〔第1の実施の形態〕
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明の情報更新装置としての地図情報生成装置であって、例えば車両などの移動体に搭載される表示装置で対象物である地物に関する各種情報を地物の位置関係に略対応する状態で地図上に表示させるための地図情報を更新する構成を例示して説明する。図1は、地図情報生成装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図3は、地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図4は、注記データの概略構成を示す模式図である。図5は、文字表示タイプの移動可能範囲を示す模式図である。図6は、記号文字表示タイプの移動可能範囲を示す模式図である。図7は、引出文字表示タイプの移動可能範囲を示す模式図である。
[地図情報生成装置の構成]
図1において、100は地図情報生成装置である。この地図情報生成装置100は、例えば施設や工場あるいは店舗などの地物に関する各種情報を道路などとともに地図として図示しない表示装置に表示させるための地図情報を生成する。また、所定の場所に例えば施設などの新たな地物が建てられたり設けられたりした場合に、この地物に関する情報を表示させる位置を既存の地物に関する情報などに重複しない位置に設定して地図情報を更新する。そして、地図情報生成装置100は、入力部110と、表示部120と、記憶手段130と、メモリ140と、演算手段としての処理部150と、などを備えている。
入力部110は、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。この操作ボタンや操作つまみの入力操作の内容としては、例えば地図情報生成装置100の動作内容の設定などの設定事項である。具体的には、新たな地物に関する情報の生成や取得、各種情報の検索などが例示できる。そして、入力部110は、設定事項の入力操作により、所定の信号を処理部150へ適宜出力して設定させる。
表示部120は、処理部150にて制御され処理部150からの画像データの信号を画面表示させる。この表示部120としては、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。また、表示部120に表示させる画像データとしては、新たな地物に関する情報や記憶手段130に記憶された地図情報に基づく地図などの画像データなどが例示できる。
記憶手段130は、例えば図2および図3に示すような地図情報などを格納、すなわち読み出し可能に記憶する。この記憶手段130としては、HD(Hard Disk)、DVD(Digital Versatile Disc)、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成などが例示できる。
ここで、地図情報は、例えば図2に示すようないわゆるPOI(Point Of Interest)データである表示用データVMと、例えば図3に示すようなマッチングデータMMと、図示しない記号関連情報と、などを備えている。
表示用データVMは、例えばそれぞれ固有の番号が付加された複数の表示用メッシュ情報VMxを備えている。すなわち、表示用データVMは、一部の領域に関する表示用メッシュ情報VMxに複数分割され、表示用メッシュ情報VMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、表示用メッシュ情報VMxは、適宜一部の領域に関する下層の表示用メッシュ情報VMxにさらに複数分割されていてもよい。各表示用メッシュ情報VMxは、設定された一辺の長さ、すなわち実際の地形上の長さを地図の縮尺に応じて短縮した長さで矩形形状に分割され、所定の角部分に地図情報の全体、例えば地球の地図における絶対座標ZPの情報を有している。
そして、表示用メッシュ情報VMxは、名称情報VMxAと、道路情報VMxBと、背景情報VMxCと、にて構成されている。名称情報VMxAは、その領域における他要素データである例えば交差点の名称や地域の名称、すなわち地物に関する注記Qi(iは自然数、例えば図5参照)などを絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。ここで、注記Qiは、地物の位置(以下、真位置と称す)Pi(iは自然数、例えば図6参照)を中心に配置される記号Ki(iは自然数、例えば図6参照)と、真位置Piや真位置Piから離間した位置に配置され地物の説明や名称あるいは内容を表す注記文字列Wi(iは自然数、例えば図5参照)と、真位置Piを中心に配設される指示点Ti(iは自然数、例えば図7参照)と、この指示点Tiおよび注記文字列Wiを結ぶ図形としての引出線Ui(iは自然数、例えば図7参照)と、などを備えている。ここで、注記文字列Wiが本発明の文字に対応する。そして、名称情報VMxAは、図4に示すように、複数の注記データ170を有する対象物地図情報としての注記リストデータ160などを備えている。
注記データ170は、注記Qiを表示させるための情報である。そして、注記データ170は、注記真位置データ180と、表示文字列データ190と、などを備えている。
注記真位置データ180は、注記Qiを適宜表示させるためのデータである。この注記真位置データ180は、オブジェクトID(Identification)情報181と、文字情報としての注記文字列情報182と、注記文字数情報183と、注記種別情報184と、スケール1表示タイプ情報185と、スケール2表示タイプ情報186と、スケール3表示タイプ情報187と、スケール4表示タイプ情報188と、図形情報としても機能する対象物存在位置情報としての真位置形状情報189と、などが1つのデータ構造として構成されている。
オブジェクトID情報181は、注記真位置データ180を特定する固有の情報である。注記文字列情報182は、地図上に注記文字列Wiを表示させるための情報である。具体的には、この注記文字列情報182には、例えば「MKWAKWANI」などの地名や、「AB町C丁目」などの交差点の名称、あるいは「CD病院」などの建物の名称など、文字を表す文字情報が記録される。
注記文字数情報183は、注記文字列情報182に基づいて表示される注記文字列Wiの文字数を示す情報である。注記種別情報184は、注記真位置データ180に対応する注記Qiの種別を示す情報である。具体的には、この注記種別情報184には、空港、警察署、大学、神社、地下鉄路線名、主要交差点、道路番号、都市高速道路や街道あるいは国道の道路名称など、注記Qiの種別を示す情報が記録される。
スケール1表示タイプ情報185は、地図縮尺が例えば10万分の1(以下、スケール1と称す)の場合における注記Qiの表示タイプを示す情報である。具体的には、このスケール1表示タイプ情報185には、表示タイプが無表示タイプ、文字表示タイプ、記号文字表示タイプ、引出文字表示タイプ、記号表示タイプのいずれかである旨の情報が記録される。ここで、無表示タイプは、注記Qiを表示させないタイプである。文字表示タイプは、注記文字列Wiのみを表示させるタイプである。記号文字表示タイプは、記号Kiおよび注記文字列Wiを表示させるタイプである。引出文字表示タイプは、注記文字列Wiと、指示点Tiと、引出線Uiと、を表示させるタイプである。記号表示タイプは、記号Kiのみを表示させるタイプである。なお、以下において、注記文字列Wiを表示させない表示タイプ、すなわち無表示タイプおよび記号表示タイプをまとめて表現する際には、文字非表示タイプと称して説明する。スケール2表示タイプ情報186は、地図縮尺が例えば5万分の1(以下、スケール2と称す)の場合における注記Qiの表示タイプを示す情報である。スケール3表示タイプ情報187は、地図縮尺が例えば2万5千分の1(以下、スケール3と称す)の場合における注記Qiの表示タイプを示す情報である。スケール4表示タイプ情報188は、地図縮尺が例えば1万2千5百分の1(以下、スケール4と称す)の場合における注記Qiの表示タイプを示す情報である。
ここで、スケール1表示タイプ情報185、スケール2表示タイプ情報186、スケール3表示タイプ情報187、スケール4表示タイプ情報188で示される表示タイプは、注記種別情報184の種別に対応して設定されている。すなわち、例えば注記種別情報184の種別が空港の場合、表示タイプは、スケール1,2,3,4において記号文字表示タイプに設定されている。また、注記種別情報184の種別が交番の場合、表示タイプは、スケール1が無表示タイプ、スケール2、スケール3、スケール4が記号表示タイプに設定されている。なお、スケール1,2,3,4の縮尺としては、上述した縮尺に限らず適宜他の縮尺としてもよい。
真位置形状情報189は、地図上における真位置Piを示す情報である。具体的には、真位置形状情報189には、真位置Piに対応する1つの緯度および経度を例えばX座標およびY座標で示す情報が記録されている。
表示文字列データ190は、注記Qiを所定の位置に配置表示させるためのデータである。この表示文字列データ190は、処理部150により適宜更新される。そして、表示文字列データ190は、オブジェクトID情報191と、フォントサイズ情報192と、対応注記文字ID情報193と、内容位置情報としての文字列形状情報194と、などが1つのデータ構造として構成されている。
オブジェクトID情報191は、表示文字列データ190を特定する固有の情報である。フォントサイズ情報192は、地図に表示される注記文字列Wiのフォントサイズを示す情報である。なお、スケール1,2,3,4の全ての表示タイプが注記文字列Wiを表示させないタイプ、すなわち無表示タイプまたは記号表示タイプの場合、フォントサイズ情報192を表示文字列データ190に組み込まない構成としてもよい。対応注記文字ID情報193は、表示文字列データ190に対応する注記真位置データ180の固有の情報、すなわちオブジェクトID情報181に記録された情報と同一の情報である。
文字列形状情報194は、フォントサイズ情報192でフォントサイズが設定された注記文字列Wiの文字領域Hi(iは自然数、例えば図5参照)の位置や、引出線Uiの位置を示す情報である。具体的には、文字列形状情報194には、文字領域Hiや引出線Uiの各頂点の座標を示す情報が記録されている。すなわち、例えば文字領域Hiが長方形状の場合、4つの頂点の座標が記録される。また、引出線Uiが三角形状の場合、3つの頂点の座標が記録される。さらに、表示タイプが文字表示タイプ、記号文字表示タイプ、引出文字表示タイプのいずれかに設定されたスケール1,2,3,4のそれぞれに対応する文字領域Hiの座標が記録される。すなわち、例えばスケール1が無表示タイプで、スケール2,3,4が文字表示タイプの場合、文字列形状情報194には、スケール2,3,4に対応する文字領域Hiの座標が記録される。また、表示タイプが引出文字表示タイプに設定されたスケール1,2,3,4のそれぞれに対応する引出線Uiの座標が記録される。この文字列形状情報194は、処理部150により適宜更新される。なお、文字領域Hiや引出線Uiが長方形状の場合、対角線の両端に位置する2つの頂点の座標のみを記録する構成としてもよい。
道路情報VMxBは、その領域における道路要素データである道路を絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示させるデータのテーブル構造に構成されている。背景情報VMxCは、他要素データである著名な場所や建造物などを示すマークや、その著名な場所や建造物などを示す他要素データである画像情報などを絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。
一方、マッチングデータMMは、表示用データVMと同様に、例えばそれぞれ固有の番号が付加された一部の領域に関するマッチングメッシュ情報MMxに複数分割され、マッチングメッシュ情報MMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、マッチングメッシュ情報MMxは、適宜一部の領域に関する下層のマッチングメッシュ情報MMxにさらに複数分割されていてもよい。各マッチングメッシュ情報MMxは、設定された一辺の長さ、すなわち実際の地形上の長さを地図の縮尺に応じて短縮した長さで矩形形状に分割され、所定の角部分に地図情報の全体、例えば地球の地図における絶対座標ZPの情報を有している。なお、マッチングメッシュ情報MMxは、表示用メッシュ情報VMxと異なる領域を表すデータ構造、すなわち分割される領域の縮尺が異なっていてもよい。ここで、縮尺が同一であれば固有の番号の情報を用いてデータを関連付けておけばよく、また縮尺が異なる場合であれば例えば絶対座標を用いてデータを関連付けるなどすればよい。このマッチングデータMMは、複数のリンク列ブロック情報を有している。
リンク列ブロック情報は、図3に示すように、道路を構成し地点を表す地点情報としてのノードNを結ぶ線分である線分情報としてのリンクLが、所定の規則性で複数関連付けられたデータのテーブル構造である。具体的には、道路の所定の長さ例えば甲州街道や青梅街道などの連続する道路のように、リンクLが折れ線上にそれぞれ連なった連続するリンク列となるもので関連付けられている。そして、リンクLは、各リンクLに付加された固有の番号である線分固有情報と、リンクLが結ぶ2つのノードNを表す固有の番号などのノード情報とを有している。
一方、ノードNは、各道路の交差点や屈曲点、分岐点、合流点などの結節点に相当する。そして、ノードNに関する情報は、リンク列ブロック情報におけるノードN毎に付加された固有の番号である地点固有情報と、各ノードNが存在する位置の座標情報と、交差点や分岐点などの複数のリンクが交差する分岐位置か否かの分岐情報であるフラグ情報と、を有している。なお、ノードNには、単に道路の形状を表すためにフラグ情報を有しない地点固有情報および座標情報のみを有したものや、トンネルや道路の幅員などの道路の構成を表す情報である属性情報をさらに有したものもある。
記号関連情報は、記号Kiに関する情報である。この記号関連情報は、記号情報と、記号種別情報と、記号形状サイズ情報と、などが1つのデータ構造として構成されている。なお、記号関連情報に、記号情報を含まないデータ構造としてもよい。ここで、注記文字列情報182および記号情報にて、本発明の内容情報が構成されている。また、注記データ170および記号情報にて、本発明の対象物関連情報が構成されている。
記号情報は、記号Kiを表示させるための記号情報である。記号種別情報は、記号情報で示される地物の種別を示す情報である。具体的には、この記号種別情報には、注記真位置データ180の注記種別情報184と同様の情報が記録される。記号形状サイズ情報は、記号Kiを表示させる際の形状サイズを示す情報である。具体的には、この記号形状サイズ情報には、例えば一般的に活字のサイズを示す単位であるポイントを用いた記号Kiの形状サイズが記録される。
メモリ140は、入力部110で入力操作される設定事項などを適宜読み出し可能に記憶する。また、メモリ140には、地図情報生成装置100全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶している。このメモリ140としては、例えば停電などにより突然電源が落ちた際にも記憶が保持される構成のメモリ、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)メモリなどを用いることが望ましい。なお、メモリ140としては、HD、DVD、光ディスクなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。
処理部150は、図示しない各種入出力ポート、例えば入力部110が接続されるキー入力ポート、表示部120が接続される表示制御ポート、記憶手段130が接続される記憶ポート、メモリ140が接続されるメモリポートなどを有する。そして、処理部150は、各種プログラムとして、図1に示すように、新規内容情報取得手段および新規対象物位置認識手段としても機能する範囲設定手段としての移動可能範囲設定手段151と、対象物地図情報取得手段および既存内容位置認識手段としても機能する内容位置設定手段としての配置調整処理手段152と、内容位置情報生成手段としても機能する更新処理手段としての注記データ更新手段153と、などを備えている。なお、以下において、配置位置の調整対象の注記Qiを配置調整注記Qk(kは自然数)と、調整対象でない注記Qiを既存注記Qj(jはk以外の自然数)と、適宜称して説明する。
移動可能範囲設定手段151は、図5,図6、図7に示すように名称情報VMxAで示される所定の領域Dにおける地物の配置調整注記Qkの注記文字列(以下、配置調整注記文字列と称す)Wkを配置可能な範囲としての移動可能範囲EAk,EBk,ECk(kはそれぞれ自然数)を設定する。具体的には、移動可能範囲設定手段151は、例えば新たに建てられた地物に関する配置調整注記Qkを表示させるための注記データ170を取得する。ここで、移動可能範囲設定手段151は、文字列形状情報194に情報が記録されていない注記データ170を取得する。なお、この注記データ170は、例えば入力部110の入力操作に基づいて生成されたものであってもよいし、図示しない注記データ生成手段で生成されたものであってもよい。そして、この注記データ170の注記真位置データ180の真位置形状情報189に基づいて、配置調整注記Qkの配置調整注記文字列Wkの真位置Pkを認識する。さらに、注記文字数情報183と、表示文字列データ190のフォントサイズ情報192と、に基づいて、配置調整注記文字列Wkの文字領域(以下、調整文字領域と称す)Hkの形状を演算して認識する。
そして、移動可能範囲設定手段151は、例えばスケール1表示タイプ情報185に基づいて、配置調整注記Qkの表示タイプが文字表示タイプであることを認識すると、図5に示すように、文字表示タイプの移動可能範囲EAkを設定する。ここで、図5における右方向がX座標軸の正方向、左方向がX座標軸の負方向、下方向がY座標軸の正方向、上方向がY座標軸の負方向に、それぞれ対応している。この移動可能範囲EAkは、左右方向および上下方向のそれぞれの長さが調整文字領域Hkの左右方向および上下方向の長さの2倍の長さを有する四角形状に設定されている。さらに、移動可能範囲EAkは、真位置Pkが中心に位置する状態に設定されている。
また、移動可能範囲設定手段151は、配置調整注記Qkの表示タイプが記号文字表示タイプであることを認識すると、図6に示すような記号文字表示タイプの移動可能範囲EBkを設定する。この移動可能範囲EBkは、左右方向の長さが調整文字領域Hkの左右方向の長さと記号Kkの半径の長さと所定の距離J1とを加えた長さの2倍の長さを有し、かつ、上下方向の長さが調整文字領域Hkの上下方向の長さと記号Kkの半径の長さと所定の距離J1とを加えた長さの2倍の長さを有する四角形状に設定されている。また、移動可能範囲EBkは、真位置Pkが中心に位置する状態に設定されている。
さらに、移動可能範囲設定手段151は、配置調整注記Qkの表示タイプが引出文字表示タイプであることを認識すると、図7に示すような引出文字表示タイプの移動可能範囲ECkを設定する。この移動可能範囲ECkは、左右方向の長さが調整文字領域Hkの左右方向の長さと指示点Tkの半径の長さと所定の距離J2とを加えた長さの2倍の長さを有し、かつ、上下方向の長さが調整文字領域Hkの上下方向の長さと指示点Tkの半径の長さと所定の距離J2とを加えた長さの2倍の長さを有する四角形状に設定されている。また、移動可能範囲ECkは、真位置Pkが中心に位置する状態に設定されている。
なお、移動可能範囲EAk,EBk,ECkの形状は、四角形状に限らず円形状や楕円形状さらには四角形状以外の多角形状であってもよい。また、移動可能範囲EBkの形状は、距離J1を0にした四角形状であってもよい。さらに、例えば移動可能範囲EBk,ECkは、左右方向の長さが調整文字領域Hkの左右方向の長さと記号Kkの半径の長さと所定の距離J1とを加えた長さの2倍の長さを有し、かつ、上下方向の長さが調整文字領域Hkの上下方向の長さと記号Kkの半径の長さと所定の距離J3とを加えた長さの2倍の長さを有する四角形状に設定されていてもよい。
配置調整処理手段152は、文字表示タイプの配置調整注記文字列Wkを真位置Pkが調整文字領域Hkの中心に位置する状態に、かつ、調整文字領域Hkに重複する既存注記(以下、重複既存注記と称す)Qjが存在しない状態に配置する。また、文字表示タイプおよび記号文字表示タイプの配置調整注記文字列Wkを、調整文字領域Hkの辺のうちいずれか1つまたは2つがそれらに対応する移動可能範囲EAk,EBkの辺に重なる状態に、かつ、調整文字領域Hkに重複する重複既存注記Qjが存在しない状態に配置する。すなわち、配置調整注記文字列Wkを、調整文字領域Hkの全てが移動可能範囲EAk,EBk内に位置する状態に、かつ、重複既存注記Qjが存在しない状態に配置する。さらに、引出文字表示タイプの配置調整注記文字列Wkを、調整文字領域Hkの辺のうちいずれか1つまたは2つがそれらに対応する移動可能範囲ECkの辺に重なる状態に、かつ、調整文字領域Hkおよび引出線Ukに重複する重複既存注記Qjが存在しない状態に配置する。ここで、上述したような移動可能範囲EAk,EBk,ECk内に配置調整注記文字列Wkが配置された状態を範囲内配置状態と適宜称して説明する。
具体的には、配置調整処理手段152は、配置調整注記Qkが文字表示タイプであることを認識すると、真位置Pkが調整文字領域Hkの中心に位置する状態に配置調整注記文字列Wkを配置する。さらに、既存注記Qjの注記データ170に基づく位置に、既存注記Qjを配置する。そして、調整文字領域Hkに重複する重複既存注記Qjが存在しないことを認識すると、その旨の配置完了信号を注記データ更新手段153へ出力する。また、重複既存注記Qjが存在していることを認識すると、配置調整注記文字列Wkを文字表示タイプの移動可能範囲EAkに範囲内配置できるか否かを判断する。そして、範囲内配置できたことを認識すると、配置完了信号を出力する。また、配置調整処理手段152は、配置調整注記Qkが記号文字表示タイプであることを認識すると、配置調整注記文字列Wkを記号文字表示タイプの移動可能範囲EBkに範囲内配置できるか否かを判断する。そして、範囲内配置できたことを認識すると、配置完了信号を出力する。さらに、配置調整処理手段152は、配置調整注記Qkが引出文字表示タイプであることを認識すると、配置調整注記文字列Wkを引出文字表示タイプの移動可能範囲ECkに範囲内配置できるか否かを判断する。そして、範囲内配置できたことを認識すると、配置完了信号を出力する。
さらに、配置調整処理手段152は、配置調整注記文字列Wkを移動可能範囲EAkに範囲内配置できないことを認識すると、配置調整注記文字列Wkの配置調整では全ての注記Qiを互いに重複しない状態に配置できないと判断する。そして、配置調整注記文字列Wkを移動可能範囲EAkの所定の位置に範囲内配置して配置完了信号を出力する。また、この範囲内配置された配置調整注記文字列Wkに重複する注記文字列(以下、重複既存注記文字列と称す)Wjを認識する。さらに、移動可能範囲設定手段151に、この重複既存注記文字列Wjの移動可能範囲EAj,EBj,ECjを設定させる。そして、重複既存注記文字列Wjを移動可能範囲EAj,EBj,ECjに範囲内配置する再配置処理を実施して、範囲内配置できたことを認識すると配置完了信号を出力する。さらに、配置調整処理手段152は、全ての注記Qiが互いに重複しない状態で配置されるまで上述した処理を実施する。また、配置調整処理手段152は、配置調整注記文字列Wkを移動可能範囲EBk,ECkに範囲内配置できないことを認識した場合、上述した重複既存注記文字列Wjの再配置処理を実施する。なお、重複既存注記Qjの記号Kjや指示点Tjは、地物の位置を表しているため再配置の対象とはしない。
注記データ更新手段153は、配置調整処理手段152による配置調整注記文字列Wkや重複既存注記文字列Wjの配置状態を反映させた状態に注記データ170を更新する。すなわち、全ての注記Qiが互いに重複しない地図を表示させる状態に注記データ170を更新する。具体的には、注記データ更新手段153は、配置調整処理手段152から配置調整注記文字列Wkを配置できた旨の配置完了信号を取得すると、このときの調整文字領域Hkの座標を認識する。そして、配置調整注記文字列Wkを表示させる際のスケールを認識して、このスケールに関する情報を調整文字領域Hkの座標と関連付けて文字列形状情報194に記録する。また、注記データ更新手段153は、重複既存注記文字列Wjを配置できた旨の配置完了信号を取得すると、この重複既存注記文字列Wjの文字列形状情報194に、スケールに関する情報と文字領域Hjの座標とを記録する。さらに、注記データ更新手段153は、配置調整注記文字列Wkや重複既存注記文字列Wjの配置状態に対応して引出線Uk,Ujの座標を認識して文字列形状情報194に記録する。そして、これら文字列形状情報194を更新した注記データ170を記憶手段130に記憶させる。
[地図情報生成装置の動作]
次に、地図情報生成装置100の動作として、配置調整注記Qkの追加配置に伴う注記データの更新処理について図面に基づいて説明する。図8は、配置調整注記の追加配置に伴う注記データの更新処理を示すフローチャートである。図9および図10は、注記の配置処理を示すフローチャートである。図11は、右ポジション状態の記号文字表示タイプの配置調整注記文字列を第1の配置調整処理により範囲内配置した状態を示す模式図である。図12は、左ポジション状態の記号文字表示タイプの配置調整注記文字列を移動可能範囲の右辺中央に範囲内配置した状態を示す模式図である。図13は、上ポジション状態の記号文字表示タイプの配置調整注記文字列を第2の配置調整処理により範囲内配置した状態を示す模式図である。図14は、重複既存注記文字列を再配置した状態を示す模式図である。図15は、重複既存注記文字列を再配置する前の状態を示す模式図である。図16は、図15に示す状態から重複既存注記文字列を再配置した状態を示す模式図である。図17は、第1の配置調整処理を示すフローチャートである。図18は、左右内ポジション状態の記号文字表示タイプの配置調整注記文字列を第1の配置調整処理により範囲内配置した状態を示す模式図である。図19は、左ポジション状態の記号文字表示タイプの配置調整注記文字列を第1の配置調整処理により範囲内配置した状態を示す模式図である。図20は、左右外ポジション状態の記号文字表示タイプの配置調整注記文字列を第1の配置調整処理により範囲内配置した状態を示す模式図である。図21は、第2の配置調整処理を示すフローチャートである。図22は、右ポジション状態の文字表示タイプの配置調整注記文字列を第1の配置調整処理により範囲内配置した状態を示す模式図である。図23は、右ポジション状態の引出文字表示タイプの配置調整注記文字列を第1の配置調整処理により範囲内配置した状態を示す模式図である。なお、ここでは、表示タイプが記号文字表示タイプの配置調整注記Qkの場合における処理を詳細に説明し、文字表示タイプおよび引出文字表示タイプの場合における処理を簡略化して説明する。また、図11〜図16、図18〜図20、図22、図23において、配置調整注記Qkを表す線を既存注記Qj表す線よりも太い線で適宜示す。
まず、地図情報生成装置100の処理部150は、移動可能範囲設定手段151にて、図8に示すように、例えば入力部110の設定入力により生成された配置調整注記Qkに関する注記データ170を取得すると(ステップS101)、変数Zを1に設定する(ステップS102)。この後、移動可能範囲設定手段151は、注記データ170の注記真位置データ180に基づいて、配置調整注記QkのスケールZにおける表示タイプが文字非表示タイプか否かを判断する(ステップS103)。このステップS103において、文字非表示タイプであると判断した場合、変数Zが4か否か、すなわち地図で表示可能なスケールの種類数と同じか否かを判断する(ステップS104)。そして、ステップS104において、スケールの種類数と同じであると判断した場合、注記データ170を記憶手段130に記憶させて処理を終了する。一方、スケールの種類数と異なると判断した場合、変数Zに1を加えて(ステップS105)、ステップS103に戻る。また、ステップS103において、文字非表示タイプでないと判断した場合、注記Qiの配置処理を実施する(ステップS106)。そして、このステップS106における注記Qiの配置処理を実施すると、ステップS104の処理を実施する。
一方、注記Qiの配置処理では、移動可能範囲設定手段151は、図9に示すように、配置調整注記Qkの注記データ170に基づいて、配置調整注記Qkの真位置Pkを認識するとともに(ステップS201)、調整文字領域Hkの形状を認識する(ステップS202)。この後、配置調整注記QkのスケールZにおける表示タイプが文字表示タイプか否かを判断する(ステップS203)。このステップS203において、文字表示タイプであると判断した場合、配置調整処理手段152は、真位置Pkと調整文字領域Hkの中心とが一致する状態で配置調整注記文字列Wkを配置して(ステップS204)、重複既存注記Qjが存在するか否かを判断する(ステップS205)。そして、ステップS205において、重複既存注記Qjが存在しないと判断した場合、注記データ更新手段153は、図10に示すように、この配置調整注記文字列Wkが配置された状態を反映した注記データ170の更新処理を実施して(ステップS206)、注記Qiの配置処理を終了する。
また、ステップS203において、移動可能範囲設定手段151は、文字表示タイプでないと判断した場合、スケールZにおける表示タイプが記号文字表示タイプか否かを判断する(ステップS207)。このステップS207において、記号文字表示タイプであると判断した場合、記号文字表示タイプの移動可能範囲EBkを領域D上に設定する(ステップS208)。また、ステップS207において、記号文字表示タイプではなく引出文字表示タイプであると判断した場合、引出文字表示タイプの移動可能範囲ECkを設定する(ステップS209)。さらに、ステップS205において、重複既存注記Qjが存在しないと判断した場合、文字表示タイプの移動可能範囲EAkを設定する(ステップS210)。
そして、配置調整処理手段152は、ステップS208,S209,S210における移動可能範囲EBk,ECk、EAkの設定処理の後、移動可能範囲EBk,ECk、EAkの下辺中央に調整文字領域Hkが位置する状態に配置調整注記文字列Wkを配置して(ステップS211)、重複既存注記Qjが存在するか否かを判断する(ステップS212)。例えば図11の想像線で示すように、移動可能範囲EBkの下辺中央に調整文字領域Hkが位置する状態に配置調整注記文字列Wkを配置して、重複既存注記Qjが存在するか否かを判断する。
このステップS212において、重複既存注記Qjが存在しないと判断した場合、ステップS206の処理を実施する。一方、ステップS212において、重複既存注記Qjが存在する、すなわち例えば図11に示すように調整文字領域H1と重複する重複既存注記文字列W2の文字領域H2が存在すると判断した場合、配置調整注記文字列W1を左右方向に移動させて範囲内配置する第1の配置調整処理を実施する(ステップS213)。ここで、このステップS213における第1の配置調整処理は、配置調整注記文字列Wkを移動可能範囲EAk,EBk,ECkの下辺に沿って左右方向に移動させる処理となる。そして、注記データ更新手段153は、第1の配置調整処理により配置調整注記文字列Wkの範囲内配置が完了したか否かを判断する(ステップS214)。このステップS214において、範囲内配置が完了した、例えば図11の実線で示すように配置調整注記文字列W1の範囲内配置が完了したと判断した場合、ステップS206の処理を実施する。一方、ステップS214において、範囲内配置が完了していないと判断した場合、配置調整処理手段152は、移動可能範囲EAk,EBk、ECkの右辺中央に調整文字領域Hkが位置する状態に配置調整注記文字列Wkを配置して(ステップS215)、重複既存注記Qjが存在するか否かを判断する(ステップS216)。例えば図12の想像線で示すように重複既存注記文字列W3の文字領域H3と重複しない状態に配置調整注記文字列W1を範囲内配置できないと判断した場合、配置調整処理手段152は、図12の実線で示すように移動可能範囲EB1の右辺中央に調整文字領域H1が位置する状態に配置調整注記文字列W1を配置して、重複既存注記Qjが存在するか否かを判断する。
そして、ステップS216において、重複既存注記Qjが存在しない、例えば図12に示すような状態であると判断した場合、ステップS206の処理を実施する。一方、ステップS216において、重複既存注記Qjが存在する、すなわち例えば図13に示すような調整文字領域H1と重複する重複既存注記文字列W4の文字領域H4が存在すると判断した場合、配置調整注記文字列Wkを上下方向に移動させて範囲内配置する第2の配置調整処理を実施する(ステップS217)。ここで、このステップS217における第2の配置調整処理は、配置調整注記文字列Wkを移動可能範囲EAk,EBk,ECkの右辺に沿って上下方向に移動させる処理となる。そして、注記データ更新手段153は、第2の配置調整処理により配置調整注記文字列Wkの範囲内配置が完了したか否かを判断する(ステップS218)。このステップS218において、範囲内配置が完了した、例えば図13の実線で示すように配置調整注記文字列W1の範囲内配置が完了したと判断した場合、ステップS206の処理を実施する。一方、ステップS218において、範囲内配置が完了していないと判断した場合、配置調整処理手段152は、移動可能範囲EAk,EBk,ECkの上辺中央に調整文字領域Hkが位置する状態に配置調整注記文字列Wkを配置して(ステップS219)、重複既存注記Qjが存在するか否かを判断する(ステップS220)。
このステップS220において、重複既存注記Qjが存在しないと判断した場合、ステップS206の処理を実施する。一方、ステップS220において、重複既存注記Qjが存在すると判断した場合、第1の配置調整処理を実施する(ステップS221)。ここで、このステップS221における第1の配置調整処理は、配置調整注記文字列Wkを移動可能範囲EAk,EBk,ECkの上辺に沿って左右方向に移動させる処理となる。そして、注記データ更新手段153は、第1の配置調整処理により配置調整注記文字列Wkの範囲内配置が完了したか否かを判断する(ステップS222)。このステップS222において、範囲内配置が完了したと判断した場合、ステップS206の処理を実施する。一方、ステップS222において、範囲内配置が完了していないと判断した場合、配置調整処理手段152は、移動可能範囲EAk,EBk,ECkの左辺中央に調整文字領域Hkが位置する状態に配置調整注記文字列Wkを配置して(ステップS223)、重複既存注記Qjが存在するか否かを判断する(ステップS224)。
そして、ステップS224において、重複既存注記Qjが存在しないと判断した場合、ステップS206の処理を実施する。一方、ステップS224において、重複既存注記Qjが存在すると判断した場合、第2の配置調整処理を実施する(ステップS225)。ここで、このステップS225における第2の配置調整処理は、配置調整注記文字列Wkを移動可能範囲EAk,EBk,ECkの左辺に沿って上下方向に移動させる処理となる。そして、注記データ更新手段153は、第2の配置調整処理により配置調整注記文字列Wkの範囲内配置が完了したか否かを判断する(ステップS226)。このステップS226において、範囲内配置が完了したと判断した場合、ステップS206の処理を実施する。一方、ステップS226において、範囲内配置が完了していないと判断した場合、重複既存注記文字列Wjの再配置処理を実施して(ステップS227)、ステップS206の処理を実施する。このステップS227の処理の後に実施するステップS206の処理は、配置調整注記文字列Wkおよび再配置された重複既存注記文字列Wjに対応する注記データ170の更新処理となる。
ここで、ステップS227における重複既存注記文字列Wjの再配置処理について説明する。配置調整処理手段152は、例えば図14に示すような配置調整注記Q1に対して既存注記Q3,Q5〜Q7が存在している場合、配置調整注記文字列W1を移動可能範囲EB1の下辺中央に配置する。さらに、移動可能範囲設定手段151に、配置調整注記文字列W1に重複する想像線で示すような重複既存注記文字列W3に対して移動可能範囲EB3を設定させ、上述した配置調整注記文字列W1の配置処理と同様の処理を実施する。そして、実線で示すように、重複既存注記文字列W3を移動可能範囲EB3の下辺に配置した際に、重複既存注記文字列W3を範囲内配置できたと認識して、配置完了信号を出力する。さらに、配置調整処理手段152は、重複既存注記文字列W3を重複既存注記Qjが存在しない状態に再配置できないと判断した場合、配置調整注記文字列W1を移動可能範囲EB1の右辺中央、上辺中央、左辺中央に順次配置するとともに、これらの位置に配置した際に重複する重複既存注記文字列W5,W6,W7の再配置処理を実施する。
また、配置調整処理手段152は、配置調整注記Q1に対して例えば図15に示すような既存注記Q3,Q5〜Q12が存在している場合、配置調整注記Q1の周囲に位置する重複既存注記文字列W3,W5〜W7を重複既存注記Qjが存在しない状態に再配置できないと判断する。そして、図16に示すように重複既存注記文字列W3を移動可能範囲EB3の下辺に沿って記号K12に重複しない状態に配置するとともに、重複既存注記文字列W12を移動可能範囲EB12の下辺に沿って再配置する。
一方、第1の配置調整処理では、配置調整処理手段152は、図17に示すように、重複既存注記Qjが複数存在するか否かを判断する(ステップS301)。このステップS301において、重複既存注記Qjが複数存在すると判断した場合、配置調整注記文字列Wkから中心または外縁が最も近い重複既存注記Qjの文字領域Hjや記号Kjあるいは指示点Tjさらには引出線Ujの表示領域(以下、重複既存表示領域と称す)を認識する(ステップS302)。一方、ステップS301において、重複既存注記Qjが1つのみ存在すると判断した場合、この重複既存注記Qjの重複既存表示領域を認識する(ステップS303)。例えば、図11に示すような状態の場合、文字領域H2を重複既存表示領域として認識する。
そして、配置調整処理手段152は、ステップS302またはステップS303における重複既存表示領域の認識処理を実施すると、移動可能範囲EAk,EBk,ECkの左上の頂点の座標V1(VMinX,VMinY)と、右下の頂点の座標V2(VMaxX,VMaxY)と、を認識する。また、調整文字領域Hkの左上の頂点の座標A1(AMinX,AMinY)と、右下の頂点の座標A2(AMaxX,AMaxY)と、を認識する。さらに、重複既存表示領域の左上の頂点の座標B1(BMinX,BMinY)と、右下の頂点の座標B2(BMaxX,BMaxY)と、を認識する。例えば図11に示すような注記Qiが存在している場合、調整文字領域H1の座標A1,A2と、移動可能範囲EB1の座標V1,V2と、重複既存表示領域である文字領域H2の座標B1,B2と、を認識する。ここで、重複既存表示領域が四角形状以外の形状の場合、すなわち例えば円形状や三角形状の場合、座標B1,B2は、例えば重複既存表示領域に外接する四角形状の左上および右下の頂点の座標となる。
さらに、配置調整処理手段152は、重複既存表示領域の左辺が配置調整注記文字列Wkの調整文字領域Hkの左辺よりも右側にあるか否か、すなわちBMinXからAMinXを減じた値が0より大きいか否かを判断する(ステップS304)。このステップS304において、0よりも大きいと判断した場合、重複既存表示領域の右辺が調整文字領域Hkの右辺よりも右側にあるか否か、すなわちBMaxXからAMaxXを減じた値が0より大きいか否かを判断する(ステップS305)。例えば、図11の想像線で示す配置調整注記文字列W1に対して重複既存注記文字列W2が存在している場合、図18の想像線で示す配置調整注記文字列W1に対して重複既存注記文字列W13が存在している場合、BMinXからAMinXを減じた値が0より大きいと判断してステップS305の処理を実施する。そして、ステップS305において、0よりも大きいと判断した場合、重複既存表示領域の左辺が調整文字領域Hkの左辺よりも右側にあり、かつ、重複既存表示領域の右辺が調整文字領域Hkの右辺よりも右側にある状態、すなわち重複既存表示領域が調整文字領域Hkに対して右側に存在する状態(以下、右ポジション状態と称す)であると認識する。そして、配置調整注記文字列Wkを左側に移動させる処理を実施すると認識して、AMaxXからBMinXを減じた値を重複値Raとして演算する(ステップS306)。例えば、図11に示すような右ポジション状態の場合、BMaxXからAMaxXを減じた値が0よりも大きいと判断して、ステップS306の処理を実施する。
この後、配置調整処理手段152は、配置調整注記文字列Wkを重複値Raの距離だけ左側へ移動させて範囲内配置できるか否か、すなわちAMinXからRaおよびVMinXを減じた値が0以上か否かを判断する(ステップS307)。このステップS307において、0未満であると判断した場合、配置調整注記文字列Wkを左方向に移動させるだけでは範囲内配置できないと認識して、処理を終了する。一方、ステップS307において、0以上であると判断した場合、配置調整注記文字列Wkを重複値Raの距離だけ左側へ移動した位置に範囲内配置して(ステップS308)、処理を終了する。例えば、図11に示すような右ポジション状態の場合、実線で示すように配置調整注記文字列W1を重複値Raだけ左側へ移動させた位置に範囲内配置して処理を終了する。
また、ステップS304において、BMinXからAMinXを減じた値が0よりも小さいと判断した場合、ステップS305の処理と同様にBMaxXからAMaxXを減じた値が0より大きいか否かを判断する(ステップS309)。例えば、図19の想像線で示す配置調整注記文字列W1に対して重複既存注記文字列W14が存在している場合、図20の想像線で示す配置調整注記Q21の配置調整注記文字列W21に対して重複既存注記文字列W22が存在している場合、ステップS304でBMinXからAMinXを減じた値が0よりも小さいと判断してステップS309の処理を実施する。そして、ステップS309において、0よりも小さいと判断した場合、重複既存表示領域の左辺が調整文字領域Hkの左辺よりも左側にあり、かつ、重複既存表示領域の右辺が調整文字領域Hkの右辺よりも左側にある状態、すなわち重複既存表示領域が調整文字領域Hkに対して左側に存在する状態(以下、左ポジション状態と称す)であると認識する。そして、配置調整注記文字列Wkを右側に移動させる処理を実施すると認識して、BmaxXからAMinXを減じた値を重複値Rbとして演算する(ステップS310)。例えば、図19に示すような左ポジション状態の場合、ステップS309でBMaxXからAMaxXを減じた値が0よりも小さいと判断して、ステップS310の処理を実施する。
この後、配置調整注記文字列Wkを重複値Rbの距離だけ右側へ移動させて範囲内配置できるか否か、すなわちVMaxXからAMaxXおよびRbを減じた値が0以上か否かを判断する(ステップS311)。このステップS311において、0未満であると判断した場合、配置調整注記文字列Wkを右方向に移動させるだけでは範囲内配置できないと認識して、処理を終了する。一方、ステップS311において、0以上であると判断した場合、配置調整注記文字列Wkを重複値Rbの距離だけ右側へ移動した位置に範囲内配置する処理、すなわちステップS308の処理を実施して、処理を終了する。例えば、図19に示すような左ポジション状態の場合、実線で示すように配置調整注記文字列W1を重複値Rbだけ右側へ移動した位置に範囲内配置して処理を終了する。
また、ステップS305においてBMaxXからAMaxXを減じた値が0より小さいと判断した場合、重複既存表示領域の左辺が調整文字領域Hkの左辺よりも右側にあり、かつ、重複既存表示領域の右辺が調整文字領域Hkの右辺よりも左側にある状態、すなわち重複既存表示領域が調整文字領域Hkに対して内側に存在する状態(以下、左右内ポジション状態と称す)であると認識する。そして、調整文字領域Hkに対する重複既存表示領域の位置に応じて配置調整注記文字列Wkの移動方向を決定すると認識して、AMaxXおよびAMinXを加えた後に2で除した値を、配置調整注記文字列Wkにおける左右方向の中心値Saとして演算する(ステップS312)。また、ステップS309においてBMaxXからAMaxXを減じた値が0より大きいと判断した場合、重複既存表示領域の左辺が調整文字領域Hkの左辺よりも左側にあり、かつ、重複既存表示領域の右辺が調整文字領域Hkの右辺よりも右側にある状態、すなわち重複既存表示領域が調整文字領域Hkに対して外側に存在する状態(以下、左右外ポジション状態と称す)であると認識する。そして、調整文字領域Hkに対する重複既存表示領域の位置に応じて配置調整注記文字列Wkの移動方向を決定すると認識して、ステップS312の処理を実施する。例えば図18に示すような左右内ポジション状態の場合、ステップS305においてBMaxXからAMaxXを減じた値が0より小さいと判断して、ステップS312の処理を実施する。また、例えば図20に示すような左右外ポジション状態の場合、ステップS309においてBMaxXからAMaxXを減じた値が0より大きいと判断して、ステップS312の処理を実施する。
さらに、BMaxXおよびBMinXを加えた後に2で除した値を、重複既存表示領域における左右方向の中心値Sbとして演算する(ステップS313)。この後、重複既存表示領域の中心が配置調整注記文字列Wkの中心よりも右側にあるか否か、すなわち中心値Sbから中心値Saを減じた値が0より大きいか否かを判断する(ステップS314)。このステップS314において、0より大きいと判断した場合、重複既存表示領域の中心が配置調整注記文字列Wkの中心よりも右側にあるため配置調整注記文字列Wkを左側へ移動した位置に範囲内配置する処理を実施すると認識して、ステップS306の処理を実施する。例えば、図18および図20に示すような状態の場合、ステップS306ないしステップS308の処理により、実線で示すように配置調整注記文字列W1,W21を移動可能範囲EB1,EB21の下辺に沿って左側へ重複値Raだけ移動した位置に範囲内配置する。一方、ステップS314において、0より小さいと判断した場合、配置調整注記文字列Wkを右側へ移動した位置に範囲内配置する処理を実施すると認識して、ステップS310の処理を実施する。
また、第2の配置調整処理では、配置調整処理手段152は、図21に示すように、重複既存注記Qjが複数存在するか否かを判断する(ステップS401)。このステップS401において、重複既存注記Qjが複数存在すると判断した場合、配置調整注記文字列Wkから最も近い重複既存表示領域を認識する(ステップS402)。一方、ステップS401において、重複既存注記Qjが1つのみ存在すると判断した場合、この重複既存注記Qjの重複既存表示領域を認識する(ステップS403)。そして、ステップS402またはステップS403における重複既存表示領域の認識処理を実施すると、重複既存表示領域の上辺が配置調整注記文字列Wkの上辺よりも下側にあるか否か、すなわちBMinYからAMinYを減じた値が0より大きいか否かを判断する(ステップS404)。
このステップS404において、0よりも大きいと判断した場合、重複既存表示領域の下辺が配置調整注記文字列Wkの下辺よりも下側にあるか否か、すなわちBMaxYからAMaxYを減じた値が0より大きいか否かを判断する(ステップS405)。そして、ステップS405において、0よりも大きいと判断した場合、重複既存表示領域の上辺が調整文字領域Hkの上辺よりも下側にあり、かつ、重複既存表示領域の下辺が調整文字領域Hkの下辺よりも下側にある状態、すなわち重複既存表示領域が調整文字領域Hkに対して下側に存在する状態(以下、下ポジション状態と称す)であると認識する。そして、配置調整注記文字列Wkを上側に移動させる処理を実施すると認識して、AMaxYからBMinYを減じた値を重複値Rcとして演算する(ステップS406)。この後、配置調整処理手段152は、配置調整注記文字列Wkを重複値Rcの距離だけ上側へ移動させて範囲内配置できるか否か、すなわちAMinYからRcおよびVMinYを減じた値が0以上か否かを判断する(ステップS407)。このステップS407において、0未満であると判断した場合、配置調整注記文字列Wkを上方向に移動させるだけでは範囲内配置できないと認識して、処理を終了する。一方、ステップS407において、0以上であると判断した場合、配置調整注記文字列Wkを重複値Rcの距離だけ上側へ移動した位置に範囲内配置して(ステップS408)処理を終了する。
また、ステップS404において、BMinYからAMinYを減じた値が0より小さいと判断した場合、BMaxYからAMaxYを減じた値が0より大きいか否かを判断する(ステップS409)。例えば、図13の想像線で示す配置調整注記文字列W1に対して重複既存注記文字列W4が存在している場合、BMinYからAMinYを減じた値が0より小さいと判断してステップS409の処理を実施する。そして、ステップS409において、0よりも小さいと判断した場合、重複既存表示領域の上辺が調整文字領域Hkの上辺よりも上側にあり、かつ、重複既存表示領域の下辺が調整文字領域Hkの下辺よりも上側にある状態、すなわち重複既存表示領域が調整文字領域Hkに対して上側に存在する状態(以下、上ポジション状態と称す)であると認識する。そして、配置調整注記文字列Wkを下側に移動させる処理を実施すると認識して、BMaxYからAMinYを減じた値を重複値Rdとして演算する(ステップS410)。例えば、図13に示すような上ポジション状態の場合、BMaxYからAMaxYを減じた値が0よりも小さいと判断して、ステップS410の処理を実施する。
この後、配置調整注記文字列Wkを重複値Rdの距離だけ下側へ移動させて範囲内配置ができる否か、すなわちVMaxYからAMaxYおよびRdを減じた値が0以上か否かを判断する(ステップS411)。このステップS411において、0未満であると判断した場合、配置調整注記文字列Wkを下方向に移動させるだけでは範囲内配置できないと認識して、処理を終了する。一方、ステップS411において、0以上であると判断した場合、配置調整注記文字列Wkを重複値Rdの距離だけ下側へ移動した位置に範囲内配置する処理、すなわちステップS408の処理を実施して、処理を終了する。例えば、図13に示すような上ポジション状態の場合、実線で示すように配置調整注記文字列W1を重複値Rdだけ下側へ移動した位置に範囲内配置して処理を終了する。
また、ステップS405においてBMaxYからAMaxYを減じた値が0より小さいと判断した場合、重複既存表示領域の上辺が調整文字領域Hkの上辺よりも下側にあり、かつ、重複既存表示領域の下辺が調整文字領域Hkの下辺よりも上側にある状態、すなわち重複既存表示領域が調整文字領域Hkに対して内側に存在する状態(以下、上下内ポジション状態と称す)であると認識する。そして、調整文字領域Hkに対する重複既存表示領域の位置に応じて配置調整注記文字列Wkの移動方向を決定すると認識して、AMaxYおよびAMinYを加えた後に2で除した値を、配置調整注記文字列Wkにおける上下方向の中心値Scとして演算する(ステップS412)。また、ステップS409においてBMaxYからAMaxYを減じた値が0より大きいと判断した場合、重複既存表示領域の上辺が調整文字領域Hkの上辺よりも上側にあり、かつ、重複既存表示領域の下辺が調整文字領域Hkの下辺よりも下側にある状態、すなわち重複既存表示領域が調整文字領域Hkに対して外側に存在する状態(以下、上下外ポジション状態と称す)であると認識する。そして、調整文字領域Hkに対する重複既存表示領域の位置に応じて配置調整注記文字列Wkの移動方向を決定すると認識して、ステップS412の処理を実施する。さらに、重複既存表示領域のBMaxYおよびBMinYを加えた後に2で除した値を、重複既存表示領域における上下方向の中心値Sdとして演算する(ステップS413)。
この後、重複既存表示領域の中心が配置調整注記文字列Wkの中心よりも下側にあるか否か、すなわち中心値Sdから中心値Scを減じた値が0より大きいか否かを判断する(ステップS414)。このステップS414において、0より大きいと判断した場合、重複既存表示領域の中心が配置調整注記文字列Wkの中心よりも下側にあるため配置調整注記文字列Wkを上側へ移動した位置に範囲内配置する処理を実施すると認識して、ステップS406の処理を実施する。一方、ステップS414において、0より小さいと判断した場合、配置調整注記文字列Wkを下側へ移動した位置に範囲内配置する処理を実施すると認識して、ステップS410の処理を実施する。
なお、表示タイプが文字表示タイプの配置調整注記Qkに対する重複既存注記Qjが存在する場合、すなわち例えば図22の想像線で示すように配置調整注記Q31の配置調整注記文字列W31に対する重複既存注記文字列W32が存在する場合、上述した注記データ170の更新処理により、図22の実線で示すように配置調整注記文字列W31を移動可能範囲EA31の下辺に沿って左側に移動させて文字領域H32と重複しない状態に範囲内配置する。また、表示タイプが引出文字表示タイプの配置調整注記Qkに対する重複既存注記Qjが存在する場合、すなわち例えば図23の想像線で示すように配置調整注記Q41の配置調整注記文字列W41や引出線U41に対する重複既存注記文字列W42が存在する場合、上述した注記データ170の更新処理により、図23の実線で示すように配置調整注記文字列W41を移動可能範囲EC41の下辺に沿って右側に移動させて、文字領域H41および引出線U41が文字領域H42と重複しない状態に範囲内配置する。そして、文字領域H31,H41や引出線U41の配置状態に基づいて注記データ170の更新処理を実施する。
[第1の実施の形態の作用効果〕
上述したように、上記第1の実施の形態では、地図情報生成装置100の処理部150は、移動可能範囲設定手段151にて、例えば新たに建てられた地物に関する配置調整注記Qkを表示させるための注記データ170を取得する。さらに、処理部150は、配置調整処理手段152にて、配置調整注記Qkの配置調整注記文字列Wkの配置位置を真位置Pkの近傍位置にかつ既存注記Qjに重複しない位置に設定する。すなわち、配置調整注記文字列Wkの配置位置を、配置調整注記文字列Wkの地物が存在する位置に略対応する位置にかつ既存注記Qjに重複しない位置に設定する。そして、処理部150は、注記データ更新手段153にて、配置調整処理手段152における配置調整注記文字列Wkの配置状態に基づいて、この配置調整注記文字列Wkの注記データ170を更新して記憶手段130に記憶させる。このため、地図情報生成装置100は、新たな地物に関する配置調整注記文字列Wkを注記リストデータ160に追加して更新する場合、それぞれの地物の内容を示す注記文字列Wkをそれぞれの地物が存在する位置関係に対応した状態で、かつ、互いに重ならない状態で表す状態に、注記リストデータ160を更新できる。したがって、この注記リストデータ160を利用して地物の位置関係を表示させる表示装置に注記文字列Wkの配置位置を調整する機能を設けることなく、注記文字列Wkを互いに重複しない状態で表示させることができる。また、注記文字列Wkを構成する各文字の大きさを調整しないので、注記文字列Wkの文字数によって文字の大きさを調整する従来の構成と比べて、利用者に地物の内容をより良好に認識させることができる。さらに、従前に存在する注記文字列Wkを削除しないので、従前に存在する注記文字列Wkを適宜削除する従来の構成のように、利用者にとって有益な注記文字列Wkが表すことができない注記リストデータ160を生成することがない。そして、地図情報生成装置100は、注記リストデータ160の制作者に、注記データ170における文字列形状情報194以外の各種情報を設定入力させるだけでよく、注記文字列Wkの配置位置を適切に設定させることがない。したがって、地図情報生成装置100は、注記リストデータ160を適切に更新できる。
また、配置調整処理手段152は、配置調整注記文字列Wkの配置位置調整だけでは全ての注記Qiを互いに重複しない状態に配置できないことを認識すると、配置調整注記文字列Wkの配置位置を所定の位置に設定するとともに、この所定の位置に配置される配置調整注記文字列Wkに重複する重複既存注記文字列Wjの配置位置調整処理を実施する。このため、地図情報生成装置100は、例えば複数の重複既存注記文字列Wjが配置調整注記文字列Wkの真位置Pkを囲む状態で存在する場合であっても、従前に存在する重複既存注記文字列Wjの配置調整処理により全ての注記Qiを互いに重複しない状態に配置できる。したがって、地図情報生成装置100は、重複既存注記文字列Wjの配置位置調整処理を実施しない構成のように全ての注記Qiを互いに重複しない状態に配置できない不具合を生じることがなく、注記リストデータ160をより適切に更新できる。
さらに、配置調整処理手段152は、注記文字列Wiの配置位置を移動可能範囲設定手段151により真位置Piに対して設定された移動可能範囲EAi,EBi,ECi内に設定する。このため、地図情報生成装置100は、注記文字列Wiの配置位置を真位置Piから所定距離内の位置に設定でき、例えば移動可能範囲EAi,EBi,ECiを設定しない構成のように注記文字列Wiから真位置Piまでの距離が地物によって大きく異なることがなく、注記リストデータ160をより適切に更新できる。
そして、配置調整処理手段152は、例えば配置調整注記文字列Wkを移動可能範囲EAk,EBk,ECkの例えば下辺中央に配置する。そして、重複既存注記Qjが存在しないことを認識した場合にその位置に配置位置を設定し、重複既存注記Qjが存在することを認識した場合に配置調整注記文字列Wkの配置位置を左右方向に調整する。このため、地図情報生成装置100は、例えば移動可能範囲EBk内に既存注記Qjが存在するか否かにかかわらず配置調整注記文字列Wkを特定の位置に配置する処理をするので、移動可能範囲EBk内に存在する既存注記Qjを認識しこの既存注記Qjとの重複状態を認識してから配置調整注記文字列Wkの配置位置を設定する構成と比べて、配置位置調整処理時における処理負荷を適宜低減できる。
また、配置調整処理手段152は、配置調整注記Qkが文字表示タイプの場合、最初に配置調整注記文字列Wkを真位置Pkが調整文字領域Hkの中心に位置する状態に配置する。そして、重複既存注記Qjが存在しないことを認識した場合にその位置に配置位置を設定し、重複既存注記Qjが存在することを認識した場合に配置調整注記文字列Wkの配置位置調整処理を実施する。このため、地図情報生成装置100は、最初に配置調整注記文字列Wkを地物の位置に対応する位置、すなわち利用者に地物の位置をより良好に認識させることができる位置に配置する処理を実施するので、最初に配置調整注記文字列Wkの配置位置を地物の位置に略対応する位置に設定する構成と比べて利用者が地物の位置をより良好に認識可能な注記リストデータ160の更新処理を高速化できる。
さらに、配置調整処理手段152は、例えば配置調整注記文字列Wkを移動可能範囲EBkの下辺中央に配置して、重複既存注記Qjが存在することを認識すると、この重複既存注記Qjとの重複状態に基づいて、配置調整注記文字列Wkの配置位置を左右方向に調整する。このため、地図情報生成装置100は、配置調整注記文字列Wkの配置位置を調整する際に重複既存注記Qjとの重複状態を反映させるので、重複状態を反映させずに例えば下辺中央から所定距離だけ右方に移動させた位置に配置できるか否かを判断する構成と比べて、より迅速に配置位置を確定できる。
そして、配置調整処理手段152は、配置調整注記文字列Wkおよび重複既存注記Qjの重複量を認識し、この重複量だけ移動した位置を配置調整注記文字列Wkの配置位置として設定する。このため、地図情報生成装置100は、重複既存注記Qjとの重複量に基づいて配置調整注記文字列Wkの配置位置を設定するので、重複量を認識しないで配置位置を設定する構成と比べて、より確実に配置位置をこの重複既存注記Qjと重複しない位置に設定できる。
また、配置調整処理手段152は、重複既存注記Qjの配置調整注記文字列Wkに対する位置、すなわち配置調整注記文字列Wkおよび重複既存注記Qjの位置関係を認識し、この認識した位置関係に基づいて、配置調整注記文字列Wkの配置位置を設定する。このため、地図情報生成装置100は、配置調整注記文字列Wkの配置位置を調整する際に重複既存注記Qjとの位置関係を反映させるので、位置関係を反映させずに例えば常に重複既存注記Qjの右側に配置位置を設定する構成のように、地物の位置関係を反映させない状態に注記リストデータ160を更新することがない。したがって、地図情報生成装置100は、注記リストデータ160をさらに適切に更新できる。
さらに、配置調整処理手段152は、重複既存注記Qjが複数存在する場合、配置調整注記文字列Wkに最も近い重複既存注記Qjとの重複状態に基づいて、配置調整注記文字列Wkの配置位置を設定する。このため、地図情報生成装置100は、例えば配置調整注記文字列Wkに対して右ポジションの2つの重複既存注記Q91,Q92が左右方向に並んで存在している状態において、配置調整注記文字列Wkから近い例えば重複既存注記Q91すなわち重複既存注記Q91,Q92のうち左側に存在する重複既存注記Q91に対して第1の配置調整処理を実施するので、配置調整注記文字列Wkの配置位置が重複既存注記Q91,Q92に重複しない位置に設定できる。一方、配置調整注記文字列Wkから遠い重複既存注記Q92すなわち重複既存注記Q91,Q92のうち右側に存在する重複既存注記Q92に対して第1の配置調整処理を実施した場合、配置調整注記文字列Wkの配置位置が重複既存注記Q92に重複しないが重複既存注記Q91に重複する位置に設定されてしまうおそれがある。したがって、地図情報生成装置100は、注記リストデータ160の更新処理をさらに適切にできる。
そして、配置調整処理手段152は、配置調整注記Qkが記号文字表示タイプの場合、配置調整注記文字列Wkの配置位置を真位置Pkに配置される記号Kkおよび重複既存注記Qjに重複しない位置に設定する。このため、地図情報生成装置100は、配置調整注記文字列Wkの配置位置を、重複既存注記Qjに加えこの配置調整注記文字列Wkに対応する記号Kkにも重複しない位置に設定できる。したがって、地図情報生成装置100は、配置調整注記Qkが記号文字表示タイプの場合における配置調整注記文字列Wkの配置位置調整処理をより適切に実施できる。
さらに、配置調整処理手段152は、配置調整注記Qkが引出文字表示タイプの場合、配置調整注記文字列Wkおよび引出線Ukの配置位置を重複既存注記Qjに重複しない位置に設定する。このため、地図情報生成装置100は、配置調整注記Qkが引出文字表示タイプの場合であっても、配置調整注記文字列Wkおよび引出線Ukを重複既存注記Qjに重複しない状態に配置でき、配置調整注記文字列Wkの配置位置調整処理をより適切に実施できる。
また、地図情報生成装置100は、互いに縮尺が異なるスケール1,2,3,4で地物の位置を表す注記リストデータ160の更新処理を実施する。このため、1つのみの縮尺に対応する注記リストデータ160の更新処理しか実施できない構成と比べて、地図情報生成装置100の利便性を向上できる。
そして、本発明の情報更新装置を、地物の位置を地図に重畳させて表すための注記リストデータ160を更新する地図情報生成装置100に適用している。このため、地図情報生成装置100は、地図上で地物の注記Qiを互いに重複することなく表すことが可能な状態に注記リストデータ160を更新でき、地物の位置関係に加え地物の住所などを利用者に良好に認識させることができる。
さらに、本発明の情報更新装置を、地物の位置を地図に重畳させて表示装置で表示させるための注記リストデータ160を更新する地図情報生成装置100に適用している。このため、地図情報生成装置100は、表示装置に表示される地図上に地物の注記Qiを互いに重複することなく表示させることが可能な状態に注記リストデータ160を更新できる。
そして、本発明の情報更新装置を、地物の位置を車両に搭載される表示装置に表示させるための注記リストデータ160を更新する地図情報生成装置100に適用している。このため、例えば家庭などに設置される表示装置と比べて表示領域が小さい移動体に搭載される表示装置においても、注記Qiを互いに重複することなく表示させることが可能な状態に注記リストデータ160を更新でき、地図情報生成装置100の利便性をさらに向上できる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明に係る第2の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態の地図情報生成装置100と同様の情報更新装置としての地図情報生成装置を例示して説明する。図24は、地図情報生成装置の概略構成を示すブロック図である。図25は、移動可能範囲に設定された配置不可能領域を示す模式図である。図26は、移動可能範囲に設定された優先設定領域を示す模式図である。図27は、配置調整注記および既存注記の配置状態を示す模式図である。図28は、範囲既存表示領域が記号の場合における配置不可能領域を示す模式図である。図29は、範囲既存表示領域が文字領域の場合における配置不可能領域を示す模式図である。
[地図情報生成装置の構成]
図24において、300は地図情報生成装置である。そして、地図情報生成装置300は、入力部110と、表示部120と、記憶手段130と、メモリ140と、演算手段としての処理部310と、などを備えている。記憶手段130は、例えば図2および図3に示すような地図情報などを読み出し可能に記憶する。また、処理部310は、各種プログラムとして、新規内容情報取得手段および新規対象物位置認識手段としても機能する範囲設定手段としての移動可能範囲設定手段311と、対象物地図情報取得手段としても機能する既存内容位置認識手段としての範囲既存表示領域認識手段312と、内容位置設定手段としても機能する配置不可能セル認識手段313と、内容位置設定手段としての始点配置セル設定手段314と、内容位置情報生成手段としても機能する更新処理手段としての注記データ更新手段315と、などを備えている。なお、以下において、表示タイプが記号文字表示タイプの配置調整注記Qkに対する処理を主に例示して説明するが、文字表示タイプおよび引出文字表示タイプの配置調整注記Qkに対しても同様の処理を実施する。
移動可能範囲設定手段311は、第1の実施の形態の移動可能範囲設定手段151と同様に、例えば図5,6,7に示すような移動可能範囲EAk,EBk,ECkを設定する。なお、図5,6,7に示す移動可能範囲EAk,EBk,ECkと異なる形状の移動可能範囲を設定する構成としてもよい。そして、例えば図25に示すように移動可能範囲EBkを複数のセルFSkに分割する処理をする。また、移動可能範囲EAk,ECkをセルFSkと同様の複数の図示しないセルに分割する処理をする。
具体的には、移動可能範囲設定手段311は、例えば新たに建てられた地物に関する注記データ170に基づいて、図25に示すように、記号文字表示タイプの配置調整注記Qkに対応する移動可能範囲EBkを設定する。さらに、移動可能範囲EBkを所定の正方形状を有するセルFSkに分割する。ここで、セルFSkの大きさとしては、配置調整注記文字列Wkの1つの文字を移動可能範囲EBkの左右方向および上下方向にそれぞれ5分割ずつする構成が例示できるがこれに限らず10分割ずつなど適宜に他の大きさとしてもよい。また、セルFSkの形状としては、正方形状に限らず、三角形状や長方形形状など適宜他の形状としてもよい。
さらに、移動可能範囲設定手段311は、図26に示すように、移動可能範囲EBkを長方形状の優先設定領域FYm(mは1〜8の自然数)に分割して、それぞれに対して後述する始点配置セルFQを設定する際の優先順位を設定する。具体的には、真位置Pkの右側の優先設定領域FY1の優先順位を最も高く設定し、上側の優先設定領域FY2、左側の優先設定領域FY3、下側の優先設定領域FY4、上方右側の優先設定領域FY5、下方右側の優先設定領域FY6、上方左側の優先設定領域FY7、下方左側の優先設定領域FY8の順に優先順位を高く設定する。なお、優先順位は、上述した順位に限られず適宜他の順位に設定する構成としてもよい。また、優先設定領域FY1などの形状は、長方形に限らず三角形や正方形など適宜他の形状としてもよい。さらに、移動可能範囲EBkを8分割する構成に限らず、3分割や16分割など適宜他の数に分割して優先設定領域を設定する構成としてもよい。
範囲既存表示領域認識手段312は、移動可能範囲EAk,EBk,ECkに存在する既存注記Qjの文字領域Hjや記号Kjあるいは指示点Tjさらには引出線Ujの表示領域(以下、範囲既存表示領域と称す)を認識するとともに、この範囲既存表示領域の数(以下、範囲既存表示領域数と称す)Sを認識する。具体的には、範囲既存表示領域認識手段312は、例えば領域D上に存在する地物に関する注記データ170を取得して、この注記データ170に基づいて文字領域Hjなどの表示領域を認識する。そして、この認識した表示領域の少なくとも一部が移動可能範囲EBk内に存在すると判断すると、この表示領域が範囲既存表示領域であると認識する。
さらに、範囲既存表示領域認識手段312は、範囲既存表示領域が存在すると判断すると、範囲既存表示領域を特定する旨の既存特定情報とともに、範囲既存表示領域数Sを示す領域数情報を配置不可能セル認識手段313へ出力する。例えば図27に示すように、領域Dに配置調整注記Q51、既存注記Q52,Q53,Q54,Q55,Q56が配置される場合、配置調整注記Q51の移動可能範囲EB51内に少なくとも一部が存在する記号K52,K53,K55、文字領域H52,H53,H54の表示領域を範囲既存表示領域として認識する。そして、これら範囲既存表示領域に関する既存特定情報とともに、範囲既存表示領域数Sが6である旨の領域数情報を配置不可能セル認識手段313へ出力する。さらに、範囲既存表示領域が存在する旨の存在情報を始点配置セル設定手段314へ出力する。ここで、既存特定情報の代わりに範囲既存表示領域の真位置形状情報189や文字列形状情報194を出力する構成としてもよい。また、範囲既存表示領域認識手段312は、範囲既存表示領域が存在しないと判断すると、その旨の未存在情報を始点配置セル設定手段314へ出力する。
配置不可能セル認識手段313は、移動可能範囲EAk,EBk,ECkのセルFSkなどのうち、配置調整注記文字列Wkの調整文字領域Hkの例えば左下の点である始点位置HLk(kは自然数)を配置した際に調整文字領域Hkの全てが移動可能範囲EAk,EBk,ECk内に存在しないセルFSkなどを、移動可能範囲EAk,EBk,ECkに対する配置不可能セルFSkなどとして認識する。なお、始点位置HLkとしては、調整文字領域Hkの左下の点に限らず、右上の点や右下の点さらには各辺上の特定の点としてもよい。また、配置不可能セル認識手段313は、始点位置HLkを配置した際に調整文字領域Hkが記号Kkや指示点Tkに重複するセルFSkを、記号Kkや指示点Tkに対する配置不可能セルFSkとして認識する。さらに、始点位置HLkを配置した際に調整文字領域Hkが範囲既存表示領域に重複するセルFSkを、範囲既存表示領域に対する配置不可能セルFSkとして認識する。
具体的には、配置不可能セル認識手段313は、例えば移動可能範囲EBkがセルFSkに分割されると、セルFSkに始点位置HLkが配置された際に、調整文字領域Hkの全てが移動可能範囲EBk内に位置するか否かを判断する。ここで、調整文字領域Hkの辺が移動可能範囲EBkの辺に接触する場合、調整文字領域Hkが移動可能範囲EBk内に位置しないと判断する。そして、調整文字領域Hkの一部が移動可能範囲EBk内に位置しないと判断した場合、このセルFSkを移動可能範囲EBkに対する配置不可能セルFSkとして認識する。さらに、この配置不可能セルFSkに、始点位置HLkを配置できない旨の配置不可能情報を関連付ける。例えば、図25に示すような移動可能範囲EBkおよびセルFSkが設定されている場合、配置不可能領域GEk内に存在するセルFSkを移動可能範囲EBkに対する配置不可能セルFSkとして認識する。
また、配置不可能セル認識手段313は、セルFSkに始点位置HLkが配置された際に、調整文字領域Hkの少なくとも一部が記号Kkに重複するか否かを判断する。そして、記号Kkに重複すると判断した場合、このFSkを記号Kkに対する配置不可能セルFSkとして認識するとともに、この配置不可能セルFSkに配置不可能情報を関連付ける。例えば図25に示すような状態の場合、配置不可能領域GPk内のセルFSkを記号Kkに対する配置不可能セルFSkとして認識する。
さらに、配置不可能セル認識手段313は、範囲既存表示領域認識手段312から既存特定情報および領域数情報を取得すると、セルFSkに始点位置HLkが配置された際に、調整文字領域Hkの少なくとも一部が既存特定情報で特定されるY(Yは、範囲既存表示領域数S以下の自然数)番目の範囲既存表示領域に重複するか否かを判断する。そして、Y番目の範囲既存表示領域に重複すると判断した場合、このセルFSkを範囲既存表示領域に対する配置不可能セルFSkとして認識するとともに、この配置不可能セルFSkに配置不可能情報を関連付ける。例えば1番目の範囲既存表示領域が図27に示す円形の記号K52の場合、図28に示すような配置不可能領域GJ1内のセルFSkを1番目の範囲既存表示領域に対する配置不可能セルFSkとして認識する。また、2番目の範囲既存表示領域が長方形状の文字領域H52の場合、図29に示すような配置不可能領域GJ2内のセルFSkを2番目の範囲既存表示領域に対する配置不可能セルFSkとして認識する。
始点配置セル設定手段314は、文字表示タイプの配置調整注記文字列Wkを真位置Pkが調整文字領域Hkの中心に位置する状態に、かつ、調整文字領域Hkに重複する重複既存注記Qjが存在しない状態に配置する。また、範囲既存表示領域認識手段312や配置不可能セル認識手段313における認識結果に基づいて、セルFSkのうち、始点位置HLkを配置した際に、調整文字領域Hkの全てが移動可能範囲EAk,EBk,ECkに存在し、かつ、調整文字領域Hkが記号Kk、指示点Tk、範囲既存表示領域などに重複しないセルFSkを、最終的に始点位置HLkを配置する始点配置セルFQとして設定する。
具体的には、始点配置セル設定手段314は、文字表示タイプの配置調整注記文字列Wkを真位置Pkが調整文字領域Hkの中心に位置する状態に配置した際に、重複既存注記Qjが存在しないことを認識すると、このときに始点位置HLkが配置されているセルFSkを始点配置セルFQとして設定する。
また、始点配置セル設定手段314は、範囲既存表示領域認識手段312から未存在情報を取得すると、範囲既存表示領域が存在しないため、移動可能範囲EAk,EBk,ECk、記号Kk、指示点Tkに対する配置不可能セルFSk以外のセルFSkを、最終的に始点位置HLkを配置可能な最終配置可能セルFSkとして認識する。そして、この最終配置可能セルFSkのうち、優先順位が最も高い優先設定領域FYmに存在する最終配置可能セルFSkを特定する。さらに、特定した最終配置可能セルFSkのうち、始点位置HLkを配置した際に例えば配置調整注記文字列Wkの中心が真位置Pkに最も近くなる1つの最終配置可能セルFSkを始点配置セルFQとして設定する。なお、始点配置セルFQの設定方法としては、上述した方法に限られず、例えば配置調整注記文字列Wkの外縁が真位置Pkの外縁や優先設定領域FYmに最も近くなる最終配置可能セルFSk、ランダムに選択された最終配置可能セルFSkを始点配置セルFQとして設定する方法など、適宜他の方法を適用してもよい。
また、始点配置セル設定手段314は、範囲既存表示領域認識手段312から存在情報を取得すると、範囲既存表示領域が存在しているため、移動可能範囲EAk,EBk,ECk、記号Kk、指示点Tk、範囲既存表示領域のそれぞれに対する配置不可能セルFSk以外のセルFSkが存在するか否かを判断する。そして、存在すると判断した場合、この配置不可能セルFSk以外のセルFSkを最終配置可能セルFSkとして認識する。さらに、この認識した最終配置可能セルFSkが1つのみである場合、この最終配置可能セルFSkを始点配置セルFQとして設定する。また、最終配置可能セルFSkが複数存在する場合、未存在情報を取得した場合と同様の処理を実施して、1つの始点配置セルFQを設定する。
さらに、始点配置セル設定手段314は、移動可能範囲EAk,EBk,ECk、記号Kk、指示点Tk、範囲既存表示領域のそれぞれに対する配置不可能セルFSk以外のセルFSkが存在しないと判断した場合、配置調整注記文字列Wkの配置調整では全ての注記Qiを互いに重複しない状態に配置できないと判断する。そして、範囲既存表示領域として認識された文字領域Hjに対応する注記文字列(以下、範囲既存注記文字列と称す)Wjのうち、例えば優先順位が最も高い優先設定領域FYmに存在する範囲既存注記文字列Wjを認識する。さらに、配置調整注記文字列Wkを、この範囲既存注記文字列Wjのみに重複し、かつ、調整文字領域Hkの全てが移動可能範囲EAk,EBk,ECk内に存在する状態に配置して、このときの始点位置HLkが位置するセルFSkを配置調整注記文字列Wkの始点配置セルFQとして設定する。そして、上述したような処理を実施して、範囲既存注記文字列Wjに対する始点配置セルFQを設定する処理をする。さらに、始点配置セル設定手段314は、全ての注記Qiが互いに重複しない状態で配置されるまで上述した処理を実施する。なお、重複既存注記Qjの記号Kjや指示点Tjは、地物の位置を表しているため始点配置セルFQの設定対象とはしない。
注記データ更新手段315は、始点配置セルFQに始点位置HLkが配置される状態に注記データ170を更新する。すなわち、全ての注記Qiが互いに重複しない地図を表示させる状態に注記データ170を更新する。具体的には、注記データ更新手段315は、始点位置HLkが始点配置セルFQに位置する状態に配置調整注記文字列Wkを配置した際の調整文字領域Hkの座標を認識する。そして、配置調整注記文字列Wkを表示させる際のスケールを認識して、このスケールに関する情報を調整文字領域Hkの座標と関連付けて文字列形状情報194に記録する。また、注記データ更新手段315は、範囲既存注記文字列Wjに対する始点配置セルFQが設定されたことを認識すると、この範囲既存注記文字列Wjの文字列形状情報194に、スケールに関する情報と文字領域Hjの座標とを記録する。さらに、注記データ更新手段315は、調整文字領域Hkや文字領域Hjの配置状態に対応して引出線Uk,Ujの座標を認識して文字列形状情報194に記録する。そして、これら文字列形状情報194を更新した注記データ170を記憶手段130に記憶させる。
[地図情報生成装置の動作]
次に、地図情報生成装置300の動作として、配置調整注記Qkの追加配置に伴う注記データの更新処理について図面に基づいて説明する。なお、配置調整注記Qkの追加配置に伴う注記データ170の更新処理については、第1の実施の形態と同様の処理、すなわち図8に示すような処理を実施するため、ここでは説明を省略する。図30および図31は、注記の配置処理を示すフローチャートである。図32は、配置調整注記の配置処理が完了した状態を示す模式図である。図33は、範囲既存注記文字列を再配置する前の状態を示す模式図である。図34は、図33に示す状態から範囲既存注記文字列を再配置した状態を示す模式図である。
まず、地図情報生成装置300の処理部310は、図8に示すような注記データ170の更新処理のステップS105における注記Qiの配置処理として以下のような処理を実施する。すなわち、処理部310は、移動可能範囲設定手段151にて、図30に示すように、配置調整注記Qkの真位置Pkを認識するとともに(ステップS501)、調整文字領域Hkの形状を認識する(ステップS502)。この後、配置調整注記QkのスケールZにおける表示タイプが文字表示タイプか否かを判断する(ステップS503)。このステップS503において、文字表示タイプであると判断した場合、始点配置セル設定手段314は、真位置Pkと調整文字領域Hkの中心とが一致する状態で配置調整注記文字列Wkを配置して(ステップS504)、重複既存注記Qjが存在するか否かを判断する(ステップS505)。そして、ステップS505において、重複既存注記Qjが存在しないと判断した場合、注記データ更新手段153は、図31に示すように、この配置調整注記文字列Wkが配置された状態を反映した注記データ170の更新処理を実施して(ステップS506)、注記Qiの配置処理を終了する。
また、ステップS503において、移動可能範囲設定手段311は、文字表示タイプでないと判断した場合、スケールZにおける表示タイプが記号文字表示タイプか否かを判断する(ステップS507)。このステップS507において、記号文字表示タイプであると判断した場合、記号文字表示タイプの移動可能範囲EBkを領域D上に設定する(ステップS508)。例えば図27に示すような、配置調整注記Q51の移動可能範囲EB51を設定する。そして、配置不可能セル認識手段313は、移動可能範囲EBkに対する配置不可能セルFSkを認識するとともに(ステップS509)、記号Kkに対する配置不可能セルFSkを認識する(ステップS510)。
さらに、ステップS507において、記号文字表示タイプではなく引出文字表示タイプであると判断した場合、引出文字表示タイプの移動可能範囲ECkを設定する(ステップS511)。そして、移動可能範囲ECkに対する配置不可能セルFSkを認識するとともに(ステップS512)、指示点Tkに対する配置不可能セルFSkを認識する(ステップS513)。また、ステップS505において、重複既存注記Qjが存在しないと判断した場合、文字表示タイプの移動可能範囲EAkを設定して(ステップS514)、この移動可能範囲EAkに対する配置不可能セルFSkを認識する(ステップS515)。
そして、処理部310は、ステップS510,S513,S515における配置不可能セルFSkの認識処理を実施すると、範囲既存表示領域認識手段312にて、範囲既存表示領域が存在するか否かを判断する(ステップS516)。このステップS516において、範囲既存表示領域が存在すると判断した場合、範囲既存表示領域数Sを認識して(ステップS517)、既存特定情報および領域数情報を配置不可能セル認識手段313へ出力するとともに、存在情報を始点配置セル設定手段314へ出力する。この後、配置不可能セル認識手段313は、既存特定情報および領域数情報を取得すると、変数Yの値を1に設定するとともに(ステップS518)、範囲既存表示領域に配置不可能セルFSkの認識処理時の対象となる順序を設定する。ここで、順序の設定方法としては、真位置Pkから近い順、優先設定領域FYmの優先順位が高い順など、いずれの方法を適用できる。そして、配置不可能セル認識手段313は、Y番目の範囲既存表示領域に対する配置不可能セルFSkを認識して(ステップS519)、変数Yの値が範囲既存表示領域数Sと等しいか否かを判断する(ステップS520)。
このステップS520において、変数Yの値が範囲既存表示領域数S未満であると判断した場合、変数Yの値に1を加え(ステップS521)、ステップS519の処理を実施する。一方、ステップS520において、処理部310は、配置不可能セル認識手段313で変数Yの値が範囲既存表示領域数Sと等しい、すなわち全ての範囲既存表示領域に対する配置不可能セルFSkを認識したと判断した場合、始点配置セル設定手段314にて、最終配置可能セルFSkが存在するか否かを判断する(ステップS522)。また、ステップS516において、範囲既存表示領域が存在しないと判断した場合も、ステップS522の処理を実施する。このステップS522において、最終配置可能セルFSkが存在すると判断した場合、この最終配置可能セルFSkのうちの1つを始点配置セルFQとして設定する(ステップS523)。この後、処理部310は、注記データ更新手段315にて、始点配置セルFQに始点位置HLkが位置する状態に配置調整注記文字列Wkを配置して(ステップS524)、この配置状態に基づいてステップS506の処理を実施する。
例えば、図27に示すような状態の場合、ステップS516ないしステップS522の処理により、図32の配置不可能領域GX51内に存在しないセルFSkを最終配置可能セルFSkとして認識して、始点配置セルFQを設定する。そして、この始点配置セルFQに調整文字領域H51の始点位置HL51が位置する状態に、配置調整注記文字列W51を配置する。
一方、ステップS522において、始点配置セル設定手段314は、最終配置可能セルFSkが存在しないと判断した場合、範囲既存注記文字列Wjの再配置処理を実施して(ステップS525)、この再配置状態に基づいてステップS506の処理を実施する。例えば、図33に示すような状態の場合、配置調整注記文字列W51の最終配置可能セルFS51が存在しないと判断して、範囲既存表示領域として認識された例えば文字領域H52に対応する範囲既存注記文字列W52のみに重複し、かつ、調整文字領域H51の全てが移動可能範囲EB51内に存在する状態に配置調整注記文字列W51を配置する。そして、上述した配置調整注記文字列W51に対する始点配置セルFQの設定処理と同様の処理を実施して、図34に示すように、範囲既存注記文字列W52を再配置する。
[第2の実施の形態の作用効果〕
上述したように、上記第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の作用効果に加え、以下に示すような作用効果を奏することができる。
地図情報生成装置300の処理部310は、移動可能範囲設定手段311にて、新たな地物に関する配置調整注記Qkの注記データ170を取得する。さらに、処理部310は、始点配置セル設定手段314にて、配置調整注記Qkの調整文字領域Hkの始点位置HLkの配置位置を、配置調整注記文字列Wkが真位置Pkの近傍位置に位置しかつ既存注記Qjに重複しない位置に設定する。そして、処理部310は、注記データ更新手段315にて、始点配置セル設定手段314における配置調整注記文字列Wkの配置状態に基づいて、この配置調整注記文字列Wkの注記データ170を更新して記憶手段130に記憶させる。このため、地図情報生成装置300は、上記第1の実施の形態と同様の作用を奏することができ、注記リストデータ160を適切に更新できる。
そして、始点配置セル設定手段314は、配置調整注記文字列Wkの配置調整では全ての注記Qiを互いに重複しない状態に配置できないことを認識すると、所定のセルFSkを配置調整注記文字列Wkに対する始点配置セルFQとして設定するとともに、この配置調整注記文字列Wkに重複する範囲既存注記文字列Wjに対する始点配置セルFQの設定処理を実施する。このため、地図情報生成装置300は、範囲既存注記文字列Wjの配置位置調整処理を実施しない構成のように全ての注記Qiを互いに重複しない状態に配置できない不具合を生じることがなく、注記リストデータ160をより適切に更新できる。
また、配置不可能セル認識手段313は、始点位置HLkを配置した際に調整文字領域Hkが範囲既存表示領域に重複するセルFSkを、範囲既存表示領域に対する配置不可能セルFSkとして認識する。そして、始点配置セル設定手段314は、範囲既存表示領域に対する配置不可能セルFSk以外のセルFSkを始点配置セルFQとして設定する。このため、地図情報生成装置300は、調整文字領域Hkが範囲既存表示領域に重複するか否かだけを判断するだけでよく、第1の実施の形態の構成のように範囲既存表示領域との重複量を演算する複雑な処理を実施する必要がない。したがって、地図情報生成装置300は、第1の実施の形態の構成と比べて、配置調整注記文字列Wkの配置位置設定処理の簡略にかつ高速に実施できる。
さらに、始点配置セル設定手段314は、始点配置セルFQを優先設定領域FYmの優先順位に基づいて設定する。このため、地図情報生成装置300は、例えば優先設定領域FYmの優先順位を、一般的に利用者が真位置Piに対して注記文字列Wiが対応していると認識する度合いが高い順序で設定することにより、地物の位置を容易に認識させることができる状態に注記リストデータ160を更新できる。
〔実施の形態の変形〕
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
すなわち、第1の実施の形態および第2の実施の形態において、重複既存注記文字列Wjや範囲既存注記文字列Wjの配置位置調整処理を実施しない構成としてもよい。このような構成にすれば、配置調整処理手段152や始点配置セル設定手段314に、上述した処理を実施する機能を設ける必要がなく、配置調整処理手段152や始点配置セル設定手段314の構成を簡略にできる。
さらに、第1の実施の形態および第2の実施の形態において、配置調整注記Qkが文字表示タイプの場合に、配置調整注記文字列Wkを真位置Pkが調整文字領域Hkの中心に位置する状態に配置する処理を実施しない構成としてもよい。このような構成にすれば、配置調整処理手段152や始点配置セル設定手段314に、上述した処理を実施する機能を設ける必要がなく、配置調整処理手段152や始点配置セル設定手段314の構成を簡略にできる。また、配置調整注記文字列Wkの配置位置設定処理の高速化を図ることができる。
また、第1の実施の形態において、移動可能範囲EAk、EBk、ECkを設定せずに、配置調整注記文字列Wkを例えば真位置Pkの下方、右方、上方、左方の特定の位置のみに対して配置可能か否かを判断して配置位置を設定する構成としてもよい。このような構成にすれば、処理部150に移動可能範囲設定手段151を設ける必要がなく、処理部150の構成を簡略にできる。また、配置調整注記文字列Wkの配置位置設定処理の高速化を図ることができる。
そして、第1の実施の形態において、配置調整注記文字列Wkおよび重複既存注記Qjの重複量を認識せずに、これらの位置関係に対応する方向に所定距離だけ移動した位置に配置調整注記文字列Wkを配置可能か否かを判断する構成としてもよい。また、配置調整注記文字列Wkおよび重複既存注記Qjの位置関係を認識せずに、これらの重複量だけ所定方向に移動した位置に配置調整注記文字列Wkを配置可能か否かを判断する構成としてもよい。このような構成にすれば、配置調整処理手段152に、上述したいずれかの重複状態を認識する機能を設ける必要がなく、配置調整処理手段152の構成を簡略にできる。さらに、配置調整注記文字列Wkの配置位置設定処理の高速化を図ることができる。
また、第1の実施の形態において、重複既存注記Qjが複数存在する場合、配置調整注記文字列Wkに対する距離にかかわらず所定の方向に存在する重複既存注記Qjとの重複状態に基づいて、配置調整注記文字列Wkの配置位置を設定する構成としてもよい。このような構成にすれば、配置調整処理手段152に、重複既存注記Qjまでの距離を演算する機能を設ける必要がなく、配置調整処理手段152の構成を簡略にできる。
さらに、第1の実施の形態において、例えば図11に示すように、配置調整注記文字列W1の移動可能範囲EB1おける下辺のみに重複既存注記文字列W2が存在する場合、重複既存注記文字列W2が存在しない移動可能範囲EB1の右辺や上辺あるいは左辺に沿った位置に配置調整注記文字列W1の配置位置を設定する構成としてもよい。また、例えば図11に示すように、配置調整注記文字列Wkの配置位置を移動可能範囲EB1の下辺に沿った状態でかつ重複既存注記文字列W2から所定距離離れた状態に設定可能な場合、配置調整注記文字列Wkを図11の実線に示す位置からさらに左方の位置に設定する構成としてもよい。これらのような構成にすれば、第1の実施の形態の構成と比べて、重複既存注記文字列W2から離れた位置に配置調整注記文字列Wkを配置でき、配置調整注記文字列Wkや重複既存注記文字列W2の視認性を向上させることができる。
また、第1の実施の形態において、配置調整注記文字列Wkを移動可能範囲EAk、EBk、ECkの所定の位置に対して配置可能か否かを判断する順序としては、下辺、右辺、上辺、左辺の順序に限らず適宜他の順序としてもよい。また、各辺のうちのいずれか1つの辺に対して配置調整注記文字列Wkを配置可能か否かを判断しない構成としてもよい。
そして、第2の実施の形態において、始点配置セルFQを優先設定領域FYmの優先順位に基づいて設定せずに、配置不可能セルFSk以外のセルFSkからランダムに選択して設定する構成としてもよい。このような構成にすれば、移動可能範囲設定手段311に、優先設定領域FYmを設定する機能を設ける必要がなく、移動可能範囲設定手段311の構成を簡略にできる。
さらに、例えば地図情報生成装置100にて、例えば図35に示すように、領域D上に交差点を示す引出文字表示タイプの配置調整注記Q71の配置調整注記文字列W71と重複する道路RR3が存在する場合、例えば図36に示すように配置調整注記文字列W71の配置位置を道路RRt(tは自然数)に重複しない位置に設定する構成としてもよい。具体的には、例えば配置調整処理手段152を道路情報取得手段として機能させ、この配置調整処理手段152にて、移動可能範囲EC71の下辺中央に配置調整注記文字列W71を配置するとともに、真位置P71の周囲にあるノードNを取得する。さらに、このノードNに接続するリンクLのうち属性が同じリンクLを取得し、この取得処理をリンクLの先端が移動可能範囲EC71外に位置するまで繰り返す。また、この取得したリンクLに対応する道路RRtを表示させるための道路情報VMxBを取得する。そして、配置調整注記文字列W71および道路RR3の重複部分を含む矩形領域HM71を設定するとともに、この矩形領域HM71のX座標およびY座標を認識して、上述した処理を実施して、図36に示すように配置調整注記文字列W71の配置位置を設定する構成としてもよい。このような構成にすれば、注記文字列Wkを道路tに重複しない状態で表す状態に注記リストデータ160を更新でき、地図情報生成装置100の利便性をさらに向上できる。なお、引出文字表示タイプのため、配置調整注記文字列W71が移動可能範囲EC71外に位置する状態に配置位置を設定してもよい。また、地図情報生成装置300にて、同様の処理を実施する構成としてもよい。
そして、本発明の情報更新装置を、文字表示タイプ、記号文字表示タイプ、引出文字表示タイプのうちいずれか1つまたは2つの表示タイプの注記Qiに関する注記リストデータ160を更新する構成に適用してもよい。さらに、1つの縮尺で地物の位置関係を示す注記リストデータ160を更新する構成に適用してもよい。また、家庭や工場あるいは施設などに配置される対象物として各種機器や各種設備に関する各種情報を各種機器などの位置関係に略対応する状態で配置図として表示させるための対象物地図情報としての配置図情報や、回路を構成する対象物として部品に関する各種情報を部品の位置関係に対応する状態で回路図として表示させるための対象物地図情報としての回路図情報を更新する構成など、所定の対象物に関する各種情報を表すための対象物地図情報を更新するいかなる構成に適用してもよい。さらに、地図や配置図あるいは回路図などを紙などに印刷するための上述した情報を更新する構成に適用してもよい。また、地図を表示させる表示装置としては、移動体に搭載される構成に限られず、家庭や工場などに配置される構成をも対象にできる。そして、本発明の情報更新装置としては、処理部150,310を独立させた構成としてもよい。
また、上述した各機能をプログラムとして構築したが、例えば回路基板などのハードウェアあるいは1つのIC(Integrated Circuit)などの素子にて構成するなどしてもよく、いずれの形態としても利用できる。なお、プログラムや別途記録媒体から読み取らせる構成とすることにより、上述したように取扱が容易で、利用の拡大が容易に図れる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
〔実施の形態の効果〕
上述したように、上記実施の形態では、地図情報生成装置100の処理部150は、例えば新たに建てられた地物に関する配置調整注記Qkを表示させるための注記データ170を取得して、配置調整注記Qkの配置調整注記文字列Wkの配置位置を配置調整注記文字列Wkの地物が存在する位置に略対応する位置にかつ既存注記Qjに重複しない位置に設定する。そして、処理部150は、この設定された配置調整注記文字列Wkの配置状態に基づいて、注記データ170を更新して記憶手段130に記憶させる。このため、地図情報生成装置100は、新たな地物に関する配置調整注記文字列Wkを注記リストデータ160に追加して更新する場合、それぞれの地物の内容を示す注記文字列Wkをそれぞれの地物が存在する位置関係に対応した状態で、かつ、互いに重ならない状態で表す状態に、注記リストデータ160を更新できる。したがって、この注記リストデータ160を利用して地物の位置関係を表示させる表示装置に注記文字列Wkの配置位置を調整する機能を設けることなく、注記文字列Wkを互いに重複しない状態で表示させることができる。また、注記文字列Wkを構成する各文字の大きさを調整しないので、注記文字列Wkの文字数によって文字の大きさを調整する従来の構成と比べて、利用者に地物の内容をより正確に認識させることができる。さらに、従前に存在する注記文字列Wkを削除しないので、従前に存在する注記文字列Wkを適宜削除する従来の構成のように、利用者にとって有益な注記文字列Wkが存在しない注記リストデータ160を生成することがない。したがって、地図情報生成装置100は、注記リストデータ160を適切に更新できる。