JP4684691B2 - ブラシレスdcモータの制御装置 - Google Patents

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本発明は、ブラシレスDCモータの制御装置に関する。
従来、例えばブラシレスDCモータを制御するための電圧指令値にロータの回転には寄与しない程度の高調波電圧を印加し、この高調波電圧によって各相に流れる相電流から、ロータの位置を示すロータ角度つまり所定の基準回転位置からのロータの磁極の回転角度を検出すると共に、界磁方向に応じた磁極検出用電圧を電圧指令値に印加してロータの磁極の向きを判別する制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この制御装置では、磁極検出用電圧によって界磁方向に磁界を発生させた場合に、発生した磁界の方向と界磁方向が同一方向である飽和状態と、発生した磁界の方向と界磁方向が反対方向である非飽和状態とにおいて、各相に流れる相電流の状態が変化することに基づき、ロータの磁極の向きを判別するようになっている。
特開2002−320398号公報
ところで、上記従来技術の一例に係る制御装置では、磁極検出用電圧を電圧指令値に印加してロータの磁極の向きを判別する磁極判別の処理の実行時には、ロータが停止状態であることが前提となっており、ブラシレスDCモータの始動時に検出されたロータ角度に応じた界磁方向に磁界を発生させるような磁極検出用電圧が電圧指令値に印加される。
このため、例えばロータが完全な停止状態ではない場合等において、ロータ角度の検出時と磁極判別の処理の実行時とにおいて、あるいは、磁極判別の処理の実行中において、ロータの位置が変化した場合には、磁極検出用電圧を適切に印加することができないという問題が生じる。しかも、実際のロータ角度とは異なるロータ角度に応じて磁極検出用電圧が印加されると、磁極検出用電圧によって回転力が作用することになり、例えばブラシレスDCモータが搭載された適宜の機構での外乱等によってロータが逆回転をしている状態で、実際のロータ角度とは異なるロータ角度に応じて磁極検出用電圧が印加されると、ロータの逆回転が一層助長されてしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ロータの位置の検出およびロータの磁極の向きの判別を適切に実行することが可能なブラシレスDCモータの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のブラシレスDCモータの制御装置は、永久磁石式のロータ(例えば、実施の形態でのロータ2)を備えたブラシレスDCモータのステータ巻線(例えば、実施の形態での電機子3,4,5)に高調波電圧(例えば、実施の形態での検査用電圧(Hd^,Hq^))を印加し、該高周波電圧により発生したモータ電流から前記ロータの位置を検出する位置検出手段(例えば、実施の形態での角度検出部25)を備えるブラシレスDCモータの制御装置であって、前記ロータの界磁方向に応じた磁極検出用電圧(例えば、実施の形態での界磁軸電圧)を前記ステータ巻線に印加して前記ロータの磁極の向きを判別する磁極判別手段(例えば、実施の形態での角度検出部25)と、前記磁極判別手段による磁極判別処理の実行時に、常時、前記位置検出手段により検出される前記ロータの位置の変化に応じて、前記界磁方向を修正する修正手段(例えば、実施の形態での角度比較修正部28)とを備え、前記修正手段は、前記位置検出手段により検出された前記ロータの位置の今回値と前回値の差が所定値以上のとき、前記差により前記界磁方向の前回値を補正して界磁方向の今回値とする処理を所定回数実行することを特徴としている。
上記構成のブラシレスDCモータの制御装置によれば、磁極判別処理の実行時において、例えばロータが完全な停止状態ではない状態であっても、常時、ロータの位置を精度良く検出することができ、このロータの位置の変化に応じて界磁方向を修正することにより、ロータの界磁方向に応じた磁極検出用電圧を適切に設定することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のブラシレスDCモータの制御装置は、前記磁極判別処理の実行以後に前記ロータが逆回転する状態を検知した場合に、前記ブラシレスDCモータに対して回生指令を出力し、次に、駆動指令を出力する指令手段(例えば、実施の形態での回生指令出力部30)を備えることを特徴としている。
上記構成のブラシレスDCモータの制御装置によれば、例えば、磁極判別処理の実行時においてロータが完全な停止状態ではないことに起因して、実際のロータの位置とは異なるロータの位置に応じた磁極検出用電圧が印加されることでロータが逆回転する状態となった場合であっても、先ず、回生指令が出力されることでロータの逆回転が停止させられ、この後に、駆動指令が出力されることでロータが正転状態となる。これにより、例えば磁極判別処理の実行以後に直ちに駆動指令が出力されることで、ロータの逆転が促進させられてしまうことを防止することができる。
さらに、請求項3に記載の本発明のブラシレスDCモータの制御装置では、前記修正手段は、前記ブラシレスDCモータの始動時に前記ロータの初期位置を検出する初期位置検出時(例えば、実施の形態での初期位置候補取得処理の実行時)に、常時、前記位置検出手段により検出される前記ロータの位置の変化に応じて、前記ロータの界磁方向を修正することを特徴としている。
上記構成のブラシレスDCモータの制御装置によれば、初期位置検出時に、常時、ロータの位置を精度良く検出することにより、初期位置検出時から磁極判別処理の実行時へ移行した際に、初期位置検出時において修正および更新されたロータの位置の界磁方向に応じた適切な磁極検出用電圧をステータ巻線に印加することができる。
さらに、請求項4に記載の本発明のブラシレスDCモータの制御装置では、前記ロータは前記ブラシレスDCモータおよび内燃機関を駆動源として搭載するハイブリッド車両の駆動軸に連結され、前記ハイブリッド車両のアイドル停止状態が解除されたときに前記磁極判別手段により実行される前記磁極判別処理の終了以後に、前記ブラシレスDCモータおよび前記内燃機関を始動させる始動手段(例えば、実施の形態でのステップS21)を備えることを特徴としている。
上記構成のブラシレスDCモータの制御装置によれば、ハイブリッド車両の駆動軸に内燃機関が連結されていることに起因して駆動軸に慣性トルク成分が存在し、アイドル停止状態の駆動軸が完全な停止状態ではない場合であっても、アイドル停止状態が解除されたときには、先ず、磁極判別処理を実行し、次に、ブラシレスDCモータおよび内燃機関を始動させることから、ロータの逆転等が発生することを防止しつつ、ブラシレスDCモータを適切に始動させることができる。
さらに、請求項5に記載の本発明のブラシレスDCモータの制御装置では、前記ロータは前記ブラシレスDCモータおよび内燃機関を駆動源として搭載するハイブリッド車両の駆動軸に連結され、前記ハイブリッド車両のイグニッションスイッチがオン状態に設定されたときに前記磁極判別手段により実行される前記磁極判別処理の終了以後に、前記ブラシレスDCモータおよび前記内燃機関を始動させる始動手段(例えば、実施の形態でのステップS21)を備えることを特徴としている。
上記構成のブラシレスDCモータの制御装置によれば、ハイブリッド車両の駆動軸に内燃機関が連結されていることに起因して駆動軸に慣性トルク成分が存在し、イグニッションスイッチがオフ状態の駆動軸が完全な停止状態ではない場合であっても、イグニッションスイッチがオン状態に設定されたときには、先ず、磁極判別処理を実行し、次に、ブラシレスDCモータおよび内燃機関を始動させることから、ロータの逆転等が発生することを防止しつつ、ブラシレスDCモータを適切に始動させることができる。
請求項1に記載の本発明のブラシレスDCモータの制御装置によれば、磁極判別処理の実行時において、例えばロータが完全な停止状態ではない状態であっても、常時、ロータの位置を精度良く検出することができ、このロータの位置の変化に応じて界磁方向を修正することにより、ロータの界磁方向に応じた磁極検出用電圧を適切に設定することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のブラシレスDCモータの制御装置によれば、磁極判別処理によってロータが逆回転する状態となった場合であっても、駆動指令によってロータの逆転が促進させられてしまうことを防止することができる。
さらに、請求項3に記載の本発明のブラシレスDCモータの制御装置によれば、初期位置検出時から磁極判別処理の実行時へ移行した際に、初期位置検出時において修正および更新されたロータの位置の界磁方向に応じた適切な磁極検出用電圧をステータ巻線に印加することができる。
さらに、請求項4または請求項5に記載の本発明のブラシレスDCモータの制御装置によれば、ロータの逆転等が発生することを防止しつつ、ブラシレスDCモータを適切に始動させることができる。
以下、本発明のブラシレスDCモータの制御装置の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
(ロータ位置検出の原理)
先ず、以下に、ロータ位置検出の原理について説明する。なお、以下の説明では、数式等において文字(例えば、θ)の上にハット記号(^)を付与したものは、文字の右横にハット記号(^)を付与したもの(θ^)と同等である。
図1(a)に示すように、ブラシレスDCモータ1に突極型のロータ2を備えた場合、ロータ2とU相,V相,W相の各電機子3、4、5間のギャップの磁気抵抗は周期的に変化し、この変化はロータ2が1回転する間に2回、すなわちロータ2が半回転する間に1周期分変化する。そして、ギャップの磁気抵抗は、ロータ2が図中Aの位置となったときに最大となり、ロータ2が図中Bの位置となったときに最小となる。
そして、ギャップの磁気抵抗の1周期あたりの平均値が「0.5」であると仮定すると、U相,V相,W相の各相における磁気抵抗Ru、Rv、Rwは、以下の(1)式〜(3)式で示される。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
Figure 0004684691
ここで、U相からみたギャップの磁気抵抗Rguは、以下の(4)式により求めることができる。
Figure 0004684691
このため、U相が単位巻線であると仮定すると、U相の自己インダクタンスLuは以下の(5)式により求めることができる。
Figure 0004684691
また、U相,W相間の相互インダクタンスMuwと、U相,V相間の相互インダクタンスMuvは、磁気回路の構成より、それぞれ以下の(6)式、(7)式により求めることができる。
Figure 0004684691
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V相,W相についても、同様にして自己インダクタンスと相互インダクタンスを求めることができ、これらにより、突極性を有するブラシレスDCモータ1の電圧方程式は、各相の自己インダクタンスの直流分をlとし、このlの変動分をΔl、各相間の相互インダクタンスの直流分をmとすると、以下の(8)式で表すことができる。
Figure 0004684691
ここで、Vu,Vv,VwはそれぞれU相,V相,W相の電機子に印加される電圧、Iu,Iv,IwはそれぞれU相,V相,W相の各電機子3、4、5に流れる電流、rはU相,V相,W相の各電機子3、4、5の電気抵抗、ωはロータ2の電気角速度、Keは誘起電圧定数である。
更に、電気角速度ωがほぼ「0」で、誘起電圧やロータ2の角速度変化による影響が小さく、抵抗rによる電圧降下が無視できる程度である場合には、上記(8)式は、以下の(9)式により近似することができる。
Figure 0004684691
ここで、上記(9)式を相間電流、相関電圧による式に変形すると、以下の(10)式が得られる。
Figure 0004684691
また、上記(10)式のインダクタンス行列は正則であるので、上記(10)式を以下の(11)式、(12)式の形に変形することができる。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
また、ブラシレスDCモータ1をいわゆるdq座標系で扱う場合は、ロータ角度(つまり所定の基準回転位置からのロータ2の磁極の回転角度)の推定値(θ^)を用いて、以下の(13)式、(14)式で表される3相/dq変換を上記(11)式に施すと、ロータ角度の推定値(θ^)と実際値(θ)が等しい(θ^=θ)場合、以下の(15)式が得られる。なお、下記(15)式において、各インダクタンスLd,Lqは、以下の(16)式、(17)式で記述される。
Figure 0004684691
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Figure 0004684691
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Figure 0004684691
ここで、上記(11)式におけるロータ角度(θ)が、ロータ角度の実際値から(θe)だけずれた推定値である場合には、この推定値を用いて3相/dq変換されたId^,Iq^,Vd^,Vq^と、ロータ角度の実際値を用いて変換されたId,Iq,Vd,Vqとの間に、以下の(18)式、(19)式の関係が成り立つ。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
但し、θeはロータ角度の実際値と推定値の位相差とする。従って、以下の(20)式の関係式が導かれる。
Figure 0004684691
そして、上記(8)式の場合と同様に、電気角速度ωがほぼ「0」で、誘起電圧およびロータ2の角度変化による影響が小さく、抵抗rによる電圧降下も無視できる程度である場合は、上記(20)式は、以下の(21)式で近似することができる。
Figure 0004684691
また、上記(21)式における微分期間(dt)を制御サイクルの長さ(Δt)とし、適宜の制御サイクルにおいて、ブラシレスDCモータ1のロータ角度の推定値(θ^)に基づいて3相/dq変換処理を行ったときの、この制御サイクルにおけるd軸電圧とq軸電圧を{Vd(1),Vq(1)}とし、d軸実電流とq軸実電流の変化量を{ΔId(1),ΔIq(1)}とすると、上記(21)式は以下の(22)式の形で表される。
Figure 0004684691
同様に、次の制御サイクルにおけるd軸電圧とq軸電圧を{Vd(2),Vq(2)}とし、d軸実電流とq軸実電流の変化量を{ΔId(2),ΔIq(2)}とすると、上記(21)式は以下の(23)式の形で表される。
Figure 0004684691
そして、所定周期中にn個の制御サイクルが含まれるものとし、これに応じて基本電圧列データが以下の(24)式に示すようにn個のデータにより設定され、変調用係数をs(k)(k=1,2,…,所定周期の時系列番号)とすると、検査用電圧は以下の(25)式の形で表される。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
但し、Hdq^(x)は検査用電圧の重畳を開始してからx番目の制御サイクルにおける検査用電圧の出力レベル、iは検査用電圧の1周期における制御サイクルの時系列番号(i=1,2,…,n)、kは検査用電圧の周期の時系列番号(k=1,2,…)、Hd^(x)は検査用電圧の重畳を開始してからx番目の制御サイクルにおける検査用電圧の出力レベルのd軸成分、Hq^(x)は検査用電圧の重畳を開始してからx番目の制御サイクルにおける検査用電圧の出力レベルのq軸成分とした。
一方、ブラシレスDCモータ1に対する通電制御では、d軸指令電流(Id_c)とd軸実電流(Id_s)との偏差を小さくするようにして、d軸フィードバック電圧(Vd_fb)を、例えば以下の(26)式により算出し、同様に、q軸指令電圧(Iq_c)とq軸実電流(Iq_s)との偏差を小さくするようにして、q軸フィードバック電圧(Vq_fb)を以下の(27)式により算出する。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
この場合、制御サイクル間における検査用電圧(Hdq)の差分電圧を以下の(28)式のように設定し、以下の(29)式、(30)式の演算により次の制御サイクルのd軸電圧とq軸電圧{Vd^(2),Vq^(2)}を設定することによって、前回の制御サイクルにおけるd軸電圧に対する今回の制御サイクルにおけるd軸フィードバック電圧の差分電圧(dVd_fb)及び前回の制御サイクルにおけるq軸電圧に対する今回の制御サイクルにおけるq軸電圧の差分電圧(dVq_fb)を成分とする電圧ベクトルの方向を、今回の制御サイクルにおける前回の制御サイクルからのd軸検査用電圧の差分電圧(k1)及びq軸検査用電圧の差分電圧(k2)を成分とする電圧ベクトルの方向に制限することができる。
但し、Vd_oldは前回の制御サイクルにおけるd軸電圧、Vq_oldは前回の制御サイクルにおけるq軸電圧とした。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
Figure 0004684691
このため、上記(22)式と(23)式を辺々減算すると、以下の(31)式が得られる。
Figure 0004684691
そして、上記(31)式を変形して以下の(32)式が得られ、所定周期中のn個の制御サイクルのそれぞれに対する(32)式をまとめると、以下の(33)式が得られる。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
上記(33)式において、n>1であるとき、行列Cは、ゼロベクトルでない独立な電圧ベクトル{dV(i),dV(j)、1≦i≦n,1≦j≦n,i≠j}が2個以上あれば列フルランクであり、ブラシレスDCモータ1のロータ角度の実際値(θ)と推定値(θ^)との位相差(θe=θ−θ^)の2倍角の正弦値に応じた正弦参照値(Vs^)と、位相差(θe)の2倍角の余弦値に応じた余弦参照値(Vc^)の最小2乗推定値が以下の(34)式により算出できる。
Figure 0004684691
そして、正弦余弦値(Vs^)と余弦参照値(Vc^)とから、例えば以下の(35)式により位相差(θe)を算出して、ロータ角度の実際値(θ=θ^+θe)を算出することができる。
Figure 0004684691
ここで、行列Cは基本電圧列パターンの関数であり、この成分が一定となるため、上記(34)式における行列D^の成分を予め算出しておくことができる。また、上記(34)式における係数s’(k)は、以下の(36)式のように表されるが、√{(dHd(i))2+(dHq(i))2}は、基本電圧列パターンのデータと変調用係数とにより算出することができる。
Figure 0004684691
このため、所定周期内での各制御サイクルにおける、検出電流の変化量から算出される検出電流の2階差分(ddIdq^)と、d軸フィードバック電圧及びq軸フィードバック電圧に基づく変調用係数{s(k)}の補正値{s’(k)}と、予め算出された行列Dの成分とを用いた簡易な演算処理により、ブラシレスDCモータ1のロータ角度を算出することができる。
また、このようにd軸フィードバック電圧とq軸フィードバック電圧を制限することにより、検査用電圧を重畳する際に、d軸電流及びq軸電流のフィードバック制御に対する干渉が生じることを抑制することができる。このため、例えば干渉を抑制するために電流フィードバック系にローパスフィルタを適用する処理が不要となり、ローパスフィルタを適用した場合にロータ角度検出の応答性が悪化することを防止することができる。
(装置構成)
次に、ブラシレスDCモータ1を制御するブラシレスDCモータの制御装置10について説明する。
この実施形態によるブラシレスDCモータの制御装置10(以下、単に、モータ制御装置10と呼ぶ)は、例えばハイブリッド車両に内燃機関と共に駆動源として搭載されるブラシレスDCモータ1(以下、単に、モータ1と呼ぶ)を駆動制御するものであって、このモータ1は、内燃機関と直列に直結され、界磁に利用する永久磁石を有するロータ2と、このロータ2を回転させる回転磁界を発生する3相(U相,V相,W相)の各電機子3,4,5とを備えて構成されている。
図2に示したモータ制御装置10は、図1に示した突極型のモータ1の電機子3、4、5に流れる電流をフィードバック制御するフィードバック回路であって、モータ1をロータ2の界磁極の磁束方向であるq軸上にあるq軸電機子と、q軸と直交するd軸上にあるd軸電機子とを有するdq座標系による等価回路に変換して扱う。
これにより、モータ制御装置10は、各電流指令出力部11,12から与えられるd軸指令電流(Id_c)とq軸指令電流(Iq_c)とに応じて、d軸電機子に流れる電流(以下、d軸電流と呼ぶ)と、q軸電機子に流れる電流(以下、q軸電流と呼ぶ)とをフィードバック制御する。
具体的には、モータ制御装置10は、d軸電機子への印加電圧(以下、d軸電圧(Vd)と呼ぶ)とq軸電機子への印加電圧(以下、q軸電圧(Vq)と呼ぶ)とを、モータ1のU相,V相,W相の3相の電機子3,4,5に印加する駆動電圧の指令電圧(Vu_c,Vv_c,Vw_c)に変換するdq−3相変換部20と、検査用電圧(Hd^,Hq^)を生成する検査用電圧重畳部21と、指令電圧(Vu_c,Vv_c,Vw_c)に応じた駆動電圧(Vu,Vv,Vw)がモータ1のU相,V相,W相の各相の電機子3,4,5にそれぞれ印加されるように複数のスイッチング素子をブリッジ接続したインバータ回路により構成されたパワードライブユニット(PDU)22とを備える。
更に、モータ制御装置10は、モータ1のU相の電機子3に流れる電流を検出するU相電流センサ23と、モータ1のW相の電機子5に流れる電流を検出するW相電流センサ24と、U相電流センサ23の検出電流値(Iu_s)とW相電流センサ24の検出電流値(Iw_s)とに応じてd軸電流の検出値であるd軸実電流(Id_s)とq軸電流の検出値であるq軸実電流(Iq_s)とを算出する3相−dq変換部26と、モータ1のロータ角度(θ)を検出する角度検出部25と、d軸とq軸との間で干渉し合う速度起電力成分を相殺してd軸及びq軸を独立して制御するために、d軸及びq軸に対する各干渉成分を相殺するd軸補償項及びq軸補償項を算出する非干渉演算部27と、ロータ角度(θ)を修正する角度比較修正部28と、モータ1が逆回転状態であるか否かを判定する逆転判定部29と、モータ1が逆回転状態である場合に回生指令を出力してモータ1を正転状態へと変更する回生指令出力部30とを備える。
モータ制御装置10は、d軸指令電流(Id_c)からd軸実電流(Id_s)を第1減算器31で減算し、この減算結果に第1のPI演算部35でPI(比例積分)処理を施し、第1加算器33でd軸補償項を加算して、d軸指令電流(Id_c)とd軸実電流(Id_s)の偏差に応じたd軸フィードバック電圧(Vd_fb)を生成する。また、モータ制御装置10は、同様にして、q軸指令電流(Iq_c)からq軸実電流(Iq_s)を第2減算器34で減算し、この減算結果に第2のPI演算部35でPI処理を施し、第2加算器36でq軸補償項を加算して、q軸指令電流(Iq_c)とq軸実電流(Iq_s)との偏差に応じたq軸フィードバック電圧(Vq_fb)を生成する。
そして、モータ制御装置10は、d軸フィードバック電圧(Vd_fb)とq軸フィードバック電圧(Vq_fb)とに、第3加算器37及び第4加算器38において後述する検査用電圧(Hd^)及び検査用電圧(Hq^)を加算し、d軸電圧(Vd)及びq軸電圧(Vq)としてdq−3相変換部20に入力する。これにより、パワードライブユニット22を介して、d軸指令電流(Id_c)とd軸実電流(Id_s)との偏差、及び、q軸指令電流(Iq_c)とq軸実電流(Iq_s)との偏差を小さくする3相電圧(Vu,Vv,Vw)がモータ1の電機子3,4,5に印加されて、モータ1の電機子3,4,5に流れる各電流がフィードバック制御される。
ここで、dq−3相変換部20においてd軸電圧(Vd)とq軸電圧(Vq)を3相の電圧指令(Vu_c,Vv_c,Vw_c)に変換する際には、モータ1のロータ角度(θ)が必要となる。また、3相−dq変換部26においてU相電流センサ23の検出電流値(Iu_s)とW相電流センサ24の検出電流値(Iw_s)をd軸実電流(Id_s)とq軸実電流(Iq_s)に変換する際にも、モータ1のロータ角度(θ)が必要となる。
そこで、モータ制御装置10は、レゾルバ等の位置検出センサを用いずに、第3加算器37において検査用電圧重畳部21によりd軸電圧(Vd_fb)に検査用電圧(Hd^)を重畳し、また、第4加算器38において検査用電圧重畳部21によりq軸電圧(Vq_fb)に検査用電圧(Hq^)を重畳したときに、モータ1のロータ角度の推定値(θ^)に基づいて3相−dq変換部26により算出されたd軸実電流(Id_s^)及びq軸実電流(Iq_s^)を用いて、モータ1のロータ角度(θ)を検出する。従って、上述のように、dq−3相変換部20へは、d軸電圧(Vd_fb)に検査用電圧(Hd^)が重畳されたd軸電圧(Vd)と、q軸電圧(Vq_fb)に検査用電圧(Hq^)が重畳されたq軸電圧(Vq)とが入力される。
(ロータ角度の検出処理)
次に、モータ制御装置10におけるロータ角度(θ)の検出処理の詳細について説明する。なお、モータ1のロータ角度の推定値(θ^)の初期値は「0」とする。
まず、検査用電圧重畳部21は、図3(a)に示したように、モータ制御装置10の制御サイクル(Δt)のn周期分を1周期とする検査用電圧Hdq^(Hd^,Hq^)を、以下の(37)式により生成する。
Figure 0004684691
但し、Hdq^(x)は検査用電圧の重畳を開始してからx番目の制御サイクルにおける検査用電圧の出力レベル、iは検査用電圧の1周期における制御サイクルの時系列番号(i=1,2,…,n)、kは検査用電圧の周期の時系列番号(k=1,2,…)、Hd^(x)は検査用電圧の重畳を開始してからx番目の制御サイクルにおける検査用電圧の出力レベルのd軸成分、Hq^(x)は検査用電圧の重畳を開始してからx番目の制御サイクルにおける検査用電圧の出力レベルのq軸成分、s(k)は時系列番号kの周期における変調信号(s)の値(変調用係数に相当)、dhdq^(x)は検査用電圧の重畳を開始してからx番目の制御サイクルにおける基本電圧列データ、dhd^(x)は検査用電圧の重畳を開始してからx番目の制御サイクルにおける基本電圧列データのd軸成分、dhq^(x)は検査用電圧の重畳を開始してからx番目の制御サイクルにおける基本電圧列データのq軸成分とする。
なお、基本電圧列データ[dhdq^={dhdq^(1),dhdq^(2),…,dhdq^(n)}]のデータは、予めメモリ(図示しない)に記憶されている。また、変調信号(s)のデータ{s(1),s(2),…}は、予めメモリに記憶してもよく、信号処理でよく使用されるM系列等の手法を用いて生成してもよい。更に、基本電圧列データ[dhdq^={dhdq^(1),dhdq^(2),…,dhdq^(n)}]は、以下の(38)式に示したように、1周期における平均が0となるように設定されている。
Figure 0004684691
この場合、上記(37)式に示したように、変調信号(s)は検査用電圧(Hdq^)の1周期毎に変更されるため、検査用電圧(Hdq^)の1周期(T)における電圧レベルの平均は「0」となる。そして、これにより、d軸電圧(Vd)及びq軸電圧(Vq)のレベルが次第に高くなって、モータ1の電機子電流のフィードバック制御系に影響を及ぼすことが抑制される。
そして、角度検出部25は、検査用電圧重畳部21により検査用電圧(Hd^,Hq^)が重畳されたときに、各制御サイクル{t(1)〜t(n)}において、モータ1のロータ角度の推定値(θ^)に基づいて3相−dq変換部26により算出されるd軸実電流及びq軸実電流を用いてモータ1のロータ角度を検出する。
ここで、検査用電圧(Hd^,Hq^)のk番目の制御サイクルT(k)の制御サイクルt(i)におけるd軸実電流の2階差分とq軸実電流の2階差分を、以下の(39)式に示したようにそれぞれ「ddId^(i+k・n)」,「ddIq^(i+k・n)」とする。
Figure 0004684691
また、検査用電圧(Hd^,Hq^)のk番目の周期T(k)の制御サイクルt(i)における変化量{dHd^(i+k・n),dHq(i+k・n)}は、上記(37)式により、以下の(40)式、(41)式で表される。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
そして、第3加算器37と第4加算器38は、第1減算器31及び第1のPI演算部35により上記(26)式によって算出されるd軸フィードバック電圧(Vd_fb)の前回の制御サイクルにおけるd軸電圧(Vd)に対する差分電圧(dVd_fb)と、第2減算器34及び第2のPI演算部35により上記(27)式によって算出されるq軸フィードバック電圧(Vq_fb)の前回の制御サイクルにおけるq軸電圧(Vq)に対する差分電圧(Vq_fb)とを成分とする電圧ベクトルの方向を、検査用電圧の差分電圧{dHd^(i+k・n),dHq^(i+k・n)}を成分とする電圧ベクトルの方向に制限するため、以下の(42)式、(43)式の演算により算出したd軸電圧(Vd)とq軸電圧(Vq)をdq−3相変換部20に出力する。
但し、k1はdHd^(i+k・n)、k2はdHd^(i+k・n)1、Vd_oldは前回の制御サイクルにおけるd軸電圧、Vq_oldは前回の制御サイクルにおけるq軸電圧とする。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
このため、前述の(32)式における行列c^(1)に対応する行列c^(i+k・n)は、以下の(44)式により表される。
Figure 0004684691
そして、図3(a)のTs{k−1番目の周期T(k−1)の制御サイクルt(i)〜k番目の周期T(k)の制御サイクルt(i)}において、前述の(32)式をまとめると、以下の(45)式の形で表すことができ、更に(45)式を変形して以下の(46)式、(47)式を得ることができる。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
Figure 0004684691
ここで、図3(b)は、制御サイクルt(i−2)〜t(i+2)における検査用電圧(Hdq)と検出電流(Idq)の推移を示した時系列グラフである。制御サイクル期間t(i)における検出電流の変化量{dIdq^(i)}と制御サイクル期間t(i+1)における検出電流の変化量{dIdq^(i+1)}から、上記(39)式における検出電流の2階差分{ddIdq^(i)}を算出することができる。
一方、基本電圧列データ(dhdq^)に応じて算出される上記(44)式の行列c^(i)の成分は一定となる。従って、上記(46)式における行列C^の成分も一定となり、行列Cに基づいて算出される上記(47)式の行列D^の成分も一定となる。そのため、上記(47)式の行列D^の成分は、基本電圧列データ(dhdq^)により予め算出することができる。そこで、モータ制御装置10のメモリには、このようにして算出された行列D^の成分のデータが予め記憶されており、角度検出部25は、メモリに記憶された行列D^の成分のデータを用いて上記(47)式の演算を実行する。
この場合、角度検出部25は、行列D^の成分と各制御期間における検出電流の2階差分(ddIdq^)及び変調信号(s)を上記(31)式により補正したs’との簡易な演算によりロータ角度の実際値(θ)と推定値(θ^)との位相差(θe=θ−θ^)の2倍角に応じた正弦参照値(Vs^=L1sin2θe)と余弦参照値(Vc^=L1cos2θe)を算出することができる。そのため、正弦参照値(Vs^)と余弦参照値(Vc^)の算出時間を短縮することができる。
また、このように、d軸フィードバック電圧(Vd_fb)とq軸フィードバック電圧(Vq_fb)を成分とする電圧の方向を、検査用電圧の変化量{dHd^(i+k・n),dHq^(i+k・n)}を成分とする電圧ベクトル方向に制限した場合、検査用電圧の重畳による電流フィードバック系への干渉を少なくするために、電流フィードバックにローパスフィルタを施す必要がなくなる。そのため、電流フィードバック系の応答性を良好に維持することができる。
そして、角度検出部25は、以下の(48)式によりモータ1のロータ角度の実際値(θ)と推定値(θ^)との位相差(θe)を算出して、ロータ角度(θ=θ^+θe)を検出する。
Figure 0004684691
また、以下の(49)式又は(50)式によるオブザーバの追従演算によって、ロータ角度の推定値(θ^)を、推定誤差(θe)が0に収束するように修正して、ロータ角度を検出することもできる。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
また、上記(49)式、(50)式のoffsetの値を変更することによって、検出されるロータ角度の位相を強制的にずらして、検出誤差を減少させることができる。
なお、上記(50)式における√(Vs^2+Vc^2)の演算に要する時間が増大ずる場合には、以下の(51)式により近似してもよい。
Figure 0004684691
また、本実施の形態では、検査用電圧重畳部21は、上記(37)式により、前回の制御サイクルにおける検査用電圧{Hdq(i−1+k・n)}に、基本電圧列データ{dhdq^(i−1)}と変調信号{s(k)}との乗算値を加算して、今回の制御サイクルにおける検査用電圧{Hdq^(i+k・n)}を算出したが、予め変調信号{s(k}の値が設定されている場合には、基本電圧列データも既知であるので、検査用電圧(Hdq^)を予め算出することができる。
この場合は、以下の(52)式、(53)式により、d軸電圧(Vd)とq軸電圧(Vq)を算出することができる。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
そして、以下の(54)式、(55)式により、前回の制御サイクルに対する今回の制御サイクルのd軸電圧の差分電圧(Vd(i+k・n)−Vd_old)とq軸電圧の差分電圧(Vq(i+k・n)−Vq_old)を成分とする電圧ベクトルの方向を、前回の制御サイクルに対する今回の検査用電圧の差分電圧(k1,k2)の方向に制限することができる。
Figure 0004684691
Figure 0004684691
但し、Vd_oldは前回の制御サイクルにおけるd軸電圧、Vq_oldは前回の制御サイクルにおけるq軸電圧とする。そのため、この場合は、第3加算器37と第4加算器38は、d軸電圧(Vd)とq軸電圧(Vq)を、以下の(56)式により算出して、電流フィードバックの結果を検査用電圧の差分電圧(k1,k2)の方向に制限することができる。
Figure 0004684691
(磁極判別処理)
さらに、ロータ2の回転に伴うインダクタンス変動は、ロータ角度θの1/2周期なので、上述の処理により算出されるロータ角度θの演算値は、電気角0〜180[度]、または電気角180〜360[度]の両領域で同値となる。従って、モータ1の始動時に初期のロータ角度θを電気角0〜360[度]の範囲で検出するには、ロータ2の磁極の向きを判別する磁極判別処理を実行し、ロータ角度θの演算値が、電気角0〜180[度]、または電気角180〜360[度]のどちらの領域での値かを判定する必要がある。
例えば、ある位置にロータ2を固定して、この時にq軸電機子に電流を流してq軸方向(ロータの磁石の磁束方向)に磁界を生じさせると、以下に示す2通りの事象の発生が考えられる。
(1)「電流により生じた磁界の向き=磁石により生じる磁界の向き」の場合、磁界が飽和状態となるため、U相,V相,W相の各相の自己インダクタンス直流分lの変動分Δlが大きくなる。
(2)「電流により生じた磁界の向き≠磁石により生じる磁界の向き」の場合、磁界が非飽和状態となるため、U相,V相,W相の各相の自己インダクタンス直流分lの変動分Δlが小さくなる。
この現象は、ある位置にロータ2を固定して、この時にq軸電機子に正方向と負方向の電流を流してq軸方向(ロータの磁石の磁束方向)に磁界を生じさせる場合にも同様であって、
(1)「正方向電流により生じた磁界の向き=磁石により生じる磁界の向き」の場合、磁界が飽和状態となるため、U相,V相,W相の各相の自己インダクタンス直流分lの変動分Δlが大きくなる。
(2)「負方向電流により生じた磁界の向き≠磁石により生じる磁界の向き」の場合、磁界が非飽和状態となるため、U相,V相,W相の各相の自己インダクタンス直流分lの変動分Δlが小さくなる。
従って、U相,V相,W相の各相の自己インダクタンス直流分lの変動分Δlの値により変化する前述の(34)式で算出される余弦参照値(Vc^)を、正方向電流に基づくΔlと負方向電流に基づくΔlのそれぞれから算出して大きさを比較することで、ロータ2が電気角0〜180[度]、または電気角180〜360[度]のどちらの領域に存在するかを判断することができる。
具体的には、例えば正方向電流に基づくΔl値により算出される余弦参照値(Vc^)をVc1、負方向電流に基づくΔl値により算出される余弦参照値(Vc^)をVc2とすると、磁極判別計算結果「A=Vc1−Vc2」と定義した場合、磁極判別計算結果Aの正負により、ロータ2が電気角0〜180[度]、または電気角180〜360[度]のどちらの領域に存在するかを判断することができる。例えば図4に示すように、実際のロータ角度θ=75[度]であっても、実際のロータ角度θ=255[度]であっても、両方ともロータ角度θの演算値は75[度]と算出されるので、磁極判別計算結果Aの正負により、例えば磁極判別計算結果Aが負の場合はロータ角度θ=75[度]、例えば磁極判別計算結果Aが正の場合はロータ角度θ=255[度]と判定する。
この磁極判別の処理を含み、ブラシレスDCモータ1の始動時に実行される一連の処理は、例えば、順次実行される初期位置候補取得処理と、界磁軸電圧印加処理と、駆動トルク印加処理とにより構成され、磁極判別の処理は、実際のロータ角度θが適宜の値に固定されるロータ2の停止状態に限らず、実際のロータ角度θが変動するロータ2の回転状態においても実行される。このため、角度比較修正部28は、所定制御周期毎に角度検出部25により検出されたロータ角度(θ)の今回値と前回値とを比較して、今回値と前回値とが相異する場合にロータ角度(θ)を修正する。
つまり、イグニッションスイッチがオン状態に設定された車両の始動時あるいは車両のアイドル停止状態からの復帰時等でのモータ1の始動時において、最初に実行される初期位置候補取得処理では、先ず、初期のロータ角度(θ)が角度検出部25により検出され、ロータ2の初期位置候補として設定される。
次に、設定された初期位置候補に応じた界磁軸方向に沿って磁界を発生させるための界磁軸電圧を印加する界磁軸電圧印加処理において、角度検出部25によりロータ角度(θ)が検出され、この検出値である今回値と、前回値つまり初期位置候補取得処理において検出されたロータ角度(θ)の検出値とが、相異するか否かが角度比較修正部28により判定され、相異する場合には、この今回値が界磁軸方向を設定するためのロータ角度(θ)として設定される。そして、界磁軸方向の一方および他方に向かう各方向に沿って順次磁界を発生させるための界磁軸電圧(つまり検査用電圧(Hq^))が検査用電圧重畳部21によりq軸電機子に印加(つまりq軸フィードバック電圧(Vq_fb)に加算)される。
そして、角度検出部25により、前述の(34)式に基づいて算出される正方向電流に基づくΔl値により算出される余弦参照値(Vc^)=Vc1、および、負方向電流に基づくΔl値により算出される余弦参照値(Vc^)=Vc2に基づき、磁極判別計算結果「A=Vc1−Vc2」が算出され、この磁極判別計算結果Aの正負により、ロータ2の磁極の向きが、電気角0〜180[度]または電気角180〜360[度]の何れの領域での値に対応するかが検知される。
次に、検知されたロータ2の磁極の向きに応じてモータ1を駆動する駆動トルク印加処理において、角度検出部25によりロータ角度(θ)が検出され、この検出値である今回値と、前回値つまり界磁軸電圧印加処理において検出されたロータ角度(θ)の検出値とが、相異するか否かが角度比較修正部28により判定され、相異する場合には、今回値と前回値との差分の符号の正負に応じてモータ1の回転方向が検知され、この回転方向が逆転方向であるか否かが逆転判定部29により判定される。そして、モータ1が逆転している場合には、所定時間に亘って回生指令が回生指令出力部30によりd軸電流指令出力部11へ出力され、モータ1が正転状態へと変更される。
上述した実施形態によるモータ制御装置10は上記構成を備えており、次に、このモータ制御装置10の動作、特に、イグニッションスイッチがオン状態に設定された車両の始動時あるいは車両のアイドル停止状態からの復帰時等でのモータ1の始動以後に実行される磁極判別の処理について添付図面を参照しながら説明する。
先ず、図5に示す初期位置候補取得処理のステップS01においては、トルク指令値がゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS03に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
ステップS02においては、トルク指令値にゼロを設定して、ステップS03に進む。
そして、ステップS03においては、カウンタCにゼロを設定して、初期化する。
次に、ステップS04においては、角度検出部25によりロータ角度(θ)を検出し、この検出値をロータ角度(θ)の今回値として設定する。
次に、ステップS05においては、ロータ角度(θ)の今回値(今回のロータ角度)と、前回値(前回のロータ角度)つまり前回の処理において検知されたロータ角度(θ)とが相異するか否かを、例えば今回値と前回値との差分が所定値以上であるか否か等に応じて判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS07に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS06に進む。
そして、ステップS06においては、ロータ角度(θ)の今回値を、界磁軸方向を設定するためのロータ角度(θ)として設定し、ステップS07に進む。
そして、ステップS07においては、カウンタCに「1」を加算して得た値を、新たにカウンタCとして設定する。
そして、ステップS08においては、カウンタCが第1所定値C1以上であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS04に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、図6に示す界磁軸電圧印加処理のステップS09に進む。
そして、図6に示すステップS09においては、角度検出部25によりロータ角度(θ)を検出し、この検出値をロータ角度(θ)の今回値として設定する。
次に、ステップS10においては、検出されたロータ角度(θ)に応じてロータ2の界磁軸方向を検知する。
そして、ステップS11においては、ロータ角度(θ)の今回値と、前回値つまり初期位置候補取得処理において検知あるいは設定されたロータ角度(θ)とが相異するか否かを、例えば今回値と前回値との差分が所定値以上であるか否か等に応じて判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS14に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS12に進む。
そして、ステップS12においては、今回値を、界磁軸方向を設定するためのロータ角度(θ)として設定する。
そして、ステップS13においては、界磁軸の前回値つまり前回の処理において検知あるいは設定された界磁軸に、ロータ角度(θ)の今回値から前回値を減算して得た角度差(今回のロータ角度−前回のロータ角度)を加算して得た値を、新たに界磁軸として設定し、ステップS14に進む。
そして、ステップS14においては、ステップS10にて検知された界磁軸あるいはステップS13にて設定された界磁軸の界磁軸方向の一方および他方に向かう各方向に沿って順次磁界を発生させるための界磁軸電圧を検査用電圧重畳部21により界磁側の電圧指令値に印加し、モータ1の電機子3、4、5に正方向電流と負方向電流とを流す。そして、前述の(34)式に基づいて算出される正方向電流に基づくΔl値により算出される余弦参照値(Vc^)=Vc1、および、負方向電流に基づくΔl値により算出される余弦参照値(Vc^)=Vc2に基づき、磁極判別計算結果「A=Vc1−Vc2」を算出し、この磁極判別計算結果Aの正負により、ロータ2の磁極の向きが、電気角0〜180[度]または電気角180〜360[度]の何れの領域での値に対応するかを検知する。そして、カウンタCに「1」を加算して得た値を、新たにカウンタCとして設定する。
そして、ステップS15においては、カウンタCが第2所定値C2以上であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS09に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、図7に示す駆動トルク印加処理のステップS16に進む。
そして、図7に示すステップS16においては、角度検出部25によりロータ角度(θ)を検出し、この検出値をロータ角度(θ)の今回値として設定する。
そして、ステップS17においては、ロータ角度(θ)の今回値と、前回値つまり初期位置候補取得処理において検知あるいは設定されたロータ角度(θ)とが相異するか否かを、例えば今回値と前回値との差分が所定値以上であるか否か等に応じて判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS21に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS18に進む。
そして、ステップS18においては、今回値を、界磁軸方向を設定するためのロータ角度(θ)として設定する。
そして、ステップS19においては、ロータ角度(θ)の今回値から前回値を減算して得た角度差(今回のロータ角度−前回のロータ角度)がゼロ未満つまり負の値であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、モータ1が正転状態あるいは停止状態であると判断して、後述するステップS21に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、モータ1が逆転状態であると判断して、ステップS20に進む。
そして、ステップS20においては、モータ1を正転状態へと変更するための回生指令を所定時間に亘って出力し、上述したステップS16に戻る。
そして、ステップS21においては、この時点で設定されているロータ角度(θ)および磁極の向きに応じてモータ1を駆動するための駆動指令を出力し、モータ1を始動させると共に、内燃機関を始動させ、一連の処理を終了する。
上述したように、本実施形態によるブラシレスDCモータの制御装置10によれば、初期位置候補取得処理において、常時、ロータ角度(θ)を検出することにより、初期位置候補取得処理から界磁軸電圧印加処理へ移行した際に、初期位置候補取得処理において修正および更新されたロータ角度(θ)の界磁軸方向に応じた適切な界磁軸電圧を3相の電機子3,4,5に印加することができる。
さらに、界磁軸電圧印加処理の実行時において、例えばロータ2が完全な停止状態ではない状態であっても、常時、ロータ角度(θ)を精度良く検出することができ、このロータ角度(θ)の変化に応じて界磁軸方向を修正することにより、ロータ2の界磁軸方向に応じた界磁軸電圧を適切に設定することができる。
また、界磁軸電圧印加処理によってロータ2が逆回転する状態となった場合であっても、駆動指令によってロータ2の逆転が促進させられてしまうことを防止することができる。例えば、ハイブリッド車両の駆動軸に内燃機関が連結されていることに起因して駆動軸に慣性トルク成分が存在し、イグニッションスイッチがオフ状態あるいはアイドル停止状態の駆動軸が完全な停止状態ではない場合であっても、イグニッションスイッチがオン状態に設定されたとき、あるいは、アイドル停止状態が解除されたときには、先ず、初期位置候補取得処理および界磁軸電圧印加処理を実行し、次に、ブラシレスDCモータ1および内燃機関を始動させることから、ロータ2の逆転等が発生することを防止しつつ、ブラシレスDCモータ1を適切に始動させることができる。
本発明の実施形態に係るブラシレスDCモータの構成図及び等価回路を示す図である。 本発明の実施形態に係るブラシレスDCモータの制御装置の構成図である。 本発明の実施形態に係るブラシレスDCモータの制御装置における検査用電圧の周期と検査用電圧及びdq軸電流の推移を示した図である。 本発明の実施形態に係るブラシレスDCモータの制御装置において算出される磁極判別計算結果Aの正負とロータ角度θの演算値との関係を示した図である。 本発明の実施形態に係るブラシレスDCモータの制御装置の動作、特に、モータの始動以後に実行される磁極判別の処理の初期位置候補取得処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るブラシレスDCモータの制御装置の動作、特に、モータの始動以後に実行される磁極判別の処理の界磁軸電圧印加処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るブラシレスDCモータの制御装置の動作、特に、モータの始動以後に実行される磁極判別の処理の駆動トルク印加処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ブラシレスDCモータ
2 ロータ
3,4,5 電機子(ステータ巻線)
25 角度検出部(磁極判別手段)
28 角度比較修正部(修正手段)
30 回生指令出力部(指令手段)
ステップS21 始動手段

Claims (5)

  1. 永久磁石式のロータを備えたブラシレスDCモータのステータ巻線に高調波電圧を印加し、該高周波電圧により発生したモータ電流から前記ロータの位置を検出する位置検出手段を備えるブラシレスDCモータの制御装置であって、
    前記ロータの界磁方向に応じた磁極検出用電圧を前記ステータ巻線に印加して前記ロータの磁極の向きを判別する磁極判別手段と、
    前記磁極判別手段による磁極判別処理の実行時に、常時、前記位置検出手段により検出される前記ロータの位置の変化に応じて、前記界磁方向を修正する修正手段と
    を備え
    前記修正手段は、前記位置検出手段により検出された前記ロータの位置の今回値と前回値の差が所定値以上のとき、前記差により前記界磁方向の前回値を補正して界磁方向の今回値とする処理を所定回数実行することを特徴とするブラシレスDCモータの制御装置。
  2. 前記磁極判別処理の実行以後に前記ロータが逆回転する状態を検知した場合に、前記ブラシレスDCモータに対して回生指令を出力し、次に、駆動指令を出力する指令手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  3. 前記修正手段は、前記ブラシレスDCモータの始動時に前記ロータの初期位置を検出する初期位置検出時に、常時、前記位置検出手段により検出される前記ロータの位置の変化に応じて、前記ロータの界磁方向を修正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  4. 前記ロータは前記ブラシレスDCモータおよび内燃機関を駆動源として搭載するハイブリッド車両の駆動軸に連結され、
    前記ハイブリッド車両のアイドル停止状態が解除されたときに前記磁極判別手段により実行される前記磁極判別処理の終了以後に、前記ブラシレスDCモータおよび前記内燃機関を始動させる始動手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかひとつに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  5. 前記ロータは前記ブラシレスDCモータおよび内燃機関を駆動源として搭載するハイブリッド車両の駆動軸に連結され、
    前記ハイブリッド車両のイグニッションスイッチがオン状態に設定されたときに前記磁極判別手段により実行される前記磁極判別処理の終了以後に、前記ブラシレスDCモータおよび前記内燃機関を始動させる始動手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかひとつに記載のブラシレスDCモータの制御装置。

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