JP4686850B2 - 着色ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の方向指示器やフォグランプなどに用いることができる黄色〜橙色の着色ガラスであって、環境負荷物質であるPb、Cd、Se、Cr、Asなどを含まない着色ガラスを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CdSe(セレン化カドミウム:赤)及びCdS(硫化カドミウム:黄)による混晶着色ガラスは、その透過特性の吸収端が極めてシャープであり、透過率立ち上がり後における透過率が高いため、非常に鮮明な黄色〜赤色の着色が得られる。この性質を利用して、写真用フィルタ(黄色〜赤色)や、自動車等の車両の方向指示器用着色ガラスなどに利用されている。
【0003】
しかしながら、近年、PbやAsなどの環境負荷物質に対する規制が急速に強まりつつあり、自動車工業会では、1996年通産省通達に基づいて、自動車に使用されるPb、Cd、Se、Crについて、2002年までに全面的に使用が禁止される決定がなされている。
【0004】
このような状況下、自動車用方向指示器においては、白色電球に着色したプラスチックキャップをかぶせる方法や、着色したシリコン樹脂を白色電球にコーティングする方法等が一部実施され検討されている。
【0005】
しかしながら、これらの方法では、製造工程が増加するため、コストが高くなるなどの問題がある。特に、樹脂をコーティングする方法では、電球の点灯により樹脂が加熱され、樹脂の着色が分解によって脱色するなどの問題が指摘されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような問題を解決することができる着色ガラスとして、モリブデン(Mo)と硫黄(S)による着色ガラスが提案されている。この着色ガラスによれば、従来のCdSeSによる着色に非常に近い色調と鮮明度を有する着色ガラスとすることができる。
【0007】
しかしながら、本発明者らは、Mo−S系による着色ガラスを、工業的規模で生産しようとすると、種々の問題を生じることを見出した。
すなわち、実験室的規模での生産と同様の組成の原料バッチを用いて、大型ネコツボや連続的溶融炉で溶融すると、溶融したガラスを冷却してチュービング加工する際に、黒化失透する場合があることを見出した。
【0008】
また、溶融ガラスの表面に極めて融点の低いゴール状物質が生じ、これによって溶融炉内の耐火物が侵食されるため、連続式溶融炉を用いて生産することができないことがわかった。
【0009】
本発明の目的は、Mo−S系による黄色〜橙色の着色ガラスを工業的な規模で生産可能にする方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の着色ガラスの製造方法は、モリブデン(Mo)、硫黄(S)、及び硫黄以外の還元剤を含むアルカリ珪酸塩組成の原料バッチを溶融した後、チュービング加工により成形することを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、原料バッチ中における硫黄の含有量を少なくすることができるので、黒化失透現象を防止することができ、また溶融炉内におけるゴール状物質の発生を抑制することができる。従って、連続式溶融炉を用いて、工業的な規模で生産することができる。
【0012】
本発明において、原料バッチ中のモリブデンの含有量は、着色すべき色に応じて適宜調整されるが、MoO3 として0.03〜0.2質量%の範囲内であることが好ましい。モリブデンの含有量がこれより少なくなると、ガラスを十分に着色できない場合がある。また、モリブデンの含有量がこれより多くなると、黒化失透現象を生じる場合がある。
【0013】
また、原料バッチ中の硫黄の含有量は、モリブデンの含有量に応じて適宜調整されるものであるが、0.05〜2質量%の範囲内であることが好ましい。硫黄は還元剤として知られているが、本発明では着色剤としても機能する。硫黄の含有量が少ないと、十分に着色できない場合がある。また、硫黄の含有量が多すぎると、黒化失透現象を生じたり、ゴール状物質が発生して溶融炉の耐火物を侵食する場合がある。
【0014】
本発明において用いる硫黄以外の還元剤としては、カーボン(C)が特に好ましく用いられる。原料バッチ中におけるカーボンの含有量としては、0.1〜1.5質量%の範囲内が好ましい。カーボンの含有量が少ないと、黒化失透を抑制し、ゴール状物質の発生を抑制するという本発明の効果が十分に得られない場合がある。また、カーボンの含有量が多くなりすぎても、含有量に応じた効果が得られなくなる。
【0015】
本発明に従い、原料バッチ中に、硫黄以外の還元剤を含有させることにより、黒化失透を抑制し、ゴール状物質の発生を抑制することができる作用機構は、以下のとおりであると考えられる。
【0016】
モリブデンと硫黄を含むアルカリ珪酸塩組成のガラスが発色する機構は、以下の反応に基づくものと思われる。
【0017】
【化1】
Figure 0004686850
【0018】
この反応において、還元剤として例えば炭素が存在すると、MoO3 及びSを、Mo23 やNa2Sの形で安定的に溶解させることができ、炭素自らは、ガラス中に一部溶存しているものと考えられる。このような炭素の存在が、冷却中及び成形に際して、過剰のMoO3 がMo23 となって結晶化し黒化現象を引き起こすのを防止しているものと思われる。また、還元剤が存在することにより、溶融中に過剰の酸素によってNa2SO4 からなる低融点ゴールが発生するのを防止することができものと思われる。
【0019】
従来の実験室的規模における原料バッチでは、硫黄が還元剤の役割を果たしており、以下のような反応で、Mo23 とSO2 が過剰に溶融して、黒化現象の原因となり、またNa2SO4 の低融点ゴール発生の原因となっていたものと思われる。
【0020】
【化2】
Figure 0004686850
【0021】
また、硫黄は還元力が弱いため、O2 が生成するためには多量の硫黄が必要となっていたものと思われる。
本発明では、硫黄以外の還元剤を用いることにより、硫黄の含有量を少なくし、これによって黒化失透現象を抑制し、またゴール状物質の発生を抑制している。
【0022】
図1は、原料バッチ中の硫黄量と、着色ガラス中の硫黄の分析換算量との関係を示す図である。横軸は、原料バッチ中の硫黄量(質量%)を示しており、縦軸は、イオンクロマトグラフィー法で測定した着色ガラス中の硫黄の分析換算量(質量%)を示している。図1中の%は、全て質量%である。
【0023】
図1において太線は、炭素(C)が含まれていない場合(C=0%)の関係を示しており、細線は炭素(C)が0.6質量%含まれている場合(C=0.6%)の関係を示している。一点鎖線は、黒化現象を引き起こす限界を示す黒化ラインを示している。点線で示すライン上のポイントは、いずれも着色ガラスが黒化したポイントである。
【0024】
図1から明らかなように、炭素(C)が含まれていないC=0%の関係を示す太線は、炭素(C)が0.6%含まれる細線に比べ、右側に位置している。すなわち、原料バッチ中の硫黄量が多いにもかかわらず、着色ガラス中の硫黄が少なくなっている。これは、硫黄が低融点のゴール状物質となって溶融物の表面に析出するためであると考えられる。本発明に従い、還元剤として炭素(C)を含む細線で示すラインでは、着色ガラス中の硫黄量が高くなっている。これは、硫黄がゴール状物質とならずに、着色ガラス中の着色成分として含有されているためであると考えられる。
【0025】
本発明においては、原料バッチ中に硫黄以外の還元剤を含有させることにより、黒化現象を抑制し、ゴール状物質の発生を抑制している。同様の効果が期待できる方法であって、硫黄以外の還元剤を原料バッチ中に含有させる以外の他の方法としては、モリブデン及び硫黄を含む原料バッチを、COガスやH2ガスなどの還元性ガスの雰囲気下で溶融する方法が挙げられるが、工業的規模での実施は困難である。
【0026】
自動車等の方向指示器用着色ガラスの規格としては、最も厳しいCdSeSを基準にして作られた欧州経済委員会(ECE)規格が知られている。このECE規格は、XYZ表色系において、
▲1▼y=0.39
▲2▼y=0.79−0.67x
▲3▼y=x−0.12
の限界内に入ることが定められている。
【0027】
また、自動車等の方向指示器用着色ガラスの規格として、自動車技術会(SAE)が知られている。SAE規格は、XYZ表色系において、
▲1▼0.429≧y≧0.398
▲2▼z≦0.007
▲3▼x+y+z=1
の条件を満たすことが定められている。
【0028】
本発明の方法で得られるガラスが上記ECE規格やSAE規格を満たすためには、ガラス組成中のMoO3 及びSの含有量が各々0.05〜0.13質量%となるように調整することが望ましい。
【0029】
一方、自動車等のフォグランプの規格としては、日本工業規格(JIS)が知られており、XYZ表色系において、
▲1▼y≧0.138+0.580x
▲2▼y≦1.290x−0.100
▲3▼y≧−x+0.940
▲4▼y≦−x+0.992
▲5▼y≧0.440
を満たすことが定められている。
【0030】
本発明の方法で得られるガラスが上記JIS規格を満たすためには、ガラス組成中のMoO3 やSの含有量が各々0.03〜0.08質量%となるように調整することが望ましい。
【0031】
図2は、上記の各規格のXYZ表色系における範囲を示す図である。
次に、本発明における原料バッチのアルカリ珪酸塩組成について説明する。
アルカリ珪酸塩組成とは、一般的にSiO2 をガラスの主成分としたガラスの総称であり、第2成分としてNa2O、K2O、及びLi2Oの少なくとも1種以上を含有したものである。一般的に、ソーダライムガラス、硼珪酸ガラス、鉛ガラス等がこのアルカリ珪酸塩ガラス組成に該当する。しかしながら、上述のように、Pbは環境負荷物質であるので、本発明においては鉛ガラス以外のガラスを用いることが好ましい。
【0032】
アルカリ珪酸塩組成のガラスにおいては、その他の成分として、CaO、MgO、SrO、BaO、ZnOなどが、それぞれ必要に応じて含有される。
本発明において用いるアルカリ珪酸塩組成としては、Na2O及びK2Oのうちの少なくとも1種以上を含むことが好ましく、これらを合計で5質量%以上含む組成であることが好ましい。このようなアルカリ金属を含むことにより、これらのアルカリ金属が着色に寄与するのみでなく、ガラス中へのモリブデン及び硫黄の溶解度を急激に高める作用を有する。従って、さらに好ましくはNa2OとK2Oを合計で8質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上含有していることが望ましい。
【0033】
上記のアルカリ珪酸塩組成としては、以下のような組成が挙げられる。
SiO2 50〜80質量%
Al23 0〜5質量%
23 0〜16質量%
BaO 0〜15質量%
SrO 0〜15質量%
CaO 0〜10質量%
MgO 0〜10質量%
Na2O 0〜20質量%
2O 0〜20質量%
Li2O 0〜5質量%
【0034】
また、自動車等の方向指示器及びフォグランプにおいては、以下のような電球としての特性が要求される場合がある。
▲1▼リード線(デュメット線)との線膨張係数の適合性
▲2▼電球バルブやピンチング加工(リード線部の加工)等の優れた加工特性
▲3▼リード線間の電気的絶縁性
▲4▼電球寿命を保持するための高い耐水性及び耐化学薬品性
▲5▼ガラス製造中に失透しないためのガラス特性
▲6▼溶融中に耐火物侵食の少ないこと
【0035】
上記のような特性を満足するアルカリ珪酸塩組成として、以下のような組成が挙げられる。
SiO2 60〜75質量%
Al23 0.5〜3質量%
23 0〜3質量%
BaO 1〜11質量%
SrO 1〜11質量%
CaO 0〜5質量%
MgO 0〜5質量%
Na2O 2〜15質量%
2O 2〜15質量%
Li2O 0〜3質量%
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について実施例及び比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0037】
(実施例1〜14及び比較例1〜4)
表1〜表3に示す配合で、原料バッチを調製した。基礎ガラスA〜Eは、表4に示す組成及び特性を有するものである。表1〜表3に示す原料バッチの配合割合は質量%であり、全体として100になるように調合されている。表1〜表3に示すように、モリブデンはMoO3 として添加しており、試薬1級品を用いた。硫黄(S)としては、試薬1級品を用い、炭素(C)としては、微粉粉工業用市販カーボンを用いた。
【0038】
原料バッチ200gを、300mlの磁器性ルツボに入れ、箱型SiC発熱体溶融炉内で溶融し、ガラスを得た。
表1〜表3に示す分析値は、このようにして得られたガラスを分析して得られた値であり、単位は質量%である。硫黄(S)含有量は、ガラス試料0.2gを炭酸ソーダで溶融し、陽イオンを除去した後、イオンクロマトグラフィー(DIONEX社製DX−500)を用いて、SO4イオンを測定し、硫黄(S)に換算した値である。MoO3 含有量は、蒸発しないため、原料バッチの調合値を用いた。
【0039】
色調、色座標(xy値)、及び照度比は、上記のようにルツボ内で溶融して得たガラスを、厚み0.8mmに光学研磨して試料を作製し、この試料を560℃30分間加熱して発色させ測定用試料とした。色調は、この測定用試料をタングステン光源からの透過光を用いて肉眼で観察したときの色調である。また、色座標は、この測定用試料を用いて、色度計(TOPCOM−BM−5)により測定した値である。また、照度比は、この測定用試料を用いて、照度計(TOPCOM−IM−3)により求めた、白熱光との照度比である。
【0040】
失透性については、上記ルツボ内での溶融で得られた試料を、7mm角に切り出し、これを850℃に保持された電気炉中に入れ、試料が黒化するのに要する時間(分)を測定した。チュービング加工において黒化しないためには、この失透性の時間が3分以上であることが必要である。
【0041】
ルツボ侵食性については、上記ルツボ内での溶融において、Na2SO4 のゴール状物質が、磁性ルツボの液面において白色物質として認められるか否かにより評価した。「◎」はルツボの液面に白色物質が認められないものであり、「×」はルツボの液面に白色物質が認められるものである。
【0042】
表1に示す実施例1〜6は、それぞれSAE規格及びECE規格を満足する色調を有する実施例である。従って、「用途」に記載しているように、方向指示器用着色ガラスとして用いることができるものである。
【0043】
【表1】
Figure 0004686850
【0044】
表1に示すように、本発明に従い炭素(C)を還元剤として原料バッチ中に配合した実施例1〜6は、方向指示器用ランプとして用いることができる色調を有しており、照度比においても優れている。また、失透性も3分以上であり、チュービング加工においても黒化失透することがないことがわかる。また、ルツボ侵食性においても問題を生じない。
【0045】
これに対して、還元剤として炭素を添加せず硫黄(S)を多量に配合した比較例1は、黒化しており、またルツボ侵食性において問題を有している。
また、還元剤としての炭素(C)を含有していない比較例2では、所望の橙色の着色が得られていない。
【0046】
実施例1のガラス組成のものについて、実際にネコツボ型の溶融炉を用い、150kg溶融を行い、チュービング加工したところ、黒化失透することなく、またルツボの耐火物が侵食されることなく、チュービング加工を行うことができた。
【0047】
これに対し、比較例1の組成のガラスは、ネコツボ型のルツボを用いて溶融した場合、チュービング加工の際に黒化失透した。また、通常1日300kgの溶融で1〜2カ月使用することができるネコツボ型ルツボが、約7日間しか使用することができなかった。
【0048】
表2の実施例7〜10は、JIS規格を満足することができる着色ガラスを製造するための実施例である。上記実施例1〜6と同様にして、原料バッチを調製し、これをルツボ内で溶融して評価した。評価結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
Figure 0004686850
【0050】
表2に示すように、実施例7〜10の着色ガラスは、フォグランプ用として適した色調を示すものであり、高い照度比を示すものである。
また、失透性は3分以上であり、ルツボ侵食性においても問題がなかった。
【0051】
これに対し、還元剤としての炭素(C)を添加せず多量の硫黄(S)を添加した比較例3及び4においては、ルツボ侵食性において問題があった。また、より多量の硫黄(S)を含有した比較例4では、失透性が3分より短く、所望の色調が得られず黒化した。
【0052】
表3に示す実施例11〜14においては、基礎ガラスとして種々のガラスを用いている。実施例11で用いた基礎ガラスBは、蛍光灯用の基礎ガラスの組成のものである。実施例12で用いた基礎ガラスCは、アルカリ金属としてNa2O及びLi2Oを含有し、K2Oを含有していないガラスである。実施例13で用いた基礎ガラスDは、アルカリ金属を10質量%以上含有するものであり、実施例14で用いた基礎ガラスEは、アルカリ金属の含有量が10質量%未満のものである。これらの比較から、アルカリ金属が10質量%未満であると、色調が淡黄色となり、フォグランプ用としては適さなくなることがわかる。
【0053】
比較例5は、従来のCd−Se着色系によるガラスの特性を示すものである。比較例5との比較から、本発明に従う実施例の着色ガラスは、従来のCd−Se着色ガラスと同様の色調を有し、照度比においても何ら問題ない着色ガラスであることがわかる。
【0054】
【表3】
Figure 0004686850
【0055】
【表4】
Figure 0004686850
【0056】
上記実施例においては、本発明に従い得られる着色ガラスが、自動車等の車体の方向指示器用及びフォグランプ用として適した着色ガラスであることを説明したが、本発明の着色ガラスは、これらの用途に限定されるものではなく、例えば工芸品用途などその他の用途にも幅広く用いることができるものである。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、Mo−S系による黄色〜橙色の着色ガラスを、工業的な規模で生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料バッチ中の硫黄(S)の含有量と、着色ガラス中の硫黄(S)の分析換算量との関係を示す図。
【図2】SAE規格、ECE規格、及びJIS規格のXYZ表色系における範囲を示す図。

Claims (8)

  1. モリブデン(Mo)、硫黄(S)、及び硫黄以外の還元剤を含むアルカリ珪酸塩組成の原料バッチを溶融した後、チュービング加工により成形することを特徴とする着色ガラスの製造方法。
  2. 前記原料バッチ中に、モリブデンがMoO3 として0.03〜0.2質量%含まれており、硫黄が0.05〜2質量%含まれていることを特徴とする請求項1に記載の着色ガラスの製造方法。
  3. 前記還元剤がカーボン(C)であることを特徴とする請求項1または2に記載の着色ガラスの製造方法。
  4. 前記原料バッチ中に、カーボンが0.1〜1.5質量%含まれていることを特徴とする請求項3に記載の着色ガラスの製造方法。
  5. 前記アルカリ珪酸塩組成が、Na2OとK2Oを合計で5質量%以上含む組成であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色ガラスの製造方法。
  6. 前記アルカリ珪酸塩組成が、質量%表示で、SiO 2 50〜80%、Al 2 3 0〜5%、B 2 3 0〜16%、BaO 0〜15%、SrO 0〜15%、CaO 0〜10%、MgO 0〜10%、Na 2 O 0〜20%、K 2 O 0〜20%、Li 2 O 0〜5%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色ガラスの製造方法。
  7. 自動車用の方向指示器またはフォグランプに使用される着色ガラスの製造方法であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色ガラスの製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とする着色ガラス。
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