JP4686492B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンに関し、詳しくは、スロットル弁の作動不良を防止することができるエンジンに関するものである。
従来のエンジンとして、本発明と同様、スロットル弁の上流に上流側ブリーザ出口を開口させ、上流側ブリーザ出口を上流側ブリーザ通路を介してブリーザ室に連通させ、スロットル弁の下流に下流側ブリーザ出口を開口させ、下流側ブリーザ出口を下流側ブリーザ通路を介してブリーザ室に連通させたエンジンがある。
上記従来技術では、ブリーザ室から上流側ブリーザ通路と下流側ブリーザ通路とを個別に導出している。
上記従来技術では、次の問題がある。
《問題》 スロットル弁が作動不良を起こしやすい。
ブリーザ室から上流側ブリーザ通路と下流側ブリーザ通路とを個別に導出しているので、上流側ブリーザ通路に流入したオイルは、ブリーザ室に吸い戻される場合を除き、必ずスロットル弁の上流に流出する。このため、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルがスロットル弁に付着しやすく、スロットル弁に炭化物等が付着し、スロットル弁が作動不良を起こしやすい。
本発明は、上記問題点を解決することができるエンジン、すなわち、スロットル弁の作動不良を防止することができるエンジンを提供することを課題とする。
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1(A)に例示するように、スロットル弁(7)の上流に上流側ブリーザ出口(52)を開口させ、上流側ブリーザ出口(52)を上流側ブリーザ通路(52a)を介してブリーザ室(56)に連通させ、
スロットル弁(7)の下流に下流側ブリーザ出口(53)を開口させ、下流側ブリーザ出口(53)を下流側ブリーザ通路(53a)を介してブリーザ室(56)に連通させたエンジンにおいて、
図4(A)(B)に例示するように、ブリーザ室(56)から共用ブリーザ通路(54)を導出し、共用ブリーザ通路(54)から上流側ブリーザ通路(52a)と下流側ブリーザ通路(53a)とを分岐させ、
図1(A)に例示するように、スロットルボディ(5)に燃料供給手段(11)を取り付け、この燃料供給手段(11)からスロットルボディ(5)のスロットル吸気通路(6)内で吸気に液体燃料を供給し、
図10(A)に例示するように、スロットルボディ(5)に吸気圧検出センサ(15)の取付孔(20)をあけ、この取付孔(20)に吸気圧導入通路(18)を連通させ、取付孔(20)を下向きに形成し、この取付孔(20)に吸気圧検出センサ(15)を取り付け、この取付孔(20)の下方に液体燃料溜め(21)を設け、この液体燃料溜め(21)の上部で吸気圧導入通路(18)の通路出口(18b)を開口させ、
図1(A)、図2(A)に例示するように、吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)は、上記下流側ブリーザ出口(53)の上流で、スロットルボディ(5)のスロットル吸気通路(6)の内周面に開口させた、ことを特徴とするエンジン。
(請求項1に係る発明)
《効果》 スロットル弁の作動不良を防止することができる。
図4(A)(B)に例示するように、ブリーザ室(56)から共用ブリーザ通路(54)を導出し、共用ブリーザ通路(54)から上流側ブリーザ通路(52a)と下流側ブリーザ通路(53a)とを分岐させたので、上流側ブリーザ通路(52a)内に流入したエンジンオイルを、スロットル弁(7)の上流側と下流側の圧力差によって下流側ブリーザ通路(53a)に吸い出すことができる。このため、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルがスロットル弁(7)に付着し、スロットル弁(7)に炭化物等が付着する不具合が抑制され、これに起因するスロットル弁(7)の作動不良を防止することができる。
《効果》 吸気圧検出センサによる吸気圧の検出が安定化する。
図10(A)に示すように、スロットルボディ(5)に吸気圧検出センサ(15)の取付孔(20)をあけ、この取付孔(20)に吸気圧導入通路(18)を連通させている。取付孔(20)を下向きに形成し、この取付孔(20)に吸気圧検出センサ(15)を取り付け、この取付孔(20)の下方に液体燃料溜め(21)を設け、この液体燃料溜め(21)の上部で吸気圧導入通路(18)の通路出口(18b)を開口させているので、吸気圧導入通路(18)に進入した液体燃料は、吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)からスロットル吸気通路(6)に流出する他、吸気圧導入通路(18)の通路出口(18b)から液体燃料溜め(21)に流出することもでき、吸気圧導入通路(18)での液体燃料の詰まりが起こりにくい。また、吸気圧導入通路(18)に進入した液体燃料やごみは液体燃料溜め(21)に溜まり、吸気圧検出センサ(15)に接触しないため、吸気圧検出センサ(15)の故障や感度の低下を防止できる。このため、吸気圧検出センサ(15)による吸気圧の検出が安定化する。
(請求項2に係る発明)
請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 燃料供給装置がコンパクトになる。
スロットル入力アーム(22)の後に燃料供給手段(11)を配置し、スロットル入力アーム(22)の横に吸気圧検出センサ(15)の取付孔(20)のボス(20a)を配置したので、スロットル入力アーム(22)の後空間と横空間とをそれぞれ燃料供給手段(11)とボス(20a)の配置空間として有効利用することができ、燃料供給関連部品がスロットルボディ(5)に集約化され、燃料供給装置がコンパクトになる。
(請求項3に係る発明)
請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 スロットル弁の作動不良を防止することができる。
図5(B)に示すように、共用ブリーザ通路(54)から下流側ブリーザ出口(53)に向けて、下流側ブリーザ通路(53a)を下向きに方向付けたので、下流側ブリーザ通路(53a)に流れ込んだエンジンオイルが速やかに下流側ブリーザ出口(53)から流出し、上流側ブリーザ通路(52a)内のエンジンオイルが下流側ブリーザ通路(53a)に吸い出されやすい。このため、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルがスロットル弁(7)に付着し、スロットル弁(7)に炭化物等が付着する不具合が抑制され、これに起因するスロットル弁(7)の作動不良を防止することができる。
(請求項4に係る発明)
請求項1から請求項3のいずれかの発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 ブリーザ室からの過剰なエンジンオイルの吸出しを防止することができる。
図1(A)に例示するように、下流側ブリーザ通路(53a)の通路断面積を上流側ブリーザ通路(52a)の通路断面積よりも小さくしたので、下流側ブリーザ通路(53a)の通路抵抗が大きくなる。このため、図2(A)に例示するように、スロットル弁(7)が全閉姿勢(7b)或いは全閉寄り姿勢(7c)となり、スロットル弁(7)の下流側の吸気圧がかなり低くなっても、ブリーザ室(56)からの過剰なエンジンオイルの吸出しを防止することができる。
(請求項5に係る発明)
請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 エンジンオイルの無駄な消費を低減させることができる。
図4(C)に例示するように、ブリーザ室(56)の入口(56b)をロッカアーム(55)の真上から偏倚した位置で、ブリーザ室(56)の底壁(56b)よりも低い位置に配置したので、ブリーザ室(56)にエンジンオイルが進入しにくい。このため、ブリーザ室(56)からのエンジンオイルの連れ出しが抑制され、エンジンオイルの無駄な消費を低減させることができる。
(請求項6に係る発明)
請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 スロットル弁の作動不良を防止することができる。
図5(A)に例示するように、共用ブリーザ通路(54)から突出した上流側ブリーザ通路(52a)の始端部(52b)を上向きに方向付けたので、上流側ブリーザ通路(52a)内に流入したエンジンオイルが下流側ブリーザ通路(53a)に吸い出されやすい。このため、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルがスロットル弁(7)に付着し、スロットル弁(7)に炭化物等が付着する不具合が抑制され、これに起因するスロットル弁(7)の作動不良を防止することができる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図10は本発明の実施形態に係るエンジンを説明する図で、この実施形態では、立形水冷式の4サイクル直列3気筒の電子燃料噴射式エンジンについて説明する。
本発明の実施形態の概要は、次の通りである。
図7に示すように、このエンジンは、シリンダブロック(24)の上部にシリンダヘッド(1)を組み付け、シリンダヘッド(1)の上部にヘッドカバー(25)を組み付け、シリンダブロック(24)の下部にオイルパン(26)を組み付け、シリンダブロック(24)の前部にギヤケース(27)を組み付け、シリンダブロック(24)の後部にフライホイル(28)を配置して構成されている。ギヤケース(27)の前部にはエンジン冷却ファン(29)を配置している。
図6に示すように、シリンダヘッド(1)に吸気分配通路(2)を取り付け、この吸気分配通路(2)で複数のシリンダ(3)に混合気を分配し、この吸気分配通路(2)の単一の分配通路入口(4)にスロットルボディ(5)を取り付け、このスロットルボディ(5)に燃料供給手段(11)を取り付けている。
図3に示すように、吸気分配通路(2)は一般に吸気マニホルドと呼ばれるものであるが、枝管を有しない箱形のものであるため、特に、吸気分配通路(2)と呼ぶことにする。シリンダ(3)の数は3本で、エンジン冷却ファン(29)側から第1シリンダ、第2シリンダ、第3シリンダと呼ぶことにする。単一の分配通路入口(4)は、吸気分配通路(2)の第3シリンダ側の端部に配置され、図3に示すように、シリンダ中心軸線(30)と平行な向きに見て、フライホイル(28)側を後として、クランク軸中心軸線(31)に対して60°の角度で斜め後に向けられている。スロットルボディ(5)に供給される液体燃料はガソリンである。
点火順序は、第1シリンダ、第2シリンダ、第3シリンダの順で、点火間隔はほぼ240°(クランク角)である。
燃料供給の概要は、次の通りである。
図1(A)に示すように、スロットルボディ(5)に燃料供給手段(11)を取り付け、この燃料供給手段(11)からスロットルボディ(5)のスロットル吸気通路(6)内で吸気に液体燃料を供給する。
図1(A)に示すように、スロットルボディ(5)内にスロットル吸気通路(6)を設け、このスロットル吸気通路(6)内にバタフライ型のスロットル弁(7)を配置し、スロットル弁(7)をメカニカルガバナ(42)に連動連結し、スロットル弁(7)の開度に基づいて吸気量を調節し、この吸気量に対応した量の燃料を燃料供給手段(11)から吸気に供給するようにしている。メカニカルガバナ(42)は調速レバー(43)に連動連結している。
このエンジンでは、図2(A)に示すように、スロットル弁(7)が全閉寄り姿勢(7c)となる低速軽負荷運転時には、図1(A)に示すガバナ力(42a)が小さいため、これと釣り合うガバナスプリング(42b)のバネ力(42c)は小さく、負荷が増加しても、スロットル弁(7)の開弁速度が遅い。
スロットルボディの工夫は、次の通りである。
図2(A)に示すように、スロットル吸気通路(6)の内周面のうち、スロットル弁(7)周囲の所定幅の環状内周面を弁周囲内周面(6d)、この弁周囲内周面(6d)と隣接する環状内周面を隣接内周面(6e)とし、スロットル弁(7)のうち、弁軸(12)から最も離れた部分を揺動端部(7a)として、隣接内周面(6e)を、弁周囲内周面(6d)の端縁(6f)から離れるにつれて次第に通路断面積が大きくなる形状(内径が大きくなる形状)とし、低速軽負荷運転時に全閉寄り姿勢(7c)となったスロットル弁(7)の揺動端部(7a)が隣接内周面(6e)内で揺動するようにしている。
この構成により、スロットル弁(7)の開弁速度が遅い低速軽負荷運転時であっても、負荷の増加によってスロットル弁(7)が僅かに開いただけで、吸気の増量が速やかに行われ、負荷の増加に対する燃料供給の遅れを抑制することができる。
このエンジンでは、全閉姿勢(7b)を開度0%、全開姿勢(7d)を開度100%とし、その間の角度を100等分し、全閉姿勢(7b)から開いた角度の割合を開度とた場合、全閉寄り姿勢(7c)とは、例えば、開度10〜40%、20〜40%、30〜40%等の範囲をいう。
図2(A)に示すように、隣接内周面(6e)を、弁周囲内周面(6d)の上流側端縁(6f)から上流側に向かって次第に通路断面積(内径)が大きくなる円錐台のテーパ形状としている。
この構成により、スロットル吸気通路(6)の吸気抵抗が小さくなる。
燃料供給制御の工夫は、次の通りである。
図1(A)に示すように、スロットルボディ(5)に吸気圧導入通路(18)を形成し、その吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)をスロットル吸気通路(6)の内周面で開口させ、吸気圧導入通路(18)を介してスロットル吸気通路(6)の吸気圧を吸気圧検出センサ(15)に導入し、この吸気圧検出センサ(15)とエンジン回転数検出センサ(16)とを制御手段(17)を介して燃料供給手段(11)に連携させ、スロットル吸気通路(6)の吸気圧とエンジン回転数との検出に基づいて、制御手段(17)で燃料供給手段(11)から吸気量に対応する量の燃料を吸気に供給するようにしている。
この構成により、空燃比を正確に設定することができる。
具体的には、吸気圧とエンジン回転数と検出に基づいて吸気量を算出し、この吸気量に基づいて必要な燃料供給量を割り出し、割り出した量の燃料を吸気に供給する。
吸気圧検出センサ(15)は吸気温度を検出する機能を備え、制御手段(17)は吸気温度に基づいて液体燃料噴射量を補正する。制御手段(17)はマイコンである。
図2(B)に示すように、スロットル吸気通路(6)の弁周囲内周面(6d)をベンチュリ部(6i)とし、このベンチュリ部(6i)で吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)を開口している。
この構成により、内径一定の環状内周面で開口した場合に比べ、スロットル弁(7)の開度の変化を吸気圧に基づいて正確に検出することができ、負荷に応じたきめ細かい燃料供給の制御を行うことができる。
その理由は、次の通りである。
ベンチュリ部(6i)で吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)を開口した場合には、内径一定の環状内周面で開口した場合に比べ、スロットル弁(7)の全閉姿勢(7b)時に検出される吸気圧がかなり低下する。全開姿勢(7d)時に検出される吸気圧はあまり変わらない。このため、ベンチュリ部(6i)で吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)を開口すると、内径一定の環状内周面で開口した場合に比べ、スロットル弁(7)の全開姿勢(7d)時と全閉姿勢(7b)時の吸気圧の格差が大きくなり、吸気圧の検出幅が広がり、スロットル弁(7)の開度の変化を吸気圧に基づいて正確に検出することができるのである。
このベンチュリ部(6i)は通路断面が円形で、各部の直径は、上流側端縁(6f)、下流側端縁(6g)、中央部の順に1mmずつ小さくなっている。
ベンチュリ部(6i)は吸気通路の内周面であれば、弁周囲内周面(6d)とは別の箇所に設けてもよい。
図2(A)に示すように、スロットル弁(7)の弁軸(12)と直交するスロットル吸気通路(6)の径方向を左右横方向として、吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)を、スロットル吸気通路(6)の横内周面に配置するに当たり、スロットル弁(7)の全閉姿勢(7b)時に弁軸(12)を境界として左右に区分されるスロットル弁(7)の弁左右横半部のうち、スロットル弁(7)の開弁時にスロットル弁(7)の弁軸(12)よりも下流側に向けられる部分を下流指向側半部(7e)として、スロットル弁(7)の開弁途中に下流指向側半部(7e)が向かうスロットル吸気通路(6)の横内周面とは反対側の横内周面(6j)に、吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)を配置している。
この構成により、吸気圧の検出が下流指向側半部(7a)で案内された吸気流によって乱されることがなく、吸気圧の検出を正確に行うことができる。
シリンダに吸気を均等に分配する工夫は、次の通りである。
図3に示すように、シリンダ(3)を3本設け、シリンダヘッド(1)に吸気分配通路(2)を取り付け、この吸気分配通路(2)の単一の分配通路入口部(4)に単一のスロットルボディ(5)を取り付けている。
この構成により、3本のシリンダ(3)に対し、スロットルボディ(5)が1個で済み、エンジンの製造コストを安くすることができる。
図1(A)または図2(A)に示すように、分配通路入口部(4)内にブリーザ出口(51)を臨ませている。
この構成により、ブリーザ出口(51)から吸い出されるクランクケース内の空気やブローバイガスは、分配通路入口部(4)内で吸気と混じり合いながら吸気分配通路(2)に流出し、各シリンダ(3)に均等に分配される。このため、各シリンダ(3)への吸気の分配量を均等化することができる。
このエンジンでは、分配通路入口部(4)内の吸気には既に燃料が供給され、既に混合気となっているため、ブリーザ出口(51)から吸い出されるクランクケース内の空気やブローバイガスは、分配通路入口部(4)内で混合気と混じり合いながら吸気分配通路(2)に流出し、各シリンダ(3)に均等に分配されることになる。このため、各シリンダ(3)への混合気の空燃比も均等化することができる。
ブリーザ出口(51)は、吸気分配通路(2)の分配通路入口部(4)に限らず、スロットル吸気通路(6)の通路出口(6h)から吸気分配通路(2)の分配通路入口部(4)までの領域内の適当な箇所に臨ませることができる。
図2(A)に示すように、スロットル吸気通路(6)の中心軸線(6a)の方向を前後方向、スロットル弁(7)の弁軸(12)よりも下流側を後として、スロットル弁(7)の弁軸(12)と平行な向きに見て、ブリーザ出口(51)を弁軸(12)の真後ろに配置している。
この構成により、ブリーザ出口(51)から吸い出されるクランクケース内の空気やブローバイガスは、弁軸(12)の真後ろに生じる乱流で、吸気に巻き込まれ、吸気中に均一に分散され、吸気分配通路(2)に導入される。このため、各シリンダ(3)への吸気の分配量を均等化することができる。
このエンジンでは、ブリーザ出口(51)付近を通過する吸気には既に燃料が供給され、混合気となっているため、ブリーザ出口(51)から吸い出されるクランクケース内の空気やブローバイガスは、弁軸(12)の真後ろに生じる乱流で、混合気に巻き込まれ、混合気中に均一に分散され、吸気分配通路(2)に導入されることになる。このため、各シリンダ(3)に分配される混合気の空燃比も均等化することができる。
弁軸(12)の真後ろとは、図2(A)に示すように、弁軸(12)と平行な向きに見て、弁軸(12)からスロットル吸気通路(6)の中心軸線(6a)に沿って後方に移動した位置をいう。
図1(A)に示すように、各シリンダ(3)に点火プラグ(36)を設け、この点火プラグ(36)の点火回路(37)を制御手段(17)を介してクランク軸位相検出センサ(38)に連携させ、クランク軸(39)の位相検出に基づいて、制御手段(17)で各シリンダ(3)の燃焼サイクルの所定時期毎に点火プラグ(36)から火花を飛ばす点火時期制御を行うに当たり、圧縮比が低くなるシリンダ(3)ほど点火時期を早める。
この構成により、圧縮比が低くなるシリンダ(3)ほど点火時期を早めるので、不完全燃焼が起こりにくく、排気ガス中の有害成分の含有量が低下する。また、圧縮比が高くなるシリンダ(3)ほど点火時期を遅くすることになるので、ノッキングが抑制され、燃焼騒音が低下する。このため、排気ガス性能と運転の静粛性が高まる。
このエンジンでは、シリンダ(3)の圧縮比はスロットルボディ(5)から離れるほど低くなり、第1シリンダ(3)の圧縮比が最も低く、第3シリンダ(3)の圧縮比が最も高く、第2シリンダ(3)の圧縮比はそれらの中間の高さとなる。
このエンジンでは、点火時期は圧縮行程の上死点手前30°〜15°(クランク角)の範囲内で設定している。
例えば、所定回転数・所定負荷の場合、第1シリンダは圧縮行程の上死点手前23°で、第2シリンダは同21°で、第3シリンダは同19°でそれぞれ点火を行う。
制御方式は、次の通りである。
エンジン回転数とスロットル吸気通路(6)の吸気圧とクランク軸(39)の位相の検出により、点火時期制御マップに基づいて、制御手段(17)が各シリンダ(3)の点火時期を制御する。
詳しくは、各シリンダ(3)毎の異なる点火時期制御マップに基づいて、制御手段(17)が各シリンダ(3)の点火時期制御を行う。
この構成により、各シリンダ(3)毎のきめの細かい点火時期の制御を実施することができる。
各点火時期制御マップには、エンジン回転数とスロットル吸気通路(6)の吸気圧とを入力値とし、この入力値に対応する所定速度・所定負荷運転時に最適な各シリンダ(3)毎の点火時期を出力値とするデータを記憶させている。
燃料供給の工夫は、次の通りである。
スロットル吸気通路(6)内に単一の燃料供給手段(11)を臨ませ、この単一の燃料供給手段(11)を制御手段(17)を介してクランク軸位相検出センサ(38)に連携させ、クランク軸(39)の位相検出に基づいて、制御手段(17)で、各シリンダ(3)の燃焼サイクルの所定時期毎に、各シリンダ(3)に供給する燃料を単一の燃料供給手段(11)からスロットル吸気通路(6)内で吸気に供給する燃料供給制御を行うに当たり、同じ燃料供給量では混合気の燃料濃度が薄くなるシリンダ(3)への燃料供給ほど燃料供給量を多くする。
この構成により、各シリンダ(3)に分配される混合気の空燃比を均等化することができる。
このエンジンでは、同じ燃料供給量では、シリンダ(3)に供給される混合気の燃料濃度は、スロットルボディ(5)から離れるほど薄くなり、第1シリンダ(3)の燃料濃度が最も薄く、第3シリンダ(3)の燃料濃度が最も濃く、第2シリンダ(3)の燃料濃度はそれらの中間の濃さとなる。
燃料供給手段(11)は、スロットル吸気通路(6)から吸気分配通路(2)の分配通路入口部(4)までの領域内の適当な箇所に臨ませることができる。
このエンジンでは、燃料供給手段(11)にインジェクタ(8)を用いているため、同じ燃料噴射量では混合気の燃料濃度が薄くなるシリンダ(3)への燃料噴射ほど燃料噴射量を多くすることになる。
また、同じ燃料供給開始時期では混合気の燃料濃度が薄くなるシリンダ(3)への燃料供給ほど燃料供給開始時期を早める。
この構成により、燃料濃度が薄くなりやすいシリンダ(3)に供給されるべき燃料が吸気分配通路(2)に残留して、他のシリンダ(3)に供給されてしまう不具合を防止することができる。このため、各シリンダ(3)に分配される混合気の空燃比を均等化することができる。
このエンジンでは、燃料供給手段(11)にインジェクタ(8)を用いているため、同じ燃料噴射開始時期では混合気の燃料濃度が薄くなるシリンダ(3)への燃料噴射ほど燃料噴射開始時期を早めることになる。
このエンジンでは、燃料噴射開示時期は、吸気行程の上死点手前50°〜上死点後50°(クランク角度)の範囲内で設定している。
例えば、所定回転数・所定負荷の場合、第1シリンダへの燃料供給は第1シリンダの吸気行程の上死点手前10°で、第2シリンダへの燃料供給は第2シリンダの吸気行程の上死点で、第3シリンダへの燃料供給は第3シリンダの吸気行程の上死点後10°でそれぞれ燃料噴射を開始する。
制御方式は、次の通りである。
エンジン回転数とスロットル吸気通路(6)の吸気圧とクランク軸(39)の位相の検出により、燃料供給制御マップに基づいて、制御手段(17)が各シリンダ(3)の燃料供給を制御する。
詳しくは、各シリンダ(3)毎の異なる燃料供給制御マップに基づいて、制御手段(17)で各シリンダ(3)への燃料供給を制御するようにした。
この構成により、各シリンダ(3)毎にきめの細かい燃料供給の制御を実施することができる。
各燃料供給制御マップには、エンジン回転数とスロットル吸気通路(6)の吸気圧とを入力値とし、この入力値に対応する所定速度・所定負荷運転時に最適な各シリンダ(3)への燃料供給開始時期と燃料供給量とを出力値とするデータを記憶させている。
このエンジンでは、燃料供給手段(11)にインジェクタ(8)を用いているため、燃料噴射制御マップに基づいて、制御手段(17)が各シリンダ(3)の燃料噴射を制御することになる。
図3に示すように、シリンダヘッド(1)の側面に複数のシリンダ(3)の配列方向に沿う長手状の箱型吸気通路壁(2a)を取り付け、この箱型吸気通路壁(2a)内に長手方向に真っ直ぐに連続した吸気分配通路(2)を形成し、長手方向に所定間隔を保持して、各シリンダ(3)の吸気ポート入口(3a)を吸気分配通路(2)内に臨ませた。
この構成により、吸気分配通路(2)内で吸気の停滞が起こりにくく、各シリンダ(3)への吸気の分配量を均等化することができる。
このエンジンでは、吸気分配通路(2)内を通過する吸気には既に燃料が供給され混合気となっているため、吸気分配通路(2)内で混合気の停滞が起こりにくく、各シリンダ(3)に分配される混合気の空燃比も均等化することができる。
吸気分配通路(2)の通路断面積は、スロットルボディ(5)に近い部分が最も大きく、遠い部分が最も小さく、中間部分はそれらの中間の大きさとなっている。
ブリーザ装置の工夫は、次の通りである。
図1(A)に示すように、スロットル弁(7)の上流に上流側ブリーザ出口(52)を開口させるに当たり、スロットル弁(7)の下流にも下流側ブリーザ出口(53)を開口させている。
この構成により、スロットル弁(7)の上流へのブローバイガスの吸い込み量を少なくすることができる。このため、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルがスロットル弁(7)の弁軸(12)に付着し、弁軸(12)に炭化物等が付着する不具合が抑制され、これに起因するスロットル弁(7)の作動不良を防止することができる。
なお、上流側ブリーザ出口(52)は吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)よりも上流に配置し、下流側ブリーザ出口(53)は吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)よりも下流に配置しているため、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルが吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)に詰まりにくい。
図4(A)(B)に示すように、ブリーザ室(56)から共用ブリーザ通路(54)を導出し、共用ブリーザ通路(54)から上流側ブリーザ通路(52a)と下流側ブリーザ通路(53a)とを分岐させた。
この構成により、上流側ブリーザ通路(52a)内に溜まったエンジンオイルを、スロットル弁(7)の上流側と下流側の圧力差によって下流側ブリーザ通路(53a)に吸い出すことができる。このため、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルがスロットル弁(7)に付着し、スロットル弁(7)(特に弁軸(12))に炭化物等が付着する不具合が抑制され、これに起因するスロットル弁(7)の作動不良を防止することができる。
図5(A)に示すように、共用ブリーザ通路(54)から突出する上流側ブリーザ通路(52a)の始端部(52b)を上向きに方向付けている。
この構成により、上流側ブリーザ通路(52a)内のエンジンオイルが下流側ブリーザ通路(53a)に吸い出されやすい。このため、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルがスロットル弁(7)に付着し、スロットル弁(7)(特に弁軸(12))に炭化物等が付着する不具合が抑制され、これに起因するスロットル弁(7)の作動不良を防止することができる。
上流側ブリーザ通路(52a)の始端部(52b)は共用ブリーザ通路(54)から斜め上向きに上り傾斜させている。
図5(B)に示すように、共用ブリーザ通路(54)の導出端から下流側ブリーザ出口(53)に向けて、下流側ブリーザ通路(53a)を下向きに方向付けている。
この構成により、下流側ブリーザ通路(53a)に流れ込んだエンジンオイルが速やかに下流側ブリーザ出口(53)から流出し、上流側ブリーザ通路(52a)内のエンジンオイルが下流側ブリーザ通路(53a)に吸い出されやすい。このため、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルがスロットル弁(7)に付着し、スロットル弁(7)(特に弁軸(12))に炭化物等が付着する不具合が抑制され、これに起因するスロットル弁(7)の作動不良を防止することができる。
図1(A)に示すように、上流側ブリーザ出口(52)をブリーザ室(56)に連通させる通路を上流側ブリーザ通路(52a)、下流側ブリーザ出口(53)をブリーザ室(56)に連通させる通路を下流側ブリーザ通路(53a)とし、下流側ブリーザ通路(53a)の通路断面積を上流側ブリーザ通路(52a)の通路断面積よりも小さくしている。
この構成により、下流側ブリーザ通路(53a)の通路抵抗が大きくなる。このため、図2(A)に示すように、スロットル弁(7)が全閉姿勢(7b)或いは全閉寄り姿勢(7c)となり、スロットル弁(7)の下流側の吸気圧がかなり低くなっても、ブリーザ室(56)からの過剰なエンジンオイルの吸出しを防止することができる。
図4(C)に示すように、シリンダヘッド(1)の上部にヘッドカバー(25)を取り付け、このヘッドカバー(25)でロッカアーム(55)を覆い、このヘッドカバー(25)の天井部にブリーザ室(56)を配置するに当たり、ブリーザ室(56)の入口(56a)をロッカアーム(55)の真上から偏倚した位置で、ブリーザ室(56)の底壁(56b)よりも低い位置に配置している。
この構成により、ブリーザ室(56)にエンジンオイルが進入しにくい。このため、ブリーザ室(56)からのエンジンオイルの連れ出しが抑制され、エンジンオイルの無駄な消費を低減させることができる。
他の工夫について説明する。
図1(A)に示すように、インジェクタ(8)の先端部(9)をスロットル弁(7)よりも下流でスロットル吸気通路(6)内に臨ませ、図1(B)に示すように、このインジェクタ(8)の先端部(9)に液体燃料噴射口(10)をあけている。
図1(A)に示すように、スロットル吸気通路(6)の吸気通路入口(6b)に吸気パイプ接続管(34)を取り付け、この吸気パイプ接続管(34)にエアクリーナ(図外)から導出した吸気パイプ(35)の導出端部を接続している。
スロットル弁とインジェクタとの関係は、次の通りである。
図1(A)と図2(A)に示すように、インジェクタ(8)の先端部(9)をスロットル弁(7)よりも下流でスロットル吸気通路(6)内に臨ませ、このインジェクタ(8)の先端部(9)に液体燃料噴射口(10)をあけている。
この構成により、液体燃料噴射口(10)から噴射された液体燃料の微細な油滴がスロットル弁(7)の下流で生じる後流(乱流)に巻き込まれ、液体燃料の霧化が促進され、各シリンダ(3)に分配される混合気の空燃比を均等化できる。
図2(A)(B)に示すように、スロットル吸気通路(6)の中心軸線(6a)の方向を前後方向、スロットル弁(7)の弁軸(12)よりも下流側を後として、スロットル弁(7)の弁軸(12)の真後ろにインジェクタ(8)の先端部(9)を配置し、このインジェクタ(8)の中心軸線(8a)からインジェクタ(8)の先端部(9)を経てスロットル吸気通路(6)内に延長されるインジェクタ(8)の延長軸線(8b)を想定し、このインジェクタ(8)の延長軸線(8b)がスロットル弁(7)の弁軸(12)の真後ろを通過するように、インジェクタ(8)の向きを設定している。弁軸(12)の真後ろとは、図2(A)に示すように、弁軸(12)と平行な向きに見て、弁軸(12)からスロットル吸気通路(6)の中心軸線(6a)に沿って後方に移動した位置をいう。
液体燃料噴射口の構成は、次の通りである。
図1(B)に示すように、液体燃料噴射口(10)を4個設け、図1(A)と図2(A)に示すように、各液体燃料噴射口(10)からスロットル吸気通路(6)内に伸びる液体燃料噴射口(10)の噴射軸線(10a)を想定し、インジェクタ(8)の延長軸線(8b)に対して、液体燃料噴射口(10)の噴射軸線(10a)のなす角度が15°となるように、液体燃料噴射口(10)の向きを設定している。液体燃料噴射口(10)から噴射された液体燃料が、スロットル弁(7)の弁軸(12)の真後ろか真後ろ付近を通過し、高速の吸気の直撃を受けにくくし、液体燃料の噴霧の乱れを防止する観点からは、上記角度は30°以下が望ましく、25°以下がより望ましく、20°以下が最も望ましい。また、各液体燃料噴射口(10)から噴射される液体燃料の噴霧の重なりを抑制し、液体燃料の油滴が結合によって大きくなるのを抑制する観点からは、上記角度は5°以上が望ましく、7°以上がより望ましく、10°以上が最も望ましい。このため、上記両方の観点から、上記角度は、5°以上で30°以下が望ましく、7°以上で25°以下がより望ましく、10°以上で20度以下が最も望ましい。液体燃料噴射口(10)は単数であってもよく、この場合、インジェクタ(8)の延長軸線(8b)は液体燃料噴射口(10)の噴射軸線(10a)と一致させてもよい。
インジェクタの噴射方向に関する構造は、次の通りである。
図1(A)に示すように、吸気分配通路(2)の分配通路入口(4)とスロットル吸気通路(6)の吸気通路出口(6h)との間に筒型のインシュレータ(14)を介在させている。液体燃料噴射口(10)を備えたインジェクタ(8)の先端部(9)がスロットル吸気通路(6)の下流側を向くように、インジェクタ(8)を傾け、インジェクタ(8)の延長軸線(8b)をインシュレータ(14)の内周面に向け、液体燃料噴射口(10)から噴射された液体燃料がスロットル吸気通路(6)の吸気通路出口(13)の内周面とインシュレータ(14)の内周面とに衝突するようにしている。
この構造に代えて、インジェクタ(8)の延長軸線(8b)をスロットル吸気通路(6)の吸気通路出口(6h)の内周面に向け、液体燃料噴射口(10)から噴射された液体燃料がスロットル吸気通路(6)の吸気通路出口(6h)の内周面とインシュレータ(14)の内周面とに衝突するようにしてもよい。
この構成により、次の機能が得られる。
吸気速度の遅いアイドリング運転時や低速軽負荷運転時には、液体燃料の一部はインシュレータ(14)の内周面に付着して留まり、吸気分配通路(2)内に進入する前にインシュレータ(14)内で予備的に気化され、吸気分配通路(2)内での混合気濃度がより均一化される。また、吸気速度の速い高負荷連続運転時には、インシュレータ(14)の内周面に衝突した液体燃料の一部は、吸気の押し込みによって吸気分配通路(2)内に流れ込み、高負荷連続運転によって温度が高まっている吸気分配通路(2)の内面で速やかに気化され、吸気分配通路(2)内での混合気濃度がより均一化される。
以上のことから、運転状態に拘わらず、吸気分配通路(2)内での混合気濃度がより均一化され、各シリンダ(3)に分配される混合気の空燃比をより均等化できる機能が高い。
吸気圧検出センサに関する構造は、次の通りである。
図1(A)に示すように、吸気圧検出センサ(15)をインジェクタ(8)とともにスロットルボディ(5)に取り付けている。吸気圧検出センサ(15)にスロットル吸気通路(6)内の吸気圧を導入する吸気圧導入通路(18)をスロットルボディ(5)のスロットル吸気通路(6)の周壁内に設けている。吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)を、インジェクタ(8)よりも上流で、かつ、スロットル弁(7)の弁軸(12)よりも下流で、スロットル吸気通路(6)の内周面に開口させている。
この構成により、次の機能が得られる。
吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)を、インジェクタ(8)よりも上流で、スロットル吸気通路(6)の内周面に開口させたので、インジェクタ(8)の液体燃料噴射口(10)から噴射された液体燃料は吸気の流れによって吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)から遠ざけられ、吸気圧導入通路(18)に液体燃料が進入しにくい。このため、吸気圧検出センサ(15)による吸気圧の検出が安定化し、インジェクタ(8)からの燃料噴射量が不要に変動する不具合がなくなり、各シリンダ(3)に分配される混合気の空燃比をより均等化できる機能が高い。
なお、吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)は、下流側ブリーザ出口(53)の上流にある。
図1(A)に例示するように、吸気圧検出センサ(15)をインジェクタ(8)とともにスロットルボディ(5)に取り付けたので、燃料供給関連部品がスロットルボディ(5)に集約化され、燃料供給装置がコンパクトになる。
吸気圧導入通路の向きの設定は、次の通りである。
図9に示すように、断面が円形のスロットル吸気通路(6)を径方向に横断し、吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)に向かう横断線(19)と、この横断線(19)から吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)を経てスロットル吸気通路(6)外に延長される横断延長線(19a)とを想定し、この横断延長線(19a)に対して、吸気圧導入通路(18)のなす角度が60°となるように、キリ加工される吸気圧導入通路(18)の向きを設定している。吸気圧導入通路(18)の方向がスロットル吸気通路(6)の径方向よりも接線方向に近づき、吸気導入通路(18)の通路断面積を小さくしても、吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)の開口面積を大きくとることができるようにする観点からは、上記角度は、45°以上とするのが望ましく、50°以上とするのがより望ましく、55°以上とするのがより望ましい。また、吸気圧導入通路(18)の向きがスロットル吸気通路(6)の内周面の接線方向に近づき過ぎる不具合がなく、吸気圧導入通路(18)のキリ加工を容易にする観点からは、上記角度は75°以下のするのが望ましく、70°以下とするのがより望ましく、65°以下とするのが最も望ましい。このため、上記両方の観点から、上記角度は45°以上で75°以下とするのが望ましく、50°以上で70°以下とするのがより望ましく、55°以上で65°以下とするのが最も望ましい。
図9に示すように、スロットル吸気通路(6)の中心軸線(6a)と直交する投影図上で、横断延長線(19a)に対して、吸気圧導入通路(18)のなす角度(18α)が60°となるように、吸気圧導入通路(18)の向きを設定している。吸気圧導入通路(18)の向きがスロットル吸気通路(6)の軸長方向に近づき過ぎて、吸気圧導入通路(18)が不要に長くなる不具合を避け、吸気圧導入通路(18)のキリ加工を容易にする観点からは、この角度(18α)は45°以上とするのが望ましく、50°以上とするのがより望ましく、55°以上とするのが最も望ましい。また、吸気圧導入通路(18)の向きがスロットル吸気通路(6)の内周面の接線方向に近づき過ぎる不具合がなく、吸気圧導入通路(18)のキリ加工を容易にする観点からは、上記角度(18α)は75°以下とするのが望ましく、70°以下とするのがより望ましく、65°以下とするのが最も望ましい。このため、上記両方の観点から、上記角度(18α)は45°以上で75°以下とするのが望ましく、50°以上で70°以下とするのがより望ましく、55°以上で65°以下とするのが最も望ましい。
図10(B)に示すように、スロットル吸気通路(6)の中心軸線(6a)とスロットル弁(7)の弁軸(12)とに平行な投影図上で、吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)がスロットル吸気通路(6)の中心軸線(6a)と重なるように、この吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)を配置している。
このため、スロットル弁(6)の脇を通過する高速の吸気が吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)の脇を通過し、吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)に詰まった液体燃料が吸気の負圧によってスロットル吸気通路(18)に向けて吸引され、吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)に液体燃料が詰まりにくい。
図10(B)に示すように、吸気圧導入通路(18)をその通路出口(18b)から通路入口(18b)に向けて下り傾斜させ、スロットル吸気通路(6)の中心軸線(6a)からこのスロットル吸気通路(6)の通路入口(6b)を経てスロットル吸気通路(6)外に延長される延長軸線(6c)を想定し、図10(B)に示すように、スロットル吸気通路(6)の中心軸線(6a)とスロットル弁(7)の弁軸(12)とに平行な投影図上で、スロットル吸気通路(6)の延長軸線(6c)に対して、吸気圧導入通路(18)のなす角度(18β)が60°となるように、吸気圧導入通路(18)の向きを設定している。
吸気圧導入通路(18)に進入した液体燃料を自重で流出しやすくする観点からは、上記角度(18β)は45°以上とするのが望ましく、50°以上とするのがより望ましく、55°以上とするのが最も望ましい。吸気圧導入通路(18)をスロットル吸気通路(6)の軸長方向に長くし、吸気導入通路(18)の通路断面積に比べて、吸気導入通路(18)の通路入口(18a)の開口面積を大きくとるという観点から、上記角度(18β)は75°以下とするのが望ましく、70°以下とするのがより望ましく、65°以下とするのが最も望ましい。上記両方の観点からは、上記角度(18β)は上記角度は45°以上で75°以下とするのが望ましく、50°以上で70°以下とするのがより望ましく、55°以上で65°以下とするのが最も望ましい。
吸気圧検出センサの取付孔の構成は、次の通りである。
図10(A)に示すように、スロットルボディ(5)に吸気圧検出センサ(15)の取付孔(20)をあけ、この取付孔(20)に吸気圧導入通路(18)を連通させている。取付孔(20)を下向きに形成し、この取付孔(20)に吸気圧検出センサ(15)を取り付け、この取付孔(20)の下方に液体燃料溜め(21)を設け、この液体燃料溜め(21)の上部で吸気圧導入通路(18)の通路出口(18b)を開口させている。
この構成により、次の機能が得られる。
吸気圧導入通路(18)に進入した液体燃料は、吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)からスロットル吸気通路(6)に流出する他、吸気圧導入通路(18)の通路出口(18b)から液体燃料溜め(21)に流出することもでき、吸気圧導入通路(18)での液体燃料の詰まりが起こりにくい。また、吸気圧導入通路(18)に進入した液体燃料やごみは液体燃料溜め(21)に溜まり、吸気圧検出センサ(15)に接触しないため、吸気圧検出センサ(15)の故障や感度の低下を防止できる。このため、吸気圧検出センサ(15)による吸気圧の検出が安定化し、インジェクタ(8)からの燃料噴射量が不要に変動する不具合がなくなり、各シリンダ(3)に分配する混合気の空燃比を均等化できる機能が高い。
スロットルボディに取り付ける部品配置は、次の通りである。
図8(A)に示すように、スロットル吸気通路(6)の中心軸線(6a)の方向を前後方向、スロットル弁(7)の弁軸(12)よりも下流側を後とし、スロットル弁(7)の弁軸(12)と平行な向きに見て、前後方向と直交する方向を左右横方向として、スロットル入力アーム(22)の後にインジェクタ(8)を配置し、スロットル入力アーム(22)の横に吸気圧検出センサ(15)の取付孔(20)のボス(20a)を配置している。
このため、スロットル入力アーム(22)の後空間と横空間とをそれぞれインジェクタ(8)とボス(20a)の配置空間として有効利用することができ、燃料供給関連部品がスロットルボディ(5)に集約化され、燃料供給装置がコンパクトになる。
図8(A)に示すように、吸気圧検出センサ(15)の取付孔(20)のボス(20a)をスロットル入力アーム(22)の揺動のストッパとして兼用している。
このため、別にスロットル入力アーム(22)専用の揺動のストッパを設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
本発明の実施形態に係るエンジンのスロットルボディとその周辺部品を説明する図で、図1(A)は縦断側面図、図1(B)はインジェクタの先端部をインジェクタの中心軸線と平行な向きに見た図である。 図2(A)は図1(A)のII−II線断面図、図2(B)は吸気圧導入通路の通路入口付近の拡大図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの吸気分配通路とその周辺部品を説明する横断平面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンのヘッドカバーとその周辺部品を説明する図で、図4(A)は平面図、図4(B)は底面図、図4(C)は縦断側面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンのブリーザ室とその周辺部品を説明する図で、図5(A)は側面図、図5(B)は背面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの平面図である。 図6のエンジンの側面図である。 図1のスロットルボディを説明する図で、図8(A)は平面図、図8(B)は側面図である。 図8(B)のIX方向矢視図である。 図1のスロットルボディを説明する図で、図10(A)は図8(A)のX−X線断面図、図10(B)はスロットルボディの縦断側面図である。
(1) シリンダヘッド
(6) スロットル吸気通路
(7) スロットル弁
(52) 上流側ブリーザ出口
(52a) 上流側ブリーザ通路
(52b) 始端部
(53) 下流側ブリーザ出口
(53a) 下流側ブリーザ通路
(54) 共用ブリーザ通路
(55) ロッカアーム
(56) ブリーザ室
(56a) 入口
(56b) 底壁

Claims (6)

  1. スロットル弁(7)の上流に上流側ブリーザ出口(52)を開口させ、上流側ブリーザ出口(52)を上流側ブリーザ通路(52a)を介してブリーザ室(56)に連通させ、
    スロットル弁(7)の下流に下流側ブリーザ出口(53)を開口させ、下流側ブリーザ出口(53)を下流側ブリーザ通路(53a)を介してブリーザ室(56)に連通させたエンジンにおいて、
    ブリーザ室(56)から共用ブリーザ通路(54)を導出し、共用ブリーザ通路(54)から上流側ブリーザ通路(52a)と下流側ブリーザ通路(53a)とを分岐させ、
    スロットルボディ(5)に燃料供給手段(11)を取り付け、この燃料供給手段(11)からスロットルボディ(5)のスロットル吸気通路(6)内で吸気に液体燃料を供給し、
    スロットルボディ(5)に吸気圧検出センサ(15)の取付孔(20)をあけ、この取付孔(20)に吸気圧導入通路(18)を連通させ、取付孔(20)を下向きに形成し、この取付孔(20)に吸気圧検出センサ(15)を取り付け、この取付孔(20)の下方に液体燃料溜め(21)を設け、この液体燃料溜め(21)の上部で吸気圧導入通路(18)の通路出口(18b)を開口させ、
    吸気圧導入通路(18)の通路入口(18a)は、上記下流側ブリーザ出口(53)の上流で、スロットルボディ(5)のスロットル吸気通路(6)の内周面に開口させた、ことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載したエンジンにおいて、
    スロットル吸気通路(6)の中心軸線(6a)の方向を前後方向、スロットル弁(7)の弁軸(12)よりも下流側を後とし、スロットル弁(7)の弁軸(12)と平行な向きに見て、前後方向と直交する方向を左右横方向として、スロットル入力アーム(22)の後に燃料供給手段(11)を配置し、スロットル入力アーム(22)の横に吸気圧検出センサ(15)の取付孔(20)のボス(20a)を配置した、ことを特徴とするエンジン。
  3. 請求項1または請求項2に記載したエンジンにおいて、
    共用ブリーザ通路(54)から下流側ブリーザ出口(53)に向けて、下流側ブリーザ通路(53a)を下向きに方向付けた、ことを特徴とするエンジン。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載したエンジンにおいて、
    下流側ブリーザ通路(53a)の通路断面積を上流側ブリーザ通路(52a)の通路断面積よりも小さくした、ことを特徴とするエンジン。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載したエンジンにおいて、
    シリンダヘッド(1)の上部にヘッドカバー(25)を取り付け、このヘッドカバー(25)でロッカアーム(55)を覆い、このヘッドカバー(25)の天井部にブリーザ室(56)を配置するに当たり、
    ブリーザ室(56)の入口(56a)をロッカアーム(55)の真上から偏倚した位置で、ブリーザ室(56)の底壁(56b)よりも低い位置に配置した、ことを特徴とするエンジン。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載したエンジンにおいて、
    共用ブリーザ通路(54)から突出した上流側ブリーザ通路(52a)の始端部(52b)を上向きに方向付けた、ことを特徴とするエンジン。
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