結果に基づいて指令トルクを算出し、算出した指令トルクに対応した燃料噴射量で燃料の噴射が行われるように燃料供給装置11の動作を制御して今回のルーチンを終える。
以上の実施形態によれば、内燃機関1の出力トルクが制約トルクTgrdで制限された状態からその制限が解除された状態に移行する過程で目標トルクTtrgがなまし度βでなまされる。このため、内燃機関1の出力トルクのつながりが滑らかになり、ドライバが加速の頭打ち感を体感することを抑制できる。更に、なまし処理の開始タイミングが所定レベルαによって定められ、目標トルクTtrgに対するなましの程度がなまし度βで定められるので、所定レベルα及びなまし度βを適宜に設定することで、ドライバが体感する加速感に変化を与えることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この形態は図6に示した制御ルーチンを除き第1の実施形態と同様であり、内燃機関の構成については図1が参照される。また、図6において、図2と共通する処理については同一符号を付して重複する説明を省略する。図6に示すように、この形態では、上述した所定レベルα及びなまし度βをそれぞれ算出する処理(ステップS11)が追加される。
ステップS11では、ECU12はドライバからの加速要求に基づいて所定レベルα及びなまし度をそれぞれ算出する。加速要求はステップS1で取得したアクセル開度accpを利用して算出してもよいし、ドライバの加速意思が反映されるアクセルペダル9の操作状態、例えばアクセルペダル9の踏み込み速度に基づいて算出してもよい。踏み込み速度を利用した場合には、同一のアクセル開度でも急加速、緩加速といった加速要求の質も判別できるので有効である。この形態では、加速要求が高い場合には低い場合よりも所定レベルαが小さくなるように算出される。そのため、加速要求が高い場合は低い場合よりも出力トルクが要求トルクTdemに接近してからステップS7のなまし処理が開始される。また、加速要求が低い場合は高い場合よりもなまし度βが大きくなるように算出される。そのため、加速要求が低い場合は高い場合よりも目標トルクTtrgが緩やかになまされる。従って、加速要求が高い場合は低い場合よりも加速感が滑らかさより重視され、逆に加速要求が低い場合は高い場合よりも滑らかさが加速感よりも重視されるので、ドライバの加速要求とドライバが体感する加速感とを合致させることができる。
なお、第2の実施形態においては、所定レベルα又はなまし度βのいずれか一方を予め設定した固定値とし、いずれか他方を上述した考え方で変化させるようにしても構わない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この形態は、第1又は第2の実施形態と組み合わせて実施することができ、内燃機関の構成について図1が参照される。図4に示すように、内燃機関1の出力トルクは時刻tに至るまで制限が解除されており、加速が開始される時刻tを境にして出力トルクの制限が解除された状態から制限された状態へ移行する。この形態では、この移行過程で目標トルクTtrgをなます初期なまし処理が実行される。図7は本実施形態に係るトルク制御ルーチンの内容を示すフローチャートである。この図において図2と同一の処理には同一符号を付した。
ECU12はステップS1〜ステップS4の処理が済むと、続くステップS101において、切替トルク(所定トルク)Tchgを設定する。切替トルクTchgはドライバが加速初期に期待する最低限の初期加速度を得るために必要な値であり、機関回転数等の内燃機関1の運転状態に対応付けられている。ドライバが期待する初期加速度、つまりドライバが加速初期に体感する加速感は運転状態によって異なるため、切替トルクTchgの具体的な値は内燃機関1の運転状態に応じて実験的に又は人間工学的見地から定めることができる。本実施形態では、内燃機関1の運転状態に切替トルクTchgを関連付けたマップがECU12のROMに格納されており、ECU12がこのマップを参照することにより切替トルクTchgを設定する。
次に、ステップS102において、ECU12は、図8に示したように、内燃機関1のトルクを切替トルクTchgまで増加させる。この場合、切替トルクTchgは出力トルクが制限された状態へ移行する前のトルクTよりも大きく、かつ出力トルクが制約トルクTgrdで制限された状態へ移行した後のトルクTよりも小さい。本実施形態では、ECU12は、切替トルクTchgを指令トルクとし、この指令トルクに対応した燃料噴射量で燃料の噴射が行われるように燃料供給装置11の動作を制御している。この制御は、目標トルクの増加の判定から所定時間待って実行してもよい。
そして、次のステップS103において、ECU12は後に続く初期なまし処理にて使用される初期なまし度aを決定する。初期なまし度aは、制約トルクTgrd(目標トルクTtrg)(図8参照)への滑らかな漸近を定義する係数でありその値は予め設定されている。次いでECU12は、ステップS104において、切替トルクTchgを開始点S’として、初期なまし度aにて目標トルクTtrg1に対する初期なまし処理を実行する。初期なまし処理は適宜の手法でよい。以上によって、図8に示したように、切替トルクTchgからなまし処理が開始され、出力トルクの制限が解除された状態から出力トルクが制限された状態へ移行する過程で目標トルクTtrgがなまされる。その結果に基づいた指令トルクを算出し、算出した指令トルクに対応する燃料噴射量で燃料噴射が行われるように、燃料供給装置11の動作を終了して今回のルーチンを終える。
第3の実施形態によれば、出力トルクの制限が解除された状態から出力トルクが制約トルクTgrdで制限された状態へ移行する過程で、目標トルクTtrgがなまされるので、加速ショックの発生が抑制される。そして、初期なまし処理を開始する前に出力トルクを切替トルクTchgまで増加させ、その後、切替トルクTchgを開始点S’として、初期なまし処理が開始されるので、図8に示すように、増加前のトルクTを開始点Qとしてなまし処理を実行する形態(破線L)と比べ、ドライバが期待する良好な初期応答を得ることができ、加速のもたつき感を無くすことができる。特に、この実施形態を第1又は第2の実施形態と組み合わせた場合には、出力トルクの制限が解除された状態から制限された状態へ移行し、その状態から制限が解除された状態へ移行する一連の加速過渡時において良好な加速感をドライバに与えることができる。
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の形態にて実施してよい。本発明のトルク制御装置の適用対象となる内燃機関の形態は特に制限されず、ガソリンエンジンにも適用できる。
要求トルクTdemの算出は、上述した実施形態に限定されず、アクセルペダル9の変位量、踏み込み速さ、踏み込み加速度、及び踏力の少なくとも一つを基礎としてよい。複数のパラメータで加速要求を算出する場合にはドライバの意思が正確に反映される適宜のロジックで加速要求を数値化すればよい。アクセルペダル9の変位量は所定時間における変位である。アクセルペダル9の加速度を検出した場合には、アクセルペダルの踏み込み初期に加速度のピークが得られるので、このピークに基づいて加速要求を推測できる。従って、アクセルペダル9の変位量や踏み込み速さを検出する場合よりも、早期に加速要求を得ることができ、応答遅れを低減できる。更にまた、アクセルペダル9の踏力を検出した場合には、アクセルペダル9が変位する前から加速要求の程度を察知できるので、アクセルペダル9の加速度を検出する形態よりも更に速やかに加速要求を得ることができる。また、所定レベルα及びなまし度βを算出する際にも同様に、アクセルペダル9の変位量、踏み込み加速度、踏力の少なくとも一つを基礎としてもよい。
所定レベルα及びなまし度βをアクセルペダル9の操作状態とは別の観点、例えば内燃機関1が搭載された車両の走行環境、車両の変速装置の変速段、車両の乗員情報、及び運転者による加速傾向の選択等で適宜に補正しても構わない。これによれば、アクセルペダル9の操作状態とは別観点で所定レベルα及びなまし度βが設定されることになるから、ドライバの意思とドライバが体感する加速感とを高度に合致させることができる。
車両の走行状態としては、車両が走行する路面状態、渋滞の有無、他車との車間距離等がある。例えば、路面の勾配が大きいほど所定レベルα及びなまし度βのそれぞれが小さくなるように補正し、また、渋滞時や車間距離が短い場合はそれ以外よりも所定レベルα及びなまし度βのそれぞれが大きくなるように補正することができる。この場合には、登坂時に十分な加速感を、渋滞時や車間距離が短い場合にはそれ以外の場合よりも緩やかな加速感を、ドライバに与えることができる。登坂時か否かの検出は、ECU12が内燃機関1の負荷と車速の変化を特定し、これに基づいて実現してもよい。また、渋滞時か否かの検出は、ECU12が車速センサ16の入力信号から所定時間における平均車速を求めるとともに、平均車速の大きさに基づいて実現してもよい。車間距離は他車との車間距離を検出するセンサ(不図示)を設け、この出力信号に基づいて検出できる。
車両の変速装置の変速段で所定レベルα及びなまし度βを補正する場合には、同じ車速、同じアクセルペダル9の操作状態でも、変速段が高速段の場合よりも低速段での加速要求は高くなる。そこで、変速段が高速段のときよりも低速段のときの所定レベルα及びなまし度βが大きくなるように補正してもよい。
所定レベルα及びなまし度βを車両の積載情報に応じて補正する場合には、積載量が多いほど所定レベルα及びなまし度βのそれぞれが小さくなるようにしてもよい。例えば乗員人数や積荷が増加して車両の総重量が増加した場合でも必要な加速感をドライバに与えることができる。積載量の検出は、車両の速度変化(加速度)から総重量を算出し、この総重量から予め用意された車両重量を減算して求めてもよいし、着座センサやシートベルトの装着センサ(不図示)を設けて乗員人数を検出するようにしてもよい。
ドライバによる加速傾向の選択で所定レベルα及びなまし度βを補正する場合には、例えば、図1に示す切替スイッチ(操作手段)20に対するドライバの操作状態に応じて設定してもよい。切替スイッチ20は、例えば鋭い加速感が得られるスポーツモードや緩やかな加速感が得られるファミリーモード等の選択肢が表示される。ECU12は、ドライバの切替スイッチ20の操作に応じて入力される入力信号から切替スイッチ20の操作状態を把握し、切替スイッチ20の操作状態に対応させて所定レベルα及びなまし度βを補正できる。これによれば、ドライバの運転嗜好に合わせた加速感を与えることができる。
以上の形態において、ECU12が図2、図6、及び図7のそれぞれの制御ルーチンを実行することにより、ECU12が本発明の過渡トルク制御手段として、ECU12が図2及び図6のそれぞれのステップS6とステップS7を実行することにより、ECU12が本発明のなまし処理手段として、それぞれ機能する。
本発明のトルク制御装置を適用した内燃機関の一実施形態を示した図。 トルク制御ルーチンの手順を示したフローチャート。 要求トルクをアクセル開度及び機関回転数に関連させたマップの一例を示した図。 目標トルク、要求トルク、及び制約トルクの関係の一例を示した図。 第1の実施形態に係るトルク制御装置の制御内容を説明した説明図。 第2の実施形態に係るトルク制御ルーチンの手順を示すフローチャート。 第3の実施形態に係るトルク制御ルーチンの手順を示すフローチャート。 第3の実施形態に係るトルク制御装置の制御内容を説明した説明図。
符号の説明
1 内燃機関
12 ECU(なまし処理手段、過渡トルク制御手段)
α 所定レベル
β なまし度

Claims (4)

  1. ドライバからの加速要求に応じて算出される要求トルクと、所定要因に応じて設定される制約トルクとを比較し、内燃機関の出力トルクが前記制約トルクにて制限又はその制限が解除されるように前記要求トルク又は前記制約トルクのいずれか小さい方を目標トルクとして設定し、内燃機関が前記目標トルクで運転されるように内燃機関の出力トルクを制御する内燃機関のトルク制御装置において、
    前記内燃機関の出力トルクが前記制限された状態から前記解除された状態へ移行する過程で所定のなまし度にて前記目標トルクに対するなまし処理を実行するなまし処理手段と、前記制限された状態において出力トルクが所定レベルまで前記要求トルクに接近したか否かを判定し、出力トルクが前記所定レベルまで前記要求トルクに接近したと判定したことを開始条件として前記なまし処理が開始されるように、前記なまし処理手段に前記なまし処理を実行させる過渡トルク制御手段と、を備え
    前記過渡トルク制御手段は、前記なまし処理の開始タイミングが変化するように、前記所定レベルの設定を変化させることを特徴とする内燃機関のトルク制御装置。
  2. 前記過渡トルク制御手段は、前記加速要求が高い場合は低い場合よりも、出力トルクが前記要求トルクに接近してから前記なまし処理が開始されるように、前記所定レベルを設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のトルク制御装置。
  3. 前記過渡トルク制御手段は、前記加速要求が低い場合は高い場合よりも、出力トルクが前記要求トルクへ緩やかに接近するように、前記なまし度を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のトルク制御装置。
  4. 前記なまし処理手段は、前記解除された状態から前記制限された状態へ移行する過程で、前記目標トルクをなます初期なまし処理を更に実行し、
    前記過渡トルク制御手段は、前記制限された状態へ移行する前のトルクよりも大きく、かつ前記制限された状態へ移行した後のトルクよりも小さい値の所定トルクから前記初期なまし処理が開始されるように、前記なまし処理手段に前記初期なまし処理を実行させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のトルク制御装置。
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