JP4686074B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造コストの増大を防止しつつ耐久性を良好にできる開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば図14および図15に示すシャッタ装置等の開閉装置が知られている。
【0003】
この図14および図15に示す従来の開閉装置は、被開閉部1を開閉する開閉体2を備え、開閉体2は被開閉部1に連通したスリット状の開口部3を有する箱状の収容体4に収容されている。
【0004】
また、収容体4内には開閉体2を作動させる作動ユニット6が配置され、作動ユニット6は収容体4のユニット取付部7に固定的に取り付けられ、収容状態の開閉体2と対向して位置している。
【0005】
さらに、作動ユニット6には、基端部が図示しない操作手段側や電源側等に接続された電線8の先端部がコネクタ9を介して接続されている。電線8は、垂れ下がらないように例えば2本の固定バンド10によって作動ユニット6およびユニット取付部7に対して固定されている。
【0006】
そして、図示しない操作手段が操作されると、この操作に応じて開閉体2が作動ユニット6により作動し、被開閉部1が開状態になったり閉状態になったりする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の開閉装置は、例えば、収容体4内に収容された開閉体2から滴る水、収容体4の開口部3から入り込んだ水等が、作動ユニット6の外面に付着するため、この付着した水が作動ユニット6の内部に浸入し、作動ユニット6の内部に錆が発生するおそれがあり、耐久性を良好に保てないおそれがある。
【0008】
そこで、例えば、水が作動ユニット6の内部に浸入しないように、作動ユニット6の外面に防水剤を塗布し、作動ユニット6の外面を防水処理することが考えられるが、この場合、製造コストが増大するおそれがある。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、製造コストの増大を防止しつつ、耐久性を良好にできる開閉装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の開閉装置は、被開閉部を開閉する開閉体と、この開閉体を作動させる作動ユニットと、ユニット挿入口部を有し、このユニット挿入口部から挿入された前記作動ユニットの外面側を覆う不透水性の覆い体とを備え、前記作動ユニットは、電線が接続された電線接続部を有し、前記覆い体は、前記電線および前記電線接続部を覆う開閉装置であって、前記作動ユニットに対して前記覆い体および前記電線を同時に固定可能な共通固定手段を備えたものである。
【0011】
請求項2記載の開閉装置は、被開閉部を開閉する開閉体と、この開閉体を作動させる作動ユニットと、ユニット挿入口部を有し、このユニット挿入口部から挿入された前記作動ユニットの外面側を覆う不透水性の覆い体と、この覆い体の内面および前記作動ユニットの外面間に充填され、前記覆い体内への水の浸入を防止する充填体とを備えたものである。
【0012】
請求項3記載の開閉装置は、請求項1記載の開閉装置において、作動ユニットが取り付けられたユニット取付部と、覆い体内への水の浸入を防止する充填体とを備え、共通固定手段を前記覆い体のユニット挿入口部側の端部外周面に締付け固着すると、前記覆い体および電線が前記作動ユニットに対して同時に固定されるとともに、前記充填体が変形により前記覆い体のユニット挿入口部側の端部内周面とこの端部内周面と対向する前記作動ユニットの外面、前記ユニット取付部の外面および前記電線の外面との間に略隙間なく充填されるものである。
【0013】
請求項4記載の開閉装置は、請求項3記載の開閉装置において、共通固定手段は、帯状に形成された固定バンドであるものである。
【0014】
請求項5記載の開閉装置は、請求項2ないし4のいずれか一記載の開閉装置において、充填体は、スポンジ状で弾性変形可能なものであるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の開閉装置の第1の実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0016】
図1ないし図4において、15は開閉装置で、この開閉装置15は、例えば、室外用の窓シャッタ等のシャッタ装置で、図示しない建造物の外壁16の所定部位に取り付けられている。
【0017】
この開閉装置15は、上下方向に細長い左右一対のガイドレール17,17を備え、左右一対のガイドレール17は、窓用開口部等の被開閉部20の左右両側に配置されている。そして、各ガイドレール17の上端部間には、左右方向に細長い箱状のシャッタボックス等の収容体21が架け渡されている。
【0018】
この収容体21は、所定距離を介して互いに離間対向した左右一対のブラケット等の側板部22,22を有し、各側板部22は図示しない固定具にて外壁16に固定されている。
【0019】
また、各側板部22の前端部間が垂直状の前板部23で連結され、各側板部22の上端部間が前下り傾斜状の上板部24で連結され、各側板部22の下端部間が水平状の下板部25で連結されている。そして、下板部25は、左右方向に長手方向を有する矩形板状をなし、この下板部25の幅方向端部すなわち外壁16側の端部には、被開閉部20の上端部に連通するスリット状の開口部26が下板部25の長手方向に沿って形成されている。
【0020】
さらに、収容体21のいずれか一方の側板部22、すなわち例えば左側の側板部22の内面からは、左右方向に長手方向を有する細長状の取付台等のユニット取付部27が右側の側板部22側である内方に向って突出している。このユニット取付部27は、矩形板状の水平板部28およびこの水平板部28の前端から上方に向って突出する矩形板状の垂直板部29にて構成されて断面略L字状をなしている。
【0021】
また、開閉装置15は、図1および図2に示すように、被開閉部20を開閉する開閉体31を備え、この開閉体31が略円柱状の収容状態となって収容体21内に収容されている。
【0022】
この開閉体31は、収容体21の左右一対の側板部22間に回転可能に軸架された水平状の回転体としての巻体である巻軸部材32を有している。巻軸部材32の軸方向端部すなわち例えば左側の側板部22側の端部には、回転体である従動スプロケット33が取り付けられている。
【0023】
また、巻軸部材32の軸方向端部を除く部分には、複数枚の金属製のスラット等にて構成された可撓性を有する昇降可能な開閉部材35が巻戻しおよび巻取り可能に取り付けられている。
【0024】
この開閉部材35は、図2の実線で示すように、被開閉部20に沿って上昇して巻軸部材32に巻き取られた状態時には、略全体が収容体21内に収容位置した状態となって被開閉部20を開状態にする。一方、この開閉部材35は、図2の2点鎖線で示すように、被開閉部20に沿って下降して巻軸部材32から巻き戻された状態時には、略全体が開口部26を介して収容体21外に位置した状態となって被開閉部20を閉状態にする。なお、開閉体31は巻軸部材32および開閉部材35にて構成されている。
【0025】
さらに、開閉装置15は、図1ないし図3に示すように、開閉体31を作動させる作動ユニット41を備えている。
【0026】
この作動ユニット41は、例えば、箱状のユニットケース42とこのユニットケース42内に収容された図示しないモータ等の駆動手段およびこの駆動手段を制御する電子回路等の制御手段等とにて1ユニット状に構成されたもので、収容体21のユニット取付部27に図示しないねじ等の固定具にて固定された状態に取り付けられている。
【0027】
すなわち、1ユニット化された作動ユニット41は、その一部がユニット取付部27から内方に突出するようにユニット取付部27の水平板部28上に載置された状態で収容体21内に配置され、収容状態にある開閉体31と平行または略平行に対向して位置している。つまり、図2から明らかなように、作動ユニット41は、収容体21のコンパクト性が保持されるよう、収容体21内において収容状態の開閉体31の前方下側の近接位置に配置されている。
【0028】
また、作動ユニット41は、収容体21のユニット取付部27よりやや長い長さ寸法で左右方向に長手方向を有する細長い略直方体状に形成されている。すなわち、作動ユニット41は、左右方向に長手方向を有する細長い直方体の後側上角部および後側下角部が傾斜状に切り欠かれた断面6角形状の外形略直方体状に形成されている。
【0029】
そして、作動ユニット41の長手方向一端部、すなわち例えば左側の側板部22と対向する側の端部には、回転体である駆動スプロケット43が取り付けられ、この駆動スプロケット43および従動スプロケット33に無端体であるチェーン44が巻き掛けられている。なお、駆動スプロケット43、従動スプロケット33およびチェーン44にて作動ユニット41の駆動手段からの動力を開閉体31に伝達する伝動手段45が構成されている。
【0030】
また、作動ユニット41の長手方向他端部には、複数例えば上下2つの凹状の電線接続部47,47が設けられている。各電線接続部47には、基端部が図示しない室内の操作手段側や電源側等に接続された電線48の先端部が、コネクタ49を介して嵌合接続されている。すなわち、外壁16に形成された電線用開口部16aから収容体21内に導入された電線48の先端部が、左側の側板部22の内方近傍位置および作動ユニット41の下方近傍位置を経て、作動ユニット41の右側の側板部22と対向する側の端部に回り込むようにして接続されている。
【0031】
そして、作動ユニット41の長手方向一端部を除く部分の外面側が、不透水性でかつ不通気性を有する覆い体としての袋状体51によって覆われている。
【0032】
すなわち、この1つの袋状体51によって、作動ユニット41の電線接続部47を含む略全体の外面側、収容体21内に導入された2本の電線48のコネクタ49を含む先端側、および、収容体21のユニット取付部27の自由端側である内端側が同時に覆われている。なお、図3に示されるように袋状体51の内面と作動ユニット41の外面との間には間隙50が存在する。
【0033】
この袋状体51は、例えば可撓性の難燃性フィルム材等にて、内部空間部52を有するように断面略正方形の略角筒状に形成されている。この袋状体51の一端面部が内部空間部52に連通する開口面部であるユニット挿入口部53となっており、この袋状体51の他端面部が閉塞面部54となっている。
【0034】
そして、図1の白抜の矢印で示すように、収容体21のユニット取付部27に固定された作動ユニット41に向けて袋状体51をこの袋状体51の長手方向に沿って水平方向に移動させると、袋状体51のユニット挿入口部53から作動ユニット41、ユニット取付部27、電線48およびコネクタ49が内部空間部52内に挿入され、袋状体51によって作動ユニット41、ユニット取付部27、電線48およびコネクタ49が外側から間隙50を介して覆われた状態となる。また、電線48は、その自重で下方に大きく垂れないよう袋状体51にて下方から支持された状態となる。
【0035】
また一方、開閉装置15は、帯状に形成された共通固定手段である1本の固定バンド56を備え、この1本の固定バンド56によって袋状体51および2本の電線48が作動ユニット41に対して同時に固定されている。
【0036】
すなわち、図2および図3に示すように、袋状体51のユニット挿入口部53側の端部外周面に固定バンド56が締付け固着されることにより袋状体51が作動ユニット41の外周側に固定され、この袋状体51の対応する端部内周面が、作動ユニット41の上面および後面に直接圧接するとともに作動ユニット41の前面に垂直板部29を介して圧接しかつ作動ユニット41の下面に電線48および水平板部28を介して圧接した状態となる。
【0037】
また同時に、袋状体51のユニット挿入口部53側の端部外周面に固定バンド56が締付け固着されることにより2本の電線48が作動ユニットの下側にユニット取付部を介して固定され、前後に隣接した2本の電線48が袋状体51にて下方から支持された状態でユニット取付部27の水平板部28の下面に圧接した状態となる。
【0038】
次に、上記第1の実施の形態の動作等を説明する。
【0039】
例えば図示しない室内の操作手段が操作され、所定の電気信号が電線48を介して作動ユニット41の制御手段に入力されると、この制御手段の制御に基づいて駆動手段から動力が出力され、この動力が伝動手段45を介して開閉体31に伝達される。その結果、開閉体31が作動して被開閉部20に沿って昇降し、被開閉部20が開状態になったり、閉状態になったりする。
【0040】
ここで、例えば、被開閉部20の開状態時に、図2に示すように、収容体21内に収容された開閉体31の開閉部材35から被開閉部20の閉状態の際に付着した雨水等の水が作動ユニット41に向って滴り落ちたり、或いは、暴風雨等の影響で収容体21の下板部25の開口部26から収容体21内に入り込んだ雨水等の水が作動ユニット41に向って移動したりしても、その水は不透水性の袋状体51の外面に付着するため、作動ユニット41の外面に水が直接付着するようなことはなく、作動ユニット41内に水が浸入しない。
【0041】
また、例えば作動ユニット41の温度が低く、作動ユニット41内の圧力が作動ユニット41外の圧力より低圧となった場合、図5に示すように、作動ユニット41および袋状体51間の間隙50内の空気がユニットケース42のわずかな隙間を介して作動ユニット41内に流入することにより袋状体51が収縮し、その結果、作動ユニット41内外の圧力差が解消される。
【0042】
逆に、作動ユニット41の温度が高く、作動ユニット41内の圧力が作動ユニット41外の圧力より高圧となった場合、図6に示すように、作動ユニット41内の空気がユニットケース42のわずかな隙間を介して作動ユニット41および袋状体51間の間隙50内に流入することにより袋状体51が膨張し、その結果、作動ユニット41内外の圧力差が解消される。
【0043】
このように、作動ユニット41の温度変化に応じて不通気性の袋状体51が間隙50を介して収縮膨張することにより作動ユニット41内外の圧力差が解消されるので、袋状体51の周囲の海塩粒子、水分等を含んだ空気が、温度変化に基づく作動ユニット41の呼吸作用により、作動ユニット41内に強制的に吸い込まれるようなことがない。
【0044】
そして、上記第1の実施の形態の開閉装置15によれば、作動ユニット41の略全体の外面側が袋状体51によって覆われているので、例えば収容状態の開閉体31側からの水、収容体21の開口部26から入り込んだ水が作動ユニット41のユニットケース42の外面、電線接続部47の外面等に付着することがなく、作動ユニット41内への水の浸入を防止できる。よって、漏電を防ぎつつ制御手段、駆動手段等を錆にくくでき、耐久性を良好にできる。
【0045】
また、この袋状体51は、作動ユニット41とともに電線48を覆うので、電線48を保護でき、電線48内への水の浸入等も防止でき、よって、耐久性をより一層良好にできる。
【0046】
さらに、袋状体51のユニット挿入口部53から作動ユニット41等を内部空間部52内に挿入した後に1本の固定バンド56を締付け固着するのみで、作動ユニット41の略全体の外面側を袋状体51で覆うことができるとともに、作動ユニット41に対して袋状体51および電線48を同時に固定できるので、組立て作業性を良好にでき、製造コストの増大も防止できる。特に、固定バンド56による袋状体51の固定作業が電線48の固定作業を兼ねるので、従来に比べて組立て作業が煩雑とならない。
【0047】
また、袋状体51にて作動ユニット41、電線48、コネクタ49等が保護されるので、塩害地等の環境の悪い条件下で使用する場合であっても、ユニットケース42、電線48、コネクタ49のピン等を防錆性能の高い材質のものにする必要がなく、製造コストを低減できる。
【0048】
さらに、この袋状体51が間隙50を介して収縮膨張することにより作動ユニット41内外の圧力差が解消されるので、袋状体51の周囲の海塩粒子、水分等を含んだ空気が、温度変化に基づく作動ユニット41の呼吸作用により、作動ユニット41内に強制的に吸い込まれるようなことがなく、耐久性をより一層良好にできる。
【0049】
次に、本発明の開閉装置の第1の関連技術について説明する。
【0050】
図7および図8に示す開閉装置15aは、図3に示す上述の開閉装置15の袋状体51とは異なる覆い体としての袋状体51aを備えている。なお、開閉装置15aは、固定バンド56を備えていない点でも異なるが、その他の構成部材は上述の開閉装置15の構成部材と同一である。
【0051】
図7および図8に示す袋状体51aは、図3に示す袋状体51と同じく作動ユニット41の外面側等を覆う不透水性でかつ不通気性を有するもので、例えば可撓性の難燃性フィルム材等にて内部空間部62を有するように断面略正方形の略角筒状に形成されている。この袋状体51aの一端面部が内部空間部62に連通する開口面部であるユニット挿入口部63となっており、この袋状体51aの他端面部が閉塞面部64となっている。
【0052】
また、袋状体51aのユニット挿入口部63側の開口端部には、作動ユニット41の外周側に圧接する環状の伸縮自在の伸縮固定部等の固定用伸縮部65が形成されている。すなわち、袋状体51aの開口端部には、例えば複数本の糸状ゴム等の弾性部材66が伸長状態で周方向に沿って固着されることにより、弾性部材66を有する固定用伸縮部65が形成されている。
【0053】
そして、袋状体51aを用いて作動ユニット41の外面側等を覆う際には、袋状体51aを、この袋状体51aの固定用伸縮部65を伸ばしてユニット挿入口部63を開口させた状態のまま、収容体21のユニット取付部27に固定された作動ユニット41に向けて袋状体51aの長手方向に沿って水平方向に移動させる。
【0054】
すると、袋状体51aのユニット挿入口部63から作動ユニット41、ユニット取付部27、電線48およびコネクタ49が内部空間部62内に挿入され、この袋状体51aによって作動ユニット41、ユニット取付部27、電線48およびコネクタ49が外側から間隙50を介して覆われた状態となる。また、電線48は、その自重で下方に大きく垂れないよう袋状体51aにて下方から支持された状態となる。
【0055】
さらに、固定用伸縮部65が縮んで作動ユニット41の外周側に圧接することにより、固定用伸縮部65によって袋状体51aおよび2本の電線48が作動ユニット41に対して同時に固定された状態となる。なお、袋状体51aの一部に設けられた固定用伸縮部65が共通固定手段を構成している。
【0056】
そして、上記第1の関連技術の開閉装置15aによれば、作動ユニット41の略全体の外面側が袋状体51aによって覆われているので、例えば収容状態の開閉体31側からの水、収容体21の開口部26から入り込んだ水が作動ユニット41のユニットケース42の外面、電線接続部47の外面等に付着することがなく、作動ユニット41内への水の浸入を防止でき、耐久性を良好にできる等、上述の開閉装置15と同様の作用効果を奏することができる。
【0057】
さらに、この開閉装置15aでは、固定バンド56を締付け固着する必要はなく、袋状体51aの固定用伸縮部65を作動ユニット41に圧接させるだけで、作動ユニット41に対して袋状体51a自体および電線48を簡単に同時に固定でき、組立て作業性をより一層良好にできる。
【0058】
次に、本発明の開閉装置の第2の関連技術について説明する。
【0059】
図9および図10に示す開閉装置15bは、図3に示す上述の開閉装置15の袋状体51とは異なる覆い体としての袋状体51bを備えている。なお、開閉装置15bは、固定バンド56を備えていない点でも異なるが、その他の構成部材は上述の開閉装置15の構成部材と同一である。
【0060】
図9および図10に示す袋状体51bは、図3に示す袋状体51と同じく作動ユニット41の外面側等を覆う不透水性でかつ不通気性を有するもので、例えば可撓性の難燃性フィルム材等にて形成された略矩形板状の本体部71を有している。
【0061】
この本体部71は、幅方向中央部を折曲げ部70として長手方向に沿って折り曲げられ、折曲げ部70を除く3対の対向縁部に沿ってスライドファスナー等の固定用ファスナー部72が形成され、この固定用ファスナー部72によって内部空間部77に連通するユニット挿入口部73の開口量が調節可能となっている。
【0062】
この固定用ファスナー部72は、例えば互いに係脱する複数の係合片74を有する帯状部材75、この帯状部材75に沿ってスライドして係合片74を係脱させる操作部材76等にて構成されている。この固定用ファスナー部72の操作部材76のスライド操作により、袋状体51bが、図10に示す非袋状態から図9に示す本体部71の長手方向一端面部のみでユニット挿入口部73を開口し長手方向他端面部を閉塞面部78とした略角筒状の袋状態となる構成となっている。
【0063】
そして、袋状体51bを用いて作動ユニット41の外面側等を覆う際には、袋状体51bを、固定用ファスナー部72により折曲げ部70を除く3対の対向縁部を離反させてユニット挿入口部73を大きく開口させた非袋状態のまま、折曲げ部70を上側にして、収容体21のユニット取付部27に固定された作動ユニット41に向けて下方に移動させ、その後、操作部材76のスライド操作によりユニット挿入口部73の開口量を小さくする。
【0064】
すると、袋状体51bの大きく開口したユニット挿入口部73から作動ユニット41、ユニット取付部27、電線48およびコネクタ49が内部空間部77内に挿入され、この袋状体51bによって作動ユニット41、ユニット取付部27、電線48およびコネクタ49が外側から間隙50を介して覆われた状態となる。また、電線48は、その自重で下方に大きく垂れないよう袋状体51bにて下方から支持された状態となる。
【0065】
さらに、固定用ファスナー部72の操作部材76の操作でユニット挿入口部73の開口量を最大限に小さくし、ユニット挿入口部73の周縁を作動ユニット41の外周側に圧接させることにより、固定用ファスナー部72によって袋状体51bおよび2本の電線48が作動ユニット41に対して同時に固定された状態となる。なお、袋状体51bの一部に設けられた固定用ファスナー部72が共通固定手段を構成している。
【0066】
そして、上記第2の関連技術の開閉装置15bによれば、作動ユニット41の略全体の外面側が袋状体51bによって覆われているので、例えば収容状態の開閉体31側からの水、収容体21の開口部26から入り込んだ水が作動ユニット41のユニットケース42の外面、電線接続部47の外面等に付着することがなく、作動ユニット41内への水の浸入を防止でき、耐久性を良好にできる等、上述の開閉装置15と同様の作用効果を奏することができる。
【0067】
さらに、この開閉装置15bでは、固定バンド56を締付け固着する必要はなく、袋状体51bの固定用ファスナー部72でユニット挿入口部73の開口量を小さく調節するだけで、作動ユニット41に対して袋状体51b自体および電線48を簡単に同時に固定でき、組立て作業性をより一層良好にできる。また、固定用ファスナー部72によりユニット挿入口部73の開口量を大きくすることにより、ユニット挿入口部73から作動ユニット41等をユニット挿入口部73から内部空間部77内に簡単に挿入でき、組立て作業をより一層容易にできる。
【0068】
次に、本発明の開閉装置の第2の実施の形態について説明する。
【0069】
図11ないし図13示す開閉装置15cは、図3に示す上述の開閉装置15とは異なり、袋状体51のユニット挿入口部53側の端部内面および作動ユニット41の外面間に、ユニット挿入口部53を通過した水が袋状体51内へ浸入しようとするのを防止するためのスポンジ状のシール材等の弾性変形可能な充填体81が充填されている。その他の構成部材は上述の開閉装置15の構成部材と同一である。この充填体81は、例えば図12に示すように切欠き部82を有する略C字状に形成されたものである。
【0070】
そして、充填体81を作動ユニット41、ユニット取付部27および電線48の外周側に位置させた後、この充填体81を袋状体51のユニット挿入口部53側の端部で覆い、その後、その袋状体51の端部外周面に固定バンド56が締付け固着する。
【0071】
すると、袋状体51および2本の電線48が作動ユニット41に対して同時に固定されるとともに、充填体81が変形により袋状体51のユニット挿入口部53側の端部内周面とこの端部内周面と対向する作動ユニット41の外面、ユニット取付部27の外面および電線48の外面との間に略隙間なく充填される。
【0072】
その結果、袋状体51の内部空間部52とユニット挿入口部53との連通が禁止された状態となり、ユニット挿入口部53を通過した水が袋状体51内の内部空間部52へ浸入するようなことがない。
【0073】
したがって、この第2の実施の形態の開閉装置15cによれば、上述の開閉装置15が奏する作用効果に加え、充填体81により袋状体51内への水の浸入を適切に防止でき、耐久性をより一層良好にできる。
【0074】
なお、上記いずれの実施の形態および関連技術でも、覆い体である袋状体51,51a,51bは、不透水性でかつ不通気性を有する材料にて形成した構成について説明したが、例えば、作動ユニット41内での結露の発生を抑制し、作動ユニット41の内部の熱を逃がすこと等ができるよう、不透水性でかつ通気性を有する材料、例えば住宅の外壁内材等の多孔質の材料にて形成した構成としてもよい。
【0075】
また、覆い体は、袋形状をなす袋状体51,51a,51bには限定されず、例えば、箱形状をなす箱状体等でもよい。
【0076】
さらに、袋状体51および作動ユニット41間に充填体81を充填する構成には限定されず、例えば、他の袋状体51a,51b等の覆い体および作動ユニット41間に充填体81を充填する構成としてもよい。
【0077】
さらに、開閉装置15,15a,15b,15cは、窓シャッタ等のシャッタ装置として説明したが、例えば、雨戸、引戸等のドア装置、シャッタ装置、ブラインド装置、スライディングウォール装置、スクリーン装置、防煙垂れ幕装置、防煙垂れ壁装置、防潮板装置、防止板装置、オーニング装置等、或いは、これら装置のうちの同種または異種を複数並設したものでもよい。
【0078】
また、開閉体31の開閉部材35は、被開閉部20に沿って昇降可能な構成として説明したが、例えば、左右方向に移動可能な構成、床面等に沿って水平方向に移動可能な構成、床面等に対して傾斜した傾斜方向に移動可能な構成、或いは、これらの複合した方向に移動可能な構成でもよい。
【0079】
また、開閉部材35は、作動ユニット41の駆動手段から出力される動力で電動下降する構成として説明したが、開閉部材35自体の重力で自重下降する構成にも適用できる。
【0080】
さらに、収容体21は、巻き取られて略円柱状等の収容状態となった開閉体31を収容すると説明したが、例えば、収容体21による開閉体31の収容方式は折り畳み式、送り込み式、分離重合式等の任意のものとできる。なお、収容体21は必ずしも必要ではない。
【0081】
また、作動ユニット41の外形形状は任意である。
【0082】
さらに、収容体21のユニット取付部27は、作動ユニット41を取付可能なものであれば、形状や構造は任意である。また、ユニット取付部27は、袋状体51,51a,51b等の覆い体にて覆われていなくてもよい。
【0083】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ユニット挿入口部を有する不透水性の覆い体を利用して作動ユニットの外面側を簡単かつ適切に覆うことができるので、製造コストの増大を防止しつつ、耐久性を良好にでき、また、覆い体が、作動ユニットの外面側に加えて電線および電線接続部を覆うので、電線を保護できるばかりでなく、耐久性をより一層良好にでき、さらに、共通固定手段を利用して作動ユニットに対して覆い体および電線を同時に固定できるので、覆い体専用の固定手段と電線専用の固定手段とを利用する構成等に比べて、組立て作業性を良好にできる。
【0084】
請求項2記載の発明によれば、ユニット挿入口部を有する不透水性の覆い体を利用して作動ユニットの外面側を簡単かつ適切に覆うことができるので、製造コストの増大を防止しつつ、耐久性を良好にでき、また、覆い体の内面および作動ユニットの外面間の充填体によって覆い体内への水の浸入を防止でき、耐久性をより一層良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の開閉装置の第1の実施の形態を示す一部省略斜視図である。
【図2】 同上開閉装置の側面視断面図である。
【図3】 同上開閉装置の一部省略正面図である。
【図4】 同上開閉装置の全体を示す斜視図である。
【図5】 同上開閉装置の収縮状態の覆い体の正面図である。
【図6】 同上開閉装置の膨張状態の覆い体の正面図である。
【図7】 本発明の開閉装置の第1の関連技術を示す一部省略正面図である。
【図8】 同上開閉装置の覆い体の斜視図である。
【図9】 本発明の開閉装置の第2の関連技術を示す一部省略正面図である。
【図10】 同上開閉装置の覆い体の斜視図である。
【図11】 本発明の開閉装置の第2の実施の形態を示す一部省略正面図である。
【図12】 同上開閉装置のA―A断面図である。
【図13】 同上開閉装置の充填体の斜視図である。
【図14】 従来の開閉装置を示す一部省略斜視図である。
【図15】 同上従来の開閉装置の側面視断面図である。
【符号の説明】
15,15c 開閉装置
20 被開閉部
27 ユニット取付部
31 開閉体
41 作動ユニット
47 電線接続部
48 電線
51 覆い体としての袋状体
53 ユニット挿入口部
56 共通固定手段としての固定バンド
81 充填体
Claims (5)
- 被開閉部を開閉する開閉体と、
この開閉体を作動させる作動ユニットと、
ユニット挿入口部を有し、このユニット挿入口部から挿入された前記作動ユニットの外面側を覆う不透水性の覆い体とを備え、
前記作動ユニットは、電線が接続された電線接続部を有し、
前記覆い体は、前記電線および前記電線接続部を覆う開閉装置であって、
前記作動ユニットに対して前記覆い体および前記電線を同時に固定可能な共通固定手段を備えた
ことを特徴とする開閉装置。 - 被開閉部を開閉する開閉体と、
この開閉体を作動させる作動ユニットと、
ユニット挿入口部を有し、このユニット挿入口部から挿入された前記作動ユニットの外面側を覆う不透水性の覆い体と、
この覆い体の内面および前記作動ユニットの外面間に充填され、前記覆い体内への水の浸入を防止する充填体と
を備えたことを特徴とする開閉装置。 - 作動ユニットが取り付けられたユニット取付部と、
覆い体内への水の浸入を防止する充填体とを備え、
共通固定手段を前記覆い体のユニット挿入口部側の端部外周面に締付け固着すると、前記覆い体および電線が前記作動ユニットに対して同時に固定されるとともに、前記充填体が変形により前記覆い体のユニット挿入口部側の端部内周面とこの端部内周面と対向する前記作動ユニットの外面、前記ユニット取付部の外面および前記電線の外面との間に略隙間なく充填される
ことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。 - 共通固定手段は、帯状に形成された固定バンドである
ことを特徴とする請求項3記載の開閉装置。 - 充填体は、スポンジ状で弾性変形可能なものである
ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一記載の開閉装置。
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