JP4682462B2 - 車両用ナビゲーション装置および事故防止システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者に対し事故予測情報を提供する車両用ナビゲーション装置および事故防止システムに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
この種のシステムの一例として、特開平11−120478号公報に開示された交通事故管理支援システムがある。このシステムは、過去の交通事故がどのような状況下で起こったかという履歴情報を交通事故管理センタのデータベースに蓄積しておき、この履歴情報と走行中の車両情報とを比較・分析することにより交通事故が起こる確率を算出し、状況に応じた警告情報を音声または画像で運転者に通知するように構成されている。すなわち、このシステムは、事故の発生確率の算出とその発生確率に基づいた警告情報の通知とに特徴がある。
【0003】
上記システムにおいて、道路の特徴、速度、時刻、天候などの情報に基づいて算出される事故の発生確率は、例えばカーブ地点を走行している場合、速い速度で走行している場合、夕方・夜間に走行している場合、降雨・降雪時に走行している場合には高くなり、逆に、直線道路を走行している場合、遅い速度で走行している場合、昼間に走行している場合、晴天時に走行している場合には低くなる傾向を有することが推測される。しかし、交通事故はそうした統計的傾向から示される一般的要因のみならず、実際に起こった交通事故の現場に特有の要因も大きく影響して発生する。これは、車を運転する者であれば誰でも実感していることである。
【0004】
例えば、同じ幅員を持つ交差点であっても交差点付近に建造物があるために見通しが悪く事故が発生し易い場合、あるいは同じようなT字路であっても一旦停止の標識が設けられていなかったり標識が見づらくて事故が発生し易い場合などにおいては、上記一般的要因からその地点での事故発生確率を算出することは非常に困難である。つまり、交通事故はその事故発生地点でしか分からない要因が複雑に絡み合って発生するのであって、同じ地点で同じ種類の事故が多発するのはこのためである。
【0005】
従って、発生確率に基づいて警告情報を通知する上述のシステムは、運転者に対し一般的な注意を促すことはできるものの、事故を招く最大の要因である事故発生地点に特有の状況は十分に考慮されたものではない。また、運転者は、運転中に当然に認識している一般的な警告情報が繰り返し通知されるため煩わしさを感じたり、逆に、何故警報情報が出たのかが分からず不安になることもあると考えられる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、より確実に事故の発生を予測するとともに真に必要な情報のみを運転者に提供して事故防止を図る車両用ナビゲーション装置および事故防止システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した手段によれば、警告制御手段は、過去に生じた交差点における交通事故に関するデータが蓄積されてなる蓄積事故情報の中の事故発生位置に係る情報を情報記録媒体または外部から入力し、その事故発生位置と車両の現在位置とに基づいて過去に事故が起こった事故発生位置への接近を検出する。そして、警告制御手段は、その事故発生位置を通過するのに先立って、蓄積事故情報の中のその事故発生時における事故発生状況に係る情報を情報記録媒体または外部から入力するとともにその事故発生状況と車両の走行状況(特には事故発生位置において予測される走行状況)とを比較し、その事故発生時における車両の進行方向(右折・左折・直進)と、案内経路もしくはターンシグナルスイッチの状態に基づく車両の進行方向(右折・左折・直進)とに共通点がある場合に警告情報を出力し、共通点がない場合に前記警告情報に替えて事故発生地点であることを知らせる注意情報を出力する。
【0008】
つまり、本手段によれば、単なる統計的な事故予測ではなく、実際に事故が起こった地点に特化してその事故発生時との状況比較が行われるので、その事故発生位置でしか分からない特有の要因と事故との因果関係が反映されたより正確な事故予測が可能となり、運転者はより確実な警告情報の提供を受けることができる。また、この警告情報は、過去に事故が発生した地点を通過する際にのみ出力されるので、運転者は通常認識しているような一般的な警告情報が繰り返し与えられる煩わしさがなく、警告情報の濫発による運転者の慣れや運転者に過度の緊張状態を強いることを防止する効果も期待できる。
【0009】
さらに、警告情報には事故発生状況に関する情報が付加されているので、運転者は警告情報が出力された理由を的確に認識でき、事故発生位置を通過する時にその事故発生状況に関する運転者の注意力がより高まる。これにより、事故を未然に防ぐ効果が一層高まる。上記共通点がない場合には、過去に起こった事故と同様な事故は起こりにくいとして、警告情報に替えて事故発生地点であることを知らせる注意情報を出力する。これにより、運転者に対し、事故防止の上で真に必要な情報がその重要度に応じて警告情報と注意情報という2段階の情報レベルを持って示される。
【0011】
経路案内手段が経路案内を実行していない場合には、警告制御手段は車両の進行経路の予測が難しくなる。この場合、車両が事故発生位置を通過すると判断してから実際に車両がその事故発生位置を通過するまでの時間は短くなり、事故発生状況と車両の走行状況との比較処理が間に合わないことも考えられる。そこで、この場合には請求項2に記載した手段を用いて、警告情報に替えて事故発生地点であることを知らせる注意情報を出力するようにしても良い。
【0013】
請求項3に記載した手段によれば、蓄積事故情報は車両の外部に蓄積され、車両に設けられた受信手段が、外部から送信されてくる事故発生位置に係る情報と事故発生状況に係る情報とを受信する。これにより、蓄積事故情報を1箇所に集約して管理でき、複数台の車両によりその蓄積事故情報を共用することが可能となる。
【0014】
請求項4に記載した手段によれば、情報センタは過去に生じた交差点における交通事故に関するデータが蓄積されてなる蓄積事故情報を有し、送信手段は車両に対してその蓄積事故情報の中から車両の現在位置付近の事故発生位置に係る情報とその事故発生状況に係る情報とを送信する。この送信された事故発生位置に係る情報と事故発生状況に係る情報とは車両に設けられた受信手段で受信され、警告制御手段により用いられる。本システムにより、車両用ナビゲーション装置はより確実に事故の発生を予測でき、真に必要な情報のみを運転者に提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の事故防止システムの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図2は、事故防止システム全体の構成を機能ブロックにより概略的に示したものである。この図2において、事故防止システムは、各車両に搭載されたカーナビゲーション装置1(車両用ビゲーション装置に相当)、サーバ2と事故データベース3(蓄積事故情報に相当)を備えた事故情報センタ4(情報センタに相当)、VICS(Vehicle Information Communication System)センタ5および道路上に設置されたビーコン6から構成されている。
【0016】
事故データベース3には、過去に発生した交通事故の事故データすなわち事故発生位置データと事故発生状況データとが蓄積されている。サーバ2は、この事故データを警察から自動入力したり、メーデーシステムの緊急通報データを自動入力することにより逐次最新のデータに更新している。このうち事故発生位置データは、事故発生位置を正確に特定できるように緯度・経度、交差点名称などにより構成されている。また、事故発生状況データは、事故が発生した時の車両の進行方向(右折・左折・直進)、速度、時刻、季節、天候、路面状態、乗車人数、目的地、車両の整備状況、運転継続時間、周囲の交通量などから構成されている。
【0017】
VICSセンタ5は、道路交通情報と事故情報センタ4から与えられる上記事故データとを編集・処理し、そのデータをFM多重放送やビーコン6を利用してリアルタイムに送信するようになっている。ビーコン6には、主として主要幹線道路に設置された光ビーコンと、主として高速道路に設置された電波ビーコンとがある。なお、VICSセンタ5およびビーコン6は、本発明でいう送信手段に相当する。
【0018】
さて、車両に搭載されたカーナビゲーション装置1は、制御回路7、およびこの制御回路7にそれぞれ接続された位置検出器8、速度検出器9、シートスイッチ10、地図データ入力器11、操作スイッチ群12、VICS受信機13、外部メモリ14、表示装置15、スピーカ16、リモコンセンサ17およびリモコン18から構成されている。また、車両に設置されたコンビネーションスイッチECU19からカーナビゲーション装置1に対し、ターンシグナルスイッチ、ライトコントロールスイッチ、ワイパスイッチの各状態信号が入力されるようになっている。
【0019】
制御回路7(経路案内手段、警告制御手段に相当)は、カーナビゲーション装置1の動作全般を制御する機能を有しており、マイクロコンピュータを主体として構成されている。すなわち、制御回路7は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース、これらを接続するバスなど(いずれも図示せず)を備えた構成となっている。また、制御回路7は、現在の日時を取得するカレンダー機能部20を備えている。
【0020】
上記ROMには、カーナビゲーション装置1がナビゲーション動作を実行するためのナビゲーション実行プログラムが格納されている。また、上記RAMにはプログラム実行時の一時データ、地図データ入力器11から取得した地図データ、VICS受信機13により受信した事故発生位置データと事故発生状況データなどが一時的に格納されるようになっている。
【0021】
位置検出器8(位置検出手段に相当)は、地磁気センサ21、ジャイロスコープ22、距離センサ23およびGPS受信機24から構成され、車両の現在位置情報を検出するものである。この位置検出器8の各構成要素はそれぞれ性質の異なる検出誤差を有するので、制御回路7は、位置検出器8からの各信号入力を互いに補間しながら使用することにより、車両の現在位置、進行方向、速度、走行距離などを高精度で検出できるようになっている。なお、位置検出器8において、要求される検出精度で現在位置を検出可能であれば、全ての構成要素を備える必要はない。また、ステアリングホイールの回転センサや各タイヤの回転を検出する車輪センサなどを組み合わせて位置検出器8を構成しても良い。
【0022】
速度検出器9は、車両速度を精度良く検出するものである。ただし、位置検出器8から出力される速度データを用いる場合には、速度検出器9を必要に応じて設ければ良い。また、シートスイッチ10は、車両に設けられた各座席の内部に設置され、その座席に人が座ることによりオン状態となるものである。
【0023】
地図データ入力器11は、DVD−ROMなどの情報記録媒体からなる地図ディスク25からデータを読み取るように構成されている。この場合、地図ディスク25には、地図データ、位置検出精度向上のためのマップマッチング用データ、建物等の高さデータや形状データを含む各種建造物の目印データ、店・施設名称データベース、電話番号と店・施設との対応を示す電話番号データベース等の各種データが記録されている。なお、上記情報記録媒体としては、例えばCD−ROMやメモリカードなどを用いても良い。
【0024】
VICS受信機13(受信手段に相当)は、FM多重放送を受信する機能、光ビーコンからの光信号の受光機能、電波ビーコンからの電波信号の受信機能、およびこれら受信(受光)した信号から道路交通情報と事故データとを抽出する機能を備えている。
【0025】
外部メモリ14は、フラッシュメモリカードなどにより構成されるもので、例えば制御回路7による経路検索処理により得られた目的地までの案内経路データ、VICS受信機13により受信した事故データなどを記憶するものである。なお、この外部メモリ14の機能を制御回路7内の記憶要素(RAMなど)により実現することも可能であり、この場合には外部メモリ14を必要に応じて設ければ良い。
【0026】
表示装置15およびスピーカ16は、本発明でいう出力手段に相当する。このうちカラー液晶パネルから構成される表示装置15は、車両の運転席近傍に設置され地図、文字、画像等を表示する。また、操作スイッチ群12は、メカニカルスイッチおよび表示装置15のパネル上に形成されたタッチスイッチなどからなり、データを入力したり設定事項を入力するために用いられる。リモコンセンサ17は、リモコン18からの操作入力を受信して制御回路7に与えるようになっている。なお、上述した位置検出器8、速度検出器9、シートスイッチ10、カレンダー機能部20、並びに制御回路7においてコンビネーションスイッチECU19から状態信号を入力する入力処理部(図示せず)が、本発明でいう走行状況検出手段に相当する。
【0027】
上記カーナビゲーション装置1の制御回路7は、その基本機能として、使用者が操作スイッチ群12やリモコン18を操作して目的地を設定すると現在位置から目的地までの案内経路データを算出する経路検索機能、その案内経路データにより示される案内経路を表示装置15に表示したりスピーカ16から音声出力する経路案内機能、VICS受信機13により受信した道路交通情報を表示装置15に表示する交通情報表示機能、現在位置を地図上に位置付けるマップマッチング機能などを備えている。
【0028】
次に、上記事故防止システムの動作について図1も参照しながら説明する。 図1(a)は、事故情報センタ4に設置されたサーバ2が実行する事故データの収集および送信に関する処理のフローチャートを示し、図1(b)は、カーナビゲーション装置1の制御回路7が実行する事故警告処理のフローチャートを示している。事故警告処理プログラムは、上述のナビゲーション実行プログラムの一部に組み込まれている。
【0029】
まず、事故情報センタ4において、サーバ2は警察またはメーデーシステムとオンライン接続されており、図1(a)に示すように、サーバ2は交通事故に伴う新たな事故データが発生したか否かを判断する(ステップS1)。新たな事故データが発生した場合には「YES」に従ってステップS2に移行し、事故発生位置データと事故発生状況データとからなる事故データを事故データベース3に登録する。この登録終了後および上記ステップS1で新たな事故データが発生していない(「NO」)と判断した場合にはステップS3に移行する。サーバ2は、このステップS3においてVICSセンタ5に対し最新(例えば過去数ヶ月分)の事故データを送信し、その後再びステップS1に戻る。VICSセンタ5は、上述したように道路交通情報と上記事故データとを編集・処理し、それをFM多重放送やビーコン6を利用して送信する。
【0030】
一方、カーナビゲーション装置1においては、図1(b)に示すように、制御回路7はVICS受信機13を介してVICSセンタ5から事故データを受信したか否かを判断する(ステップT1)。ここで、FM多重放送の受信により得られる事故データは、車両の現在位置を含む広域にわたる事故発生位置データと主要な事故発生状況データとから構成され、ビーコン6から受信(受光)した事故発生位置データは、車両の現在位置付近の局所的な事故発生位置データと全ての詳細な事故発生状況データとから構成されている。
【0031】
制御回路7は、ステップT1において事故データを受信したと判断した場合には「YES」に従ってステップT3に移行する。また、受信していないと判断した場合には「NO」に従ってステップT2に移行し、車両の現在位置付近の事故データが既に受信されているか否かを判断する。ここで、未だ受信されていない場合には「NO」に従ってステップT1に移行し、受信されている場合には「YES」に従ってステップT3に移行する。
【0032】
制御回路7は、ステップT3において、位置検出器8から得られる車両の現在位置と受信した事故発生位置データとを比較することにより、過去において事故が発生した事故発生地点に車両が接近しているか否かを判断する。ここで、事故発生位置に接近していないと判断すると「NO」に従ってステップT1に移行し、再び最新の事故データの受信処理を実行する。
【0033】
これに対し、事故発生地点に接近していると判断すると「YES」に従ってステップT4に移行し、運転者に対し経路案内中であるか否かを判断する。経路案内中(「YES」)と判断した場合には、車両は案内経路上を進行すると予測される。そこで、制御回路7は、ステップT5において、経路案内上の進行先の事故発生位置での事故発生状況と車両の現在の走行状況とを比較し、相互に共通する状況要素が存在するか否かを判断する。この場合、どの程度の共通する状況要素の存在(共通する要素数、共通の程度)を判断するかは、事故発生との関連性に基づいて予め決められている。
【0034】
ここで比較される状況要素は、案内経路に基づく車両の進行方向(右折・左折・直進)、目的地、運転継続時間、速度検出器9(または位置検出器8)により検出される車両速度、カレンダー機能部20から取得される現在時刻、季節、シートスイッチ10からの信号に基づいて検出される乗車人数、VICS受信機13により受信された道路交通情報、コンビネーションスイッチECU19から入力されるターンシグナルスイッチ、ライトコントロールスイッチ、ワイパスイッチの各状態などである。ここで、ターンシグナルスイッチの状態は、車両が案内経路に従って進行しない状況を事前に検出するために用いられ、ライトコントロールスイッチの状態は車両周囲の明るさを検出するために用いられ、ワイパスイッチの状態は天候(降雨時、降雪時)を検出するために用いられる。
【0035】
制御回路7は、ステップT5において相互に共通する状況要素が存在する(「YES」)と判断するとステップT6に移行し、当該事故発生位置を通過するのに先立って、運転者に対し表示装置15およびスピーカ16を介して画像または音声による警告メッセージ(警告情報に相当)を出力する。この警告メッセージには、事故発生状況に関する情報が付加されている。
【0036】
例えば、その事故発生位置が過去に速度超過に起因する事故が発生した地点であれば、「この先スピードオーバーによる事故が発生しています。速度を落として十分に注意して下さい。」という警告メッセージが出力され、スリップ事故が発生した地点であれば、「この先スリップによる事故が発生しています。路面状況、速度に注意して運転して下さい。」という警告メッセージが出力され、夕方の時間帯に事故が多発している地点であれば、「この先夕方の時間帯に事故が多発しています。十分に注意して下さい。」という警告メッセージが出力される。また、経路案内中であるため、右折時の事故が多発している地点を右折する案内経路が設定されている場合には、「間もなく右方向です。右折時の事故が多発しています。十分に注意して下さい。」という警告メッセージが出力される。
【0037】
これに対し、制御回路7は、ステップT4において経路案内中でない(「NO」)と判断した場合、およびステップT5において相互に共通する状況要素が存在しない(「NO」)と判断した場合にはステップT7に移行する。そして、制御回路7は、当該事故発生位置を通過するのに先立って、「事故発生地点です。注意して下さい。」という注意メッセージを出力する。制御回路7は、上記警告メッセージまたは注意メッセージを出力した後ステップT1に戻る。
【0038】
なお、制御回路7は、位置検出器8から出力される車両の現在位置と進行方向およびターンシグナルスイッチの状態などに基づいて、経路案内中でない場合にあっては車両の進行経路を予測し、経路案内中の場合にあっては車両の進行経路と案内経路とのずれを監視し、誤った地点でのメッセージの出力を防止する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の事故防止システムは、事故データを蓄積してなる事故データベース3を備えた事故情報センタ4と、この事故情報センタ4から提供される事故データを道路交通情報とともにFM多重放送やビーコン6により送信するVICSセンタ5と、車両に搭載されたカーナビゲーション装置1とから構成される。そして、カーナビゲーション装置1は、受信した事故発生位置データと車両の現在位置とに基づいて実際に過去に交通事故が発生した事故発生位置への接近を検出し、その過去の事故発生時における事故発生状況データと車両の現在の走行状況とに共通する状況要素が存在する場合に警告メッセージを出力する。
【0040】
このカーナビゲーション装置1によれば、実際に過去に事故が起こった地点に特化してその過去の事故発生時との状況比較が行われるので、その事故発生位置でしか分からない特有の要因と事故との因果関係が反映されたより正確な事故予測が可能となり、運転者は確実な警告メッセージの提供を受けることができる。また、この警告メッセージは、過去に事故が発生した地点を通過する際にのみ出力されるので、運転者は通常認識しているような一般的な注意メッセージ(例えば「雨天なので運転に注意して下さい」)が繰り返し与えられる煩わしさがなく、警告メッセージの濫発による運転者の慣れや運転者に過度に緊張状態を強いることを防止することができる。
【0041】
さらに、警告メッセージには事故発生状況に関する情報(具体的な事故名称)が付加されているので、運転者は警告メッセージが出力された理由を明確に認識でき、事故発生位置を通過する時にその事故発生状況に関する運転者の注意力がより高まって事故を未然に防ぐ効果が一層高まる。
【0042】
また、カーナビゲーション装置1は、過去の事故における事故発生状況データと車両の現在の走行状況とに共通する状況要素が存在しない場合には、過去に起こった事故と同様な事故は起こりにくいとして、警告メッセージに替えて過去に事故が起こった地点を通過する旨の注意メッセージを出力する。これは、運転者が不必要な警告メッセージを受けると、運転者の注意が事故との因果関係の少ない事故発生状況に偏ってしまい、真に必要な他の状況への注意が散漫になり易いためである。注意メッセージには特定の事故発生状況は含まれていないため、運転者は事故発生地点を通過するという認識の下で全体的に注意を払うことが動機付けられる。
【0043】
また、経路案内の非実行中は車両の進行経路が予想しづらくなり、車両が事故発生位置を通過すると判断してから実際に車両がその事故発生位置を通過するまでの時間は短くなる傾向がある。この場合、制御回路7にとって比較的処理時間を要する事故発生状況と車両の走行状況との比較処理が間に合わない虞もある。本実施形態によれば、制御回路7は、警告メッセージに替えて上記注意メッセージを出力するので、メッセージの出力が遅れることを防止できる。ただし、例えば右左折する場合において、ターンシグナルスイッチの状態に基づいて車両の進行経路が明確になった時には、経路案内中と同様にしてステップT5の処理に移行するようにしても良い。
【0044】
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
事故データベース3を各車両ごとに持つようにしても良い。また、事故データをDVD−ROMやCD−ROMなどの記録媒体により供給し、その事故データを地図データ入力器11を用いて読み込むように構成しても良い。さらに、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、高速道路のサービスエリア、パーキングエリアなどに事故情報センタ4とオンライン接続された情報端末装置を設置し、その情報端末装置からメモリカードなどの記録媒体に事故データを記録させ、カーナビゲーション装置1はその記録媒体から事故データを入力するシステム構成としても良い。
【0045】
事故情報センタ4から提供される事故データは、VICSに限らず他の交通情報データサービスを利用して車両側に送信しても良い。また、カーナビゲーション装置1にインターネット接続機能を付加し、他の情報センタや事故情報履歴を扱っているホームページから事故データをダウンロードするように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので事故情報センタのサーバの処理およびナビゲーション装置の制御回路の事故警告処理を示すフローチャート
【図2】事故防止システムの構成を機能ブロックにより概略的に示す図
【符号の説明】
1はカーナビゲーション装置(車両用ビゲーション装置)、3は事故データベース(蓄積事故情報)、4は事故情報センタ(情報センタ)、5はVICSセンタ(送信手段)、6はビーコン(送信手段)、7は制御回路(経路案内手段、警告制御手段)、8は位置検出器(位置検出手段、走行状況検出手段)、9は速度検出器(走行状況検出手段)、10はシートスイッチ(走行状況検出手段)、13はVICS受信機(受信手段)、15は表示装置(出力手段)、16はスピーカ(出力手段)、20はカレンダー機能部(走行状況検出手段)である。
Claims (4)
- 車両の現在位置を検出する位置検出手段と、経路案内を実行する経路案内手段と、この経路案内手段から出力される案内経路に関する情報を出力する出力手段とを備えた車両用ナビゲーション装置において、
車両の現在の走行状況を検出する走行状況検出手段と、
過去に生じた交差点における交通事故に関するデータが蓄積されてなる蓄積事故情報の中の事故発生位置に係る情報を情報記録媒体または外部から入力するとともにその事故発生位置と前記位置検出手段により検出された車両の現在位置とに基づいて前記事故発生位置への接近を検出し、車両がその事故発生位置を通過するのに先立って、前記蓄積事故情報の中のその事故発生時における事故発生状況に係る情報を前記情報記録媒体または外部から入力するとともにその事故発生状況と前記走行状況検出手段により検出された車両の走行状況とを比較し、その事故発生時における車両の進行方向(右折・左折・直進)と、案内経路もしくはターンシグナルスイッチの状態に基づく車両の進行方向(右折・左折・直進)とに共通点がある場合に前記出力手段を介して前記事故発生状況に関する情報が付加された警告情報を出力し、共通点がない場合に前記警告情報に替えて事故発生地点であることを知らせる注意情報を出力する警告制御手段とを備えていることを特徴とする車両用ナビゲーション装置。 - 前記警告制御手段は、前記経路案内手段が経路案内を実行していない場合、前記警告情報に替えて事故発生地点であることを知らせる注意情報を出力することを特徴とする請求項1記載の車両用ナビゲーション装置。
- 車両の外部から送信されてくる前記事故発生位置に係る情報と前記事故発生状況に係る情報とを受信する受信手段を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の車両用ナビゲーション装置。
- 車両に搭載された請求項3記載の車両用ナビゲーション装置と、
過去に生じた交差点における交通事故に関するデータが蓄積されてなる蓄積事故情報を有する情報センタと、
車両に対して前記蓄積事故情報の中から前記車両の現在位置付近の事故発生位置に係る情報とその事故発生状況に係る情報とを送信する送信手段とを備えて構成されていることを特徴とする事故防止システム。
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