JP4684633B2 - 飛翔昆虫捕獲器 - Google Patents
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Description
更に、特開2002−253101には、虫捕獲用粘着剤を塗布したシート体と、このシート体を収容する容器本体と、この容器本体に設けられた虫導入用開口部と揮散性虫誘引マット、及び該シート体に設けられた虫誘引性色彩部から構成される虫捕獲器が記載されている。しかしながら、この公報における虫導入用開口部は、開口面積の大きいものが揮散性虫誘引マットの直上の位置から上方に多数個設けられているため、誘引された飛翔昆虫が粘着されずに逃亡するケースがあり、また、虫誘引性色彩部の色として選択された青色又は黄色は、イエバエには幾分の誘引性を示すもののコバエ類に対する誘引性は十分と言えなかった。そのうえ、虫捕獲器の組み立てが複雑で包装形態の簡略化にも不適であり、改良すべき課題を多々有していた。
(1)粘着シートが設置される本体部と、誘引材を収納するための凹部を備えた底面部と、飛翔昆虫の進入口を有するカバー部とが連接して一体成形されるプラスチック製飛翔昆虫捕獲器であって、前記本体部と前記底面部との連接部及び前記底面部と前記カバー部との連接部を折り込み、かつ前記本体部の先端部と前記カバー部の先端部を接合させることにより、前記本体部の面状部と前記カバー部の進入口を含む面とが対向する略箱状の内部空間を形成し、前記粘着シートを垂直状に設置された前記本体部の面状部内側に当接させて設置するとともに、前記カバー部の進入口をシールテープで封じ、他の包装資材で被包することなく店頭陳列可能に構成した飛翔昆虫捕獲器。
(2)カバー部の両側辺に粘着シートを固定するための押さえ部を突設した(1)記載の飛翔昆虫捕獲器。
(3)粘着シートが黄橙ないし橙色に着色されてなる(1)又は(2)記載の飛翔昆虫捕獲器。
(4)粘着シート面とカバー部の進入口を含む面との距離を2〜4cmとし、孔面積が2〜4cm2の進入口を誘引材収納凹部から3〜7cmの高さに1又は2個形成した(1)ないし(3)のいずれか記載の飛翔昆虫捕獲器。
(5)誘引材が、飛翔昆虫誘引成分として、酢酸、エタノール及び黒砂糖を含有するゲル状体であって、これを誘引材を収納するための凹部に設置した(1)ないし(4)のいずれか記載の飛翔昆虫捕獲器。
プラスチックの材質は、成形性にすぐれ、揮散性の飛翔昆虫誘引成分を透過しない、例えばポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が適しており、捕獲器の大きさは、捕獲対象の代表であるコバエ類の習性を考慮し、形成される略箱状の内部空間が、横幅8〜12cm程度、奥行き(粘着シート面とカバー部の進入口を含む面の距離に相当)2〜4cm程度、高さ8〜15cm程度になるように設計するのがよい。
なお、カバー部の両側辺に粘着シートを固定するための押さえ部を突設すれば、本体部の先端部とカバー部の先端部を接合させた時に、粘着シートを確実に設置することができるので好ましい。
なお、粘着シートの大きさは、形成される内部空間の(横幅×高さ)に相応する方形もしくは長方形状のものが適当であるが、前記カバー部に突設される押さえ部に対応する粘着シートの側辺は、使用性の点から粘着剤非塗布部とするのがよい。
これらの成分の配合量は、組成物全体量に対して酢酸が1.0〜5.0重量%、エタノールが2.0〜10重量%、黒砂糖が10〜30重量%の範囲が適当であり、この混合比率で高い誘引効果を得ることができる。
更に上記成分に加え、1種又は2種以上のフレーバーを添加すれば誘引効果を一層高めることができ、このようなフレーバーとしては、カツオブシフレーバー、ゴマ油フレーバー、海老フレーバー、オニオンフレーバー、キャベツフレーバーなどがあげられる。
ゲル化剤としては、水溶性多糖類及び/又は吸水性樹脂を用いることができる。水溶性多糖類の代表例は、グァーガム、キサンタンガム、ラムダカラギーナン、ジュランガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ソーダ等であり、これらの中では、誘引効果や製造性等の点で、グァーガム、キサンタンガム、及びラムダカラギーナンから選ばれた1種又は2種が好ましい。
また、吸水性樹脂としては、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸塩系ポリマー、澱粉−ポリアクリル酸塩系ポリマー、PVA−ポリアクリル酸塩系ポリマー、PVA系ポリマー、カルボキシメチルセルロース系ポリマー等があげられる。
このような成分としては、例えば、小麦粉、デンプン、デキストリン、マルトース、フルクトース、アラビノース、蜂蜜、カゼイン、アカムシ、鶏卵、魚粉、キャベツ、ニンニク、マッシュルーム、きな粉、糠、粉乳、乾燥酵母、植物油などの食餌成分や基材成分、あるいは安定剤、界面活性剤、分散剤、色素等の各種補助成分があげられる。
通常、流通時に埃などが進入口から入り込まないようにこれをシールテープで封じて市販し、使用の際これを剥がして用いるのが一般的である。
本発明の飛翔昆虫捕獲器1はポリエステル製で、本体部2と底面部3とカバー部4とから構成され、本体部2と底面部3との連接部及び底面部3とカバー部4との連接部は折り込み可能に一体成形されている。本体部2の先端部21とカバー部4の先端部41にはそれぞれ接合手段5が設けられ、両者を接合させることにより、本体部2の面状部22とカバー部4の進入口6を含む面とが対向する略箱状の内部空間7を形成する。また、使用に際して本体部2の面状部22に粘着シート8を設置し、底面部3に設けられた凹部9には、誘引材(図示せず)が収納されるようになっている。
内部空間7の大きさは、横幅が約10cm、奥行き(粘着シート面8とカバー部4の進入口6を含む面の距離に相当)が約3cm、高さが約11cm程度に設計されており、直径2cmの円形進入口(面積:3.1cm2)6が誘引材収納用凹部9から5cmの位置に1個穿孔されている。また、カバー部4の両側辺には粘着シート8を確実に設置させるための押さえ部10が突設され、本体部の先端部21ならびにカバー部の先端部41には吊り下げ用の孔11を有している。
かかる構成の飛翔昆虫捕獲器1は、離けい紙付きの粘着シート8や誘引材を内部に仮収容して組み立て、進入口6にシールテープ12を貼付した形態で、しかも他の包装資材で被包することなく店頭陳列できるので、極めて実用性の高いものである。
その結果、コバエ類が効率よく捕獲され、その効果は約1ケ月持続した。また、本飛翔昆虫捕獲器は液もれの心配がなく、使いやすさの点でも優れたものであった。
1.8m×1.8m×1.8mのチャンバー内の中央に飛翔昆虫捕獲器を置き、オオキモンノミバエ約100匹を放ち、24時間後に粘着シート面上に捕獲されたオオキモンノミバエの数を数えた。試験は3回繰り返してその平均捕獲数で評価した。なお、捕獲性能評価は以下の基準によった。
◎; 31匹以上、 ○;11〜30匹、 △;6〜10匹、 ×;0〜5匹
これに対し、比較例1で示されるように、粘着シートを垂直状でなく底面に載置した場合は捕獲性能が悪く、また、粘着剤が基体に付与された市販の棒状の捕獲具(比較例2)は、粘着剤が手指に付着しやすく使用性の点で問題が大きかった。
2 :本体部
21:本体部の先端部
22:本体部の面状部
3 :底面部
4 :カバー部
41:カバー部の先端部
5 :接合手段
6 :進入口
7 :内部空間
8 :粘着シート
9 :誘引材収納用凹部
10:押さえ部
11:吊り下げ用の孔
12:シールテープ
Claims (5)
- 粘着シートが設置される本体部と、誘引材を収納するための凹部を備えた底面部と、飛翔昆虫の進入口を有するカバー部とが連接して一体成形されるプラスチック製飛翔昆虫捕獲器であって、前記本体部と前記底面部との連接部及び前記底面部と前記カバー部との連接部を折り込み、かつ前記本体部の先端部と前記カバー部の先端部を接合させることにより、前記本体部の面状部と前記カバー部の進入口を含む面とが対向する略箱状の内部空間を形成し、前記粘着シートを垂直状に設置された前記本体部の面状部内側に当接させて設置するとともに、前記カバー部の進入口をシールテープで封じ、他の包装資材で被包することなく店頭陳列可能に構成したことを特徴とする飛翔昆虫捕獲器。
- カバー部の両側辺に粘着シートを固定するための押さえ部を突設したことを特徴とする請求項1記載の飛翔昆虫捕獲器。
- 粘着シートが黄橙ないし橙色に着色されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の飛翔昆虫捕獲器。
- 粘着シート面とカバー部の進入口を含む面との距離を2〜4cmとし、孔面積が2〜4cm2の進入口を誘引材収納凹部から3〜7cmの高さに1又は2個形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の飛翔昆虫捕獲器。
- 誘引材が、飛翔昆虫誘引成分として、酢酸、エタノール及び黒砂糖を含有するゲル状体であって、これを誘引材を収納するための凹部に設置したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の飛翔昆虫捕獲器。
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