JP4685345B2 - Ptfeを含むテントシートを、再利用できる資材にするリサイクル方法 - Google Patents

Ptfeを含むテントシートを、再利用できる資材にするリサイクル方法 Download PDF

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Description

本発明は、PTFE(polytetrafluoroethylene:ポリ四フッ化エチレン)を含むテントシートを、再利用できる資材にするリサイクル方法、に関する。
PTFEは、滑性や耐熱性、耐薬品性を備えており広く使用されており、テントシートにも使用されている。
このようなテントシートは、一般的に、ガラス繊維等で構成された膜基材をPTFEでコーティングしてなる。PTFEによるコーティングが行われたこのようなテントシートは、撥水性、防汚性、耐候性を備えたものとなり、建築用資材として好ましい特性をもつ。
上述の如きPTFEによるコーティングのテントシートは、建築物の屋根などに大面積で用いられるので、建築物の取壊しや改築等の際に処分しなければならないテントシートの量は膨大となる。
このため、PTFEによるコーティングのなされたテントシートの処分をどのように行うかが問題となる。PTFEのようなフッ素樹脂系の資材は、焼却を行うと環境に好ましくない物質が発生することがあり、他方、単なる埋立ては、処分する量が膨大なこと、廃棄物処分場の不足が問題視されていることなどから妥当でないからである。
一方、上述のようなPTFEを含むテントシートを再利用できる資材にすることができれば、PTFEを含むテントシートの処分の問題を解消できる。
本発明は、以上の点から、PTFEを含むテントシートを、再利用できる資材にする技術を提案することをその課題とする。
かかる課題を解決するための本発明に係る方法は、以下のようなものである。
本発明の方法は、PTFEを含むテントシートを再利用できる資材にするリサイクル方法である。
そして、このリサイクル方法は、前記テントシートを複数のシート片に裁断する過程、前記複数のシート片をまとめて焼成することによって、再利用できる資材を得る過程、を含んでいる。
このリサイクル方法によれば、複数のシート片をまとめて焼成することによって、個々のシート片に含まれるPTFEが溶け出し、互いに融着した資材を得られる。この資材にはPTFEが含まれるため、滑り特性等に優れており、ベアリング、橋脚台座、建材などの摺動材や、無潤滑軸受け等として使用することができる。
前記テントシートを複数のシート片に裁断する過程では、前記テントシートを多数のシート片に細断するようにしてもよい。テントシートを細かく裁断することによって、多数のシート片としたシート片を用いれば、資材を所望の形状に成形することができる。
前記多数のシート片を、所定の形状に成形して焼成するようにしてもよい。例えば、前記多数のシート片を、所定の形状の孔を通過させることによって、所定の幅、所定の厚みに成形することもできる。
こうすれば、所定の形状に成形した状態で焼成することができ、所定の形状の資材を得ることができる。
前記テントシートを複数のシート片に裁断する過程では、前記テントシートを同一の形状の複数のシート片に裁断し、前記複数のシート片をまとめて焼成することによって、再利用できる資材を得る過程では、前記同一の形状の複数のシート片を積み重ねて焼成してもよい。
このように、所定の形状に裁断したシート片を積み重ねたものを圧縮焼成することによっても、PTFEを含むテントシートを再利用できる資材にすることができる。
前記複数のシート片を、所定の形状の型部材に入れて焼成するようにしてもよい。このような型部材に複数のシート片を入れて焼成すれば、焼成の際に溶融するPTFEが型部材の外側へ流動することを阻止できるため、所定の形状の資材を得ることができる。このような型部材は、所定の形状の容器であってもよいし、型枠であってもよい。
例えば、容器の内部に複数のシート片を供給し、これを焼成してもよいし、複数のシート片を、所定の形状の型枠の内部に隙間なく敷き詰めて焼成してもよい。また、容器または型枠の内部に複数のシート片を積み重ねて焼成してもよい。
このような型部材は、資材の用途に応じて種々の形状または大きさのものを用いることができる。
資材は、例えば、シート状に成形されていてもよいし、チップまたはインゴット状に成形されていてもよい。
前記複数のシート片をまとめて焼成することによって、再利用できる資材を得る過程では、前記シート片を、所定の圧力で圧縮して焼成するようにしてもよい。
こうすれば、所定の量の前記シート片を圧縮することによって、減容することができる。また、こうすれば、資材の一体性が高まる。
本発明のリサイクル方法は、前記複数のシート片をまとめて焼成することで得られた前記資材を、所定の形状に成形する過程をさらに含んでいてもよい。
このようにすれば、資材の用途に適した形状に成形することができる。
本発明のリサイクル方法によれば、PTFEを含むテントシートを再利用できる資材にすることができる。
以下、本発明のリサイクル方法の、好ましい実施形態について説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態におけるリサイクル方法は、図1および図2に示したようなリサイクル装置1を用いて実行される。図1は、本実施形態のリサイクル装置1の平面図である。図2は、本実施形態のリサイクル装置1の側面図である。
このリサイクル装置1は、PTFEを含むテントシートを再利用できる資材にするためのものであり、処理対象となるテントシートAを所定の大きさのシート片Bとなるように細断する裁断部10と、所定の量のシート片を所定の圧力で圧縮し、圧縮されたシート片Cを焼成する圧縮焼成部11と、焼成されたシート片を所定の形状に成形する成形部12と、を有する。これらの裁断部10、圧縮焼成部11、成形部12は、図示しないリサイクル装置制御部によって制御されている。
裁断部10は、第1裁断機50と、この第1裁断機50に処理対象となるテントシートAを搬送するコンベヤ51と、第2裁断機52と、この第2裁断機52で裁断されるシート片Bを押さえつけて保持するための送りローラ53と、第1裁断機50によって裁断されて生成されたシート片Bを送りローラ53に搬送するコンベヤ54と、第2裁断機52によって裁断されて生成されたシート片Cを後述の圧縮焼成部11に搬送するコンベヤ55と、を有する。
第1裁断機50は、テントシートAを幅方向に細かく裁断し、帯状のシート片Bとするものである。この第1裁断機50は、テントシートAの幅方向にわたる図示しないカッターを有しており、コンベヤ51の搬送ベルトの下流側の端部と隣接して設けられている。
コンベヤ54は、第1裁断機50の下側であって、第1裁断機50により裁断されてコンベヤ51から落下するシート片Bを受け止めることができる位置に設けられており、その搬送方向がコンベヤ51の搬送方向と直交するような向きで設置されている。これにより、シート片Bの長手方向とコンベヤ54の搬送方向が略等しくなるようになっている。
送りローラ53は、上下二つのローラからなり、コンベヤ54によって搬送されてきたシート片Bをその両面側から押さえつけながら移動させるものである。この送りローラ53は、コンベヤ54の搬送ベルトの下流側の端部と隣接して設けられている。
第2裁断機52は、シート片Bをその幅方向に裁断し、シート片Bをチップ状のシート片Cに裁断するものである。この第2裁断機52は、送りローラ53から送り出されたシート片Bを裁断できる位置に設けられている。
コンベヤ55は、第2裁断機52の下側であって、第2裁断機52によって裁断されて落ちてくるシート片Cを受け止めることができる位置に設けられており、その搬送方向が、コンベヤ54の搬送方向と略等しくなるように設置されている。
圧縮焼成部11は、所定の量のシート片Cを収容できる容器61と、この容器61を搬送するコンベヤ部62と、裁断部10のコンベヤ55によって搬送されたシート片Cを集積すると共に、所定の量のシート片Cを容器61内に供給するホッパー63と、容器61内のシート片Cを圧縮するプレス64と、容器61を焼成することによって容器61内のシート片Cを焼成する焼成炉65と、シート片Cの焼成によって生成される資材Dを容器61から取り出す押し出し機構66と、を有する。
ホッパー63は、コンベヤ55によって搬送され、その搬送ベルトの下流側の端部から落下したシート片Cを受け止め、このシート片Cを所定の量だけ容器61内に供給するためのものである。このホッパー63は、略円錐形状の筒形部材であり、軸方向の両端が開口部63a,63bとなっている。この二つの開口部63a,63bのうち、上方の開口部63a側でシート片Cを受け止め、下方の開口部63bから容器61内にシート片Cを供給するようになっている。この下方の開口部63bには、図示しない開閉可能な蓋が取り付けられており、シート片Cを所定の量だけ容器61内に供給可能になっている。
容器61は、直方体形状の筒状体であり、側面部と底面部67とを有している。底面部67は、側面部と一体成形されておらず、側面部に対して着脱可能となっている。すなわち、側面部の最下端は、対向する辺に向かって少し延設された形状となっており、側面部の最下端に底面部67を掛止できるようになっている。また、この容器61の上端部には、チャックピン69が取り付けられている。
チャックピン69は、後述の蓋板68を固定するためのものであり、側面部の最上端に取り付けられている。このチャックピン69は、その一部が側面部と固定されており、これを操作することによって開状態または閉状態の位置とすることができ、閉状態となった場合に蓋板68を固定するようになっている。なお、図2のチャックピン69aは、開状態のチャックピン69を示しており、チャックピン69bは、閉状態のチャックピン69を示している。
プレス64は、ホッパー63からシート片Cが供給された容器61の上側から所定の圧力を加えるものである。なお、本実施形態では、容器61内部のシート片Cに均等に圧力を加えるため、このプレス64により圧力を加える際に、その周縁が容器61内周面と接する形状の蓋板68を容器61内に挿入し、この蓋板68の上側からプレス64により所定の圧力を加える。また、本実施形態では、プレス64による圧力は、294〜784N/cmとする。
焼成炉65は、プレス64によって所定の圧力が加えられた複数の容器61を収容できるようになっている。なお、本実施形態では、330〜400℃で焼成するものとする。
押し出し機構66は、図示しない把持機構によって容器61の側面部を外側から押さえつけて把持した状態で、容器61の底側から底面部67を押すことで、容器61内の資材Dを容器61外に押し出すものである。
なお、容器61は、図示しないコンベヤによって、コンベヤ部62上に搬送され、コンベヤ部62によって、ホッパー63から容器61内部へのシート片Cの供給が可能な位置に搬送されるようになっている。なお、コンベヤ部62は、この容器61をプレス加工が可能な位置、焼成炉65の内部、押し出し機構66によって焼成された資材Dの押し出しが可能な位置へ、間欠的に搬送するようになっている。
また、容器61外に押し出された資材Dは、図示しない搬送手段によって、後述の成形部12に搬送される。また、蓋板68および底面部67は、図示しない板体回収手段によって、回収されるようになっている。
成形部12は、シート片Cが焼成されて生成された資材Dを所定の厚さの板状体にカットするためのカッター70と、資材Dを搬送するコンベヤ71と、資材Dを把持するための図示しない資材把持機構と、を有する。
カッター70は、回転軸に垂直な平面に切断縁を有する回転ナイフを有する。この回転ナイフは、無端状にされた線状の刃物である。
このカッター70は、コンベヤ71によって搬送されている資材Dの一側面をカットすることができる位置に設けられており、回転ナイフがコンベヤ71の側面と略平行となるように設けられている。
次に、このリサイクル装置1の動作と、このリサイクル装置1の動作によって実施される本発明のリサイクル方法について説明する。
このリサイクル装置1を動作させるにあたって、まず、処理対象となるテントシートを所定の大きさにするための前処理を行う。すなわち、第1裁断機50によって裁断することができる程度の幅となるように、テントシートを切断する。このように切断されたテントシートAは、コンベヤ51上に載せられる。
次に、コンベヤ51上に載せられたテントシートAは、コンベヤ51によって、第1裁断機50へと搬送される。第1裁断機50に搬送されたテントシートAは、その幅方向で裁断される。
このように裁断されたシート片Bは、コンベヤ54によって送りローラ53に搬送され、その両面側が押さえつけられながら、第2裁断機52に送られる。この第2裁断機52によって、シート片Bは、その幅方向で裁断され、チップ状のシート片Cに裁断される。
以上のようにして、チップ状に裁断されたシート片Cは、コンベヤ55によって搬送され、上側の開口部63a側からホッパー63内に集積される。
このようにホッパー63内に集積されたシート片Cは、下側の開口部63b側から所定の量だけ容器61内に供給される。なお、本実施形態では、容器61からシート片Cがこぼれ落ちない程度の量が供給されるようになっている。
容器61へのシート片Cの供給が完了すると、図示しない蓋板供給部によって、容器61に集積されたシート片Cの上側から容器61内に蓋板68が供給される。続いて蓋板供給部は、チャックピン69を閉める。これによって、蓋板68が容器61に固定される。蓋板68の容器61への固定が完了すると、容器61は、コンベヤ部62によってプレス64の真下まで搬送される。ここで容器61は、プレス64によって蓋板68の上側から所定の圧力が加えられ、容器61内のシート片Cが圧縮される。
この圧縮によって、テントシートは、減容されることとなる。
以上のプレス64によって所定の圧力が加えられた容器61は、コンベヤ部62によって、焼成炉65内に搬送され、焼成される。
この焼成によって、容器61内の圧縮された個々のシート片Cに含まれるPTFEが溶け出し、互いに融着した資材Dとなる。すなわち、容器61を型とした直方体形状の資材Dが生成される。この資材DにはPTFEが含まれるため、滑り特性等に優れており、ベアリング、橋脚台座、建材などの摺動材や、無潤滑軸受け等として使用することができる。なお、この資材Dは、プレス64によって圧縮されているため、一体性が高い。
焼成された容器61は、コンベヤ部62によって、押し出し機構66の真上まで搬送される。搬送された容器61は、図示しない把持機構によって把持されると共にチャックピン69が開けられる。次いで、この押し出し機構66によって、容器61の底側から底面部67が押され、資材Dが容器61外に押し出される。なお、蓋板68および底面部67は、図示しない板体回収手段によって、回収される。
この資材Dは、成形部12のカッター70によって、所定の形状、大きさに成形される。
すなわち、容器61の外側に押し出された資材Dは、図示しない搬送手段によってコンベヤ71上に置かれる。このコンベヤ71上に置かれた資材Dは、図示しない資材把持機構に把持され、カッター70によって、所定の厚みの板状体に切断できるような位置に移動される。
この資材Dは、資材把持機構に把持された状態で、コンベヤ71によって搬送される。この際、カッター70によって、資材Dの一側面側がカットされ、所定の厚みの板状体の素材が生成される。
カッター70によるカットが終わると、コンベヤ71を逆回転させることによって、資材Dを初期位置に戻す。そして、資材Dは、資材把持機構によってカッター70により所定の厚みの板状体に切断できるような位置に移動され、上述のようにコンベヤ71によってカッター70に搬送され、所定の厚みの板状体の素材が生成される。
これを繰り返すことによって、資材Dは、複数の板状体の素材に成形される。
なお、本実施形態では、以上のようなものとして説明したが、資材Dは、用途に応じて他の形状、大きさに成形してもよいし、型抜きしたまま使用してもよい。
また、リサイクル装置1の裁断部10、圧縮焼成部11、成形部12の動作は、図示しないリサイクル装置制御部によって制御されているが、手動とすることもできる。
<第2実施形態>
本実施形態におけるリサイクル方法は、図3および図4に示したようなリサイクル装置2を用いて実行される。図3は、本実施形態のリサイクル装置2の平面図である。図4は、本実施形態のリサイクル装置2の側面図である。
このリサイクル装置2は、容器61を型とする所定の形状の資材Dを生成するのではなく、シート状の資材Eを生成するための装置である。
このリサイクル装置2は、第1実施形態のリサイクル装置1と、処理対象となるテントシートAを所定の大きさのシート片Cとなるように細かく裁断する裁断部10を有する点で共通するが、所定の量のシート片Cの圧縮を行わない点で相違する。
以下、本実施形態のリサイクル方法を行うためのリサイクル装置2について、説明する。
このリサイクル装置2は、処理対象となるテントシートAを所定の大きさのシート片Cとなるように細断する裁断部10と、シート片Cを所定の型枠に敷き詰めて焼成する焼成部21と、焼成されて生成されたシート状の資材Eを所定の形状に成形する成形部22と、を有する。これらの裁断部10、焼成部21、成形部22は、図示しないリサイクル装置制御部によって制御されている。
焼成部21は、上側コンベヤ81と、裁断部10のコンベヤ55によって搬送されたシート片Cを集積すると共に、所定の量のシート片Cを上側コンベヤ81上に供給するホッパー82と、複数のシート片Cを、所定の幅、所定の厚みになるように均一化するストッパ83と、内部に所定の量のシート片Cを敷き詰めるための枠部材84と、この枠部材84を搬送すると共に、上側コンベヤ81上から落下したシート片Cを受け止める下側コンベヤ85と、枠部材84を焼成することによって枠部材84内に敷き詰められたシート片Cを焼成するヒータ86と、を有する。
ストッパ83は、上側コンベヤ81の搬送面に対して所定の位置に設けられており、ホッパー82から上側コンベヤ81上に供給されたシート片Cをせき止めると共に、上側コンベヤ81上から下側コンベヤ85上に落下するシート片Cを所定の幅、所定の厚みに均一化するためのものである。
このストッパ83は、せき止めたシート片Cを徐々に排出する間隙83aを有している。この間隙83aは、所定の幅を有すると共に、所定の厚みと略等しい高さを有している。
下側コンベヤ85は、その搬送方向が上側コンベヤ81の搬送方向と共通するようにして、上側コンベヤ81の下側に、上側コンベヤ81と平行に設けられている。この下側コンベヤ85の搬送ベルトの長さは、上側コンベヤ81の搬送ベルトの略倍の長さとなっており、下側コンベヤ85の略半面が、上側コンベヤ81の搬送面と鉛直方向に重なるようにして設けられている。
枠部材84は、上側コンベヤ81上から下側コンベヤ85上に落下するシート片Cをその内側に敷き詰めることによって、シート片Cを所定の形状に成形するためのものである。この枠部材84は、略正方形の底面板に、その周縁を取り囲むようにした外枠が取り付けられた薄板形状の部材である。底面板の内幅は、間隙83aの幅と略等しくなるように成形されている。
ヒータ86は、二つの面状ヒータ86a,86bを有しており、枠部材84を一方の面状ヒータ86aの上に載せ、その状態で、他方の面状ヒータ86bを枠部材84の上面と向かい合うように配置することによって、枠部材84を両面側から焼成するようになっている。
成形部22は、図示しないカッターを有している。
次に、このリサイクル装置2の動作と、このリサイクル装置2の動作によって実施される本発明のリサイクル方法について説明する。
第1実施形態で説明したように、コンベヤ51上に載せられたテントシートAは、第1裁断機50および第2裁断機52によって裁断され、チップ状のシート片Cに裁断される。
以上のようにしてチップ状に裁断されたシート片Cは、コンベヤ55によって搬送され、ホッパー82内に集積される。
このようにホッパー82内に集積されたシート片Cは、所定の量だけ上側コンベヤ81上に供給される。
上側コンベヤ81上に供給されたシート片Cは、ストッパ83内部に搬送されてせき止められ、間隙83aからストッパ83外部に出される。
外部に出されたシート片Cは、所定の幅、所定の厚さに均一化される。このように均一化されたシート片Cは、下側コンベヤ85上の枠部材84内部に落下し、枠部材84の内部に敷き詰められるようになっている。
すなわち、下側コンベヤ85は、枠部材84を上側コンベヤ81の搬送ベルトの下流側の端部の真下まで移動させた状態で停止しており、ストッパ83の間隙83aからシート片Cが排出され、このシート片Cが上側コンベヤ81から落下するタイミングで、上側コンベヤ81と略同一の速度で稼働する。これにより、下側コンベヤ85上の枠部材84内部にシート片Cが敷き詰められる。また、シート片Cの枠部材84への敷き詰めが完了すると、上側コンベヤ81は停止し、下側コンベヤ85上へのシート片Cの供給を停止する。
このようにしてシート片Cが敷き詰められた枠部材84は、ヒータ86に搬送される前に、図示しないすり切り棒によって、枠部材84の外枠の上縁に沿ってすり切られる。これにより、枠部材84内のシート片Cは、所定の厚みに均一化される。
そして、この枠部材84は、下側コンベヤ85によって、一方の面状ヒータ86a上に搬送され、ヒータ86により焼成される。この焼成によって、シート片Cに含まれるPTFEがシート片Cから溶け出し、PTFEを含んだ再利用できるシート状の資材Eが生成される。
なお、本実施形態では、その内部にシート片Cを敷き詰める枠部材84を使用するため、その形状が正方形とされたシート状の資材Eを得ることができる。また、図示しないすり切り棒によって、枠部材の枠部材84内のシート片を所定の厚みに均一化されるため、厚みが均一化されたシート状の資材Eを得ることができる。
このようにして生成されたシート状の資材Eは、図示しないカッターによってその幅方向および長さ方向がそれぞれ6分割され、より小さな正方形の資材に成形される。
なお、以上のシート状の資材Eは、他の形状に成形するようにしてもよいし、用途に応じてこのまま使用してもよい。
また、本実施形態のストッパ83は、以上のようなものとして記載したが、多数のシート片Cを所定の形状に成形するものであれば、どのようなものであってもよい。
また、シート片Cが敷き詰められた枠部材84のすり切りは、行わなくてもよい。
<第3実施形態>
本実施形態におけるリサイクル方法は、図5および図6に示したようなリサイクル装置3を用いて実行される。図5は、本実施形態のリサイクル装置3の平面図である。図6は、本実施形態のリサイクル装置3の側面図である。
このリサイクル装置3は、シート状の資材Fを生成するための装置であり、第2実施形態のリサイクル装置2と、処理対象となるテントシートAを所定の大きさのシート片Cとなるように細断する裁断部10を有する点、所定の量のシート片Cの圧縮を行わない焼成部を有する点、焼成されて生成されたシート状の資材を所定の形状に成形する成形部を有する点で共通するが、枠部材84を有していない点で異なる。すなわち、焼成部、および成形部の構成において、相違する。
以下、本実施形態のリサイクル方法を行うためのリサイクル装置3について、説明する。
このリサイクル装置3は、処理対象となるテントシートAを所定の大きさのシート片Cとなるように細断する裁断部10と、シート片を所定の幅に均一化して焼成する焼成部31と、焼成されて生成された資材を所定の形状に成形し、シート状の資材Fとする成形部32と、を有する。
焼成部31は、上側コンベヤ91と、裁断部10のコンベヤ55によって搬送されたシート片Cを集積すると共に、所定の量のシート片Cを上側コンベヤ91上に供給するホッパー92と、複数のシート片Cを、所定の幅、所定の厚みになるように均一化するストッパ93と、ストッパ93によってその幅および厚みが均一化され、上側コンベヤ91上から落下したシート片Cを受け止めて搬送する下側コンベヤ94と、下側コンベヤ94上のシート片Cを焼成するヒータ95と、を有する。
ストッパ93は、ホッパー92から上側コンベヤ91上に供給されたシート片Cをせき止めて、上側コンベヤ91上から下側コンベヤ94上に落下するシート片Cを所定の幅、所定の厚みに均一化するためのものであり、ストッパ83と同一の部材である。
下側コンベヤ94は、上側コンベヤ91上から落下するシート片Cを受け止めることができる位置に設けられており、その搬送方向が上側コンベヤ91の搬送方向と共通するようにして、上側コンベヤ91の下側に、平行に設けられている。
ヒータ95は、二つの面状ヒータ95a,95bを有しており、一方の面状ヒータ95aは、下側コンベヤ94の搬送ベルトの下側に設けられており、この搬送ベルトを挟んで向かい合う位置に他方の面状ヒータ95bが設けられている。このヒータ95によって、下側コンベヤ94上のシート片Cが両面側から焼成されるようになっている。
成形部32は、焼成により生成された資材を所定の形状に成形する第1カッター部101、第2カッター部102、第1カッター部101により切り込みを入れられたシート状の資材を第2カッター部102に搬送するコンベヤ103、およびコンベヤ104を有する。
第1カッター部101は、ヒータ95による焼成によって生成された資材の長手方向に一定間隔で切り込みを入れる複数のカッターを有している。なお、この第1カッター部101の両端に位置するカッターによって、資材の幅方向の両端部が切り落とされるようになっている。
コンベヤ103は、第1カッター部101で切り落とされた両端部以外の部分を第2カッター部102に搬送する。
第2カッター部102は、コンベヤ103によって搬送された資材をその幅方向に切断し、所定の大きさのシート状の資材Fに成形するものである。この第2カッター部102は、コンベヤ103によって搬送される資材の幅方向と略平行に設けられたカッター102aを有しており、このカッター102aによって、資材をその幅方向に切断できるようになっている。
コンベヤ104は、資材Fを、図示しない集積ボックスに搬送するものである。
次に、このリサイクル装置3の動作と、このリサイクル装置3の動作によって実施される本発明のリサイクル方法について説明する。
第1実施形態で説明したように、コンベヤ51上に載せられたテントシートAは、第1裁断機50および第2裁断機52によって裁断され、チップ状のシート片Cに裁断される。
以上のようにして、チップ状に裁断されたシート片Cは、コンベヤ55によって搬送され、ホッパー92内に集積される。ホッパー92内に集積されたシート片Cは、上側コンベヤ91上に供給される。
上側コンベヤ91上に供給されたシート片Cは、ストッパ93に搬送され、所定の幅、所定の厚さに均一化される。このように均一化されたシート片Cは、下側コンベヤ94上に落下し、下側コンベヤ94によって面状ヒータ95に搬送され、焼成される。この焼成によって、シート片Cに含まれるPTFEが溶け出し、PTFEを含んだ再利用できる資材が生成される。
このようにして生成された資材は、第1カッター部101へと導かれ、その長手方向に一定間隔で切り込みが入れられると共に、幅方向の両端部が切り落とされ、幅方向の成形が行われる。
切り込みが入れられたシート状の資材は、コンベヤ103によって第2カッター部102へと導かれ、その幅方向に切断され、所定の大きさのシート状の資材Fに成形される。なお、本実施形態における第2カッター部102のカッター102aによる切断は、コンベヤ103によって第2カッター部102へ搬送される資材を、第1カッター部101の隣り合うカッター同士の幅と略同一の幅となるような間隔で切断するようになっており、その形状が正方形とされた資材Fが得られるようになっている。
この資材Fは、コンベヤ104によって、図示しない集積ボックスに搬送される。
なお、以上のようなシート状の資材は、用途に応じ、所定の形状に成形するようにしてもよい。
<第4実施形態>
本実施形態におけるリサイクル方法は、図7および図8に示したようなリサイクル装置4を用いて実行される。
このリサイクル装置4は、第2実施形態のリサイクル装置2や第3実施形態のリサイクル装置3と、処理対象となるテントシートAからシート状の資材を生成するための装置である点で共通するが、テントシートAを細かく裁断したシート片Cを用いるのではなく、テントシートAを所定の形状に裁断したシートを用いる点で異なる。すなわち、リサイクル対象となるテントシートの、比較的痛みのない良品部分については細かく裁断しないで以下のリサイクル装置4によって処理し、その他の部分は、上述のリサイクル装置1ないし3によって細かく裁断してから処理するようにしてもよい。
以下、本実施形態のリサイクル方法を行うためのリサイクル装置4について、説明する。
このリサイクル装置4は、処理対象となるテントシートAを所定の大きさのシート材に裁断する裁断機111と、プレス機121と、を有する。
図7は、本実施形態の裁断機111を示しており、図7(a)は、裁断機111の平面図、図7(b)は裁断機111の側面図である。
この裁断機111は、テントシートAを搬送するコンベヤ112と、カッター部113と、を有する。カッター部113は、二つのカッターを備えており、このカッター部113に処理対象となるテントシートAを通過させることによって、テントシートAの搬送方向の両側が裁断されるようになっている。
図8は、本実施形態のプレス機121を示しており、図8(a)は、プレス機121の平面図、図8(b)はプレス機121の側面図である。
このプレス機121は、上側面状プレス部121aと、下側面状プレス部121bと、を有し、この二つの面状プレス部の間に処理対象物を挟み、加熱圧縮成形するためのものである。このプレス機121の内部には、加熱装置が内蔵されている。
本実施形態では、裁断機111によって所定の形状に成形した複数のシート材を、型枠130内部に積層し、これをプレス機121によって加熱圧縮成形するようになっている。
この型枠130は、その断面がシート材と略同一の形状とされた筒状体である。
以下、このリサイクル装置4の動作と、このリサイクル装置4の動作によって実施される本発明のリサイクル方法について説明する。
このリサイクル装置4を動作させるにあたって、まず、処理対象となるテントシートを所定の大きさにするための前処理を行う。すなわち、裁断機111によって裁断することができる程度の大きさとなるように、テントシートを切断する。このように切断されたテントシートAは、裁断機111のコンベヤ112上に載せられる。
次に、コンベヤ112上に載せられたテントシートAは、カッター部113に搬送され、その搬送方向の両側が裁断される。その後、コンベヤ112の搬送面上でテントシートAを90度回転させた状態で、コンベヤ112を逆回転させ、カッター部113によりテントシートAの搬送方向の両側の裁断を行う。これによって、テントシートAは、所定の大きさの略正方形のシート材に裁断される。
以上のようにして、同一の形状に裁断された複数のシート材は、型枠130の内側に積層され、下側面状プレス部121b上に載置される。この状態で、上側面状プレス部121aが、所定の圧力で下側面状プレス部121bに押しつけられることによって、上述の実施形態と同様、再利用できるシート状の資材が生成される。
なお、本実施形態では、型枠130の内部にシート材を入れてプレス焼成するため、プレス焼成の際に、溶融したPTFEの型枠130の外側への流動を阻止できるため、その形状が正方形に成形されたシート状の資材を得ることができる。
なお、以上のようなシート状の資材は、用途に応じた、所定の形状に成形するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態のリサイクル装置の平面図。 本発明の第1実施形態のリサイクル装置の側面図。 本発明の第2実施形態のリサイクル装置の平面図。 本発明の第2実施形態のリサイクル装置の側面図。 本発明の第3実施形態のリサイクル装置の平面図。 本発明の第3実施形態のリサイクル装置の側面図。 (a)は、本発明の第4実施形態の裁断機の平面図、(b)は、本発明の第4実施形態の裁断機の側面図。 (a)は、本発明の第4実施形態のプレス機の平面図、(b)は、本発明の第4実施形態のプレス機の側面図。
符号の説明
A テントシート
B,C シート片
D,E,F 資材
1,2,3,4 リサイクル装置
10 裁断部
11 圧縮焼成部
12,22,32 成形部
21,31 焼成部
50 第1裁断機
51,54,55,71,103,104,112 コンベヤ
52 第2裁断機
53 送りローラ
61 容器
62 コンベヤ部
63,82,92 ホッパー
63a,63b 開口部
64 プレス
65 焼成炉
66 押し出し機構
67 底面部
68 蓋板
69 チャックピン
70,102a カッター
81,91 上側コンベヤ
83,93 ストッパ
84 枠部材
85,94 下側コンベヤ
86,95 ヒータ
86a,86b,95a,95b 面状ヒータ
101 第1カッター部
102 第2カッター部
111 裁断機
113 カッター部
121 プレス機
130 型枠

Claims (7)

  1. PTFEを含むテントシートを再利用できる資材にするリサイクル方法であって、
    前記テントシートを多数のシート片に裁断する過程、
    前記シート片を、コンベヤである上側コンベヤ上に供給する過程、
    前記上側コンベヤ上の前記シート片を、前記上側コンベヤの上方に前記上側コンベヤとの間に所定の隙間を有して配されており、且つ前記上側コンベヤの上流方向から流れて来た前記シート片を前記上側コンベヤの幅方向における外側方向に押しやる形状を有するストッパに供給することにより、前記ストッパの下を通過させた前記シート片を所定の幅、所定の厚みに均一化する過程、
    前記均一化された前記シート片を、前記上側コンベヤの下側に設けられた、前記上側コンベヤと平行で且つ前記上側コンベヤと搬送方向を共通とするコンベヤである下側コンベヤに載せられた枠である枠部材内に、その厚みが一様になるように落下させる過程、
    前記枠部材を上下から挟み込む2つの面状ヒータによって、前記枠部材内の前記シート片を圧縮されていない状態で、且つ個々の前記シート片に含まれるPTFEが溶け出して前記シート片同士が融着されるようにして焼成することにより、再利用可能な資材とする過程、
    を含む、リサイクル方法。
  2. PTFEを含むテントシートを再利用できる資材にするリサイクル方法であって、
    前記テントシートを多数のシート片に裁断する過程、
    前記シート片を、コンベヤである上側コンベヤ上に供給する過程、
    前記上側コンベヤ上の前記シート片を、前記上側コンベヤの上方に前記上側コンベヤとの間に所定の隙間を有して配されており、且つ前記上側コンベヤの上流方向から流れて来た前記シート片を前記上側コンベヤの幅方向における外側方向に押しやる形状を有するストッパに供給することにより、前記ストッパの下を通過させた前記シート片を所定の幅、所定の厚みに均一化する過程、
    前記均一化された前記シート片を、前記上側コンベヤの下側に設けられた、前記上側コンベヤと平行で且つ前記上側コンベヤと搬送方向を共通とするコンベヤである下側コンベヤ上に、その厚みが一様になるように落下させる過程、
    前記下側コンベヤを上下から挟み込む2つの面状ヒータによって、前記下側コンベヤごと移動させながら、前記下側コンベヤ上の前記シート片を圧縮されていない状態で、且つ個々の前記シート片に含まれるPTFEが溶け出して前記シート片同士が融着されるようにして焼成することにより、再利用可能な資材とする過程、
    を含む、リサイクル方法。
  3. 前記再利用できる資材は、シート状の資材である、
    請求項1又は2項記載のリサイクル方法。
  4. PTFEを含むテントシートを再利用できる資材にするリサイクル方法であって、
    前記テントシートを、同一の形状の複数のシート片に裁断する過程、
    前記複数のシート片の縁を揃えて重ね合せる過程、
    重ね合わせた前記複数のシート片を当該シート片と略同じ形状の枠部材に入れてまとめて、個々の前記シート片に含まれるPTFEが溶け出して前記シート片同士が融着されるようにして焼成することにより、再利用可能な資材とする過程、
    を含む、リサイクル方法。
  5. 前記焼成により得られた前記資材を、所定の形状に成形する過程をさらに含む、
    請求項1、2、4のいずれかの項記載のリサイクル方法。
  6. PTFEを含むテントシートを再利用できる資材にするリサイクル装置であって、
    前記テントシートを多数のシート片に裁断する手段と、
    裁断された前記シート片がその上に提供されるコンベヤである上側コンベヤと、
    前記上側コンベヤの上方に前記上側コンベヤとの間に所定の隙間を有して配されており、且つ前記上側コンベヤの上流方向から流れて来た前記シート片を前記上側コンベヤの幅方向における外側方向に押しやる形状を有し、その下を通過させた前記上側コンベヤ上の前記シート片を所定の幅、所定の厚みに均一化するストッパと、
    前記上側コンベヤの下側に設けられた、前記上側コンベヤと平行で且つ前記上側コンベヤと搬送方向を共通とするコンベヤである下側コンベヤと、
    前記下側コンベヤに載せられた枠であり、その中に前記上側コンベヤから前記均一化された前記シート片がその厚みが一様になるように落下させられる枠部材と、
    前記枠部材を上下から挟み込む、前記枠部材内の圧縮されていない状態の前記シート片を、個々の前記シート片に含まれるPTFEが溶け出して前記シート片同士が融着されるようにして焼成することにより、再利用可能な資材とする2つの面状ヒータと、
    を含む、リサイクル装置。
  7. PTFEを含むテントシートを再利用できる資材にするリサイクル装置であって、
    前記テントシートを多数のシート片に裁断する手段と、
    裁断された前記シート片がその上に提供されるコンベヤである上側コンベヤと、
    前記上側コンベヤの上方に前記上側コンベヤとの間に所定の隙間を有して配されており、且つ前記上側コンベヤの上流方向から流れて来た前記シート片を前記上側コンベヤの幅方向における外側方向に押しやる形状を有し、その下を通過させた前記上側コンベヤ上の前記シート片を所定の幅、所定の厚みに均一化するストッパと、
    前記上側コンベヤの下側に設けられた、前記上側コンベヤと平行で且つ前記上側コンベヤと搬送方向を共通とし、その上に前記上側コンベヤから前記均一化された前記シート片がその厚みが一様になるように落下させられるコンベヤである下側コンベヤと、
    前記下側コンベヤを上下から挟み込む、圧縮されていない状態の前記下側コンベヤ上の前記シート片を、個々の前記シート片に含まれるPTFEが溶け出して前記シート片同士が融着されるようにして焼成することにより、再利用可能な資材とする2つの面状ヒータと、
    を含む、リサイクル装置。
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