上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による部品供給装置は、部品収納部を有するキャリアテープと、キャリアテープを被覆するカバーテープとを含む部品供給テープを用いて部品を供給する部品供給装置であって、キャリアテープから剥離されたカバーテープに接触して送るように構成された第1ローラを備え、第1ローラは、少なくとも2つの単位ローラ部を軸方向に組み合わせることにより構成されるとともに、少なくとも2つの単位ローラ部のそれぞれは、外周がカバーテープと接触した状態で回転することによりカバーテープを送るように構成されている。
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、単位ローラ部は、軸方向の側面の少なくとも一方側に、単位ローラ部同士を組み合わせるための係合部をさらに含む。このように構成すれば、単位ローラ部の係合部によって各々の単位ローラ部を組み合わせることができるので、複数の単位ローラ部から第1ローラを容易に構成することができる。
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、各々の単位ローラ部は、外周に設けられた凸部を有するテープ接触部をさらに含み、カバーテープにテープ接触部の凸部が当接しながらカバーテープを送るように構成されている。このように構成すれば、凸部からなる単位ローラ部の当接部がカバーテープに対して食い込むように接触するので、カバーテープの送りをより確実に行うことができる。
この場合において、好ましくは、凸部は、単位ローラ部の外周に軸方向に伸びるように設けられており、単位ローラ部は、単位ローラ部同士が組み合わされた場合にそれぞれの単位ローラ部に設けられたテープ接触部のそれぞれの凸部の軸方向から見た位置を一致させるための位置決め部をさらに含む。このように構成すれば、組み合わされた単位ローラ部のそれぞれの凸部の軸方向から見た位置が一致するので、単位ローラ部を組み合わせて構成される第1ローラには、各々の単位ローラ部の凸部が一直線状に連結された軸方向に延びる凸部が外周に形成される。これにより、第1ローラの軸方向に一直線状に延びる凸部が、カバーテープと軸方向に偏りなく接触するので、カバーテープの送りをより確実に行うことができる。
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、単位ローラ部は、外周に周方向に延びるように設けられた溝部をさらに含み、単位ローラ部の溝部に嵌まるように設けられるとともに、カバーテープと当接することによりカバーテープの送り方向をガイドするガイド部材をさらに備える。このように構成すれば、各々の単位ローラ部にガイド部材が装着されることにより、カバーテープを単位ローラ部が巻き込むことなくガイドすることができる。これにより、複数の単位ローラ部を組み合わせて幅の異なる第1ローラを構成した場合にも、部品供給テープの幅に対応させて、異なる幅のガイド部材を設ける必要がなくなるので、部品種類が増加するのを抑制することができる。
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、少なくとも2つの単位ローラ部を組み合わせることにより構成され、第1ローラと対向して配置されるとともに回転可能に支持される第2ローラをさらに備え、第2ローラは、第1ローラとともにカバーテープを挟み込んだ状態で、第1ローラまたは第2ローラのいずれか一方が回転することにより、カバーテープを送るように構成されている。このように構成すれば、カバーテープを第1ローラおよび第2ローラによって挟み込んだ状態で送ることができるので、カバーテープを巻き上げるように強く送ることができる。
この発明の第2の局面による表面実装機は、部品収納部を有するキャリアテープと、キャリアテープを被覆するカバーテープとを含む部品供給テープを用いて部品を供給する複数の部品供給装置と、部品供給テープから部品を取り出し、部品を基板に実装するヘッドユニットとを備え、部品供給装置は、キャリアテープから剥離されたカバーテープに接触して送るように構成された第1ローラを含み、第1ローラは、少なくとも2つの単位ローラ部を軸方向に組み合わせることにより構成されるとともに、少なくとも2つの単位ローラ部のそれぞれは、外周がカバーテープと接触した状態で回転することによりカバーテープを送るように構成されている。
また、部品供給テープの幅に応じて、複数の部品供給装置の幅がそれぞれ異なる場合にも、係合する単位ローラ部の数の増減によって第1ローラを構成することができるので、幅の異なる多種類のローラを在庫として抱える必要がなくなる。このため、第1ローラを単位ローラ部から構成することにより、構成部品の在庫切れを減少させるとともにメンテナンス性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による表面実装機の全体構成を示す平面図である。図2〜図12は、図1に示した表面実装機の構造を説明するための図である。以下、図1〜図12を参照して、本発明の一実施形態による表面実装機100の構造について説明する。なお、本実施形態では、本発明の部品供給装置を表面実装機に適用した場合の例について説明する。
図1に示すように、本実施形態による表面実装機100は、テープフィーダ110から供給される部品120(図4参照)をプリント基板130に実装する装置である。なお、テープフィーダ110は、本発明の「部品供給装置」の一例である。また、プリント基板130は、本発明の「基板」の一例である。図1に示すように、表面実装機100は、X方向に延びる一対の基板搬送コンベア10と、一対の基板搬送コンベア10の上方をXY方向に移動可能なヘッドユニット20とを備えている。一対の基板搬送コンベア10の両側には、部品120を供給するための複数のテープフィーダ110が配置されている。ヘッドユニット20は、テープフィーダ110から部品120を取得するとともに、基板搬送コンベア10上のプリント基板130に部品120を実装する機能を有する。基板搬送コンベア10およびヘッドユニット20は、基台1上に設置されている。以下、表面実装機100の具体的な構造を説明する。
一対の基板搬送コンベア10は、プリント基板130をX方向に搬送するとともに、所定の実装作業位置でプリント基板130を停止させ、保持させることが可能なように構成されている。
また、テープフィーダ110は図1に示すように、基台1のY1方向側およびY2方向側に互いに向かい合うようにして、X方向に並べて配置されている。これらのテープフィーダ110は、基台1に取り付けられたフィーダプレート(図示せず)に、それぞれ取り付けられている。このテープフィーダ110は、複数の部品120(図4参照)を所定の間隔を隔てて保持したテープ121が巻き回されたリール(図示せず)を保持している。このテープフィーダ110は、図3に示すように、テープ121をリールから巻き取るようにして送り出すとともに、テープ121に保持された部品120をテープフィーダ110の先端に設けられた部品供給部111まで搬送することにより、部品120を供給するように構成されている。また、図4に示すように、このテープ121は、部品収納部122aに収納する部品120の大きさに応じて複数の異なる幅Wを有する。このため、テープ121を搬送するテープフィーダ110も、テープ121の幅Wに応じて異なる幅を有するテープフィーダ110が用いられる。なお、テープ121は、本発明の「部品供給テープ」の一例である。また、部品120は、IC、トランジスタ、コンデンサなどの小型の電子部品である。
また、ヘッドユニット20は、X方向に延びるヘッドユニット支持部30に沿ってX方向に移動可能に構成されている。具体的には、ヘッドユニット支持部30は、ボールネジ軸31とボールネジ軸31を回転させるサーボモータ32とX方向のガイドレール(図示せず)とを有しているとともに、ヘッドユニット20は、ボールネジ軸31が螺合されるボールナット21を有している。ヘッドユニット20は、サーボモータ32によりボールネジ軸31が回転されることにより、ヘッドユニット支持部30に対してX方向に移動するように構成されている。また、ヘッドユニット支持部30は、基台1上に設けられたY方向に延びる一対の固定レール部40に沿ってY方向に移動可能に構成されている。具体的には、固定レール部40は、ヘッドユニット支持部30の両端部をY方向に移動可能に支持するガイドレール41と、Y方向に延びるボールネジ軸42と、ボールネジ軸42を回転させるサーボモータ43とを有しているとともに、ヘッドユニット支持部30には、ボールネジ軸42が螺号されるボールナット33が設けられている。ヘッドユニット支持部30は、サーボモータ43によりボールネジ軸42が回転されることによって、ガイドレール41に沿ってY方向に移動するように構成されている。このような構成により、ヘッドユニット20は、基台1上をXY方向に移動することが可能なように構成されている。
また、ヘッドユニット20には、X方向に列状に配置された6本の吸着ノズル22が下方に突出するように設けられている。また、各々の吸着ノズル22は、負圧発生機(図示せず)によってその先端に負圧状態を発生させることが可能に構成されている。吸着ノズル22は、この負圧によって、テープフィーダ110から供給される部品120を先端に吸着および保持することが可能である。
また、各々の吸着ノズル22は、図示しない機構(サーボモータなど)によって、ヘッドユニット20に対して上下方向(XY方向に対して垂直な方向)に移動可能に構成されている。表面実装機100は、吸着ノズル22が上昇位置に位置した状態で部品120の搬送などを行うとともに、吸着ノズル22が下降位置に位置した状態で部品120のテープフィーダ110からの吸着およびプリント基板130への実装を行うように構成されている。また、吸着ノズル22は、吸着ノズル22自体がその軸を中心として回転可能に構成されている。これにより、表面実装機100では、部品120を搬送する途中に吸着ノズル22を回転させることにより、ノズルの先端に保持された部品120の姿勢(水平面内の向き)を調整することが可能である。
また、ヘッドユニット20には、吸着ノズル22に吸着された部品120の姿勢を撮像するための部品撮像装置25が取り付けられている。この部品撮像装置25は、ヘッドユニット20に対してX方向に移動可能に取り付けられている。具体的には、ヘッドユニット20には、X方向に延びるボールネジ軸23と、ボールネジ軸23を回転させるサーボモータ24とが設けられているとともに、部品撮像装置25には、ボールネジ軸23が螺合されるボールナット26が設けられている。部品撮像装置25は、サーボモータ24によりボールネジ軸23が回転されることにより、ヘッドユニット20に対してX方向に移動されるように構成されている。これにより、部品撮像装置25は、ヘッドユニット20にX方向に並んで配置された6本の吸着ノズル22に保持された部品120を順次撮像することが可能になる。また、ヘッドユニット20に部品撮像装置25が取り付けられることによって、部品120を吸着ノズル22により保持した状態でヘッドユニット20を実装位置に移動させながら、部品撮像装置25をヘッドユニット20に対して相対移動させて部品120の姿勢(吸着ノズル22への吸着状態)を撮像することが可能である。
次に、テープフィーダ110の詳細な構造について説明する。なお、ここでは、基台1のY2方向側に配列された複数のテープフィーダ110の1つを例にとって説明する。
図2および図3に示すように、テープフィーダ110には、前方(Y1方向)の先端に部品供給部111が設けられている。また、テープフィーダ110の内部には、部品供給部111まで連続してテープ通路112(図3参照)が設けられている。また、テープフィーダ110の後部において、テープ通路112の上方(Z1方向)には、テープ収納部113(図3参照)が配置されている。このテープ収納部113の上面部には、テープフィーダ110を持ち運ぶためのハンドル114と、後述する巻き取りレバー70とが取り付けられている。また、テープフィーダ110の下部には、テープ121(図3参照)の送りを制御するフィーダ制御部117が設けられている。このフィーダ制御部117の前方には、テープフィーダ110を表面実装機100に取り付けるための係合部材115が設けられている。また、係合部材115の下方には、表面実装機100とフィーダ制御部117とを電気的に接続するためのコネクタ118がフィーダ制御部117の前側(Y1方向側)から突出するように設けられている。
部品供給部111には、図2に示すように、テープフィーダ110の上面に開口部111aが設けられている。この開口部111aを介して、部品供給部111ではテープ通路112がテープフィーダ110の外部に露出している。テープ通路112を通って送り出されたテープ121に保持された部品120が、この部品供給部111の開口部111aを介してヘッドユニット20の吸着ノズル22によって取り出される。また、図4に示すように、テープ121は、部品120を収納する部品収納部122aを有するキャリアテープ122と、キャリアテープ122を被覆することにより部品120をキャリアテープ122内に保持するカバーテープ123とから構成される。このキャリアテープ122の部品収納部122aは、部品120の形状に応じた凹形状に形成され、キャリアテープ122の伸びる方向に沿って所定の間隔で設けられている。また、このキャリアテープ122には、後述するテープ搬送部50のスプロケット51と係合するための係合孔122bがキャリアテープ122の延びる方向に沿って所定の間隔で設けられている。また、部品供給部122aを被覆するカバーテープ123は、部品供給部111のY2方向端部でキャリアテープ122から剥離されることにより、部品120が外部に露出するように構成されている。
図3に示すように、テープフィーダ110の内部には、後方(Y2方向)側の下端部から前方(Y1方向)側の上面に位置する部品供給部111まで、テープ通路112が貫通するように設けられている。また、部品供給部111の下方(Z2方向)には、部品120が収納されたテープ121を送り出すためのテープ搬送部50が配置されている。このテープ搬送部50は、テープ121をリールから引き出すとともに、テープ通路112を通過して部品供給部111までテープ121を送るように構成されている。テープ通路112の上方に設けられたテープ収納部113は、部品供給部111で剥離されたカバーテープ123を収納するように箱状に形成されている。また、このテープ収納部113の上部には、Y1方向側にテープ導入口113aが設けられている。このテープ導入口113aには、テープ送出部60が配置されている。テープ送出部60は、キャリアテープ122からカバーテープ123を剥離するとともに、カバーテープ123を巻き取りながらテープ収納部113に送るように構成されている。したがって、カバーテープ123は、テープ送出部60によってテープ導入口113aを通過してテープ収納部113に送り込まれる。
また、テープ収納部113の上面には、ハンドル114が所定の角度で回動可能に取り付けられている。このハンドル114は、テープフィーダ110の下側に取り付けられた係合部材115と図示しないリンク部材によって連結されている。係合部材115は、基台1に取り付けられた図示しないフィーダプレートと係合することにより、テープフィーダ110を表面実装機100に固定する。使用者がこのハンドル114を把持してテープフィーダ110を持ち上げる際には、ハンドル114が所定の角度だけ回動する。このハンドル114の回動がリンク部材を介して係合部材115に伝達されることにより、表面実装機100のフィーダプレートとテープフィーダ110との係合が解除されるように構成されている。なお、テープフィーダ110が係合部材115によって表面実装機100に固定されると、係合部材115の下方にフィーダ制御部117の前側から突出するように設けられたコネクタ118が、表面実装機100側の図示しないコネクタと接続されるように構成されている。このコネクタ118は、信号線および電力線などからなり、表面実装機100側のコネクタと接続することにより表面実装機100の部品吸着動作とテープフィーダ110の後述するテープ送り動作とを連携させることができるように構成されている。そして、テープフィーダ110とフィーダプレートとの係合が解除されてテープフィーダ110が表面実装機100から取り外される際には、コネクタ118と表面実装機100側のコネクタとの接続も解除されるように構成されている。
テープフィーダ110のテープ搬送部50は、テープ121をリールから引き出すとともにキャリアテープ122を送り出すためのスプロケット51と、スプロケット51を回転させるための駆動モータ52およびスプロケット51に駆動モータ52の駆動力を伝達するための4つの中間ギア53、54、55および56とから構成されている。このスプロケット51には、外周部に所定の間隔でピン51aが設けられており、キャリアテープ122の係合孔122b(図4参照)と係合するように構成されている。このピン51aが係合孔122bと係合した状態で駆動モータ52の駆動力が中間ギア53〜56を介して伝達されることにより、スプロケット51が回転してリールからテープ121を部品供給部111まで引き出すとともに、カバーテープ123が剥離された後のキャリアテープ122を送り出すように構成されている。具体的には、駆動モータ52のR2方向の回転が中間ギア53〜56を介して減速されながらスプロケット51に伝達される。これにより、スプロケット51がR1方向に回転するように構成されている。このスプロケット51のR1方向の回転によって、係合孔122bでスプロケット51のピン51aと係合したキャリアテープ122は、Y1方向に送り出されるように構成されている。このキャリアテープ122の送り出しによって、カバーテープ123が剥離される前のテープ121がリールからテープ通路112を通過して引き出される。したがって、スプロケット51は、リールに巻かれたテープ121を引き出すとともにテープ通路121を通過させて部品供給部111まで搬送する。一方、部品供給部111まで搬送されたテープ121のキャリアテープ122からカバーテープ123が剥離されると、キャリアテープ122のみをY1方向に送り出すように構成されている。
また、スプロケット51により部品供給部111まで搬送されたテープ121は、部品供給部111のY2方向端部でテープ送出部60によってカバーテープ123が剥離されることにより、キャリアテープ122の部品収納部122aに収納された部品120がテープフィーダ110の上面から外部に露出するように構成されている。一方、剥離されたカバーテープ123は、部品供給部111の後端(Y2方向端部)においてテープフィーダ110の後方(Y2方向)側に折り返されるとともに、テープ送出部60によってテープ収納部113まで送られるように構成されている。
また、本実施形態では、図3に示すように、テープ送出部60は、カバーテープ123をテープ収納部113に送るために回転可能に設けられた送りローラ61と、送りローラ61を回転させるための駆動モータ62と、駆動モータ62の駆動力を送りローラ61に伝達するための4つの中間ギア63、64、65および66(一点鎖線参照)と、送りローラ61とともにカバーテープ123を挟み込む押圧ローラ71を備えた巻き取りレバー70とから構成されている。なお、送りローラ61および押圧ローラ71は、それぞれ、本発明の「第2ローラ」および「第1ローラ」の一例である。送りローラ61は、押圧ローラ71と対向するように配置されている。この送りローラ61は、駆動モータ62の駆動力が中間ギア63〜66を介して伝達されることにより、回転するように構成されている。この送りローラ61が、巻き取りレバー70に取り付けられた押圧ローラ71とともにカバーテープ123を挟み込みながら回転することによって、カバーテープ123をキャリアテープ122から剥離しながらテープ収納部113に送り出すように構成されている。
図3に示すように、巻き取りレバー70は、テープ収納部113の上面に設けられたレバー支持部116に回動可能に取り付けられている。この巻き取りレバー70は、前方側(Y1方向)の端部に押圧ローラ71を備える。また、巻き取りレバー70の後方側(Y2方向)の端部には、押し下げ部73が巻き取りレバー70に一体的に形成されている。押圧ローラ71は、巻き取りレバー70がレバー支持部116に取り付けられた状態で、送りローラ61と対向するように配置されている。また、巻き取りレバー70には、レバー支持部116を挟んで押圧ローラ71の反対側(Y2方向側)の所定の位置に図示しないバネ部材が取り付けられている。このバネ部材が巻き取りレバー70をテープ収納部113から上方(Z1方向)に付勢することによって、押圧ローラ71は、レバー支持部116を回動中心として送りローラ61側(矢印Q1方向)に回動するように構成されている。したがって、押圧ローラ71は、ばね部材の付勢力によって、送りローラ61に当接するとともに送りローラ61をQ1方向に押圧するように構成されている。ここで、巻き取りレバー70の押し下げ部72をばね部材の付勢力よりも強い力で下方(Z2方向)に押し下げれば、巻き取りレバー70はレバー支持部116を回動中心として矢印Q2方向に回動し、押圧ローラ71と送りローラ61とが離間される。
巻き取りレバー70のレバー部73を使用者が押し下げ、押圧ローラ71と送りローラ61とが離間された状態で、キャリアテープ122から剥離されたカバーテープ123を押圧ローラ71と送りローラ61との間に通す。その後、レバー部73を戻して押圧ローラ71が送りローラ61の側に回動させることにより、カバーテープ123が押圧ローラ71と送りローラ61との間に挟みこまれる。テープ送出部60は、このようにしてカバーテープ123が挟みこまれた状態で送りローラ61を駆動し、P1方向に回転させることにより、カバーテープ123をテープ収納部113に送るように構成されている。
ここで、図5および図6に示すように、本実施形態では、押圧ローラ71は、3つの単位ローラ部80と、81と、82とが組み合わされることにより構成されている。各々の単位ローラ部80〜82は、それぞれ軸孔80b、81b、82bを有し、共通の軸部材83によって回転可能に支持されている。押圧ローラ71のA2方向側に配置された単位ローラ部80は、A2方向側の側面が平坦形状に形成されている。一方、単位ローラ部81と接するA1方向側の側面には、A1方向側に突出した凸形状を有する係合部80aが形成されている。そして、押圧ローラ71の中間に位置する単位ローラ部81には、単位ローラ部80と接するA2方向側の側面に単位ローラ部80の係合部80aと係合するための凹形状を有する係合部81aが形成されている。また、この単位ローラ部81には、単位ローラ部82と接するA1方向側の側面に凸形状を有する係合部81cが形成されている。そして、押圧ローラ71のA1方向側に配置された単位ローラ部82は、単位ローラ部81と接する側(A2方向側)の側面に、単位ローラ部81の係合部81cと係合するための凹形状を有する係合部82aが形成されている。一方、単位ローラ部82は、A1方向側の側面が平坦形状に形成されている。
ここで、本実施形態では、図7に示すように、単位ローラ部80の係合部80aは、軸部材83(図5参照)が挿入される軸孔80bの周囲を取り囲むように、リング状の凸形状を有している。また単位ローラ部81の係合部81aも係合部80aに対応して、軸孔81bを取り囲むようにリング状の凹形状に形成されている。この単位ローラ部81の係合部81aと単位ローラ部80の係合部80aとは、実質的に同一の凹凸形状に形成されることにより、嵌まり合うように形成されている。このため、単位ローラ部80と単位ローラ部81とは、係合部80aと81aとが嵌まり合うことにより、組み合わされるように構成されている。また、この係合部80aと81aとが適当な嵌め合いで係合することにより、単位ローラ部80と81とが互いに固定されるように構成されている。また、本実施形態では、図5に示すように、単位ローラ部81は、単位ローラ部82と接するA1方向の側面が単位ローラ部80のA1方向の側面と実質的に同一形状を有する。つまり、単位ローラ部81のA1方向側面に形成された係合部81cは、図7に示す単位ローラ部80の係合部80aと実質的に同形状のリング状の凸形状に形成されている。また、単位ローラ部82の単位ローラ部81と接する側(A2方向側)の側面は、単位ローラ部81のA2方向の側面と実質的に同一形状に形成されている。つまり、単位ローラ部82のA2方向側面に形成された係合部82aは、図7に示す単位ローラ部81の係合部81aと実質的に同形状のリング状の凹形状に形成されている。したがって、この単位ローラ部81の係合部81cと単位ローラ部82の係合部82aとは、実質的に同一の凹凸形状に形成されることにより、嵌まり合うように形成されている。また、この係合部81cと82aとが適当な嵌め合いで係合することにより、単位ローラ部81と82とが互いに固定されるように構成されている。
このように、単位ローラ部81には、両側面に係合部81aおよび81cが形成されていることにより、A2方向側で単位ローラ部80の係合部80aと嵌まり合うとともに、A1方向側で単位ローラ部82の係合部82aと嵌まり合うように構成されている。押圧ローラ71は、これら3つの単位ローラ部80と、単位ローラ部81と、単位ローラ部82とがそれぞれの係合部80a、81a、81c、82aにより組み合わされた状態で互いに固定されるとともに、軸部材83がそれぞれの単位ローラ部80、81、82の軸孔80b、81b、82bを通って巻き取りレバー70に取り付けられることによって、回転可能に支持されている。ここで、押圧ローラ71がカバーテープ123を送る際には、押圧ローラ71を構成する各々の単位ローラ部80〜82のそれぞれが外周でカバーテープ123と接触し、送りローラ61とともにカバーテープ123を挟みこんだ状態で回転する(図12参照)ことにより、カバーテープ123を送るように構成されている。
本実施形態では、上記のように、単位ローラ部81は、A1方向側の側面が単位ローラ部80のA1方向側の側面と実質的に同一形状に形成されるとともに、A2方向側の側面が単位ローラ部82のA2方向側の側面と実質的に同一形状に形成されている。このため、両側の側面にそれぞれ係合部81a、81cを有する単位ローラ部81は、単位ローラ部80および82の間に継ぎ足すことにより、単位ローラ部を組み合わせる数を変更することが可能なように構成されている。このため、押圧ローラ71は、単位ローラ部81の組み合わされる数を変えることによって、異なる幅を有する押圧ローラ71が形成することができるように構成されている。
なお、単位ローラ部80の係合部80aと単位ローラ部81の係合部81aとが嵌まり合うように形成されているとともに、単位ローラ部81の係合部81aと単位ローラ部82の係合部82aとが実質的に同一形状に形成されていることから、図8および図9に示すように、単位ローラ部81を取り外し、単位ローラ部80および82を組み合わせることによって、小さい幅を有する押圧ローラ71aを構成することも可能である。この場合には、単位ローラ部80の凸形状を有する係合部80aと、単位ローラ部82の凹形状を有する係合部82aとが嵌まり合うことにより、2つの単位ローラ部81および82が組み合わされた押圧ローラ71aが構成されている。また、これらの単位ローラ部80、81、82の各々は、各々がローラとしての機能を有する。したがって、これらの単位ローラ部80〜82は、それぞれ単独でローラとして使用することも可能なように構成されている。
ここで、図5に示すように、単位ローラ部80および82は、同一の幅W1を有し、単位ローラ部81は、幅W2を有する。このため、本実施形態では、押圧ローラ71の幅は、組み合わせる単位ローラ部81の数の増減により、幅W2を単位として変更することができるように構成されている。
また、図10に示すように、単位ローラ部80には、外周に凸部(歯部)80cが所定の間隔を隔てるとともに、全周にわたって設けられている。また、この凸部80cは、単位ローラ部80の軸方向(A方向)に延びるように設けられている。したがって、この単位ローラ部80は、外周が凹凸形状に形成された歯車形状を有している。ここで、単位ローラ部81および82も、単位ローラ部80と同様に構成されている。これらの単位ローラ部80、81および82によって構成される押圧ローラ71がカバーテープ123を送る際(図12参照)には、それぞれの単位ローラ部80、81および83は、外周に形成された凸部(歯部)80c、81dおよび82cがカバーテープ123と当接しながら回転することにより、カバーテープ123を送るように構成されている。このように、カバーテープ123を送る際には、各々の単位ローラ部80〜82は、外周に設けられた凸部(歯部)80c、81d、82cとカバーテープ123との当接部でカバーテープ123に対して食い込むように接触するように構成されている。なお、これらの凸部80c、81d、82cは、それぞれ、本発明の「テープ接触部」の一例である。また、送りローラ61の外周には、凸部(歯部)80c、81dおよび82cと噛み合う凹部が形成されており、押圧ローラ71側の凸部(歯部)80c、81d、および82cと、送りローラ61の凹部とによりカバーテープ123を強固に挟み込むので、カバーテープ123を確実に送ることができる。
また、図7に示すように、本実施形態では、単位ローラ部80には、凸形状の係合部80aから半径方向の外側に突出するように、凸形状の位置決め部80dが設けられている。この位置決め部80dは、単位ローラ部80が組み合わされた場合に、外周部に形成された凸部(歯部)80cの軸方向(A方向)から見た位置を一致させるために設けられている。同様に、単位ローラ部81の凹形状の係合部81aにも、半径方向の外側に突出する凹形状の位置決め部81eが設けられている。このため、単位ローラ部80と単位ローラ部81とが組み合わされる場合には、凸形状の位置決め部80dと凹形状の位置決め部81eとが嵌まり合うことによって、単位ローラ部80と単位ローラ部81との嵌まり合う回転方向の角度が位置決めされる。そして、これらの位置決め部80dおよび81eが嵌まり合うように組み合わされた場合には、単位ローラ部80および81のそれぞれの凸部(歯部)80cおよび81dの軸方向から見た位置が一致するように構成されている。なお、単位ローラ部81のA1方向側の側面には、位置決め部80dと実質的に同一の凸形状の位置決め部81fが形成されている。同様に、単位ローラ部82のA2方向側の側面には、位置決め部81eと実質的に同一の凹形状の位置決め部82dが形成されている。これにより、押圧ローラ71側の凸部(歯部)80c、81dおよび82cと、送りローラ61の凹部との噛み合いを確実に実現することができる。
また、図6および図10に示すように、本実施形態では、単位ローラ部80の外周には、周方向に延びるように溝部80eが設けられている。この溝部80eには、カバーテープ123が押圧ローラ71に巻き込まれるのを防止するためのガイド部材84の突起部84aが嵌まるように構成されている。図11に示すように、このガイド部材84には、上面にネジ穴84bが設けられるとともに、側面から突出するように突起部84aが一体的に形成されている。また、このガイド部材84の突起部84aは、先端に向かって厚みが小さくなるテーパ形状を有するように形成されている。図6に示すように、このガイド部材84は、巻き取りレバー70の下面側に、ネジ部材85によって取り付けられている。ここで、図10に示すように、ガイド部材84は、カバーテープ123の搬送方向の下流側から単位ローラ部80の溝部80eの接線方向に向けて、ガイド部材84の突起部84aが溝部80eに嵌まり込む位置に取り付けられている。このとき、ガイド部材84の突起部84aの厚みが先端に向けて小さくなるように形成されているために、単位ローラ部80と当接することにより単位ローラ部80の回転を妨げることがないように構成されている。このように、ガイド部材84を取り付けることによって、最初にカバーテープ123の先端を押圧ローラ71と送りローラ61との間に、前(Y1方向)側からY2方向に挿入し、駆動モータ62を起動して送りローラ61を回転させる時に、カバーテープ123が押圧ローラ71に巻き取られ押圧ローラ71と巻き取りレバー70との間に入り込もうとするのを、ガイド部材84がカバーテープ123と当接して送り方向をガイドすることができるように構成されている。また、テープ収納部113に送り込まれるカバーテープ123が詰まる場合にはカバーテープ123が屈曲することにより、この屈曲部が押圧ローラ71に巻き込まれる可能性もあるが、これもガイド部材84によって防止することができるので、カバーテープ123を正しくキャリアテープ122から剥離することができる。ここで、単位ローラ部81および82にも実質的に同一形状を有する溝部81gおよび82eが形成されており、ガイド部材84は、それぞれの単位ローラ部80、81および82の溝部80e、81gおよび82eのそれぞれに嵌まり込むようにして単位ローラ部の数だけ取り付けられるように構成されている。
以上のようにして、単位ローラ部80、81および82を組み合わせることによって、押圧ローラ71が構成されている。したがって、押圧ローラ71は、組み合わされる単位ローラ部80、81および82の数によって異なる幅を有し、外周部にカバーテープ123と接触する凸部80c、81dおよび82cが形成されている。この押圧ローラ71の凸部80c、81d、82cは、軸方向からみて各々の単位ローラ部80、81、82の凸部80c、81d、82cの位置が一致する。このため、図10に示すように、押圧ローラ71は、外周に軸方向に一直線状に延びる凸部(歯部)80c、81d、82cを有するとともに、歯車形状に形成されている。また、この押圧ローラ71には、単位ローラ部80、81、82の組み合わされた数と同数の、周方向に延びる溝部80e、81g、82eが形成されるとともに、巻き取りレバー70の下面側に取り付けられたガイド部材84の突起部84aがそれぞれの溝部80e、81g、82eに嵌まり込むように構成されている。
また、本実施形態では、テープ送出部60に設けられた送りローラ61も、押圧ローラ71と同様の構成を有する。すなわち、図12に示すように、送りローラ61は、3つの単位ローラ部90と、91と、92とが組み合わされることにより構成されている。また、単位ローラ部90〜92の外周には軸方向に一直線状に延びる凸部(歯部)90c、91d、92cが設けられている。このため、送りローラ61は、歯車形状に形成されている。そして、それぞれの単位ローラ部90〜92には、溝部90e、91g、92eが設けられるとともに、この溝部90e、91g、92eのそれぞれに嵌まり込むようにして、ガイド部材(図示せず)が取り付けられている。このガイド部材は、カバーテープ123の先端が送りローラ61に巻き込まれたり、カバーテープ123の中間部分が屈曲することにより送りローラ61に巻き取られたりするのを防止する働きをする。送りローラ61は、押圧ローラ71と同様に、単位ローラ部91の組み合わせる数を増減することによって異なる幅を有する。なお、説明の重複を避けるため、送りローラ61を構成する単位ローラ部90、91、92については、押圧ローラ71を構成する単位ローラ部80、81、82と異なる構成のみを説明する。
送りローラ61は、駆動モータ62によって駆動されるように構成されている。このため、送りローラ61の単位ローラ部92には、送りローラ61の中間に配置される単位ローラ部91とは反対側の側面に、駆動モータ62の駆動力を伝達するための中間ギア66と噛み合うギア部92fが、さらに設けられている。したがって、図12に示すように、駆動モータ62のP4方向への回転が中間ギア63〜65を介して中間ギア66に伝達されることにより、中間ギア66がP3方向に回転する。この中間ギア66がP3方向に回転して送りローラ61の単位ローラ部92に設けられたギア部92fを回転させることにより、送りローラ61がP1方向に回転する。この送りローラ61のP1方向の回転によって、カバーテープ123をテープ収納部113に送ることができるように構成されている。
また、図12に示すように、歯車形状に形成された押圧ローラ71の凸部(歯部)80c、81d、82cと、送りローラ61の凸部(歯部)90c、91d、92c間に位置する凹部とが、互いに噛み合うように構成されている。このため、テープ送出部60の駆動モータ62によって送りローラ61がP1方向に回転されると、送りローラ61と噛み合った押圧ローラ71もP2方向に回転するように構成されている。また、押圧ローラ71は巻き取りレバー70のばね部材によって付勢され、送りローラ61側に押圧しているので、カバーテープ123が押圧ローラ71と送りローラ61との間に挟みこまれた場合には、押圧ローラ71の凸部(歯部)80c、81d、82cと送りローラ61の凸部(歯部)90c、91d、92cとがカバーテープ123に食い込むようにしながら回転するように構成されている。これにより、カバーテープ123を所定の張力で引っ張りながら送ることが可能となるので、カバーテープ123は、キャリアテープ122から剥離されながら、テープ収納部113に送られるように構成されている。
また、図3に示すように、テープフィーダ110は、フィーダ制御部117によって制御されるように構成されている。フィーダ制御部117は、テープ搬送部50の駆動モータ52とテープ送出部60の駆動モータ62との回転を制御し、テープ搬送部50によるキャリアテープ122の送り量とテープ送出部60によるカバーテープ123の送り量とがほぼ同じとなるように調節している。
次に、本実施形態の表面実装機100によるプリント基板130への部品120の実装動作について説明する。
まず、図1に示すように、プリント基板130が一対の基板搬送コンベア10を介して基台1上に搬入されるとともに、基台1の中央の装着作業位置まで搬送される。
また、プリント基板130の搬入動作と並行して、図3に示すように、テープフィーダ110に装着されたテープ121のキャリアテープ122がテープ搬送部60によって送り出される。すなわち、キャリアテープ122の係合孔122bにスプロケット51のピン51aが係合された状態で、駆動モータ52が駆動して、中間ギア53〜56を介してスプロケット51をR1方向に回転させることにより、キャリアテープ122が送り出される。また、キャリアテープ122の送り出しに合わせて、テープ送出部60によってカバーテープ123が剥離されながらテープ収納部113に送り出される。カバーテープ123は、送りローラ61と、巻き取りレバー70の押圧ローラ71とによって挟み込まれた状態で、駆動モータ62が駆動して、中間ギア63〜66を介して送りローラ61をP1方向に回転させることにより、テープ収納部113に送り出される。
そして、カバーテープ123が剥離されて、部品120を収納したキャリアテープ122の部品収納部122aが部品供給部111まで送り出されると、実装対象の部品120がヘッドユニット20によりテープフィーダ110から取り出される。具体的には、ヘッドユニット20がテープフィーダ110の部品供給部111の上方に移動されることにより、キャリアテープ122の部品収納部122aに保持される実装対象の部品120の上方にヘッドユニット20の吸着ノズル22が配置される。
その後、吸着ノズル22を下降させるとともに、所定のタイミングで吸着ノズル22の先端に負圧が供給される。これにより、部品収納部122aに保持された部品120が吸着ノズル22により吸着および保持される。
次に、部品120を保持した吸着ノズル22が上昇し、ヘッドユニット20はプリント基板130の上方の装着位置に移動される。この時、ヘッドユニット20を移動させながら、ヘッドユニット20に取り付けられた部品撮像装置25により、吸着ノズル22に保持された部品120の撮像が行われる。そして、撮像された部品120の画像に基づいて、ヘッドユニット20が移動するとともに吸着ノズル22が回転して、部品120の装着位置の補正が行われる。部品120の装着位置の補正処理は、ヘッドユニット20がテープフィーダ110上からプリント基板130の装着位置に移動するのと並行して行われる。なお、部品120を吸着した吸着ノズル22が上昇した後、次の部品120の吸着に備えて、コネクタ118を介して伝達される表面実装機100の図示しない制御部からの信号によって駆動モータ52と駆動モータ62とが同期して駆動する。これにより、キャリアテープ122の次の部品収納部122a内に保持された部品120が部品供給部111まで搬送される。そして、次に吸着される部品120が部品供給部111まで搬送されると、駆動モータ52および62の駆動が停止する。
そして、図1に示すように、ヘッドユニット20がプリント基板130の装着位置に移動された後、吸着ノズル22が下降されて部品120がプリント基板130に装着される。以上の処理が繰り返し行われることにより、部品120のプリント基板130への装着が行われる。
また、部品120の実装が完了したプリント基板130は、一対の基板搬送コンベア10を介して基台1から搬出される。このようにして、表面実装機100による部品120の実装動作が終了する。
本実施形態では、上記のように、押圧ローラ71を、3つの単位ローラ部80〜82を組み合わせることにより構成することによって、複数の単位ローラ部80〜82を組み合わせることにより異なる幅を有する押圧ローラ71を構成することができる。このため、組み合わされる単位ローラ部81の数を変えることによって、テープ121の幅に応じて異なる幅を有するテープフィーダ110に対応した押圧ローラ71を構成することができる。これにより、テープ121の幅に応じてそれぞれ異なる幅を有する押圧ローラ71を用意する必要がなくなるので、押圧ローラ71の構成部品の種類が増加するのを抑制することができる。また、少なくとも3つの単位ローラ部80〜82のそれぞれを、外周がカバーテープ123と接触した状態で回転することによりカバーテープ123を送るように構成することによって、押圧ローラ71を構成するそれぞれの単位ローラ部80〜82がカバーテープ123と接触しながらカバーテープ123を送ることができる。このため、単位ローラ部80〜82の数を増加して大きい幅を有する押圧ローラ71を構成した場合にも、各々がカバーテープ123と接触する単位ローラ部80〜82の数が増加した分、カバーテープ123と押圧ローラ71との接触面積を大きくすることができるので、カバーテープ123の送りを確実に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、単位ローラ部80〜82は、軸方向の側面の少なくとも一方側に、単位ローラ部同士を組み合わせるための係合部80a、81a、81cおよび82aを含むように構成することによって、単位ローラ部80〜82の係合部80a、81a、81cおよび82aによって各々の単位ローラ部80〜82を組み合わせることができるので、複数の単位ローラ部80〜82から押圧ローラ71を容易に構成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、カバーテープ123に凸部80c、81d、82cが当接しながらカバーテープ123を送るように構成されていることによって、単位ローラ部80〜82の凸部80c、81d、82cがカバーテープ123に対し食い込むように接触するので、カバーテープ123の送りをより確実に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、凸部(歯部)80c、81d、82cは、単位ローラ部80〜82の外周に軸方向(A方向)に伸びるように設けられており、単位ローラ部80〜82は、単位ローラ部同士が組み合わされた場合にそれぞれの単位ローラ部80〜82に設けられたそれぞれの凸部(歯部)80c、81d、82cの軸方向から見た位置を一致させるための位置決め部80d、81e、81f、82dが形成されることによって、組み合わされた単位ローラ部80〜82のそれぞれの凸部(歯部)80c、81d、82cの軸方向(A方向)から見た位置が一致するので、単位ローラ部80〜82を組み合わせて構成される押圧ローラ71には、各々の単位ローラ部80〜82の凸部(歯部)80c、81d、82cが一直線状に延びる凸部(歯部)80c、81d、82cが外周に形成される。これにより、押圧ローラ71の軸方向に一直線状に延びる凸部(歯部)80c、81d、82cが、カバーテープ123と軸方向(A方向)に偏りなく接触するので、カバーテープ123の送りをより確実に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、単位ローラ部80〜82の溝部80e、81g、82eに嵌まるように設けられる突起部84aを有するとともに、カバーテープ123と当接することによりカバーテープ123の送り方向をガイドするガイド部材84をさらに備えるように構成することによって、各々の単位ローラ部80〜82にガイド部材84が装着されることにより、カバーテープ123を単位ローラ部80〜82が巻き込むことなくガイドすることができる。これにより、複数の単位ローラ部80〜82を組み合わせて幅の異なる押圧ローラ71を構成した場合にも、テープ121の幅に対応させて、異なる幅のガイド部材84を設ける必要がなくなるので、部品種類が増加するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、3つの単位ローラ部90〜92を組み合わせることにより構成され、押圧ローラ71と対向して配置されるとともに回転可能に支持される送りローラ61をさらに備え、送りローラ61は、押圧ローラ71とともにカバーテープ123を挟み込んだ状態で送りローラ61が回転することにより、カバーテープ123を送るように構成することによって、カバーテープ123を押圧ローラ71および送りローラ61によって挟み込んだ状態で送ることができるので、カバーテープ123を巻き上げるように強く送ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、テープ121の幅に応じて、複数のテープフィーダ110の幅がそれぞれ異なる場合にも、係合する単位ローラ部80〜82の数の増減によって押圧ローラ71を構成することができるので、幅の異なる多種類のローラを在庫として抱える必要がなくなる。このため、押圧ローラ71を単位ローラ部80〜83から構成することにより、構成部品の在庫切れを減少させるとともにメンテナンス性を向上させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、押圧ローラ71の中間に配置される単位ローラ部81には、両側面にそれぞれ凹形状および凸形状からなる係合部81aおよび81cが形成されるとともに、単位ローラ部80および82には、それぞれ凸形状の係合部80aおよび凹形状の係合部82aが形成されることにより、各々の単位ローラ部80〜82が組み合わされる例を示したが、本発明はこれに限らず、各々の単位ローラ部の係合部の形状を変更してもよい。このような単位ローラ部を組み合わせる係合部の形状には種々のものが考えられるが、係合部は、複数の単位ローラ部を組み合わせて1つの押圧ローラが構成されるように形成されればよい。たとえば、図13に示す第1変形例のように、押圧ローラ710の中間に配置される単位ローラ部810の両側面に凸形状の係合部810aが形成されるとともに、単位ローラ部800の単位ローラ部810と対向する側面には凹形状の係合部800aが形成されるように構成されていてもよい。
この第1変形例では、単位ローラ部800の巻き取りレバー70と接する側の側面に凸形状の係合部800bが形成されている。また、この第1変形例では、単位ローラ部810の両側の2つの単位ローラ部800は、互いに反対方向を向いて組み合わされている。このため、第1変形例の押圧ローラ710は、単位ローラ部810に組み合わせる単位ローラ部800の数を増減することにより、幅を変更することができるように構成されている。なお、両側の単位ローラ部800は同一部材であるから、たとえば、複数の単位ローラ部800をA1方向側のみに組み合わせて幅を変更してもよく、単位ローラ部810の両側から組み合わせる必要はない。
また、図14に示す第2変形例のように、押圧ローラ711の中間に配置される単位ローラ部811の両面に凹形状からなる係合部811aが形成されるとともに、単位ローラ部801および821の単位ローラ部811と接する側面には凸形状の係合部801aおよび821aが形成されるように構成されていてもよい。この第2変形例でも、単位ローラ部801および802をA1方向側のみに組み合わせるようにして、押圧ローラ711の幅を変更することが可能である。
また、上記実施形態では、単位ローラ部81および単位ローラ部82は、幅W1を有するとともに、単位ローラ部81は、幅W2を有することにより、押圧ローラ71の幅は、幅W2を単位として変更することが可能な例を示したが、本発明はこれに限らず、組み合わせることが可能な単位ローラ部が異なる幅を有することにより、押圧ローラの幅を細かく変更できるように構成してもよい。すなわち、上記した第2変形例のように、組み合わせる数を増減可能な単位ローラ部801および821が、それぞれ異なる幅W3およびW4を有するように構成されていてもよい。この第2変形例では、単位ローラ部801および821はそれぞれ両側面に係合部801a、801bおよび係合部821aおよび821bを有することにより、組み合わせる数を増減することができる。そして、これらの単位ローラ部801と821とは、それぞれ異なる幅W3およびW4を有する。このため、単位ローラ部801の組み合わせる数を増減すれば、幅W3を単位として押圧ローラ711の幅を変更することが可能である。一方、単位ローラ部821の組み合わせる数を増減すれば、幅W4を単位として押圧ローラ711の幅を変更することが可能である。したがって、この単位ローラ部801および821のそれぞれの組み合わせる数を増減させることにより、押圧ローラ711の幅は、単一の単位ローラ部の数を変更する場合に比べ、さらに細かく調節することが可能となる。
また、上記実施形態では、単位ローラ部80〜82は、それぞれ軸孔80b、81b、82bを有するとともに、軸部材83によって巻き取りレバー70に回転可能に支持されている例を示したが、本発明はこれに限らず、単位ローラ部に軸孔を形成することなく、単位ローラ部の係合部によって回転可能に支持されるように構成してもよい。すなわち、図15に示す第3変形例のように、単位ローラ部802および812に形成された凸形状の係合部802aおよび812aが、巻き取りレバー70に直接嵌まり込むことにより、回転可能に支持されるように構成してもよい。この第3変形例では、単位ローラ部802および812の係合部802aおよび812aは、それぞれ単位ローラ部802および812の中心軸上に形成されているとともに、本実施形態の軸部材83と同一の径を有する円柱形上に形成されている。これにより、押圧ローラ712は、軸部材83の代わりに係合部802aおよび812によって巻き取りレバー70に取り付けられ、回転可能に支持されるように構成されている。なお、単位ローラ部802の単位ローラ部812と接する側面には、係合部812aと嵌まり合う凹形状の係合部802bが形成されているため、組み合わせる単位ローラ部802の数を増減することにより、押圧ローラ712の幅を変更することが可能なように構成されている。
また、上記実施形態では、上面にネジ穴84bが設けられるとともに、側面から突出するように突起部84aが一体的に形成されたガイド部材84が、巻き取りレバー70の下面側に、ネジ部材85によって取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限らず、図16および図17に示す第4変形例のように、ガイド部材は、単位ローラ部の溝部と係合する突起部を有し、溝部と突起部とが係合することにより単位ローラ部に取り付けられるように構成してもよい。この第4変形例では、図16および図17に示すように、ガイド部材840の側面から突出するように形成された突起部840aは、C字型のフック形状を有する。このフック形状の突起部840aは単位ローラ部80〜82の溝部80e、81g、82eに嵌め込むように取り付けられる。この際、突起部840aと単位ローラ部80〜82とは固定されず、単位ローラ部80〜82の回転を妨げないように構成されている。このガイド部材840は、単位ローラ部80〜82にフック状の突起部840aにより係合されているため、ネジ穴84bおよびネジ部材85により固定される必要がない。このため、第4変形例のガイド部材840は、ネジ部材85などを用いることなく押圧ローラ71に取り付けることができるように構成されている。
また、上記実施形態では、単位ローラ部80〜82の位置決め部80d、81e、81f、82dは、それぞれの単位ローラ部80〜82の係合部80a、81a、81c、82aから半径方向の外側に突出するように一体的に形成されている例を示したが、本発明はこれに限らず、位置決め部は係合部と一体的に形成されている必要はない。また、半径方向の外側に突出するように形成されている必要もない。したがって、位置決め部は、係合部と離間して設けられていてもよいし、凸形状の係合部が形成された単位ローラ部の側面において、凹形状に形成された位置決め部が配置されていてもよい。また、複数の位置決め部が、単位ローラ部の側面に放射状に設けられるように構成してもよい。位置決め部は、単位ローラ部外周に設けられた凸部の軸方向から見た位置が一致するように設けられていればよい。