JP2003306344A - 電灯用ガラス組成物 - Google Patents

電灯用ガラス組成物

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JP2003306344A JP2002114664A JP2002114664A JP2003306344A JP 2003306344 A JP2003306344 A JP 2003306344A JP 2002114664 A JP2002114664 A JP 2002114664A JP 2002114664 A JP2002114664 A JP 2002114664A JP 2003306344 A JP2003306344 A JP 2003306344A
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/095Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing rare earths

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐紫外線着色性を有し、しかも加工性及
び電気特性に優れた電灯用ガラス組成物を提供する。 【解決手段】 質量%表示で、SiO2 55〜80
%、Al23 0〜5%、B23 0〜9.5%、Ca
O 0〜5%、MgO 0〜5%、SrO 0〜5%、
CaO+MgO+SrO 0〜10%、BaO 0.1
〜20%、ZnO0.1〜15%、Na2O 0〜15
%、K2O 0.1〜15%、Li2O 0〜10%、C
eO2 0.1〜2%、ZrO2 0〜2%からなること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプ、白熱
電球などに使用される電灯用ガラス組成物に関し、特に
電球型コンパクト蛍光ランプ、細径環形蛍光ランプ等の
コンパクト蛍光ランプのバルブガラスとして好適な電灯
用ガラス組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、蛍光ランプは、アーク放電によ
り発生した紫外線がガラス管壁に塗布されている蛍光体
に照射され、蛍光体から可視光が発生することにより発
光するものである。
【0003】蛍光ランプに使用されるガラスは、管状の
バルブ部とステム部に大別され、バルブ部の形状として
は、直管や直管を熱加工した環状の形状を有するものが
一般的であるが、最近では、蛍光ランプの効率化、コン
パクト化を目的に、U字管やこれを繋いだツイン管とい
ったように複雑な形状を有するコンパクト蛍光ランプが
開発されている。
【0004】当初、これら環形や複雑な形状の蛍光ラン
プの外囲器に用いられるガラス管は、加工を容易にする
ために、PbOを20〜30%程度と比較的多量に含む
低粘度の鉛ガラスで作成されていたが、現在では環境的
側面からPbOを含まないソーダライムガラスに切り替
えが進められている。この用途に使われているソーダラ
イムガラスとしては、PbO含有ガラスに近い加工性及
び電気特性を付与するためにBaOやSrOを導入した
ものなどがある。
【0005】また、蛍光ランプに要求される高輝度を維
持するために、紫外線によるガラスのソラリゼーション
着色(紫外線着色)を軽減し、かつ蛍光ランプから漏洩
する紫外線による灯具などの変色を防ぐために、ガラス
中にCeO2が導入されたものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、電球型コンパク
ト蛍光ランプや細径環形蛍光ランプに代表されるコンパ
クト蛍光ランプは、一層の高出力化・細径化による高輝
度化がはかられている。しかしランプの高出力化は、ラ
ンプ内で発生する紫外線量の増大を招き、細径化は単位
面積当たりのガラスの紫外線受光量を増大させる。その
結果、紫外線着色による可視光透過率の低下が著しくな
る。このため、バルブを構成するガラスには、より一層
の耐紫外線着色性が要求されている。
【0007】本発明の目的は、高い耐紫外線着色性を有
し、しかも加工性及び電気特性に優れた電灯用ガラス組
成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々の実験を
行った結果、SrO、CaO、MgOの含有量を制限
し、その代わりにBaOとZnOを併用することによ
り、上記目的が達成できることを見いだし、本発明とし
て提案するものである。
【0009】即ち、本発明の電灯用ガラス組成物は、質
量%表示で、SiO2 55〜80%、Al23 0〜
5%、B23 0〜9.5%、CaO 0〜5%、Mg
O0〜5%、SrO 0〜5%、CaO+MgO+Sr
O 0〜10%、BaO0.1〜20%、ZnO 0.
1〜15%、Na2O 0〜15%、K2O 0.1〜1
5%、Li2O 0〜10%、CeO2 0.1〜2%、
ZrO2 0〜2%からなることを特徴とする。
【0010】なお以下の説明では、特に断りのない限
り、「%」は「質量%」を表すものとする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者は紫外線着色によるガラ
スの透過率低下現象について詳細に調査したところ、ガ
ラスを構成するアルカリ土類金属酸化物(CaO、Mg
O、SrO、BaO)及びZnOについて興味深い知見
を得た。
【0012】一般に、アルカリ土類金属酸化物はガラス
の加工性と電気抵抗を改善するために含有される成分で
あり、PbO含有ガラスに近い加工性と電気抵抗を得る
には必須の成分であると考えられている。ところがアル
カリ土類金属酸化物を含むガラスの透過率特性は、アル
カリ土類金属酸化物の種類とその含有量に大きく左右さ
れることが本発明者の実験で明らかになった。即ち、ア
ルカリ土類金属酸化物の中でも、特にCaO、MgO、
SrOはガラスの紫外線着色を起こし易くする成分であ
ることが分かった。一方、BaOはこれらの成分と比較
すると、影響が少ない。
【0013】またZnOは、アルカリ金属酸化物と同様
にガラスの加工性を改善するが、紫外線着色を殆ど引き
起こさないことが明らかになった。
【0014】これらの知見に基づき、本発明において
は、CaO、MgO、SrOの合量を10%以下に制限
するとともに、BaO及びZnOを各々0.1%以上含
有させている。このように組成設計することにより、良
好な加工性及び高い電気抵抗を確保しながら、良好な耐
紫外線着色性を得ることができる。このため紫外線が照
射されても380nm付近における透過率の低下が少な
く、高い可視光透過率を維持できる。なお380nmに
おける透過率が高ければ、可視光域(400〜700n
m)の透過率も高くなると見なすことができる。
【0015】以下に、上記各成分について詳細に説明す
る。
【0016】CaO、MgO、SrOはより良い加工性
と高電気抵抗をガラスに与えるが、380nm付近の透
過率を大きく低下させる成分である。これらの成分の合
量が10%を超えると高輝度のランプを得ることが困難
になる。CaO、MgO及びSrOの合量の好ましい範
囲は5.5%以下、さらに好ましくは5%以下である。
【0017】またCaO、MgO及びSrOが各々5%
を超えると、紫外線照射による380nm付近の透過率
低下により、高輝度のランプを得ることが困難になる。
各成分の好ましい範囲は各々0〜3%、さらに好ましく
は各々0〜1%であるが、これら成分の含有量はできる
限り最小限に留めることが望ましい。
【0018】BaOはより良い加工性と高電気抵抗をガ
ラスに与え、PbO含有ガラスに近い加工性と電気特性
を得るには必須の成分である。また紫外線照射による透
過率低下の影響は他のアルカリ土類金属酸化物と比較す
ると小さい。従って、本発明においては、BaOを必須
成分として含有させる。BaOの含有量は0.1〜20
%、好ましくは1.5〜15%、さらに好ましくは4.
5〜12%である。BaOが0.1%より少ないとその
効果を得られず。また20%を超えると紫外線照射によ
る380nm付近の透過率低下により、高輝度のランプ
を得ることが困難になる。
【0019】ZnOは耐侯性を向上させる効果をもつ。
また加工温度域で、PbO含有ガラスと近似する粘度特
性をガラスに与える、すなわち作業温度と軟化点間の温
度差を大きくする。この有用な粘度特性は、曲げ、封
止、繋ぎなどのガラス加工時の温度ばらつきに対し、ガ
ラスの粘度のばらつきを小さくする。このため、適切な
加工粘度に対する加工温度範囲を広げることが可能にな
り、加工性を向上させる。なお、作業温度と軟化点間の
温度差は、PbO含有ガラスの場合、345℃程度であ
り、これと同等の温度差が必要である。また本発明の範
囲内では380nm付近の透過率を低下させにくくする
働きがある。ZnOの含有量は0.1〜15%、好まし
くは1〜10%、さらに好ましくは2.5〜9%であ
る。ZnOが0.1%未満では上記の効果が十分に得ら
れず、15%を越えると380nm付近の透過率低下が
大きくなり、高輝度のランプを得ることが困難になる。
【0020】なおBaOとZnOは、合量で3.5〜2
5%であることが好ましい。これらの成分がこの範囲内
にあれば、良好な加工性と電気特性を得ることが容易に
なる。これらの成分のさらに好ましい範囲は5〜25%
であり、特に9.5〜20%であることが望ましい。
【0021】また、蛍光ランプ用途に要求される耐紫外
線着色以外の特性としては以下のものが挙げられる。 蛍光ランプ内に封入される水銀ガスと反応してアマル
ガム(HgNa)を生成しないように高い化学耐久性が
求められる。具体的には、JIS R3502に示され
た測定されるアルカリ溶出量が0.7mg以下であるこ
と。 電極を直接封止するバルブ用として、或いはステムガ
ラスとして使われる場合、デュメットリード線と膨張が
整合するように、90〜100×10-7/℃の熱膨張係
数を有すること。 電極を直接封止するバルブ用として、或いはステムガ
ラスとして使われる場合、150℃における体積抵抗が
1010Ω・cm以上と高いこと。 ガラスの溶融が容易であること。 蛍光ランプ内に封入された水銀ガスは、254、28
0、297、303、313nmなどの波長をもつ紫外
線を発生させる。これら紫外線の遮蔽効果が求められ、
具体的には315nm未満の波長域で光が透過しないこ
と。
【0022】本発明のガラスにおいて、CaO、Mg
O、SrO、BaO、ZnO以外の成分の含有量は、こ
れらの諸特性を満足するために上記範囲に特定される。
【0023】CaO、MgO、SrO、BaO、ZnO
以外の成分の組成範囲を上記のように限定した理由を以
下に示す。
【0024】SiO2はガラスの骨格を形成する成分で
ある。SiO2が55%より少ないとガラス骨格の生成
が不十分となり、機械的強度、化学耐久性、体積抵抗率
が低くなる。SiO2が80%より多いとガラスの粘性
が上昇し、溶融成形が困難になる。SiO2の好ましい
範囲は60〜75%である。
【0025】Al23もガラスの骨格形成成分である。
Al23は必須成分ではないが、0.5%以上含有させ
ることにより化学耐久性を向上させ、またガラス成形時
の失透を抑制するという効果が得られる。ただし5%よ
り多いと溶融や成形が困難になる。Al23の好ましい
範囲は0.5〜5%、特に1〜4%である。
【0026】B23は化学耐久性を改善し、高温粘性を
低下させる効果がある。しかしB23は環境負荷物質で
あるため、やむを得ない場合を除き、使用しないことが
望ましい。さらにB23が9.5%より多い場合は、3
80nm付近の透過率低下を招く。B23の好ましい範
囲は0〜4.5%、さらに好ましくは0〜3%である。
【0027】Na2O、K2O、Li2Oといったアルカ
リ金属酸化物は、熱膨張係数を調整し、またガラスの粘
性を低下させて加工性を高めるために1種又は2種以上
使用する。Na2O、K2O及びLi2Oを特定の比率で
共存させると、アルカリ混合効果と呼ばれる化学耐久性
や電気絶縁性を向上させる効果が得られる。
【0028】Na2Oは必須成分ではないが、アルカリ
混合効果を得るためには2%以上含有させることが好ま
しい。一方、15%を超える場合はアルカリ混合効果が
得られず、化学耐久性が悪くなる。Na2Oの好ましい
範囲は2〜15%、特に2〜12%、さらに好ましくは
2〜10%である。
【0029】K2Oが0.1%未満の場合はその効果が
なく、15質量%を超える場合はアルカリ混合効果が得
られず、化学耐久性が悪くなる。K2Oの好ましい範囲
は0.1〜10%、さらに好ましくは2.5〜10%で
ある。
【0030】Li2Oが10%を超えると失透しやすく
なり、ガラスの成形性を悪化させる。なおLi2Oは、
膨張調整機能が他のアルカリ金属成分に比べて約2倍と
高く、少量の添加でその効果が得られる。また特に高温
粘性を低下させることから、加工温度調整のために添加
することが好ましい成分である。具体的には、Li2
を0.3%以上含有させることにより、Na2OやK2
を多量に含有させなくても、加工温度の調整やデュメッ
トリード線に適合した膨張調整を行いやすくなる。しか
もアルカリ混合効果により高い化学耐久性が得られる。
Li2Oの好ましい範囲は0.5〜6%である。
【0031】なおアルカリ金属酸化物は合量で8.5〜
20%であることが好ましい。アルカリ金属酸化物の合
量が8.5%以上であれば、デュメットリード線との膨
張の整合性が得易くなる。またアルカリ金属酸化物が少
なくなると、ガラスの粘性が上昇し加工性が悪化する傾
向が現れるが、8.5%以上含有していれば問題ない。
またアルカリ金属酸化物の合量が20%以下であれば、
デュメットリード線との膨張の整合性が得易くなる。ま
たアルカリ金属酸化物が多くなると、化学耐久性が悪化
し、輝度劣化の原因となるアマルガムの生成を起こし易
くなる傾向が現れるが、20%以下であれば問題ない。
これらの成分のさらに好ましい範囲は10.5〜20%
であり、特に12〜18%であることが望ましい。
【0032】CeO2はガラスに紫外線遮蔽効果を付与
し、かつ紫外線照射による透過率の低下を改善する効果
がある。また清澄剤としても機能する。CeO2が0.
1%より少ないとその効果は得られず、2%より多いと
ガラスが黄色に着色し、高輝度のランプを得ることが困
難になる。CeO2の好ましい範囲は0.2〜2%、特
に0.2〜1.2%、さらに好ましくは0.2〜0.9
%である。
【0033】ZrO2は化学耐久性を高める成分であ
る。また体積抵抗率を高める効果もある。これらの効果
を得るためにはZrO2が0.01%以上であることが
好ましい。ただしZrO2はガラスの粘性を上昇させて
加工性を低下させる傾向があるため、含有量の上限は2
%に制限される。ZrO2の好適な範囲は0.01〜2
%、さらに好ましくは0.05〜1%である。
【0034】以上の成分以外にも、例えば稀土類酸化物
等の光透過特性を改善する成分や、TiO2等の紫外線
着色防止効果を有する成分の添加が可能である。また清
澄剤として、Na2SO4等のSO3系原料やNaCl等
のCl系原料を添加してもよい。なお不純物として、F
23が含まれることが多いが、Feは有色イオンであ
り、透過率を低下させる要因であるので、0.1%以
下、特に0.08%以下に制限することが重要である。
またNd23のような可視光透過率を低下させる成分を
含有すべきではない。さらに環境上の理由から、PbO
やAs23を含有することも避けるべきである。
【0035】次に本発明の電灯用ガラス組成物を用いて
管状のバルブガラスを製造する方法を説明する。
【0036】工業的規模でのガラス管の製造方法は、ガ
ラスを形成する成分を含有する鉱物や精製結晶粉末を計
測混合し、炉に投入する原料を調合する調合混合工程
と、原料を溶融ガラス化する溶融工程と、溶融したガラ
スを管状に成形する成形工程と、管を所定の寸法に切断
する加工工程からなる。
【0037】まずガラス原料を調合混合する。原料は、
酸化物や炭酸塩など複数の成分からなる鉱物や不純物か
らなっており、分析値を考慮して調合すればよく、原料
は限定されない。これらを重量で計測し、Vミキサー、
ロッキングミキサー、セメント混合用ミキサー、攪拌羽
根のついたミキサーなど規模に応じた適当な混合機で混
合し、投入原料を得る。
【0038】次に原料をガラス溶融炉に投入し、ガラス
化する。溶融炉はガラス原料を溶融しガラス化するため
の溶解槽と、ガラス中の微小泡を除去するための清澄室
と、清澄されたガラスを成形に適当な粘度まで下げ、成
形装置に導くための通路(フィーダー)よりなる。溶解
槽は、耐火物や内部を白金で覆った炉が使用され、バー
ナーやガラスへの電気通電によって加熱される。バブリ
ングを行う場合、バブリング用ノズルを溶解槽底部に設
置して溶融ガラス中に気体を送り込めばよい。投入され
た原料は通常1400℃〜1600℃に保持の溶解槽で
ガラス化される。また溶解槽では、ガラス中の泡を浮上
させて泡を除去する。さらに残存する微小泡は、130
0℃〜1400℃に保持された清澄室で泡ジメされ除去
される。清澄室から出たガラスは、フィーダーを通って
成形装置に移動するうちに温度が下がり、ガラスの成形
に適した粘度104〜106dPa・sになる。
【0039】次いで成形装置にてガラスを管状に成形す
る。成形法としてはダンナー法、ベロ法、ダウンドロー
法、アップドロー法が適用可能である。
【0040】その後、管状ガラスを所定の寸法に切断す
ることにより、管状のバルブガラスを得ることができ
る。また必要に応じて、得られたバルブガラスをさらに
所望の形状に加工して使用に供してもよい。
【0041】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0042】(実施例1)まずSiO2 69.1%、
Al23 2.7%、CaO 1.0%、MgO0.5
%、BaO 8.0%、ZnO 3.5%、Na2
7.9%、K2O4.4%、Li2O 2.3%、CeO
2 0.4%、ZrO2 0.2%の組成となるようにガ
ラス原料を調合した。さらに調合した原料をライカイ機
と呼ばれる乳鉢式擂り潰し攪拌機で10分間攪拌し、5
00gの原料バッチを得た。なお使用した原料は、Si
2原料として比較的Fe不純物が少ない海岸砂(Si
2分99.8%)を、CeO2原料としてガラス工業用
酸化セリウム(CeO2分99.8%以上)を、その他
の酸化物原料は、主として量産に適した一般的に使用さ
れるもののうち、できる限り安価な工業用ガラス原料を
使用した。また酸化剤には硝酸ナトリウムを使用した。
【0043】次に原料バッチを容量300cm3の白金
ロジウム合金製の坩堝に入れ、箱型電気炉にて1450
〜1500℃で4時間溶融した。なお溶融開始後30分
毎に白金攪拌棒を用いて計3回攪拌を行った。
【0044】続いて溶融ガラスをカーボン製成形板上に
流し出し、560℃に保持された箱型カンタル式アニー
ル炉内に入れ、4℃/分の平均冷却速度で炉冷した。さ
らにアニール後のガラス塊から試料(No.1)を作製
し、評価に共した。
【0045】その結果、線膨張係数が95.8×10-7
/℃、軟化点が650℃、作業温度が990℃、150
℃における体積抵抗率が1011Ω・cm、アルカリ溶出
量が0.3mgであった。また波長380nmでの透過
率は、紫外線照射前が90.2%、照射後が87.4%
であった。紫外線の吸収端は336nmであった。
【0046】以上より、No.1の試料は電球型コンパ
クト蛍光ランプ、細径環形蛍光ランプ等のコンパクト蛍
光ランプのバルブガラスとして好適なガラスであること
が分かる。
【0047】なお線膨張係数は、30〜380℃におけ
る平均線熱膨張係数を示すものであり、ディラトメータ
ーを用いて測定した。軟化点は107.6dPa・sの粘
度を示す温度、作業温度は104dPa・sの粘度を示
す温度であり、それぞれASTMで規定されるファイバ
ー引っ張り法、及び白金球引き上げ法を用いて求めた。
体積抵抗率は、ASTM C657−78に基づき測定
し、150℃での抵抗値を示した。アルカリ溶出量は、
JIS R−3502に基づいて測定したものである。
【0048】波長380nmでの光透過率及び紫外線吸
収端は、次のようにして求めた。まず30倍視野の光学
顕微鏡にて研磨傷が確認できない程度に光学研磨された
30×10mm、肉厚1.0±0.02mmの試料を用
意した。次に分光光度計(島津製作所製UV3100P
C)にて200〜800nmにおける透過率を測定し、
380nmでの透過率及び紫外線吸収端を求めた。なお
紫外線吸収端は、光透過率曲線の短波長側で実質的に透
過率が0%と見なし得る波長とした。続いて、UVドラ
イプロセッサー 型番VUM−3073−B−00
((株)オーク製作所製)を用い、256nmに主波長を
有する紫外線を試料に7.5mw/cm2の照度で3時
間照射した後、再度透過率を測定し、紫外線照射後の3
80nmにおける透過率を求めた。
【0049】(実施例2)表1〜3は、紫外線照射前後
の380nmにおける透過率に対するアルカリ土類酸化
物及びZnOの影響を評価したものである。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】各試料は、実施例1と同様にして調製し、
評価に供した。
【0054】表1から、BaOの一部をCaO、Sr
O、又はMgOに置換すると紫外線着色による透過率の
低下が大きくなるが、ZnOに置換すると大幅に改善さ
れることが分かる。また表2から、ZnOの含有量が変
化しても、紫外線照射前後の透過率に殆ど影響を与えな
いことが分かる。さらに表3から、BaO一定の条件
で、SrO及びMgOをZnOに置換すると、紫外線照
射前後の透過率がともに改善されることが分かる。
【0055】(実施例3)表4〜6は本発明の実施例
(試料No.12〜24)を、表7は比較例(試料N
o.25〜27)をそれぞれ示している。なお各試料
は、実施例1に準じて調製し、評価した。
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】表4〜7から、本発明の実施例である試料
No.12〜24は加工性及び電気特性に優れ、さらに
紫外線着色による透過率の低下が小さかった。またZn
O含有量が10%以下であるNo.12〜23の各試料
は、紫外線照射前後の透過率が87.6%以上であり、
高い透過率を有していた。
【0061】これらの実施例に対し、比較例であるN
o.25の試料は、紫外線遮蔽能が不足していた。また
No.26の試料は、紫外線着色による透過率低下が大
きかった。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電灯用ガ
ラスは、紫外線の照射を受けた後も高い透過率を維持
し、紫外線遮蔽能が高いために管外への紫外線の漏洩が
殆ど無く、しかも加工性や電気特性にも優れているため
に、高輝度のコンパクト蛍光ランプのバルブガラスとし
て好適である。なお、本明細書においては、主としてコ
ンパクト蛍光ランプのバルブ用ガラスについて説明した
が、本発明のガラスはこれらに限られるものではなく、
他のランプ用途にも使用可能である。例えば自動車電球
用バルブ、液晶ディスプレーのバックライトに用いられ
る蛍光ランプのバルブ、平面ランプのカバーガラス(前
面板)のような耐紫外線着色及び紫外線遮蔽性が要求さ
れる用途に好適に使用可能である。またこれ以外にも、
ステム、排気管等の他の照明用部材に使用しても差し支
えない。
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Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%表示で、SiO2 55〜80
    %、Al23 0〜5%、B23 0〜9.5%、Ca
    O 0〜5%、MgO 0〜5%、SrO 0〜5%、
    CaO+MgO+SrO 0〜10%、BaO 0.1
    〜20%、ZnO 0.1〜15%、Na2O 0〜1
    5%、K2O 0.1〜15%、Li2O0〜10%、C
    eO2 0.1〜2%、ZrO2 0〜2%からなること
    を特徴とする電灯用ガラス組成物。
  2. 【請求項2】 Na2O+K2O+Li2Oが8.5〜2
    0質量%であることを特徴とする請求項1の電灯用ガラ
    ス組成物。
  3. 【請求項3】 BaO+ZnOが3.5〜25質量%で
    あることを特徴とする請求項1の電灯用ガラス組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかの組成を有するガ
    ラスからなることを特徴とする蛍光ランプ用バルブ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れかの組成を有するガ
    ラスからなることを特徴とする電球用バルブ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3の何れかの組成を有するガ
    ラスからなることを特徴とする電灯用ステム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3の何れかの組成を有するガ
    ラスからなることを特徴とする電灯用排気管。
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JP2006188420A (ja) * 2005-01-04 2006-07-20 Schott Ag ガラスおよびガラスセラミックの紫外線吸収を調整する方法ならびにガラスおよびガラスセラミックを有する発光手段
JP2011088763A (ja) * 2009-10-20 2011-05-06 Asahi Glass Co Ltd ディスプレイ装置用ガラス板、ディスプレイ装置用板ガラスおよびその製造方法

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