JP3892419B2 - 気密性検査方法及び気密性検査装置 - Google Patents

気密性検査方法及び気密性検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばアイソレータ装置に備えられた作業グローブの気密性を確認するための検査装置及び検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医薬品製造工場等で、無菌充填済みのバイアル瓶やアンプル瓶、あるいは滅菌済みのゴム栓等のパーツを製造・搬送するために用いられるアイソレータ装置は良く知られている。このアイソレータ装置は、内部が無菌および高清浄度に維持されていると共に、装置外壁に気密固定され、装置内に挿入された作業グローブを備えてなり、作業者は外部にいながら、窓ガラスを通して内部を確認しつつ、作業グローブに手を入れて種々の作業を行うことを可能としている。
【0003】
ところで、前記作業グローブが破損した場合は、外界と装置内とが連通することとなるため、無菌状態に維持された装置内が汚染されてしまうこととなる。ここで、作業グローブは作業性を良くするため薄膜の可撓性材料からなることが多く、破損しやすいことから、作業グローブの気密性を逐次検査して早急に破損を検出し、汚染被害の拡大防止が図られている。この作業グローブの気密性を検査する手段はいくつか提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−280277号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、特許文献1に記載される陰圧式グローブ気密性検査装置は、真空ポンプを吸引作動させて、アイソレータ装置内から気密性検査装置のチャンバーへ流出する流出エアーの重量流量を計測して、その間に位置する作業グローブの気密性を検査するものである。しかしながら、この真空ポンプの吸引作動は脈動を伴うため、流出エアーを測定する流量計に悪影響を及ぼし、流出エアーを検出しても、その流量が測定中に脈動に伴って変動して正確な測定ができないという問題があった。
【0006】
また、このように変動してしまう流出エアー量の測定値の信頼性を高めるために、測定回数を増やす構成が提案されるものの、測定時間が延長されたことによって装置内部が温度変化の影響を受け易くなり、この温度変化に伴ってチャンバー内に内圧変化が生じてしまうという問題が発生する。このように、チャンバー内の内圧が変化すると測定対象であるエアーの流量が変化してしまうため、気密性の適否を判断するために用意された基準値との比較も困難となり、改善の余地があった。
【0007】
そこで本発明は、以上の問題点を解決し得る、気密性検査装置、及びその検査方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、気密室と室外とを隔離する気密装置に取付けられることにより、室外から気密室内での作業を可能とする隔絶可撓性部材との間に形成された被検出密閉室と、前記被検出密閉室内と連通する陰圧チャンバーと、清浄化された外気エアーを測定室内に導入する所定径の基準孔が形成され、かつ前記陰圧チャンバー内と連通する、被検出密閉室とほぼ同じ容量の基準測定室とを備えた気密性検査装置にあって、陰圧チャンバーを少なくとも基準測定室と非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を隔絶可撓性部材内に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、隔絶可撓性部材から被検出密閉室内を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定する工程と、陰圧チャンバーと被検出密閉室とを非連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を基準測定室外に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、陰圧チャンバーと基準測定室とを相互に連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを相互に連通状態として、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量を測定する工程と、前記流出エアー量と前記基準エアー量とを比較して、隔絶可撓性部材の気密性を確認する工程とを備えたことを特徴とする気密性検査方法である(請求項1)。
【0009】
かかる構成は、陰圧チャンバーを陰圧状態として、隔絶可撓性部材内部と被検出密閉室との間に圧力差を生じさせる構成であるため、例えば隔絶可撓性部材の先端が破損している場合は、当該破損部分を介して被検出密閉室へエアーが流出することとなる。そして、上述の構成のように、吸引ポンプを用いず、圧力差によって隔絶可撓性部材から自然に流出した流出エアー量を測定することにより、流出エアー量がポンプの脈動に伴って測定中に変動することがないから、正確に流出エアー量を測定することが可能となる。また、正確な測定が可能となれば、測定値の信頼性を高めるために測定回数を増やす必要もなくなるため、隔絶可撓性部材の気密性を迅速に確認できるようになる。さらに、流出エアー量を測定する系(被検出密閉室−陰圧チャンバー)と基準エアー量を測定する系(基準孔−基準測定室−陰圧チャンバー)は、特定の陰圧状態となる陰圧チャンバーを共通に用いると共に、測定した流出エアー量と基準エアー量とを比較して、隔絶可撓性部材の気密性を確認する構成とすることにより、たとえ、装置の内部温度が変化して内圧変化が生じ、流量が変動しても、被検出密閉室、陰圧チャンバー、及び基準測定室は互いに連通状態であるため、両測定系の内部温度をほぼ等しく保つことが可能となると共に、両エアー量の相対的な大小関係は維持されるから、温度変化の影響を受けることなく、両エアー量の大小関係に基づいて確実に気密性を検査することができる。
【0010】
また、気密室と室外とを隔離する気密装置に備えられた、室外から気密室内での作業を可能とする隔絶可撓性部材を外側から密閉状に囲繞して、内部に被検出密閉室を形成する検査筐体と、前記被検出密閉室内と連通する陰圧チャンバーと、清浄化された外気エアーを測定室内に導入する所定径の基準孔が形成され、かつ前記陰圧チャンバー内と連通する、被検出密閉室とほぼ同じ容量の基準測定室とを備えた気密性検査装置にあって、陰圧チャンバーを少なくとも基準測定室と非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を気密装置の気密室内に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、気密室から被検出密閉室内を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定すると共に、陰圧チャンバーと被検出密閉室とを非連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を基準測定室外に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、陰圧チャンバーと基準測定室とを、かつ基準測定室と基準測定室外とを相互に連通状態として、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量を測定し、前記流出エアー量と前記基準エアー量とを比較して、隔絶可撓性部材の気密性を確認するようにしたことを特徴とする気密性検査方法である(請求項2)。
【0011】
このように、吸引ポンプを用いず、気密室と被検出密閉室との間の内圧差によって隔絶可撓性部材から自然に流出した流出エアー量を測定する構成とすることにより、ポンプの脈動の影響を受けることなく、正確に流出エアー量を測定することが可能となる。また、正確な測定が可能となれば、測定値の信頼性を高めるために測定回数を増やす必要もなくなるため、隔絶可撓性部材の気密性を迅速に確認できるようになる。さらに、流出エアー量を測定する系(気密室−被検出密閉室−陰圧チャンバー)と基準エアー量を測定する系(基準孔−基準測定室−陰圧チャンバー)は、特定の陰圧状態となる陰圧チャンバーを共通に用い、かつ流出エアー量と基準エアー量とを比較して、隔絶可撓性部材の気密性を確認する構成とすることにより、両エアー量の相対的な大小関係は維持されるから、温度変化の影響を受けることなく、両エアー量の大小関係に基づいて確実に気密性を検査することができる。さらに、隔絶可撓性部材を囲繞する検査筐体を備えた構成とすることにより、気密装置に隔絶可撓性部材を取付けたまま、その気密性の検査をすることが可能となり、検査が簡便となる。
【0012】
また、気密装置が、装置壁面に開口された作業口の口縁に可撓性の作業グローブが気密保持されたアイソレータ装置であり、検査筐体が、アイソレータ装置に開口された前記作業口に、または前記作業グローブの基端縁が気密的に保持された環状保持カラーに、気密状に接続された気密性検査装置にあって、陰圧チャンバーを少なくとも基準測定室と非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧をアイソレータ装置内に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、アイソレータ装置内から被検出密閉室を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定すると共に、陰圧チャンバーと検査筐体とを非連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を基準測定室外に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、陰圧チャンバーと基準測定室とを連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを連通状態として、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量を測定し、前記流出エアー量と前記基準エアー量とを比較して、被検出密閉室内にある作業グローブの気密性を確認するようにしたことを特徴とする構成が提案される(請求項3)。
【0013】
かかる構成とすることにより、例えば作業グローブの先端が破損している場合は、当該破損部分を介してアイソレータ装置から被検出密閉室へエアーが流出するため、吸引ポンプの脈動の影響受けずに、流出エアー量を測定できることとなり、エアー量を正確に測定することが可能となる。また、流出エアー量と基準エアー量とを陰圧チャンバーを共通に用いて測定し、測定した流出エアー量と基準エアー量とを比較するようにすることにより、たとえ装置内の圧力が変化して作業グローブから漏れる流出エアー量、または基準孔を通過する基準エアー量の絶対値が変化した場合であっても、両エアー量の相対的な大小関係は維持されるから、温度変化の影響を受けることなく、その大小関係に基づいて確実に作業グローブの気密性を検査することができる。また、検査筐体を作業口、又は環状保持カラーに接続する構成とすることにより、アイソレータ装置に作業グローブを取付けたまま検査することができる。
【0014】
さらに、本発明は、気密室と室外とを隔離し、かつ室外から気密室内での作業を可能とする隔絶可撓性部材を備えた気密装置に用いられるものであって、前記隔絶可撓性部材を室外側から密閉状に囲繞して、内部に被検出密閉室を形成する検査筐体と、前記被検出密閉室内と連通する陰圧チャンバーと、清浄化された外気エアーを測定室内に導入する所定径の基準孔が形成され、かつ前記陰圧チャンバー内と連通する、被検出密閉室とほぼ同じ容量の基準測定室と、陰圧チャンバーを少なくとも基準測定室と非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を気密装置の気密室に比して特定の陰圧状態とする陰圧作動を実行し、特定の陰圧状態となると陰圧作動を中止する第一陰圧制御内容と、陰圧チャンバーと被検出密閉室とを非連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を基準測定室外に比して特定の陰圧状態とする陰圧作動を実行し、特定の陰圧状態となると陰圧作動を中止し、陰圧チャンバーと基準測定室とを連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを連通状態とする第二陰圧制御内容とを備えた陰圧制御手段と、陰圧制御手段が第一陰圧制御内容を実行した後、気密室から被検出密閉室を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定する第一測定制御内容と、陰圧制御手段が第二陰圧制御内容を実行した後、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量を測定する第二測定制御内容とを備えたエアー量測定手段とを備えたことを特徴とする気密性検査装置である(請求項4)。
【0015】
かかる構成にあっては、陰圧チャンバーを陰圧状態として、気密室と被検出密閉室との間に内圧差を生じさせているため、例えば隔絶可撓性部材の先端が破損している場合は、当該破損部分を介して気密室から被検出密閉室へエアーが流出することとなる。ここで、本発明にあっては、吸引ポンプを用いず、この内圧差によって自然に流出した流出エアー量を測定する構成としている。これにより、隔絶可撓性部材から漏れるエアー量を測定する時に吸引ポンプの脈動の影響を受けないため、かかるエアー量が測定中に変動することがなく、流出エアー量を正確に測定することが可能となる。また、正確な測定が可能となれば、測定値の信頼性を高めるために測定回数を増やす必要もなくなるため、隔絶可撓性部材の気密性を迅速に確認できるようになる。
【0016】
また、本発明は、隔絶可撓性部材から漏れ出る流出エアー量を測定するだけでなく、さらに、外気エアーが、予め設けた基準孔を通過した流量、すなわち基準エアー量も測定する。この基準エアー量が測定されると、同時期に測定した前記流出エアー量と大小比較され、その大小関係に基づいて隔絶可撓性部材の気密性の適否が判定される。例えば、測定された流出エアー量が同時期に測定された基準エアー量より小さい場合は、その隔絶可撓性部材の品質は適正であって、その後も使用可能であると判定する。ここで、流出エアー量を測定する系(気密室−被検出密閉室−陰圧チャンバー)と基準エアー量を測定する系(基準孔−基準測定室−陰圧チャンバー)は、特定の陰圧状態となる陰圧チャンバーを共通に用いている。さらに、被検出密閉室と基準測定室をほぼ同じ容量にすることにより、被検出密閉室、基準測定室、或いは陰圧チャンバーのいずれかで、何らかの原因で室内温度が変化した場合でも、互いに連通状態であるため、両測定系の内部温度をほぼ等しく保つことが可能となると共に、被検出密閉室と基準測定室との内圧をほぼ等しく保つことが可能となる。すなわち、陰圧チャンバーを共通に用い、かつ流出エアー量と基準エアー量とを相対比較して気密性を確認する構成とすることにより、たとえ装置内の圧力が変化して隔絶可撓性部材から漏れる流出エアー量、または基準孔を通過する基準エアー量の各絶対値が変化した場合であっても、両エアー量の相対的な大小関係は維持されるから、温度変化の影響を受けることなく、その大小関係に基づいて確実に隔絶可撓性部材の気密性を検査することができる。
【0017】
また、気密装置が、装置壁面に開口された作業口の口縁に可撓性の作業グローブが気密保持されたアイソレータ装置であり、検査筐体が、アイソレータ装置に開口された前記作業口に、または前記作業グローブの基端縁が気密的に保持された環状保持カラーに、気密状に接続されていると共に、エアー量測定手段の第一測定制御内容が、陰圧制御手段が第一陰圧制御内容を実行した後、アイソレータ装置から被検出密閉室を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定する制御内容である構成が提案される(請求項5)。
【0018】
かかる構成にあっては、陰圧チャンバーを陰圧状態としてアイソレータ装置と被検出密閉室との間に内圧差を生じさせているため、例えば作業グローブの先端が破損している場合は、当該破損部分を介してアイソレータ装置から被検出密閉室へエアーが流出することとなる。ここで、吸引ポンプを用いずに陰圧チャンバーへ自然に流出した流出エアー量を測定することにより、作業グローブから漏れるエアー量を正確に測定することが可能となる。また、正確な測定が可能となれば、検査も迅速に行える。また、本発明は、流出エアー量を測定する系と基準エアー量を測定する系とで、陰圧チャンバーを共通に用い、かつ作業グローブから漏れ出る流出エアー量と基準エアー量とを比較する構成であるため、たとえ装置内の圧力が変化して作業グローブから漏れる流出エアー量、及び基準孔を通過する基準エアー量の絶対値が変化した場合であっても、両エアー量の相対的な大小関係は維持されるから、温度変化の影響を受けることなく、その大小関係に基づいて確実に作業グローブの気密性を検査することができる。なお、隔絶可撓性部材は、アイソレータ装置に備えられた半気密服、または移送機構に備えられたPVCバッグであっても良い。
【0019】
また、エアー量測定手段が、重量流量を検出できる流量計を備えている構成が提案される(請求項6)。重量流量は、単位時間当りに流れるエアー量を重量で計測するものであるから、通常用いられる体積流量に比して、作業領域の圧力や温度等の周辺環境に影響を受けない。そのため、流出エアーの流量を常時適正に検出することができ、継続して得た流量データを適切に判断することが可能となる。
【0020】
さらに、エアー量測定手段が測定した流出エアー量と基準エアー量の差が所定範囲内にある場合に、所定の報知作動を実行する気密性報知手段を備えた構成が提案される(請求項7)。例えば、流出エアー量が基準エアー量より所定量だけ大きいと、気密性報知手段が作業グローブの交換を知らせる報知作動を実行する構成が挙げられる。なお、報知手段としては、流量を表示する流量表示装置が気密性報知手段を備え、所定の流量を検知すると、表示形態を点滅等の視認効果の高い表示に変わるものであっても良く、又はブザー等による警報を発する音源装置を備えるものであっても良い。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1,図2はアイソレータ装置1を用いた無菌・無塵システムの一例を示すものである。このシステムにあっては、移動式又は固定式の複数のアイソレータ装置1が用いられ、各アイソレータ装置1内でワークの加工等が行われると共に、それぞれの開口接続部を介してワークの授受が行われて一連の流れ作業が順次実行される。
【0022】
このアイソレータ装置1は、外界と装置1内を遮断する筐体2(図3参照)により構成され、装置1内が無菌・無塵状態に維持されて、局所清浄空間となっている。また、装置1壁面に開口された作業口5の口縁に、手作業を可能とする作業グローブ30の基端縁が気密保持されている。また、筐体2の壁面にはガラス窓4が設けられ、これにより、作業者は外から作業グローブ30に手を入れて、ガラス窓4を介して内部を確認しながら装置1内のワークの加工,処理,調整などの作業を行うことができる。
【0023】
かかる構成にあって、アイソレータ装置1の構成を図3に従ってさらに詳細に説明する。
アイソレータ装置1は、内部を無菌・無塵状態に維持する筐体2が基台10上に保持されてなる。この筐体2内部には、内部空間を左右に仕切る内壁20が鉛直方向に形成され、ガラス窓4のある壁面との間に周回路22を形成している。また、この内壁20には、ガラス窓4と対向する位置で内ガラス窓23が装着され、作業者がガラス窓4、内ガラス窓23を介してアイソレータ装置1内を視認可能なようにしている。
【0024】
また、アイソレータ装置1内の上部には、送風機11が設けられ、この送風機11により送り出されたエアーが、フィルター12を通って清浄化されて作業領域S内を上方から下方に流通している。そして、作業領域Sを通過した清浄エアーは、作業領域Sの下方に設けられた周回路22に連通する連通口13を通じて周回路22内に進入し、周回路22内を下方から上方に向けて上昇気流を形成するようにしている。このように、アイソレータ装置1内の気流が一方向流となるように、気流の適正化を行っている。そしてこの周回路22における上昇気流により、たとえ作業口5から外気の汚染エアーが侵入したとしても、汚染エアーは周回路22内を上昇することになるから、作業領域S内のシールド性が保たれることとなる。
【0025】
また、アイソレータ装置1の壁面に開口された作業口5の口縁には、ゴム材等の柔軟薄膜性材料からなる作業グローブ30の基端縁が気密保持されている。さらに詳述すると、図3,4に示されるように、作業口5の周縁部には、外方に突出した環状のポート部31がガラス窓4に気密状に固定され、このポート部31の突出端31aに作業グローブ30の基端が外嵌されて、Oリング38により作業グローブ30が気密状に固着されている。
【0026】
次に、本発明にかかる、作業グローブ30の気密性を確認するための気密性検査装置41について説明する。
本発明にかかる気密性検査装置41は、図5に示されるように、検査対象の作業グローブ30をアイソレータ装置1の外側から密閉状に囲繞して用いられる。さらに詳述すると、作業グローブ30が収納される円筒形状の検査筐体42(図6参照)を備えている。この検査筐体42には、作業グローブ30が挿入される開口縮径部43が一側に形成されており、この開口縮径部43が、作業グローブ30の基端縁に気密的に保持された筒状の環状保持カラー50に内嵌されることにより、検査筐体42が環状保持カラー50の外側端面54に気密的に接続されている(図5参照)。
【0027】
ここで、前記環状保持カラー50について説明する。図4に示されるように、環状保持カラー50は、筒状の内側カラー50bと、3個の環状ガスケット53を介して前記内側カラー50bに外嵌された同心状の外側カラー50aとからなる。そして、内側カラー50bと外側カラー50aとが嵌合された状態で、アイソレータ装置1内にある作業グローブ30内に挿入され、作業グローブ30の基端部の位置で、作業グローブ30の外表面から二個のO−リング52が装着されて作業グローブ30に一体的に固定されている。
【0028】
そして、固定された環状保持カラー50は、図5に示されるように、アイソレータ装置1から作業口5を介して装置1外に一旦取り出され、さらに、作業グローブ30の手のひら部分が、反転されながら、環状保持カラー50の中空部からさらに引き出される。そして、引き出された作業グローブ30の手のひら部分は検査筐体42内に収納されると共に、前記開口縮径部43が内側カラー50bに内嵌され、内側カラー50bに形成された外側端面54と検査筐体42とが気密状に当接する。これにより、気密性検査装置41の接続が完了する。かかる状態にあっては、検査筐体42内面と作業グローブ30との間に、気密状の被検出密閉室42aが形成される。なお、環状保持カラー50と検査筐体42との接続構造は、公知技術であるため詳細は省略する。
【0029】
また、図7に示されるように、本発明にかかる検査装置41は、検査筐体42の他、陰圧チャンバー43、及び基準測定室44等を備えている。ここで、検査筐体42の被検出密閉室42a、及び基準測定室44は、それぞれほぼ同じ容量としている。
【0030】
本実施形態例にかかる陰圧チャンバー43には、真空ポンプ56が管路を介して接続されていると共に、室内の内部圧力を検知する圧力計58を備えている。そして、この陰圧チャンバー43は、真空ポンプ56の陰圧作動により特定の陰圧状態(例えば、−5kPa)となる。
【0031】
また、この陰圧チャンバー43は、検査筐体42内と管路を通じて連通している。かかる管路には、エアーの重量流量を測定できるマスフローメーター(流量計)45が接続されており、検査筐体42から管路を通じで陰圧チャンバー43内へ流出するエアー量を測定し得るように接続されている。さらに、検査筐体42には、陰圧チャンバー43と連通状態、或いは非連通状態とする手動ボール弁47が備えられている。また、マスフローメーター45側にエアーを流す測定状態と、エアーを流さない非測定状態とに切り換えるバイパス弁46も接続されている。なお、検査筐体42から陰圧チャンバー43内へ流出する流出エアー量の測定については、本発明の要部であり、後で詳述する。
【0032】
また、気密性検査装置41の構成要素の一つである、基準測定室44は、図8に示されるように、円筒形状をしており、一側の底面には、室内と連通する直径80μmの基準孔49aが開孔されたステンレス鋼板49bを具備するキャリブレーター49を備え、さらに、この基準孔49aを介して室内に外気が導入される構成となっている。この外気はフィルター57を介して導入され、フィルター57とキャリブレーター49との間に設けられた第三電磁弁48cにより導入状態と非導入状態とに切り換え可能にしている。これに対し、基準測定室44の他側の底面に形成される管路は、図7に示されるように、上述した陰圧チャンバー43と検査筐体42とを結ぶ管路に、前記マスフローメーター45とバイパス弁46とが基準測定室44と陰圧チャンバー43との間に位置するように接続されている。これにより、基準測定室44と陰圧チャンバー43内とが連通し、基準測定室44から陰圧チャンバー43へ流出する基準エアー量がマスフローメーター45により測定され得る構成となっている。ここで、基準測定室44の陰圧チャンバー43側には、第四電磁弁48dが備えられている。なお、前記基準エアー量の測定については、本発明の要部につき、後で詳述する。
【0033】
その他、図7に示されるように、前記真空ポンプ56には第一電磁弁48aが配設されると共に、この第一電磁弁48aとマスフローメーター45との間には、第二電磁弁48b及びそれに直列接続されたブリード用ニードル弁55が配設されている。
【0034】
また、上述の第一から第四の電磁弁48a〜48d、バイパス弁46、真空ポンプ56は、作業者が操作可能なコントローラーボックス(図示省略)内に組み込まれたCPU基板に電気的に接続され、所定時に所定態様で駆動制御される構成となっている。また、このCPU基板には、マスフローメーター45、及び圧力計58が電気的に接続されており、各測定器45,58が測定した測定データがCPU基板に送信される。さらに、CPU基板には、電源を供給する電源部、現在の作動状態を表示するLED表示部、グローブ気密性の検査結果が不適であった場合に警告ブザー音を発するスピーカ、及び外部入出力部が接続されている。
【0035】
次に、気密性検査装置41を用いた作業グローブ30の気密性検査方法の一連の流れを説明する。
まず、気密性検査装置41を上述したように接続した上で、基準測定室44に備えられたキャリブレーション49の基準孔49aを通過する基準エアー量を測定する。作業グローブ30の気密性の適否を判断するための基準値を得るためである。
【0036】
具体的には、第一電磁弁48aを連通状態とし、バイパス弁46を非測定状態(マスフローメーター45を無効とする状態)とし、第二電磁弁48b、第三電磁弁48c、第四電磁弁48d、及び手動ボール弁47を非連通状態とする。すなわち、陰圧チャンバー43を基準測定室44及び被検出密閉室42aと非連通状態とする。かかる状態で、真空ポンプ56を駆動させて陰圧チャンバー43を−5kPaまで減圧させる。陰圧チャンバー43の内圧は、圧力計58により逐次測定され、その測定データがCPU基板に送信される。そして、その測定データに基づいて真空ポンプ56が陰圧作動する。なお、このときアイソレータ装置1、及び基準測定室44の内圧は、ほぼ0kPaである。
【0037】
そして、陰圧チャンバー43が−5kPaに達すると、真空ポンプ56の陰圧作動を中止し、かかる状態から第二電磁弁48bと第四電磁弁48dのみを連通状態とし、ブリード用ニードル弁55を用いて陰圧チャンバー43及び基準測定室44の内圧を−2kPaとなるように調整する。このように、−5kPaから−2kPaに圧調整することにより、陰圧チャンバー43及び基準測定室44内の空気の乱れをできる限り抑えられた状態とすることが可能となる。
【0038】
次に、前記状態から第一電磁弁48a、及び第二電磁弁48bを非連通状態とし、バイパス弁46を測定状態(マスフローメーター45を有効とする状態)とし、かつ第三電磁弁48cを連通状態とする。かかる状態とすると、陰圧チャンバー43及び基準測定室44が陰圧状態にあるから、外気がフィルター57を介して基準測定室44内に自然吸引されることとなる。ここで、導入される外気は、フィルター57により清浄化されているため、検査装置41内が汚染されることはない。
【0039】
そして、導入された外気は、キャリブレーション49の基準孔49aを通過し、基準測定室44内を通過した後、陰圧チャンバー43へ自然流出する。そしてこのとき、マスフローメーター45により、この自然流出したエアーの流量を基準エアー量として測定する。この基準エアー量の測定データは、CPU基板に送信され、記憶される。
【0040】
次に、作業グローブ30から漏れ出るエアー量を測定する。作業グローブ30の気密性を確認するためである。
【0041】
具体的には、第一電磁弁48aを連通状態とし、バイパス弁46を非測定状態(マスフローメーター45を無効とする状態)とし、第二電磁弁48b、第三電磁弁48c、第四電磁弁48d、手動ボール弁47を非連通状態とする。すなわち、陰圧チャンバー43を基準測定室44及び被検出密閉室42aと非連通状態とする。かかる状態で、真空ポンプ56を駆動させて陰圧チャンバー43を前記と同じように−5kPaまで減圧させる。
【0042】
そして、陰圧チャンバー43が−5kPaに達すると、真空ポンプ56の陰圧作動を中止し、かかる状態から第二電磁弁48b、手動ボール弁47のみを連通状態とし、ブリード用ニードル弁55を用いて陰圧チャンバー43及び被検出密閉室42aの内圧を−2kPaとなるように調整する。理由は、前述した通りである。
【0043】
次に、前記状態から第一電磁弁48a、第二電磁弁48bを非連通状態とし、バイパス弁46を測定状態とする。かかる状態とすると、陰圧チャンバー43及び被検出密閉室42aが陰圧状態となるから、アイソレータ装置1内(0kPa)と被検出密閉室42aとの間に内圧差が生じ、作業グローブ30が破損していた場合は、アイソレータ装置1から被検出密閉室42aへエアーが自然流出する。そして、この流出エアーが、次にマスフローメーター45により測定された後、陰圧チャンバー43に流出する。なお、この測定された流出エアー量の測定データは、CPU基板に送信され、記憶される。
【0044】
さらに、基準エアー量の測定データと、流出エアー量の測定データとを受信したCPU基板は、両エアー量の大小関係を比較し、流出エアー量が基準エアー量よりも多い場合は、検査対象の作業グローブ30は破損がひどく、不適なものとしてスピーカで警告音を鳴らしてその旨を作業者に報知する。一方、流出エアー量が基準エアー量と等しいか、或いは少ない場合には、破損は許容範囲内であり、使用継続可能であるとして前記のような報知作動は実行しない。勿論、作業グローブ30に破損がなければ、流出エアーは検出されず、適正と判断される。
【0045】
また、別の実施形態例として、例えば、流出エアー量と基準エアー量の差が所定範囲内にある場合であって、破損が許容範囲内である場合に、鳴音を発して、適正な作業グローブであることを作業者に報知する報知作動を実行する構成としても良い。なお、CPU基板が演算した流出エアー量と基準エアー量の差が所定範囲内にある場合に鳴音を発するスピーカ、及びCPU基板により、本発明にかかる気密性報知手段が構成される。
【0046】
また、第一から第四の電磁弁48a〜48d、手動ボール弁47、バイパス弁46、ブリード用ニードル弁55、圧力計58、真空ポンプ56、及びこれらを駆動制御し、陰圧チャンバー43を基準測定室44と非連通状態とし、当該陰圧チャンバー43の内圧をアイソレータ装置1に比して特定の陰圧状態とする陰圧作動を実行し、特定の陰圧状態となると陰圧作動を中止するCPU基板により、本発明にかかる、第一陰圧制御内容を備えた陰圧制御手段が構成される。また、上述の各装置を駆動制御し、陰圧チャンバー43と被検出密閉室42aとを非連通状態とし、かつ基準測定室44と基準測定室44外とを非連通状態とし、当該陰圧チャンバー43の内圧を基準測定室44外に比して特定の陰圧状態とする陰圧作動を実行し、特定の陰圧状態となると陰圧作動を中止し、陰圧チャンバー43と基準測定室44とを連通状態とし、かつ基準測定室44と基準測定室44外とを連通状態とするCPU基板により、第二陰圧制御内容を備えた陰圧制御手段が構成される。また、マスフローメーター45、及び測定データを受信・記憶するCPU基板により、本発明にかかる、アイソレータ装置1から被検出密閉室42aを介して陰圧チャンバー43に自然流出する流出エアー量を測定する第一測定制御内容と、基準測定室44の基準孔49aを介して陰圧チャンバー43に自然流出する基準エアー量を測定する第二測定制御内容とを備えたエアー量測定手段が構成される。
【0047】
なお、被検出密閉室42a、及び基準測定室44の各容量は、流出エアー量を測定する系(アイソレータ装置1−被検出密閉室42a−陰圧チャンバー43)と、基準エアー量を測定する系(基準孔49a−基準測定室44−陰圧チャンバー43)の温度変化に伴う内圧変化の影響を可及的に等しくするため、全てほぼ同じとすることにより、エアー量が変動して測定が不正確となることを防ぐことができる。
【0048】
また、キャリブレーション49の基準孔49aの直径は、検査対象により適宜変更することができると共に、他の材料からなる板材に基準孔49aを開孔した構成であっても良い。
【0049】
また、気密性検査装置41が、複数の検査筐体42を備えた構成としても良い。さらに、検査筐体42をアイソレータ装置1に直接接続させずに、装置1から取り外した作業グローブ30を検査筐体42に収納して検査する構成としても良い。さらに詳述すると、作業グローブ30をアイソレータ装置1から取り外し、その作業グローブ30を蓋付きの検査筐体42に収納して気密性を検査する構成である。かかる構成にあって、作業グローブ30の基端は、グローブ内外が気密状に分断されるように蓋の裏面に気密状に固定されており、破損部分があると、作業グローブ30内のエアーが被検出密閉室42aに流出することとなる。
【0050】
図10に示される構成は、検査筐体42の開口部43を直接アイソレータ装置1の作業口5に挿入し、環状保持カラー50を用いずに作業口5と検査装置41とを気密固定する構成である。このような構成としても良い。この接続構造は、公知技術である。
【0051】
また、本発明は、例えば図9に示されるような半気密服60の気密性検査にも使用できる。或いは移送装置のPVCバッグなどの気密性検査にも使用できる。なお、上述したアイソレータ装置1、移送装置により、本発明にかかる、気密室と室外とを隔離し、かつ室外から気密室内での作業を可能とする隔絶可撓性部材を備えた気密装置が構成される。そして、作業グローブ30、半気密服60、及び移送装置のPVCバッグにより、前記隔絶可撓性部材が構成される。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、隔絶可撓性部材との間に形成された被検出密閉室と、陰圧チャンバーと、基準孔が形成された基準測定室とを備えた気密性検査装置にあって、隔絶可撓性部材から被検出密閉室内を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定する工程と、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量を測定する工程と、前記流出エアー量と前記基準エアー量とを比較して、隔絶可撓性部材の気密性を確認する工程とを備えた気密性検査方法としたから(請求項1)、吸引ポンプの脈動の影響を受けずに、隔絶可撓性部材から漏れるエアー量を測定することが可能となる。これにより、エアー量が測定中に変動することがなくなるため、流出エアー量を正確に測定できる優れた効果が生まれる。また、正確な測定が可能となれば、測定値の信頼性を高めるために測定回数を増やす必要もなくなるため、隔絶可撓性部材の気密性を迅速に確認できるようになる。したがって、隔絶可撓性部材の交換が早期に実施され得るから、製品の安全性が保たれることとなる。また、流出エアー量を測定する系(被検出密閉室−陰圧チャンバー)と基準エアー量を測定する系(基準孔−基準測定室−陰圧チャンバー)が、陰圧チャンバーを共通に用い、かつ被検出密閉室と基準測定室をとほぼ同じ容量としたから、両測定系の内部温度をほぼ等しく保つことが可能となり、被検出密閉室と基準測定室との内圧をほぼ等しく保つことができる。すなわち、たとえ装置内の圧力が変化して隔絶可撓性部材から漏れる流出エアー量、または基準孔を通過する基準エアー量の各絶対値が変化した場合であっても、両エアー量の相対的な大小関係は維持されるから、確実に隔絶可撓性部材の気密性を検査することができる利点がある。
【0053】
また、気密装置に備えられた隔絶可撓性部材を外側から密閉状に囲繞して、内部に被検出密閉室を形成する検査筐体と、陰圧チャンバーと、基準孔が形成された基準測定室とを備えた気密性検査装置にあって、気密室から被検出密閉室内を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定すると共に、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量を測定し、前記流出エアー量と前記基準エアー量とを比較して、隔絶可撓性部材の気密性を確認する構成とした場合は(請求項2)、吸引ポンプの脈動の影響を受けることなく、正確に流出エアー量を測定することが可能となる。また、正確な測定が可能となれば、測定値の信頼性を高めるために測定回数を増やす必要もなくなるため、隔絶可撓性部材の気密性を迅速に確認できるようになる。さらに、流出エアー量を測定する系(気密室−被検出密閉室−陰圧チャンバー)と基準エアー量を測定する系(基準孔−基準測定室−陰圧チャンバー)とで、陰圧チャンバーを共通に用い、かつ流出エアー量と基準エアー量とを比較するため、両エアー量の相対的な大小関係は維持されるから、温度変化の影響を受けることなく、両エアー量の大小関係に基づいて確実に気密性を検査することができる。さらに、隔絶可撓性部材を囲繞する検査筐体を備えた構成とすることにより、気密装置に隔絶可撓性部材を取付けたまま、その気密性の検査をすることが可能となり、検査が簡便となる利点がある。
【0054】
また、検査筐体が、アイソレータ装置の作業口に、または作業グローブの基端縁が気密的に保持された環状保持カラーに、気密状に接続された気密性検査装置にあって、アイソレータ装置内から被検出密閉室を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定すると共に、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量を測定し、前記流出エアー量と前記基準エアー量とを比較して、作業グローブの気密性を確認するようにした構成とした場合は(請求項3)、吸引ポンプを用いずに、作業グローブから漏れでる流出エアー量を測定できることとなる。これにより、作業グローブから漏れるエアー量を正確に測定することが可能となり、また正確な測定が可能となれば、検査も迅速に行える。さらに、検査筐体を作業口、又は環状保持カラーに接続する構成とすることにより、アイソレータ装置に作業グローブを取付けたまま簡便に検査することができる。
【0055】
さらに、本発明は、被検出密閉室とほぼ同じ容量であって、基準孔が形成された基準測定室を備えると共に、気密室から被検出密閉室を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量と、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量とを測定するエアー量測定手段を備えた気密性検査装置としたから(請求項4)、吸引ポンプの脈動の影響を受けずに、隔絶可撓性部材から漏れるエアー量を測定することが可能となる。これにより、エアー量が測定中に変動することがなくなるため、流出エアー量を正確に測定できる優れた効果が生まれる。また、正確な測定が可能となれば、測定値の信頼性を高めるために測定回数を増やす必要もなくなるため、隔絶可撓性部材の気密性を迅速に確認できるようになる。したがって、隔絶可撓性部材の交換、及び必要に応じて気密装置の清浄化等の対応が早期に実施され得るから、製品の安全性が保たれることとなる。また、流出エアー量を測定する系(気密室−被検出密閉室−陰圧チャンバー)と基準エアー量を測定する系(基準孔−基準測定室−陰圧チャンバー)が、陰圧チャンバーを共通に用い、かつ被検出密閉室と基準測定室をとほぼ同じ容量としたから、両測定系の内部温度をほぼ等しく保つことが可能となり、被検出密閉室と基準測定室との内圧をほぼ等しく保つことができる。すなわち、たとえ装置内の圧力が変化して隔絶可撓性部材から漏れる流出エアー量、または基準孔を通過する基準エアー量の各絶対値が変化した場合であっても、両エアー量の相対的な大小関係は維持されるから、確実に隔絶可撓性部材の気密性を検査することができる利点がある。
【0056】
また、検査筐体が、アイソレータ装置の作業口に、または作業グローブの基端縁が気密的に保持された環状保持カラーに、気密状に接続された構成とした場合は(請求項5)、吸引ポンプを用いずに作業グローブから漏れるエアー量を測定することが可能となる。これにより、かかるエアー量が測定中に変動することがなくなり、流出エアー量を正確に測定できる優れた効果がある。また、正確な測定が可能となれば、測定値の信頼性を高めるために測定回数を増やす必要もなくなるため、迅速に作業グローブの気密性を確認できるようになる。これにより、作業グローブの交換、及び必要に応じてアイソレータ装置の清浄化等の対応が早期に実施され得るから、製品の安全性が保たれることとなる。
【0057】
また、エアー量測定手段が、重量流量を検出できる流量計を備えている構成とた場合は(請求項6)、装置内の温度、圧力等の環境条件に影響を受けずに検査できるため、検査が容易となる。
【0058】
さらに、エアー量測定手段が測定した流出エアー量と基準エアー量の差が所定範囲内にある場合に、所定の報知作動を実行する気密性報知手段を備えた構成とした場合は(請求項7)、例えば、作業グローブの穴や裂け目等の破損があった場合に、作業者に確実に検査結果を知得させることが可能となり、作業グローブの保守管理が適切なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アイソレータ装置1を用いた無菌・無塵システムの概要側面図である。
【図2】アイソレータ装置1を用いた無菌・無塵システムの概要平面図である。
【図3】アイソレータ装置1を示す縦断側面図である。
【図4】作業グローブ30に取付けられる環状保持カラー50を示す縦断側面図である。
【図5】気密性検査装置41の検査筐体42を示す縦断側面図である。
【図6】イは、検査筐体42を示す平面図であり、ロは、検査筐体42を示す側面図である。
【図7】気密性検査装置41のブロック図である。
【図8】基準測定室44及びキャリブレーション49を示す斜視図である。
【図9】半気密服60が備えられたアイソレータ装置1を示す縦断側面図である。
【図10】他の実施形態例にかかる、検査装置41とアイソレータ装置1との接続構造を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 アイソレータ装置
5 作業口
30 作業グローブ
41 気密性検査装置
42 検査筐体
42a 被検出密閉室
43 陰圧チャンバー
44 基準測定室
45 流量計
49a 基準孔
50 環状保持カラー

Claims (7)

  1. 気密室と室外とを隔離する気密装置に取付けられることにより、室外から気密室内での作業を可能とする隔絶可撓性部材との間に形成された被検出密閉室と、
    前記被検出密閉室内と連通する陰圧チャンバーと、
    清浄化された外気エアーを測定室内に導入する所定径の基準孔が形成され、かつ前記陰圧チャンバー内と連通する、被検出密閉室とほぼ同じ容量の基準測定室とを備えた気密性検査装置にあって、
    陰圧チャンバーを少なくとも基準測定室と非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を隔絶可撓性部材内に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、隔絶可撓性部材から被検出密閉室内を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定する工程と、陰圧チャンバーと被検出密閉室とを非連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を基準測定室外に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、陰圧チャンバーと基準測定室とを相互に連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを相互に連通状態として、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量を測定する工程と、前記流出エアー量と前記基準エアー量とを比較して、隔絶可撓性部材の気密性を確認する工程とを備えたことを特徴とする気密性検査方法。
  2. 気密室と室外とを隔離する気密装置に備えられた、室外から気密室内での作業を可能とする隔絶可撓性部材を外側から密閉状に囲繞して、内部に被検出密閉室を形成する検査筐体と、
    前記被検出密閉室内と連通する陰圧チャンバーと、
    清浄化された外気エアーを測定室内に導入する所定径の基準孔が形成され、かつ前記陰圧チャンバー内と連通する、被検出密閉室とほぼ同じ容量の基準測定室とを備えた気密性検査装置にあって、
    陰圧チャンバーを少なくとも基準測定室と非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を気密装置の気密室内に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、気密室から被検出密閉室内を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定する工程と、陰圧チャンバーと被検出密閉室とを非連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を基準測定室外に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、陰圧チャンバーと基準測定室とを相互に連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを相互に連通状態として、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量を測定する工程と、前記流出エアー量と前記基準エアー量とを比較して、隔絶可撓性部材の気密性を確認する工程とを備えたことを特徴とする気密性検査方法。
  3. 気密装置が、装置壁面に開口された作業口の口縁に可撓性の作業グローブが気密保持されたアイソレータ装置であり、
    検査筐体が、アイソレータ装置に開口された前記作業口に、または前記作業グローブの基端縁が気密的に保持された環状保持カラーに、気密状に接続された気密性検査装置にあって、
    陰圧チャンバーを少なくとも基準測定室と非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧をアイソレータ装置内に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、アイソレータ装置内から被検出密閉室を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定する工程と、陰圧チャンバーと検査筐体とを非連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を基準測定室外に比して特定の陰圧状態とし、特定の陰圧状態となると、陰圧チャンバーと基準測定室とを連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを連通状態として、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量を測定する工程と、前記流出エアー量と前記基準エアー量とを比較して、被検出密閉室内にある作業グローブの気密性を確認する工程とを備えたことを特徴とする請求項2記載の気密性検査方法。
  4. 気密室と室外とを隔離し、かつ室外から気密室内での作業を可能とする隔絶可撓性部材を備えた気密装置に用いられるものであって、
    前記隔絶可撓性部材を室外側から密閉状に囲繞して、内部に被検出密閉室を形成する検査筐体と、
    前記被検出密閉室内と連通する陰圧チャンバーと、
    清浄化された外気エアーを測定室内に導入する所定径の基準孔が形成され、かつ前記陰圧チャンバー内と連通する、被検出密閉室とほぼ同じ容量の基準測定室と、
    陰圧チャンバーを少なくとも基準測定室と非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を気密装置の気密室に比して特定の陰圧状態とする陰圧作動を実行し、特定の陰圧状態となると陰圧作動を中止する第一陰圧制御内容と、陰圧チャンバーと被検出密閉室とを非連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを非連通状態とし、当該陰圧チャンバーの内圧を基準測定室外に比して特定の陰圧状態とする陰圧作動を実行し、特定の陰圧状態となると陰圧作動を中止し、陰圧チャンバーと基準測定室とを連通状態とし、かつ基準測定室と基準測定室外とを連通状態とする第二陰圧制御内容とを備えた陰圧制御手段と、
    陰圧制御手段が第一陰圧制御内容を実行した後、気密室から被検出密閉室を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定する第一測定制御内容と、陰圧制御手段が第二陰圧制御内容を実行した後、基準測定室の基準孔を介して陰圧チャンバーに自然流出する基準エアー量を測定する第二測定制御内容とを備えたエアー量測定手段とを備えたことを特徴とする気密性検査装置。
  5. 気密装置が、装置壁面に開口された作業口の口縁に可撓性の作業グローブが気密保持されたアイソレータ装置であり、
    検査筐体が、アイソレータ装置に開口された前記作業口に、または前記作業グローブの基端縁が気密的に保持された環状保持カラーに、気密状に接続されていると共に、
    エアー量測定手段の第一測定制御内容が、陰圧制御手段が第一陰圧制御内容を実行した後、アイソレータ装置から被検出密閉室を介して陰圧チャンバーに自然流出する流出エアー量を測定する制御内容であることを特徴とする請求項4に記載の気密性検査装置。
  6. エアー量測定手段が、重量流量を検出できる流量計を備えていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の気密性検査装置。
  7. エアー量測定手段が測定した流出エアー量と基準エアー量の差が所定範囲内にある場合に、所定の報知作動を実行する気密性報知手段を備えたことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の気密性検査装置。
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