JP2002293570A - 電灯用ガラス - Google Patents

電灯用ガラス

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JP2002293570A
JP2002293570A JP2001105809A JP2001105809A JP2002293570A JP 2002293570 A JP2002293570 A JP 2002293570A JP 2001105809 A JP2001105809 A JP 2001105809A JP 2001105809 A JP2001105809 A JP 2001105809A JP 2002293570 A JP2002293570 A JP 2002293570A
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glass
ceo
ultraviolet
lamp
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JP2001105809A
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Yukio Takagi
幸男 高木
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Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/095Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing rare earths
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/08Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths
    • C03C4/085Compositions for glass with special properties for glass selectively absorbing radiation of specified wave lengths for ultraviolet absorbing glass

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線による着色や管外への紫外線の漏洩が
なく、しかも高輝度のコンパクト型蛍光ランプを作製す
ることが可能な電灯用ガラス組成物を提供することであ
る。 【解決手段】 SiO2−Al23−R2O−R’O系の
組成を有し、CeO2の含有量が0.2〜2質量%、S
3の含有量が0〜0.18質量%であり、酸化性雰囲
気で溶融されてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光ランプに用いら
れる電灯用ガラス組成物に関し、特にコンパクト型蛍光
ランプに用いられる電灯用ガラス組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプは、アーク放電によって発生
する紫外線で、ガラス管壁に塗布されている蛍光体を励
起し、これにより発生する可視光線を利用したものであ
る。
【0003】蛍光ランプに使用されるガラスは、管状の
バルブ部とステム部に大別され、バルブ部の形状として
は、直管や、直管を熱加工した環状の形状を有するもの
が一般的であるが、最近ではランプの効率化や小型化を
目的に、U字管やこれを繋いだツイン管といった複雑な
形状を有するコンパクト型蛍光灯が開発されている。当
初、複雑な加工が必要なコンパクト型蛍光灯には、加工
性のよい鉛含有ガラスが使用されていたが、鉛は環境負
荷物質であるため、現在では無鉛ガラスへの代替が進め
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで蛍光灯管内で
発生した紫外線の一部は蛍光体膜を透過し、ガラス管に
影響を与えることが知られている。特にコンパクト型蛍
光灯では、通常の蛍光灯よりも高い電力が必要なため、
単位面積当たりの紫外線照射量が数倍になる。その結
果、紫外線エネルギーにより、有色イオンやガラス構造
欠陥部の着色中心の生成によるガラスの着色が著しくな
り、蛍光灯の輝度が経時的に劣化するという問題が生じ
る。また管外に漏洩する紫外線量が多くなり、蛍光ラン
プを保護する樹脂カバーを変色させてしまう。
【0005】本発明の目的は、紫外線による着色や管外
への紫外線の漏洩がなく、しかも高輝度のコンパクト型
蛍光ランプを作製することが可能な電灯用ガラス組成物
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々の実験を
行った結果、CeO2を添加するとともに、SO3の含有
量を0.18%以下に制限することにより、上記目的が
達成できることを見いだし、本発明として提案するもの
である。
【0007】即ち、本発明の電灯用ガラスは、SiO2
−Al23−R2O−R’O系の組成を有し、CeO2
含有量が0.2〜2質量%、SO3の含有量が0〜0.
18質量%であり、酸化性雰囲気で溶融されてなること
を特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、CeO2の紫外線遮
蔽能力及び紫外線によるガラスの光学的劣化現象につい
て詳細に調査したところ、ガラス中に含まれるSO3
ついて興味深い知見を得た。
【0009】一般に、ガラスに紫外線遮蔽能力を付与す
るにはCeO2を添加すればよいことが知られている。
またCeO2の添加により、紫外線照射による着色が若
干抑制される。一方、CeO2を添加すると400nm
付近の光透過率が低下してガラスが黄色くなる、いわゆ
る初期着色が起こり易く、ランプの輝度が低下してしま
う。従って、紫外線の管外への漏洩や紫外線による着色
を防止しようとすると、ランプの輝度が低くなるという
問題を有していた。
【0010】ところがCeO2を添加したガラスの透過
率特性は、SO3の存在により大きく左右されることが
本発明者の実験で明らかとなった。即ち、SO3の含有
量を0.18質量%以下に制限すると、400nm付近
の光透過率が高くなって初期着色が防止され、また紫外
線照射による着色が著しく抑制される。このSO3は、
ガラス原料(芒硝(Na2SO4)等の硫酸塩原料や不純
物)や、ガラス溶融時の燃焼雰囲気中のSO2ガスの溶
け込みにより、ガラス組成中に取り込まれる。
【0011】本発明の電灯用ガラスにおいて、CeO2
やSO3の含有量は、上記知見をふまえて決定したもの
である。
【0012】CeO2は、ガラスに紫外線遮蔽能力を付
与するとともに、SO3が0.18質量%以下という条
件下で、紫外線照射による着色を著しく抑制する働きが
ある。また清澄剤としても機能する。CeO2が0.2
%以下ではその効果がなく、2%を超えると着色が著し
くなり、高輝度のランプを得ることが困難になる。なお
CeO2の好適な範囲は、0.3〜1.2%、特に0.
4〜1%である。
【0013】SO3の含有量は0.18質量%以下に制
限される。SO3は、CeO2によるガラスの着色を助長
し、また紫外線着色を起こしやすい成分であり、その含
有量は少ないほど好ましい。このため0.15%以下、
特に0.1%以下が好ましく、できれば含まないことが
望ましい。
【0014】また本発明の電灯用ガラスは、酸化性雰囲
気で溶融されてなる。
【0015】即ち、本発明のガラスにおいて、重要な役
割を有するCeO2は、ガラス中で Ce3+ ⇔ Ce4+ の酸化還元平衡状態にある。一般にCe3+は316nm
に、Ce4+は243nm付近にそれぞれ主たる吸収帯を
有し、両者の働きにより長波長側の紫外線が吸収されガ
ラスの紫外線吸収端が形成される。ここでCe3+量が多
くなると、紫外線の吸収端が長波長側へ移動したり、吸
収帯幅が増加する。その結果、400nm付近の可視域
が吸収されてガラスが黄色味を帯び、透過率が低下す
る。これがCeO2による初期着色であり、高輝度の蛍
光ランプを得ることできない原因となる。従ってCe3+
とCe4+は適切な割合で存在させることが重要である。
そこでガラスを酸化性雰囲気で溶融することにより、C
4+を増加させ、400nm付近の可視域の吸収を抑
え、初期着色を防止することができる。
【0016】酸化性雰囲気で溶融する方法としては、例
えばガラス原料バッチに酸化剤(例えば硝酸ナトリウム
や硝酸カリウム)を加え、ガラス溶融時にガラスが酸化
状態になるようにすればよい。酸化剤のバッチへの添加
量は、使用する酸化剤の種類にもよるが、0.5〜3質
量%程度が好ましい。その理由は、0.5%以下では十
分な効果が得られず、3%を超えて添加しても原料コス
トが上昇するのみで、その効果は殆ど変わらないためで
ある。
【0017】以上の特徴を有する本発明のガラスは、紫
外線照射後に(1)肉厚1mmにおいて、JIS Z8
701に規定するXYZ表色系に基づくY値が90.0
%以上、及び(2)肉厚1mmにおいて、400nmで
の光透過率が88.0%以上、という特性を満足するこ
とができる。これらの特性を満足することにより、輝度
が高いランプを作製することができる。なお400nm
での光透過率は、90.0%以上、特に90.5%以上
であることが好ましく、またY値は91.0%以上、特
に91.5%以上であることが好ましい。
【0018】なお、本発明においてY値及び400nm
での光透過率は、30倍視野の光学顕微鏡にて研磨傷が
確認できない程度に光学研磨された30×10mm、肉
厚1.0±0.02mmの試料に対し、256nmに主
波長を有する紫外線を7.5mw/cm2の照度で8時
間照射した後に評価した値である。また400nmでの
光透過率は、C標準光源を用い、分光光度計にて400
nmにおける透過率を求めたものであり、Y値は同様に
して測定域200〜800nmにおける透過率を求め、
JIS Z8701に基づいて算出したものである。
【0019】また上記特性に加えて、本発明のガラス
は、紫外線の吸収端が314nm以上、特に320nm
以上であることが好ましい。即ち、蛍光ランプから生じ
るスペクトルは、258nm付近に主ピークを持ち、他
にいくつかの副線が存在する。この中でも最長の副線ピ
ークは可視光域にまで及ぶ。一般的な電灯用ガラスで
は、258nmより長波長域の紫外線を十分に遮蔽する
ことは難しいが、通常の蛍光ランプではこれらの副線が
問題となることは殆どない。しかし、紫外線放射量が多
いコンパクト型蛍光ランプでは、この長波長域の副線、
特に313nm付近の副線によって樹脂カバーが変色し
易くなる。それゆえ紫外線の吸収端が313nmより長
波長側にあることが望まれる。
【0020】また本発明のガラスは、SiO2−Al2
3−R2O−R’O系の組成を有する。ここでRはアルカ
リ金属(Na、K、Li)を表し、R’はアルカリ土類
金属(Ca,Mg,Sr,Ba)を表している。この系
のガラスであれば、組成は特に限定されないが、環境上
の理由から、PbOやAs23を含有することは避ける
べきである。
【0021】次に、蛍光ランプ用途に要求される上記以
外の特性と、これに適したガラス組成について説明す
る。 管内に封入される水銀ガスと反応してアマルガム(H
gNa)を生成しないように、高い化学耐久性が求めら
れる。具体的には、JIS R3502に示された方法
で測定されるアルカリ溶出が0.7mg以下であるこ
と。 ステム用として使われる場合、デュメットリード線と
膨張が適合するように、90〜100×10-7/℃の熱
膨張係数を有すること。 ステム用として使われる場合、体積抵抗が10-7Ω・
cm以上と高いこと。 ガラス溶融が容易であること。 コンパクト型蛍光ランプのバルブ用途の場合、高い加
工性を得るために、作業点(104ポイズに相当する温
度)が1010℃以下であること。
【0022】これらの要求すべてを満足するガラスの好
適な組成例として、質量%表示で、SiO2 60〜8
0%、Al23 0.3〜5%、B23 0〜3%、N
2O2〜10%、K2O 2〜10%、Li2O 0〜
3%、CaO 0〜8%、MgO 0〜8%、SrO
2〜10%、BaO 2〜12%、CeO2 0.2〜
2%、SO3 0〜0.18%のガラスを挙げることが
できる。
【0023】ガラスの組成範囲を上記のように限定した
理由を以下に示す。
【0024】SiO2はガラスの骨格を形成する成分で
ある。SiO2が60%より少ないとガラス骨格の生成
が不十分となり、機械的強度が低くなる。SiO2が8
0%より多いとガラスの粘性が上昇し、溶融成形が困難
になる。SiO2の好ましい範囲は60〜75%であ
る。
【0025】Al23も骨格形成成分であり、また化学
耐久性を向上させるとともに、ガラス成形時の失透を抑
制する効果がある。Al23が0.3%より少ないとそ
の効果がなく、5%より多いと溶融や成形が困難にな
る。Al23の好ましい範囲は0.5〜3%、特に1〜
3%である。
【0026】B23は化学耐久性を改善し、高温粘性を
低下させる効果がある。しかしB23は環境負荷物質で
あるため、やむを得ない場合を除き、使用しないことが
望ましい。B23が3%より多い場合はガラス低温粘性
が上昇し、加工性が悪化する。またCeO2の着色傾向
を増大させてしまう。
【0027】Na2O、K2O、Li2Oといったアルカ
リ金属酸化物は、熱膨張係数を調整し、またガラスの粘
性を低下させて加工性を高めるための成分である。Na
2O及びK2Oは特定の比率で共存させることにより、ア
ルカリ混合効果とよばれる化学耐久性や電気絶縁性を向
上させる効果が得られる。またLi2Oは、原料コスト
が高く多量に含有させることは好ましくないが、膨張調
整機能が他のアルカリ金属成分に比べて約2倍と高いた
め、少量の添加で効果がある。
【0028】Na2Oが2%未満の場合はその効果がな
く、10%を超える場合はアルカリ混合効果が得られ
ず、化学耐久性が悪くなる。Na2Oの好ましい範囲は
4〜8%である。
【0029】K2Oが2%未満の場合はその効果がな
く、10%を超える場合はアルカリ混合効果が得られ
ず、化学耐久性が悪くなる。K2Oの好ましい範囲は4
〜8%である。
【0030】Li2Oが3%を超えると原料コストが高
くなりすぎる。なお0.3%未満の場合、デュメットリ
ード線との膨張の整合性を得ようとするとNa2OやK2
Oを多量に含有させる必要が生じ、化学耐久性が悪化す
る傾向が現れる。Li2Oの好ましい範囲は0.3〜3
%、特に0.5〜3%である。
【0031】なおアルカリ金属酸化物の合量は11〜1
8%であることが好ましい。11%未満では、ステム用
途に用いた場合にデュメットリード線との膨張の整合性
が得難くなる。またガラスの粘性が上昇し、加工性が悪
化しやすくなる。またアルカリ金属酸化物の合量が18
%を超えるとステム用途に用いた場合にデュメットリー
ド線との膨張の整合性が得難くなる。また化学耐久性が
悪化し、輝度劣化の原因となるアマルガムの生成を起こ
し易くなる。なおアルカリ金属酸化物の合量のより好ま
しい範囲は13.2〜18%である。
【0032】CaO、MgO、SrO、BaOといった
アルカリ土類金属酸化物は、高電気絶縁性と良好な加工
性を得るための成分である。特に比較的PbOに近い性
質を有するSrOとBaOを主として使用する。しかし
これらの成分は、ガラス溶融時や管引き成形時に使用さ
れる耐火レンガとの反応性が強く、反応生成物の原因と
なる。こうした生成物の発生を避けたい場合には、これ
らの一部をCaOやMgOと置換すればよい。ただしC
aOは、CeO2と共存させるとガラスの光透過率を低
下させる傾向があるため、その添加は最小限に留めるこ
とが望ましい。
【0033】CaOが8%を超えるとガラス成形時の失
透原因となる。なおCaOを0.5%以下に制限するこ
とにより、より高い光透過率を得ることができる。
【0034】MgOが8%を超えるとガラス成形時の失
透原因となり、またガラスの粘性を上昇させて加工性が
悪化する。MgOの好ましい範囲は2〜6%である。
【0035】SrOが2%未満では、高電気絶縁性と良
好な加工性を得るために他のアルカリ土類金属酸化物を
多量に含有させなければならないが、これによって失透
が起こり易くなる。10%を超えるとSrO系の失透物
が生じ、また原料コストが増大して好ましくない。Sr
Oの好ましい範囲は4〜10%、特に4.2〜8%であ
る。
【0036】BaOが2%未満では高電気絶縁性と良好
な加工性を得るために他のアルカリ土類金属酸化物を多
量に含有させなければならないが、これによって失透が
起こり易くなる。12%を超えると耐火物(Al系耐火
物)との反応が著しく、失透原因となる。BaOの好ま
しい範囲は3〜10%である。
【0037】なおアルカリ土類金属酸化物は合量で5〜
15%であることが好ましい。これらの合量が5%未満
では電気抵抗等、蛍光ランプ用途に必要な特性を得るこ
とが難しくなる。一方15%を超えるとガラスの成形時
に失透物や反応生成物が生じ、製品不良を引き起こす可
能性がある。アルカリ土類金属酸化物の合量のより好ま
しい範囲は6〜13%である。
【0038】以上の成分以外にも、例えば稀土類酸化物
等の光透過特性を改善する成分や、TiO2、ZrO2
の紫外線着色防止効果を有する成分の添加が可能であ
る。また清澄剤としてNaCl等のCl系原料を添加し
ても良い。なお不純物として、Fe23が含まれること
が多いが、Feは有色イオンであり、透過率を低下させ
る要因であるので、0.05%以下、特に0.03%以
下に制限することが重要である。
【0039】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0040】(実施例1)表1、2は、CeO2とSO3
を変更し、紫外線照射前後の透過率を評価した本発明の
実施例(試料No.1〜4)及び比較例(No.5〜
7)である。また紫外線着色に対するCeO2とSO3
関係を図1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】各試料は次のようにして調製した。
【0044】まず表に示す組成となるようにガラス原料
を調合した。さらに調合した原料をライカイ機と呼ばれ
る乳鉢式擂り潰し攪拌機で10分間攪拌し、300gの
原料バッチを得た。なお使用した原料は、SiO2原料
として比較的Fe不純物が少ない海岸砂(SiO2分9
9.8質量%)を、MgO原料及びCaO原料として市
販ドロマイトを、CeO2原料としてガラス工業用酸化
セリウム(CeO2分99.8%以上)を、その他の酸
化物原料は、主として量産に適した一般的に使用される
もののうち、できる限り安価な工業用ガラス原料を使用
した。また酸化剤には硝酸ナトリウムを使用した。
【0045】次に原料バッチを容量300cm3の白金
ロジウム合金製の坩堝に入れ、箱型電気炉にて1450
〜1500℃で4時間溶融した。なお溶融開始後30分
毎に白金攪拌棒を用いて計3回攪拌を行った。
【0046】続いて溶融ガラスをカーボン製成形板上に
流し出し、560℃に保持された箱型カンタル式アニー
ル炉内に入れ、4℃/分の平均冷却速度で炉冷した。さ
らにアニール後のガラス塊から試料を作製し、評価に共
した。結果を表1,2に示す。併せて紫外線照射前後の
Y値の変化を図1に示す。
【0047】その結果、SO3を0.2%含有する試料
No.5〜7は、初期のY値が低く、また紫外線照射に
よるY値の低下が大きかった。これに対してSO3を含
まない試料No.1〜4は、初期Y値が高く、しかもY
値の低下が殆どないことが分かった。つまりSO3を少
なくすれば、透過率が高く、しかも紫外線着色が起こり
難いガラスが得られることを示している。
【0048】またNo.5〜7の試料は、CeO2量が
増えるに従い初期のY値が低下する傾向にあるが、実施
例であるNo.1〜4の試料では、CeO2量が増えて
も初期Y値が殆ど変化しない。このことは、ガラスの紫
外線吸収能力を高めるためにCeO2を多量に添加でき
ることを示唆している。
【0049】なお熱膨張係数は、30〜380℃におけ
る平均線熱膨張係数を示すものであり、ディラトメータ
ーを用いて測定した。軟化点は107.6dPa・sの粘
度を示す温度、作業点は104dPa・sの粘度を示す
温度であり、それぞれASTMで規定されるファイバー
引っ張り法、及び白金球引き上げ法を用いて求めた。体
積電気抵抗値は、ASTM C657−78に基づき測
定し、250℃での抵抗値を対数表示した。アルカリ溶
出量は、JIS R−3502に基づいて測定したもの
である。
【0050】Y値、400nmでの光透過率及び紫外線
吸収端は、次のようにして求めた。まず30倍視野の光
学顕微鏡にて研磨傷が確認できない程度に光学研磨され
た30×10mm、肉厚1.0±0.02mmの試料を
用意した。次にC標準光源を用い、分光光度計(島津製
作所製UV3100PC)にて200〜800nmにお
ける透過率を測定し、400nmでの透過率及び紫外線
吸収端を求めた。なお紫外線吸収端は、光透過率曲線の
短波長側で実質的に透過率が0%と見なし得る波長とし
た。さらに透過率測定データから、JIS Z8701
に規定するXZY表色系に基づいてY値を算出した。続
いて、UVドライプロセッサー(オーク製作所製)を用
い、256nmに主波長を有する紫外線を試料に7.5
mw/cm2の照度で8時間照射した後、再度透過率を
測定し、紫外線照射後のY値及び400nmにおける透
過率を求めた。
【0051】(実施例2)表3〜7は本発明の他の実施
例(試料No.8〜27)を、表8は比較例(試料N
o.28、29)をそれぞれ示している。
【0052】なお各試料は、実施例1に準じて調製し、
評価した。また試料No.28は、還元剤としてカーボ
ンを用いた。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】表から、本発明の実施例である試料No.
8〜27は、紫外線照射後のY値及び400nmでの光
透過率が、それぞれ90.9%以上、88.7%以上で
あり、紫外線照射後も高い透過率を維持していた。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電灯用ガ
ラスは、紫外線による着色や管外への紫外線の漏洩がな
く、しかも高輝度のコンパクト型蛍光ランプを作製する
ことが可能であり、電灯用ガラスとして好適である。な
お本明細書においては、主としてコンパクト型蛍光ラン
プのバルブ用ガラスについて説明したが、本発明のガラ
スはこれに限られるものではなく、他のランプ用途(液
晶ディスプレーに用いられるバックライトの蛍光ランプ
用バルブ等)や、他の照明用部材(ステム、排気管等)
に使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】紫外線照射前後のY値の変化を示すグラフであ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA03 BB01 DA06 DA07 DB02 DB03 DC01 DC02 DC03 DD01 DE01 DF01 EA01 EA02 EA03 EB03 EC03 ED01 ED02 ED03 EE01 EE02 EE03 EF03 EG03 EG04 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL02 FL03 GA01 GA10 GB01 GB02 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM25 NN13 5C043 AA06 AA20 CC09 CD10 EB15 EC06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2−Al23−R2O−R’O系の
    組成を有し、CeO 2の含有量が0.2〜2質量%、S
    3の含有量が0〜0.18質量%であり、酸化性雰囲
    気で溶融されてなることを特徴とする電灯用ガラス。
  2. 【請求項2】 紫外線照射後に以下の特性を有すること
    を特徴とする請求項1の電灯用ガラス。 (1)肉厚1mmにおいて、JIS Z8701に規定
    するXYZ表色系に基づくY値が、C標準光源下におい
    て90.0%以上。 (2)肉厚1mmにおいて、400nmでの光透過率が
    88.0%以上。
  3. 【請求項3】 コンパクト型蛍光ランプ用ガラス管とし
    て用いられることを特徴とする請求項1又は2の電灯用
    ガラス。
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