JP5430435B2 - コンクリート堤体の構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、RCD(Roller Compacted Dam−concrete)工法を用いた堤体の構築方法に関する。
コンクリート堤体の合理的な構築方法としてRCD工法が知られている。RCD工法は、単位結合材量が少ない貧配合の超硬練りゼロスランプコンクリートをダンプトラック等で打設現場に搬送し、ブルドーザー等で敷き均し、その後、振動ローラーで締め固める工法である。その際、堤体の外周部を有スランプコンクリートによる枠組み構造とし、その内部に上記の超硬練りコンクリートを1層あたり0.5〜1m程度の厚さ(リフト高さ)に敷設して、各リフト毎に締固めを行い、層状に積み上げていく。RCD工法は中・大規模ダムの建設で主流になっている。
従来、RCD工法に適用するコンクリート(以下「RCDコンクリート」ということがある)は、水和熱を低減するために単位結合材量を120〜130kg/m3程度とし、セメントの30%程度をフライアッシュで置換した配合のものが多くの大規模ダムにおいて採用されている。
特開2001−192254号公報 特開平9−41346号公報 特開平2−239144号公報 特許第3608911号公報
ダムコンクリートはマスコンクリートであるため、温度応力ひび割れの対策が極めて重要である。従来、RCDコンクリートには上記のような貧配合のコンクリートを採用しているが、内部の発熱が過大にならないように、1層あたりのリフト厚さは通常1m以内に制限される。このため、大規模ダムでは何十層ものリフトを繰り返す必要があり、これが工期の長期化を招く要因となっている。また夏期には、内部コンクリートの温度が過大とならないように高価なチラー設備などを用いてコンクリートの冷却を行っており、ダム建設のコストを押し上げている。
一方、最近では産業界において環境負荷低減の要請が高まっている。ダム建設には大量のセメントが使用されるが、セメント1tを製造すると約750kgのCO2が排出されるとされ、今後はダム建設においてもできるだけ環境負荷の小さい材料に切り替えていく対策が望まれる。
本発明は、大規模ダムをはじめとする堤体の建設において、工期の短縮化、水和熱冷却コストの低減、および環境負荷の低減を一挙に実現することが可能な技術を提供しようというものである。
上記目的は、水結合材比60〜100%、粗骨材最大寸法50〜200mm、単位結合材量100〜170kg/m3、単位細骨材量600〜800kg/m3、単位粗骨材量1400〜1700kg/m3の超硬練りコンクリート配合において、エーライト含有量が1.0質量%以上である高炉スラグ微粉末を結合材全体の96超え〜100質量%に使用した、材齢28日の圧縮強度が8〜30N/mm2となる性質を有するゼロスランプコンクリートを、堤体内部の構成材料として、RCD工法を適用するコンクリート堤体の構築方法によって達成される。RCD工法における1層あたりのリフト高さを1.0m以上とすることが効果的である。
ここで、材齢は打設時を基準にした日数である。圧縮強度はJIS A1132:2006に従い、40mmの網ふるいで40mmを超える粗骨材粒子を除去した試料により定めることができる。ゼロスランプコンクリートとは、スランプ試験においてスランプが0cmとなるコンクリートである。
本発明によれば、RCD工法において以下のようなメリットが得られる。
(i)従来のRCDコンクリートと比べ水和熱が大幅に低減されるので温度応力ひび割れ発生の感受性が小さくなり、1層あたりのリフト高さを増大させることができる。これにより堤体の建設工期が短縮化し、特に大規模ダムの建設において大きな工期短縮効果が期待される。
(ii)従来、温度応力ひび割れの発生を抑制するために採用されていた対策を大幅に軽減することが可能になる。
(iii)セメント使用量をゼロにしてもRCDコンクリートとして必要な強度が得られる。セメントの製造には多量のCO2発生を伴うことから、本発明を適用すると堤体建設におけるトータルのCO2発生量を大幅に低減できる。特に大規模ダムの建設においてその効果は極めて大きい。
RCDコンクリートに適用される標準的な超硬練り配合において、エーライトをほとんど含有しない高炉スラグ微粉末(後述B1)でセメントを置換したときの置換率と、それら各配合のコンクリートについての材齢3〜28日の圧縮強度の関係を例示したグラフ。 RCDコンクリートに適用される標準的な超硬練り配合において、エーライトを含有する高炉スラグ微粉末(後述B2)でセメントを置換したときの置換率と、それら各配合のコンクリートについての材齢3〜28日の圧縮強度の関係を例示したグラフ。
セメントの一部を高炉スラグ微粉末で置換したコンクリートは知られているが、70%を超えるような多量の高炉スラグ微粉末で置換すると種々の弊害が生じることから、一般的にそのようなコンクリートは採用されない。発明者らはその弊害について詳細に検討した結果、RCDコンクリートのセメントを高炉スラグ微粉末で多量置換することの可能性について以下のような知見を得た。
(1)一般に高炉スラグ微粉末はアルカリの刺激によって硬化する潜在水硬性を有しているが、セメントを高炉スラグ微粉末で多量に置換すると、コンクリート中のアルカリの絶対量が不足し、ブリーディングの影響によってアルカリが均質に分布しない状況あるいはレイタンスとして失われる状況が生じると、コンクリートが硬化しない恐れがある。
RCDコンクリートでは単位水量を例えば80〜110kg/m3と少なくすることが可能であり、これによってブリーディングはほとんど発生しないため、硬化しない状況は回避できる。
(2)一般にセメントを高炉スラグ微粉末で多量に置換すると、自己収縮ひずみが大きくなるため、ひび割れが発生しやすくなる。
しかしRCDコンクリートでは上記のように単位水量を少なくすることが可能であり、自己収縮ひずみの問題は回避される。
(3)一般にセメントを高炉スラグ微粉末で多量に置換すると、初期の強度発現が小さく、型枠の脱型時期が遅くなる。また、グリーンカットの時期が遅くなる。
しかしRCDコンクリートは振動ローラによる転圧で自立するため、初期の強度発現は問題とならない。また通常のコンクリートとは施工方法が異なり、グリーンカットの時期が問題となることもない。
(4)一般にセメントを高炉スラグ微粉末で多量に置換すると、特に材齢28日強度が低くなる。
しかしRCDコンクリートの強度保証材齢は従来一般に91日とされている。発明者らの検討によれば、セメントを高炉スラグで多量に置換(例えば置換率85%以上)した場合、材齢28日強度は低下するものの、材齢28日から91日にかけて強度が着実に増大することがわかった。そして、材齢91日の圧縮強度は15〜35N/mm2となり、十分な強度を呈する堤体が構築できることが明らかになった。
(5)一般にセメントを高炉スラグ微粉末で多量に置換すると、中性化の進行が早くなる傾向がある。
しかしRCD工法の堤体内部には鉄筋が配置されないので、中性化の問題は生じない。
発明者らはこれらの知見を基に、結合材の71〜96%を高炉スラグ微粉末で置換したゼロスランプコンクリートをRCD工法に適用するコンクリート堤体の構築方法を発明し、先に特願2008−201418として開示した。ところがその後の研究により、さらに以下の知見を得るに至った。
(6)セメントを置換する高炉スラグ微粉末として、エーライト(珪酸三カルシウム;3CaO・SiO2)を一定量以上含有する高炉スラグ微粉末を使用すると、セメント配合量をゼロとした場合でもRCDコンクリートに要求される強度が発現する。すなわち、このような高炉スラグ微粉末を用いることによって、結合材の100%を賄うこと(置換率100%)が可能となる。
本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
高炉スラグ微粉末はセメントのアルカリ分の刺激を受けて概ねpH12以上となる条件下で硬化する(潜在水硬性)。この潜在水硬性を得るためには、通常はセメントとの共存が必要である。セメントの大部分を高炉スラグで置換したコンクリートでは、アルカリ分が不足することによって硬化不良が生じる危険性があるので、アルカリ刺激剤を必要とする場合もある。ところが発明者らの検討によれば、エーライトを含有する高炉スラグ微粉末を用いると、セメントが共存していなくても、RCDコンクリートに要求されるレベルの強度が発現する。そのメカニズムは以下のように考えられる。すなわち、高炉スラグ微粉末中にエーライトが含まれている場合、そのエーライトと水との化学反応(水和反応)によって水硬性が生じる。また、その水和反応によって生成した水酸化カルシウムのアルカリ性によって高炉スラグ微粉末の潜在水硬性が発揮される。
以下、本発明をより具体的に説明する。
高炉スラグ微粉末でセメントを置換する本発明対象のRCDコンクリートにおいても、水結合材比、粗骨材最大寸法、単位水量、単位結合材量、単位細骨材量、単位粗骨材量などについては、従来から実績のあるRCDコンクリートの基本的な配合を適用することができる。
すなわち、水結合材比は60〜100%の範囲とすることができ、65〜90%であることがより好ましい。単位水量は80〜110kg/m3とすることが好ましく、80〜100kg/m3とすることが一層好ましい。単位結合材量は100〜170kg/m3とすることができ、110〜150kg/m3あるいは110〜140kg/m3に管理しても構わない。単位細骨材量は600〜800kg/m3の範囲で調整することができる。単位粗骨材量は1400〜1700kg/m3で調整することができる。
粗骨材最大寸法は50〜200mmの範囲とすることができ、50〜170mmとすることがより好ましい。50〜100mmの範囲としても構わない。粗骨材最大寸法が50mmを下回ると、堤体の構造にとって必要な強度が安定して得られない場合がある。ただし、粗骨材は篩い分けされた複数種類の異なる最大寸法を有するものをブレンドすることが望ましい。粗骨材の粒度分布を例示すると、最大寸法80mm超え〜200mmのもの(例えばG150):0〜400kg、最大寸法40mm超え〜80mmのもの(G80):350〜550kg/m3、最大寸法20mm超え〜40mmのもの(G40):350〜550kg/m3、最大寸法20mm以下のもの(例えばG20):350〜700kg/m3の粗骨材配合を採用することができる。細骨材率s/aは35%以下とすることが望ましく、31%以下に管理しても構わない。例えば20〜31%と低くすることができる。
本発明では上述のように、エーライトを成分として含有する高炉スラグ微粉末を結合材の主要材料として使用する。発明者らは、高炉スラグ微粉末におけるエーライト含有量と、RCDコンクリート配合における強度発現性との関係について詳細に検討を行ってきた。具体的には、試薬を用いて種々の組成を有する高炉スラグ微粉末の模擬試料を作製し、一般的なRCDコンクリートの配合において結合材の100%を当該模擬試料で置き換えたコンクリートの供試体を作製して、材齢1日、3日、7日、28日、91日の圧縮強度を評価した。堤体のRCDコンクリートとしては、材齢91日の圧縮強度が15N/mm2以上となる性質を有していることが望ましいが、高炉スラグ微粉末で100%置換したRCDコンクリートでは、材齢28日の圧縮強度が8N/mm2以上であれば、その潜在水硬性によって材齢91日の圧縮強度15N/mm2以上を確保できることがわかった。そこで、材齢28日の圧縮強度が安定して8N/mm2以上となるエーライト含有量を、種々の代表的な高炉スラグ微粉末組成(エーライトを除いた部分の種々の代表的組成)において調査した。
その結果、エーライト含有量が1.0質量%以上の高炉スラグ微粉末を採用することによって上記の目標圧縮強度が得られることがわかった。2.0質量%以上、あるいはさらに3.0質量%以上であるものがより好ましい。4.0質量%以上のものを使用するように管理してもよい。高炉スラグ微粉末中のエーライト含有量は、その高炉操業の条件によって定まるものであり、その上限については特に定める必要はないが、例えば15.0質量%以下のものを採用すればよい。10.0質量%以下、あるいは7.0質量%以下のものを使用するように管理することもできる。また、複数の種類の高炉スラグ微粉末をブレンドすることにより、エーライト含有量が1.0質量%以上の高炉スラグ微粉末を調合し、これを用いても構わない。
本発明に適用するコンクリート配合において、結合材にセメントやフライアッシュ等の微粉末が含まれていても構わないが、結合材に占める高炉スラグ微粉末の量は96質量%を超える量とすることが望ましい。それより少なくなると、高炉操業での副産物によって結合材を賄うことによる環境負荷低減効果が少なくなる。したがって、結合材に占めるエーライト含有高炉スラグ微粉末の含有量は96.0超え〜100.0質量%とする。97.0〜100.0質量%に設定してもよい。
混和剤は従来のRCDコンクリートに添加されるものや、高炉スラグ微粉末を添加したコンクリートに添加される公知のものが適宜利用できる。例えばブリーディング抑制をより一層確実に行うために、MC、HEC、ウエランガム等の水溶性高分子を少量添加しても構わない。アルカリ刺激剤は特に添加する必要はない。
堤体のRCDコンクリートとしては、材齢91日の圧縮強度が15N/mm2以上となる性質を有していることが望ましい。そのためには、材齢28日の圧縮強度が8〜30N/mm2となる配合とすればよい。上記のコンクリート配合の範囲においてそのような性質を持たせることができる。なお、材齢91日の圧縮強度は15〜35N/mm2の範囲であることがより好ましい。
上記のコンクリートを適用したRCD工法の施工は、基本的には従来と同様に行えばよい。ただし、高炉スラグ微粉末でセメントを置換した上記のコンクリートは水和熱の発生が低く抑えられるので、RCD工法における1層あたりのリフト高さを大きくすることができる。従来、RCD工法では温度応力ひび割れの観点から1層あたりのリフト高さを1mを超える高さとすることが難しかった。本発明によればリフト高さを1.0m以上とすることが可能であり、1.2m以上としてもよい。従来と同様の冷却設備を適用すれば、3.0m程度のリフト高さを実現することも可能と考えられる。ただし、締固めの作業性等を考慮すると2.5m以下あるいは2.0m以下とすることが好都合である。一方、夏期において堤体の冷却設備を設置しない施工を実施することは堤体建設コストの低減に極めて有効である。その場合、外気温が例えば25℃以上となる時期に、堤体の冷却設備を設置することなく、1層あたりのリフト高さを1.0〜2.0mあるいは1.0〜1.6mとしてRCD工法の打設を行う堤体の構築方法が実現できる。また、従来は堤体のRCD工法においては温度応力ひび割れを抑制するために打上がり速度、打込み温度、目地切り間隔などの規制が設けられているが、本発明によればこれらの規制を緩和することができる。
エーライト含有量が異なる2種類の高炉スラグ微粉末を用意し、RCDコンクリートに適用される標準的な超硬練り配合において、それぞれの高炉スラグ微粉末でセメントを置換したときの置換率と、それら各配合のコンクリートについての材齢3〜28日の圧縮強度の関係を調べた。使用したセメントおよび高炉スラグ微粉末は以下のとおりである。
・セメント: 普通ポルトランドセメント、ブレーン比表面積3400cm2/g
・高炉スラグ微粉末B1: ブレーン比表面積約3990cm2/g、SiO2;34.37%、Al23;14.59%、Fe23;0.30%、CaO;42.87%、MgO;6.11%、エーライト含有量;1.0%未満
・高炉スラグ微粉末B2(エーライト含有品): ブレーン比表面積約4050cm2/g、SiO2;33.91%、Al23;14.26%、Fe23;0.55%、CaO;44.65%、MgO;5.91%、エーライト含有量;4.2%
図1に、通常の高炉スラグ微粉末(上記のB1)でセメントを置換したときの置換率と、それら各配合のコンクリートについての材齢3〜28日の圧縮強度の関係を例示する。図1からわかるように、結合材としてセメントを含有するもの(置換率90%および95%)ではセメントの水和反応による水硬性と、そのアルカリ刺激による高炉スラグ微粉末の潜在水硬性が発揮され、強度が発現した。しかし、セメントを含有しない場合(置換率100%)には硬化体としての強度が発現しなかった。
図2に、エーライト含有量が4.2質量%である高炉スラグ微粉末(上記のB2)でセメントを置換したときの置換率と、それら各配合のコンクリートについての材齢3〜28日の圧縮強度の関係を例示する。図2からわかるように、結合材としてセメントを含有するもの(置換率90%および95%)ではセメントの水和反応による水硬性に、高炉スラグ微粉末中に存在するエーライトの水和反応による水硬性が加わり、更にそれらの水和反応によるアルカリ刺激で高炉スラグ微粉末の潜在水硬性が発揮されて、図1のものより強度発現性が増大した。また、セメントを含有しない場合(置換率100%)においても、高炉スラグ微粉末中に存在するエーライトの水和反応による水硬性と、そのアルカリ刺激による高炉スラグ微粉末の潜在水硬性が発揮され、RCDコンクリートとして十分な強度が発現した。この場合でも超硬練りのRCDコンクリートではブリーディングや自己収縮の問題は顕在化しない。すなわち、エーライトを含有する高炉スラグ微粉末を用いると、セメントを使用しなくてもRCD工法を実施できることが明らかとなった。
表1に示す配合の超硬練りゼロスランプコンクリートを想定し、硬化時に発生する水和熱の相対比較試験を行った。この試験では表1の配合から粗骨材G80を除いたコンクリートを用いた。粉体材料としては以下のものを使用した。
・セメント: 実施例1と同様のもの
・高炉スラグ微粉末: 実施例1のB2(エーライト含有量;4.2%)
・フライアッシュ: JIS A6201、II種相当品
〔水和熱の相対比較試験〕
各コンクリート混練物を500mm×500mm×500mmの型枠内に打設し、コンクリート試験体を作製した。型枠の外側を断熱材で囲んだ。試験体中央部に設置した熱電対により硬化時の温度変化をモニターした。打込み温度は21〜24℃、硬化中の外気温は23〜27℃であった。表1中に、打設からの材齢が2.5日時点および10日時点における内部温度を例示する。各配合のコンクリートについて同一条件で断熱材を使用していることから、「水和熱の発生量」に及ぼす「結合材に占める高炉スラグ微粉末量(=高炉スラグ置換率)」の影響を相対的に比較することができる。表1に見られるように、従来のRCDコンクリートの標準的な配合(フライアッシュ置換率30%)である試料No.1に比べ、高炉スラグ置換量が高いもの(No.2)は水和熱の発生が少ないことがわかる。
Figure 0005430435

Claims (2)

  1. 水結合材比60〜100%、粗骨材最大寸法50〜200mm、単位結合材量100〜170kg/m3、単位細骨材量600〜800kg/m3、単位粗骨材量1400〜1700kg/m3の超硬練りコンクリート配合において、エーライト含有量が1.0質量%以上である高炉スラグ微粉末を結合材全体の96超え〜100質量%に使用した、材齢28日の圧縮強度が8〜30N/mm2となる性質を有するゼロスランプコンクリートを、堤体内部の構成材料として、RCD工法を適用するコンクリート堤体の構築方法。
  2. RCD工法における1層あたりのリフト高さを1.2m以上とする請求項1に記載のコンクリート堤体の構築方法。
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