JP4690991B2 - 系統インピーダンスの演算方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配電系統の任意の点における系統インピーダンスを演算する系統インピーダンスの演算方法に関するものである。
配電系統においては、系統インピーダンスを推定することが必要になることがしばしばある。例えば、配電系統においては、配電線電圧に生じる高調波歪を抑制するために、配電系統にアクティブフィルタを接続しているが、アクティブフィルタを設置する際には、その高調波抑制効果を確認するために、該フィルタの設置点における系統インピーダンスを知る必要がある。
アクティブフィルタは、設置点の配電線電圧に含まれる対象次数の(抑制の対象とする次数の)高調波成分Vafを検出する配電線電圧検出部と、制御ゲインKを設定する制御ゲイン設定部と、配電線電圧の高調波成分Vaf(ベクトル)に制御ゲインKを乗じることにより求めた対象次数の高調波補償電流Iaf(=K×Vaf)を配電系統に注入する高調波補償電流出力部とを備えていて、高調波補償電流出力部が出力する補償電流を配電系統に注入することにより、配電線電圧の高調波歪を抑制する。このアクティブフィルタは、対象次数の高調波電圧に対してのみ作用する1/K[Ω]の抵抗として動作する。
アクティブフィルタが設置される配電系統においては、アクティブフィルタを設置した場合に大きな高調波補償効果が得られる最適な設置箇所を探索するための調査を行ったり、アクティブフィルタに設定した制御ゲイン等が適正であるか否かを確認したりするために、系統にアクティブフィルタを接続した場合の高調波補償効果を検証することが必要になる。高調波補償効果は、アクティブフィルタ設置前後の設置点における対象次数高調波電圧比(=アクティブフィルタ設置後の設置点の対象次数の高調波電圧/アクティブフィルタ設置前の設置点の対象次数の高調波電圧)により評価される。
後記するように、アクティブフィルタ設置前後の設置点の対象次数の高調波電圧比は、アクティブフィルタの等価インピーダンスと、対象次数の高調波に対する設置点の系統インピーダンスとにより決まる。ここでアクティブフィルタの等価インピーダンスは、アクティブフィルタ毎に決まっている(既知である)ため、上記対象次数の高調波電圧比を求めるためには、対象次数の高調波に対する系統インピーダンスを求めればよい。
従来、アクティブフィルタを設置するに当たり、対象次数の高調波に対する系統インピーダンスZoを求める際には、特許文献1に示されているように、アクティブフィルタから系統に対象次数の高調波電流Jを注入する前に系統に生じている対象次数の高調波電圧Voと、電流Jを注入した後に系統に生じる対象次数の高調波電圧V1との差電圧Vo−V1を演算して、この差電圧と、注入した電流Jとから、Z=(Vo−V1)/Jの式により、系統インピーダンスZoの推定値を演算するようにしていた。
特開平10−111329号公報
上記のように、アクティブフィルタの高調波抑制効果を検証するために系統インピーダンスを求める際には、アクティブフィルタから系統に対象次数の高調波電流を注入する前に配電線電圧に含まれている対象次数の高調波電圧と、電流を注入した後に系統に生じる対象次数の高調波電圧と、注入した対象次数の高調波電流とを検出して、電流注入前後の対象次数の高調波電圧の差と、注入した対象次数の高調波補償電流とから、対象次数の高調波に対する系統インピーダンスを演算していた。しかしながら、配電線電圧の高調波成分は基本波成分に比べてきわめて小さく、その検出精度が悪くなるのを避けられないため、1回の検出により得られたパラメータを用いて演算された系統インピーダンスには大きな誤差が含まれる。
そこで、系統インピーダンスの演算結果に含まれる誤差を小さくするために、パラメータの検出を複数回行って、複数回の検出により得られたパラメータを用いてそれぞれ演算された複数の系統インピーダンスの平均をとることにより、系統インピーダンスの演算の精度を向上させている。
しかしながら、従来の方法では、得られる系統インピーダンスのデータ数がパラメータの検出回数と同じであるため、データ数を多くして系統インピーダンスの演算の精度を向上させるためには、パラメータの検出を多数回繰り返さなくてはならず、系統インピーダンスの演算に非常に長い時間を要するという問題があった。
本発明の目的は、パラメータの検出に要する時間を長くすることなく、配電系統の任意の点における系統インピーダンスの演算の精度を高めることができるようにした系統インピーダンスの演算方法を提案することにある。
本発明は、配電系統の特定地点から系統を見た対象次数の高調波に対するインピーダンスを系統インピーダンスZo(=Ro+jXo)として、該系統インピーダンスZoの抵抗分Ro及びリアクタンス分Xoを演算する系統インピーダンスの演算方法に係わるものである。
本発明においては、特定地点から系統に注入する対象次数の高調波電流Jを出力する高調波電流源を用意しておいて、高調波電流源から系統に高調波電流Jを注入する前の状態で特定地点の配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧Voを検出し、高調波電流源が出力する対象次数の高調波電流Jの配電線電圧の基本波電圧Vfに対する位相を可変として、高調波電流Jを特定地点から配電系統に注入したときに配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧V1と、対象次数の高調波電流Jとを、高調波電流Jの基本波電圧Vfに対する位相のh(hは3以上の整数)個の異なる値に対して検出する。また高調波電流Jの基本波電圧Vfに対する位相をh個の異なる値としたときの高調波電圧Voと高調波電流Jとの位相差φのh個の値をそれぞれ求め、高調波電圧Voと、h個の位相差φの値にそれぞれ対応する高調波電圧V1の大きさと、高調波電流Jの大きさと、位相差φの値とに対して、式(R+|Vo/J|×cosφ)+(X−|Vo/J|×sinφ)=|V1/J| により、R−X直交座標系の平面上に描かれるh個の円のすべての交点の座標を求める。そして、h個の円のすべての交点の中から、相互間の距離がより近い関係にあるd個[dはh以上、h(h−1)/2以下の整数]の交点を有効データ点として抽出する有効データ抽出過程を行った後、抽出したd個の有効データ点のそれぞれの座標のR軸成分及びX軸成分の平均値を演算することにより、系統インピーダンスの抵抗分Ro及びリアクタンス分Xoを求める。
上記高調波電圧Voと高調波電流Jとの位相差φは、基本波電圧Vfと対象次数の高調波電圧Voとの位相差αと、基本波電圧Vfと対象次数の高調波電圧V1との位相差βと、対象次数の高調波電圧V1と高調波電流Jとの位相差γから求めることができる。位相差α,β及びγは、測定により求めてもよく、演算により求めてもよい。
上記の方法によると、高調波電流Jを特定地点から配電系統に注入したときに配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧V1、及び注入した対象次数の高調波電流Jを含むパラメータの検出回数hを3以上とすることにより(求める円の数を3以上とすることにより)、平均値の演算に用いるデータの数を検出回数以上とすることができる。従って、パラメータの検出回数を多くすることなく平均値の演算に用いるデータ数を多くして、系統インピーダンスの演算結果の精度を高めることができ、系統インピーダンスを求めるために要する時間を短縮することができる。
本発明の好ましい態様では、上記有効データ抽出過程において、異なる2つの円の組合せを円ペアとして、h個の円によりH[=h(h−1)/2]個の円ペアを構成し、異なる2つの円ペアの組合せを円グループとして、H個の円ペアによりL[=H(H−1)/2]個の円グループを構成する。また各円グループに属する2つの円ペアのそれぞれに存在する交点を各円グループの判定対象交点として、各円グループの判定対象交点の総数が3または4であるときに、各円グループの判定対象交点相互間の距離(同じ円ペアを構成する円の交点相互間の距離を除く)を演算する。次に各円グループの判定対象交点のうち、演算された相互間の距離が最小であるか、または零である1個または2個の判定対象交点を抽出候補点であると判定して、各円グループの判定対象交点のそれぞれが抽出候補点であると判定された回数をカウントする。そして、各円ペアを構成する2つの円の交点が2つある場合には、抽出候補点であると判定された回数が多い方の交点を有効データ点であると特定して抽出し、各円ペアを構成する2つの円の交点が1つである場合にはその交点を有効データ点であると特定して抽出する。
上記のようにして有効データ点の抽出を行うと、コンピュータによるデータ処理により有効データ点の抽出を容易に行うことができる。
本発明によれば、高調波電流Jを特定地点から配電系統に注入したときに配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧及び対象次数の高調波電流を含むパラメータの検出回数を3以上とすることにより、系統インピーダンスの抵抗分及びリアクタンス分の平均値の演算に用いるデータの数を、パラメータの検出回数以上の数とすることができるため、パラメータの検出回数を多くすることなく平均値の演算に用いるデータ数を多くして、系統インピーダンスの演算結果の精度を高めることができ、系統インピーダンスを求めるために要する時間を短縮することができる。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
配電系統にアクティブフィルタを設置する際には、高調波の抑制に効果的である設置点を決定するために、系統の各地点での高調波補償効果を推定するための作業を行う必要があり、その際に、対象次数の高調波に対して系統インピーダンスを演算することが必要になる。
図1は、高調波発生源が接続された配電系統のモデルを示したもので、同図において、Vsは配電系統1の上位にある高調波電圧源2が発生する高調波電圧、Voはアクティブフィルタを接続する端子u,v間を開放したときに両端子間に現れる高調波電圧、I1ないしI4は配電系統に接続された高調波電流源である。
図1の回路は、テブナンの定理により、図2に示す回路で置き換えることができ、図1の端子u,v間を開放した状態(アクティブフィルタを接続する前の状態)は、図2のスイッチSW1を開放した状態で模擬することができる。図2において、Voはアクティブフィルタの設置点の配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧、Zoは電圧源及び電流源を除去した場合の、端子u,v間から配電系統を見た対象次数の高調波に対する系統インピーダンス、Zactはアクティブフィルタの等価インピーダンスである。
図2において、アクティブフィルタの等価インピーダンスZactは、対象次数の高調波電圧に対してのみ作用する抵抗(Zact=Ract)として動作することにより、高調波を抑制する。アクティブフィルタ設置前(SW1開放時)のアクティブフィルタ設置点の対象次数の高調波電圧Voと、アクティブフィルタ設置後(SW1閉時)のアクティブフィルタ設置点の対象次数の高調波電圧Vactとの間には、下記の関係がある。
Vact={Zact/(Zo+Zact)}×Vo …(1)
対象次数の高調波に対する系統インピーダンスZoをZo=Ro+jXo、Zact=Ractとすると、アクティブフィルタによる高調波補償効果は、下記の(2)式により演算される高調波電圧比(アクティブフィルタ設置前後の設置点の高調波電圧比)により推定できる。
|Vact/Vo|=Ract/{(Ro+Ract)+Xo1/2 …(2)
(2)式において、アクティブフィルタの等価インピーダンスRact(等価抵抗)はアクティブフィルタ装置毎に決まっているため既知である。従って、対象次数の高調波に対する系統インピーダンスZo =Ro +jXo が分かれば、(2)式により、高調波補償効果を推定することができる。
アクティブフィルタの等価インピーダンスZactはアクティブフィルタの制御ゲインKより、Zact=1/K[Ω]となる。
本発明に係わる系統インピーダンスの演算方法は、配電系統の特定地点から系統を見た対象次数の高調波に対するインピーダンスを系統インピーダンスZo(=Ro+jXo)として、その抵抗分Ro及びリアクタンス分Xoを演算する方法である。
本発明においては、配電系統の特定の地点において、対象次数(アクティブフィルタの設置を検討する場合には、抑制の対象とする高調波の次数)の高調波に対する系統インピーダンスを求めるために、特定地点から系統に注入する対象次数の高調波電流Jを出力する高調波電流源を用意しておく。この高調波電流源は、アクティブフィルタ内に設けられているものでもよく、系統インピーダンスの演算のために別途用意したものでもよい。
本実施形態の演算方法においては、先ず高調波電流源から系統に高調波電流Jを注入する前の状態で、特定地点の配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧Voと、配電線電圧の基本波電圧Vfと対象次数の高調波電圧Voとの位相差αとを検出する。
次いで、高調波電流源が出力する対象次数の高調波電流Jの上記基本波電圧Vfに対する位相を可変として、高調波電流Jを特定地点から配電系統に注入し、このとき配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧V1と、対象次数の高調波電流Jと、基本波電圧Vfと高調波電圧V1との位相差βと、高調波電圧V1と高調波電流Jとの位相差γとを検出する。この検出は、高調波電流Jの基本波電圧Vfに対する位相θをh(hは3以上の整数)個の異なる値に変化させて、位相θのh個の値のそれぞれに対して行う。
ここで、位相差α,βの基準位相としては基本波電圧Vfの位相をとり、位相差γの基準位相としては、対象次数の高調波電流注入後に配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧V1の位相をとる。また高調波電流注入前に配電線電圧に含まれる高調波電圧Voと高調波電流Jとの位相差φの基準位相及び高調波電圧VoとV1の位相差ψの基準位相は、高調波電圧Voの位相とする。なお各位相差は、基準位相に対して反時計回りであるときに正の符号をとり、基準位相に対して時計回りであるときに負の符号をとるものとする。
上記のパラメータの関係を示す等価回路を図3に示した。また図3に示したパラメータのベクトル図を図4に示した。図4のベクトル図から次の(3)式が成り立つ。
|V1|∠ψ=|Vo|+(Ro+jXo)×|J|∠φ …(3)
ここで、位相差φは、下記の(4)式により与えられる。
φ=−α+β+γ …(4)
(3)式を実部及び虚部に分解するとそれぞれ下記の(5)式及び(6)式になる。
|V1|×cosψ=|Vo|+(Ro×cosφ−Xo×sinφ)×|J| …(5)
|V1|×sinψ= (Ro×sinφ+Xo×cosφ)×|J| …(6)
ここでψを消去するために、(5)式及び(6)式のそれぞれの両辺を二乗して、両者の和を|J|≠0として整理すると、下記の(7)式が得られる。
(Ro+|Vo/J|×cosφ)+(Xo−|Vo/J|×sinφ)=|V1/J|
…(7)
(7)式から、Ro及びXoは、下記の(7)′式により、R−X直交座標系の平面上に描かれる円の軌跡上に存在することが分かる。
(R+|Vo/J|×cosφ)+(X−|Vo/J|×sinφ)=|V1/J|
…(7)′
(7)′式で表される円は、中心の座標(R,X)が (−|Vo/J|×cosφ,|Vo/J|×sinφ)で、半径が|V1/J|の円である。
Ro及びXoは(7)′式により表される円の上に乗っている。従って、高調波電流源から系統に注入する高調波電流Jの振幅|J|及び(または)高調波電流注入前に配電線電圧に含まれていた高調波電圧Voに対する高調波電流Jの位相φを変化させて、3個以上の円を描き、これらの円の交点を求めれば、Ro及びXoを求めることができる。
R−X直交座標系の平面上に複数の円を描くためには、振幅|J|及び位相φのいずれか一方を変化させてもよく、双方を変化させてもよいが、高調波電流源から配電系統に注入する高調波電流Jの振幅が大きくなり過ぎると、配電系統に悪影響を及ぼすため、本発明においては、高調波電流Jの位相φのみを変化させることにより3個以上の円を描くものとする。
本発明においては、系統に高調波電流Jを注入して、配電線電圧に含まれる高調波電圧V1を検出する過程において、注入する高調波電流Jの基本波電圧Vfに対する位相θ(=α+φ)をh個(hは3以上の整数)の異なる値に切り換えて、各位相θを有する高調波電流Jを系統に注入したときの高調波電圧V1と、注入した高調波電圧Jとを検出する。また位相差θのh(hは3以上の整数)個の値に対して高調波電圧Voと高調波電流Jとの位相差φ(=−α+β+γ)のh個の値をそれぞれ求め、高調波電流注入前に配電線電圧に含まれていた高調波電圧Voと、h個の位相差φの値にそれぞれ対応する高調波電圧V1の大きさと、高調波電流Jの大きさと、位相差φの値とに対して、(7)′式によりR−X直交座標系の平面上に描かれるh個の円のすべての交点の座標を求める。
系統の状態が常に一定で、しかも検出の誤差がないとすれば、h個の円には唯1点の共通の交点が存在し、その共通の交点のR座標及びX座標がそれぞれ系統インピーダンスの抵抗分及びリアクタンス分となる。しかしながら、実際には、系統の状態は時々刻々変化しており、また高調波電圧の検出には誤差が伴うため、h個の円に共通の交点が存在することはまずあり得ない。そこで、本発明においては、h個の円のすべての交点の中から、相互間の距離がより近い関係にあってほぼ同じ箇所に集合しているd個[dはh以上、h(h−1)/2以下の整数]の交点を有効データ点として抽出する有効データ抽出過程を行い、この過程で抽出されたd個の有効データ点のそれぞれの座標のR軸成分及びX軸成分の平均値を演算することにより、前記系統インピーダンスZoの抵抗分Ro及びリアクタンス分Xoを求める。
有効データ抽出過程では、異なる2つの円の組合せを円ペアとし、h個の円によりH個の円ペアを構成する。また異なる2つの円ペアの組合せを円グループとして、H個の円ペアによりL個の円グループを構成する。h個の異なる円がある場合、異なる2つの円を組み合わせることにより構成される円ペアの総数Hは、H=h(h−1)/2となる。またH個の円ペアがある場合、異なる2つの円ペアを組み合わせることにより構成される円グループの数Lは、L=H(H−1)/2となる。
一例として、h=3として図5(A)に示すように、3つの円1ないし円3を描く場合を考える。h=3の場合、円ペアの数H及び円グループLの数は共に3である。円ペア及び円グループの識別の仕方は任意であるが、本実施形態では、円1と円2との組み合わせを円ペア1、円1と円3との組合せを円ペア2、円2と円3との組合せを円ペア3とする。また円ペア1と円ペア2との組合せを円グループ1、円ペア1と円ペア3との組合せを円グループ2、円ペア2と円ペア3との組合せを円グループ3とする。これらをまとめて示すと下記の通りである。
円グループ1: 円ペア1(円1,円2)+円ペア2(円1,円3)
円グループ2: 円ペア1(円1,円2)+円ペア3(円2,円3)
円グループ3: 円ペア2(円1,円3)+円ペア3(円2,円3)
図5に示した例では、各円ペアを構成する2つの円が2点で交わっているため、図5(B)に示すように、3つの円1ないし3の交点としては、P1a(円ペア1の交点a),P1b(円ペア1の交点b),P2a(円ペア2の交点a),P2b(円ペア2の交点b),P3a(円ペア3の交点a)及びP3b(円ペア3の交点b)の6つの交点が存在する。
なお各円ペアを構成する2つの円は必ずしも2点で交わるとは限らず、1点で交わる(接する)場合もあり、全く交わらない場合もある。本実施形態では、各円グループを構成する4つの円の交点の数が3または4であるときにのみ有効データ点の抽出を行い、各円グループの交点の数が0,1または2であるときには、後述の判定対象交点相互間の距離の演算と、抽出候補点のカウントとは行わない。
図5に示した例では、交点P1a,P1b,P2a,P2b,P3a,P3bのうち、交点P1b,P2a及びP3bの3つの交点が、他の交点よりも相互間の距離がより近い関係にあって、ほぼ同じ位置に集合しており、これらの交点を有効データ点として抽出してそれぞれのR座標及びX座標の平均値をとれば、系統インピーダンスZoの抵抗分Ro及びリアクタンス分Xoの値を求めることができることが推測される。
本実施形態では、交点P1b,P2a及びP3bを特定するために、各円グループに属する2つの円ペアのそれぞれに存在する交点を各円グループの判定対象交点として、各円グループの判定対象交点の総数が3または4であるときに、各円グループの判定対象交点相互間の距離(同じ円ペアを構成する円の交点相互間の距離を除く)を演算する。
例えば図5に示した例では、図5(C)に示したように、先ず円ペア1及び円ペア2からなる円グループ1について、円ペア1の2つの交点P1a,P1bと円ペア2の2つの交点P2a,P2bとからなる4つの交点P1a,P1b,P2a,P2bを判定対象交点として、これらの判定対象交点相互間の距離を演算する。このとき、無駄な演算を行うことを避けるため、同じ円ペアを構成する円の交点相互間の距離は演算しないようにする。すなわち、円ペア1を構成する円1及び円2の交点P1a,P1b間の距離、及び円ペア2を構成する円1及び円3の交点P2a,P2b間の距離は演算しないことにする。
同様にして、図5(D)に示すように、円ペア1及び円ペア3からなる円グルーブ2について、円ペア1の2つの交点P1a,P1bと円ペア3の2つの交点P3a,P3bとからなる4つの交点P1a,P1b,P3a,P3bを判定対象交点として、これらの判定対象交点相互間の距離を演算する。このとき円ペア1を構成する円1及び円2の交点P1a,P1b間の距離、及び円ペア3を構成する円2及び円3の交点P3a,P3b間の距離は演算しないことにする。
更に図5(E)に示すように、円ペア2及び円ペア3からなる円グルーブ3について、円ペア2の2つの交点P2a,P2bと円ペア3の2つの交点P3a,P3bとからなる4つの交点P2a,P2b,P3a,P3bを判定対象交点として、これらの判定対象交点相互間の距離を演算する。このとき円ペア2を構成する円1及び円3の交点P2a,P2b間の距離、及び円ペア3を構成する円2及び円3の交点P3a,P3b間の距離は演算しないことにする。
次いで、各円グループに属する判定対象交点のうち、演算された相互間の距離が最小であるか、または零である1個または2個の判定対象交点を抽出候補点であると判定して、各円グループの判定対象交点のそれぞれが抽出候補点であると判定された回数をカウントする。
例えば、図5に示した例では、同図(C)において、円グループ1の4つの判定対象交点P1a,P1b,P2a及びP2b相互間の距離(同じ円ペアに属する判定対象交点間の距離を除く)を演算し、演算した距離を比較して、相互間の距離が最小である判定対象交点がいずれであるかを判定する。図示の例では、判定対象交点P1b,P2a間の距離が最小であるので、これらの判定対象交点P1b,P2aを、抽出候補点であると判定して、交点P1b及びP2aが抽出候補点であると判定された回数を1とする。
次いで、図5(D)において、円グループ2の4つの判定対象交点P1a,P1b,P3a及びP3b相互間の距離を演算し、演算した距離を比較して、相互間の距離が最小である判定対象交点がいずれであるかを判定する。図示の例では、判定対象交点P1b,P3b間の距離が最小であるので、これらの判定対象交点P1b,P3bを抽出候補点であると判定して、判定対象交点P1bが抽出候補点であると判定された回数を2とし、判定対象交点P3bが抽出候補点であると判定された回数を1とする。
次いで、図5(E)において、円グループ3の4つの判定対象交点P2a,P2b,P3a及びP3b相互間の距離を演算し、演算した距離を比較して、相互間の距離が最小である判定対象交点がいずれであるかを判定する。図示の例では、判定対象交点P2a,P3b間の距離が最小であるので、これらの判定対象交点P2a,P3bが最小間隔交点であると判定して、判定対象交点P2aが抽出候補点であると判定された回数を2とし、判定対象交点P3bが抽出候補点であると判定された回数を2とする。
次いで、各円ペア毎に、各円ペアを構成する円の交点が抽出候補点であると判定された回数を判定して、各円ペアを構成する円の交点のうち、いずれが有効データ点であるかを特定する過程を行う。この場合、各円ペアを構成する2つの円の交点が2つあるときには、各円ペアの2つの交点のうち、抽出候補点であると判定された回数が多い方の交点を有効データ点であると特定し、各円ペアを構成する2つの円の交点が1つであるときにはその交点を有効データ点であると特定する。
例えば、図5に示した例において、円ペア1の交点P1a,P1bについては、交点P1aが抽出候補点であると判定された回数が0であるのに対し、交点P1bが抽出候補点であると判定された回数は2であるので、交点P1bを有効データ点として特定する。
また円ペア2の交点P2a,P2bについては、交点P2aが抽出候補点であると判定された回数が2であるのに対し、交点P2bが抽出候補点であると判定された回数は0であるので、交点P2aを有効データ点として特定する。
円ペア3の交点P3a,P3bについては、交点P3aが最小間隔交点であると判定された回数が0であるのに対し、交点P3bが最小間隔交点であると判定された回数は2であるので、交点P3bを有効データ点として特定する。
上記の結果から、交点P1b,P2a及びP3bの3つの交点を有効データ点として特定して抽出し、これらの有効データ点のそれぞれのR座標及びX座標の平均値を演算することにより、対象次数の高調波に対する系統インピーダンスZoの抵抗分Ro及びXoを演算する。
上記の方法によると、円の数hを3以上とすることにより、対象次数の高調波に対する系統インピーダンスを求めることができ、系統インピーダンスの抵抗分及びリアクタンス分のそれぞれの平均値を求めるために用いるデータの数を検出回数以上とすることができる。従来技術による場合と、本発明による場合とについて、高調波電流源から系統に高調波電流Jを注入しながら行う測定回数と得られるデータ数の最大値との関係を示すと下記の表1の通りである。
Figure 0004690991
上記の方法を実施するために用いる演算装置の構成を図6に示した。図6において、10は配電線、11は、特定地点から配電線10に対象次数の高調波電流Jを注入する高調波電流源である。また12は、高調波電流源11から配電線10に高調波電流Jを注入する前の状態で特定地点の配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧Voを検出する高調波電流注入前高調波電圧検出手段である。高調波電流注入前高調波電圧検出手段12は、配電線10の電圧を計器用電圧変成器等の電圧センサ13を通して検出し、検出した配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧Voを検出する。高調波電圧の検出は、検出した配電線電圧をスペクトラムアナライザに入力して高調波成分を検出する方法によってもよく、検出電圧にフーリエ変換を施して対象次数の高調波成分を求める(演算により求める)方法によっても良い。
14は、高調波電流源11から配電線10に注入する対象次数の高調波電流Jの配電線電圧の基本波電圧Vfに対する位相を可変として、高調波電流Jを特定地点から配電系統に注入したときに配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧V1を電圧センサ13の出力から検出するとともに、系統に注入した対象次数の高調波電流JをCTなどの電流センサ15を通して検出する高調波電流注入後高調波電圧・電流検出手段である。この検出手段は、高調波電流Jの基本波電圧Vfに対する位相をh(hは3以上の整数)個の異なる値に切り換えて、h個の値のそれぞれに対して、高調波電圧V1及び高調波電流Jを検出する。
また図6において16は、基本波電圧Vfと対象次数の高調波電圧Voとの位相差αと、基本波電圧Vfと対象次数の高調波電圧V1との位相差βと、対象次数の高調波電圧V1と高調波電流Jとの位相差γとを検出する位相差(α,β,γ)検出手段、17は、高調波電流Jの基本波電圧Vfに対する位相をh個の異なる値をとしたときの高調波電圧Voと高調波電流Jとの位相差φのh個の値を求める位相差演算手段である。
18は、高調波電圧Voと、h個の位相差の値にそれぞれ対応する高調波電圧V1の大きさと、高調波電流Jの大きさと、位相差φの値とに対して、式(R+|Vo/J|×cosφ)+(X−|Vo/J|×sinφ)=|V1/J| によりR−X直交座標上に描かれるh個の円のすべての交点の座標を求める交点座標演算手段、19はh個の円のすべての交点の中から、相互間の距離がより近い関係にあってほぼ同じ領域に集合しているd個[但しh≦d≦h(h−1)/2]の交点を有効データ点として抽出する有効データ点抽出手段、20はd個の有効データ点のそれぞれの座標のR軸成分及びX軸成分の平均値を演算することにより、系統インピーダンスの抵抗分Ro及びリアクタンス分Xoを求める平均値演算手段である。
図示の有効データ抽出手段19は、交点間距離演算手段19Aと、抽出候補判定回数カウント手段19Bと、有効データ点特定手段19Cとにより構成されている。
ここで交点間距離演算手段19Aは、異なる2つの円の組合せを円ペアとして、h個の円によりH[=h(h−1)/2]個の円ペアを構成し、更に異なる2つの円ペアの組合せを円グループとして、H個の円ペアによりL[=H(H−1)/2]個の円グループを構成して、各円グループに属する2つの円ペアのそれぞれに存在する交点を各円グループの判定対象交点とし、各円グループの判定対象交点の総数が3または4であるときに、各円グループの判定対象交点相互間の距離(同じ円ペアを構成する円の交点相互間の距離を除く)を演算するように構成される。
また、抽出候補判定回数カウント手段19Bは、各円グループの判定対象交点のうち、演算された相互間の距離が最小であるか、または零である1個または2個の判定対象交点を抽出候補点であると判定して、各円グループの判定対象交点のそれぞれが抽出候補点であると判定された回数をカウントする。
有効データ点特定手段19Cは、各円ペアを構成する2つの円の交点が2つある場合には、抽出候補点であると判定された回数が多い方の交点を有効データ点であると特定して抽出し、各円ペアを構成する2つの円の交点が1つである場合にはその交点を有効データ点であると特定して抽出するように構成されている。
図6に示した演算装置の各手段を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートの一例を図7ないし図9に示した。
系統インピーダンスを演算する際には、先ず図7の処理のステップS1を行い、演算に必要なパラメータ、すなわち、高調波電流Jを注入する前の配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧Vo,対象次数の高調波電流Jを系統に注入した後に、配電線電圧に含まれる対象次数の高調波電圧V1、注入した高調波電流J、位相差α,β及びγを検出し、α,β及びγから高調波電流Jと、高調波電流注入前に配電線電圧に含まれていた高調波電圧Voとの位相差φを演算する。高調波電流注入後の高調波電圧V1及び注入した高調波電流Jの検出は、高調波電流Jの基本波電圧Vfに対する位相を変えてh回(図5に示した例では3回)行う。
次いで、ステップS2でh個の円g(g=1,2,…,h)のそれぞれの中心の座標と半径とを演算し、式(7)′の円をh個求める。次いでステップS3で円ペアを構成する2つの円i及び円jを表す添え字番号i及びjをそれぞれi=1及びj=2とする。
h個の円を求めた後、ステップS4で異なる2つの円の組合せを円ペアkとし、各円ペアの交点をa及びbとする。次いでステップS5に移行し、円ペアk(k=1,2,…,h)を構成する2つの円iと円jの交点(最初は円1と円2との交点)の座標を演算する。
その後ステップS6でjを1だけインクリメントし、ステップS7でj>hであるか否かを判定する。その結果、jがhを超えていないと判定されたときには、ステップS4に戻り、円1と円3とからなる2番目の円ペア2を構成する円iと円jとの交点(h=3の場合には円1と円3との交点)の座標を演算する。ステップS7でjがhを超えていると判定されたときには、ステップS8でiを1だけインクリメントし、ステップS9でj=i+1として、次の円ペアを構成する円の組み合わせを変える。ステップS10でi=hであるか否かを判定し、i=hでないと判定されたときには、ステップS4に戻って、次の円ペア3を構成する円iと円jの交点(h=3の場合には、円2と円3の交点)の座標を演算する。ステップS10でi=hであると判定されたとき(すべての円ペアの交点の座標の演算を完了したとき)に図8のステップS11に移行する。
図8のステップS11においては、円グループを構成する円q,円rの添え字番号q,rをそれぞれq=1,r=2とする。次いでステップS12で円ペアqを構成する2つの円の交点の数が0,1または2のいずれかであるかを判定する。なお交点の数が0の状態は2つの円が交わっていない状態であり、交点の数が1の状態は2つの円が1点で接している状態である。
ステップS12での判定の結果、円ペアqを構成する2つの円の交点の数が1であると判定されたときにはステップS13に進んで円ペアrを構成する2つの円の交点の数が0,1または2のいずれかであるかを判定する。その結果、円ペアrを構成する円の交点の数が2であると判定されたときにはステップS14に進んで、円ペアq及び円ペアrを1つの円グループとし、この円グループを構成する円ペアq,rのうち、円ペアqに存在する1つの交点mと、円ペアrに存在する2つの交点o,pとの合計3つの交点m,o,pをこの円グループの判定対象交点として、判定対象交点相互間(m,o間及びm,p間)の距離(同じ円ペアを構成する円の交点o,p相互間の距離を除く)を演算する。次いでステップS15で3つの判定対象交点m,o,pのうち、相互間の距離が最小であると判定された特定の2つの判定対象交点を抽出候補点として、両判定対象交点が抽出候補点として判定された回数のカウント数を1だけ増加させる。
ステップS12で円ペアqの交点の数が0であると判定されたとき及びステップS13で円ペアrの交点の数が0または1であると判定されたときには、ステップS16に進んで、抽出候補点であることのカウントを行わないものとする。
ステップS15またはS16を実行した後、ステップS17に進んで添え字番号rを1だけインクリメントし、ステップS18で添え字番号rがh(h−1)/2を超えているか否かを判定する。その結果、rがh(h−1)/2を超えていないと判定されたときには、ステップS12に戻る。ステップS18でrがh(h−1)/2を超えていると判定されたときにはステップS19に進んで添え字番号qを1だけインクリメントし、ステップS20で添え字番号rをq+1に等しくする。次いでステップS21で添え字番号qがh(h−1)/2に等しいか否かを判定し、等しくない場合には、ステップS12に戻る。ステップS21でqがh(h−1)/2に等しいと判定されたときには、図9のフローチャートのステップS28に移行する。
図8のステップS12において、円ペアqの交点の数が2であると判定されたときには、ステップS22に移行して円ペアrの交点の数が0,1または2のいずれであるかを判定する。その結果、円ペアrの交点の数が1であると判定されたときには、ステップS23に進んで、円ペアq及び円ペアrを1つの円グループとし、この円グループを構成する円ペアq,rのうち、円ペアqに存在する2つの交点m,nと、円ペアrに存在する1つの交点oとの合計3つの交点m,n,oをこの円グループの判定対象交点として、判定対象交点相互間(m,o間及びn,o間)の距離(同じ円ペアを構成する円の交点m,n相互間の距離を除く)を演算する。次いでステップS24で3つの判定対象交点のうち、相互間の距離が最小であると判定された特定の2つの判定対象交点を抽出候補点として、両判定対象交点が抽出候補点として判定された回数のカウント数を1だけ増加させる。
ステップS22で円ペアrの交点の数が2であると判定されたときには、ステップS25に進んで、円ペアq及び円ペアrを1つの円グループとし、この円グループを構成する円ペアq,rのうち、円ペアqに存在する2つの交点m,nと、円ペアrに存在する2つの交点o,pとの合計4つの交点をこの円グループの判定対象交点として、判定対象交点相互間(m,o間、o,n間、n,p間、p,m間)の距離[同じ円ペアを構成する円の交点相互間の距離(m,n間の距離及びo,p間の距離)を除く]を演算する。次いでステップS26で4つの判定対象交点のうち、相互間の距離が最小であると判定された特定の2つの判定対象交点を抽出候補点として、両判定対象交点が抽出候補点として判定された回数のカウント数を1だけ増加させる。
ステップS22で円ペアrの交点の数が0であると判定されたときには、ステップS27に進んで抽出候補点のカウントを行わないものとする。ステップS24,S26またはS27を実行した後ステップS17に移行する。
図9のステップS28では、円ペアの添え字番号kを1とし、ステップS29で円ペアkの交点の数が0,1,2のいずれであるかを判定する。その結果、交点の数が0であると判定されたときにはステップS30に進んで有効データ点はないとする。
ステップS29で円ペアkの交点の数が1であると判定されたときには、ステップS31でその1つの交点を有効データ点として特定する。またステップS29で円ペアkの交点の数が2であると判定されたときにはステップS32で円ペアkの2つの交点のうち、抽出候補点としてカウントされた回数が多い方の交点を有効データ点とする。
ステップS30,S31またはS32を実行した後、ステップS33に移行してkを1だけインクリメントし、ステップS34でkがh(h−1)/2を超えているか否かを判定する。その結果、kがh(h−1)/2を超えていないと判定されたときにはステップS29に戻り、他の円ペアについて、有効データ点があるか否か、あるとすればいずれの点が有効データ点であるかの判定を行う。
ステップS34でkがh(h−1)/2を超えていると判定されたときには、ステップS35に進んで、すべての有効データ点のR座標及びX座標のそれぞれの平均値を演算して、対象次数の高調波に対する系統インピーダンスZoの抵抗分Ro及びリアクタンス分Xoを算出する。
上記の実施形態では、図7の処理のステップS1により、図6に示した高調波電流注入前高調波電圧検出手段12、高調波電流注入後高調波電圧・電流検出手段14、α,β,γ検出手段16及び位相差演算手段17が構成される。また図7のステップS2ないしS10により交点座標演算手段18が構成され、図8のステップS14,S23及びS25により交点間距離演算手段19Aが構成される。更に図8のステップS15,S24及びS26により抽出候補判定回数カウント手段19Bが構成され、図9の処理により有効データ点特定手段19Cが構成される。
高調波を発生する負荷が接続された模擬配電線を用い、系統に注入する高調波電流Jの基本波電圧Vfに対する位相を45degずつ変化させて、8つの円を描き、第5次高調波に対する系統インピーダンスを求めた例を図10に示した。この場合、有効データ点の座標のR軸成分及びX軸成分をそれぞれ平均して求めた第5次高調波に対する系統インピーダンスの抵抗分Ro及びXoはそれぞれRo=11.5Ω及びXo=2.1Ωであった。
上記の説明では、系統インピーダンスの演算に必要なすべての処理をコンピュータにより行うようにしたが、本発明はすべての処理をコンピュータ処理による場合に限定されるものではなく、一部の処理を人手により行うようにすることもできる。例えば、h個の円をディスプレイの画面上に表示させて、その画面上で、相互間の距離がより近い関係を以て集合している有効データ点を判定し、判定した有効データ点のR軸成分及びX軸成分を画面上で読み取って平均値の演算を行うようにしてもよい。
高調波電流源が接続された配電系統のモデルを示した回路図である。 図1の等価回路図である。 本発明における配電系統の等価回路図である。 図3の各部の電圧、電流のベクトル図である。 (A)ないし(F)は本発明の実施形態において円の数を3とした場合を例にとって、系統インピーダンスを求める過程を説明する説明図である。 本発明の演算方法をコンピュータを用いて実施する場合の演算装置の構成を示したブロック図である。 本発明の演算方法を実施するためにコンピュータに実行させるプログラムの一部のアルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明の演算方法を実施するためにコンピュータに実行させるプログラムの他の部分のアルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明の演算方法を実施するためにコンピュータに実行させるプログラムの更に他の部分のアルゴリズムを示したフローチャートである。 模擬配電線を用いて実際に第5次高調波に対する系統インピーダンスを求めた際に描かれた円を示した図である。
符号の説明
10 配電線
11 高調波電流源
12 高調波電流注入前高調波電圧検出手段
14 高調波電流注入後高調波電圧・電流検出手段
17 位相差検出手段
18 交点座標演算手段
19 有効データ点抽出手段
19A 交点間距離演算手段
19B 抽出候補判定回数カウント手段
19C 有効データ点特定手段
20 平均値演算手段

Claims (2)

  1. 配電系統の特定地点から系統を見た対象次数の高調波に対するインピーダンスを系統インピーダンスZo(=Ro+jXo)として、該系統インピーダンスZoの抵抗分Ro及びリアクタンス分Xoを演算する系統インピーダンスの演算方法であって、
    前記特定地点から前記系統に注入する前記対象次数の高調波電流Jを出力する高調波電流源を用意しておき、
    前記高調波電流源から前記系統に前記高調波電流Jを注入する前の状態で前記特定地点の配電線電圧に含まれる前記対象次数の高調波電圧Voを検出し、
    前記高調波電流源が出力する対象次数の高調波電流Jの前記配電線電圧の基本波電圧Vfに対する位相を可変として、前記高調波電流Jを前記特定地点から前記系統に注入したときに前記配電線電圧に含まれる前記対象次数の高調波電圧V1と、前記対象次数の高調波電流Jとを、前記高調波電流Jの前記基本波電圧Vfに対する位相のh(hは3以上の整数)個の異なる値に対して検出し、
    前記高調波電流Jの前記基本波電圧Vfに対する位相をh個の異なる値としたときの前記高調波電圧Voと高調波電流Jとの位相差φのh個の値をそれぞれ求め、
    前記高調波電圧Voと、前記h個の位相差φの値にそれぞれ対応する高調波電圧V1の大きさと、前記高調波電流Jの大きさと、前記位相差φの値とに対して、式(R+|Vo/J|×cosφ)+(X−|Vo/J|×sinφ)=|V1/J| により、R−X直交座標系の平面上に描かれるh個の円のすべての交点の座標を求め、
    前記h個の円のすべての交点の中から、相互間の距離がより近い関係にあるd個[dはh以上、h(h−1)/2以下の整数]の交点を有効データ点として抽出する有効データ抽出過程を行った後、
    前記d個の有効データ点のそれぞれの座標のR軸成分及びX軸成分の平均値を演算することにより、前記系統インピーダンスの抵抗分Ro及びリアクタンス分Xoを求めることを特徴とする系統インピーダンスの演算方法。
  2. 前記有効データ抽出過程では、
    異なる2つの円の組合せを円ペアとして、前記h個の円によりH[=h(h−1)/2]個の円ペアを構成し、
    異なる2つの円ペアの組合せを円グループとして、前記H個の円ペアによりL[=H(H−1)/2]個の円グループを構成し、
    各円グループに属する2つの円ペアのそれぞれに存在する交点を各円グループの判定対象交点として、各円グループの判定対象交点の総数が3または4であるときに、各円グループの判定対象交点相互間の距離(同じ円ペアを構成する円の交点相互間の距離を除く)を演算し、
    各円グループの判定対象交点のうち、演算された相互間の距離が最小であるか、または零である1個または2個の判定対象交点を抽出候補点であると判定して、各円グループの判定対象交点のそれぞれが前記抽出候補点であると判定された回数をカウントし、
    各円ペアを構成する2つの円の交点が2つある場合には、前記抽出候補点であると判定された回数が多い方の交点を前記有効データ点であると特定して抽出し、各円ペアを構成する2つの円の交点が1つである場合にはその交点を前記有効データ点であると特定して抽出すること、
    を特徴とする請求項1に記載の系統インピーダンスの演算方法。
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