JP4588090B2 - コンクリート二次製品の製造方法及びそのコンクリート二次製品 - Google Patents

コンクリート二次製品の製造方法及びそのコンクリート二次製品 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート二次製品の製造方法及びそのコンクリート二次製品に関する。
コンクリートの構成材料のうち、コンクリートの強度発現に寄与する物質を生成する結合材には、通常、セメントが用いられるが、昨今、リサイクル促進の観点により、製鉄所や発電所から廃棄物として排出される高炉スラグ微粉末やフライアッシュを結合材として有効利用する試みがなされている。
高炉スラグ微粉末は、製鋼所において製鋼工程で、溶鉱炉で銑鉄と同時に生成する溶融状態の高炉スラグを水によって急冷し、これを乾燥・粉砕したもの、或いはこれにせっこうを添加したものであり、フライアッシュは、石炭火力発電所の微粉炭燃焼ボイラの燃焼ガスから集じん器で捕集される灰である。
ところで最近、かかる結合材として、上記とは異なる廃棄物である、加圧流動床式複合発電(Pressurized Fluidized Bed Combusion,PFBC)方式の石炭火力発電所から排出されるPFBC灰を利用したコンクリートが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平11−147747号公報
しかしながら、特許文献1に記載のコンクリートでは、PFBC灰をセメントの一部と代替して用いており、セメントの配合量の減少にともなって、作製されるコンクリートの圧縮強度が減少する実施例が記載されている。そして、結合材に占めるセメントの含有率を30%より少なく設定する例は記載されていない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、PFBC灰とともに配合するセメントの量が少量であっても、その材料によって作製されるコンクリート二次製品に、適正な圧縮強度を発現させることが可能なコンクリート二次製品の製造方法及びそのコンクリート二次製品を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、コンクリート二次製品の製造方法であって、
結合材としてPFBC灰とセメントと高炉スラグ微粉末とを含み、前記結合材に占める前記セメントの含有率が20質量%であり、前記結合材に占める前記高炉スラグ微粉末の含有率が30質量%であるコンクリートを、前記コンクリート二次製品の成形用の型枠に打設し、
前記打設されたコンクリートを少なくとも17時間蒸気養生し、
前記蒸気養生したコンクリートを前記型枠から取り外す、ことを特徴とする。
本発明のコンクリート二次製品の製造方法によれば、蒸気養生を行うことにより、PFBC灰とともに配合するセメントの結合材に占める含有率が、特許文献1に記載のコンクリートと比較して20〜30質量%と少量であっても、コンクリート二次製品として適正な圧縮強度を発現させることができる。これにより、セメントの材料費を削減できるとともに、セメント製造時に発生するCOを削減でき、環境負荷の低減に寄与する。
また、蒸気養生を行うことにより、コンクリートに早期に圧縮強度を発現させることができることから、早期にコンクリートを脱型することができるので、製造効率の向上を図ることができる。さらに、蒸気養生を、少なくとも17時間行うことにより、コンクリート二次製品の材齢7日時の圧縮強度を30N/mm 以上に発現させることができる。この圧縮強度は、JIS A 5371に規定される無筋コンクリート二次製品のうち舗装・境界ブロック類の境界ブロックの設計基準強度である24N/mm に、安全係数1.25を乗じたものである。
また、高炉スラグ微粉末はセメントのアルカリ成分を刺激剤として、水硬性を示す性質を持つ(潜在水硬性)ことから、結合材として、PFBC灰及びセメントとともに併用することで、廃棄物の有効利用に寄与することができる。
本発明は、コンクリート二次製品であって、結合材としてPFBC灰とセメントと高炉スラグ微粉末とを含み、前記結合材に占める前記セメントの含有率が20質量%であり、前記結合材に占める前記高炉スラグ微粉末の含有率が30質量%であるコンクリートを、前記コンクリート二次製品の成形用の型枠に打設し、前記打設されたコンクリートを少なくとも17時間蒸気養生し、前記蒸気養生したコンクリートを前記型枠から取り外してなることを特徴とする。
本発明によれば、PFBC灰とともに配合するセメントの量が少量であっても、その材料によって作製されるコンクリート二次製品に、適正な圧縮強度を発現させることが可能なコンクリート二次製品の製造方法及びそのコンクリート二次製品を提供できる。
本実施形態に係るコンクリート二次製品の製造工程を示す工程図である。 養生工程S50の蒸気加熱による温度履歴を示すグラフである。 本検討に用いたコンクリート供試体の材料の仕様を示す表である。 本検討に用いたコンクリート供試体の材料の配合条件を示す表である。 各配合条件で配合された混和剤の量、並びに各配合条件のフレッシュ状態におけるコンクリートのスランプフロー及び空気量の測定結果をまとめた表である。 養生条件1を示す温度履歴のグラフと、養生条件1により作製された供試体の所定材齢時における圧縮強度の測定結果をまとめた表である。 養生条件2を示す温度履歴のグラフと、養生条件2により作製された供試体の所定材齢時における圧縮強度の測定結果をまとめた表である。 養生条件3を示す温度履歴のグラフと、養生条件3により作製された供試体の所定材齢時における圧縮強度の測定結果をまとめた表である。 養生条件4を示す温度履歴のグラフと、養生条件4により作製された供試体の所定材齢時における圧縮強度の測定結果をまとめた表である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るコンクリート二次製品の製造工程を示す工程図である。ここでいうコンクリート二次製品とは、工場の製造設備により製造される部材・製品を意味し、例えば、土木・建築関連などに幅広く利用される構造部材である杭基礎(既成杭)用のコンクリートパイル、下水道等に使われる土木用ヒューム管、ボックスカルバート、U字側溝等が挙げられる。
図1に示すように、コンクリート二次製品は、材料の計量工程S10、練混ぜ工程S20、打込み工程S30、締固め工程S40、養生工程S50、及び脱型工程S60を実施することにより製造される。
材料の計量工程S10では、コンクリート二次製品の種類や形状・寸法により、細骨材、粗骨材、水及び結合材を適宜調合する。
粗骨材とは、5mm網ふるいに質量で85%以上とどまる骨材をいうが、砕石、人工骨材など、特に限定されない。また、細骨材とは、10mm網ふるいを全部通り、5mm網ふるいを質量で85%以上通る骨材をいうが、川砂、砕砂など、特に限定されない。
なお、結合材は、コンクリートの構成材料のうち、コンクリートの強度発現に寄与する物質を生成するものであって、本実施形態では、PFBC灰、高炉スラグ微粉末、及びセメントを用いる。
PFBC灰は、加圧流動床式複合発電(Pressurized Fluidized Bed Combusion,PFBC)方式の石炭火力発電所から排出される灰であり、高炉スラグ微粉末は、溶鉱炉で銑鉄と同時に生成する溶融状態の高炉スラグを水によって急冷し、これを乾燥・粉砕したものである。
セメントとしては、用途に応じて種類を用いることができ、例えば、普通ポルトランドセメント、早強セメント、中庸熱セメントが挙げられる。
そして、これら結合材の配合は、結合材に占めるセメントの含有率を20質量%とする。
また、結合材に占める高炉スラグ微粉末の含有率を30質量%とする。高炉スラグ微粉末はセメントのアルカリ成分を刺激剤として、水硬性を示す性質を持つ(潜在水硬性)ことから、結合材として、PFBC灰及びセメントとともに併用することができる。
また、水と結合材との水結合材比は、例えば30質量%とする。ただし、前記水結合材比は、フレッシュコンクリート組成物中の比である。
なお、コンクリート二次製品の材料として混和剤を含んでもよく、例えば高性能減水剤を用いる。高性能減水剤とは、例えば、ポリカルボン酸系、ナフタリン系、メラミン系及びアミノスルホン酸系の界面活性剤を主成分とする混和剤であり、高い減水性能及び良好なスランプ保持性能をコンクリートに与えるために用いる。
練混ぜ工程S20では、調合された材料を良質なコンクリートを得るために均一に混練する。混練には、例えば上記のような富配合の硬練りコンクリートの練混ぜに適した強制練りミキサを用いる。
打込み工程S30では、練混ぜ工程S20で混練されたコンクリートを型枠へ打設する。
型枠には、製造中に振動、圧力及び熱等が繰り返し作用しても、堅固で、形状及び寸法に狂いの生じない材質からなるものが望まれ、例えば、鋼製型枠を用いる。型枠へのコンクリートの打込みは、例えば、ホッパー、コンクリートポンプ、又は自動給材機などを用いて行う。
締固め工程S40は、型枠に打ち込まれたコンクリートを、型枠内の隅々まで充填し、かつコンクリートが密実になるようするための処理であり、例えば、振動機、加圧成形機、遠心成形機、又は突固め機等を用いて行う。
養生工程S50では、型枠に打ち込まれ締め固められたコンクリートを、蒸気により加熱することにより硬化を促進させる。具体的には、締固め工程S40で締め固められたコンクリートが打ち込まれた型枠を、ボイラで発生させた蒸気が供給される養生室に設置し、コンクリートを養生させる。
図2は、養生工程S50の蒸気加熱による温度履歴を示すグラフである。
図2に示すように、養生は、前養生期間、温度上昇期間、等温養生期間、徐冷期間のサイクルで行われる。
かかる養生については、急激に加熱したり、最高温度を高くとりすぎたり、急冷したりすることにより、ひび割れの発生や発現強度の低下などまねくことがあるため、コンクリート標準示方書[施工編]により、(1)型枠のまま養生室に入れ温度を均等に上昇させる、(2)練り混ぜ後2〜3時間以上前養生期間を置きその後加熱する、(3)温度上昇期間では温度上昇速度は20℃/h程度とする、(4)等温養生期間では最高温度を65℃とする、(5)徐冷期間では徐々に温度を下げ室温と大差がなくなって製品を取り出す、等が記載されている。
なお、本実施形態のコンクリート二次製品の製造方法では、温度上昇期間と等温養生期間との合計期間(以下、蒸気養生期間という)が、少なくとも17時間となるように養生を行うことが好ましい。
最後に、脱型工程S60において、養生室から蒸気養生後の型枠に入れられたコンクリートを取り出し、型枠を取り外すことにより、コンクリート二次製品として適正な圧縮強度を有するものが製造される。なお、型枠を取り外した後、必要に応じて後養生してもよい。
次に、上記コンクリート二次製品の製造方法の条件を設定するにあたり、コンクリートの配合や養生条件を変更してコンクリート供試体を複数作製し、それら供試体について圧縮強度を測定することにより検討したので、以下にその詳細を説明する。
図3は、本検討に用いたコンクリート供試体の材料の仕様を示す表である。
図3に示すように、コンクリート二次製品の材料として、水(W)、セメント(C)、PFBC灰(P)、高炉スラグ微粉末(BF)、細骨材(S)、粗骨材(G1及びG2)、及び混和剤として高性能減水剤(SP1)を用いた。
図4は、本検討に用いたコンクリート供試体の材料の配合条件を示す表である。
図4に示すように、本検討では5種類の配合(配合条件1〜5)のコンクリート供試体を作製した。
これら全配合(配合条件1〜5)は、共通して、結合材(B)に対する水(W)の質量比である水結合材比(W/B)を30%、全骨材量(a)に対する細骨材量(s)の絶対容積比を表す細骨材率(s/a)を45%、結合材(B)に占める高炉スラグ微粉末(BF)の含有率(BF/B)を30%、コンクリート1mを作るときに用いる水の使用量を175kg/mとした。
結合材(B)のうち高炉スラグ微粉末(BF)の配合量は、各配合条件とも同量(175kg/m)になるように配合した。
細骨材(S)、粗骨材(G1)、粗骨材(G2)についても、各配合条件ともほぼ同程度の割合(S:687〜698kg/m,G1:350〜356kg/m,G2:525〜534kg/m)になるように調整した。
一方、結合材(B)中のPFBC灰(P)及びセメント(C)の量は、各配合条件によって変更した。具体的には、結合材(B)に占めるセメント(C)の含有率を、配合条件1では3.5質量%(20kg/m)、配合条件2では7質量%(41kg/m)、配合条件3では10質量%(60kg/m)、配合条件4では20質量%(117kg/m)、配合条件5では30質量%(175kg/m)になるようにした。なおここで、各配合条件ともに結合材(B)は、ほぼ同量(583〜585kg/m)になるように調整した。すなわち、結合材(B)に占めるセメント(C)の含有率が増加にともない、結合材(B)に占めるPFBC灰(P)の含有率が減少する配合になる。
また、各配合条件では、スランプフローが65±5cmになるように、高性能減水剤(SP1)を配合した。スランプフローとは、フレッシュコンクリートの流動性を示す指標の一つで、上端内径100mm、下端内径200mm及び高さ300mmのスランプコーンコーンに、コンクリート材料を詰めた後、静かに鉛直に引き上げた時の、コンクリート材料の直径の広がりで表すものである(JIS A 1150)。
以上の配合条件1〜5からなる材料は、先ず、骨材(a)と結合材(B)とを30秒間空練りした後、その空練りしたものに、あらかじめ混和剤を加えた水を投入して4分間練混ぜを行った。そして、材料を練混ぜ後、フレッシュ状態の空気量を測定した(JIS A 1128)。
図5は、各配合条件で配合された混和剤の量、並びに各配合条件のフレッシュ状態におけるコンクリートのスランプフロー及び空気量の測定結果をまとめた表である。
図5に示すように、各配合条件では、結合材(B)に対して1.03〜1.30質量%の高性能減水剤(SP1)が配合され、スランプフローが67.5〜71.0cmの範囲で測定された。また、各配合条件の空気量は、1.2〜1.8%の範囲で測定された。
スランプフロー及び空気量の測定の後、練り混ぜた材料を型枠に打設し、棒形振動機で締固めを行った。なお、型枠には、コンクリートの圧縮強度測定用の供試体として規定される形状(Φ100×200mm)のものを用いた。
このようにして型枠に打設された各配合条件のコンクリートを、型枠のまま養生室に設置し、蒸気養生をおこなった後、養生室から型枠に入れられたコンクリートを取り出し、脱型することにより、供試体を作製した。なお、上記コンクリート供試体の作製は、JIS A 1132に準拠して行った。
そして、これらの供試体に対し、所定材齢時において圧縮強度を測定した(JIS A 1108)。
図6〜図9は、養生条件を示す温度履歴のグラフと、その養生条件により作製された供試体の所定材齢時における圧縮強度の測定結果をまとめた表である。図6〜図9に示すように、供試体を作製するにあたり、4種類の異なる養生条件(養生条件1〜4)で養生を行った。
養生条件1(図6のグラフ参照)では、配合条件1及び配合条件2からなる供試体を、20℃で前養生期間を2時間とり(経過時間:0〜2時間)、その後温度上昇速度を22.5℃/hで65℃まで室温を上昇させ(経過時間:2〜4時間)、その後その室温にて4時間等温で養生し(経過時間:4〜8時間)、その後自然放冷した。すなわち、養生条件1では、前養生を2時間、蒸気養生を6時間行っている。
養生条件2(図7のグラフ参照)は、養生条件1における蒸気養生期間を延長した場合であり、具体的には、20℃で前養生期間を2時間とり(経過時間:0〜2時間)、その後温度上昇速度を22.5℃/hで65℃まで室温を上昇させ(経過時間:2〜4時間)、その後その室温にて17時間等温で養生し(経過時間:4〜21時間)、その後自然放冷した。すなわち、養生条件2では、前養生を2時間、蒸気養生を19時間行っている。
養生条件3(図8のグラフ参照)では、配合条件3〜5からなる供試体を、25℃で前養生期間を4時間とり(経過時間:0〜4時間)、その後温度上昇速度を12.5℃/hで50℃まで室温を上昇させ(経過時間:4〜6時間)、その後その室温で4時間保持させ(経過時間:6〜10時間)、その後さらに15℃/hとして65℃まで室温を上昇させた(経過時間:10〜11時間)。そして、65℃の等温養生期間を10時間とり(経過時間:11〜21時間)、その後自然放冷した。すなわち、養生条件3では、前養生を4時間、蒸気養生を17時間行っている。
養生条件4は、配合条件4からなる供試体を、養生条件3における蒸気養生期間を短縮して養生した場合であり、具体的には、25℃で前養生期間を4時間とり(経過時間:0〜4時間)、その後温度上昇速度を20℃/hで65℃まで室温を上昇させ(経過時間:4〜6時間)、その後その室温にて6時間等温で養生し(経過時間:6〜12時間)、その後自然放冷した(図9のグラフ参照)。すなわち、養生条件4では、前養生を4時間、蒸気養生を8時間行っている。
養生条件1〜4で作製された供試体の圧縮強度の測定結果によれば、同じ配合条件からなる供試体を養生する場合、蒸気養生の期間が長いほど、作製された供試体の圧縮強度が、いずれの材齢時においても向上していることがわかる。特に、脱型時における圧縮強度にその差が顕著に現れており、蒸気養生期間の延長によりコンクリートが早期に圧縮強度を発現している。
また、配合条件のうち、結合材(B)に占めるセメント(C)の含有率が高いものほど、作製された供試体の圧縮強度が向上している。
コンクリート二次製品は製造するうえで、一般に、(i)型枠に打設後1日で脱型可能であること、(ii)脱型時の圧縮強度が10N/mm以上あること、(iii)材齢7日時(製品出荷時)における圧縮強度が、要求された設計基準強度に安全係数を乗じた値以上を有すること等の条件が必要とされている。
安全係数とは、コンクリート二次製品の圧縮強度はロットによってかなり変動するので、要求された設計基準強度に対してコンクリート二次製品の圧縮強度が過少とならないように保障するために用いるものである。
(iii)の条件については、例えばU字側溝等の無筋コンクリート二次製品に適用する場合、材齢7日時における圧縮強度が30N/mm以上であることが要求される。この圧縮強度は、JIS A 5371に規定される無筋コンクリート二次製品のうち舗装・境界ブロック類の境界ブロックの設計基準強度である24N/mmに、安全係数1.25を乗じたものである。
上記コンクリート二次製品を製造するうえで要求される条件を踏まえ、測定結果をみると、上記(i)〜(iii)の条件を満たすものは、養生条件3で養生を行った供試体のうち、配合条件4及び5からなる供試体である。
すなわち、PFBC灰(P)とともに配合するセメント(C)の結合材(B)に占める含有率が配合条件4のように20質量%少量であっても、蒸気養生を17時間行ったコンクリート二次製品が、コンクリート二次製品として適正な圧縮強度を発現した。
以上、本実施形態に係るコンクリート二次製品の製造方法によれば、製造過程で蒸気養生を行うことにより、PFBC灰とともに配合するセメントの結合材に占める含有率が、20質量%と少量であっても、コンクリート二次製品として適正な圧縮強度を発現させることができる。具体的には、蒸気養生を少なくとも17時間行うことにより、コンクリート二次製品の材齢7日時の圧縮強度を30N/mm以上に発現させることができる。
これにより、セメントの材料費を削減できるとともに、セメント使用時に発生するCOを削減でき、環境負荷低減に寄与する。
また、蒸気養生を行うことにより、コンクリートに早期に圧縮強度を発現させることができることから早期に脱型することができるので、製造効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係るコンクリート二次製品の製造方法によれば、結合材として、高炉スラグ微粉末を含むことにより、PFBC灰とともに廃棄物の有効利用に寄与することができる。
S10 材料の計量工程
S20 練混ぜ工程
S30 打込み工程
S40 締固め工程
S50 蒸気養生工程
S60 脱型工程

Claims (2)

  1. コンクリート二次製品の製造方法であって、
    結合材としてPFBC灰とセメントと高炉スラグ微粉末とを含み、前記結合材に占める前記セメントの含有率が20質量%であり、前記結合材に占める前記高炉スラグ微粉末の含有率が30質量%であるコンクリートを、前記コンクリート二次製品の成形用の型枠に打設し、
    前記打設されたコンクリートを少なくとも17時間蒸気養生し、
    前記蒸気養生したコンクリートを前記型枠から取り外す、ことを特徴とするコンクリート二次製品の製造方法。
  2. コンクリート二次製品であって、
    結合材としてPFBC灰とセメントと高炉スラグ微粉末とを含み、前記結合材に占める前記セメントの含有率が20質量%であり、前記結合材に占める前記高炉スラグ微粉末の含有率が30質量%であるコンクリートを、前記コンクリート二次製品の成形用の型枠に打設し、
    前記打設されたコンクリートを少なくとも17時間蒸気養生し、
    前記蒸気養生したコンクリートを前記型枠から取り外してなることを特徴とするコンクリート二次製品。
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