JP4685283B2 - 脱臭剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は脱臭剤組成物に関し、さらに詳細には基剤であるゲル中での菌やかびの発生や増殖を抑制することができる脱臭剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、トイレ、部屋、冷蔵庫、車の中などで発生する悪臭を除去するための消臭剤や脱臭剤は数多く提案されている。これらのうち、脱臭剤としては、活性炭やゼオライトのような物理的な吸着性能を有する粒状物を、通気性を有する袋に収納して、粒状物に悪臭を吸着させて除去するタイプのものが一般的に知られている。
【0003】
しかしながら、このような脱臭剤は脱臭効果は優れているものの、脱臭剤の寿命、すなわち脱臭剤の終了時期がわからず、脱臭剤の取り替え時期をわすれてしまうという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するものとして、本出願人は、先に「吸着剤をゲル中に分散してなる脱臭剤(以下「ゲル状脱臭剤という」)」を開発し特許出願した。(特開2000−157706号)。このものは高い脱臭効力と終了時期のわかりやすさから非常に使い勝手のよいものであったが、使用環境によってはゲル状脱臭剤自身に菌が繁殖し、かびが生えるという問題点があった。この問題は、美感を損なうのはもちろんのこと、菌やかびの作用によりゲルが破壊され、離水が生じてしまい商品性能を損なうため、実質的にも大きな問題である。
【0005】
一方、これまでにも、ゲル状の芳香剤、消臭剤等のゲル製剤が数多く提案されているが、これらもかびが生えるという問題が知られていた。それを解決する手段として、通常パラベンや安息香酸ナトリウムなどの抗菌・防かび剤をゲル状脱臭剤中に配合することが行われた。
【0006】
しかしながら、従来のゲル状の芳香剤や消臭剤に用いられていたこれらの防かび剤をゲル状脱臭剤に配合しても、まったく効果が認められなかった。この理由はパラベンや安息香酸ナトリウムなどの抗菌・防かび剤がゲル状脱臭剤中に分散されている吸着剤に吸着されてしまうためと推測されていた。
【0007】
このように、ゲル状脱臭剤では、他のゲル製剤で採用されている抗菌・防かび方法を使用することができず、別の方法で菌の繁殖や、カビの増殖を抑えることが必要であり、ゲル状脱臭剤の菌やかびの発生や繁殖等を抑えるための技術開発が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の実状に鑑みなされたものであり、吸着剤をゲル中に分散せしめてなる脱臭剤において、吸着剤に影響を与えることなく菌の繁殖やカビの増殖を抑えるための技術の提供をその課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ゲル状脱臭剤において、ゲル中に分散された吸着剤の影響をほとんど受けずに抗菌、防かび作用を奏する成分について鋭意検索を行っていたところ、特定の複合金属化合物がそのような性質を有し、これをゲル状脱臭剤に配合することによって、有効にゲル中の菌やかびの発生を抑制しうることを見いだし、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち本発明は、吸着剤をゲル中に分散してなる脱臭剤において、抗菌・防かび剤として下記の複合金属化合物の1種または2種以上を含有することを特徴とする脱臭剤組成物を提供するものである。
【化6】
Figure 0004685283
(式中、M1はMgおよび/またはCaを、M2はCuおよび/またはZnを 示し、Xは0.0001≦X<0.9の範囲の数を示す)
で表される金属水酸化物、
【化7】
Figure 0004685283
(式中、M1 、M2 およびXは前記の意味を有する)
で表される金属酸化物、
【化8】
Figure 0004685283
(式中、Mm+ はAg+ 、Cu2+ 及びZn2+ の中から選ばれたm=1又は2の金属の少なくとも1種以上を必須成分とするm価のイオン交換性金属を示し、Y、m、n及びaはそれぞれ0<Y≦2、1≦m≦3、4<n<15、0≦aを満足する数を表す)
で表される非結晶のケイ酸アルミニウム化合物、または
【化9】
Figure 0004685283
(式中bは20≦b≦30の範囲の数を表す)
で表される酸化アルミニウム・亜鉛。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の脱臭剤組成物において抗菌・防カビ剤として用いられる複合金属化合物は、上記の式(I)ないし式(IV)で表されるものである。これらのうち、式(I)で表されるものは、例えば特開平6−72816号に、式(II)で表されるものは、例えば特開平6−65011号に、式(III)で表されるものは、例えば特開2000−63219号に、式(IV)で表されるものは、例えば特開平8−291011号にそれぞれ開示されているものであり、これらの文献に記載の方法に従って容易に製造することができる。
【0012】
上記複合金属化合物のうち、好ましいものの具体例としては、Ca0.95Zn0.05(OH)2 (シーバイオZ(朋友システム社製))Ca0.95Cu0.05(OH)2 (シーバイオC(朋友システム社製))、Mg0.93Zn0.07O(シーバイオZO(朋友システム社製))、Mg0.93Cu0.07O(シーバイオCO(朋友システム社製))、0.2CuO・Al2 3 ・9SiO2 (シーバイオKU2 (朋友システム社製))、20〜30ZnO・Al23 (シーバイオZ−24(朋友システム社製))等の市販品が挙げられ、これらを1種若しくは2種以上の混合物として使用することもできる。
【0013】
上記した複合金属化合物の脱臭剤組成物中の配合量は、使用する複合金属化合物の活性の程度、ゲルを構成するゲル化剤の種類、ゲル中のゲル化剤の種類及び量、あるいは他の添加成分の種類及び量等に影響されるので、実際の製剤について実験的に決定されるべきである。しかし、一般的には、ゲル状脱臭剤中、0.01%〜10%程度配合すれば十分である。
【0014】
本発明の脱臭剤組成物は、上記複合金属化合物を抗菌・抗カビ剤として添加する以外は公知の方法に従い製造することができる。すなわち、例えばまず粉状物である吸着剤、ゲル化剤を分散剤によって分散させ、次いでこれに水を加え加熱、攪拌することにより、均一な溶液とし、最後にこの溶液を容器に注ぎ、冷却することにより製造することができる。
【0015】
使用される吸着剤としては、従来公知の活性炭、備長炭などの炭、ゼオライト、シリカゲル、複合吸着剤等を用いることができる。このうち、価格、脱臭能の点からは炭を用いることが好ましい。
【0016】
一方、ゲル化剤としては、カラギーナン、ジェランガム、寒天、ゼラチン、グアーガム、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸ソーダ、セルロース誘導体等従来公知のものが使用でき、脱臭効果および価格の面からはカラギーナンが好ましい。
【0017】
さらに本発明の脱臭剤組成物では、配合する複合金属化合物によって抗菌スペクトルが異なるため、これに加え他の抗菌・防かび剤を配合することがのぞましい。他の抗菌・防かび剤としては、抗菌性金属含有防かび剤および非吸着性有機系防かび剤を挙げることができる。
【0018】
このうち、抗菌性金属含有防かび剤としては、銀系防かび剤、マグネシウム系防かび剤等が挙げられる。この銀系防かび剤の具体例としては、クエン酸銀、乳酸銀等の有機酸銀塩系防かび剤、銀担持ゼオライト、銀担持シリカゲル、銀リン酸ジルコニウム等の銀担持系防かび剤、酸化銀、硝酸銀等の銀含有無機系防かび剤等が挙げられる。なお、上記銀系防かび剤のうち有機酸銀塩系防かび剤としては、アデカロイヤルガード(旭電化工業社製)等が、銀担持系防かび剤としては、バクテキラー(鐘紡社製)、ゼオミック(シナネン社製)、バクテノン(日本電子材料社製)、ノバロン(東亞合成社製)等がそれぞれ市販されているので、これらを使用しても良い。また、マグネシウム系防かび剤の具体例としては、クエン酸マグネシウム等の有機酸マグネシウム塩系防かび剤、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム含有無機系防かび剤が挙げられる。商品名としては、アプレック90(丸和バイオケミカル社製)が挙げられる。
【0019】
一方、非吸着性有機系防かび剤としては、1,3−ジメチルロール−5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、ヘキサメチレンテトラミン、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、2−クロロアセトアミドや、下記の式、
【化10】
Figure 0004685283
(式中、R1 は低級アルキル基を、R2は低級アルキル基または水素原子を、R3 は水酸基または水素原子を、R4 は低級アルキル基または低級ヒドロキシアルキル基を、R5 は低級アルキルを示す)
で表される化合物が挙げられる。
【0020】
上記の抗菌性金属含有防かび剤や非吸着性有機系防かび剤は、それらの1種又は2種以上を組合せ配合することができる。また、これらの配合量、混合比も実験的に最適な範囲を定めることができる。
【0021】
また、本発明の脱臭剤組成物の製造にあたっては分散剤を用いることもでき、その例としてはプロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール類、エタノール、プロパノール類のアルコール類をあげることができる。また、抗菌防かび剤である3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−3−メチルブタノールや3−メトキシ−3−メチルブチルアセテートも分散剤としての効果があるため用いることができ、その場合は分散剤兼防かび剤の作用をする。
【0022】
さらに本発明の脱臭剤組成物にはゲル形成に影響を与えない程度に各種添加剤を加えることができる。添加剤としては例えばゲル強化剤としての塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩や、塩化カルシウム等のアルカリ土類金属塩が挙げられる。また、防腐剤、紫外線吸収剤、有機酸、色素、香料、他の植物抽出物等の消臭成分を添加することもできる。
【0023】
【作用】
本発明の脱臭剤組成物において、式(I)から(IV)で表される複合金属化合物が、ゲル状脱臭剤中で防かび効果を奏するのは、ゲル中の吸着剤に吸着されないためと推測される。
【0024】
【実施例】
次に実施例および試験例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0025】
実 施 例 1
ゲル化剤としてカラギーナン2.5gをプロピレングリコール5.0gに分散した。これに吸着剤としての活性炭(平均300メッシュ以上)2.0gと、抗菌防かび剤としての酸化アルミニウム・亜鉛(20〜30ZnO・Al23 :商品名シーバイオZ−24(朋友システム社製))0.5gとを、分散剤であるエタノール5.0gに分散したものを混合し、攪拌した。これを水84.5gにゲル強化剤としての塩化ナトリウム0.5gを加えたものに混合した後、80℃に加熱、攪拌した後カップに注ぎ、冷却固化してゲル状脱臭剤(本発明品1)を得た。
【0026】
実 施 例 2
ゲル化剤としてカラギーナン2.5gをプロピレングリコール5.0gに分散した。これに吸着剤としての活性炭(平均300メッシュ以上)2.0gと、抗菌防かび剤としての酸化マグネシウム・銅(Mg0.93Cu0.07O:商品名シーバイオCO(朋友システム社製))0.5gとを、分散剤であるエタノール5.0gに分散したものを混合し、攪拌した。これを水84.5gにゲル強化剤としての塩化ナトウリム0.5gを加えたものに混合した後、80℃に加熱、攪拌した後カップに注ぎ、冷却固化してゲル状脱臭剤(本発明品2)を得た。
【0027】
実 施 例 3
ゲル化剤としてカラギーナン2.5gをプロピレングリコール5.0gに分散した。これに吸着剤としての活性炭(平均300メッシュ以上)2.0gと、抗菌防かび剤としての酸化アルミニウム・亜鉛(20〜30ZnO・Al23 :商品名シーバイオZ−24(朋友システム社製))0.5gとを分散剤兼防かび剤である3−メトキシ−3−メチルブタノール5.0gに分散したものを混合し、攪拌した。これを水84.5gにゲル強化剤としての塩化ナトリウム0.5gを加えたものに混合した後、80℃に加熱、攪拌した後カップに注ぎ、冷却固化してゲル状脱臭剤(本発明品3)を得た。
【0028】
実 施 例 4
ゲル化剤としてカラギーナン2.5gをプロピレングリコール5.0gに分散した。これに吸着剤としての活性炭(平均300メッシュ以上)2.0gと、抗菌防かび剤としての酸化マグネシウム・亜鉛(Mg0.93Zn0.07O:商品名シーバイオZO(朋友システム社製))0.5gとを、防かび剤兼分散剤である3−メトキシ−3−メチルブタノール5.0gに分散したものを混合し、攪拌した。これを水84.5gにゲル強化剤としての塩化ナトリウム0.5gを加えたものに混合した後、80℃に加熱、攪拌した後カップに注ぎ、冷却固化してゲル状脱臭剤(本発明品4)を得た。
【0029】
実 施 例 5
ゲル化剤としてカラギーナン2.5gをプロピレングリコール5.0gに分散した。これに吸着剤としての活性炭(平均300メッシュ以上)2.0gと、抗菌防かび剤としての水酸化カルシウム・亜鉛(Ca0.95Zn0.05(OH)2:商品名シーバイオZ(朋友システム社製))0.5gとを、防かび剤兼分散剤である3−メトキシ−3−メチルブタノール5.0gに分散したものを混合し、攪拌した。これを水84.5gにゲル強化剤としての塩化ナトリウム0.5gを加えたものに混合した後、80℃に加熱、攪拌した後カップに注ぎ、冷却固化してゲル状脱臭剤(本発明品5)を得た。
【0030】
実 施 例 6
ゲル化剤としてカラギーナン2.5gをプロピレングリコール5.0gに分散した。これに吸着剤としての活性炭(平均300メッシュ以上)2.0gと、抗菌防かび剤としてのケイ酸アルミニウム・銅(0.2CuO・Al23 ・9SiO2 :商品名シーバイオKU2 (朋友システム社製))0.5gとを、防かび剤兼分散剤である3−メトキシ−3−メチルブタノール5.0gに分散したものを混合し、攪拌した。これを水84.5gにゲル強化剤としての塩化ナトリウム0.5gを加えたものに混合した後、80℃に加熱、攪拌した後カップに注ぎ、冷却固化してゲル状脱臭剤(本発明品6)を得た。
【0031】
実 施 例 7
ゲル化剤としてカラギーナン2.5gをプロピレングリコール5.0gに分散した。これに吸着剤としての活性炭(平均300メッシュ以上)2.0gと、抗菌防かび剤としての酸化アルミニウム・亜鉛(20〜30ZnO・Al23 :商品名シーバイオZ−24 (朋友システム社製))0.3gおよびケイ酸アルミニウム・銅(0.2CuO・Al23 ・9SiO2 :商品名シーバイオKU2 (朋友システム社製))0.2gとを分散剤であるエタノール5.0gに分散したものを混合、攪拌した。これを水84.5gにゲル強化剤としての塩化ナトリウム0.5gを加えたものに混合した後、80℃に加熱、攪拌した後カップに注ぎ、冷却固化してゲル状脱臭剤(本発明品7)を得た。
【0032】
比 較 例
比較品として、実施例1において、防かび剤を加えなかったもの(比較品1)、実施例1の防かび剤に代えメチルパラベン(みどり化学社製)0.5gを加えて製造したもの(比較品2)および安息香酸ナトリウム(ナカライテスク社製)0.5gを加えて製造したもの(比較品3)を調製した。
【0033】
試 験 例1
直径9cmのシャーレに、本発明品1〜6の脱臭剤組成物および比較品1〜3の脱臭剤組成物を、液状状態でそれぞれ15mlづつ注ぎ、冷却固化させた。固化したゲルの表面に下記の5種類のかびの懸濁液を塗布し、25℃の恒温室内で1ケ月間培養した後、肉眼でかびの発育を観察した。この結果を表1に示す。
【0034】
( 試験かび )
かび1:アスペルギルス・ニガーIFO6341
(Aspergillus niger IFO 6341)
かび2:ペニシリウム・シトリナムIFO6532
(Penicillium citrinum IFO 6352)
かび3:クラドスポリウム・クラドスポリオイデスIFO6348
(Cladosporium cladosporioidesIFO 6348)
かび4:環境分離株A*
かび5:環境分離株B*
* 環境分離株A,B…防かび剤を入れないゲル状脱臭剤を25℃の恒温室内で7日間放置した後に育成したかび。
【0035】
( 評価基準 )
+:かびの発育が認められる。
±:ごくわずかにかびの発育が認められる。
−:かびの発育が認められない。
【0036】
【表1】
Figure 0004685283
この結果からも明らかなように、本発明品ではかびの発生を完全に防ぐことができた。
【0037】
実 施 例 8
実施例1〜6で得た本発明品1〜6および比較品1〜3を以下の評価手順及び評価基準により抗菌効果の確認試験を実施した。
【0038】
( 評価手順 )
直径9cmのシャーレに、本発明品1〜6及び比較品1〜3の脱臭剤組成物を、液体状態でそれぞれ15mlづつ注ぎ、冷却固化させた。次に固化したゲルの表面に、普通ブイヨン培地で105 〜106 個/mlに調製した下記の試験細菌液を0.05ml塗布し、37℃の恒温室内で48時間培養して、発育状態を観察した。その結果を表2に示した。
【0039】
( 試験細菌 )
細菌1 エシュリヒア・コリIFO3301
(Eschericha Coli IFO3301)
細菌2 スタヒロコッカス・アウレウスIFO14462
(Staphylococcus Aureus IFO14462)
細菌3 シュードモナス・アエルギノーザIFO12689
(Pseudomonas Aeruginosa IFO12689)
【0040】
( 評価基準 )
判定基準
−:菌の発育が認められない
±:ごくわずかに菌の発生が認められる
+:菌の発育が認められる。
【0041】
【表2】
Figure 0004685283
この結果からも明らかなように、本発明品では菌の発生を完全に防ぐことができた。
【0042】
実 施 例 7
実施例1〜5で得た本発明品1〜5について、下記に示す試験方法により脱臭試験を実施した。結果を表3に示す。
【0043】
( 試験方法 )
実施例1〜5で作成した本発明品1〜5をそれぞれ2cm角の立方体にカットし、これを試料とした。この試料1個を2リットルのデシケーターに入れ、悪臭ガスとしてアンモニアと硫化水素を注入した。悪臭ガス注入後の濃度(初期濃度;Appm)と180分後の濃度(Bppm)を検知管を用いて測定し、下記の式を用いて消臭率を算出した。
【0044】
【式1】
Figure 0004685283
【0045】
【表3】
Figure 0004685283
【0046】
この結果からも明らかなように、複合金属化合物を抗菌・防かび剤として配合した本発明の脱臭剤組成物において、このものの配合による脱臭効果の低下は認められなかった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の脱臭剤組成物は、菌の増殖やかびの発生がないものであり、しかも抗菌・防かび剤である複合金属化合物の添加による脱臭作用の低下も認められないものであった。
【0048】
従って、本発明の脱臭剤組成物は、菌やかびの生えることのないゲル状脱臭剤として広い分野に利用しうるものである。
以 上

Claims (6)

  1. 吸着剤をゲル中に分散してなる脱臭剤において、抗菌・防かび剤として下記の複合金属化合物の1種または2種以上を配合することを特徴とする脱臭剤組成物。
    Ca 0.95 Zn 0.05 (OH) およびCa 0.95 Cu 0.05 (OH) から
    選ばれる金属水酸化物、
    Mg 0.93 Zn 0.07 OおよびMg 0.93 Cu 0.07 Oから選ばれる金属
    酸化物、
    0.2CuO・Al ・9SiO であるケイ酸アルミニウム化合物、または
    20〜30ZnO・Al である酸化アルミニウム・亜鉛固溶体。
  2. 吸着剤が、炭、ゼオライト、シリカゲルまたは複合吸着剤である請求項1項記載の脱臭剤組成物。
  3. ゲル化剤が、カラギーナン、ジェランガム、寒天、ゼラチン、グアーガム、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸ソーダまたはセルロース誘導体である請求項1項記載の脱臭剤組成物。
  4. さらに他の抗菌・防かび剤として、抗菌性金属含有防かび剤または非吸着性有機系防かび剤を配合したことを特徴とする請求項第1項記載の脱臭剤組成物。
  5. 抗菌性金属含有防かび剤が、有機酸銀塩系防かび剤、銀担持系防かび剤または銀含有無機系防かび剤である請求項第4項記載の脱臭剤組成物。
  6. 非吸着性有機系防かび剤が、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、ヘキサメチレンテトラミン、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、2−クロロアセトアミドまたは下記の一般式
    Figure 0004685283
    (式中、Rは低級アルキル基を、Rは低級アルキル基または水素原子を、Rは水酸基または水素原子を、Rは低級アルキル基または低級ヒドロキシアルキル基を、Rは低級アルキルを示す)
    で表される化合物からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上である請求項第4項記載の脱臭剤組成物。
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