JP4686121B2 - 非焼成型固化体及びその製造方法、非焼成型固化体を用いた成型体及びその製造方法 - Google Patents

非焼成型固化体及びその製造方法、非焼成型固化体を用いた成型体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、石炭灰を用いた非焼成型固化体及び当該非焼成型固化体を用いた成型体の構築技術に関するものである。
我が国において、石炭火力発電所等において発生する石炭灰は年間約600万トンにも達すると言われ、従来は廃棄物として処理されており、その再利用が強く望まれている。現在、石炭灰の再利用について色々な研究に取り組まれており、その一つとして石炭灰(フライアッシュ)を用いた人工骨材等の固化体が提案されている。また、他方で地球環境保護の取り組みが重視されており、緑化推進において植生に適した保水性や空隙を有するブロック、あるいはヒートアイランド現象の抑制対策として保水性を有するブロック等の開発がなされ、その中で石炭灰利用の骨材を用いることが検討されている。
石炭灰を利用した人工骨材等の固化体においては、焼成型と非焼成型に大別することができる。焼成型は、約1,000〜1,400℃の高温で焼結させるものであり、焼成工程において大型焼成プラント等の設備を必要とすることから、石炭灰をセメント等で固化させた非焼成型の開発が近年進められている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−291848号公報
植生やヒートアイランド現象の抑制対策等を勘案したブロック等の成型体の場合には、その成型体に用いる骨材として高保水性(高吸水性)かつ高強度のものが適しており、また成型体としての安定性を向上させるため高密度の骨材が望まれている。しかしながら、現状において高保水性・高強度・高密度な非焼成型の固化体(骨材)を得ることは出来なかった。
また、骨材として石炭灰利用の非焼成型固化体を用いて、植生等に適した強度・空隙率・保水性・安定性を有する成型体を得ることは出来なかった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、石炭灰を用いた高保水性・高強度・高密度な非焼成型固化体及び該非焼成固化体を用いた高強度・高空隙率・高保水性・高安定性を有する成型体を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、各請求項に記載の発明が構成される。
本発明にかかる非焼成型固化体は、石炭灰を用いた非焼成型固化体であり、石炭灰、セメント及び金属スラグを少なくとも含有する。また、この非焼成型固化体は、圧縮強度が25N/mm以上、密度が2.1g/cm以上、吸水率が8%以上の性能を有する。
なお、このような性能の非焼成型固化体は、石炭灰、セメント、金属スラグ及び水を少なくとも含有した混練物全体を加圧した状態で、急速に液性化させる振動を該混練物全体に与えて圧密し、更に破砕することで得られる破砕状の非焼成型固化体として得ることが可能となる。
本発明にかかる成型体は圧縮強度が25N/mm以上、密度が2.1g/cm以上、吸水率が8%以上の性能を有する破砕状の非焼成型固化体を用いたブロック状の成型体であり、当該破砕状の非焼成型固化体及びセメントを少なくとも含有する。また、この成型体は、空隙率が16%以上、圧縮強度が16N/mm以上の性能を有する。
なお、このような性能の成型体は、上記性能の破砕状の非焼成型固化体と、セメント及び水を少なくとも含有した混練物全体を加圧した状態で、急速に液性化させる振動を該混練物全体に与えて圧密することによって得ることが可能となる。
本発明にかかる成型体は圧縮強度が25N/mm以上、密度が2.1g/cm以上、吸水率が8%以上の性能を有する破砕状の非焼成型固化体を用いたブロック状の成型体であり、当該破砕状の非焼成型固化体、セメント及び金属スラグを少なくとも含有する。また、この成型体は、圧縮強度が25N/mm以上の性能を有する。
なお、このような性能の成型体は、上記性能の破砕状の非焼成型固化体と、セメント、金属スラグ及び水を少なくとも含有した混練物全体を加圧した状態で、急速に液性化させる振動を該混練物全体に与えて圧密することによって得ることが可能となる。
本発明にかかる製造方法は、石炭灰を用いて非焼成型固化体を製造する製造方法である。この製造方法は、石炭灰、セメント、金属スラグ及び水を混練した混練物を得るステップと、混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作(振動)させ、圧密された非焼成型固化体を得るステップと、圧密された非焼成型固化体を破砕することで破砕状の非焼成型固化体を得るステップとを少なくとも有するという製造方法である。なお、特許請求の範囲及び明細書でいう「成型型枠全体を振幅動作させる」とは、成型型枠内に充填された混練物全体を急速に液性化させることができるような振動を成型型枠に付与する態様をいう。
本発明にかかる更なる製造方法は、圧密された非焼成型固化体を得るステップでは、成型型枠全体を1秒あたり10〜50J/lの振動エネルギーで振幅動作(振動)させるという製造方法である。
本発明にかかる更なる製造方法は破砕状の非焼成型固化体を用いてブロック状の成型体を製造する製造方法である。この製造方法は、破砕状の非焼成型固化体、セメント及び水を混練した混練物を得るステップと、混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作させ、圧密されたブロック状の成型体を得るステップと、を少なくとも有するという製造方法である。
本発明にかかる更なる製造方法は、圧密されたブロック状の成型体を得るステップでは、成型型枠全体を1秒あたり10〜50J/lの振動エネルギーで振幅動作(振動)させるという製造方法である。
本発明にかかる更なる製造方法は破砕状の非焼成型固化体を用いてブロック状の成型体を製造する製造方法である。この製造方法は、破砕状の非焼成型固化体、セメント、金属スラグ及び水を混練した混練物を得るステップと、混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作させ、圧密されたブロック状の成型体を得るステップと、を少なくとも有するという製造方法である。
本発明にかかる更なるの製造方法は圧密されたブロック状の成型体を得るステップでは、成型型枠全体を1秒あたり10〜50J/lの振動エネルギーで振幅動作(振動)させるという製造方法である。
発明によれば、石炭灰を利用した、高強度、高密度、高保水性(高吸水性)の非焼成型固化体を提供することが可能となる。
に植生やヒートアイランド現象の抑制対策に適した高空隙率(高透水性)、高強度、高保水性(高吸水性)、高安定性を有するブロック状の成型体、いわゆるポーラスコンクリートブロックを提供することが可能となる。
また、発明によれば、特にヒートアイランド現象の抑制対策に適した保水性(吸水性)の良い高強度のコンクリートブロック(ブロック状の成型体)を提供することが可能となる。
また、発明によれば、特別な添加剤を要することなく、安価で簡易的工程で、石炭灰を利用した、高強度、高密度、高保水性(高吸水性)の圧密された非焼成型固化体を得ることができる。本発明の製造方法では、混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作(振動)させることによって、混練物全体を急速に液性化させることが可能となる。
また、発明によれば、石炭灰を利用した、高強度、高密度、高保水性(高吸水性)の粉砕状の非焼成型固化体、いわゆる骨材を得ることができる。
また、発明によれば、高強度、高密度、高保水性(高吸水性)の圧密された非焼成型固化体を製造するに際し、混練物全体を急速に液性化させる振動を与えるよう成型型枠全体を振幅動作させるのに好適な振動条件を設定することが可能となる。
また、発明によれば、特に植生やヒートアイランド現象の抑制対策に適した高空隙率(高透水性)、高強度、高保水性(高吸水性)、高安定性を有するポーラスコンクリートブロック(ブロック状の成型体)を、特別な添加剤を要することなく、安価で簡易的工程で、得ることができる。本発明の製造方法では、混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作(振動)させることによって、混練物全体を急速に液性化させることが可能となる。
また、発明によれば成型体を製造するに際し、混練物全体を急速に液性化させる振動を与えるよう成型型枠全体を振幅動作させるのに好適な振動条件を設定することが可能となる。
また、発明によれば、特にヒートアイランド現象の抑制対策に適した保水性(吸水性)の良い高強度のコンクリートブロック(ブロック状の成型体)を、特別な添加剤を要することなく、安価で簡易的工程で、得ることができる。本発明の製造方法では、混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作(振動)させることによって、混練物全体を急速に液性化させることが可能となる。
また、発明によれば成型体を製造するに際し、混練物全体を急速に液性化させる振動を与えるよう成型型枠全体を振幅動作させるのに好適な振動条件を設定することが可能となる。
以下に、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施の形態は、本発明の好ましい一実施の形態を説明するためのものであって、これにより本発明が制限されるものではない。
本実施の形態における、石炭灰を利用した石炭灰固化骨材(以下、「石炭灰固化骨材P30」という)、及び当該石炭灰固化骨材P30を用いたブロック状のコンクリートブロック(ポーラスコンクリートブロック)P50の製造に係る処理フローチャートが図1に示される。また、1次締固め処理及び2次締固め処理において用いる振動成型プレス機100の概略構成が図2に示される。
本実施の形態では、セメント、石炭灰(フライアッシュ)、金属スラグ、水を原料とし、図1に示す処理フローチャートにしたがって処理工程を順次実施することによって石炭灰固化骨材P30及びコンクリートブロックP50を製造することができる。ここにおいて、石炭灰は非焼成型固化体の吸水率を高め、金属スラグは強度及び密度を高める役割を果たしている。また、本処理工程は、1次混練処理10、1次締固め処理20、破砕処理30、2次混練処理40、2次締固め処理50を主体として構成される。以下、これら各処理工程における詳細な処理について図1及び図2を参照しながら説明する。
〔1次混練処理〕
1次混練処理10では、セメント、石炭灰(フライアッシュ)、金属スラグ、水を後述する所定の配合比率で配合し、ミキサによって混練(混合)する処理を行う。これにより、各構成要素が均質に分散された均質な混練物(混合物)P10が得られる。なお、この1次混練処理10及び後述する2次混練処理40におけるミキサは既知の構成のものを用いることができ、当該構成についての詳細な説明は省略する。本実施の形態でいう「フライアッシュ」とは、石炭火力発電所等において石炭を燃焼させた時に発生する石炭灰(シリカ及びアルミナを主成分とする)のうち、電気集じん器により捕集された微粉末の灰のことである。本実施の形態で用いる「金属スラグ」に関しては、鋼鉄スラグ、または非鉄金属スラグを、必要に応じて適宜用いることができる。この1次混練処理10が、本発明における「石炭灰、セメント、金属スラグ及び水を混練した混練物を得るステップ」に対応している。
〔1次締め固め処理〕
1次締固め処理20では、1次混練処理10で得られた混練物P10を加圧条件下で振動させ、混練物P10中の空隙を減らし、混合物の密度を高める締固め処理を行う。ここで、本発明者らは、特に植生や気温上昇抑制(ヒートアイランド現象抑制)に適した高保水性(高吸水性)で、かつ高強度、高密度の均質な加圧固化物P20を得るべく、この種の締固め処理について鋭意検討した。その検討の結果、本発明者らは、図2に概略構成を示す振動成型プレス機100を用いて締固め処理を行うことによって、高強度、高密度、高保水性の均質な加圧固化物P20を得ることができることを見出すことに成功した。また、この締固め処理を行うことによって、植生やヒートアイランド現象抑制等に適した高空隙率(高透水性)の状態で、ブロックとしての必要強度を満たしたポーラスコンクリートブロックP50を得ることができることを見出すことに成功した。
図2に示すように、振動成型プレス機100は、充填領域110aを有する成型型枠110と、充填領域110aに充填された充填物に押圧力を付与する加圧プレス装置120、成型型枠110全体に均一な振動(図2中の鎖線矢印で示す)を与えることが可能な振動装置130を主体に構成される。1次締固め処理20においては、1次混練処理10で得られた混練物P10をまず振動成型プレス機100の充填領域110aに充填したのち、加圧プレス装置120を駆動させ混練物P10を振動成型に適した圧密状態になる所定の圧力(一例としては0.5kgf/cm程度以上の圧力)まで加圧する。そして、振動装置130を駆動させて、成型型枠110全体を例えば図2中の上下方向に振幅動作(振動)させることによって、加圧条件下の混練物P10全体を急速に液性化させるのに有効な振動を付与する。
ここで、成型型枠110内の混練物は、ある振動エネルギー以上の振動を受けた際に液性化する。液性化により、型枠に充填した状態で存在する粗大な空隙は、金属スラグの沈降による圧密とセメント、石炭灰、水の混練物(ペースト)による充填により減少するため、混練物は密実化されて強度の増加につながる。図12を用いて後述するような従来の振動成型プレス機では、振動型枠より与えられる振動エネルギーは、型枠周辺から混練物内部へ減衰しながら伝播するため、混練物の型枠周辺で大きく、内部ほど小さくなる。このため、振動を長時間継続させることで混練物の内部を液性化させ、混練物全体を密実化させる必要がある。しかしながら、混練物に振動を長時間継続して与えると、セメント、石炭灰、金属スラグ、水の密度差により、液性化した箇所で材料分離が発生し混練物が不均一になるため、硬化後も所定の特性を持った固化物が得られない。そこで、本発明者らは、均一な固化物を得るためには、混練物全体が短時間で液性化することが求められるという知見を得た。このためには、単位時間あたりの振動エネルギーを大きくし、混練物全体を急速に液性化させることにより継続時間を短くするという本実施の形態の方法(1次締固め処理20)が有効である。また、当該混練物において、石炭灰、金属スラグの密度は、それぞれセメントの7割、砕石の1.3倍であり、一般的なコンクリートの場合に比較して密度差が大きく材料分離しやすいため、上記の方法(1次締固め処理20)が特に効果的である。なお、材料分離を抑制するために減水剤などの混和剤を用いる方法もあるが、混練物に石炭灰が含まれる場合に、混和剤が石炭灰に吸着され混和剤の使用量が増加するため、混和剤を用いない上記の方法(1次締固め処理20)が製造コスト的に優れている。
一例として、成型型枠110(振動装置130)全体を1秒あたり10〜50J/l(ジュール/リットル)の振動エネルギーで全体的に振幅動作させる。これにより、混練物P10全体を急速に液性化させる振動が付与されることとなり、混練物P10中の各構成要素が均質に分散された状態で締固められた(圧密された)固化物が得られ、この固化物に所要の養生を施すことにより、加圧固化物P20が得られることとなる。なお、このときの振動装置130の運転時間(振動エネルギーの付与時間)は、混練物P10全体を急速に液性化させることができるような時間、すなわち液性化した混練物10に対し振動エネルギーを与えすぎて材料分離が発生しないような時間として設定する。当該運転時間は、実際に使用する原料の種類や配合比率といった材料に関する条件、振動エネルギーなどの運転条件等を勘案して適宜設定することができる。
このようにして得られた加圧固化物P20は、焼成によらない圧密された非焼成の固化体であり、本発明における「圧密された非焼成型固化体」に相当する。また、この1次締固め処理20が、本発明における「混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作させ、圧密された加圧固化物を得るステップ」に対応している。
これに対し、従来、図12に記載のような振動成型プレス機200が提案されている。
図12に示す振動成型プレス機200は、本実施の形態の振動成型プレス機100と同様の、充填領域110aを有する成型型枠110と、充填領域110aに充填された充填物に押圧力を付与する加圧プレス装置120を備える一方、振動装置210の構成が本実施の形態の振動装置130と異なっている。すなわち、振動装置130が成型型枠110自体を全体的に振幅動作させて、充填領域110aに充填された混練物P10全体を急速に液性化させる振動を与えることが可能となっているのに対し、振動装置210は、固定的に配置された状態の成型型枠110に局部的に振動力を付与するだけの構成である。従って、このような構成の振動装置210は、充填物に対し図12中の鎖線矢印で示すように不均一な振動(内部の振動小)を付与することとなり、充填領域110aに充填された充填物全体を急速に液性化させる振動を付与するのに限界がある。
〔養生処理〕
前記した所要の養生方法は、常圧蒸気養生で、蒸気養生室内において最高温度65℃、養生時間20時間である。必要に応じて、高温高圧の水熱養生であるオートクレーブ養生を用いることも可能である。
〔破砕処理〕
破砕処理30では、1次締固め処理20で得られた加圧固化物P20を、2次混練処理40において骨材として用いるのに好適な大きさに破砕する処理を行う。これにより、加圧固化物P20が所望の大きさに破砕処理された破砕状の石炭灰固化骨材P30が得られる。一例としては、加圧固化物P20を破砕することにより、径の大きさが5〜20mmの石炭灰固化骨材P30を得ることができる。この破砕状の石炭灰固化骨材P30が、本発明における「破砕状の非焼成型固化体」に対応している。なお、この破砕処理における破砕機は既知の構成のものを用いることができ、当該構成についての詳細な説明は省略する。この破砕処理30が、本発明における「圧密された非焼成型固化体を破砕することで破砕状の非焼成型固化体を得るステップ」に対応している。
〔2次混練処理〕
2次混練処理40では、破砕処理30において得られた石炭灰固化骨材P30、セメント、石炭灰(フライアッシュ)、水を後述する所定の配合比率で配合し、再びミキサによって混練(混合)する処理を行う。これにより、各構成要素が均質に分散された均質な混練物(混合物)P40が得られる。なお、この2次混練処理40において混練する原料として、必要に応じ石炭灰(フライアッシュ)を省略することもできる。この2次混練処理40が、本発明における「破砕状の非焼成型固化体、セメント及び水を混練した混練物を得るステップ」に対応している。
〔2次締固め処理〕
2次締固め処理50では、2次混練処理40で得られた混練物P40を、図2に示す振動成型プレス機100を用いて加圧条件下で振動させる処理を行う。すなわち、この2次締固め処理50においては、2次混練処理40で得られた混練物P40をまず振動成型プレス機100の充填領域110aに充填したのち、加圧プレス装置120を駆動させ混練物P40を振動成型に適した圧密状態になる所定の圧力(一例としては0.5kgf/cm程度以上の圧力)まで加圧する。そして、振動装置130を駆動させて、成型型枠110全体を例えば図2中の上下方向に振幅動作させることによって、加圧条件下の混練物P40全体を急速に液性化させる振動を付与する。
ここで、成型型枠110内の混練物P40は、ある振動エネルギー以上の振動を受けた際に液性化する。この液性化により、成型型枠110に充填された状態で存在する粗大な空隙は、石炭灰固化骨材P30の沈降による圧密により減少するため、混練物P40は密実化されて強度の増加につながる。図12に示すような従来の振動成型プレス機200では、振動装置210より与えられる振動エネルギーは、成型型枠110周辺から混練物内部へ減衰しながら伝播するため、混練物の成型型枠110周辺で大きく、内部ほど小さくなる。このため、振動を長時間継続させることで混練物の内部を液性化させ、混練物全体を密実化させる必要がある。しかしながら、混練物に振動を長時間継続して与えると、石炭灰固化物、セメント、水、石炭灰の密度差により、液性化した箇所で材料分離が発生し混練物が不均一になるため、硬化後も所定の特性を持ったコンクリートブロックは得られない。特に、ポーラスブロック用混練物の場合には、必要な空隙を残した状態で混練物を密実化することが求められる。このためには、混練物へ振動エネルギーを与えすぎて、ペーストのダレが必要な空隙を充填してしまわないようにする必要がある。そこで、本発明者らは、均一な成型体を得るためには、混練物全体が短時間で液性化することが求められるという知見を得た。このためには、単位時間あたりの振動エネルギーを大きくし、混練物全体を急速に液性化させることにより継続時間を短くするという本実施の形態の方法(2次締固め処理50)が有効である。なお、石炭灰固化骨材とペーストの材料分離を抑制するために減水剤などの混和剤を用いる方法もあるが、混和剤が石炭灰固化骨材や石炭灰が含まれる場合には石炭灰に吸着され、混和剤の使用量が増加するため、混和剤を用いない上記の方法(2次締固め処理50)が製造コスト的に優れている。
一例として、成型型枠110(振動装置130)全体を1秒あたり10〜50J/l(ジュール/リットル)の振動エネルギーで全体的に振幅動作させる。これにより、混練物P40全体に均一な振動が付与されることとなり、混練物P40中の各構成要素が均質に分散された状態で締固められた固化体としてのコンクリートブロックP50が得られることとなる。なお、このときの振動装置130の運転時間(振動エネルギーの付与時間)は、混練物P40全体を急速に液性化させることができるような時間、すなわち液性化した混練物P40に対し振動エネルギーを与えすぎて材料分離が発生しないような時間として設定する。当該運転時間は、実際に使用する原料の種類や配合比率といった材料に関する条件、振動エネルギーなどの運転条件等を勘案して適宜設定することができる。
このようにして得られたコンクリートブロックP50は、粉砕状の石炭灰固化骨材P30を用いて圧密成型されたブロック状の成型体であり、本発明における「ブロック状の成型体」に相当する。なお、この2次締固め処理50においては、セメントがバインダとして作用する。この2次締固め処理50が、本発明における「混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作させ、圧密されたブロック状の成型体を得るステップ」に対応している。
上記製造方法によって製造されるコンクリートブロックP50及び後述するコンクリートブロックP60の形状の一例が図11に示される。
図11に示すように、コンクリートブロックP50,P60は、平面視が概ねT字形状となっており、縦方向の長さが350mm、横方向の長さが420mm、高さ方向の長さが280mmとなっている。
ここで、上記石炭灰固化骨材P30の製造に係る配合比率及び当該石炭灰固化骨材P30の性能評価結果を、図3及び図4を参照しながら説明する。
本発明者らは、上記処理工程を実施することによって、石炭灰固化骨材P30−1,P30−2,P30−3を製造した。これら石炭灰固化骨材P30−1〜P30−3につき、1次混練処理10における各構成要素の配合比率が図3に示される。
図3に示すように、石炭灰固化骨材P30−1は、セメント350[kg](13[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)700[kg](26[wt%])、金属スラグ1400[kg](53[wt%])、水220[kg](8[wt%])で配合した結果得られた骨材である。また、石炭灰固化骨材P30−2は、セメント400[kg](15[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)650[kg](25[wt%])、金属スラグ1300[kg](50[wt%])、水250[kg](10[wt%])で配合した結果得られた骨材である。また、石炭灰固化骨材P30−3は、セメント450[kg](18[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)600[kg](24[wt%])、金属スラグ1200[kg](47[wt%])、水280[kg](11[wt%])で配合した結果得られた骨材である。
このように、本実施の形態では、石炭灰固化骨材P30の製造に際し、セメント、石炭灰(フライアッシュ)、金属スラグ、水を、各々13〜18[wt%]、24〜26[wt%]、47〜53[wt%]、8〜11[wt%]の配合比率で配合している。
本発明者らは、上記石炭灰固化骨材P30−1〜P30−3につき、評価項目である圧縮強度、密度、吸水率についての測定を実施した。なお、これら各評価項目に関する測定は、以下の測定方法による。
(圧縮強度)
試験体(石炭灰固化骨材P30−1〜P30−3)が耐えられる最大圧縮荷重を、圧縮力に垂直な当該試験体(石炭灰固化骨材P30−1〜P30−3)の断面積で除した値を、「圧縮強度」として規定した(詳細については、例えばJIS A1108参照)。
(密度)
試験体(石炭灰固化骨材P30−1〜P30−3)の質量を、当該試験体(石炭灰固化骨材P30−1〜P30−3)の体積で除した値を、「密度」として規定した(詳細については、例えばJIS A1110参照)。
(吸水率)
表面乾燥飽和状態の試験体(石炭灰固化骨材P30−1〜P30−3)に含まれている全水量の、絶対乾燥状態の試験体(石炭灰固化骨材P30−1〜P30−3)の質量に対する百分率を、「吸水率」として規定した(詳細については、例えばJIS A1109参照)。
石炭灰固化骨材P30−1〜P30−3の圧縮強度、密度、吸水率に関する測定結果が図4に示される。
図4に示すように、本実施の形態の処理工程によって圧縮強度が25N/mm以上、密度が2.1g/cm以上、吸水率が8%以上(8〜14%)である、高強度、高密度、高保水性の石炭灰固化骨材P30を得ることが可能となった。また、このときの、石炭灰固化骨材P30中の金属スラグの様子が図7において模式的に示される。
図7に示すように、比較例(従来技術)のように振動装置210(図12参照)を用いるのみで成型型枠110全体を振幅動作させて、急速に液性化させない場合には、石炭灰固化骨材P30中において金属スラグに偏りが生じる。すなわち、従来技術では、1次締固め処理20において振動装置210により混練物P10全体を急速に液性化させる均一な振動を付与するのに限界があり、1次混練処理10において一旦均質に混練された混練物P10中の金属スラグは、長時間継続される振動によって混練物P10中の密度差から偏在して固化する。これに対し、本実施の形態によれば、振動装置130により混練物P10全体を急速に液性化させる均一な振動が付与されるため、1次混練処理10において一旦均質に混練された混練物P10中の金属スラグは、偏在することなく固化するのである。
次に、上記コンクリートブロックP50の製造に係る各配合要素の配合比率及び当該コンクリートブロックP50の性能評価結果を、図5及び図6を参照しながら説明する。
本発明者らは、上記処理工程を実施することによって、コンクリートブロックP50−1,P50−2,P50−3,P50−4,P50−5,P50−6,P50−7を製造した。これらコンクリートブロックP50−1〜P50−7につき、2次混練処理40における各構成要素の配合比率が図5に示される。なお、図5及び図6では、2次混練処理40において混練する石炭灰固化骨材として、図3中の石炭灰固化骨材P30−1を用いた例について記載している。
図5に示すように、コンクリートブロックP50−1は、セメント250[kg](15[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)20[kg](1[wt%])、石炭灰固化骨材1400[kg](81[wt%])、水50[kg](3[wt%])で配合した結果得られたコンクリートブロック成型体である。また、コンクリートブロックP50−2は、セメント280[kg](16[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)15[kg](1[wt%])、石炭灰固化骨材1380[kg](80[wt%])、水56[kg](3[wt%])で配合した結果得られたコンクリートブロック成型体である。また、コンクリートブロックP50−3は、セメント310[kg](18[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)10[kg](1[wt%])、石炭灰固化骨材1360[kg](78[wt%])、水62[kg](4[wt%])で配合した結果得られたコンクリートブロック成型体である。また、コンクリートブロックP50−4は、セメント230[kg](13[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)20[kg](1[wt%])、石炭灰固化骨材1500[kg](84[wt%])、水42[kg](2[wt%])で配合した結果得られたコンクリートブロック成型体である。また、コンクリートブロックP50−5は、セメント240[kg](14[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)15[kg](1[wt%])、石炭灰固化骨材1450[kg](82[wt%])、水44[kg](3[wt%])で配合した結果得られたコンクリートブロック成型体である。また、コンクリートブロックP50−6は、セメント250[kg](14[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)10[kg](1[wt%])、石炭灰固化骨材1400[kg](82[wt%])、水46[kg](3[wt%])で配合した結果得られたコンクリートブロック成型体である。また、コンクリートブロックP50−7は、セメント256[kg](15[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)14[kg](1[wt%])、石炭灰固化骨材1405[kg](80[wt%])、水63[kg](4[wt%])で配合した結果得られたコンクリートブロック成型体である。
このように、本実施の形態では、コンクリートブロックP50の製造に際し、セメント、石炭灰(フライアッシュ)、石炭灰固化骨材、水を、各々13〜18[wt%]、1[wt%]、78〜84[wt%]、2〜4[wt%]の配合比率で配合している。
本発明者らは、上記コンクリートブロックP50−1〜P50−7につき、評価項目である圧縮強度ないし空隙率、密度、についての測定を実施した。なお、これら各評価項目に関する測定は、以下の測定方法による。
(圧縮強度)
試験体(コンクリートブロックP50−1〜P50−7)が耐えられる最大圧縮荷重を、圧縮力に垂直な当該試験体(コンクリートブロックP50−1〜P50−7)の断面積で除した値を、「圧縮強度」として規定した(詳細については、例えばJIS A1108参照)。
(空隙率)
試験体(コンクリートブロックP50−1〜P50−7)の中の空隙の全体積を、当該試験体(コンクリートブロックP50−1〜P50−7)の全体積で除した値を、「空隙率」として規定した。
(密度)
試験体(コンクリートブロックP50−1〜P50−7)の質量を、当該試験体(コンクリートブロックP50−1〜P50−7)の体積で除した値を、「密度」として規定した。
コンクリートブロックP50−1〜P50−7の圧縮強度ないし空隙率、密度に関する測定結果が図6に示される。
図6に示すように、本実施の形態の処理工程によって圧縮強度が18N/mm以上、密度が1.97g/cm以上である高強度、高密度のコンクリートブロックP50、また空隙率が18%以上、密度が1.87g/cm以上である高空隙率(高透水性)、高密度のコンクリートブロックP50、更には圧縮強度が16N/mm以上、空隙率が16%以上、密度が1.95g/cm以上である高強度、高空隙率(高透水性)、高密度のコンクリートブロックP50を得ることが可能となった。また、このときの、コンクリートブロックP50中の石炭灰固化骨材の様子が図8に模式的に示される。
図8に示すように、比較例(従来技術)のように振動装置210(図12参照)を用いるのみで成型型枠110全体を振幅動作させて急速に液性化させない場合には、コンクリートブロックP50中において石炭灰固化骨材P30に偏りが生じる。すなわち、従来技術では、2次締固め処理50において振動装置210により混練物P40全体を急速に液性化させる均一な振動を付与するのに限界があり、2次混練処理40において一旦均質に混練された混練物P40中の石炭灰固化骨材P30は、不均一な振動に起因する液性化によって偏在して固化する。これに対し、本実施の形態によれば、振動装置130により混練物P40全体を急速に液性化させる均一な振動が付与されるため、2次混練処理40において一旦均質に混練された混練物P40中の石炭灰固化骨材P30は、偏在することなく固化するのである。
本実施の形態のコンクリートブロックP50は、高強度、高密度、高空隙率(高透水性)で安定性が高いうえに、高い保水性(高吸水率)を有する石炭灰固化骨材P30を用いているため、とりわけ植生やヒートアイランド現象抑制対策に適したコンクリートブロックとして有効である。
なお、上記実施の形態では、2次混練処理40において、石炭灰固化骨材P30、セメント、石炭灰(フライアッシュ)、水を混練(混合)する場合について記載したが、更に金属スラグをあわせて混練(混合)することもできる。この場合、2次混練処理40及び2次締固め処理50を同様に順次実施することによって、コンクリートブロックP60が得られる。なお、この2次混練処理40において混練する原料として、必要に応じ石炭灰(フライアッシュ)を省略することもできる。このときの2次混練処理40が、本発明における「破砕状の非焼成型固化体、セメント、金属スラグ及び水を混練した混練物を得るステップ」に対応しており、このときの2次締固め処理50が、本発明における「混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作させ、圧密されたブロック状の成型体を得るステップ」に対応している。
ここで、コンクリートブロックP60の製造に係る各配合要素の配合比率及び当該コンクリートブロックP60の性能評価結果を、図9及び図10を参照しながら説明する。
本発明者らは、上記処理工程を実施することによって、コンクリートブロックP60−1,P60−2,P60−3を製造した。これらコンクリートブロックP60−1〜P60−3につき、2次混練処理40における各構成要素の配合比率が図9に示される。なお、図9及び図10では、2次混練処理40において混練する石炭灰固化骨材として、図3中の石炭灰固化骨材P30−1を用いた例について記載している。
図9に示すように、コンクリートブロックP60−1は、セメント270[kg](11[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)80[kg](3[wt%])、金属スラグ1300[kg](51[wt%])、石炭灰固化骨材800[kg](31[wt%])、水113[kg](4[wt%])で配合した結果得られたコンクリートブロック成型体である。また、コンクリートブロックP60−2は、セメント280[kg](11[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)70[kg](3[wt%])、金属スラグ1400[kg](55[wt%])、石炭灰固化骨材700[kg](27[wt%])、水115[kg](4[wt%])で配合した結果得られたコンクリートブロック成型体である。また、コンクリートブロックP60−3は、セメント290[kg](11[wt%])、石炭灰(フライアッシュ)60[kg](2[wt%])、金属スラグ1500[kg](59[wt%])、石炭灰固化骨材600[kg](23[wt%])、水117[kg](5[wt%])で配合した結果得られたコンクリートブロック成型体である。
このように、本実施の形態では、コンクリートブロックP60の製造に際し、セメント、石炭灰(フライアッシュ)、金属スラグ、石炭灰固化骨材、水を、各々11[wt%]、2〜3[wt%]、51〜59[wt%]、23〜31[wt%]、4〜5[wt%]の配合比率で配合している。
本発明者らは、上記コンクリートブロックP60−1〜P60−3につき、評価項目である圧縮強度、密度についての測定を、コンクリートブロックP50の評価で用いた測定方法と同様の測定方法によって実施した。その測定結果が図10に示される。
図10に示すように、本実施の形態の処理工程によって圧縮強度が25N/mm以上、密度が2.4g/cm以上である、高強度、高密度のコンクリートブロックP60を得ることが可能となった。
本実施の形態のコンクリートブロックP60は、高強度、高密度で安定性が高いうえに、高い保水性(高吸水率)を有する石炭灰固化骨材P30を用いているため、とりわけヒートアイランド現象抑制対策に適したコンクリートブロックとして有効である。
以上のように、本実施の形態によれば、石炭灰固化骨材P30や、コンクリートブロックP50,P60の製造に石炭灰(フライアッシュ)を用いるため、石炭火力発電所等において発生する石炭灰(フライアッシュ)の有効利用が可能となる。
また、本実施の形態によれば、特に、1次締固め処理20及び2次締固め処理50において用いる振動成型プレス機100の構成を工夫し、混練物P10及び混練物P40全体に均一な振動を付与することによって、とりわけ植生やヒートアイランド現象抑制に適した高強度、高密度、高空隙率(高透水性)で、安定性や保水性(吸水率)の高いポーラスコンクリートブロックP50を製造することが可能となる。また、とりわけヒートアイランド現象抑制に適した高強度、高密度で、安定性や保水性(吸水性)の高いコンクリートブロックP60を製造することが可能となる。また、これらコンクリートブロックP50,P60を製造するのに好適な高強度、高密度、高保水性かつ均質な石炭灰固化骨材P30を製造することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態で説明した構成に限定されず種々の変更、追加、削除が可能である。
本発明では、上記実施の形態の1次締固め処理20及び2次締固め処理50において、成型型枠110(振動装置130)全体を振幅動作させる振動エネルギーは、加圧固化物P20やコンクリートブロックP50,P60の性状に応じて適宜設定することができ、好ましくは、1秒あたり10〜50J/l(ジュール/リットル)の間の値を適宜用いることができる。
また、本発明では、石炭灰固化骨材P30の製造に係る各配合要素の配合比率は、セメント13〜18[wt%]、石炭灰(フライアッシュ)24〜26[wt%]、金属スラグ47〜53[wt%]、水8〜11[wt%]の範囲内で適宜選択可能である。
また、本発明では、コンクリートブロックP50の製造係る各配合要素の配合比率は、セメント13〜18[wt%]、石炭灰(フライアッシュ)1[wt%]、石炭灰固化骨材78〜84[wt%]、水2〜4[wt%]、の範囲内で適宜選択可能である。
また、本発明では、コンクリートブロックP60の製造係る各配合要素の配合比率は、セメント11[wt%]、石炭灰(フライアッシュ)2〜3[wt%]、金属スラグ51〜59[wt%]、石炭灰固化骨材23〜31[wt%]、水4〜5[wt%]の範囲内で適宜選択可能である。
本実施の形態における石炭灰固化骨材P30、及び当該石炭灰固化骨材P30を用いたコンクリートブロックP50の製造に係る処理フローチャートである。 1次締固め処理20及び2次締固め処理50に用いる振動成型プレス機100の概略構成を示す図である。 石炭灰固化骨材P30の製造に係る各配合要素の配合比率を示す図である。 石炭灰固化骨材P30の性能評価結果を示す図である。 コンクリートブロックP50の製造に係る各配合要素の配合比率を示す図である。 コンクリートブロックP50の性能評価結果を示す図である。 石炭灰固化骨材P30中の金属スラグの様子を模式的に示す図である。 コンクリートブロックP50中の石炭灰固化骨材の様子を模式的に示す図である。 コンクリートブロックP60の製造に係る各配合要素の配合比率を示す図である。 コンクリートブロックP60の性能評価結果を示す図である。 コンクリートブロックP50,P60の形状を示す斜視図である。 従来の振動成型プレス機200の概略構成を示す図である。
10 1次混練処理
20 1次締固め処理
30 破砕処理
40 2次混練処理
50 2次締固め処理
100 振動成型プレス機
110 成型型枠
110a 充填領域
120 加圧プレス装置
130 振動装置
P10,P40 混練物
P20 加圧固化物
P30 石炭灰固化骨材
P50,P60 コンクリートブロック

Claims (9)

  1. 石炭灰、セメント、金属スラグ及び水を混練した混練物を、成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作させて得られ圧密された非焼成型固化体を、更に破砕することで得られる破砕状の非焼成型固化体であって、
    圧縮強度が25N/mm以上、密度が2.1g/cm以上、吸水率が8%以上であることを特徴とする非焼成型固化体。
  2. 請求項1に記載の非焼成型固化体を用いたブロック状の成型体であって、
    前記破砕状の非焼成型固化体、セメント及び水を混練した混練物を、成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作させて得られる、圧密された成形体であり、
    空隙率が16%以上、圧縮強度が16N/mm以上であることを特徴とする成型体。
  3. 請求項1に記載の非焼成型固化体を用いたブロック状の成型体であって、
    前記破砕状の非焼成型固化体、セメント、金属スラグ及び水を混練した混練物を、成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作させて得られる、圧密された成形体であり、
    圧縮強度が25N/mm以上であることを特徴とする成型体。
  4. 石炭灰を用いた非焼成型固化体を製造する、非焼成型固化体の製造方法であって、
    石炭灰、セメント、金属スラグ及び水を混練した混練物を得るステップと、
    前記混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作させ、圧密された非焼成型固化体を得るステップと、
    前記圧密された非焼成型固化体を破砕することで破砕状の非焼成型固化体を得るステップと、
    を有することを特徴とする、非焼成型固化体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の、非焼成型固化体の製造方法であって、
    前記圧密された非焼成型固化体を得るステップにおいて、成型型枠全体を1秒あたり10〜50J/lの振動エネルギーで振幅動作させることを特徴とする、非焼成型固化体の製造方法。
  6. 請求項またはに記載の製造方法で得られた破砕状の非焼成型固化体を用いてブロック状の成型体を製造する、成型体の製造方法であって、
    前記破砕状の非焼成型固化体、セメント及び水を混練した混練物を得るステップと、
    前記混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作させ、圧密されたブロック状の成型体を得るステップと、
    を有することを特徴とする、成型体の製造方法。
  7. 請求項に記載の、成型体の製造方法であって、
    前記圧密されたブロック状の成型体を得るステップにおいて、成型型枠全体を1秒あたり10〜50J/lの振動エネルギーで振幅動作させることを特徴とする、成型体の製造方法。
  8. 請求項またはに記載の製造方法で得られた破砕状の非焼成型固化体を用いてブロック状の成型体を製造する、成型体の製造方法であって、
    前記破砕状の非焼成型固化体、セメント、金属スラグ及び水を混練した混練物を得るステップと、
    前記混練物を成型型枠内に充填し加圧した状態で成型型枠全体を振幅動作させ、圧密されたブロック状の成型体を得るステップと、
    を有することを特徴とする、成型体の製造方法。
  9. 請求項に記載の、成型体の製造方法であって、
    前記圧密されたブロック状の成型体を得るステップにおいて、成型型枠全体を1秒あたり10〜50J/lの振動エネルギーで振幅動作させることを特徴とする、成型体の製造方法。
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