JP2003120829A - 定流量充水機能を備えたバタフライ弁 - Google Patents

定流量充水機能を備えたバタフライ弁

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JP2003120829A JP2001316128A JP2001316128A JP2003120829A JP 2003120829 A JP2003120829 A JP 2003120829A JP 2001316128 A JP2001316128 A JP 2001316128A JP 2001316128 A JP2001316128 A JP 2001316128A JP 2003120829 A JP2003120829 A JP 2003120829A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小開度において定流量の通水を行うことがで
きる定流量充水機能を備えたバタフライ弁を提供する。 【解決手段】 弁箱11に内周面に沿って円環状に配置
する弁箱シールリング14と、弁棒13の軸心周りに回
転して全閉位置で弁箱シールリング14に摺接する弁体
12と、開栓操作時の回転方向における弁体12の背面
側に設けるディスクテール部15とを有してなり、ディ
スクテール部15は、弁箱シールリング14に摺接する
外周面が球面状に湾曲し、一端が外周面に開口して他端
が弁体12の前記背面側に開口する通水孔17を有し、
外周面における通水孔17の開口よりも背面側の部位が
弁体12の小開度時に弁箱シールリング14に摺接する
シール部18をなす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定流量充水機能を
備えたバタフライ弁に関し、配管への充水時に定流量で
流体を供給するバルブの技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、配管の敷設時における初期充水時
および再充水時においては、急激な充水によって満管状
態にするとウォーターハンマー等によって配管が破損す
ることがあるので、配管に設けたバタフライ弁を小開度
に開栓して小流量で管路に充水している。
【0003】しかし、一般的なバタフライ弁は小開度に
おける流量制御が困難であり、定流量供給することがで
きず、充水開始から満管状態になるまでの必要時間を予
め算出することが困難であった。また、上流圧が高い場
合にはバタフライ弁を小開度に開栓すると弁体の下流側
にキャビテーションが発生することもあった。
【0004】ところで、小開度において正確な流量制御
を行うバタフライ弁としては、実開昭59−10105
4号に開示するように、弁室内に配置する弁体に外周面
が球形をなす弁部片を設け、弁部片に流量調整用の凹溝
を形成したものがある。
【0005】また、小開度におけるキャビテーションを
抑制するバタフライ弁としては、実公平7−43553
号に開示するものがある。これは図14に示すようなも
のであり、弁箱1の内部に弁体2を配置し、弁体2の弁
軸3を介した左右の弁体片2a、2bのうちで、開栓時
に上流側に移動する弁体片2aの二次側面、および開栓
時に下流側に移動する弁体片2bの一次側面にそれぞれ
周状突縁4、5を設け、周状突縁4、5に多数の小通孔
6、7を形成するものであり、小通孔6、7によって流
体を分散させることでキャビテーションを抑制してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した実開
昭59−101054号に開示するものにおいては、弁
体に流量調整用の凹溝を形成するために、弁体自体の厚
みが薄い場合には弁体周縁部における凹溝の開口面積が
小さくなって調整可能な流量が微少となり、凹溝の開口
形状が弁体周縁部を切り欠いた形状であるために、わず
かな開度の変動によって流量が変化する問題があった。
【0007】実公平7−43553号に開示するものに
おいては、周状突縁4、5に形成した小通孔6、7の存
在によってキャビテーションを抑制することはできて
も、微小開度において周状突縁4、5と弁箱内周面(弁
箱シート面)との間が開いているので、小通孔6、7が
微小開度における流量制御に何ら寄与しないものであっ
た。
【0008】本発明は上記した課題を解決するものであ
り、小開度において定流量の通水を行うことができる定
流量充水機能を備えたバタフライ弁を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る本発明の定流量充水機能を備えたバ
タフライ弁は、弁箱内に内周面に沿って円環状に配置す
る弁箱シールリングと、弁棒の軸心周りに回転して全閉
位置で弁箱シールリングに摺接する弁体と、開栓操作時
の回転方向における弁体の背面側に設けるディスクテー
ル部とを有してなり、ディスクテール部は、弁箱シール
リングに摺接する外周面が球面状に湾曲し、一端が外周
面に開口して他端が弁体の前記背面側に開口する通水孔
を有し、外周面における反弁体側端部が弁体の小開度時
に弁箱シールリングに摺接するシール部をなすものであ
る。
【0010】上記した構成において、開栓操作によって
弁体を小開度に開栓し、ディスクテール部のシール部を
弁箱シールリングに摺接させる。この状態において通水
孔は全開状態となり、シール部が弁箱シールリングに摺
接する状態を維持する弁体の所定回転範囲において通水
孔の全開状態が安定的に維持される。
【0011】弁体の小開度における通水孔の全開によっ
て、弁体を介した弁箱内の上流側領域と下流側領域はデ
ィスクテール部の通水孔を通してのみ連通し、上流側の
配管から弁箱内に流入する水が通水孔を通して下流側の
配管へ通水される。
【0012】通水孔を流れる流量は通水孔の流路形状に
相応して予め定まっているので、定流量で下流側の配管
へ充水することができ、充水開始から満管状態になるま
での必要時間を予め算出することができる。
【0013】請求項2に係る本発明の定流量充水機能を
備えたバタフライ弁は、通水孔が流入口側に比べて流出
口側が小径のテーパ状をなすものである。上記した構成
により、通水孔を通過する流水によるキャビテーション
の発生を抑制できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図6において、バタフライ
弁の弁箱11は両側のポート(図示省略)に上流側配管
(図示省略)および下流側配管(図示省略)を接続する
ものである。
【0015】弁箱11の内部には弁体12を弁棒13の
軸心周りに回転自在に配置し、弁箱11の内周面には円
環状をなす弁箱シールリング14を配置しており、弁体
12は全閉位置において周縁部が弁箱シールリング14
に摺接する。弁体12は弁棒13を介した左右の弁体片
12a、12bの各々にディスクテール部15をボルト
15a、15bで固定装着しており、ディスクテール部
15は開栓操作時の弁体12の回転方向における背面側
に配置している。
【0016】ディスクテール部15は弁体12の板面か
ら立ち上がった所定肉厚のテール部16を有し、テール
部16の外周面が弁箱シールリング14に摺接する球面
状に湾曲している。図3に示すように、テール部16に
は通水孔17を形成しており、通水孔17は一端がテー
ル部16の外周面に開口し、他端がテール部16の裏
面、つまり開栓操作時の弁体12の背面側に開口してい
る。
【0017】図6に示すように、開栓操作時に下流側に
回動する弁体片12aに設けたディスクテール部15に
おいて通水孔17は弁体12の背面側の開口が流入口1
7aをなし、テール部16の外周面側の開口が排出口1
7bをなす。開栓操作時に上流側に回動する弁体片12
bに設けたディスクテール部15において通水孔17は
テール部16の外周面側の開口が流入口17cをなし、
弁体12の背面側の開口が排出口17eをなす。通水孔
17はその開口形状が弁体12の周方向に沿った長円形
をなしており、このことで弁体12の小開度において通
水孔17の開口面積を大きく設定できる。テール部16
は外周面における反弁体側端部が弁体12の小開度時に
弁箱シールリング14に摺接するシール部18をなして
いる。
【0018】以下、上記した構成における作用を説明す
る。配管の敷設時の初期充水時および再充水時の操作の
始めにおいて弁体12は全閉状態にあり、急激な充水に
よって配管が破損することを防止するためにバタフライ
弁を小開度に開栓して小流量で下流側配管に充水する。
【0019】図6に示すように、開栓操作によって弁体
12を小開度に開栓し、ディスクテール部15のシール
部18を弁箱シールリング14に摺接させる状態におい
て通水孔17を全開状態となす。このとき、シール部1
8が弁箱シールリング14に摺接する状態を維持するこ
とが可能な弁体12の所定回転範囲において通水孔17
はその全開状態が安定的に維持される。
【0020】弁体12の小開度における通水孔17の全
開によって、弁体12を介した弁箱13の内部の上流側
領域と下流側領域はディスクテール部15の通水孔17
を通してのみ連通し、上流側の配管から弁箱11に流入
する水が通水孔17を通して下流側の配管へ通水され
る。
【0021】このとき、通水孔17を流れる流量は通水
孔17の流路断面積等の流路形状に相応して予め定まっ
ているので、定流量で下流側の配管へ充水することがで
き、充水開始から満管状態になるまでの必要時間を予め
算出することができる。
【0022】図7に示すように、通水孔17は流入口1
7a、17cに比べて流出口17b、17dが小径のテ
ーパ状に形成することもできる。この構成によれば、通
水孔17を通過する流水によるキャビテーションの発生
を抑制できる。
【0023】また、通水孔17の開口形状は長円形に限
らず、図8〜図9に示すように、三角形状に形成するこ
ともでき、図10〜図11に示すように、真円形状に形
成することもでき、図12〜図13に示すように、小円
形孔を多数形成することもでき、いずれにおいてもテー
パ状に形成することも可能である。
【0024】さらに、上述した実施の形態ではディスク
テール部15を弁体12とは別体の部材としたが、ディ
スクテール部15と弁体12とを一体的に成形すること
もできる。また、弁体12の全開時におけるテール部1
6の抵抗性を減じるために、ディスクテール部15を背
面側が平坦面をなす厚板形状の弁体とすることも可能で
ある。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、弁体を小
開度に開栓した状態において通水孔はシール部が弁箱シ
ールリングに摺接する状態を維持することが可能な弁体
の所定回転範囲において全開状態を安定的に維持するこ
とができる。この通水孔の全開状態において弁体を介し
た弁箱内の上流側領域と下流側領域はディスクテール部
の通水孔を通してのみ連通し、通水孔を流れる流量は通
水孔の流路形状に相応して予め定まっているので、定流
量で下流側の配管へ充水することができ、充水開始から
満管状態になるまでの必要時間を予め算出することがで
きる。通水孔が流入口側に比べて流出口側が小径のテー
パ状をなすことで、通水孔を通過する流水によるキャビ
テーションの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における定流量充水機能を
備えたバタフライ弁の断面図である。
【図2】同バタフライ弁の弁体を示す断面図である。
【図3】同バタフライ弁の弁体を示す平面図である。
【図4】同バタフライ弁の弁体を示す正面図である。
【図5】同バタフライ弁の全閉状態を示す断面図であ
る。
【図6】同バタフライ弁の小開度状態を示す断面図であ
る。
【図7】本発明の他の実施の形態における弁体を示す断
面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態における弁体を示す平
面図である。
【図9】同弁体の正面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態における弁体を示す
平面図である。
【図11】同弁体の正面図である。
【図12】本発明の他の実施の形態における弁体を示す
平面図である。
【図13】同弁体の正面図である。
【図14】従来のバタフライ弁を示す断面図である。
【符号の説明】
11 弁箱 12 弁体 12a、12b 弁体片 13 弁棒 14 弁箱シールリング 15 ディスクテール部 15a、15b ボルト 16 テール部 17 通水孔 17a、17c 流入口 17b、17e 排出口 18 シール部
フロントページの続き (72)発明者 北村 雅明 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内 (72)発明者 蓬莱 章伸 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内 Fターム(参考) 3H052 AA02 BA12 CA04 CA11 CB23 DA01 3H066 AA02 BA03 EA13 EA14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁箱内に内周面に沿って円環状に配置す
    る弁箱シールリングと、弁棒の軸心周りに回転して全閉
    位置で弁箱シールリングに摺接する弁体と、開栓操作時
    の回転方向における弁体の背面側に設けるディスクテー
    ル部とを有してなり、ディスクテール部は、弁箱シール
    リングに摺接する外周面が球面状に湾曲し、一端が外周
    面に開口して他端が弁体の前記背面側に開口する通水孔
    を有し、外周面における反弁体側端部が弁体の小開度時
    に弁箱シールリングに摺接するシール部をなすことを特
    徴とする定流量充水機能を備えたバタフライ弁。
  2. 【請求項2】 通水孔が流入口側に比べて流出口側が小
    径のテーパ状をなすことを特徴とする請求項1に記載の
    定流量充水機能を備えたバタフライ弁。
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