JP4686966B2 - 燃料電池用電極 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用の電極に関する。
燃料電池の一形態として、イオン交換膜と触媒層とを有するMEA(メンブレン・エレクトロード・アッセンブリ)を使用する高分子電解質型燃料電池が提案されている。高分子電解質型燃料電池は、MEAの両側にガス拡散層を有する2つの電極を接合するとともに、これらの電極の両側をさらに2つのセパレータで挟むことによって構成されている。これらのセパレータには、電極の両側に反応ガスを供給できるように溝が形成されている。
この燃料電池を効率的に運転するには、2つの電極がセパレータによってMEAの両側に均等に圧力をかけて接合されていることが望まれる。ところが、セパレータの形状には製造誤差が存在するため、2つの電極をMEAの両側に均等に圧力をかけて接合させるためには、セパレータによる圧縮荷重に応じて電極が厚さ方向に弾性変形することが要請される。
特開2002−15747公報 特開2001−15123公報
しかし、電極が厚さ方向に弾性変形すると、電極の内部に含まれる繊維が電極の表面から突出する場合がある。このような繊維の突出は、MEAのイオン交換膜を突き破るという問題を生じさせていた。この結果、突き破られたイオン交換膜を反応ガスが通過してケミカルショート(クロスリーク)を生じさせ、これにより、燃料電池の効率の低下やイオン交換膜の損傷による信頼性の低下といった問題が生じていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、イオン交換膜と触媒層とを有するMEAに接合される燃料電池用の電極において、電極内部に含まれる繊維の突出による燃料電池の効率の低下を抑制することを目的とする。
本発明の第1の態様は、イオン交換膜と触媒層とを有するMEAに接合される燃料電池用の電極であって、
前記MEAに接合されるための第1の接合面を有するガス拡散層であって、内部に第1の繊維を含む第1のガス拡散層と、
前記第1のガス拡散層に接合された第2の接合面を有するガス拡散層であって、内部に第2の繊維を含む第2のガス拡散層と、
を備え、
前記第1のガス拡散層は、前記第2のガス拡散層よりも大きな厚さ方向の縦弾性係数を有するとともに、前記第1の接合面において前記第1の接合面に対する角度が所定の値より大きい前記第1の繊維の単位面積当たりの数が、前記第2の接合面において前記第2の接合面に対する角度が前記所定の値より大きい前記第2の繊維の単位面積当たりの数よりも少なくなるように構成されていることを特徴とする。
本発明の第1の態様では、MEAに接合される側のガス拡散層の接合面においてこの接合面に対する角度が所定の値より大きい繊維の単位面積当たりの数が、他のガス拡散層に含まれる同様の繊維の単位面積当たりの数よりも少なくなるように構成されているので、MEAとの接合面において突出する繊維の単位面積当たりの数が少なくなる。これにより、MEAに接合される側のガス拡散層から突出する繊維のイオン交換膜への突入を抑制することができる。この結果、このような突入に起因するケミカルショートが少なくなるので、電極内部に含まれる繊維の突出による燃料電池の効率の低下やイオン交換膜の損傷による信頼性の低下といった問題を抑制することができる。また、第1のガス拡散層は、第2のガス拡散層よりも大きな厚さ方向の縦弾性係数を有しているため、MEAに接合される側のガス拡散層からの繊維の突出を抑制することができるとともに、他のガス拡散層の厚さ方向の弾性変形によってセパレータの製造誤差を吸収することができる。この結果、圧力のばらつきを分散してガス拡散層をMEAに均等に圧力をかけて接合させることができる。
なお、MEAに接合されない他のガス拡散層からの繊維の突出は、MEAに接合される側のガス拡散層からの繊維の突出よりも多くなるが、この突出はイオン交換膜を損傷しないので燃料電池の効率や信頼性には、ほとんど悪影響を与えない。
また、MEAに接合される側のガス拡散層の接合面において接合面に対する角度が所定の値より大きい繊維の単位面積当たりの数を少なくするような構成としては、たとえば以下のような構成がある。
(1)MEAとの接合面における繊維の角度を小さくする。
(2)MEAとの接合面における繊維の単位面積当たりの数を接合面積を減らさずに少なくする。
ここで、MEAとの接合面における繊維の単位面積当たりの数を少なくする方法としては、たとえばガス拡散層に平坦化された表面を持つ発泡体あるいは多孔体、メッシュ状の形態を有する材料を使用する方法がある。
本発明の第2の態様は、イオン交換膜と触媒層とを有するMEAに接合される燃料電池用の電極であって、
前記MEAに接合されるための第1の接合面を有するガス拡散層であって、内部に第1の繊維を含む第1のガス拡散層と、
前記第1のガス拡散層に接合された第2の接合面を有するガス拡散層であって、内部に第2の繊維を含む第2のガス拡散層と、
を備え、
前記第1のガス拡散層は、前記第2のガス拡散層よりも大きな厚さ方向の縦弾性係数を有するとともに、前記第1の接合面における前記第1の接合面に対する前記第1の繊維の角度の平均値が、前記第2の接合面における前記第2の接合面に対する前記第2の繊維の角度の平均値よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする。
本発明の第2の態様では、MEAに接合される側のガス拡散層に含まれる繊維の方向が平均的に他のガス拡散層に含まれる繊維の方向よりも接合面に対して小さい角度を有するように構成されているので、第1の態様と同様に突出する繊維の単位面積当たりの数が少なくなるとともに厚さ方向の突出量も短くなる。
また、第1のガス拡散層は、第2のガス拡散層よりも大きな厚さ方向の縦弾性係数を有しているため、MEAに接合される側のガス拡散層からの繊維の突出を抑制することができるとともに、他のガス拡散層の厚さ方向の弾性変形によってセパレータの製造誤差を吸収することができる。この結果、圧力のばらつきを分散してガス拡散層をMEAに均等に圧力をかけて接合させることができる。
このような構成は、ガス拡散層用の材料の選択の幅を過度に狭めることなく実現することができる。これは、接合面に対して小さい角度を有する繊維を多く含むガス拡散層の材料の多くが厚さ方向の圧縮荷重の印加によって比較的に弾性変形しない傾向を有する一方、接合面に対して大きな角度を有する繊維を多く含むガス拡散層の材料の多くが厚さ方向の圧縮荷重の印加によって比較的に弾性変形しやすい傾向を有するからである。
接合面に対して比較的小さな角度を有する繊維を多く含むガス拡散層の材料としては、たとえばカーボンペーパーやメタルペーパーといった材料がある。接合面に対して比較的大きな角度を有する繊維を多く含むガス拡散層の材料としては、たとえばカーボンクロスやカーボンフェルトといった材料がある。
上記燃料電池用電極において、前記イオン交換膜は、陽イオン交換膜であっても良い。このように、本発明は、プロトン交換膜型(PEM型)燃料電池にも適用することができる。
ただし、本発明は、吐出した繊維に損傷を受ける恐れのあるイオン交換膜を使用する燃料電池に広く適用可能である。このようなイオン交換膜には、たとえば炭化水素系イオン交換膜やフッ素系イオン交換膜がある。さらに、炭化水素系イオン交換膜には、陽イオン交換膜や陰イオン交換膜がある。
上記燃料電池用電極において、前記第1のガス拡散層は、前記第1の繊維が樹脂によって固定されているようにしても良い。こうすれば、MEAに接合される側のガス拡散層からの繊維の突出をさらに抑制することができる。
上記燃料電池用電極において、前記第2のガス拡散層は、ガスの流路を形成するためのリブを有するセパレータを備え、
前記第1のガス拡散層および前記第2のガス拡散層は、いずれも前記リブの前記セパレータの厚さ方向における製造誤差より大きな厚さを有するように構成しても良い。こうすれば、セパレータの厚さ方向の製造誤差を十分に吸収して、ガス拡散層をMEAに均等に荷重をかけて接合させることができる。なお、製造誤差は、たとえばセパレータの品質管理における許容誤差(あるいは製造公差)として設定することができる。
上記燃料電池用電極において、前記第1のガス拡散層は、前記MEAとの接合面において、多孔質材料で形成された層を有するように構成しても良い。こうすれば、MEAに接合される側のガス拡散層からの繊維の突出をさらに抑制することができる。多孔質材料としては、たとえばカーボン粉末や撥水性バインダーで製造された材料がある。
本発明は、上述の燃料電池用電極の他、燃料電池の発明として構成することもできる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.本発明の実施例における燃料電池の構成:
B.変形例:
A.本発明の実施例における燃料電池の構成:
図1は、本発明の実施例における固体高分子型の発電セルの構造を示す斜視図である。発電セル200は、電解質膜を有するMEA232と、水素極234と、酸素極236と、2つのセパレータ210、220とを備えている。水素極234と酸素極236とは、MEA232を両側から挟むように配置されている。2つのセパレータ210、220は、水素極234と酸素極236とをさらに外側から挟むように配置されている。
セパレータ210は、水素極234と対向する面に複数の溝部211を有している。セパレータ210と水素極234とが接合されると、溝部211は、燃料ガスが流れる燃料ガス流路212を形成する。一方、セパレータ220は、酸素極236と対向する面に複数の溝部221を有している。セパレータ220と酸素極236とが接合されると、溝部221は、酸化ガスが流れる酸化ガス流路222を形成する。なお、燃料ガス流路212と酸化ガス流路222とが特許請求の範囲における「ガスの流路」に相当する。
図2は、発電セル200を所定の方向(A視)から見た断面図を示している。酸素極236は、カーボンペーパーを材料とする酸素極側ペーパー拡散層236aとカーボンフェルトを材料とする酸素極側フェルト拡散層236bの2つの層を備えている。水素極234は、カーボンペーパーを材料とする水素極側ペーパー拡散層234aとカーボンフェルトを材料とする水素極側フェルト拡散層234bの2つの層を備えている。
酸素極側ペーパー拡散層236aと水素極側ペーパー拡散層234aとは、MEA232が有するイオン交換膜(電解質膜)に接合されている。一方、酸素極側フェルト拡散層236bと水素極側フェルト拡散層234bは、セパレータ210に接合されている。
なお、本実施例では、ペーパー拡散層234a、236aとフェルト拡散層234b、236bとが、それぞれ特許請求の範囲における「第1のガス拡散層」と「第2のガス拡散層」とに相当する。また、MEA232とペーパー拡散層234a、236aの間の接合面が特許請求の範囲における「第1の接合面」に相当する。さらに、ペーパー拡散層234a、236aとフェルト拡散層234b、236bの間の接合面が特許請求の範囲における「第2の接合面」に相当する。
図3は、フェルト拡散層234b、236bとペーパー拡散層234a、236aに含まれる繊維の状態を示す説明図である。この図から分かるように、フェルト拡散層234b、236bに含まれる繊維は、ペーパー拡散層234a、236aに含まれる繊維よりも厚さ方向に向いた部分を多く有する。なお、本明細書では、角度θが「接合面に対する角度」に相当する。
このため、MEA232とペーパー拡散層234a、236aの間の接合面251において接合面251に対する繊維の角度の平均値が、フェルト拡散層234b、236bに含まれる繊維の接合面250に対する角度の平均値よりも小さくなっている。なお、繊維の材質としては、ガス拡散層234a、236a、234b、236bの導電性を向上させるために、炭素繊維その他の導電性を有する繊維材料を使用することが好ましい。
図4は、フェルト拡散層234b、236bとペーパー拡散層234a、236aが厚さ方向に圧縮された際の繊維の状態を示す説明図である。この図から分かるように、フェルト拡散層234b、236bに含まれる繊維は、厚さ方向に向いた部分を多く有するため、ペーパー拡散層234a、236aよりも多くの繊維が突出している。
この繊維の突出は、仮にフェルト拡散層234b、236bがMEA232に接合されているとすると、MEA232に食い込むことになる。一方、ペーパー拡散層234a、236aでは、このような繊維の突出が少なくさらにMEA232との接合面に対して比較的に小さい角度であるため、MEA232に食い込み難く、仮に食い込んでも突出量が小さくなる。さらに、繊維とMEA232との間の接触面積も大きくなるため接触抵抗が小さくなるという利点もある。
図5は、酸素極側フェルト拡散層236bが弾性変形によってセパレータ220の形状誤差を吸収している様子を示す説明図である。この図から分かるように、酸素極側フェルト拡散層236bは、縦弾性係数が小さく弾性変形しやすいという性質を有している。この弾性変形によって、酸素極側フェルト拡散層236bは、セパレータ220の形状誤差によって局所的に生じた荷重を分散して酸素極側ペーパー拡散層236aに伝達することができる。
このように、本実施例では、MEA232側のガス拡散層にMEA232との接合面に対して小さい角度を有するペーパー拡散層234a、236aを使用するとともに、セパレータ210、220側のガス拡散層に弾性変形しやすいフェルト拡散層234b、236bを使用している。この結果、ペーパー拡散層234a、236aを電極に対して均等に圧力を加えつつ、内部に含まれる繊維の突出による燃料電池の効率の低下を抑制することができる。
この構成の効果(ケミカルショートの低減)は、発明者が行った実験によって確認されている。この実験では、MEA232として、厚さ約25ミクロンのプロトン交換膜型(PEM)燃料電池用のMEA(図示せず)が使用された。このMEAは、図示しない下記の拡散層で挟まれるとともに、さらに拡散層の外側からセパレータ210、220を模擬する図示しない金属電極で挟まれていた。
本実験では、ケミカルショート(漏れ電流)の量は、以下の通りであった。
(1)本発明の実施例における構成:1mアンペア
これは、ペーパー拡散層(MEA側)とフェルト拡散層(金属電極側)の組合せとして構成されていた。
(2)比較例における構成:2mアンペア
これは、ペーパー拡散層のみで構成されていた。
(3)他の比較例における構成:6mアンペア
これは、フェルト拡散層のみで構成されていた。
このように実験でも確認されているように、本発明の実施例では、漏れ電流を少なくすることができるので、漏れ電流による燃料電池の効率の低下を抑制することができる。さらに、漏れ電流の低下は、イオン交換膜の損傷の低減をも意味しているので、イオン交換膜の損傷に伴う燃料電池の信頼性の低下を抑制することもできる。さらに、燃料電池の製造における歩留まりの向上も期待できる。
B.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形例が可能である。
B−1.上記実施例では、ガス拡散層の内部に含まれる繊維のMEAとの接合面における角度の平均が、セパレータ側のものよりもMEA側のもの方が大きくなるように構成されているが、たとえばMEA側のガス拡散層が、MEAとの接合面において、この接合面に対する角度が所定の値より大きい繊維の単位面積当たりの数が、他のガス拡散層が有する2つ接合面の各々において、これら各々の接合面に対する角度が所定の値より大きい繊維の単位面積当たりの数よりも小さくなるように構成しても良い。このように構成しても、MEAに接合される側のガス拡散層からの繊維の突出を抑制することができるからである。ここで、「所定の値」は、たとえば繊維の突出量と角度の関係に応じて設定することができる。
なお、MEAとの接合面において、この接合面に対する角度が所定の値より大きい繊維の単位面積当たりの数を少なくするような構成としては、たとえば以下のような構成がある。
(1)MEAとの接合面における繊維の角度を小さくする。
(2)MEAとの接合面における繊維の単位面積当たりの数を少なくする。
ここで、MEAとの接合面における繊維の単位面積当たりの数を少なく方法としては、たとえばガス拡散層に発泡体あるいは多孔体、メッシュ状の形態を有する材料を使用する方法がある。
B−2.さらに、ガス拡散層の繊維の角度に拘わらず、セパレータ側のガス拡散層をMEA側のものよりも弾性変形しやすいような構成としても良い。こうすれば、MEAに接合される側のガス拡散層からの繊維の突出を抑制することができるとともに、他のガス拡散層の厚さ方向の弾性変形によってセパレータの製造誤差を吸収することができるという利点がある。
このような構成は、ガス拡散層用の材料の選択の幅を過度に狭めることなく実現することができる。これは、接合面に対して小さい角度を有する繊維を多く含むガス拡散層の材料の多くが厚さ方向の圧縮荷重の印加によって比較的に弾性変形しない傾向を有する一方、接合面に対して大きな角度を有する繊維を多く含むガス拡散層の材料の多くが厚さ方向の圧縮荷重の印加によって比較的に弾性変形しやすい傾向を有するからである。
接合面において比較的小さな角度を有する繊維を多く含むガス拡散層の材料としては、たとえばカーボンペーパーやメタルペーパーといった材料がある。接合面において比較的大きな角度を有する繊維を多く含むガス拡散層の材料としては、たとえばカーボンクロスやカーボンフェルトといった材料がある。
B−3.上記実施例では、MEAはイオン交換膜として陽イオン交換膜(プロトン交換膜)を使用しているが、本発明は、吐出した繊維に損傷を受ける恐れのあるイオン交換膜を使用する燃料電池に広く適用可能である。このようなイオン交換膜には、たとえば炭化水素系イオン交換膜やフッ素系イオン交換膜がある。さらに、炭化水素系イオン交換膜には、陽イオン交換膜や陰イオン交換膜がある。
B−4.MEA側とセパレータ側の2つのガス拡散層は、いずれもセパレータが有するリブのセパレータの厚さ方向における製造誤差より大きな厚さを有するように構成することが好ましい。こうすれば、セパレータの厚さ方向の製造誤差を十分に吸収して、MEA側のガス拡散層をMEAに均等に荷重をかけて接合させることができる。なお、製造誤差は、たとえばセパレータの品質管理における許容誤差(あるいは製造公差)として設定することができる。
B−5.MEA側のガス拡散層は、内部に含まれる繊維が樹脂によって固定されているように構成しても良い。こうすれば、MEAに接合される側のガス拡散層からの繊維の突出をさらに抑制することができる。
B−6.上記実施例では、ガス拡散層は2層で構成されているが、3層以上の層を有するように構成しても良い。
固体高分子型の発電セルの構造を示す斜視図。 発電セル200を所定の方向(A視)から見た断面図。 フェルト拡散層234b、236bとペーパー拡散層234a、236aに含まれる繊維の状態を示す説明図。 フェルト拡散層234b、236bとペーパー拡散層234a、236aが厚さ方向に圧縮された際の繊維の状態を示す説明図。 酸素極側フェルト拡散層236bが弾性変形によってセパレータ220の形状誤差を吸収している様子を示す説明図。
符号の説明
200…発電セル
210、220…セパレータ
211、221…溝部
212…燃料ガス流路
222…酸化ガス流路
232…MEA
234…水素極
234a…水素極側ペーパー拡散層
234b…水素極側フェルト拡散層
236…酸素極
236a…酸素極側ペーパー拡散層
236b…酸素極側フェルト拡散層
250、251…接合面

Claims (7)

  1. イオン交換膜と触媒層とを有するMEA(メンブレン・エレクトロード・アッセンブリ)に接合される燃料電池用の電極であって、
    前記MEAに接合されるための第1の接合面を有するガス拡散層であって、内部に第1の繊維を含む第1のガス拡散層と、
    前記第1のガス拡散層に接合された第2の接合面を有するガス拡散層であって、内部に第2の繊維を含む第2のガス拡散層と、
    を備え、
    前記第1のガス拡散層は、前記第2のガス拡散層よりも大きな厚さ方向の縦弾性係数を有するとともに、前記第1の接合面において前記第1の接合面に対する角度が所定の値より大きい前記第1の繊維の単位面積当たりの数が、前記第2の接合面において前記第2の接合面に対する角度が前記所定の値より大きい前記第2の繊維の単位面積当たりの数よりも少なくなるように構成されていることを特徴とする、燃料電池用電極。
  2. イオン交換膜と触媒層とを有するMEAに接合される燃料電池用の電極であって、
    前記MEAに接合されるための第1の接合面を有するガス拡散層であって、内部に第1の繊維を含む第1のガス拡散層と、
    前記第1のガス拡散層に接合された第2の接合面を有するガス拡散層であって、内部に第2の繊維を含む第2のガス拡散層と、
    を備え、
    前記第1のガス拡散層は、前記第2のガス拡散層よりも大きな厚さ方向の縦弾性係数を有するとともに、前記第1の接合面における前記第1の接合面に対する前記第1の繊維の角度の平均値が、前記第2の接合面における前記第2の接合面に対する前記第2の繊維の角度の平均値よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする、燃料電池用電極。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池用電極であって、
    前記イオン交換膜は、陽イオン交換膜である、燃料電池用電極。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池用電極であって、
    前記第1のガス拡散層は、前記第1の繊維が樹脂によって固定されている、燃料電池用電極。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載の燃料電池用電極であって、
    前記第2のガス拡散層は、ガスの流路を形成するためのリブを有するセパレータを備え、
    前記第1のガス拡散層および前記第2のガス拡散層は、いずれも前記リブの前記セパレータの厚さ方向における製造誤差より大きな厚さを有する、燃料電池用電極。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の燃料電池用電極であって、
    前記第1のガス拡散層は、前記MEAとの接合面において、多孔質材料で形成された層を有する、燃料電池用電極。
  7. 燃料電池であって、
    イオン交換膜と触媒層とを有するMEAと、
    請求項1ないしのいずれかの燃料電池用電極と、
    ガスの流路を形成するためのセパレータと、
    を備えることを特徴とする、燃料電池。
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