JP4692331B2 - 駆動装置 - Google Patents
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Description
TL=gL×(Tm2−1/ρ×Tm1)・・(2)
この駆動装置10では、式(1)、式(2)に基づいて第1モータ1、第2モータ2の駆動力(トルク)を制御することにより、第1駆動軸6RのトルクTRと第2駆動軸6LのトルクTLとを制御する。これによって、第1駆動輪7R、第2駆動輪7Lの駆動力を独立して制御することができる。この駆動装置10は、第1駆動輪7R、第2駆動輪7Lの駆動力を制御する際には、第1モータ1あるいは第2モータ2は力行となる結果、電力を回生することはないので、エネルギーの利用効率が向上する。
TR=gR×(1+ρ/(1−ρ))×Tm1・・(3)
TL=gL×(Tm2−ρ/(1−ρ)×Tm1)・・(4)
この駆動装置10aは、第1駆動輪7R、第2駆動輪7Lの駆動力を制御する際には、第1モータ1あるいは第2モータ2が力行となる結果、電力を回生することはないので、エネルギーの利用効率が向上する。
Nc=(Nm1−Nm2)×ρ/(1+ρ)+Nm2・・(5)
ΔNr=Nc×gR−Nveh・・(6)
ΔNl=Nm2×gL−Nveh・・(7)
ΔNm1=(Nm1n−Nm1n-1)/(tn−tn-1)・・(8)
ここで、式(8)のNm1nは、時刻tnにおける第1モータ回転数であり、Nm1n-1は、時刻tn-1における第1モータ回転数である。すなわち、第1モータ回転加速度ΔNm1は、第1モータ回転数Nm1の単位時間あたりにおける変化率である。
図7は、対応制御1の手順を示すフローチャートである。対応制御1は、第1駆動輪7Rがスリップした場合に、第1駆動輪7Rをスリップから回復させる、すなわち、第1駆動輪7Rをグリップ状態とするための制御である。対応制御1を実行するにあたり、駆動力配分制御装置30の駆動力演算部32は、駆動輪のスリップを判定したときに用いたTRとGxとから推定する、第1駆動輪7Rの摩擦係数の最大値(第1駆動輪推定摩擦係数最大値)μr_maxを求める(ステップS201)。なお、TR及びGxは、第1駆動輪7Rにスリップが発生したと判定されたときの値を用いる。そして、スリップ発生時のGxから第1駆動輪7Rの垂直荷重を推定し、スリップ発生時のTRと推定した第1駆動輪7Rの垂直荷重とに基づいて、第1駆動輪推定摩擦係数最大値μr_maxを推定する。
μl_n=gL×(Tm2−α×μr_max×Fzr×R_tire/(gR×(1+1/ρ)×ρ))/(R_tire×Fzl)・・(9)
ここで、αは駆動力低下係数でありα<1である。また、Fzrは第1駆動輪の垂直荷重(第1駆動輪垂直荷重)であり、Fzlは第2駆動輪の垂直荷重(第2駆動輪垂直荷重)であり、R_tireは第1駆動輪7R及び第2駆動輪7Lの有効半径(駆動輪有効半径)である。なお、第1駆動輪7Rの有効半径と第2駆動輪7Lの有効半径とは同じ値である。
Tm1=α×μr_max×Fzr×R_tire/(gR×(1+1/ρ))・・(10)
なお、第2モータの駆動力(より具体的にはトルク)Tm2は、駆動力配分制御の前後で同じ値とする。
Tm1=α×μr_max×Fzr×R_tire/(gR×(1+1/ρ))・・(11)
Tm2=μl_max×Fzl×R_tire/gL+α×μr_max×Fzr×R_tire/(gR×(1+1/ρ)×ρ)・・(12)
駆動力制御部33は、ステップS206で決定された駆動力となるように、第1モータ1及び第2モータ2を制御する(ステップS207)。これによって第2駆動輪7Lのスリップ発生を抑えつつ、第1駆動輪7Rをスリップから回復させることができる。
図8は、対応制御2の手順を示すフローチャートである。対応制御2は、第2駆動輪7Lがスリップした場合に、第2駆動輪7Lをスリップから回復させる、すなわち、第2駆動輪7Lをグリップ状態とするための制御である。対応制御2を実行するにあたり、駆動力配分制御装置30の駆動力演算部32は、駆動輪のスリップを判定したときに用いたTLとGxとから推定される第2駆動輪7Lの摩擦係数の最大値(第2駆動輪必要摩擦係数最大値)μl_maxを求める(ステップS301)。なお、TL及びGxは、第2駆動輪7Lにスリップが発生したと判定されたときの値を用いる。そして、スリップ発生時のGxから第2駆動輪7Lの垂直荷重を推定し、スリップ発生時のTLと推定した第2駆動輪7Lの垂直荷重とに基づいて、第2駆動輪推定摩擦係数最大値μl_maxを推定する。
μr_n=gR×((1+1/ρ)×ρ×(α×μl_max×Fzl×R_tire/gL−Tm2))/(R_tire×Fzr)・・(13)
なお、第1駆動輪推定摩擦係数最大値μr_maxは、車両100の発進時における初期スリップでは推定できないので、1近傍に設定する。ただし、対応制御1の直前にμr_maxを推定した値があれば、それを用いてもよい。
Tm1=ρ×(α×μl_max×Fzl×R_tire/gL−Tm1)・・(14)
Tm1=μr_max×Fzr×R_tire/(gR×(1+1/ρ))・・(15)
Tm2=α×μl_max×Fzl×R_tire/gL+μr_max×Fzr×R_tire/(gR×(1+1/ρ)×ρ)・・(16)
駆動力制御部33は、ステップS305で決定された駆動力となるように、第1モータ1及び第2モータ2を制御する(ステップS307)。これによって第1駆動輪7Rのスリップ発生を抑えつつ、第2駆動輪7Lをスリップから回復させることができる。
図9は、対応制御3の手順を示すフローチャートである。対応制御3は、第1駆動輪7R及び第2駆動輪7Lの両方がスリップした場合に、第1駆動輪7R及び第2駆動輪7Lの両方をスリップから回復させる、すなわち、第1駆動輪7R及び第2駆動輪7Lの両方をグリップ状態とするための制御である。対応制御3を実行するにあたり、駆動力配分制御装置30の駆動力演算部32は、両輪にスリップが発生したときのTR、TL及びGxから推定される第1駆動輪7R及び第2駆動輪7Lの摩擦係数の最大値(両駆動輪摩擦係数最大値)μ_maxを求める(ステップS401)。
Tm1=α×μ_max×Fzr×R_tire/(gR×(1+1/ρ))・・(17)
Tm2=α×μ_max×R_tire×(Fzl/gL+Fzr/(gR×(1+1/ρ)×ρ)・・(18)
駆動力制御部33は、ステップS402で決定された駆動力となるように、第1モータ1及び第2モータ2を制御する(ステップS403)。これによって第1駆動輪7R及び第2駆動輪7Lをスリップから回復させることができる。
1S 出力軸
2 第2モータ
2S 出力軸
3、3a 遊星歯車装置
3C、3Ca キャリア
3R、3Ra リングギヤ
3S、3Sa サンギヤ
4R 第1伝達ギヤ
4L 第2伝達ギヤ
5R 第1駆動軸側ギヤ
5L 第2駆動軸側ギヤ
6R 第1駆動軸
6L 第2駆動軸
7R 第1駆動輪
7L 第2駆動輪
10、10a 駆動装置
30 駆動力配分制御装置
31 スリップ判定部
32 駆動力演算部
33 駆動力制御部
41 第1レゾルバ
42 第2レゾルバ
43R 第1駆動輪回転数センサ
43L 第2駆動輪回転数センサ
44 加速度センサ
45 車速センサ
100 車両
Claims (10)
- 第1の駆動力発生手段と、
第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素を備え、かつ、前記第1回転要素に前記第1の駆動力発生手段が発生する駆動力を入力するとともに、前記第2回転要素から第1の駆動輪に対して、また前記第3回転要素から第2の駆動輪に対して、入力した前記駆動力を分割してそれぞれ出力する動力分配機構と、
前記第3回転要素に出力軸が接続されるとともに、前記第2の駆動輪に対して駆動力を伝達する第2の駆動力発生手段と、を含み、
前記第1の駆動輪の回転数又は前記第2の駆動輪の回転数を前記第1の回転要素によって増幅するとともに、前記第1回転要素の回転加速度の絶対値が所定の閾値以上である場合は、前記第1の駆動輪又は前記第2の駆動輪の少なくとも一方にスリップが発生していると判定することを特徴とする駆動装置。 - 第1の駆動力発生手段と、
第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素を備え、かつ、前記第1回転要素に前記第1の駆動力発生手段が発生する駆動力を入力するとともに、前記第2回転要素から第1の駆動輪に対して、また前記第3回転要素から第2の駆動輪に対して、入力した前記駆動力を分割してそれぞれ出力する動力分配機構と、
前記第3回転要素に出力軸が接続されるとともに、前記第2の駆動輪に対して駆動力を伝達する第2の駆動力発生手段と、を含み、
前記第1回転要素の回転加速度の絶対値が所定の閾値以上である場合、かつ前記第1回転要素の回転方向が、予め定めた第1の回転方向である場合には、前記第1の駆動輪にスリップが発生していると判定することを特徴とする駆動装置。 - 前記第1回転要素の回転方向が、前記第1の回転方向とは反対方向となる第2の回転方向である場合には、前記第2の駆動輪にスリップが発生していると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
- 第1の駆動力発生手段と、
第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素を備え、かつ、前記第1回転要素に前記第1の駆動力発生手段が発生する駆動力を入力するとともに、前記第2回転要素から第1の駆動輪に対して、また前記第3回転要素から第2の駆動輪に対して、入力した前記駆動力を分割してそれぞれ出力する動力分配機構と、
前記第3回転要素に出力軸が接続されるとともに、前記第2の駆動輪に対して駆動力を伝達する第2の駆動力発生手段と、を含み、
前記第1回転要素の回転加速度が、正の値として設定される第1の閾値以上である場合には、前記第1の駆動輪にスリップが発生していると判定し、
また、前記第1回転要素の回転加速度が、負の値として設定される第2の閾値以下である場合には、前記第2の駆動輪にスリップが発生していると判定することを特徴とする駆動装置。 - 第1の駆動力発生手段と、
第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素を備え、かつ、前記第1回転要素に前記第1の駆動力発生手段が発生する駆動力を入力するとともに、前記第2回転要素から第1の駆動輪に対して、また前記第3回転要素から第2の駆動輪に対して、入力した前記駆動力を分割してそれぞれ出力する動力分配機構と、
前記第3回転要素に出力軸が接続されるとともに、前記第2の駆動輪に対して駆動力を伝達する第2の駆動力発生手段と、を含み、
前記第1回転要素の回転加速度の絶対値が所定の閾値以上である場合は、前記第1の駆動輪又は前記第2の駆動輪の少なくとも一方にスリップが発生していると判定し、
前記第1駆動輪又は前記第2駆動輪の少なくとも一方にスリップが発生していると判定された場合には、
前記第1の駆動力発生手段は前記第1の駆動力を調整して、スリップが発生したと判定された駆動輪に付与する駆動力を低減することを特徴とする駆動装置。 - 前記第1駆動輪又は前記第2駆動輪の少なくとも一方にスリップが発生していると判定された場合には、
前記第1の駆動力発生手段は前記第1の駆動力を調整して、スリップが発生したと判定された駆動輪に付与する駆動力を低減することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の駆動装置。 - 前記第1の駆動力発生手段の駆動力を調整することに起因して、スリップが発生したと判定された駆動輪とは異なる駆動軸にスリップが発生すると予測される場合には、
さらに前記第2の駆動力発生手段は前記第2の駆動力を調整することを特徴とする請求項5又は6に記載の駆動装置。 - 前記第1の駆動力発生手段の駆動力を調整することにより、
スリップが発生したと判定された駆動輪とは異なる駆動輪へ付与される駆動力に基づいて算出される必要摩擦係数が所定値よりも大きい場合に、スリップが発生したと判定された駆動輪とは異なる駆動輪にスリップが発生すると判定し、
前記必要摩擦係数は、
前記第1の駆動力発生手段のトルクと、前記第2の駆動力発生手段のトルクと、前記第1の駆動力発生手段から前記第1駆動軸までの変速比と、前記第2の駆動力発生手段から前記第2駆動軸までの変速比と、前記動力分配機構の変速比とに基づいて決定される駆動力で前記第1の駆動輪又は前記第2の駆動輪を駆動するときに必要な、前記第1の駆動輪又は前記第2の駆動輪と路面との間の摩擦係数であることを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。 - 前記動力分配機構は、シングルピニオン式の遊星歯車装置であって、
前記第1回転要素はサンギヤであり、前記第2回転要素はキャリアであり、前記第3回転要素はリングギヤであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の駆動装置。 - 前記動力分配機構は、ダブルピニオン式の遊星歯車装置であって、
前記第1回転要素はキャリアであり、前記第2回転要素はリングギヤであり、前記第3回転要素はサンギヤであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の駆動装置。
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