JP3872729B2 - 開閉装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開閉体の制御に不具合が生じるのを抑制できる開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の開閉装置は、例えば被閉鎖部を開閉する開閉体と、被閉鎖部の開口時に開閉体が収容される収容ケース体と、この収容ケース体内に位置して開閉体を制御する電気部品とを備えた構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の開閉装置では、例えば日射により収容ケース体内が熱くなり、この収容ケース体内の電気部品が高温となりやすいため、開閉体の制御に不具合が生じるおそれがある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、電気部品の高温化により開閉体の制御に不具合が生じるのを抑制できる開閉装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
求項記載の開閉装置は、被閉鎖部を開閉する開閉体と、前記被閉鎖部の開口時に前記開閉体が収容される開閉体収容室と部品収容室とが区画形成された収容ケース体と、この収容ケース体の前記部品収容室内に配置され、前記開閉体を制御する電気部品と、前記収容ケース体の下部における前記部品収容室に臨んだ部分に形成され、前記部品収容室内の空気を換気する部品冷却用換気口とを備えるものである。
【0006】
そして、収容ケース体の下部における部品収容室に臨んだ部分に形成された部品冷却用換気口によって、電気部品の周囲の空気を換気して電気部品を冷却することができるので、電気部品の高温化により開閉体の制御に不具合が生じることが抑制される。
【0007】
求項記載の開閉装置は、請求項記載の開閉装置において、電気部品に水が付着するのを防止する防水カバー体を備えるものである。
【0008】
そして、防水カバー体にて電気部品に水が付着することが適切に防止される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の開閉装置の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし図5において、1は開閉装置で、この開閉装置1は、例えば建物2に設けられた窓開口等の開口部である被閉鎖部3の外側である室外側を開閉するワイドオープンサッシ仕様の窓シャッタ装置等である。
【0011】
なお、建物2の被閉鎖部3の内側である室内側を開閉する左右一対のサッシ障子5は、図4および図5から明らかなように、例えば観音開き式のもので、被閉鎖部3に沿った略平板状の閉状態と、略く字状に折り畳まれて屈曲部分5aが室外側に突出した開状態とに切換え可能となっている。
【0012】
そして、この開閉装置1は、図4および図5に示すように、上下方向に細長状の左右一対のガイドレール6を備え、この両ガイドレール6は、被閉鎖部3を介して互いに離間対向した状態に配置されている。
【0013】
また、両ガイドレール6の下端部間には、左右方向に細長状の下枠7が配置されている。また、両ガイドレール6の上端部間には、左右方向に細長状で略箱形状のシャッタボックス等の収容ケース体8が下枠7と離間対向した状態で配置されている。
【0014】
そして、この収容ケース体8は、図1ないし図3に示すように、例えば前板部11、後板部12、左右の側板部13、底板部14および天板部15にて構成されている。
【0015】
また、この収容ケース体8の内部空間は、底板部14に取り付けられ下面のみを開口した略箱形状の仕切り体16にて、2つの大小の室、つまり大きい開閉体収容室19と小さい部品収容室20とに仕切られている。すなわち、この収容ケース体8には、開閉体収容室19とこの開閉体収容室19とは別室の部品収容室20とが区画形成されている。
【0016】
そして、これら2つの開閉体収容室19および部品収容室20は、互いに独立した室で、開閉体収容室19および部品収容室20間での空気の行き来はほとんどない。また、開閉体収容室19と部品収容室20とを仕切る仕切り体16は、例えば矩形状の上板部17とこの上板部17の周縁から下方に向って突出した筒状の脚板部18とにて構成されている。この仕切り体16は、収容ケース体8内の前側下部の一側、すなわち例えば前側下部の正面視つまり外観視左側に配置されている。
【0017】
ここで、収容ケース体8の開閉体収容室19内には、左右方向に細長状の巻体21が回転可能に配置され、この巻体21には被閉鎖部3の室外側を開閉するシャッタカーテン等の開閉体23が巻取りおよび巻戻し可能に取り付けられている。この開閉体23は、例えばスラット24および座板25等にて構成されたシャッタカーテン等である。また、図3から明らかなように、収容ケース体8の底板部14における開閉体収容室19に臨んだ部分には、底板部14の長手方向にスリット状の開閉体通し用開口27が底板部14の一端から他端にわたって形成されている。
【0018】
そして、被閉鎖部3の閉鎖時には、開閉体23は、底板部14の開閉体通し用開口27に挿通された状態で、巻体21から巻き戻されて両ガイドレール6にて案内されつつ下降し、被閉鎖部3に沿った略平板状の閉状態となって被閉鎖部3の室外側を閉鎖する。
【0019】
また、被閉鎖部3の開口時には、開閉体23は、底板部14の開閉体通し用開口27に挿通された状態で、巻体21にて巻き取られて両ガイドレール6にて案内されつつ上昇し、略円筒状の開状態となって開閉体収容室19内に収容されて被閉鎖部3の室外側を開口させる。
【0020】
なお、図2および図3に示されるように、開閉体収容室19内には、開閉体23を制御する1ユニット状の開閉機28が仕切り体16の側方に位置している。すなわち、この開閉機28は、収容ケース体8内の前側下部の他側、すなわち例えば前側下部の外観視右側に配置されている。この開閉機28は例えばモータ部および制御部等にて構成されている。
【0021】
また一方、収容ケース体8の部品収容室20内には、開閉体23を制御する1ユニット状の電気部品31が底板部14の上方近傍に位置するように配置されている。この電気部品31は、例えば高温環境に弱い電子部品を構成する光電センサのアンプ部である。
【0022】
そして、この高温環境に弱い電気部品31の周囲の空気、すなわち例えば部品収容室20内の空気を自然循環により換気して電気部品31を冷却する部品冷却用換気口32が、収容ケース体8の下部である底板部14における部品収容室20に臨んだ部分に形成されている。そして、この部品収容室20が、部品冷却用換気口32を介して収容ケース体8外の空間である外部空間に連通されている。すなわち、電気部品31を収容した部品収容室20は、下方に向って開口している。
【0023】
ここで、底板部14の部品冷却用換気口32は、複数、例えば左右2個ずつで計4個の略楕円状の孔部である小孔34L,34Rにて構成されている。そして、例えば図2および図3から明らかなように、複数の小孔34L,34Rのうちの一部の小孔34L、例えば左側の前後2個の小孔34Lが、外部空間の空気(例えば外気)を部品収容室20内に供給するための給気孔として作用し、残りの小孔34R、例えば右側の前後2個の小孔34Rが、電気部品31の周囲の空気を部品収容室20内から排気するための排気孔として作用する。
【0024】
また、例えば雨天時に部品冷却用換気口32から部品収容室20内に入った水或いは結露により生じた水等は、仕切り体16に取り付けられ部品収容室20内に位置する防水カバー体36に付着し、電気部品31には付着しない。
【0025】
この防水カバー体36は、例えば仕切り体16の上板部17の下面に取り付けられた矩形状の取付板部37を有している。また、この取付板部37の長手方向両端からは左右一対の矩形状の突出板部38が下方に向って底板部14近傍まで垂直状に突出し、この取付板部38の中央側には電気部品31が取り付けられている。そして、電気部品31と部品冷却用換気口32との間に防水カバー体36の突出板部38が位置し、この突出板部38にて部品冷却用換気口32から入った水が電気部品31に付着することが防止される。
【0026】
なお、開閉機28と光電センサのアンプ部である電気部品31とは、電気的に接続されている。また、この光電センサのアンプ部である電気部品31には、光電センサの受光部41および投光部42がそれぞれ電気的に接続されている。この受光部41および投光部42は、ガイドレール6の上端部に取り付けられている。また、開閉機28には、図示しないが、操作スイッチボックスおよびロック装置等が電気的に接続されている。
【0027】
次に、上記一実施の形態の動作等を説明する。
【0028】
図4に示すように、サッシ障子5が略平板状の閉状態となって被閉鎖部3の室内側が閉塞された状態で、操作スイッチボックスの閉動作用スイッチがオンされた場合には、光電センサの投光部42からの検知光が光電センサの受光部41にて受光され、開閉機28のモータ部が駆動する。
【0029】
そして、開閉機28のモータ部が駆動すると、開閉体23が巻体21の巻戻しにより開閉体通し用開口27を通過しながら下降して略平板状の閉状態となり、この閉状態の開閉体23にて被閉鎖部3の室外側が閉鎖される。
【0030】
一方、図5に示すように、サッシ障子5が略く字状の開状態となって被閉鎖部3の室内側が開口した状態で、操作スイッチボックスの閉動作用スイッチがオンされた場合には、光電センサの投光部42からの検知光がサッシ障子5にて遮られるため、その検知光が受光部41にて受光されず、開閉機28のモータ部が駆動しない。このため、開閉体23は、開状態として収容ケース体8の開閉体収容室19内に収容されたままで、開閉体23とサッシ障子5との衝突が回避される。
【0031】
また、被閉鎖部3の室外側が閉状態の開閉体23にて閉鎖された状態で、操作スイッチボックスの開動作用スイッチがオンされた場合には、開閉機28のモータ部が駆動する。
【0032】
そして、開閉機28のモータ部が駆動すると、開閉体23が巻体21の巻取りにより開閉体通し用開口27を通過しながら上昇して略円筒状の開状態となり、被閉鎖部3の室外側が開口する。
【0033】
また一方、高温環境に弱い電気部品31の周囲の空気は、部品冷却用換気口32を通って自然循環により換気される。すなわち、例えば図2および図3に示されるように、外部空間内の比較的温度の低い空気が、左側の小孔34Lから部品収容室20内に供給されるとともに、部品収容室20内の比較的温度の高い空気が、右側の小孔34Rから部品収容室20外に排出される。
【0034】
そして、こうした外部空間の風力等に基づく自然的な換気により、部品収容室20内の温度が下がり、部品収容室20内の電気部品31が冷却される。その結果、電気部品31は保証温度範囲(例えば55℃以内)に維持され、電気部品31の高温化が防止される。
【0035】
また、例えば雨天時における雨水の吹き上げ等により、水が部品冷却用換気口32から部品収容室20内に入ったとしても、その水は、部品収容室20内の防水カバー体36の突出板部38に付着するため、電気部品31に付着するようなことはない。
【0036】
なお、収容ケース体8の天板部15が例えば直射日光を浴びるため、収容ケース体8の開閉体収容室19内の温度は上がりやすいが、開閉体収容室19と部品収容室20とは区画されているため、開閉体収容室19内の比較的温度の高い空気が、部品収容室20内に流れ込むようなことはない。
【0037】
このようにして、上記一実施の形態によれば、収容ケース体8の底板部14の電気部品31との対応位置に、電気部品31の周囲の空気を自然換気してこの電気部品31を冷却する部品冷却用換気口32を開口形成したため、この部品冷却用換気口32によって、部品収容室20内の空気を換気して電気部品31を冷却することができるので、電気部品31の高温化により開閉体23の制御に不具合が生じることを適切に抑制できる。
【0038】
また、部品冷却用換気口32を複数の小孔34L,34Rで構成し、この複数の小孔34L,34Rのうちの一部を給気孔として作用させかつ残部を排気孔として作用させることができるので、効率よく換気でき、電気部品31の高温化を効果的に防止できる。
【0039】
さらに、部品収容室20内に電気部品31の両側方を覆うように配置された防水カバー体36の突出板部38によって、部品冷却用換気口32から部品収容室20内に入った水が電気部品31に付着することを適切に防止できるので、電気部品31への水付着により開閉体23の制御に不具合が生じることを適切に抑制できる。
【0040】
なお、開閉装置1は、電気部品31の周囲の空気を部品冷却用換気口32を介して自然循環により換気する構成には限定されず、例えば、太陽発電による電力で駆動するファンを備え、このファンの駆動により電気部品31の周囲の空気を部品冷却用換気口32を介して強制的に循環させて換気する構成等でもよい。
【0041】
また、開閉装置1は、部品冷却用換気口32を収容ケース体8の底板部14に形成した構成には限定されず、例えば、部品冷却用換気口32を収容ケース体8の後板部12或いは側板部13等に形成した構成でもよい。
【0042】
さらに、部品冷却用換気口32は、前後に近接して並んだ左右2個ずつで計4つの小孔34L,34Rで構成されたものには限定されず、例えば、左右に近接して並んだ左右2個ずつで計4つの小孔にて構成されたもの、または1つの孔部で構成されたもの、或いは5つ以上の孔部で構成されたもの等でもよい。なお、孔部の形状は、真円形、矩形等のいかなる形状でもよく、また、孔部は、切り起し或いは切り欠き等によるものでもよく、また、孔部の位置は、電気部品31により近い位置が好ましいが、いかなる位置でもよい。
【0043】
また、電気部品31は、例えば光電センサのアンプ部以外に、例えば開閉体23を制御する電動モータ等或いは制御手段等でもよい。
【0044】
さらに、開閉装置1は、窓シャッタ装置には限定されず、例えば、窓シャッタ装置以外のシャッタ装置や、雨戸、引戸等のドア装置、ブラインド装置、スクリーン装置等或いはこれら装置のうちの同種または異種を複数並設したものでもよい。
【0045】
また、開閉体23をシャッタカーテンとした場合は、複数のスラット24等を用いる構成には限定されず、パネル、パイプ、シート、ネット等を用いる構成や、これらを適宜組み合わせた構成、1枚のシート部材や1枚の板状部材にて形成した構成等でもよい。
【0046】
【発明の効果】
求項の発明によれば、収容ケース体の下部における部品収容室に臨んだ部分に形成された部品冷却用換気口によって、電気部品の周囲の空気を換気して電気部品を冷却することができるので、電気部品の高温化により開閉体の制御に不具合が生じるのを抑制できる。
【0047】
求項の発明によれば、防水カバー体にて電気部品に水が付着するのを適切に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の開閉装置の一実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】 同上開閉装置の正面図である。
【図3】 同上開閉装置の下面図である。
【図4】 同上開閉装置の全体斜視図である。
【図5】 同上開閉装置の全体斜視図である。
【符号の説明】
1 開閉装置
3 被閉鎖部
8 収容ケース体
19 開閉体収容室
20 部品収容室
23 開閉体
31 電気部品
32 部品冷却用換気口
34L,34R 小孔
36 防水カバー体

Claims (2)

  1. 被閉鎖部を開閉する開閉体と、
    前記被閉鎖部の開口時に前記開閉体が収容される開閉体収容室と部品収容室とが区画形成された収容ケース体と、
    この収容ケース体の前記部品収容室内に配置され、前記開閉体を制御する電気部品と、
    前記収容ケース体の下部における前記部品収容室に臨んだ部分に形成され、前記部品収容室内の空気を換気する部品冷却用換気口と
    を備えることを特徴とする開閉装置。
  2. 電気部品に水が付着するのを防止する防水カバー体を備える
    ことを特徴とする請求項記載の開閉装置。
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