JP4685260B2 - 陰圧式グローブ気密性検査装置及びその検査方法 - Google Patents

陰圧式グローブ気密性検査装置及びその検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、局所清浄空間を構成するアイソレータ装置に対して用いられる清浄維持検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体や電子部品、または医薬品を製造する工場などでは、清浄な空気雰囲気中にて各部品の組み付け,加工,充填などを行うためにクリーンルームが一般的に用いられる。このクリーンルームにあっては、室内全体を例えば一方向流(いわゆる層流)を用いた大量の清浄空気により高清浄度を維持する方法が一般的に採用されている。
【0003】
しかしながらクリーンルームを用いる場合には、その初期投資、維持費が膨大であり、そこで、コストの低減等を目的に、例えば半導体工場の場合には、ウエハー周辺の局所空間のみを高清浄度に維持された清浄空間とする等、所要部分のみに高度な清浄雰囲気を形成するというクリーンルームの局所化が試みられている。この技術手段として、アイソレータ装置、ミニエンバイロメントなどにより局所清浄空間を構成するようにした手段が提案されている。
【0004】
ここでアイソレータ装置は、無菌および高清浄度に維持した局所清浄空間が内部に形成され、かつ基端を装置外壁に気密固定して局所清浄空間内に挿入した作業用の作業グローブを備えてなり、作業者は外部にいながら、窓ガラスを通して内部を確認しつつ、作業グローブに手を挿入して種々の作業を行うことを可能とするものである。このアイソレータ装置は、例えば、医薬品製造工場などで用いられ、無菌充填済みのバイアル瓶やアンプル瓶、あるいは滅菌済みのゴム栓などのパーツを装置内の局所清浄空間で製造あるいは搬送することとなる。このようにアイソレータ装置を用いることにより、作業者は、低清浄雰囲気中にいたままで、作業グローブを用いて清浄な空気雰囲気中での種々の加工又は搬送作業等を進行させることが可能となる優れた利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようにアイソレータ装置は、無菌および高清浄度環境を確実に維持する隔離管理されたシステムであるため、上記のような局所清浄空間を形成するための初期清浄条件と、この初期清浄条件を維持するために必要となる気密性の維持、気流の最適化等の各種要素とを定量的に検証して、再現性ある状態に維持される必要がある。特に気密性は、初期清浄条件を維持する重要な要素であり、具体的には、アイソレータ装置を形成する筐体及び作業グローブの気密性に分岐される。中でも、作業グローブは、作業者が頻繁に使用するものであるから、穴や裂け目等の破損が発生し易く、該破損は微生物による汚染の直接の経路となり得るため、非常に細心の注意を払う必要がある。
【0006】
そこで、このような作業グローブの気密性を管理するため、従来、
(1)アンモニアガス等の充満後の反応試験布による漏れの有無を確認する方法
(2)石鹸水を塗布した作業グローブ内を陽圧化して泡の発生をによる漏れの有無を確認する方法
(3)作業グローブ内を陽圧化し、内部加圧後の減圧速度による漏れ量を確認する方法
(4)窒素ガス雰囲気内に作業グローブを内在させ、作業グローブを陽圧化する等して窒素ガス中の酸素濃度変化を測定して漏れの有無を確認する方法
等種々の方法が提案されている。ところが、(1)、(2)の方法では作業グローブの気密性を定量的に確認することができなく、(3)の方法では温度や気圧等の環境に対して大きな影響を受けるため、データの採取が繁雑となり、(5)の方法では装置が大がかりとなるため、操作性も難しく、装置の設置コストが増大することとなる等、何れの方法にもそれぞれ問題がある。さらには、これら方法では無菌状態や運転中に検査を実施することができず、日常的に作業グローブの漏れを確認することができないため、漏れが生じた時点を特定する事も困難であり、製造した製品に大きな問題が生じることも考えられた。
【0007】
本発明は、以上の問題点を解決でき、アイソレータ装置の作業グローブの漏れを容易に確認でき得る検査方法を提供することにより、信頼性の高い無菌・無塵アイソレータ装置の実現を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アイソレータ装置の、周縁に作業グローブの端縁を気密的に保持してなる作業孔内に挿入されるものであり、挿入端を開放とする筒形状をなすチャンバー部と、
チャンバー部の底部を形成するチャンバー基部とからなり、
検査工程で、作業孔内にチャンバー部をアイソレータ装置外から挿入して内嵌され、作業孔の外側周縁部に気密に配設されたポート部に固定することにより、陰圧チャンバーと作業グローブ間に陰圧空間を形成する陰圧チャンバーと、
前記陰圧チャンバー内に連通し、前記陰圧空間の圧力を制御する圧力制御手段と、
前記陰圧チャンバー内に連通し、前記圧力制御手段により吸引された流出エアーを検知する流量検出手段と
を備えたことを特徴とする陰圧式グローブ気密性検査装置である。
【0009】
かかる構成にあっては、陰圧チャンバーと作業グローブ間に形成した陰圧空間を、所定の陰圧状態で維持するに伴って、陰圧空間より流出した流出エアーを検出することにより、作業グローブの気密性を検査できるものであるから、作業グローブがアイソレータ装置に取り付けられた状態で検査することが可能となる。このように、作業グローブの気密性の検査が比較的容易に行い得るから、作業の開始前及び終了後に検査を行って、アイソレータ装置内の清浄空間を定量的に継続して管理することができる。また、流量検出手段が検出した流出エアーが所定量を越えていた場合には、作業グローブの交換、及び必要に応じてアイソレータ装置の清浄化等の対応が早期に実施され得るから、製品の安全性が保たれることとなる。
【0010】
また、上記陰圧空間はアイソレータ装置内部の圧力に比して陰圧となるから、アイソレータ装置内のエアーは作業グローブ側へ流入するため、作業グローブに穴や裂け目等の破損が生じていても、検査に際してエアーがアイソレータ装置内へ漏出することがないという利点もある。
【0011】
上述の圧力制御手段は、陰圧空間内の圧力状態を検知し、該陰圧空間を所定の圧力状態となるように制御するものである。例えば、陰圧空間に接続されて、その圧力を検知する圧力計と、該圧力計から得られた情報を元に、陰圧空間を所定の圧力状態に形成及び維持する圧力制御器とによって構成されるものである。ここで、圧力制御器は、陰圧空間と連通した真空ポンプを、その間に配設した制御弁を開閉制御することにより、陰圧空間に対する真空ポンプの吸引作動を調整して、陰圧空間に所定の陰圧状態を形成し、さらにその圧力状態を維持する機能を備えるものとすることができる。又は、圧力制御器が直接真空ポンプの駆動を制御して陰圧空間の圧力状態を制御するものであっても良い。また、前記圧力計は、圧力状態を表示する機能を有し、検査を実行する作業者が目視により確認できるようになっていることが望ましい。
【0012】
また、上述の流量検出手段は、上記圧力制御手段により陰圧空間から流出する流出エアーの流量を検出するものとすることができる。例えば、上記陰圧空間と真空ポンプとの間に流量計を配設し、該流量計により真空ポンプが陰圧空間から吸引した流出エアーを検出するものとしても良い。ここで、検出すべき流出エアーは、作業グローブの気密性を確認するものであるから、流量計は所定の陰圧状態が形成された後に、その圧力状態を維持するために流出したエアー量を適正に確認できる必要があるため、その検出レベルを適切に設定でき得るものとすべきである。
【0013】
また、上記流量計は重量流量を検出できるものであることが提案される。重量流量は、単位時間当たりに流れるエアー量を重量で計測するものであるから、通常用いられる体積流量に比して、作業領域の圧力や温度等の周辺環境に影響を受けない。そのため、流出エアーの流量を常時適正に検出することができるから、継続して得た流量データを適切に判断することが可能となる。さらに流量計には、検出した流量を表示する流量表示装置が接続されて、検査を行う作業者が目視により常時確認できるようになっていても良い。
【0014】
さらに、このような流量検出手段として、陰圧空間から流出する流出エアーが所定量に達すると、所定の報知作動を実行する気密性報知手段を備えていることが提案される。ここで、所定量の流出エアーとは、作業グローブの気密性が適切か不適切かを判定するものであり、これにより作業グローブの交換やアイソレータ装置内の清浄化を行うか否かを決める判定基準である。そして、この流出エアーは、圧力制御手段の作動初期に、陰圧空間が所定の圧力状態を形成する際に流出する多量の流出エアーを含むものではなく、圧力制御手段が陰圧空間を所定の陰圧状態に維持するに伴って流出するものを対象とする。そのため、圧力制御手段の作動後、一定時間経過後以降に検出された流量が所定量以上であれば、気密性報知手段が報知作動を行うようにする。また、報知手段としては、流量を表示する流量表示装置が気密性報知手段を備え、所定の流量を検知すると、表示形態を点滅等の視認効果の高い表示に変わるものであっても良く、又はブザー等による警報を発する音源装置を備えるものであっても良い。
【0015】
また、上述の陰圧チャンバーが、ガラス、樹脂等の透明性を有する材料により形成されていることも提案される。このように陰圧チャンバーを透明なものとすることによって、作業員が検査中に陰圧空間内に存在する作業グローブを目視できるため、作業グローブの穴や裂け目等を確認することもできるようになる。また、陰圧チャンバーの開口部先端付近に光源を設けて、目視し易くするようにしても良い。
【0016】
また、本発明は、上述の知見に基づき、アイソレータ装置の作業グローブの気密性を検査する方法であって、アイソレータ装置の、作業グローブが設置された作業孔に挿入し、該作業孔に内嵌させた陰圧チャンバーと該作業グローブ間に形成された陰圧空間を、圧力制御手段によりアイソレータ装置内に比して所定の陰圧状態とし、この陰圧状態を維持するように圧力制御するに伴い、該陰圧空間から流出した流出エアーを流量検出手段により検出して、作業グローブの気密性を確認するようにしたことを特徴とする陰圧式グローブ気密性検査方法である。
【0017】
かかる検査方法にあっては、陰圧空間を所定の陰圧状態で維持するに伴って流出した流出エアーを検査することにより、作業グローブの気密性を検査する方法であるから、作業の開始前及び終了後に作業グローブの検査作業ができるため、作業グローブの気密性を定量的に継続して検査でき、作業単位毎に隔離管理を検証できる。そして、検出した流出エアーが所定量を越えていた場合には、作業グローブの交換、及び必要に応じてアイソレータ装置の清浄化等の対応が早期に実施され得るから、製品の安全性が保たれることとなる。
【0018】
また、上記陰圧空間はアイソレータ装置内部の圧力に比して陰圧となるから、アイソレータ装置内の圧力は作業グローブ側へ作用するため、作業グローブに穴や裂け目等が生じていても、アイソレータ装置内への影響が無いという利点がある。
【0019】
このような検査方法としては、陰圧チャンバーを作業孔に挿入することにより検査が可能であるため、検査工程が比較的容易であり、繁雑な作業を要しない。また、圧力制御手段により圧力制御された陰圧空間からの流出エアーを検出するものであるから、検査にかかる時間が比較的短時間ですむという利点もある。このように検査工程が容易かつ短時間に実施できるから、検査にかかる労務費や経費といったコストが少なくてすむため、製造コストの低減が期待される。
【0020】
上述のように本発明にかかる陰圧式グローブ気密性検査装置及びその検査方法によれば、アイソレータ装置にあって最も汚染等の危険性が高いと考えられる作業グローブの穴や裂け目等の破損の検査を効率的かつ確実に実施することができるため、作業グローブの保守管理を容易かつ適正に行い得る。
【0021】
【発明実施の形態】
次に本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
最初にアイソレータ装置1について説明する。
図1,図2はアイソレータ装置1を用いた無菌・無塵システムの一例を示すものである。このシステムにあっては、移動式又は固定式の複数のアイソレータ装置1が用いられ、各アイソレータ装置1内でワークの加工等が行われ、夫々の開口接続部を介してワークの授受が行われて一連の流れ作業が順次実行される。
【0022】
図3に示すように、このアイソレータ装置1は、その装置内を無菌・無塵状態を維持して遮閉化することにより、局所清浄空間としているものであり、かかる清浄空間が作業者により汚染されないように、外部周囲と遮断する装置筐体2にガラス窓4を設け、装置筐体2に形成された作業孔5に手作業を可能とする作業グローブ30の基端部を密閉状に取付けている。これにより、作業グローブ30により作業孔5は密閉されるとともに、作業者は外から作業グローブ30に手を挿入し、ガラス窓4を介して内部を確認しながら、該作業グローブ30を介して装置内のワークの加工,処理,調整などの作業を行うこととなる。
【0023】
この作業グローブ30は、ゴム材等の可撓性材料から形成された手のひら型であり、作業孔5の周縁部に気密に配設されたポート部31の、アイソレーター装置1から外方に突出してなる外方突出端に、作業グローブ30の基端を外嵌しOリング38により気密に固着されている。これにより、アイソレータ装置1内を外部と遮断している。
【0024】
このアイソレータ装置1の内部には装置筐体2との間で隙間を形成する内壁20を備え、該隙間を周回路22としている。また、この内壁20には、前記ガラス窓4と対向する位置で内ガラス窓23が装着され、作業者がガラス窓4,内ガラス窓23を介してアイソレータ装置1内を視認可能なようにしている。かかる構成にあっては、アイソレータ装置1内の上部に送風機11が設けられ、送風機11より送り出されたエアーが、フィルター12を介して清浄化されて作業領域内を上方から下方に流通している。そして、作業領域を通過した清浄エアーは、作業領域の下方に設けられた周回路22に連通する開口部13を通じて周回路22内に進入し、周回路22内を下方より上方に向けて上昇気流を形成するようにしている。このように、アイソレータ装置1内の気流が一方向流となるように、気流の適正化を行っている。さらにこの周回路22における上昇気流により、例え、作業孔5から外気の汚染エアーが侵入したとしても、汚染エアーは周回路22内を上昇することになるから、作業領域内のシールド性が保たれることとなる。
【0025】
次に本発明にかかる陰圧式グローブ気密性検査装置41について説明する。
図4及び図5は、陰圧式グローブ気密性検査装置41の作動状態を示している。
陰圧チャンバー42は、作業孔5への挿入端が開放された円筒形状のチャンバー部43と、チャンバー部43の底部を形成しポート部31に固定されるチャンバー基部44とからなる。また、チャンバー基部44の、チャンバー部43より外方部には固定器具51aが備えられており、この固定器具51aは、ポート部31の、作業孔5より外方部に配設された固定器具51bと接合して、陰圧チャンバー42をアイソレータ装置1に固定する。さらに、このチャンバー部43及びチャンバー基部44は透明な樹脂材料で形成され、作業員が検査状況を目視により確認できるようにしている。ここで、チャンバー部43の開放端にゴム製の緩衝材を配して、検査作業によって作業グローブが破損することを防止するようにしても良い。
【0026】
また、このチャンバー基部44には、チャンバー部43の内部と連通された圧力制御管路45が接続され、この圧力制御管路45には、チャンバー部43の内部圧力を検知する圧力計46が取り付けられている。さらに、圧力制御管路45には流量計48を介して真空ポンプ47が接続され、また、制御弁49が流量計48と真空ポンプ47との間で分岐して配設されている。
【0027】
一方、圧力計46には、圧力制御器50がデータ送信ケーブル53により接続されており、圧力計46の計測した圧力データが圧力制御器50に送信される。この圧力制御器50は該圧力データに従って、制御弁49を必要に応じて開閉作動させて、外部エアーの流入を調整することにより、陰圧空間15に対する真空ポンプ47の吸引作動を制御し、陰圧空間15を所定の陰圧状態にすると共に、その圧力状態に維持する機能を有する。この圧力計46は、自己の計測した圧力データを表示する機能を備え、検査を行う作業員が目視により圧力状態を確認できるものとしている。
【0028】
また、流量計48は、圧力制御管路45を通じて流出してきた流出エアーの重量流量を検出するものである。この流量計48には、流量表示装置52がデータ送信ケーブル53によって接続されており、流量計48が計測した流量データを流量表示装置52に送信している。この流量データは、流量表示装置52の表示部で常時表示される。また、流量表示装置52は、真空ポンプ46の駆動後所定時間経過した後、流量データが予め定められた数値に達した場合に、警報を発する音源機能を備えている。
【0029】
ここで、上記の報知作動が実行される流量は、作業グローブの気密性が適切か不適切かを判定し得る基準判定量である。この基準判定量は理想的には0であることが望ましいが、実際には流出エアー量がアイソレータ装置1及び陰圧式グローブ気密性検出装置41の装置特性等にも影響を受けること、また、作業グローブの許容範囲もありえることから、それらを考慮して所定の基準判定量が設定される。この基準判定量を、例えば、使用している作業グローブの容量に対して設定することによって、作業グローブの安全性を明確にしても良い。
【0030】
次に本発明にかかる陰圧式グローブ気密性検査装置41を使用した検査方法について説明する。
アイソレータ装置1の作業孔5に、陰圧チャンバー42のチャンバー部43を挿入し、固定器具51aをポート部31の固定器具51bに接合して、チャンバー基部44をポート部31に圧着し、陰圧チャンバー42を固定する。これにより、陰圧チャンバー42と作業グローブ30との間に陰圧空間15が形成される。
【0031】
そして、真空ポンプ47を駆動させ、圧力制御管路45を通じて陰圧空間8の空気を吸引し、陰圧空間8内を−10000〜−10Paに減圧して、陰圧空間8がアイソレータ装置1内と比して陰圧にする。これにより作業グローブ30は陰圧チャンバー42内に引き込まれる(図4参照)。圧力制御器50は圧力計46の計測した圧力データに従って、制御弁49を開閉作動させ、真空ポンプ47による陰圧空間8に対する吸引作動を制御して、陰圧空間8を所定の圧力状態に維持する。
【0032】
かかる検査工程にあって、作業グローブ30に穴や裂け目等の破損が存在する場合には、アイソレータ装置1内の清浄エアーが陰圧空間8に流入する。陰圧空間8は所定の圧力状態を維持するため、圧力制御器50が制御弁49を開閉制御して、真空ポンプ47により陰圧空間8に対する吸引作動を実行する。これにより、陰圧空間8から圧力制御管路45を通じて流出してきた流出エアーの重量流量を流量計48が計測し、その流量データを流量表示装置52に送信して、流量表示装置52はこの流量データに基づき、その重量流量を表示する。そして、この流量データが上記の基準判定量を越えていた場合には、ブザーにより警報を発し、検査を行う作業員に作業グローブの不備を報知する。また、流量データが基準判定量以下の場合には、警報は発せられず、作業グローブは使用可能であると判断されることになる。
【0033】
一方、作業グローブに異常が無い場合には、一旦所定の陰圧状態を形成した陰圧空間8で圧力変化がほとんど無いため、圧力制御器50が制御弁49の制御による真空ポンプ46の陰圧空間8に対する吸引作動を行う必要がないから、流量計48を流出エアーが通過しない。そのため、警報も発せられず、作業グローブ30の適正が確認される。
【0034】
このような検査にかかる作業時間は、陰圧空間8を所定の圧力状態にするための時間と、所定の圧力状態を維持する時間のみであるため、比較的短時間で検査を終了することができるという利点がある。
【0035】
具体例として、図6に流量データと検査開始からの時間の関係を示す。このように陰圧空間8からの吸引作動開始より約6分で所定の圧力状態が形成され、その後所定の時間(例えば3分間)における圧力状態を確認することにより検査が終了する。これによる作業時間は、機器の接続や取り外し時間を除けば、ごく短時間(この場合9分)しか必要としない。なお、図6は流量計48の検出した重量流量を所定のプログラムにより、体積流量に変換したもので表している。
【0036】
また、この検査により計測された圧力データ及び流量データ(例えば上記図6)を、チャート等により出力表示し、保管管理することによって、作業グローブの気密性を管理維持している証明資料として使用することもでき得る。
【0037】
また、上記陰圧式グローブ気密性検査装置41として、陰圧チャンバー42を複数備え、一度に複数の作業グローブ30の気密性を検査するようにして、検査を効率的に行うようにすることもできる。
【0038】
このように本発明の陰圧式グローブ気密性検査装置41及びその検査方法では、アイソレータ装置1にあって装置内へ汚染エアーが流入する危険性が最も高い作業グローブ30の気密性を比較的容易に検査することができ、かつ検査結果が定量的に継続して得られるため、作業グローブ30周りの安全性が高まり、アイソレータ装置1の信頼性を高められる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の陰圧式グローブ気密性検査装置は、上述したように、作業グローブの気密性を検査する検査装置を、陰圧チャンバーと、陰圧チャンバーと作業グローブ間に形成した陰圧空間の圧力を制御する圧力制御手段と、陰圧空間から流出した流出エアーを検知する流量検出手段とを備えるものとしたから、作業グローブがアイソレータ装置に取り付けられた状態で検査できるため、作業グローブの気密性が適正か否かを容易かつ、定量的に検証でき得る。このように、作業グローブの安全性が再現性ある状態に維持されることから、アイソレータ装置内の隔離管理状態を示す重要な要素となり得る。
【0040】
また、流出エアーを重量流量として計測するようにしたから、作業室内の温度、圧力等の環境条件に影響を受けずに検査できるため、日常的に容易に検査することが可能となる。
【0041】
さらにまた、流出エアーが所定量に達した場合に、報知作動を実行するようにしたことにより、作業グローブの適、不適が作業者に容易に伝達され得るから、適切な処置が早期に行われて、アイソレータ装置が適正に管理され得ることとなる。
【0042】
また本発明の検査方法にあっては、このような陰圧式グローブ気密性検査装置を用いて、作業グローブの気密性を検査するようにしたものであるから、作業グローブの気密性を定量的に継続して検査でき、検査結果を明確に表すことができる。そして、作業グローブの穴や裂け目等の破損があった場合に、陰圧空間から流出する流出エアーが検出されて、作業グローブの破損を容易に知ることができるため、その保守管理が適切なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アイソレータ装置1を使用した無菌・無塵システムの概要側面図である。
【図2】アイソレータ装置1を使用した無菌・無塵システムの概要平面図である。
【図3】アイソレータ装置1の縦断側面図である。
【図4】本発明の陰圧式グローブ気密性検査装置41を示す縦断側面図である。
【図5】陰圧式グローブ気密性検査装置41を示す拡大縦断側面図である。
【図6】流量計48の検出した流量データと検査時間の関係を示す具体例である。
【符号の説明】
1 アイソレータ装置
5 作業孔
8 陰圧空間
30 作業グローブ
31 ポート部
41 陰圧式グローブ気密性検査装置
42 陰圧チャンバー
45 圧力制御管路
48 流量計
50 圧力制御装置

Claims (5)

  1. アイソレータ装置の、周縁に作業グローブの端縁を気密的に保持してなる作業孔内に挿入されるものであり、挿入端を開放とする筒形状をなすチャンバー部と、
    チャンバー部の底部を形成するチャンバー基部とからなり、
    検査工程で、作業孔内にチャンバー部をアイソレータ装置外から挿入して内嵌され、作業孔の外側周縁部に気密に配設されたポート部に固定することにより、陰圧チャンバーと作業グローブ間に陰圧空間を形成する陰圧チャンバーと、
    前記陰圧チャンバー内に連通し、前記陰圧空間の圧力を制御する圧力制御手段と、
    前記陰圧チャンバー内に連通し、前記圧力制御手段により吸引された流出エアーを検知する流量検出手段と
    を備えたことを特徴とする陰圧式グローブ気密性検査装置。
  2. 流量検出手段が、重量流量を検出できる流量計を備えていることを特徴とする請求項1に記載の陰圧式グローブ気密性検査装置。
  3. 流量検出手段が、所定量の流出エアーを検知すると、所定の報知作動を実行する気密性報知手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の陰圧式グローブ気密性検査装置。
  4. 陰圧チャンバーが、ガラス、樹脂等の透明性を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の陰圧式グローブ気密性検査装置。
  5. アイソレータ装置の作業グローブの気密性を検査する方法であって、
    アイソレータ装置の、作業グローブが設置された作業孔にアイソレータ装置外から挿入して、該作業孔に内嵌させた陰圧チャンバーと該作業グローブ間に形成した陰圧空間を、圧力制御手段によりアイソレータ装置内に比して所定の陰圧状態とし、この陰圧状態を維持するように圧力制御するに伴って、該陰圧空間から流出した流出エアーを流量検出手段により検出することにより、作業グローブの気密性を確認するようにしたことを特徴とする陰圧式グローブ気密性検査方法。
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