JP4685558B2 - ボール弁用弁体およびボール弁 - Google Patents

ボール弁用弁体およびボール弁 Download PDF

Info

Publication number
JP4685558B2
JP4685558B2 JP2005260315A JP2005260315A JP4685558B2 JP 4685558 B2 JP4685558 B2 JP 4685558B2 JP 2005260315 A JP2005260315 A JP 2005260315A JP 2005260315 A JP2005260315 A JP 2005260315A JP 4685558 B2 JP4685558 B2 JP 4685558B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve body
valve
flow rate
ball valve
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005260315A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007071330A (ja
Inventor
浩一 関根
謙雄 野間口
康正 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Azbil Corp
Original Assignee
Azbil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Azbil Corp filed Critical Azbil Corp
Priority to JP2005260315A priority Critical patent/JP4685558B2/ja
Publication of JP2007071330A publication Critical patent/JP2007071330A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4685558B2 publication Critical patent/JP4685558B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Taps Or Cocks (AREA)

Description

本発明は、ボール弁用弁体およびボール弁に関するものである。
空調用に供給される温水、冷水などの流体の流量を制御する一般的なボール弁は、貫通孔からなる流路を有する球状の弁体と、この弁体を一対のシートリングを介して回動自在に収納する弁本体と、この弁本体を貫通して設けられ内端に前記弁体が取付けられた弁軸と、この弁軸を回動させるアクチュエータとを備え、このアクチュエータの駆動によって前記弁体を回動させることにより、弁本体内の流通路を開閉するように構成されている。
このようなボール弁の弁体は、通常ロストワックス鋳造法によって成形した後、必要とする真球度を得るために球面加工や必要とする表面粗さを得るためにバフ加工(仕上げ加工)されることにより所望の形状に製作される。
しかしながら、このようなロストワックス鋳造法では、高い寸法精度が得られないため後加工によって球面加工したり流体調整用窓のフィレット形状を加工したりしなければならず、手間が掛かり製造コストが高くなるという問題があった。また、特にロストワックス鋳造法によって弁体を製作する場合は、流量調整用窓が大きめの孔形状に制約されるため、形状が複雑な流量調整用窓を有する弁体を製作することは困難であった。
そこで、他の製造方法として特許文献1に開示されているボール弁用弁体およびその製造方法が提案されている。この特許文献1に開示されているボール弁用弁体の製造方法は、上型、下型およびスライドコアとからなる樹脂成形用金型を用い、この樹脂成形用金型内に形成した球状の空間内に溶融樹脂を充填して弁体を成形する方法である。弁体の成形に際しては、上型と下型のパーティングラインに相当する部分にバリが発生するため、このバリを取り除く必要がある。そこで、特許文献1に記載の発明では、上型と下型のパーティングラインに沿って帯状に伸びる凹み部を弁体の球表面に形成し、バリを弁体の仮想球面より内側に収めることにより、後加工によるバリの除去作業を不要にしている。
しかしながら、このようなボール弁用弁体の製造方法においても、金型(上型、下型)とスライドコアとのパーティングラインに沿って発生するバリについては何らの対策も講じていないため、流量調整窓の周囲に発生するバリを後加工によって除去する必要があった。この場合、流量調整窓が複雑な形状で、しかも所望の流量特性と騒音対策のために流量調整窓のフィレット形状を所定の曲率半径としたボール弁用弁体においては、バリを除去するために球面加工を施すと、フィレット面まで加工してしまうため、所定の流量特性が得られなくなったり、騒音が発生し易くなり、後加工によって再度フィレット面を形成する必要があるという問題があった。
特開2000−130610号公報
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、射出成形後、流量調整窓部に生じるバリについては必ずしも除去する必要がなく、成形と同時に所定のフィレット形状が得られ、製造性を高めるようにしたボール弁用弁体およびボール弁を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係るボール弁用弁体は、射出成形用金型によって球状に形成されて弁本体内に回転自在に収納され、弁軸によって回動されることにより前記弁本体内の流通路を開閉するボール弁用弁体において、前記弁体に貫通して形成された貫通流路の流出側開口部は、弁体の球表面から若干凹んだ凹み部に開口する流量調整窓によって構成され、前記凹み部を前記流量調整窓を形成するスライドコアと弁体の球表面を形成する金型とのパーティングラインが前記凹み部の底の周縁部分に位置するように形成したものである。
第2の発明に係るボール弁用弁体は、流量調整窓を前記弁軸の軸線方向に並設された複数の仕切壁によって仕切られたスリットで構成し、前記仕切壁の表面に底面が弁体の球表面より僅かに小さい球面からなる凹み部を形成したものである。
第3の発明に係るボール弁用弁体は、凹み部の深さを0.02〜0.04mmとしたものである。
第4の発明に係るボール弁は、上記第1〜第3の発明のうちのいずれか1つに記載の弁体を備えたものである。
第1の発明においては、弁体に流量調整窓が開口する凹み部を形成するとともに、この凹み部の底の周縁部分を金型とスライドコアのパーティングラインとしたので、凹み部の前記周縁部分にバリが生じたとしても、凹み部内に収まっていれば、必ずしもバリを除去しなくてもシートリングを損傷するおそれがなく、弁体を製作するための時間を短縮できる。
第2の発明においては、弁体の流量調整窓が複数の仕切壁で仕切られたスリットであっても、バリを除去する必要がないので、弁体の成形と同時に流量調整窓に所望のフィレット面を形成することができる。
第3の発明においては、流量調整窓の凹み部の深さをきわめて浅い0.02〜0.04mmとしたので、シートリングによるシール性能を損なうことがない。
第4の発明においては、バリの除去作業が不要な所定のフィレット形状を有する弁体を備えているので、安定した流量特性と騒音の発生が少ないボール弁が得られる。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るボール弁の一実施の形態を示す全開時における断面図、図2は同ボール弁の全閉時における断面図、図3は弁体の外観斜視図、図4は同弁体の断面図、図5(a)〜(d)はそれぞれスリットの変形例を示す図、図6は流量と弁開度の関係を示す図、図7および図8は弁体の製造方法を説明するための図、図9はボール弁の動作を説明するための図で、(a)はボール弁の全開状態を示す図、(b)は中間開度状態を示す図、(c)は全閉状態を示す図、図10は騒音レベルと弁前後差圧の関係を示す図である。本実施の形態においては、低騒音型のボール弁に適用した例を示す。
図1〜図4において、全体を符号1で示す低騒音ボール弁は、配管2(2A,2B)の途中に接続された弁本体3と、この弁本体3の内部中央に回転自在に組み込まれた球状の弁体4と、この弁体4を略90°の角度範囲内で水平方向に回動させる回動手段としての弁軸5等で構成されている。
前記弁本体3は、上流側弁本体3Aと下流側弁本体3Bの二つの部材によって全体形状が逆T字状の管体に形成されており、両側および上方の3方向に開放している。上流側弁本体3Aは、管本体30Aと、この管本体30Aの上壁に上方に向かって一体に突設された筒状の弁軸取付部30Bとで構成されている。管本体30Aの内部空間は、流体7が流入する一次側(上流側)流通路8と、前記弁体4が組み込まれるボールキャビティ9と、二次側(下流側)流通路10の一部10aを形成している。管本体30Aの上流側開口部11の内周面には、上流側配管2Aのテーパ雄ねじに螺合するテーパ雌ねじ12が形成されており、下流側開口部13の内周面には、前記下流側弁本体3Bを接続するための雌ねじ14が形成されている。前記弁軸取付部30Bは、前記ボールキャビティ9の真上に位置し、前記弁軸5がOリング15を介して回動自在に挿通され、上端開口部が蓋部材16とシール部材によって水密に封止されている。
前記下流側弁本体3Bは、両端が開放する管体からなり、内部空間が二次側流通路10の残りの部分10bを形成している。下流側弁本体3Bの外周面で上流側開口端部18には雄ねじ19が形成されている。一方、下流側弁本体3Bの内周面で下流側開口部20には下流側配管2Bのテーパ雄ねじ21に螺合するテーパ雌ねじ22が形成されている。上流側弁本体3Aと下流側弁本体3Bとは、前記雌ねじ14と雄ねじ19の螺合によって一体的に結合され、かつ結合部がシール部材23によってシールされている。
前記弁体4は、金属粉末と合成樹脂との混合物または合成樹脂の射出成形によって略真円からなる球状に形成されており、前記ボールキャビティ9内に一対のシートリング25,26を介して回動自在に組み込まれている。弁体4の外周壁でシートリング25,26に摺接する上下部分は、弁体4の球心を中心とする球面からなる帯状の着座部27をそれぞれ形成している。
前記弁体4の内部には、流体7を流す貫通流路35と連通路36が形成されている。貫通流路35は、弁体4の球心を通り前記弁軸5の軸線と直交する貫通孔で構成されることにより、弁体4の両側の外周壁に開口する2つの開口部35a,35bを有している。また、貫通流路35は、断面形状が円形で略全長にわたって同一内径の穴に形成されている。貫通流路35の穴径は、前記一対のシートリング25,26の内径より若干小さく設定されている。2つの開口部35a,35bは弁体4の回転方向に180°離間している。また、一方の開口部35aは貫通流路35の穴径と同一で、流体7の流入側開口部を形成している。そして、弁体4の外周壁で前記貫通流路35の流入側開口部35aが開口している部分は、図4に示すように貫通流路35の軸線と直交する平坦面に切除されている。
一方、他方の開口部35bは流体7の流出側開口部で、ボール弁1の流量特性を決定する流量調整窓(以下、流量調整窓という)を形成している。この流量調整窓35bは、仕切壁45により弁体4の回転方向と直交する方向、すなわち前記弁軸5の軸線方向に仕切られて並設された4本のスリット44(44a〜44d)で構成されている。
スリット44は、弁体4の回転方向(水平方向)に長いスリットからなり、溝幅が低開度側端部Q1 から高開度側端部Q2 に向かって漸次幅広になるように形成されている。スリット44の低開度側端部Q1 は、図2に示す全閉状態から弁体4を図1に示すように開方向に回動させていくときの回動側端部であり、高開度側端部Q2 は弁体4の前記回動方向側とは反対側の端部である。スリット44のスリット幅を変えた理由は、ボール弁1の流量特性を変更するためであり、低開度側端部Q1 から高開度側端部Q2 に向かって漸次幅広になるように形成した場合は、流量特性をイコールパーセンテージ特性(図6の直線A)とすることができる。
図5(a)〜(d)は弁体に形成されるスリットの他の実施の形態を示す図である。すなわち、図5(a)は、図1に示したスリット44と同様に、弁体4の回転方向に長いスリット61(第1〜第4のスリット61a〜61d)を回転方向と直交する方向に並設し、そのうち第2のスリット61bの低開度側端部に回転方向と直交する方向に曲げられたスリット状の低開度時騒音低減部62を形成したものである。このようなスリット61によれば、第2のスリット61bに設けた低開度時騒音低減部62によって全閉状態から低開度に遷移する際に発生する騒音を、図1に示したスリット44に比べてより一層効果的に低減することができる。
図5(b)は、弁体4の回転方向に長い第1、第2のスリット63a,63bからなるスリット63を弁体4の回転方向と直交する方向に平行に並設したものである。第1、第2のスリット63a,63bのスリット幅は全長にわたって同一である。このようなスリット63によればボール弁の流量特性をリニア特性(図6の直線B)とすることができる。
図5(c)は、弁体4の回転方向に長い第1、第2のスリット64a,64bを回転方向と直交する方向に並設し、その低開度側端部を連結溝65によって互いに連結することにより高開度側をコ字状に開放したスリット66としたものである。
図5(d)は、同じく弁体4の回転方向に長い第1、第2のスリット67a,67bを回転方向と直交する方向に並設し、その高開度側端部を連結溝68によって互いに連結することにより低開度側をコ字状に開放したスリット69としたものである。連結溝68は、第1、第2のスリット67a,67bのスリット幅より広く形成されている。
図3および図4において、前記スリット44を仕切る仕切壁45の表面には、弁体4の球表面から若干凹んだ凹み部37が形成されている。このため、弁体4の球表面と流量調整窓35bの表面との間には微小な段差39が形成されている。凹み部37の底面(仕切壁45の表面)は、弁体4の球表面の曲率半径より若干小さい曲率半径の球面に形成されている。凹み部37の深さΔは、シール性とバリの高さを勘案して0.02〜0.04mmに設定される。0.02mm以下であると、バリが凹み部37から弁体4の球表面に突出してシートリング26を損傷するため好ましくない。0.04mm以上であると、シートリング26によ流量調整窓35bのシール性能が低下するため好ましくない。仕切壁45の外側縁部は、所望の流量特性を得るために所定の曲率半径(R0.2〜0.3mm程度)からなる凸状のフィレット面Fに形成されている。このようなフィレット面Fは、弁体4の射出成形と同時に形成される。
図3において、前記連通路36は、前記貫通流路35と同一の穴径を有する断面円形の穴からなり、前記弁軸5と貫通流路35の軸線に対して直交するように、かつ貫通流路35と同一高さで弁体4の半径方向に形成され、前記貫通流路35の内部中央において連通している。連通路36の開口部36aは、前記弁体4の外周壁で前記貫通流路35の軸線方向の両側を形成する2つの側壁部47a,47bのうち一方の側壁部47aに開口している。この一方の側壁部47aは、弁体4の開弁方向とは反対側の側壁部分、言い換えれば前記流入側開口部35aとスリット44の高開度側端部Q2 間の側壁部分である。また、連通路36の開口部36aは、前記貫通流路35の流入側開口部35aと流量調整窓35bに対して90°離間した位置に開口している。そして、弁体4の外周壁で前記連通路36の開口部36aが開口している部分は、連通路36の軸線と直交する平坦面に切除されている。
図1および図2において、前記弁体4の上面には、前記弁軸5の内端が挿入される凹部48が形成されている。前記弁軸5の外端5aは、前記蓋部材16の上方に突出し、図示を省略した電動アクチュエータに連結されるかまたは手動用のハンドルが取付けられている。
前記一対のシートリング25,26は、上流側弁本体3Aと下流側弁本体3Bとの結合によって弁体4の外周面にそれぞれ押しつけられることにより、弁本体3と弁体4との隙間をシールしている。
次に、弁体4の製造方法を図7および図8に基づいて説明する。
これらの図において、80,81は弁体4の外形状を形成する上型および下型、82〜4はスライドコアで、これらによって弁体4の射出成形に用いられる成形用金型85を構成している。
上型80の下型81との合わせ面(パーティング面)には、半球状に窪んだ成形用凹部86と、スライドコア82〜84の上半部が嵌め込まれる半円筒状の凹部87〜89が形成されている。同じく下型81の上型80との合わせ面には、半球状に窪んだ成形用凹部91と、スライドコア82〜84の下半部が嵌め込まれる半円筒状の凹部92〜94が形成されている。
スライドコア82,83は、貫通流路35を形成するためのもので、互いに対向して設けられ、その対向面には、スリット44を形成するための突状体95,96がそれぞれ一体に突設されている。残りのスライドコア84は、連通路36を形成するためのものであり、先端面がスライドコア82の外周面に密接するように凹曲面状に湾曲している。
弁体4の射出成形に際して、上型80と下型81を位置決めして重ね合わせ、そのパーティング面を互いに密接させると、成形用凹部86と91が互いに突き合わされて球状の空間(キャビティ)9を形成する。また、円筒状の凹部87と92、88と93、89と94はそれぞれ円筒形の孔を形成し、これらの孔にスライドコア82〜84がそれぞれ摺動自在に挿入される。
スライドコア82は凹部87と92とによって形成された孔よりキャビティ97を殆ど突き抜ける直前まで挿入されてスライドコア83との合わせ面に突き当てられる。一方、スライドコア83は凹部88と93とによって形成される孔に挿入され、弁体4の流量調整窓35bの表面に形成される凹み部37の深さΔ分(図4)だけキャビティ97内に挿入され、スライドコア82との合わせ面に突き当てられる。これにより、スライドコア82と83の突き当て面に突設されている突状体95と96が互いに当接する。上型80、下型81とスライドコア83とのパーティングラインは、凹み部37の周縁部分38(図4)である。
スライドコア84は凹部89と94とによって形成される孔に挿入され、前記スライドコア82の外周面に密接される。
このようにして上型80、下型81およびスライドコア82〜84からなる樹脂成形用金型85が組立てられると、溶融樹脂を金型内部のキャビティ97に充填して硬化させ、離型することにより弁体4が成形される。
弁体4を成型用金型85で成形すると、弁体4の球表面には上型80と下型81のパーティングライン100(図7)に沿って帯状のバリが生じる。同じく、上型80、下型81およびスライドコア82とのパーティング面と、上型80、下型81およびスライドコア84とのパーティング面に沿って、貫通流路3の流入側開口部35aと連通路36の開口部36aの周縁にもバリが生じる。これらのバリは、弁体4の球表面をバフ加工することにより容易に除去できる。
さらに、流量調整窓35bの周縁にも上型80、下型81およびスライドコア83とのパーティングライン38(図4、図8)に沿って同様にバリが生じる。しかし、このバリの発生箇所は、流量調整窓35bの表面に形成される凹み部37の周縁部分38(図4)であるため、バリの高さが凹み部37の深さ以下であればバリを凹み部37内に収めることができる。したがって、バリを除去しなくてもシートリング25,26を傷つけたりすることはない。
また、凹み部37内のバリを除去する必要がなければ、弁体4の仕上げ加工によって流量調整窓35bのフィレット面Fを削り取ることもない。このため、安定した流量特性と騒音特性の弁体4を得ることができ、またフィレット形状を弁体4の成形と同時に形成できるため、後加工によってフィレット形状を形成する必要がなく、弁体4の製造コストを低減することができる。
さらに、凹み部37を設けると、シートシング25,26の接触圧が小さくなり、ボール弁1の駆動トルクを低減することができる。
次に、低騒音ボール弁1の動作を図9に基づいて説明する。
図9(a)は全開状態を示す。この全開状態において、貫通流路35の流入側開口部35aと流量調整窓35bはシートリング25,26内にそれぞれ位置し、流体7を弁本体3の一次側流通路8から二次側流通路10に流している。連通路36の開口部36aはボールキャビティ9内に位置している。この状態において、流入側開口部35aは、断面積がシートリング25によって絞られることがないので、上流側での流体7の圧力降下および流速の急激な変化は生じることはない。したがって、上流側での騒音は発生しない。
一方、流量調整窓35bにおいては、スリット44が流量調整窓35bの開口断面積を小さくすることから流体7に対して絞り部として機能する。また、スリット44は、流体7の流線の変化を極力抑えて整流する整流機能を有している。このため、スリット44を通過する流体7はスリット44内の境界における摩擦により通過流速が抑えられ、通過した後は二次側流通路10に流入すると通路断面積が急拡大することで流体圧が急速に回復する。したがって、二次側においても流体7がスリット44を通過するときに流れの乱れが大きくなって騒音が生じたりキャビテーションが発生することはない。
次に、弁体4を図9(a)に示す全開状態から時計方向に回動させて図9(b)示す中間の開度状態に切り替えると、流入側開口部35aは、回転方向側の端部がシートリング25の外側に退出してボールキャビティ9内に移動するため、一次側流通路8に連通する開口部分の断面積が減少する。一方、中間開度にすると連通路36の開口部36aの回転方向側端部がシートリング25内に移動して一次側流通路8に連通するので、一次側流通路8から弁体4内に流入する流体7の流量は全開状態から中間開度に切り替えて絞られても大きく減少することはない。したがって、中間開度に切り替えたときも一次側では流体7の圧力が急激に降下したり流速が急激に変化したりすることがなく、一次側での騒音の発生を低減することができる。
ボール弁1を中間開度に切り替えると、流量調整窓35bは、スリット44の高開度側端部Q2 がシートリング26の外側に移動してボールキャビティ9内に移動し、低開度側端部Q1 がシートリング26内に移動する。このため、流量調整窓35bは絞られて二次側流通路10に連通する開口部分の断面積が減少する。したがって、流量調整窓35bを通る流体7の圧力が降下して流速が急激に速くなる。しかしながら、この中間開度においても、流量調整窓35bを通過する流体7は、スリット44の働きにより流線の変化が抑えられるため乱流とならず、またスリット44内の境界における摩擦により通過流速が抑えられ、スリット44を通過した後は二次側流通路10に流入すると通路断面積が急拡大することにより流体圧が急速に回復するので、一次側と同様に二次側においても騒音やキャビテーションの発生が抑えられる。
また、中間開度に切り替えると、流入側開口部35aはシートリング25から離間するが、弁体4の外周壁で流量調整窓35bが開口している部分の表面を球面着座部27と同一の球面に形成してあるから、図9(b)に示すように流量調整窓35bのスリット44を仕切っている仕切壁45とシートリング26との間に隙間が生じることがないので、流体7がスリット44を通過したときシートリング26に当たって流れの乱れが大きくなるおそれがなく、下流側における騒音およびキャビテーションの発生をより一層低減することができる。
ボール弁1を図9(c)に示すように全閉状態に切り替えると、貫通流路35が一次側流通路8および二次側流通路10と直交し、流入側開口部35aと流量調整窓35bがシートリング25,26の外側に完全に退出し、貫通流路35の他方の側壁部47bがシートリング26を塞ぐ。したがって、一次側流通路8と二次側流通路10は遮断される。
このように本発明に係る低騒音ボール弁1においては、弁体4の貫通流路35の流量調整窓35bを複数のスリット44で構成するとともに、貫通流路35と直交する連通路36を弁体4に形成したので、全開状態から流れ始めの低開度状態までの全開度にわたって騒音およびキャビテーションの発生を低減することができ、低騒音化を実現することができる。
図10は騒音レベルと騒音特性の関係を示す図である。図中、曲線Cは図1に示したボール弁1の騒音特性、曲線Dは図1に示したボール弁1の流量調整窓35bをスリット44で構成せず、流入側開口部35aと同じ円形の開口にしたボール弁における騒音特性である。この図からも明らかなように、本発明に係るボール弁1によればスリット44によって騒音レベルを曲線Dのスリットを備えないボール弁に比べて6〜8dBA程度低減することができる。
なお、上記した実施の形態においては、貫通流路35と連通路36を備えたボール弁に適用した例を示したが、本発明はこれに何ら特定されるものではなく、貫通流路35のみを備えたボール弁にも適用することができる。
また、弁体4の流量調整窓35bはスリット44に限らず他の適宜な形状、例えば1つの開口であってもよい。
本発明に係る低騒音ボール弁の一実施の形態を示す全開時における断面図である。 同ボール弁の全閉時における断面図である。 弁体の外観斜視図である。 同弁体の断面図である。 (a)〜(d)はそれぞれスリットの変形例を示す図である。 流量と弁開度の関係を示す図である。 弁体の製造方法を説明するための図である。 弁体の製造方法を説明するための図である。 ボール弁の動作を説明するための図で、(a)はボール弁の全開状態を示す図、(b)は中間開度状態を示す図、(c)は全閉状態を示す図である。 騒音レベルと弁前後差圧の関係を示す図である。
符号の説明
1…低騒音ボール弁、2…配管、3…弁本体、4…弁体、5…弁軸、7…流体、8…一次側流通路、10…二次側流通路、25,26…シートリング、35…貫通流路、35a…流入側開口部、35b…流量調整窓、36…連通路、37…凹み部、44…スリット、45…仕切壁、80…上型、81…下型、82〜84…スライドコア、85…成形用金型。

Claims (4)

  1. 射出成形用金型によって球状に形成されて弁本体内に回転自在に収納され、弁軸によって回動されることにより前記弁本体内の流通路を開閉するボール弁用弁体において、
    前記弁体に貫通して形成された貫通流路の流出側開口部は、弁体の球表面から若干凹んだ凹み部に開口する流量調整窓によって構成され、
    前記凹み部は、前記流量調整窓を形成するスライドコアと弁体の球表面を形成する金型とのパーティングラインが前記凹み部の底の周縁部分に位置するように形成されていることを特徴とするボール弁用弁体。
  2. 流量調整窓を前記弁軸の軸線方向に並設された複数の仕切壁によって仕切られたスリットで構成し、前記仕切壁の表面に弁体の球表面より僅かに小さい球面からなる凹み部を形成したことを特徴とする請求項1記載のボール弁用弁体。
  3. 流量調整窓の凹み部の深さを0.02〜0.04mmとしたことを特徴とする請求項1または2記載のボール弁用弁体。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の弁体を備えたことを特徴とするボール弁。
JP2005260315A 2005-09-08 2005-09-08 ボール弁用弁体およびボール弁 Active JP4685558B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005260315A JP4685558B2 (ja) 2005-09-08 2005-09-08 ボール弁用弁体およびボール弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005260315A JP4685558B2 (ja) 2005-09-08 2005-09-08 ボール弁用弁体およびボール弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007071330A JP2007071330A (ja) 2007-03-22
JP4685558B2 true JP4685558B2 (ja) 2011-05-18

Family

ID=37932956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005260315A Active JP4685558B2 (ja) 2005-09-08 2005-09-08 ボール弁用弁体およびボール弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4685558B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103752828A (zh) * 2014-02-19 2014-04-30 安徽卧龙泵阀有限责任公司 一种球阀的球体烧制模具

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101007615B1 (ko) * 2009-09-28 2011-01-12 주식회사 쓰리젯 밸브 볼 라이닝용 사출금형 및 밸브 볼 라이닝 방법
JP6383313B2 (ja) * 2015-03-19 2018-08-29 アズビル株式会社 弁プラグ判別装置
JP6383312B2 (ja) * 2015-03-19 2018-08-29 アズビル株式会社 弁プラグ判別装置
CN112594437A (zh) * 2020-11-13 2021-04-02 机械工业第九设计研究院有限公司 新型注蜡气控阀门及应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5526612Y2 (ja) * 1976-11-20 1980-06-26
JP2000130610A (ja) * 1998-10-22 2000-05-12 Time Engineering Co Ltd ボールバルブ用樹脂ボール及びその製造方法
JP2006118664A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Yamatake Corp 低騒音回転弁

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5526612Y2 (ja) * 1976-11-20 1980-06-26
JP2000130610A (ja) * 1998-10-22 2000-05-12 Time Engineering Co Ltd ボールバルブ用樹脂ボール及びその製造方法
JP2006118664A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Yamatake Corp 低騒音回転弁

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103752828A (zh) * 2014-02-19 2014-04-30 安徽卧龙泵阀有限责任公司 一种球阀的球体烧制模具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007071330A (ja) 2007-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4685558B2 (ja) ボール弁用弁体およびボール弁
WO2015098952A1 (ja) 二重偏心弁
JP5871432B2 (ja) ロータリ式バルブ用シール部材及びこれを用いたロータリ式バルブ
CA3067557C (en) Multi-stage, multi-path rotary disc valve
EP2971925A1 (en) Fluid flow control devices and systems, and methods of flowing fluids therethrough
JP2006234071A (ja) 充水機能付きバタフライ弁
JP4950265B2 (ja) 低騒音回転弁
US11906076B2 (en) Ball control valves having three-dimensional tortuous path flowpaths
JP6744441B1 (ja) 偏心回転弁
JP4563770B2 (ja) 低騒音回転弁
US20210207740A1 (en) Three-dimensional tortuous path flow element for ball control valves
WO2005036036A1 (ja) 二方ボール弁
JP2007182922A (ja) ボールバルブの弁体の製造方法
TWI411739B (zh) 球閥
JP3679745B2 (ja) ガスコックのボール切換弁
RU2334148C1 (ru) Клапан регулирующий
JP2003120829A (ja) 定流量充水機能を備えたバタフライ弁
JPS5846275A (ja) 逆止弁
JP3543979B2 (ja) 摺動弁式気化器
JP7270584B2 (ja) 偏心回転弁
CN211693634U (zh) 四通球阀及其阀芯
WO2024214717A1 (ja) バタフライバルブ
JP4430432B2 (ja) 軸流止水栓
JP2001214980A (ja) バタフライ弁のシートリング
CN115727147A (zh) 用于膨胀阀的膨胀阀装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110210

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4685558

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150